JP3660132B2 - コンクリートミキサ車 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体上に回転可能に搭載されたミキサドラムと、そのドラムの後部開口端に配設されて生コンクリートを該ドラム内に導く円筒状の供給筒と、この供給筒に対応する排出口を有する生コンクリート投入用ホッパと、そのホッパの排出口に延設されて前記供給筒内に挿入し得る横断面円弧状のホッパシールと、ホッパがその排出口を前記供給筒に近接対向させる使用位置と同供給筒から離間させる待機位置との間を移動し得るように、該ホッパを案内支持する案内支持機構と、ホッパを前記使用位置に随時に固定可能な固定手段とを備えた構造のコンクリートミキサ車に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記構造のコンクリートミキサ車は、例えば実開平1−70511号公報に開示されるように従来公知であり、この従来のものにおいてホッパの案内支持機構は、ホッパが前記使用位置と待機位置間で単純に円弧運動する(即ち只1つの、不動の回動軸線の回りを回動する)ようにホッパを案内支持するだけの、極めて単純な構造であった。
【0003】
また従来では、ホッパ側の排出口とドラム側の供給筒との間をシールする上記ホッパシールが摩耗または損傷破損した場合には、生コンクリートが漏れ出す虞れがあるので、作業員が手作業でホッパを使用位置から待機位置まで移動させてホッパシールの交換作業を行うようにしていた。更にドラム内やホッパシールの点検作業等を行うような場合も、作業員が手作業でホッパを使用位置から待機位置まで移動させる必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のミキサ車では、上記ホッパシールの交換作業等に際して、ホッパを使用位置から待機位置まで単純に円弧運動させるようにしているため、そのホッパと一体的に回動するホッパシールの円弧軌跡は、使用位置の近傍においてもドラム側供給筒の軸線に対し少なからず傾いてしまう。従ってそのホッパシールを供給筒に対しその軸線に沿って抜差しすることができないので、その抜差作業に多大の労力と手数を要して作業能率が悪いという問題があり、またその抜差に伴いホッパシールを供給筒内周面に対し無理に押しつけたり擦りつけたりするため、ホッパシールの耐久性を損なう等の問題もあった。
【0005】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、上記問題を解決することができるコンクリートミキサ車を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明によれば、車体上に回転可能に搭載されたミキサドラムと、そのドラムの後部開口端に配設されて生コンクリートを該ドラム内に導く円筒状の供給筒と、この供給筒に対応する排出口を有する生コンクリート投入用ホッパと、そのホッパの排出口に延設されて前記供給筒内に挿入し得る横断面円弧状のホッパシールと、ホッパがその排出口を前記供給筒に近接対向させる使用位置と同供給筒から離間させる待機位置との間を移動し得るように、該ホッパを案内支持する案内支持機構と、ホッパを前記使用位置に随時に固定可能な固定手段とを備えたコンクリートミキサ車において、前記案内支持機構は、ホッパが前記使用位置と所定中間位置との間にある時には前記供給筒の軸線に略沿って移動し得るように、またその所定中間位置と待機位置との間にある時には所定軸線の回りを回動し得るようにそれぞれホッパを案内支持する。
【0007】
また請求項2の発明によれば、請求項1の発明の上記構成に加えて、前記案内支持機構は、車体に第1軸線の回りを所定の回動ストロークで回動し得るように基部を軸支された中継アームを備え、その中継アームの先部には、ホッパが前記第1軸線と平行な第2軸線の回りを所定の回動ストロークで回動し得るように軸支され、ホッパの前記使用位置から所定中間位置までの移動に際しては、車体に対し中継アームを第1軸線回りに一方向へ相対回動させると同時に、同アームに対しホッパを第2軸線回りに他方向へ相対回動させる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、添付図面に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
【0009】
添付図面において、図1は、本発明の一実施例に係るコンクリートミキサー車の後部側面図、図2は前記ミキサー車におけるホッパ及びその周辺部の一部破断拡大図、図3はホッパ案内支持機構の拡大側面図(図2の3矢視部拡大図)、図4はホッパ案内支持機構の一部破断拡大背面図(図3の4矢視図)、図5は図4の5−5線断面図、図6は図2の6−6線断面図、図7は、ホッパの使用位置から第1中間位置への移動過程を示す概略側面図、図8はホッパの第1中間位置から待機位置近傍(第2中間位置)への移動過程を示す概略側面図、図9はホッパの待機位置近傍(第2中間位置)から待機位置への移動過程を示す概略側面図である。
【0010】
先ず、図1,2において、コンクリートミキサ車Vの車体フレームF上には、ミキサドラムDの前,後部をそれぞれ回転自在に支持するための前,後部支持フレーム1,2が一体的に立設されており、該ドラムDは、後上がりに傾斜した回転軸線L0 回りを回転し得るように配置されていて、コンクリートミキサ車Vの走行用エンジンにより伝動機構を介して随時に正,逆回転駆動されるようになっている。
