JP3660502B2 - 画像形成装置管理システムとその画像形成装置およびその制御方法 - Google Patents

画像形成装置管理システムとその画像形成装置およびその制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写装置,プリンタ,ファクシミリ装置等の画像形成装置と中央制御装置とを通信回線を介して接続した画像形成装置管理システム、上記画像形成装置、及びその画像形成装置における制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置管理システムとしては、不特定多数のユーザ(顧客)のオフィス等に設置された画像形成装置(遠隔診断を前提としている複写装置等)をデータ通信装置及び公衆回線等の通信回線を利用して、販売,サービスの拠点(会社)などに設置されている中央制御装置(ホストマシン)と接続可能にしたものが一般に知られている。
【0003】
このような画像形成装置管理システムは、以下の(1)〜(3)に示す制御を行なうことにより、効率的且つ迅速にサービス対応を行なうことを目的とするものである。
(1)中央制御装置から画像形成装置への通信制御
(2)画像形成装置から中央制御装置又はデータ通信装置への通信制御
(3)データ通信装置独自の制御
【0004】
ところで、(1)に示した中央制御装置から画像形成装置への通信制御に関して、中央制御装置は、以下の(1)〜(5)に示すようなメーセッジを画像形成装置に送信してその操作表示部に表示させることができる。
これらのメッセージの中には、顧客にすぐに知らせる必要がある緊急を要するメッセージや、いずれ見てもらえばよい緊急を要しないメッセージがある。また、顧客,使用形態,契約内容によって、同一のメッセージであっても緊急の度合いが異なる場合が多い。
【0005】
(1)画像形成装置使用契約期間への接近,満了,満了による機能停止の連絡
(2)画像形成装置使用契約枚数への接近,満了,満了による機能停止の連絡
(3)画像形成装置保守者訪問予定日時の連絡
(4)検針値の連絡
(5)遠隔テストの実施開始,終了の連絡
【0006】
一方、画像形成装置は、転写紙上に形成されたトナー像を加熱定着する定着部及び操作表示部を有しており、予め設定された所定時間の放置により(その所定時間内に操作表示部上のキー操作又は画像形成動作が行なわれなかった時に)、画像形成動作を実行可能な画像形成モードを解除して定着部の温度を下げて節電を行なう予熱モードに移行させ、操作表示部の表示を全て消去するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、画像形成装置は、予熱モード中に中央制御装置から上述したようなメッセージを受信した場合には、操作表示部の表示を全て消去しているため、受信したメッセージが緊急を要するものであっても、それを操作表示部上に表示することができなかった。
【0008】
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、画像形成装置において、予熱モード中に中央制御装置からメッセージを受信した場合でも、それを操作表示部上に表示できるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、画像形成装置管理システムとその画像形成装置及びその制御方法を提供する。
請求項1〜6の発明は、転写紙上に形成されたトナー像を加熱定着する定着部及び操作表示部を有する画像形成装置と中央制御装置とが通信回線を介して接続され、中央制御装置が、通信回線を介して画像形成装置を遠隔管理する遠隔管理手段を有する画像形成装置管理システムにおいて、以下のようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項1の発明は、画像形成装置に、予め設定された所定時間の放置により、画像形成動作を実行可能な画像形成モードを解除して定着部の温度を下げて節電を行なう予熱モードに移行させる予熱モード移行手段と、該手段による予熱モード移行時に、操作表示部の表示を全て消去する表示消去手段と、中央制御装置から通信回線を介して送信されるメッセージを受信するメッセージ受信手段と、予熱モード中にメッセージ受信手段によるメッセージの受信があったとき、その予熱モードを解除して画像形成モードに戻す予熱モード解除手段と、該手段による予熱モードの解除により、メッセージ受信手段によって受信されたメッセージを操作表示部に表示するメッセージ表示手段と、予熱モード解除手段の有効/無効を設定する有効/無効設定手段とを設けたものである。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置管理システムにおいて、画像形成装置の有効/無効設定手段を、予熱モード解除手段の有効/無効の設定を操作表示部からの指示によって行なう手段としたものである。
【0012】
請求項の発明は、請求項の画像形成装置管理システムにおいて、画像形成装置の有効/無効設定手段を、予熱モード解除手段の有効/無効の設定を中央制御装置からの指示によって行なう手段としたものである。
【0013】
請求項の発明は、画像形成装置に、予め設定された所定時間の放置により、画像形成動作を実行可能な画像形成モードを解除して定着部の温度を下げて節電を行なう予熱モードに移行させる予熱モード移行手段と、該手段による予熱モード移行時に、操作表示部の表示を全て消去する表示消去手段と、中央制御装置から通信回線を介して送信されるメッセージを受信するメッセージ受信手段と、該手段によって受信されたメッセージを識別するメッセージ識別手段と、予熱モード中にメッセージ受信手段によるメッセージの受信があったとき、そのメッセージに対するメッセージ識別手段による識別結果に応じて予熱モードを選択的に解除して画像形成モードに戻す予熱モード解除手段と、該手段による予熱モードの解除により、メッセージ受信手段によって受信されたメッセージを操作表示部に表示するメッセージ表示手段とを設けたものである。
【0014】
請求項の発明は、画像形成装置に、予め設定された所定時間の放置により、画像形成動作を実行可能な画像形成モードを解除して定着部の温度を下げて節電を行なう予熱モードに移行させる予熱モード移行手段と、該手段による予熱モード移行時に、操作表示部の表示を全て消去する表示消去手段と、中央制御装置から通信回線を介して送信されるメッセージを受信するメッセージ受信手段と、該手段によって受信されたメッセージに付加されているデータを識別する付加データ識別手段と、予熱モード中にメッセージ受信手段によるメッセージの受信があったとき、そのメッセージに付加されているデータに対する付加データ識別手段による識別結果に応じて予熱モードを選択的に解除して画像形成モードに戻す予熱モード解除手段と、該手段による予熱モードの解除により、メッセージ受信手段によって受信されたメッセージを操作表示部に表示するメッセージ表示手段とを設けたものである。
【0015】
請求項の発明は、請求項1乃至のいずれか一項の画像形成装置管理システムにおいて、画像形成装置に、メッセージ表示手段によって操作表示部に表示されたメッセージを、操作表示部からの指示によって消去するメッセージ消去手段と、メッセージ表示手段によって操作表示部に表示可能なメッセージに対してそのメッセージの消去を可能にするか否かを設定するメッセージ消去可否設定手段とを設け、メッセージ消去手段が、メッセージ消去可否設定手段によって消去を可能にする設定がなされたメッセージがメッセージ表示手段によって操作表示部に表示された場合にのみ、そのメッセージの消去を可能にするものである。
