JP3659724B2 - 基板搬送装置および基板搬送方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば液晶表示装置等に用いられるガラス基板等の搬送装置および搬送方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、基板搬送、特にカセットからの基板の搬出入においては、単一のハンドリングアームを用いて行われていた。例えば、特開昭63ー50035号公報や、特開平4ー267539号公報に開示されたものでは、基板を安定に保持できる適当な幅および真空等による吸着機構を有した単一のハンドリングアームを用いて基板を1枚ずつカセットから搬出入している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の基板搬送は単一のハンドリングアームで行われていたため、比較的小さく厚い基板に対しては特に問題は生じなかったが、大型で薄い基板がカセットに複数枚収納されている場合、図6および図7に示すように基板4は大きくたわんだ状態にあり、基板4と基板4の間にハンドリングアーム2を挿入する際、ハンドリングアーム2を基板4に接触することなく基板間に挿入することは極めて困難で、基板4を破損するなどの問題があった。また、基板4とハンドリングアーム2の接触を防止するためにカセット5の基板収納棚6のピッチを大きくした場合、基板の収納効率が低下する問題があった。
【0004】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、カセットにおける基板の収納効率を低下させることなく、かつ基板を破損せずにカセットから任意の基板を搬出入できる基板搬送装置および基板搬送方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わる基板搬送装置は、カセット内に上下方向に設けられた複数の収納棚に収納された基板の間に挿入して、挿入された上下2基板のうちの上側の上記基板を搬出入する第一および第二のハンドリングアームを備え、上記第一のハンドリングアームは、上記上側の基板の中央を持ち上げることができるよう水平および垂直移動が可能であり、上記第二のハンドリングアームは、上記第一のハンドリングアームとは独立して水平および垂直移動が可能であり、且つ上記上側の基板を安定に保持できるように上記第一のハンドリングアームの左右に位置し得る一対のアーム部分を有するものである。
また、上記第一のハンドリングアームの幅および厚みは、上記第二のハンドリングアームの幅および厚みより小さく形成されている。
また、上記第二のハンドリングアームは、U字型である。
また、上記第二のハンドリングアームは、上記基板を真空吸着することが可能である。
また、搬送される上記基板のサイズは、200mm角以上、厚さは0.7mm以下のものである。
この発明に係わる基板搬送方法は、カセット内に上下方向に設けられた複数の収納棚に収納された基板の間に挿入して、挿入された上下2基板のうちの上側の上記基板を搬出入する第一および第二のハンドリングアームを備え、上記第一のハンドリングアームは、上記上側の基板の中央を持ち上げることができるよう水平および垂直移動が可能であり、上記第二のハンドリングアームは、上記第一のハンドリングアームとは独立して水平および垂直移動が可能であり、且つ上記上側の基板を安定に保持できるように上記第一のハンドリングアームの左右に位置する一対のアーム部分を有する基板搬送装置を用い、上記第一のハンドリングアームを上記基板の間に挿入してたわんだ状態にある上記上側の基板の中央を持ち上げて水平にする第一工程、上記第二のハンドリングアームを上記基板の間に挿入して水平にされた上記基板を第二のハンドリングアームを用いて安定に保持する第二工程、保持した上記基板をカセットの収納棚に搬出入する第三工程を含む。
【0006】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の基板搬送装置および基板搬送方法における実施の形態1を図面に基づいて説明する。図1は本発明の基板搬送装置の実施の形態1の斜視図、図2、図3、図4は上記基板搬送装置によるカセットから基板を搬出する工程を示す模式図、図5は上記基板搬送装置に含まれている第一および第二のハンドリングアームがカセット内に挿入された状態を示す断面図である。
【0007】