【0011】
ミキサドラムDの内周壁面には2条の螺旋状ブレード3,4が略180°の位相差をもって溶接されている。またミキサドラムDの後部開口端5の中央部には、生コンクリートを該ドラムD内に導くための中空円筒状の金属板よりなる供給筒Cが配設され、この供給筒Cは、その外周面が前記ブレード3,4の内側縁に溶接されている。
【0012】
ミキサドラムDの後方において後部支持フレーム2の上部には、上面を開放した生コンクリート投入用のホッパHが支持され、このホッパHの前壁下部には、前記供給筒Cに対応した短円筒状の排出口6が開口形成される。図6に明示したように排出口6の外周には、供給筒C内に先部が摺接可能に挿入し得る横断面円弧状の帯状ホッパシールSが巻装され、このホッパシールSの基部は、締付バンド7を以てホッパHの排出口6外周に締着され、そのバンド7の締付けは、バンド両端末の接続金具相互を結合する締付ボルト8の締付回動によりなされる。ホッパシールSは、ゴム等の弾性材料より形成されていて、排出口6及び供給筒Cの少なくとも下半部内周相互間をシールする機能を果たす。
【0013】
後部支持フレーム2は、ミキサドラムDの後部を左右から挟むように車体フレームF上にそれぞれ起立する左右一対のフレーム枠より構成され、その両フレーム枠の上部には、上方に向かって延びる上部ブラケット2uと、後方に向かって延びる後部ブラケット2dとが一体的に連設され、それらブラケット2u,2dはそれぞれ門型状の剛体枠より構成される。
【0014】
その後部ブラケット2dとホッパHとの間には、ホッパHの案内支持機構Gが設けられ、この案内支持機構Gは、ホッパHがその排出口6を供給筒Cに近接対向させる使用位置Haと同供給筒Cから離間させる待機位置Hbとの間を移動し得るように、該ホッパHを案内支持する。また上部ブラケット2uの上部とホッパHとの間には、ホッパHを前記使用位置Haに随時に固定可能な固定手段Fiが設けられる。
【0015】
前記固定手段Fiは、ホッパHの前壁上端部に突設されてボルト挿通孔を有する板状の取付片10と、上部ブラケット2uの上端部に固設されたナット状の雌ネジ部材2usと、前記取付片10のボルト挿通孔を通して前記雌ネジ部材2usに螺挿可能な取付ボルト11とより構成され、ホッパHが使用位置Haに有る時に、該ボルト11を取付片10のボルト挿通孔を通して前記雌ネジ部材2usに螺挿することにより、該ホッパHを使用位置Haに固定することができる。前記固定手段Fiに近接してホッパHの上端部には、これを作業員が手動で回動操作するための把手Tが固着される。
【0016】
前記案内支持機構Gは、ホッパHが前記使用位置Haと第1中間位置Hm1 との間にある時にはミキサドラムD(供給筒C)の軸線L0 に略沿って概ね直線的に移動し得るように、また第1中間位置Hm1 と待機位置Hbとの間にある時には所定軸線L1 ,L2 の回りを回動し得るようにそれぞれホッパHを案内支持するものであり、特に図示例では、車体F(後部ブラケット2d)に第1軸線L1 の回りを所定の回動ストロークで回動し得るように基部を軸支された中継アームAを備え、この中継アームAの先部には、ホッパHが前記第1軸線L1 と平行な第2軸線L2 の回りを所定の回動ストロークで回動し得るように軸支される。而して前記第1中間位置Hm1 は本発明の所定中間位置に相当するものであって、図示例では、ホッパHを使用位置Haから待機位置Hbに向けて移動させる場合において、特にホッパシールSが供給筒Cから離脱する直前位置ないしは離脱した直後位置の間の任意の位置に設定される。
【0017】
図3〜5も併せて参照して、後部ブラケット2dの後端部には取付基板Bがボルトにより着脱可能に固着されており、この取付基板B上には、互いに間隔をおいて並列する左右一対の固定フレーム12が立設固定される。この両固定フレーム12の下部には、その相互間を接続するように水平な第1軸線L1 に沿って延びる固定支軸13が一体的に架設される。
【0018】
その固定支軸13の中間部には左右一対の側板14が間隔をおいて回動可能に支持される。それら側板14は、固定支軸13に回動可能に嵌合した下部カラー15dと、その上方に平行に延びる上部カラー15uとにそれぞれ連結固定されて井桁状の剛体枠、即ち中継アームAを構成している。前記上部カラー15uは、第1軸線L1 と平行な第2軸線L2 に沿って延びる可動支軸16を嵌合支持しており、その可動支軸16はビス等の固定手段により上部カラー15uに着脱可能に固着される。
【0019】
各固定フレーム12の上縁には、固定支軸13と同心状の円弧面12aが形成されており、この円弧面12a上を前記可動支軸16の左右両端部が摺動し得るようになっている。その円弧面12aの前後両端には前,後ストッパ面12sF ,12sR が起立形成されており、これらストッパ面12sF ,12sR に可動支軸16の左右両端部が各々係合することにより可動支軸16、従って中継アームAの前後回動が一定角度範囲に規制される。
【0020】
また可動支軸16には、ホッパHの後壁外面にボルト等により着脱可能に固着した支持ブラケット17が回動可能に嵌合連結されている。この支持ブラケット17は、可動支軸16の左右両端部にそれぞれ回動可能に嵌合される左右一対の側片17aと、その両側片17a相互を一体に橋架連結し且つ中継アームAの背面側を覆う背板17bと、その各側片17aの基部内面に重合固着されると共に背板17bに固着されて背板17bの前後に延びる補強板17cとより構成される。