請求項7の発明は、中央制御装置により通信回線を介して遠隔管理可能な画像形成装置において、予め設定された所定時間の放置により、画像形成動作を実行可能な画像形成モードを解除して定着部の温度を下げて節電を行なう予熱モードに移行させる予熱モード移行手段と、該手段による予熱モード移行時に、操作表示部の表示を全て消去する表示消去手段と、中央制御装置から通信回線を介して送信されるメッセージを受信するメッセージ受信手段と、予熱モード中にメッセージ受信手段によるメッセージの受信があったとき、その予熱モードを解除して画像形成モードに戻す予熱モード解除手段と、該手段による予熱モードの解除により、メッセージ受信手段によって受信されたメッセージを操作表示部に表示するメッセージ表示手段と、予熱モード解除手段の有効/無効を設定する有効/無効設定手段とを設けたものである。
請求項8の発明は、中央制御装置により通信回線を介して遠隔管理可能な画像形成装置における制御方法において、転写紙上に形成されたトナー像を加熱定着する定着部の温度を下げて節電を行なう予熱モードの解除機能の有効/無効を予め設定しておき、予め設定された所定時間の放置により、画像形成動作を実行可能な画像形成モードを解除して予熱モードに移行させ、操作表示部の表示を全て消去した後、中央制御装置から通信回線を介して送信されるメッセージを受信したとき、予熱モードの解除機能が有効に設定されていた場合にのみ、予熱モードを解除して画像形成モードに戻し、上記受信したメッセージを操作表示部に表示するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面を参照して具体的に説明する。
図1は、この発明の一実施形態である画像形成装置管理システムの構成例を示すブロック図である。
【0017】
この画像形成装置管理システムは、遠隔診断を前提とした5台の画像形成装置(複写装置等)1〜5と中央制御装置6とをデータ通信装置7及び通信回線8を介して接続し、中央制御装置6によって各画像形成装置1〜5を集中的に遠隔管理できるようにしたものである。
【0018】
データ通信装置7は、中央制御装置6からの指令信号を画像形成装置1〜5へ選択的に送信したり、逆に画像形成装置1〜5からの各種通報を通信回線8を経由して中央制御装置6へ送信する。
【0019】
このデータ通信装置7は、24時間通電を行なっていて、通常画像形成装置1〜5の電源がオフになっている夜間でも中央制御装置6との通信を可能にしている。このデータ通信装置7と各画像形成装置1〜5とはシリアル通信インタフェースRS−485によりマルチドロップ接続されていて、データ通信装置7からのポーリング,セレクティングにより各画像形成装置1〜5との通信を行なっている。
【0020】
図2は、画像形成装置1〜5の制御部の構成例を示すブロック図である。
画像形成装置1〜5の制御部は、それぞれCPU11,リアルタイムクロック回路12,ROM13,RAM14,不揮発性RAM15,入出力ポート16,及びシリアル通信制御ユニット17a,17b,17cからなるPPC(画像形成装置)コントローラと、パーソナルインタフェース(以下「インタフェース」を「I/F」と略称する)18と、システムバス19とを備えている。
【0021】
CPU11は、ROM13内の制御プログラムによってこの制御部全体を統括的に制御する中央処理装置である。
リアルタイムクロック回路12は、時刻情報を発生するものであり、CPU11がそれを読み込むことによって現在の時刻を知ることができる。
ROM13は、CPU11が使用する制御プログラムを含む各種固定データを格納しているリードオンリ・メモリである。
【0022】
RAM14は、CPU11がデータ処理を行なう際に使用するワークメモリ等として使用するランダムアクセス・メモリである。
不揮発性RAM15は、後述する操作表示部(図4)等からのモード指示の内容などを記憶するメモリであり、電池によってバックアップされている。
入出力ポート16は、画像形成装置内のモータ,ソレノイド,クラッチ等の出力負荷やセンサ・スイッチ類を接続している。
【0023】
シリアル通信制御ユニット17aは、図示しない操作表示部との信号のやりとりを行なっている。
シリアル通信制御ユニット17bは、図示しない原稿送り部との信号のやりとりを行なっている。
シリアル通信制御ユニット17cは、図示しない転写紙後処理部との信号のやりとりを行なっている。
【0024】
パーソナルI/F18は、データ通信装置7との間の通信を司るインタフェース回路であり、CPU11のデータ通信装置7との通信処理のための負荷を軽減するために設けられている。もちろん、CPU11の処理能力が充分であれば、このパーソナルI/F18の機能をCPU11に取り込んでも差し支えない。
このパーソナルI/F18の主な機能は、以下の(1)〜(4)に示す通りである。
【0025】
(1)データ通信装置7からのポーリング,セレクティングの監視
(2)データ通信装置7への肯定応答,否定応答処理
(3)データ通信装置7との間の送受信データの正当性のチェック,パリティチェック,及びエラー発生時の再送要求処理
(4)データ通信装置7との間の送受信データのヘッダ処理
【0026】
システムバス19はアドレスバス,コントロールバス,データバスからなるバスラインであり、CPU11,リアルタイムクロック回路12,ROM13,RAM14,不揮発性RAM15,入出力ポート16,シリアル通信制御ユニット17a,17b,17c,及びパーソナルI/F18を相互に接続する。
【0027】
図3は、図2のパーソナルI/F18の構成例を示すブロック図である。
このパーソナルI/F18は、CPU21,デュアルポートメモリ22,レジスタ23〜26,入力ポート27,シリアル通信制御ユニット28,ローカルバス29,及びディバイスコード設定スイッチ30によって構成されている。
【0028】
CPU21は、中央処理装置,ROM,RAM等からなるワンチップのマイクロコンピュータであり、このパーソナルI/F18全体を統括的に制御する。
デュアルポートメモリ22は、CPU21と図2のCPU11の双方から読み書き可能であり、パーソナルI/F18とPPCコントローラ31との間でのテキストデータの授受に使用されるデータメモリである。
【0029】
なお、PPCコントローラ31は上述したCPU11,リアルタイムクロック回路12,ROM13,RAM14,不揮発性RAM15,入出力ポート16,及びシリアル通信制御ユニット17a,17b,17cによって構成される。
レジスタ23〜26は、上記テキストデータの授受時に制御用として使用されるが、詳細な説明は省略する。
【0030】
ディバイスコード設定スイッチ30は、画像形成装置毎に固有のディバイスコードを設定するためのものであり、データ通信装置7からのポーリング,セレクティング時のディバイスコード識別用として使用される。
シリアル通信制御ユニット28は、データ通信装置7および/または他の画像形成装置のパーソナルI/F18と接続される。
【0031】
図4は、画像形成装置1〜5の操作表示部の構成例を示すレイアウト図である。