図1〜図5において、カセット5は、複数の基板4を収納可能なように上下方向に設けられた複数の基板収納棚6を有する。上記基板搬送装置は、水平および垂直移動が可能な第一のハンドリングアーム1、第一のハンドリングアーム1とは独立して水平および垂直移動が可能な第二のハンドリングアーム2、第一のハンドリングアーム1のカセット5への挿入位置を基板のたわみ量に応じて調整するための第一のハンドリングアームの高さ調整機構3(以下、第一高さ調整機構3)、第二のハンドリングアーム2のカセット5への挿入位置を調整するための第二高さ調整機構(図示せず)、第一のハンドリングアーム1を水平および垂直移動させる第一水平・垂直移動機構(図示せず)、第二のハンドリングアーム2を水平および垂直移動させる第二水平・垂直移動機構(図示せず)、および第一高さ調整機構3の全体の高さを調整する全体高さ調整機構7(但し、図1〜図5では、当該全体高さ調整機構7と第一高さ調整機構3を連結する連結体71の一部のみを示す。) を備えている。
【0008】
第一のハンドリングアーム1は、そのカセット5への挿入先端11の他端には当該第一のハンドリングアーム1と上記第一水平・垂直移動機構とを連結する動力伝達部12を有する。しかして第一のハンドリングアーム1は、動力伝達部12を介して、上記第一水平・垂直移動機構により水平方向および垂直方向に移動可能となっている。
一方、第二のハンドリングアーム2は、前記したように基板4を安定に保持できるように上記第一のハンドリングアームの左右に位置し得る一対のアーム部分21、22を有していて、実施の形態1では図示する通りアーム部分21、22の端部同士が一体化したU字型を呈し、そのカセット5への各挿入先端211、221の他端(上記一体化部)の下面には当該第二のハンドリングアーム2と上記第二水平・垂直移動機構とを連結する動力伝達部23、24(図4a参照、但し動力伝達部24は上記一体化部の陰になっていて図示し得ず。)を有する。しかして第二のハンドリングアーム1は、動力伝達部23、24を介して、上記第二水平・垂直移動機構により水平方向および垂直方向に移動可能となっている。
【0009】
第1高さ調整機構3は、第1高さ調整機構本体31と平板部32とを含み、平板部32には、第一のハンドリングアーム1の動力伝達部12の水平移動および垂直移動を可能にする切り込み33(図2aなど参照)、第二のハンドリングアーム2の動力伝達部23の水平移動および垂直移動を可能にする切り込み34、および動力伝達部23の水平移動および垂直移動を可能にする切り込み35が設けられている(図4a参照)。
【0010】
第一のハンドリングアーム1および第二のハンドリングアーム2は、いずれも複数の収納棚に収納された基板4の間に挿入し得る形状を有する。即ち第一のハンドリングアーム1は、基板4を傷つけることなく基板間に挿入できるよう、そのハンドリングアームの幅および厚みは小さく形成されており、図5から明らかなようにその断面が円形の棒体である。第二のハンドリングアーム2は、基板4を安定に保持するために、前記したように一対のアーム部分21とアーム部分22とが互い適度な幅を有したU字型をしており、アーム部分21とアーム部分22とも基板4の間に挿入し得るように平板状のものである。また、第二のハンドリングアーム2は、真空吸着等の機能を有している。高さ調整機構3は、第一のハンドリングアーム1のカセット5への挿入位置を基板4たわみ量に応じて調整する機能をなす。基板4のたわみ量は、基板4の大きさ、厚みおよび材質により異なるため、基板4の種類が変わる場合に調整を必要とする。
【0011】
次に本実施の形態の基板搬送装置によるカセット5から基板4の搬出工程について説明する。まず全体高さ調整機構7にて基板搬送装置を駆動して、大きくたわんだ基板4が収納されたカセット5に第一のハンドリングアーム1と第二のハンドリングアーム2を接近させ、搬出する基板4に対応する位置に停止して図2−aの状態にする。次に第一高さ調整機構3にて第一のハンドリングアーム1を水平方向に駆動して、当該アーム1を基板間に挿入して図2ーbの状態にする。次に図3−aに示すように、第一高さ調整機構3にて第一のハンドリングアーム1を垂直方向に上昇させることによりたわんだ状態にある基板4を水平な状態にする。次に第二水平・垂直移動機構にて第二のハンドリングアーム2を駆動して、水平になった基板4の下に第二のハンドリングアーム2を挿入して図3ーbの状態にする。ここで、基板4と第二のハンドリングアーム2の間隙は、図5に示すように図7の従来例と比較して大きくなっているため、余裕を持って基板間に第二のハンドリングアーム2を挿入することができる。次に図4−aに示すように、基板間に挿入された第二のハンドリングアーム2を第二水平・垂直移動機構にて上昇させることにより、搬出する基板4をカセット5の基板収納棚6から離れた状態にする。この時点で、基板4の保持を確実なものにするため、第二のハンドリングアーム2により真空吸着等を行ってもよい。最後に図4ーbに示すように、第一のハンドリングアーム1と第二のハンドリングアーム2を基板4を保持した状態で同時に水平移動させることにより、カセット5から基板4を搬出する。