【0021】
中継アームAの左右側板14の後縁には、下部ストッパ面14sD と、この下部ストッパ面14sD の上端より前上がりに傾斜する上部ストッパ面14sU とが形成されており、下部ストッパ面14sD は、これに支持ブラケット17の背板17bを当接させることにより該ブラケット17(従ってホッパH)の中継アームAに対する後方側への相対回動を所定の後方回動限17F に規制し、また上部ストッパ面14sU は、これに支持ブラケット17の背板17bを当接させることにより該ブラケット17(従ってホッパH)の中継アームAに対する前方側への相対回動を所定の前方回動限17R に規制することができる。
【0022】
而して図7に示すようなホッパHの前記使用位置Haから第1中間位置Hm1 までの移動に際しては、車体Fに対し中継アームAを第1軸線L1 (固定支軸13)回りに後方向へ所定角度相対回動させると同時に、同アームAに対しホッパHを第2軸線L2 (可動支軸16)回りに前方向へ相対回動させることにより、ホッパHを供給筒Cの軸線L0 に略沿って概ね直線的に移動させてホッパシールSの供給筒Cに対する抜差操作を難なく行えるようになっている。
【0023】
尚、図1において符号20は、後部ブラケット2dに固設された作業用ステップであり、また21は同ブラケット2dに設置された排出用シュートである。そのシュート20には、ミキサドラムDを逆転駆動させた時に該ドラムDの後部開口端5と供給筒Cとの間の環状間隙よりドラムD内の生コンクリートが強制的に排出されるようになっている。
【0024】
次に前記実施例の作用を図7〜9を併せて参照して説明する。
【0025】
ミキサドラムDが正転駆動されると、該ドラムD内にホッパHを通して予め投入された生コンクリートが混練され、その際に該ドラムDと一体の供給筒Cの自由端部は、ホッパHの排出口6に延設されて該供給筒C内に挿入されるホッパシールSに摺接しつゝ回転する。そしてこのホッパシールSは、ホッパHの排出口6と供給筒Cとの間をシールする。このような通常の使用状態において、ホッパHは固定手段Fiにより使用位置Haに固定されており、この状態では、図2〜5に明示したように中継アームAは、可動支軸16を固定フレーム12の前部ストッパ面12sF に当接させた最前方位置AF にあり、また支持ブラケット17(ホッパH)は、その下部ブラケット17の背板17bを中継アームAの下部ストッパ面14sD に当接させた最後方位置17R にある。
【0026】
ところでホッパシールSが摩耗したり損傷破損した場合には、これを新しいものと交換する必要があり、この場合には、固定手段Fiのボルト11を弛めてホッパHを使用位置Haから待機位置Hbに向けて手作業で移動させる。この場合、図7に示すように車体フレームF(後部ブラケット2d)に対し中継アームAを固定支軸13(第1軸線L1 )回りに後方向(時計方向)へ相対回動させながら、同アームAに対しホッパHを可動支軸16(第2軸線L2 )回りに前方向(反時計方向)へ所定角度、即ち上部ストッパ面14sU が支持ブラケット17の背板17bに当接する前方回動限17F まで相対回動させる。これにより、車体フレームFに対する中継アームAの上記後方への回動運動と、該アームAに対するホッパHの上記前方への回動運動とが合成されるため、ホッパHを使用位置Haから、該使用位置Ha寄りの第1中間位置Hm1 までドラム供給筒Cの軸線L0 に略沿って概ね直線的に移動させることができる。
【0027】
かくして、ホッパシールSを供給筒Cに対し抜差する過程では、ホッパH、従ってホッパシールSを供給筒Cの軸線L0 に略沿って移動させることができるため、ホッパシールSの抜差作業を軽快且つスムーズに行うことができ、その抜差に際してはホッパシールSの供給筒C内周面に対する無理な押し付けや捩じり、擦り付け等が効果的に回避される。
【0028】
次にホッパHを中継アームAに対して前方回動限17F に保持したまま、車体フレームF(後部ブラケット2d)に対し中継アームAを固定支軸13(第1軸線L1 )回りに後方向(時計方向)へ相対回動させる。これにより、図8に示すように中継アームAが、可動支軸16を固定フレーム12の後部ストッパ面12sR に当接させる最後方位置AR に達すると、該アームAのそれ以上の後方回動が規制され、かくして、ホッパHは第1中間位置Hm1 から、待機位置Hb寄りの第2中間位置Hm2 まで移動する。
【0029】
更に中継アームAを最後方位置AR に保持したまま、該アームAに対しホッパHを前方回動限17F から、可動支軸16(第2軸線L2 )回りに後方向(時計方向)へ後方回動させる。これにより、図9に示すようにホッパHが、支持ブラケット17の背板17bを下部ストッパ面14sD に当接させる後方回動限17R に達すると、該ホッパHのそれ以上の後方回動が規制され、かくして、ホッパHは、第2中間位置Hm2 から待機位置Hbまで移動する。
【0030】
このようにしてホッパHは、これが第1中間位置Hm1 と第2中間位置Hm2 との間にある時は固定支軸13(第1軸線L1 )回りを、また第2中間位置Hm2 と待機位置Hbとの間にある時には可動支軸16(第2軸線L2 )の回りを回動し得るように案内支持されるため、ホッパシールSが供給筒Cより離脱した状態では、従来同様、ホッパHをスムーズに円弧運動させることができる。