この操作表示部は、一般の制御部(例えば図2に示した画像形成装置1〜5における制御部)と同様に、制御プログラムを格納したROM,その制御プログラムによって各種制御を実行するCPU,データを一時格納するRAM,電池によりバックアップされた不揮発性RAM,シリアル通信制御ユニット,及び入出力ポート等を備えており、図2のシリアル通信制御ユニット17aとデータ授受を行なうが、その詳細は省略する。
【0032】
この操作表示部は、上述した制御部の他に、テンキー71,クリア/ストップキー72,プリントキー73,エンタキー74,割り込みキー75,予熱/モードクリアキー76,モード確認キー77,画面切り替えキー78,呼び出しキー79,登録キー80,ガイダンスキー81,表示用コントラストボリューム82,及び文字表示器83を備えている。
【0033】
テンキー71は、画像形成枚数(コピー枚数)や倍率等の数値を入力するためのキーである。
クリア/ストップキー72は、置数(画像形成枚数)をクリアしたり、画像形成(コピー)動作をストップさせたりするためのキーである。
プリントキー73は、画像形成動作を実行開始させるためのキーである。
【0034】
エンタキー74は、ズーム倍率や綴じ代寸法用置数等の数値の指定を確定させるためのキーである。
割り込みキー75は、コピー中に割り込んで別の原稿をコピーする時などに使用するキーである。
予熱/モードクリアキー76は、設定した全ての画像形成モードの内容を取り消したり、予熱モードを設定して節電状態にしたりするためのキーである。
【0035】
モード確認キー77は、文字表示器83に選択的に表示される各画像形成モードを一覧表示で確認するためのキーである。
画面切り替えキー78は、文字表示器83の表示形態を熟練度に応じて切り替えるためのキーである。
呼び出しキー79は、ユーザプログラムを呼び出すためのキーである。
【0036】
登録キー80は、ユーザプログラムを登録するためのキーである。
ガイダンスキー81は、文字表示器83にガイダンスメッセージ等を表示するためのキーである。
表示用コントラストボリューム82は、文字表示器83のコントラストを調整するためのものである。
【0037】
文字表示器83は、液晶(LCD),蛍光表示管等のフルドット表示素子を用い、その上に多数のタッチセンサを内蔵(例えば8×8表示画素毎にある)した略透明なシート状のマトリックスタッチパネルを重ねており、電源投入により、例えば図5に示すような画像形成装置の状態(「コピーできます」「コピー中です」「転写紙がありません」等),画像形成枚数,各種キーを示す通常の画像形成モード画面を表示する。
【0038】
ここで、その画面上のキー(表示部)を押下(タッチ)することにより、給紙段(用紙サイズ),自動用紙(原稿サイズと設定倍率により最適な転写紙が収納されている給紙段が自動選択される),画像濃度(コピー濃度),自動濃度(原稿の濃度に応じて画像濃度が自動選択される),変倍率(等倍,縮小,拡大,用紙指定変倍,ズーム変倍,寸法変倍),両面モード,綴じ代モード,ソートモード等の画像形成動作に関わる各種の画像形成モードを任意に選択することができ、押下されたキーは白黒反転表示に切り替わる。
【0039】
図6は、図1のデータ通信装置7の一例を示すブロック構成図である。
このデータ通信装置7は、制御部41,オートダイアラ部42,及び回線制御部43からなる。
制御部41は、5台の画像形成装置1〜5を制御したり、通信回線8を経由して中央制御装置6からの指令信号の受信を制御したりする。
【0040】
オートダイアラ部42は、画像形成装置1〜5からの各種通報により中央制御装置6に対して自発呼を行なう。
回線制御部43は、通信回線8との接続制御や一般電話機44との切り換え制御を行なう。
【0041】
制御部41は、図示は省略するが、一般の制御部(例えば図2に示した画像形成装置1〜5における制御部)と同様に、制御プログラムを格納したROM,その制御プログラムによって各種制御を実行するCPU,データを一時格納するRAM,電池によってバックアップされた不揮発性RAM,シリアル通信制御ユニット,入出力ポート,及び現在時刻を知るためのリアルタイムクロック回路等を備えている。
【0042】
なお、そのうちの不揮発性RAMには、中央制御装置6及び複数の画像形成装置1〜5の一方から他方への送信データや、複数の画像形成装置1〜5の中から1台を特定するそれぞれのディバイスコード及びIDコード,中央制御装置6の電話番号,回線接続が成功しなかった場合の再発呼回数,再発呼間隔などが記憶される。
【0043】
次に、この画像形成装置管理システムの概略機能について説明する。
この画像形成装置管理システムの機能には、大きく分けて以下の(1)〜(3)に示す3種類の機能がある。
(1)中央制御装置6から画像形成装置1〜5への通信制御
(2)画像形成装置1〜5から中央制御装置6への通信制御
【0044】
(1)の中央制御装置6から画像形成装置1〜5への通信制御には、例えば以下の(a)〜(d)に示すものがある。
(a)特定の画像形成装置のトータル画像形成枚数(積算画像形成枚数),給紙段(給紙トレイ)毎の画像形成枚数,転写紙サイズ毎の画像形成枚数,ミスフィード回数,転写紙サイズ毎のミスフィード回数,転写紙搬送位置毎のミスフィード回数等の読み取り及びリセット
【0045】
(b)画像形成装置を構成する各ユニットの制御電圧,電流,抵抗,タイミング等の調整値の設定及び読み取り
(c)特定の画像形成装置へのメッセージ送信
(d)(2)の通信制御による画像形成装置1〜5から中央制御装置6への通信制御に対する結果返送
【0046】
これらの制御は、中央制御装置6からの指令信号を受信して、データ通信装置7から画像形成装置1〜5へのセレクティングによって行なう。セレクティングとは、接続されている5台の画像形成装置1〜5の中から1台を選択して通信する機能をさす。
【0047】
図7は、データ通信装置7におけるセレクティング動作の一例を示すフローチャートである。
各画像形成装置1〜5はそれぞれユニークな(特定の)ディバイスコードを持っており、データ通信装置7は予め定められたセレクティング機能を示す特定コード(又はコードの組み合わせ)と選択すべき画像形成装置のディバイスコードとをシリアル通信インタフェースRS−485上に送出する。
【0048】
各画像形成装置1〜5は、セレクティング機能を示す特定コード(又はコードの組み合わせ)により、次に続くディバイスコードと自己のディバイスコードとを比較し、両コードが一致した時に自分がセレクティングされたことを知る。
ここで、セレクティングされた画像形成装置は、送出すべきデータがある場合には、予め定められた特定コード(又はコードの組み合わせ)によるビジー(Busy)応答を出力する。
【0049】
データ通信装置7は、このビジー応答を受けると、セレクティング動作を中断し、以下に述べるポーリング動作に移行する。
セレクティングされた画像形成装置は、送出すべきデータがない場合には、セレクティングに対応可能か否かを判断し、対応可能ならば予め定められた特定コード(又はコードの組み合わせ)による肯定応答を出力してデータ通信装置7との通信を実行する。
【0050】
対応不可能の場合は、予め定められた特定コード(又はコードの組み合わせ)による否定応答を出力してデータ通信装置7との通信を終了する。
