JP3660583B2 - 変圧器の組立方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、受入試験を実施対象とする変圧器の組立方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気学会電気規格調査会標準規格JEC−2200「変圧器」(以下、JEC)に定める受入試験に基づき、製作工場にて変圧器を組立てて受入試験を実施し、出荷・輸送・現地組立・現地試験を経て完成するという段取りであった。
【0003】
例えば分解輸送方式の変圧器の場合、JECに基づき製作工場にて変圧器を組立てて受入試験を実施した後、コイル・鉄心や他の内部構造物及び本体タンクや外部付属品を、これら部品単位で分解して輸送し、据付現地にて再度組み立てることになるため、製作工場内での組立と据付現地において2回の組立作業が生じることとなる。
【0004】
特に分解輸送方式の変圧器は、一度組立てた鉄心等の変圧器内部構造物を分解するため、信頼性の観点から分解作業には部品に傷などが付かないように細心の注意が必要となり作業量も多くなり、且つ製作工場にて行なった受入試験と同等の性能を据付現地での再組立後に保持していることを検証する必要があった。更に、組立作業1回分及び組上がった状態からの解体作業分の工程には、各部品が破損しないように多大な注意を払いながら組立てるので、多大な時間を要し、これらによる発生費用も多大なものとなる。
【0005】
また変圧器の本体タンクにコイル・鉄心・他の内部構造物を収納したまま輸送する一般的な一体輸送方式、或いは単相組合せ三相方式の変圧器においても、製作工場にて防音壁や冷却器及びコンサベータ等の外部付属品を本体タンクに取付け、受入試験を実施した後、外部付属品を解体して輸送し、現地にて再取付を行なっており、製作工場内での外部品の取付と据付現地おける外部品の取付を行う2回の取付作業が生じている。更に取付作業1回分及び組上がった状態からの解体作業分の工程も長くなり、これらによる発生費用も多大なものとなる。尚,変圧器の組立て方法として特開平9―82530号公報の技術を挙げることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように受入試験を実施対象とする変圧器において、製作工場にて変圧器を組立てて受入試験を実施し、出荷・輸送・現地組立・現地試験を経て完成するという段取りでは、工場内での組立及び解体作業による工程延長・費用発生が伴い、特に分解輸送方式の変圧器においては製品の破損防止、電気的な絶縁性劣化の防止等における信頼性の確保のために作業量が増加するという難点があった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、作業量の低減、工程の短縮を実現した変圧器の組立方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための手段として、本発明は、従来製作工場にて行なわれていた変圧器の組立及び受入試験を、変圧器の構成部品を製作した後、工場内での組立を行なうことなく、据付現場へ変圧器の構成部品を輸送し、据付現場にて初めて実施することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
即ち、本発明の第1の特徴は、分解輸送方式の変圧器に係るものであり、変圧器の構成部品を製作した後、工場内での組立を行なうことなく変圧器を構成するコイル・鉄心及び付属品をこれら部品単位で輸送装置に各個収納固定して据付現場へ輸送し、変圧器の組立及び受入試験を据付現場にて初めて実施することにあり、一般に屋外に設置されることが多い変圧器を、据付現地でコイル・鉄心等の内部品から組立てるには、製品信頼性のために塵埃及び水分を避ける必要があるが、本発明は製作工場と同等の塵埃・水分管理を可能としたクリーンハウスを据付現地に設置することで、変圧器の現地組立を実現できるものである。
【0010】
また本発明の第2の特徴は、防音壁や冷却器及びコンサベータ等の外部付属品を有する一体輸送方式或いは単相組合せ三相方式の変圧器に係るものであり、変圧器の構成部品を製作しコイル・鉄心及び内部構造物を変圧器の本体タンクに収納した後、工場内での外部付属品の取付けを行なうことなく、変圧器を構成するコイル・鉄心及び内部構造物を収納した変圧器の本体タンクと外部付属品を据付現場へ輸送し、変圧器の外部付属品取付け及び受入試験を据付現場にて初めて実施することにある。
【0011】
以下、本発明における具体的な実施例を図1に示す作業フローに基づいて説明する。
【0012】
図1の一実施例は油入変圧器の作業フローを示す。作業フローは本発明による手法と従来手法を対比しながら説明する。先ず、分解輸送変圧器における従来手法の一例について説明する。
【0013】
(1)・工場内製作
製作工場にて変圧器本体のタンク内に収納されるコイル・鉄心及び他の内部構造物を製作する。並行して本体タンクを構成する下タンク・上タンク等の分割タンク及び防音壁や冷却器と連結される配管・架台や他の外部製缶品を製作する。
【0014】
この状態で従来手法によれば、例えばコイルを挿入した鉄心をタンク内に収納し、この変圧器の外部に例えば冷却器を取付けることにより組立を完了後、タンク内に絶縁油を真空充填し、受入試験例えば変圧比測定・短絡インピーダンス・損失測定・耐電圧試験・温度上昇試験等について所定の試験を実施する。
【0015】
(2)・発送準備・輸送
受入試験終了後、防音壁や冷却器、コンサべータ等の外部品を解体し,更に本体タンクからコイル、鉄心等の中身部品を取り出し、輸送単位に分解する。これらの変圧器のコイル、鉄心等の中身部品を輸送専用の輸送タンクに固定して、輸送タンクに乾燥空気を封入した状態で据付現場に輸送トレーラにより輸送する。分割した本体タンク及び防音壁や冷却器等の外部品も輸送トレーラに固定して据付現場に輸送する。
【0016】
(3)・現地据付
据付現地にて製作工場と同等の雰囲気環境を備えるクリーンハウスを設置し、組立工程に合わせて変圧器内の部品を順次搬入し、クリーンハウス内で図1中(3)に示す工程により変圧器の組立を実施する。例えば巻線を挿入した鉄心をタンク内に収納すると共に、クリーンハウスを解体し、変圧器に外部品例えば冷却器を取付け、タンク内に絶縁媒体を充填し、変圧器の組立てを完了し、検証試験及び据付試験を実施し全行程が完了となる。検証試験は受入試験時と同等の性能を据付現地での再組立後に保持しているか否かを検証する試験である。つまり、受入試験と同等の手順で実施される。