【0031】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。例えば前記実施例では、案内支持機構Gが、ホッパHと車体F間に介装した中継アームAを備えていて、該アームAの基部と先部における2つの回動軸線L1 ,L2 回りにホッパHを回動操作できるようにしたものを示したが、本発明において案内支持機構Gは、ホッパHが少なくとも使用位置Haと所定中間位置Hm1 との間にある時にはドラム供給筒の軸線L0 に略沿って概ね直線的に移動し得るように、また所定中間位置Hm1 と待機位置Hbとの間にある時には所定軸線の回りを回動し得るようにホッパHを案内支持する構造であればよく、例えば図示例の中継アームAを設ける代わりに、ホッパHを車体Fに回動可能に軸支させる只1つの回動軸を、車体に固定の支持部材に設けられてドラム供給筒の軸線L0 に略沿って延びる長孔に摺動可能に嵌合支持させるようにして案内支持機構を構成してもよい。
【0032】
また前記実施例では、ホッパHが水平な回動軸線L1 ,L2 回りに回動できるようにしたものを示したが、その回動軸線L1 ,L2 は水平でなくてもよく、例えばホッパHを鉛直な回動軸線回りに回動できるようにしてもよい。
【0033】
更に前記実施例では、ホッパシールSが供給筒Cの下半部内周に対応した横断面円弧状(優弧状)に形成されたが、本発明ではホッパシールを供給筒Cの全周に亘る円環状に形成してもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上のように請求項1の発明によれば、ホッパシールの交換等のためにホッパを使用位置と待機位置との間で移動させるに当り、特にホッパが使用位置と所定中間位置との間にある時にはドラム側供給筒の軸線に略沿って移動し得るように案内支持機構がホッパを案内支持するようにしたので、ホッパシールを供給筒に抜差する過程ではホッパ、従ってホッパシールを該供給筒の軸線に略沿って移動させることができ、これにより、ホッパシールの抜差作業を軽快且つスムーズに行うことができて作業能率の向上が図られ、しかもその抜差作業に際してはホッパシールを供給筒内周面に対し無理に押しつけたり擦りつけたりする心配がないため、ホッパシールの耐久性向上が図られる。またホッパは、これが所定中間位置と待機位置との間にある時には所定軸線の回りを回動し得るように案内支持されるため、ホッパシールが供給筒より離脱した状態では、従来同様、ホッパをスムーズに円弧運動させることができる。
【0035】
また特に請求項2の発明によれば、ホッパの案内支持機構は、車体に第1軸線の回りを所定の回動ストロークで回動し得るように基部を軸支された中継アームを備え、その中継アームの先部には、ホッパが前記第1軸線と平行な第2軸線の回りを所定の回動ストロークで回動し得るように軸支され、ホッパの使用位置から前記中間位置までの移動に際しては、車体に対し中継アームを第1軸線回りに一方向へ相対回動させると同時に、同アームに対しホッパを第2軸線回りに他方向へ相対回動させるので、車体に対する中継アームの回動運動と、該アームに対するホッパの回動運動との組み合わせにより、ホッパをドラム供給筒の軸線に略沿って移動させることが可能となり、従ってその移動に際してのガタつき防止や摺動抵抗の軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るコンクリートミキサー車の後部側面図
【図2】前記ミキサー車におけるホッパ及びその周辺部の一部破断拡大図
【図3】ホッパ案内支持機構の拡大側面図(図2の3矢視部拡大図)
【図4】ホッパ案内支持機構の一部破断拡大背面図(図3の4矢視図)
【図5】図4の5−5線断面図
【図6】図2の6−6線断面図
【図7】ホッパの使用位置から所定中間位置(第1中間位置)への移動過程を示す概略側面図
【図8】ホッパの所定中間位置から待機位置近傍(第2中間位置)への移動過程を示す概略側面図
【図9】ホッパの待機位置近傍(第2中間位置)から待機位置への移動過程を示す概略側面図
【符号の説明】
A・・・・・中継アーム
C・・・・・供給筒
D・・・・・ミキサドラム
F・・・・・車体
Fi・・・・固定手段
G・・・・・案内支持機構
H・・・・・ホッパ
Ha・・・・使用位置
Hb・・・・待機位置
Hm1 ・・・所定中間位置としての第1中間位置
L0 ・・・・供給筒の軸線
L1 ・・・・第1軸線
L2 ・・・・第2軸線
S・・・・・ホッパシール
6・・・・・排出口
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体上に回転可能に搭載されたミキサドラムと、そのドラムの後部開口端に配設されて生コンクリートを該ドラム内に導く円筒状の供給筒と、この供給筒に対応する排出口を有する生コンクリート投入用ホッパと、そのホッパの排出口に延設されて前記供給筒内に挿入し得る横断面円弧状のホッパシールと、ホッパがその排出口を前記供給筒に近接対向させる使用位置と同供給筒から離間させる待機位置との間を移動し得るように、該ホッパを案内支持する案内支持機構と、ホッパを前記使用位置に随時に固定可能な固定手段とを備えた構造のコンクリートミキサ車に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記構造のコンクリートミキサ車は、例えば実開平1−70511号公報に開示されるように従来公知であり、この従来のものにおいてホッパの案内支持機構は、ホッパが前記使用位置と待機位置間で単純に円弧運動する(即ち只1つの、不動の回動軸線の回りを回動する)ようにホッパを案内支持するだけの、極めて単純な構造であった。