また、データ通信装置7が出力したディバイスコードに対応する画像形成装置が電源OFFなどの理由で肯定応答も否定応答も出力できない場合には、データ通信装置7は予め定められた一定時間経過後にセレクティング動作を終了する。
【0051】
(2)の画像形成装置1〜5から中央制御装置6への通信制御には、例えば以下の(a)〜(e)に示すものがある。
(a)画像形成装置1〜5はそれぞれ、画像形成動作が不可能となる異常(故障)が発生した場合、その旨(通報要因)を即時にデータ通信装置7及び通信回線8を介して中央制御装置6へ通報する(緊急通報)。
【0052】
(b)画像形成装置1〜5はそれぞれ、使用者(顧客)による操作表示部上のキー操作により、画像形成モードからそれとは異なる使用者が必要な要求(修理依頼やサプライ補給依頼)を入力するための使用者要求入力モードに移行し、操作表示部の文字表示器83に使用者要求入力画面が表示され、その画面上の所定キーの押下によって使用者が必要な要求が入力された場合、その旨を即時にデータ通信装置7及び通信回線8を介して中央制御装置6へ通報する(緊急通報)。
【0053】
(c)画像形成装置1〜5はそれぞれ、積算画像形成枚数が予め設定された一定枚数(通報レベル値)に達した場合に、対応する情報(例えば積算画像形成枚数又は転写紙の発注情報等)を即時にデータ通信装置7及び通信回線8を介して中央制御装置6へ通報する(緊急通報)。
【0054】
(d)画像形成装置1〜5はそれぞれ、積算画像形成枚数が予め設定された一定期間に到達した場合に、対応する情報をデータ通信装置7へ通報し、そのデータ通信装置7はその日(当日)の指定時刻(これは中央制御装置6により設定され、データ通信装置7に記憶しておく)にそれまでに受信した情報をまとめて通信回線8を介して中央制御装置6へ通報する(非緊急通報)。この通信制御には、指定時刻に達する前にそれまでに受信した情報の通報回数が予め定められた回数に達した場合に、その指定時刻を待たずに中央制御装置6への送信を行なう制御も含まれる。
【0055】
(e)画像形成装置1〜5はそれぞれ、画像形成動作開始は可能であるが、交換部品の指定回数,指定時間への接近、センサの規格レベルへの到達など、予防保全を必要とする事象が発生した場合に、その旨を示す情報をデータ通信装置7へ通報し、そのデータ通信装置7はその日の指定時刻(これは中央制御装置6により設定され、データ通信装置7に記憶しておく)にそれまでに受信した情報をまとめて通信回線8を介して中央制御装置6へ通報する(非緊急通報)。この通信制御には、指定時刻に達する前にそれまでに受信した情報の通報回数が予め定められた回数に達した場合に、その指定時刻を待たずに中央制御装置6への送信を行なう制御も含まれる。
【0056】
これらの通信制御は、データ通信装置7からのポーリング時に行なう。ポーリングとは、接続されている5台の画像形成装置1〜5を順番に指定し、その指定された画像形成装置からの通信要求の有無を確認する機能をさす。
図8は、データ通信装置7におけるポーリング動作の一例を示すフローチャートである。
【0057】
データ通信装置7は、予め定められたポーリング機能を示す特定コード(又はコードの組み合わせ)と選択すべき画像形成装置のディバイスコードとをシリアル通信インタフェースRS−485上に送出する。
各画像形成装置1〜5は、ポーリング機能を示す特定コード(又はコードの組み合わせ)により、次に続くディバイスコードと自己のディバイスコードとを比較し、両コードが一致した時に自分がポーリングされたことを知る。
【0058】
次に、ポーリングされた画像形成装置は、送出データ(データ通信装置7又は中央制御装置6に対する通信要求)があればデータ通信装置7との通信を開始し、通信要求がない時又は開始した通信が終了した時は予め定められた特定コード(又はコードの組み合わせ)による終了応答を出力してデータ通信装置7との通信を終了する。
データ通信装置7は、終了応答を受け取ると、次の画像形成装置へのポーリングに移行する。
【0059】
また、データ通信装置7が出力するディバイスコードに対応する画像形成装置が、電源OFFなどの理由で通信を開始できなかったり、あるいは終了応答も出力できない場合、データ通信装置7は予め定められた一定時間経過後にポーリング動作を終了する。このポーリングは、セレクティングが発生しない限り、接続されている画像形成装置1〜5に対して順次繰り返される。
【0060】
図9は、中央制御装置6とデータ通信装置7との間で授受されるテキストデータの構成例を示す図である。
図9において、通番は1回の送信の中での通信ブロック番号であり、最初のブロックは「01」で始め、以降1ずつ増加させて「99」の次は「00」とする。
【0061】
IDコードは、データ通信装置7及びそのデータ通信装置7に接続された5台の画像形成装置1〜5から1台の画像形成装置を特定する目的を持っている。
識別コードは、通信目的の種類を示すコード(処理コード)にテキストデータの発信元,受信先を付加したものである。処理コードは、表1のように決められている。
【0062】
【表1】
Figure 0003660502
【0063】
情報レコードは情報コード,データ部桁数,及びデータ部よりなり、表2のように決められている。
IDコードと識別コードとの間、識別コードと情報レコードとの間、情報レコードと情報レコードとの間には、それぞれセミコロン(;)によるセパレータが挿入される。
【0064】
【表2】
Figure 0003660502
【0065】
図10は、データ通信装置7と画像形成装置1〜5のパーソナルI/F18との間で授受されるテキストデータの構成例を示す図である。
ディバイスコードは、前述のように各画像形成装置1〜5毎にディバイスコード設定スイッチ30(図3参照)によってそれぞれ固有に設定され、図9のIDコードとの関連は画像形成装置を初めてデータ通信装置7に接続したインストール時にその画像形成装置から読み込んでデータ通信装置7内の不揮発性RAMに記憶され、以降テキストデータの送出方向により適宜変換される。
【0066】
処理コードは前述したように通信目的の種類を示すコードであり、図9の識別コードからテキストデータの発信元,受信先を削除したものである。これも、テキストデータの送出方向により、データ通信装置7によって適宜付加,削除される。
【0067】
図11は画像形成装置1〜5のパーソナルI/F18とPPCコントローラ31(図3参照)との間で授受されるテキストデータの構成例を示す図であり、図10に示したデータ通信装置7とパーソナルI/F18との間で授受されるテキストデータからヘッダ,ディバイスコード,及びパリティ部分を取り除いたものである。
【0068】
なお、各画像形成装置1〜5はいずれも転写紙上に形成されたトナー像を加熱定着する定着部を備えている。
次に、この画像形成装置管理システムにおけるこの発明の参考となる予熱制御について説明する。
【0069】
図12は、各画像形成装置1〜5におけるこの発明の参考となる予熱制御を示すフローチャートである。
各画像形成装置1〜5はそれぞれ、定期的に図12に示す予熱制御を開始し、まずステップ1で予熱モード中か否かを判断し、予熱モードでなければ(画像形成モードであれば)ステップ9で画像形成動作中か否か、ステップ10で操作入力(操作表示部上のキー操作)の有無をそれぞれ判断して、そのいずれかであればステップ8で図示しない予熱タイマをリセットする。