また、基板4をカセット5に搬入する場合には、上述の搬出工程と逆の工程を行う。
本構成の基板搬送装置を用いて、サイズが200mm角以上、厚みが0.7mm以下の基板をカセットから搬出入させたところ、基板を破損せずに搬送することができた。
【0012】
この発明によれば、まず複数のたわんだ状態にある基板4が収納されたカセット5に、幅および厚みの小さい第一のハンドリングアーム1を挿入して、たわんだ状態にある基板4を水平な状態にしたのち、基板を保持するための第一のハンドリングアーム1より幅、厚みともに大きい第二のハンドリングアーム2を移動させるため、大型で薄い基板の搬送においても、基板を破損することなく基板収納棚6のピッチが小さいカセット5から基板4を搬出入することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による基板搬送装置を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による基板搬送装置の基板搬出工程を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による基板搬送装置の基板搬出工程を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態1による基板搬送装置の基板搬出工程を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態1による基板搬送装置の第一および第二のハンドリングアームがカセット内に挿入された状態を示す断面図である。
【図6】 従来のこの種基板搬送装置のハンドリングアームを示す図である。
【図7】 従来の基板搬送装置のカセット内でのハンドリングアームと基板の位置関係を示す断面図である。
【符号の説明】
1 第一のハンドリングアーム、2 第二のハンドリングアーム、3 第一高さ調整機構、4 基板、5 カセット、6 基板収納棚。
Claims (6)
- カセット内に上下方向に設けられた複数の収納棚に収納された基板の間に挿入して、挿入された上下2基板のうちの上側の上記基板を搬出入する第一および第二のハンドリングアームを備え、上記第一のハンドリングアームは、上記上側の基板の中央を持ち上げることができるよう水平および垂直移動が可能であり、上記第二のハンドリングアームは、上記第一のハンドリングアームとは独立して水平および垂直移動が可能であり、且つ上記上側の基板を安定に保持できるように上記第一のハンドリングアームの左右に位置し得る一対のアーム部分を有することを特徴とする基板搬送装置。
- 上記第一のハンドリングアームの幅および厚みは、上記第二のハンドリングアームの幅および厚みより小さいことを特徴とする請求項1記載の基板搬送装置。
- 上記第二のハンドリングアームは、U字型であることを特徴とする請求項1記載の基板搬送装置。
- 上記第二のハンドリングアームは、上記基板を真空吸着することが可能であることを特徴とする請求項1記載の基板搬送装置。
- 搬送される上記基板のサイズは、200mm角以上、厚さは0.7mm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の基板搬送装置。
- カセット内に上下方向に設けられた複数の収納棚に収納された基板の間に挿入して、挿入された上下2基板のうちの上側の上記基板を搬出入する第一および第二のハンドリングアームを備え、上記第一のハンドリングアームは、上記上側の基板の中央を持ち上げることができるよう水平および垂直移動が可能であり、上記第二のハンドリングアームは、上記第一のハンドリングアームとは独立して水平および垂直移動が可能であり、且つ上記上側の基板を安定に保持できるように上記第一のハンドリングアームの左右に位置する一対のアーム部分を有する基板搬送装置を用い、上記第一のハンドリングアームを上記基板の間に挿入してたわんだ状態にある上記上側の基板の中央を持ち上げて水平にする第一工程、上記第二のハンドリングアームを上記基板の間に挿入して水平にされた上記基板を第二のハンドリングアームを用いて安定に保持する第二工程、保持した上記基板をカセットの収納棚に搬出入する第三工程を含むことを特徴とする基板搬送方法。
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