【0003】
また従来では、ホッパ側の排出口とドラム側の供給筒との間をシールする上記ホッパシールが摩耗または損傷破損した場合には、生コンクリートが漏れ出す虞れがあるので、作業員が手作業でホッパを使用位置から待機位置まで移動させてホッパシールの交換作業を行うようにしていた。更にドラム内やホッパシールの点検作業等を行うような場合も、作業員が手作業でホッパを使用位置から待機位置まで移動させる必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のミキサ車では、上記ホッパシールの交換作業等に際して、ホッパを使用位置から待機位置まで単純に円弧運動させるようにしているため、そのホッパと一体的に回動するホッパシールの円弧軌跡は、使用位置の近傍においてもドラム側供給筒の軸線に対し少なからず傾いてしまう。従ってそのホッパシールを供給筒に対しその軸線に沿って抜差しすることができないので、その抜差作業に多大の労力と手数を要して作業能率が悪いという問題があり、またその抜差に伴いホッパシールを供給筒内周面に対し無理に押しつけたり擦りつけたりするため、ホッパシールの耐久性を損なう等の問題もあった。
【0005】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、上記問題を解決することができるコンクリートミキサ車を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明によれば、車体上に回転可能に搭載されたミキサドラムと、そのドラムの後部開口端に配設されて生コンクリートを該ドラム内に導く円筒状の供給筒と、この供給筒に対応する排出口を有する生コンクリート投入用ホッパと、そのホッパの排出口に延設されて前記供給筒内に挿入し得る横断面円弧状のホッパシールと、ホッパがその排出口を前記供給筒に近接対向させる使用位置と同供給筒から離間させる待機位置との間を移動し得るように、該ホッパを案内支持する案内支持機構と、ホッパを前記使用位置に随時に固定可能な固定手段とを備えたコンクリートミキサ車において、前記案内支持機構は、ホッパが前記使用位置と所定中間位置との間にある時には前記供給筒の軸線に略沿って移動し得るように、またその所定中間位置と待機位置との間にある時には所定軸線の回りを回動し得るようにそれぞれホッパを案内支持する。
【0007】
また請求項2の発明によれば、請求項1の発明の上記構成に加えて、前記案内支持機構は、車体に第1軸線の回りを所定の回動ストロークで回動し得るように基部を軸支された中継アームを備え、その中継アームの先部には、ホッパが前記第1軸線と平行な第2軸線の回りを所定の回動ストロークで回動し得るように軸支され、ホッパの前記使用位置から所定中間位置までの移動に際しては、車体に対し中継アームを第1軸線回りに一方向へ相対回動させると同時に、同アームに対しホッパを第2軸線回りに他方向へ相対回動させる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、添付図面に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
【0009】
添付図面において、図1は、本発明の一実施例に係るコンクリートミキサー車の後部側面図、図2は前記ミキサー車におけるホッパ及びその周辺部の一部破断拡大図、図3はホッパ案内支持機構の拡大側面図(図2の3矢視部拡大図)、図4はホッパ案内支持機構の一部破断拡大背面図(図3の4矢視図)、図5は図4の5−5線断面図、図6は図2の6−6線断面図、図7は、ホッパの使用位置から第1中間位置への移動過程を示す概略側面図、図8はホッパの第1中間位置から待機位置近傍(第2中間位置)への移動過程を示す概略側面図、図9はホッパの待機位置近傍(第2中間位置)から待機位置への移動過程を示す概略側面図である。
【0010】
先ず、図1,2において、コンクリートミキサ車Vの車体フレームF上には、ミキサドラムDの前,後部をそれぞれ回転自在に支持するための前,後部支持フレーム1,2が一体的に立設されており、該ドラムDは、後上がりに傾斜した回転軸線L0 回りを回転し得るように配置されていて、コンクリートミキサ車Vの走行用エンジンにより伝動機構を介して随時に正,逆回転駆動されるようになっている。
【0011】
ミキサドラムDの内周壁面には2条の螺旋状ブレード3,4が略180°の位相差をもって溶接されている。またミキサドラムDの後部開口端5の中央部には、生コンクリートを該ドラムD内に導くための中空円筒状の金属板よりなる供給筒Cが配設され、この供給筒Cは、その外周面が前記ブレード3,4の内側縁に溶接されている。
【0012】
ミキサドラムDの後方において後部支持フレーム2の上部には、上面を開放した生コンクリート投入用のホッパHが支持され、このホッパHの前壁下部には、前記供給筒Cに対応した短円筒状の排出口6が開口形成される。図6に明示したように排出口6の外周には、供給筒C内に先部が摺接可能に挿入し得る横断面円弧状の帯状ホッパシールSが巻装され、このホッパシールSの基部は、締付バンド7を以てホッパHの排出口6外周に締着され、そのバンド7の締付けは、バンド両端末の接続金具相互を結合する締付ボルト8の締付回動によりなされる。ホッパシールSは、ゴム等の弾性材料より形成されていて、排出口6及び供給筒Cの少なくとも下半部内周相互間をシールする機能を果たす。