【0070】
ここで、予熱タイマは画像形成装置が予め設定された所定時間放置されていることを検出するためのものであるから、フローチャートでは省略しているが、予熱タイマのリセットには上記の他に、例えばドア開閉検出のようにオペレータが画像形成装置の傍にいることを示す信号を全て含むようにすることが望ましい。この事項は、以下同様である。また、フローチャートは省略しているが、予熱タイマは別途、計時制御が行なわれている。
【0071】
図12のステップ9,10で、画像形成動作中でもなく、操作入力もないと判断した場合は、ステップ11でメッセージ受信の有無を判断し、メッセージ受信があれば(中央制御装置6から通信回線8及びデータ通信装置7を介して送信されたメッセージを受信した場合は)ステップ5で予熱タイマをリセットし、ステップ6で先に受信したメッセージを操作表示部の文字表示器83に表示する。
【0072】
図13は、文字表示器83に表示される受信メッセージを含む画像形成モード画面の一例を示す図であり、通常は画像形成装置の状態(「コピーできます」「コピー中です」「転写紙がありません」等)を表示させるエリアに、中央制御装置6から受信したメッセージを表示させている。なお、この例とは異なり、文字表示器83内に受信メッセージを表示させる専用エリアを設けてもよい。
【0073】
図12のステップ11で受信メッセージがないと判断した場合は、ステップ12で予熱タイマによる計測時間が予め設定された所定時間に達したか(タイムアップしたか)否かを判断し、達していればステップ13で予熱モードに移行させる(設定する)。なお、ここに示すまでもないが、予熱モードに移行すると、操作表示部の文字表示器83の表示を全て消去する。
【0074】
一方、ステップ1で予熱モード中であると判断した場合は、ステップ2で操作入力の有無を判断し、操作入力があればステップ7で予熱モードを解除して画像形成モードに戻した後、ステップ8で予熱タイマをリセットする。
【0075】
操作入力がない場合は、ステップ3でメッセージ受信の有無を判断し、メッセージ受信があれば(中央制御装置6から通信回線8及びデータ通信装置7を介して送信されたメッセージを受信した場合は)ステップ4で予熱モードを解除して画像形成モードに戻し、ステップ5で予熱タイマをリセットした後、ステップ6で先に受信したメッセージを操作表示部の文字表示器83に表示する。
【0076】
このように、各画像形成装置1〜5はそれぞれ、予熱モード中に中央制御装置6から通信回線8及びデータ通信装置7を介して送信されたメッセージを受信したとき、予熱モードを解除して画像形成モードに戻し、受信したメッセージを操作表示部の文字表示器83に表示するため、顧客にとって使い易い画像形成装置管理システムを実現することができる。
【0077】
次に、この画像形成装置管理システムにおける請求項1〜3の発明に係わる予熱制御について説明する。この場合、画像形成装置1〜5の各部がそれぞれ、請求項1〜3の予熱モード移行手段,表示消去手段,メッセージ受信手段,予熱モード解除手段,メッセージ表示手段,有効/無効設定手段としての機能を果たす。
【0078】
各画像形成装置1〜5はそれぞれ、予熱モード解除機能の有効/無効を設定することができるが、それについては追って詳細に説明する。
図14は各画像形成装置1〜5における請求項1〜3の発明に係わる予熱制御の一例を示すフローチャートであるが、図12に示したステップ1〜13の処理及び判断にステップ21,22の判断を追加しただけなので、その追加部分及びその周辺部分以外の説明は省略する。
【0079】
ステップ11でメッセージ受信があるか否かを判断し、あればステップ22で予熱モード解除機能の有効又は無効のいずれが設定されているかの判断を行ない、有効に設定されている場合に限りステップ5で予熱タイマをリセットし、ステップ6で先に受信したメッセージを操作表示部の文字表示器83に表示する。
【0080】
一方、ステップ3でもメッセージ受信があるか否かを判断し、あればステップ21で予熱モード解除機能の有効又は無効のいずれが設定されているかの判断を行ない、有効に設定されている場合に限りステップ4で予熱モードを解除して画像形成モードに戻し、ステップ5で予熱タイマをリセットした後、ステップ6で先に受信したメッセージを操作表示部の文字表示器83に表示する。
【0081】
ここで、予熱モード解除機能の有効/無効の設定を図4に示した操作表示部からの指示によって行なう場合の機能について説明する。
図15は、図4に示した操作表示部の文字表示器83に表示されるユーザプログラムモードの画面の一例を示す図である。
ユーザプログラムモードは、通常の画像形成動作では使用しない使用頻度の少ない特殊な設定を顧客が行なえるモードであり、通常の画像形成モードからユーザプログラムモードへの切り替えは次のようにして行なう。
【0082】
すなわち、上記切り替えは予め定めた暗証番号をテンキー71,クリア/ストップキー72,エンタキー74,予熱/モードクリアキー76等により入力することによって行なってもよいし、図示は省略するが、操作表示部上に専用の「ユーザプログラムキー」を設けるか、図5に示した文字表示器83の画像形成モード画面上に同様のキーを設け、それらのキーを押下することによって行なってもよい。
【0083】
ユーザプログラムモードへの切り替えにより、文字表示器83の表示画面は図15に示すようなユーザプログラムの画面に切り替わり、その画面上のメッセージ受信時予熱解除ONキー91を押下すると、画像形成装置内の図2に示したCPU11は、予熱モード解除機能を有効に設定して、その設定内容を不揮発性RAM15に記憶し、以後図14のステップ21,22の判断に使用する。
【0084】
それによって、その後中央制御装置6からメッセージを受信した時には、予熱モードを解除して画像形成モードに戻すことができ、受信したメッセージを文字表示器83に表示することができる。
【0085】
また、ユーザプログラムの画面上のメッセージ受信時予熱解除OFFキー92を押下すると、画像形成装置内のCPU11は、予熱モード解除機能を無効に設定して、その設定内容を不揮発性RAM15に記憶し、以後図14のステップ21,22の判断に使用する。
【0086】
それによって、その後中央制御装置6からメッセージを受信しても、予熱モードを解除して画像形成モードに戻すことができず、受信したメッセージを文字表示器83に表示することはできない。
【0087】
このように、各画像形成装置1〜5はそれぞれ、予熱モード中に中央制御装置6から通信回線8及びデータ通信装置7を介して送信されたメッセージを受信したとき、操作表示部からの指示によって予熱モード解除機能が有効に設定されている場合にのみ、予熱モードを解除して画像形成モードに戻し、受信したメッセージを操作表示部の文字表示器83に表示するので、顧客にとって使い易く自由度の高い画像形成装置管理システムを実現することができる。
【0088】
続いて、予熱モード解除機能の有効/無効の設定を中央制御装置6からの指示によって行なう場合の機能について説明する。
詳細な説明は省略するが、図9〜図11によって説明した情報コードに、「予熱モード解除機能の設定」としてユニークな(特定の)情報コードを割り当てて使用し、データ部で有効/無効(例えば有効を“1”に、無効を“0”にする)を表現する。
【0089】