【0017】
また一体輸送方式或いは単相組合せ三相方式の変圧器の場合は、製作工場で組立てて受入試験を実施後、変圧器の外部品のみを解体し、それ以外の変圧器をシュナーベル輸送等により直接据付現場に輸送する。据付現場における変圧器の据付手順は、外部品の取付から以降前述と同じである。
【0018】
上記従来手法に対し、本発明による手法は、以下の手順となる。
(1)・工場内製作
製作工場にて変圧器本体のタンク内に収納されるコイル・鉄心等の中身部品及び他の内部構造物を製作する。並行して変圧器本体タンクを構成する下タンク・上タンク等の分割タンク及び防音壁や冷却器と連結される配管・架台や他の外部製缶品等の外部品を製作する。これらの部品製作の際、本体タンク内に収納されるコイルやリード線・絶縁物は吸湿防止のため絶縁処理が施される。
【0019】
(2)・発送準備・輸送
中身部品及び外部品により直接変圧器を組立、分解することなく、部品を直接輸送手段により据付現場に輸送する。
(3)・現地据付
据付現場において前述と同様に図1中(3)の工程により組立を完了する。この際、本発明では受入試験を製作工場にて実施していないので、受入試験を実施する。ここで、従来据付現場で実施していた検証試験・据付試験は不要となる。
【0020】
このように本発明によれば、従来手法に比べ、工場内で中身部品を組立て本体タンクに収納し、外部品の取付けを実施した変圧器の受入試験後における発送準備のための部品解体を省略することができるので、大幅な作業工程数を低減することが出来るようになった。
【0021】
作業工程数の低減に関して、図2に本発明と従来手法との変圧器製作工程期間の概略比較を1000MVAの変圧器についての一例として示す。本図から明らかなように本発明によれば、従来の分解輸送方式に比べて約2ヶ月の作業期間の短縮を図れることがわかる。尚、図2において現地養生とは、据付現地にて製作工場と同等の雰囲気環境を備えるクリーンハウスを設置し、変圧器を組立てる部品及び組み立て工具,機械等を準備する期間を云う。
【0022】
また従来のように変圧器部品を解体する作業は、部品に傷をつけたり、破損したりする可能性があるため、部品に傷、破損等を生じないように細心の注意を払いながら作業をするので、作業能率が悪くなるが、本発明では変圧器の部品の解体作業を必要としない分、作業が効率的となり、また部品に傷をつけたり、破損をしたりすることがないため、製品信頼性が向上する。
【0023】
更に、本発明において、受入試験は据付現場における1回の性能確認でよいから、従来の製作工場での受入試験結果と据付現場における検証試験結果とに有意差を生じた場合、性能上問題がないとしても、その有意差の原因究明に時間を要したが、本発明においては、1回の試験で終了できるため、受入試験に付帯する作業時間も短縮することができる。
【0024】
更に変圧器の部品を納入する業者に部品を直接据付現場に輸送してもらうようにすれば、従来、業者により部品を工場に納入し、部品を組立て変圧器の組立てを完了し、完了した変圧器を再度各部品に解体し、各部品を据付現場に輸送するので、2回輸送を必要としていたが、本発明によれば、部品を納入する業者が部品を直接据付現場に輸送することにより、1回の輸送でよいから、輸送コストを低減することができる。
【0025】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、変圧器の構成部品を直接輸送手段で据付現場に輸送し、据付現場で初めて変圧器の組立て及び受入試験を実施することにより、変圧器の組立工程及び試験工程を短縮することが出来るようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明と従来との組立て方法による変圧器の製作工程順を示す概略工程図。
【図2】本発明と従来との組立て方法による変圧器の製作工程期間の概略を比較した図。
【符号の説明】
(1)…工場内製作、(2)…発送準備・輸送、(3)…現地据付。
Claims (3)
- 工場内で変圧器の構成部品を製作した後、変圧器組立て前に各構成部品を輸送手段により据付現場に輸送し、据付現場において変圧器を組立てて絶縁媒体を充填した後、受入試験を実施することを特徴とする変圧器の組立方法。
- 工場内で変圧器を構成する巻線,鉄心,タンク等の部品を製作した後、これらの構成部品を変圧器組立て前に輸送手段により据付現場に輸送し、据付現場において前記巻線を挿入した前記鉄心を前記タンク内に収納すると共に、前記タンク内に絶縁媒体を充填して変圧器の組立てを完了させた後、受入試験を実施することを特徴とする変圧器の組立方法。
- 前記構成部品の他に、冷却器、コンサベータ等の外部品を輸送手段により据付現場に輸送して組立てることを特徴とする請求項1または2記載の変圧器の組立方法。
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JP2000381400A JP3660583B2 (ja) | 2000-12-15 | 2000-12-15 | 変圧器の組立方法 |
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JP2002184622A JP2002184622A (ja) | 2002-06-28 |
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JP2000381400A Expired - Lifetime JP3660583B2 (ja) | 2000-12-15 | 2000-12-15 | 変圧器の組立方法 |
Country Status (1)
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2000
- 2000-12-15 JP JP2000381400A patent/JP3660583B2/ja not_active Expired - Lifetime
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