【0013】
後部支持フレーム2は、ミキサドラムDの後部を左右から挟むように車体フレームF上にそれぞれ起立する左右一対のフレーム枠より構成され、その両フレーム枠の上部には、上方に向かって延びる上部ブラケット2uと、後方に向かって延びる後部ブラケット2dとが一体的に連設され、それらブラケット2u,2dはそれぞれ門型状の剛体枠より構成される。
【0014】
その後部ブラケット2dとホッパHとの間には、ホッパHの案内支持機構Gが設けられ、この案内支持機構Gは、ホッパHがその排出口6を供給筒Cに近接対向させる使用位置Haと同供給筒Cから離間させる待機位置Hbとの間を移動し得るように、該ホッパHを案内支持する。また上部ブラケット2uの上部とホッパHとの間には、ホッパHを前記使用位置Haに随時に固定可能な固定手段Fiが設けられる。
【0015】
前記固定手段Fiは、ホッパHの前壁上端部に突設されてボルト挿通孔を有する板状の取付片10と、上部ブラケット2uの上端部に固設されたナット状の雌ネジ部材2usと、前記取付片10のボルト挿通孔を通して前記雌ネジ部材2usに螺挿可能な取付ボルト11とより構成され、ホッパHが使用位置Haに有る時に、該ボルト11を取付片10のボルト挿通孔を通して前記雌ネジ部材2usに螺挿することにより、該ホッパHを使用位置Haに固定することができる。前記固定手段Fiに近接してホッパHの上端部には、これを作業員が手動で回動操作するための把手Tが固着される。
【0016】
前記案内支持機構Gは、ホッパHが前記使用位置Haと第1中間位置Hm1 との間にある時にはミキサドラムD(供給筒C)の軸線L0 に略沿って概ね直線的に移動し得るように、また第1中間位置Hm1 と待機位置Hbとの間にある時には所定軸線L1 ,L2 の回りを回動し得るようにそれぞれホッパHを案内支持するものであり、特に図示例では、車体F(後部ブラケット2d)に第1軸線L1 の回りを所定の回動ストロークで回動し得るように基部を軸支された中継アームAを備え、この中継アームAの先部には、ホッパHが前記第1軸線L1 と平行な第2軸線L2 の回りを所定の回動ストロークで回動し得るように軸支される。而して前記第1中間位置Hm1 は本発明の所定中間位置に相当するものであって、図示例では、ホッパHを使用位置Haから待機位置Hbに向けて移動させる場合において、特にホッパシールSが供給筒Cから離脱する直前位置ないしは離脱した直後位置の間の任意の位置に設定される。
【0017】
図3〜5も併せて参照して、後部ブラケット2dの後端部には取付基板Bがボルトにより着脱可能に固着されており、この取付基板B上には、互いに間隔をおいて並列する左右一対の固定フレーム12が立設固定される。この両固定フレーム12の下部には、その相互間を接続するように水平な第1軸線L1 に沿って延びる固定支軸13が一体的に架設される。
【0018】
その固定支軸13の中間部には左右一対の側板14が間隔をおいて回動可能に支持される。それら側板14は、固定支軸13に回動可能に嵌合した下部カラー15dと、その上方に平行に延びる上部カラー15uとにそれぞれ連結固定されて井桁状の剛体枠、即ち中継アームAを構成している。前記上部カラー15uは、第1軸線L1 と平行な第2軸線L2 に沿って延びる可動支軸16を嵌合支持しており、その可動支軸16はビス等の固定手段により上部カラー15uに着脱可能に固着される。
【0019】
各固定フレーム12の上縁には、固定支軸13と同心状の円弧面12aが形成されており、この円弧面12a上を前記可動支軸16の左右両端部が摺動し得るようになっている。その円弧面12aの前後両端には前,後ストッパ面12sF ,12sR が起立形成されており、これらストッパ面12sF ,12sR に可動支軸16の左右両端部が各々係合することにより可動支軸16、従って中継アームAの前後回動が一定角度範囲に規制される。
【0020】
また可動支軸16には、ホッパHの後壁外面にボルト等により着脱可能に固着した支持ブラケット17が回動可能に嵌合連結されている。この支持ブラケット17は、可動支軸16の左右両端部にそれぞれ回動可能に嵌合される左右一対の側片17aと、その両側片17a相互を一体に橋架連結し且つ中継アームAの背面側を覆う背板17bと、その各側片17aの基部内面に重合固着されると共に背板17bに固着されて背板17bの前後に延びる補強板17cとより構成される。
【0021】
中継アームAの左右側板14の後縁には、下部ストッパ面14sD と、この下部ストッパ面14sD の上端より前上がりに傾斜する上部ストッパ面14sU とが形成されており、下部ストッパ面14sD は、これに支持ブラケット17の背板17bを当接させることにより該ブラケット17(従ってホッパH)の中継アームAに対する後方側への相対回動を所定の後方回動限17F に規制し、また上部ストッパ面14sU は、これに支持ブラケット17の背板17bを当接させることにより該ブラケット17(従ってホッパH)の中継アームAに対する前方側への相対回動を所定の前方回動限17R に規制することができる。
【0022】
而して図7に示すようなホッパHの前記使用位置Haから第1中間位置Hm1 までの移動に際しては、車体Fに対し中継アームAを第1軸線L1 (固定支軸13)回りに後方向へ所定角度相対回動させると同時に、同アームAに対しホッパHを第2軸線L2 (可動支軸16)回りに前方向へ相対回動させることにより、ホッパHを供給筒Cの軸線L0 に略沿って概ね直線的に移動させてホッパシールSの供給筒Cに対する抜差操作を難なく行えるようになっている。