各画像形成装置1〜5はそれぞれ、そのような構成のテキストデータを中央制御装置6から受信すると、内部のCPU11がそのテキストデータによる予熱モード解除機能の有効/無効の設定内容を不揮発性RAM15に記憶し、以後図14のステップ21,22の判断に使用する。
【0090】
それによって、中央制御装置6からメッセージを受信したとき、中央制御装置6からの指示によって予熱モード解除機能が有効に設定されている場合にのみ、予熱モードを解除して画像形成モードに戻し、受信したメッセージを操作表示部の文字表示器83に表示するため、顧客にとって使い易く自由度が高くなり、更に中央制御装置6側にとっても自由度が高い画像形成装置管理システムを実現することができる。
【0091】
次に、この画像形成装置管理システムにおける請求項の発明に係わる予熱制御について説明する。この場合、画像形成装置1〜5の各部がそれぞれ、請求項の予熱モード移行手段,表示消去手段,メッセージ受信手段,メッセージ識別手段,予熱モード解除手段,メッセージ表示手段としての機能を果たす。
【0092】
図16は各画像形成装置1〜5における請求項の発明に係わる予熱制御の一例を示すフローチャートであるが、図12に示したステップ1〜13の処理及び判断にステップ31,32の判断を追加しただけなので、その追加部分及びその周辺部分以外の説明は省略する。
【0093】
ステップ11でメッセージ受信があるか否かを判断し、あればステップ32でその受信したメッセージが予熱モード解除に設定されているか否かを判断して、予熱モード解除に設定されている場合に限りステップ5で予熱タイマをリセットし、ステップ6で先に受信したメッセージを操作表示部の文字表示器83に表示する。
【0094】
一方、ステップ3でもメッセージ受信があるか否かを判断し、あればステップ31でその受信したメッセージが予熱モード解除に設定されているか否かを判断して、予熱モード解除に設定されている場合に限りステップ4で予熱モードを解除して画像形成モードに戻し、ステップ5で予熱タイマをリセットした後、ステップ6で先に受信したメッセージを操作表示部の文字表示器83に表示する。
【0095】
図17は、受信メッセージ毎の予熱モード解除条件を説明するための図であり、項番,メッセージ内容,予熱モード解除条件(予熱解除条件)を関連付けて、図2に示した各画像形成装置1〜5の不揮発性RAM15に記憶しておく。
中央制御装置6からの受信メッセージは実際には上記項番に相当するデータであるため、このデータを不揮発性RAM15に記憶されている項番と比較して該当する項番を探し(受信メッセージを識別し)、該当する項番の予熱モード解除条件をステップ31,32の判断に使用する。
【0096】
そして、中央制御装置6からの受信メッセージ(項番)を操作表示部の文字表示器83に表示する場合には、当該項番のメッセージ内容を使用する。例えば、中央制御装置6から項番「05」を受信した場合には、予熱モード解除条件は「解除」であるため、図13に示したメッセージを操作表示部の文字表示器83に表示する。
【0097】
このように、各画像形成装置1〜5はそれぞれ、予熱モード中に中央制御装置6から通信回線8及びデータ通信装置7を介して送信されたメッセージを受信したとき、そのメッセージを識別し、その識別結果に応じて予熱モードを選択的に解除して画像形成モードに戻し、受信したメッセージを操作表示部の文字表示器83に表示するので、メッセージの緊急性に応じて予熱モードを解除でき、顧客にとって使い易く自由度が高くなり、更に中央制御装置6側にとっても自由度が高い画像形成装置管理システムを実現することができる。
【0098】
次に、この画像形成装置管理システムにおける請求項の発明に係わる予熱制御について説明する。この場合、画像形成装置1〜5の各部がそれぞれ、請求項の予熱モード移行手段,表示消去手段,メッセージ受信手段,付加データ識別手段,予熱モード解除手段,メッセージ表示手段としての機能を果たす。
【0099】
図18は各画像形成装置1〜5における請求項の発明に係わる予熱制御の一例を示すフローチャートであるが、図12に示したステップ1〜13の処理及び判断にステップ41,42の判断を追加しただけなので、その追加部分及びその周辺部分以外の説明は省略する。
【0100】
ステップ11でメッセージ受信があるか否かを判断し、あればステップ42でその受信したメッセージに付加されているデータ(メッセージ付加データ)が予熱モード解除に設定されているか否かを判断して、予熱モード解除に設定されている場合に限りステップ5で予熱タイマをリセットし、ステップ6で先に受信したメッセージを操作表示部の文字表示器83に表示する。
【0101】
一方、ステップ3でもメッセージ受信があるか否かを判断し、あればステップ41でその受信したメッセージに付加されているデータが予熱モード解除に設定されているか否かを判断して、予熱モード解除に設定されている場合に限りステップ4で予熱モードを解除して画像形成モードに戻し、ステップ5で予熱タイマをリセットした後、ステップ6で先に受信したメッセージを操作表示部の文字表示器83に表示する。
【0102】
ここで、上記メッセージは、図9〜図11に示したようなテキストデータとして中央制御装置6からいずれかの画像形成装置へ送信される。
中央制御装置6は、メッセージをテキストデータとしていずれかの画像形成装置へ送信する場合、その先頭の情報レコードにはメッセージの内容を、次(2番目)の情報レコードにはメッセージ付加データをそれぞれ格納する。
【0103】
各画像形成装置1〜5はそれぞれ、中央制御装置6からメッセージを受信すると、その2番目の情報レコードから受信したメッセージに付加されているデータを識別し、図18のステップ41,42の判断に使用する。また、受信したメッセージを表示する場合は、先頭の情報レコードを参照する。
【0104】
なお、図17の項番,メッセージ内容を利用し、中央制御装置6からの受信メッセージを上記項番に相当するデータとしてもよい。この場合は、そのデータを不揮発性RAM15に記憶されている項番と比較して該当する項番を探し、該当する項番のメッセージ内容を使用する。例えば、中央制御装置6から項番「05」を受信し、メッセージ付加データが「解除」の場合、図13に示したメッセージを操作表示部の文字表示器83に表示する。
【0105】
このように、各画像形成装置1〜5はそれぞれ、予熱モード中に中央制御装置6から通信回線8及びデータ通信装置7を介して送信されたメッセージを受信したとき、そのメッセージに付加されているデータを識別し、その識別結果に応じて予熱モードを選択的に解除して画像形成モードに戻し、受信したメッセージを操作表示部の文字表示器83に表示するので、メッセージの緊急性に応じて予熱モードを解除でき、顧客にとって使い易く自由度が高くなり、更に中央制御装置6側にとっても自由度が高い画像形成装置管理システムを実現することができる。
【0106】
次に、この画像形成装置管理システムにおける請求項の発明に係わる制御について説明する。この場合、画像形成装置1〜5の各部がそれぞれ、請求項1〜のいずれかの各手段としての機能を果たす。また、請求項のメッセージ消去手段としての機能も果たす。
【0107】
各画像形成装置1〜5はそれぞれ、前述した請求項1〜のいずれかの発明に係わる制御を行なうことができ、更に操作表示部の文字表示器83に表示された中央制御装置6からの受信メッセージを操作表示部からの指示によって選択的に消去することもできるため、その消去機能についてのみ説明する。