【0023】
尚、図1において符号20は、後部ブラケット2dに固設された作業用ステップであり、また21は同ブラケット2dに設置された排出用シュートである。そのシュート20には、ミキサドラムDを逆転駆動させた時に該ドラムDの後部開口端5と供給筒Cとの間の環状間隙よりドラムD内の生コンクリートが強制的に排出されるようになっている。
【0024】
次に前記実施例の作用を図7〜9を併せて参照して説明する。
【0025】
ミキサドラムDが正転駆動されると、該ドラムD内にホッパHを通して予め投入された生コンクリートが混練され、その際に該ドラムDと一体の供給筒Cの自由端部は、ホッパHの排出口6に延設されて該供給筒C内に挿入されるホッパシールSに摺接しつゝ回転する。そしてこのホッパシールSは、ホッパHの排出口6と供給筒Cとの間をシールする。このような通常の使用状態において、ホッパHは固定手段Fiにより使用位置Haに固定されており、この状態では、図2〜5に明示したように中継アームAは、可動支軸16を固定フレーム12の前部ストッパ面12sF に当接させた最前方位置AF にあり、また支持ブラケット17(ホッパH)は、その下部ブラケット17の背板17bを中継アームAの下部ストッパ面14sD に当接させた最後方位置17R にある。
【0026】
ところでホッパシールSが摩耗したり損傷破損した場合には、これを新しいものと交換する必要があり、この場合には、固定手段Fiのボルト11を弛めてホッパHを使用位置Haから待機位置Hbに向けて手作業で移動させる。この場合、図7に示すように車体フレームF(後部ブラケット2d)に対し中継アームAを固定支軸13(第1軸線L1 )回りに後方向(時計方向)へ相対回動させながら、同アームAに対しホッパHを可動支軸16(第2軸線L2 )回りに前方向(反時計方向)へ所定角度、即ち上部ストッパ面14sU が支持ブラケット17の背板17bに当接する前方回動限17F まで相対回動させる。これにより、車体フレームFに対する中継アームAの上記後方への回動運動と、該アームAに対するホッパHの上記前方への回動運動とが合成されるため、ホッパHを使用位置Haから、該使用位置Ha寄りの第1中間位置Hm1 までドラム供給筒Cの軸線L0 に略沿って概ね直線的に移動させることができる。
【0027】
かくして、ホッパシールSを供給筒Cに対し抜差する過程では、ホッパH、従ってホッパシールSを供給筒Cの軸線L0 に略沿って移動させることができるため、ホッパシールSの抜差作業を軽快且つスムーズに行うことができ、その抜差に際してはホッパシールSの供給筒C内周面に対する無理な押し付けや捩じり、擦り付け等が効果的に回避される。
【0028】
次にホッパHを中継アームAに対して前方回動限17F に保持したまま、車体フレームF(後部ブラケット2d)に対し中継アームAを固定支軸13(第1軸線L1 )回りに後方向(時計方向)へ相対回動させる。これにより、図8に示すように中継アームAが、可動支軸16を固定フレーム12の後部ストッパ面12sR に当接させる最後方位置AR に達すると、該アームAのそれ以上の後方回動が規制され、かくして、ホッパHは第1中間位置Hm1 から、待機位置Hb寄りの第2中間位置Hm2 まで移動する。
【0029】
更に中継アームAを最後方位置AR に保持したまま、該アームAに対しホッパHを前方回動限17F から、可動支軸16(第2軸線L2 )回りに後方向(時計方向)へ後方回動させる。これにより、図9に示すようにホッパHが、支持ブラケット17の背板17bを下部ストッパ面14sD に当接させる後方回動限17R に達すると、該ホッパHのそれ以上の後方回動が規制され、かくして、ホッパHは、第2中間位置Hm2 から待機位置Hbまで移動する。
【0030】
このようにしてホッパHは、これが第1中間位置Hm1 と第2中間位置Hm2 との間にある時は固定支軸13(第1軸線L1 )回りを、また第2中間位置Hm2 と待機位置Hbとの間にある時には可動支軸16(第2軸線L2 )の回りを回動し得るように案内支持されるため、ホッパシールSが供給筒Cより離脱した状態では、従来同様、ホッパHをスムーズに円弧運動させることができる。
【0031】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。例えば前記実施例では、案内支持機構Gが、ホッパHと車体F間に介装した中継アームAを備えていて、該アームAの基部と先部における2つの回動軸線L1 ,L2 回りにホッパHを回動操作できるようにしたものを示したが、本発明において案内支持機構Gは、ホッパHが少なくとも使用位置Haと所定中間位置Hm1 との間にある時にはドラム供給筒の軸線L0 に略沿って概ね直線的に移動し得るように、また所定中間位置Hm1 と待機位置Hbとの間にある時には所定軸線の回りを回動し得るようにホッパHを案内支持する構造であればよく、例えば図示例の中継アームAを設ける代わりに、ホッパHを車体Fに回動可能に軸支させる只1つの回動軸を、車体に固定の支持部材に設けられてドラム供給筒の軸線L0 に略沿って延びる長孔に摺動可能に嵌合支持させるようにして案内支持機構を構成してもよい。
【0032】