【0108】
操作表示部の文字表示器83において、中央制御装置6からの受信メッセージを表示させるエリアは、同時に画像形成装置の状態(「コピーできます」「コピー中です」「転写紙がありません」等)を表示させるエリアでもある。そのため、オペレータによるメッセージ確認後に、オペレータによるキー操作によってメッセージを選択的(消去してはいけないメッセージもあるため)に表示できるようにしている。
【0109】
図19は、受信メッセージ毎の消去不可能条件を説明するための図であり、項番,メッセージ内容,消去不可能条件を関連付けて、図2に示した各画像形成装置1〜5の不揮発性RAM15に記憶しておく。勿論、図17に示した予熱解除モード条件と一体のものとして記憶しておくことも可能であるが、説明の簡略化のために別々に設けるように仮定した。
【0110】
各画像形成装置1〜5はそれぞれ、フローチャートは省略するが、操作表示部の文字表示器83に現在表示しているメッセージを上記と同様に不揮発性RAM15に記憶しておき、オペレータによる消去操作により(操作表示部からの指示により)、この操作データ(項番)を不揮発性RAM15に記憶されている項番と比較して該当する項番を探し、該当する項番の消去不可能条件により上記メッセージを消去するか否かを判断する。
【0111】
すなわち、オペレータによるメッセージの消去は予め定めた暗証番号をテンキー71,クリア/ストップキー72,エンタキー74,予熱/モードクリアキー76等により入力することによって行なってもよいし、図示は省略するが、操作表示部上に専用の「メッセージ消去キー」を設けるか、文字表示器83の画像形成モード画面上に同様のキーを設け、それらのキーを押下することによって行なってもよい。
【0112】
なお、文字表示器83の画像形成モード画面上に「メッセージ消去キー」を設ける場合、図19に示した消去不可能なメッセージが表示されている場合には、当該キーを表示させないようにすることが望ましい。
このように、操作表示部の文字表示器83に表示されたメッセージを、操作表示部からの指示によって選択的に消去可能にすれば、顧客の指示によって行なわれる画像形成動作に支障をきたすことがなく、より使い易さが向上する。
【0113】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1〜3,7,8の発明によれば、画像形成装置は、予熱モード中に中央制御装置から通信回線を介して送信されたメッセージを受信したとき、予熱モードを解除して画像形成モードに戻し、受信したメッセージを操作表示部に表示するため、顧客にとって使い易い画像形成装置管理システムを実現することができる。
【0114】
請求項1〜3の発明によればまた、画像形成装置の予熱モード解除手段の有効/無効を予め設定しておき、画像形成装置は、予熱モード中に中央制御装置6から通信回線を介して送信されたメッセージを受信したとき、予熱モード解除手段が有効に設定されている場合にのみ、予熱モードを解除して画像形成モードに戻し、受信したメッセージを操作表示部に表示するため、顧客にとって使い易く自由度の高い画像形成装置管理システムを実現することができる。
【0115】
請求項の発明によればさらに、予熱モード解除手段の有効/無効の設定を中央制御装置からの指示によって行なうため、中央制御装置側にとっても自由度が高くなる。
【0116】
請求項の発明によれば、画像形成装置は、予熱モード中に中央制御装置から通信回線を介して送信されたメッセージを受信したとき、そのメッセージを識別し、その識別結果に応じて予熱モードを選択的に解除して画像形成モードに戻し、受信したメッセージを操作表示部に表示するので、メッセージの緊急性に応じて予熱モードを解除でき、顧客にとって使い易く自由度が高くなり、更に中央制御装置側にとっても自由度が高い画像形成装置管理システムを実現することができる。
【0117】
請求項の発明によれば、画像形成装置は、予熱モード中に中央制御装置から通信回線を介して送信されたメッセージを受信したとき、そのメッセージに付加されているデータを識別し、その識別結果に応じて予熱モードを選択的に解除して画像形成モードに戻し、受信したメッセージを操作表示部に表示するので、メッセージの緊急性に応じて予熱モードを解除でき、顧客にとって使い易く自由度が高くなり、更に中央制御装置側にとっても自由度が高い画像形成装置管理システムを実現することができる。
【0118】
請求項の発明によれば、操作表示部に表示されたメッセージをその操作表示部からの指示によって選択的に消去することもできるので、請求項1〜のいずれかの発明と同様の効果に加え、顧客の指示によって行なわれる画像形成動作に支障をきたすこともなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態である画像形成装置管理システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図1の画像形成装置1〜5の制御部の構成例を示すブロック図である。
【図3】図2のパーソナルI/F18の構成例を示すブロック図である。
【図4】図1の画像形成装置1〜5の操作表示部の構成例を示すレイアウト図である。
【図5】図4の文字表示器83に電源投入時に表示される画像形成モード画面の一例を示す図である。
【図6】図1のデータ通信装置7の一例を示すブロック構成図である。
【図7】図6のデータ通信装置7におけるセレクティング動作の一例を示すフロー図である。
【図8】同じくポーリング動作の一例を示すフロー図である。
【図9】図1の中央制御装置6とデータ通信装置7との間で授受されるテキストデータの構成例を示す図である。
【図10】同じくデータ通信装置7と画像形成装置1〜5のパーソナルI/F18(図3)との間で授受されるテキストデータの構成例を示す図である。
【図11】同じく画像形成装置1〜5のパーソナルI/F18とPPCコントローラ31(図3)との間で授受されるテキストデータの構成例を示す図である。
【図12】 図2に示した各画像形成装置1〜5におけるこの発明の参考となる予熱制御の一例を示すフロー図である。
【図13】図4に示した操作表示部の文字表示器83に表示される受信メッセージを含む画像形成モード画面の一例を示す図である。
【図14】 図2に示した各画像形成装置1〜5における請求項1〜3の発明に係わる予熱制御の一例を示すフロー図である。
【図15】図4に示した操作表示部の文字表示器83に表示されるユーザプログラムモードの画面の一例を示す図である。
【図16】 図2に示した各画像形成装置1〜5における請求項の発明に係わる予熱制御の一例を示すフロー図である
【図17】図2に示した各画像形成装置1〜5でそれぞれ受信されるメッセージ毎の予熱モード解除条件を説明するための図である。
【図18】 図2に示した各画像形成装置1〜5における請求項の発明に係わる予熱制御の一例を示すフロー図である。
【図19】図2に示した各画像形成装置1〜5でそれぞれ受信されるメッセージ毎の消去不可能条件を説明するための図である。
【符号の説明】
1〜5:画像形成装置 6:中央制御装置
7:データ通信装置 8:通信回線
11,21:CPU 13:ROM
14:RAM 15:不揮発性RAM
17a,17b,17c:シリアル通信制御ユニット