また前記実施例では、ホッパHが水平な回動軸線L1 ,L2 回りに回動できるようにしたものを示したが、その回動軸線L1 ,L2 は水平でなくてもよく、例えばホッパHを鉛直な回動軸線回りに回動できるようにしてもよい。
【0033】
更に前記実施例では、ホッパシールSが供給筒Cの下半部内周に対応した横断面円弧状(優弧状)に形成されたが、本発明ではホッパシールを供給筒Cの全周に亘る円環状に形成してもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上のように請求項1の発明によれば、ホッパシールの交換等のためにホッパを使用位置と待機位置との間で移動させるに当り、特にホッパが使用位置と所定中間位置との間にある時にはドラム側供給筒の軸線に略沿って移動し得るように案内支持機構がホッパを案内支持するようにしたので、ホッパシールを供給筒に抜差する過程ではホッパ、従ってホッパシールを該供給筒の軸線に略沿って移動させることができ、これにより、ホッパシールの抜差作業を軽快且つスムーズに行うことができて作業能率の向上が図られ、しかもその抜差作業に際してはホッパシールを供給筒内周面に対し無理に押しつけたり擦りつけたりする心配がないため、ホッパシールの耐久性向上が図られる。またホッパは、これが所定中間位置と待機位置との間にある時には所定軸線の回りを回動し得るように案内支持されるため、ホッパシールが供給筒より離脱した状態では、従来同様、ホッパをスムーズに円弧運動させることができる。
【0035】
また特に請求項2の発明によれば、ホッパの案内支持機構は、車体に第1軸線の回りを所定の回動ストロークで回動し得るように基部を軸支された中継アームを備え、その中継アームの先部には、ホッパが前記第1軸線と平行な第2軸線の回りを所定の回動ストロークで回動し得るように軸支され、ホッパの使用位置から前記中間位置までの移動に際しては、車体に対し中継アームを第1軸線回りに一方向へ相対回動させると同時に、同アームに対しホッパを第2軸線回りに他方向へ相対回動させるので、車体に対する中継アームの回動運動と、該アームに対するホッパの回動運動との組み合わせにより、ホッパをドラム供給筒の軸線に略沿って移動させることが可能となり、従ってその移動に際してのガタつき防止や摺動抵抗の軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るコンクリートミキサー車の後部側面図
【図2】前記ミキサー車におけるホッパ及びその周辺部の一部破断拡大図
【図3】ホッパ案内支持機構の拡大側面図(図2の3矢視部拡大図)
【図4】ホッパ案内支持機構の一部破断拡大背面図(図3の4矢視図)
【図5】図4の5−5線断面図
【図6】図2の6−6線断面図
【図7】ホッパの使用位置から所定中間位置(第1中間位置)への移動過程を示す概略側面図
【図8】ホッパの所定中間位置から待機位置近傍(第2中間位置)への移動過程を示す概略側面図
【図9】ホッパの待機位置近傍(第2中間位置)から待機位置への移動過程を示す概略側面図
【符号の説明】
A・・・・・中継アーム
C・・・・・供給筒
D・・・・・ミキサドラム
F・・・・・車体
Fi・・・・固定手段
G・・・・・案内支持機構
H・・・・・ホッパ
Ha・・・・使用位置
Hb・・・・待機位置
Hm1 ・・・所定中間位置としての第1中間位置
L0 ・・・・供給筒の軸線
L1 ・・・・第1軸線
L2 ・・・・第2軸線
S・・・・・ホッパシール
6・・・・・排出口
Claims (2)
- 車体(F)上に回転可能に搭載されたミキサドラム(D)と、そのドラム(D)の後部開口端(5)に配設されて生コンクリートを該ドラム(D)内に導く円筒状の供給筒(C)と、この供給筒(C)に対応する排出口(6)を有する生コンクリート投入用ホッパ(H)と、そのホッパ(H)の排出口(6)に延設されて前記供給筒(C)内に挿入し得る横断面円弧状のホッパシール(S)と、ホッパ(H)がその排出口(6)を前記供給筒(C)に近接対向させる使用位置(Ha)と同供給筒(C)から離間させる待機位置(Hb)との間を移動し得るように、該ホッパ(H)を案内支持する案内支持機構(G)と、ホッパ(H)を前記使用位置(Ha)に随時に固定可能な固定手段(Fi)とを備えたコンクリートミキサ車において、
前記案内支持機構(G)は、ホッパ(H)が前記使用位置(Ha)と所定中間位置(Hm1 )との間にある時には前記供給筒(C)の軸線(L0 )に略沿って移動し得るように、またその所定中間位置(Hm1 )と待機位置(Hb)との間にある時には所定軸線(L1 ,L2 )の回りを回動し得るようにそれぞれホッパ(H)を案内支持することを特徴とする、コンクリートミキサ車。 - 前記案内支持機構(G)は、車体(F)に第1軸線(L1 )の回りを所定の回動ストロークで回動し得るように基部を軸支された中継アーム(A)を備え、
その中継アーム(A)の先部には、ホッパ(H)が前記第1軸線(L1 )と平行な第2軸線(L2 )の回りを所定の回動ストロークで回動し得るように軸支され、
ホッパ(H)の前記使用位置(Ha)から所定中間位置(Hm1 )までの移動に際しては、車体(F)に対し中継アーム(A)を第1軸線(L1 )回りに一方向へ相対回動させると同時に、同アーム(A)に対しホッパ(H)を第2軸線(L2 )回りに他方向へ相対回動させることを特徴とする、請求項1に記載のコンクリートミキサ車。
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