18:パーソナルI/F 31:PPCコントローラ
41:制御部 42:オートダイアラ部
43:回線制御部 71:テンキー
72:クリア/ストップキー 73:プリントキー
74:エンタキー 75:割り込みキー
76:予熱/モードクリアキー 83:文字表示器
91:メッセージ受信時予熱解除ONキー
92:メッセージ受信時予熱解除OFFキー

Claims (8)

  1. 転写紙上に形成されたトナー像を加熱定着する定着部及び操作表示部を有する画像形成装置と中央制御装置とが通信回線を介して接続され、前記中央制御装置が、前記通信回線を介して前記画像形成装置を遠隔管理する遠隔管理手段を有する画像形成装置管理システムにおいて、
    前記画像形成装置に、予め設定された所定時間の放置により、画像形成動作を実行可能な画像形成モードを解除して前記定着部の温度を下げて節電を行なう予熱モードに移行させる予熱モード移行手段と、該手段による予熱モード移行時に、前記操作表示部の表示を全て消去する表示消去手段と、前記中央制御装置から前記通信回線を介して送信されるメッセージを受信するメッセージ受信手段と、前記予熱モード中に前記メッセージ受信手段によるメッセージの受信があったとき、該予熱モードを解除して前記画像形成モードに戻す予熱モード解除手段と、該手段による前記予熱モードの解除により、前記メッセージ受信手段によって受信されたメッセージを前記操作表示部に表示するメッセージ表示手段と、前記予熱モード解除手段の有効/無効を設定する有効/無効設定手段とを設けたことを特徴とする画像形成装置管理システム。
  2. 前記画像形成装置の有効/無効設定手段は、前記予熱モード解除手段の有効/無効の設定を前記操作表示部からの指示によって行なう手段であることを特徴とする請求項記載の画像形成装置管理システム。
  3. 前記画像形成装置の有効/無効設定手段は、前記予熱モード解除手段の有効/無効の設定を前記中央制御装置からの指示によって行なう手段であることを特徴とする請求項記載の画像形成装置管理システム。
  4. 転写紙上に形成されたトナー像を加熱定着する定着部及び操作表示部を有する画像形成装置と中央制御装置とが通信回線を介して接続され、前記中央制御装置が、前記通信回線を介して前記画像形成装置を遠隔管理する遠隔管理手段を有する画像形成装置管理システムにおいて、
    前記画像形成装置に、予め設定された所定時間の放置により、画像形成動作を実行可能な画像形成モードを解除して前記定着部の温度を下げて節電を行なう予熱モードに移行させる予熱モード移行手段と、該手段による予熱モード移行時に、前記操作表示部の表示を全て消去する表示消去手段と、前記中央制御装置から前記通信回線を介して送信されるメッセージを受信するメッセージ受信手段と、該手段によって受信されたメッセージを識別するメッセージ識別手段と、前記予熱モード中に前記メッセージ受信手段によるメッセージの受信があったとき、該メッセージに対する前記メッセージ識別手段による識別結果に応じて前記予熱モードを選択的に解除して前記画像形成モードに戻す予熱モード解除手段と、該手段による前記予熱モードの解除により、前記メッセージ受信手段によって受信されたメッセージを前記操作表示部に表示するメッセージ表示手段とを設けたことを特徴とする画像形成装置管理システム。
  5. 転写紙上に形成されたトナー像を加熱定着する定着部及び操作表示部を有する画像形成装置と中央制御装置とが通信回線を介して接続され、前記中央制御装置が、前記通信回線を介して前記画像形成装置を遠隔管理する遠隔管理手段を有する画像形成装置管理システムにおいて、
    前記画像形成装置に、予め設定された所定時間の放置により、画像形成動作を実行可能な画像形成モードを解除して前記定着部の温度を下げて節電を行なう予熱モードに移行させる予熱モード移行手段と、該手段による予熱モード移行時に、前記操作表示部の表示を全て消去する表示消去手段と、前記中央制御装置から前記通信回線を介して送信されるメッセージを受信するメッセージ受信手段と、該手段によって受信されたメッセージに付加されているデータを識別する付加データ識別手段と、前記予熱モード中に前記メッセージ受信手段によるメッセージの受信があったとき、該メッセージに付加されているデータに対する前記付加データ識別手段による識別結果に応じて前記予熱モードを選択的に解除して前記画像形成モードに戻す予熱モード解除手段と、該手段による前記予熱モードの解除により、前記メッセージ受信手段によって受信されたメッセージを前記操作表示部に表示するメッセージ表示手段とを設けたことを特徴とする画像形成装置管理システム。
  6. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の画像形成装置管理システムにおいて、
    前記画像形成装置に、前記メッセージ表示手段によって前記操作表示部に表示されたメッセージを、前記操作表示部からの指示によって消去するメッセージ消去手段と、前記メッセージ表示手段によって前記操作表示部に表示可能なメッセージに対して該メッセージの消去を可能にするか否かを設定するメッセージ消去可否設定手段とを設け、
    前記メッセージ消去手段は、前記メッセージ消去可否設定手段によって消去を可能にする設定がなされたメッセージが前記メッセージ表示手段によって前記操作表示部に表示された場合にのみ、そのメッセージの消去を可能にすることを特徴とする画像形成装置管理システム。
  7. 中央制御装置により通信回線を介して遠隔管理可能な画像形成装置において、
    予め設定された所定時間の放置により、画像形成動作を実行可能な画像形成モードを解除して前記定着部の温度を下げて節電を行なう予熱モードに移行させる予熱モード移行手段と、
    該手段による予熱モード移行時に、前記操作表示部の表示を全て消去する表示消去手段と、
    前記中央制御装置から前記通信回線を介して送信されるメッセージを受信するメッセージ受信手段と、
    前記予熱モード中に前記メッセージ受信手段によるメッセージの受信があったとき、該予熱モードを解除して前記画像形成モードに戻す予熱モード解除手段と、
    該手段による前記予熱モードの解除により、前記メッセージ受信手段によって受信されたメッセージを前記操作表示部に表示するメッセージ表示手段と、
    前記予熱モード解除手段の有効/無効を設定する有効/無効設定手段と
    を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  8. 中央制御装置により通信回線を介して遠隔管理可能な画像形成装置における制御方法において、
    転写紙上に形成されたトナー像を加熱定着する定着部の温度を下げて節電を行なう予熱モードの解除機能の有効/無効を予め設定しておき、
    予め設定された所定時間の放置により、画像形成動作を実行可能な画像形成モードを解除して前記予熱モードに移行させ、前記操作表示部の表示を全て消去した後、前記中央制御装置から前記通信回線を介して送信されるメッセージを受信したとき、前記予熱モードの解除機能が有効に設定されていた場合にのみ、前記予熱モードを解除して前記画像形成モードに戻し、前記受信したメッセージを前記操作表示部に表示することを特徴とする制御方法。
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