JP3659585B2 - 硬貨入出金装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬貨入出金装置であって、特にPOS(Point Of Sales)端末やECR(Electronic Cash Register)等の電子機器に接続して使用するのに適した硬貨入出金装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、1円,5円,10円,50円,100円,500円等の硬貨を金種毎に収納する硬貨収納部を内蔵し、POS端末やECRからの釣り銭の払い出し指令により、硬貨収納部内の硬貨を釣り銭額だけ硬貨払出口に払い出すようにした硬貨入出金装置が普及しつつある。
【0003】
このような硬貨入出金装置は、装置手前側に配置された硬貨投入口から投入された種々の金種が混合した状態の硬貨を装置後方に位置する硬貨選別部まで搬送するという構造を一般的に備えている。硬貨選別部には硬貨の金種毎に大きさが定められた選別孔が設けられており、この選別孔から硬貨を金種別に落下させることで、硬貨選別部の下方に設けられた硬貨収納部に金種別に収納するようにしている。硬貨収納部に金種別に収納された硬貨は、搬送ベルトにより搬送されるとともに、各搬送ベルト上の硬貨搬送経路に対して進退自在な硬貨シャッタの動作により、所望の枚数だけ硬貨払出口に払い出されることになる。
【0004】
そして、硬貨入出金装置には、硬貨投入口から投入された種々の金種が混合した状態の硬貨を装置後方に位置する硬貨選別部まで搬送して硬貨収納部に金種別に収納するための入金系を動作させるための駆動源であるモータと、硬貨収納部に金種別に収納された硬貨を所望の枚数だけ硬貨払出口に払い出すための出金(払出)系を動作させるための駆動源であるモータとが、別個に設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の硬貨入出金装置においては、入金系のモータと、出金(払出)系のモータとを別々に駆動するようにしている。このように別駆動としたのは、入金系のモータと出金(払出)系のモータとを同時に駆動した場合には、電力を多く消費してしまうからである。硬貨入出金装置のような電子機器は高調波電流を発生するが、高調波電流による電磁環境への悪影響が社会問題化してきていることから、消費電力はあまり大きくないほうが望ましいというのが理由の一つである。
【0006】
そのため、従来の硬貨入出金装置では、入金処理と出金(払出)処理とを並行して実行させることができない仕様になっている。
【0007】
しかしながら、POS端末等に接続されてスーパーマーケット等の店舗で使用される硬貨入出金装置では、硬貨収納部に不足している金種の硬貨を補充するための入金処理中であっても釣り銭の払出処理を行わなければならない状況が生じることがあり、このような場合には入金処理が終了するまで出金(払出)系のモータを駆動することができないため、顧客は入金処理が終了するまで釣り銭を受け取ることができないという不具合が生じていた。
【0008】
そこで、本発明は、消費電力を低く抑えつつ、入金処理の実行中に例えば釣り銭の払出命令があった場合等の割込み出金時における出金処理時間の短縮を図ることができる硬貨入出金装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、硬貨投入口に投入された硬貨を硬貨選別位置まで搬送し、この搬送された硬貨を前記硬貨選別位置の硬貨収納部に収納させる入金機構と、この入金機構における硬貨搬送用の駆動源である入金系モータと、前記硬貨収納部に収納された硬貨を搬送して硬貨払出口に払い出す出金機構と、この出金機構における硬貨搬送用の駆動源である出金系モータと、前記入金系モータの駆動に伴う前記入金機構での硬貨搬送に並行して、前記出金系モータの駆動に伴う前記出金機構での硬貨搬送を実行する入出金並行処理手段と、を備え、前記入出金並行処理手段は、前記入金系モータ及び前記出金系モータに与える電流値を切り替え可能な電流値切替手段を備え、この電流値切替手段により入金処理の単独処理時に比べて電流値を小さく切り替えて前記入金系モータ及び前記出金系モータに与えて前記入金機構及び前記出金機構を動作させる。
【0010】
したがって、入金系モータの駆動に伴う入金機構の動作による入金処理の実行中に、例えば釣り銭の払出命令があった場合等には、入出金並行処理手段により、電流値切替手段により入金処理の単独処理時に比べて電流値を小さく切り替えて入金系モータ及び出金系モータに与えることで、入金系モータの駆動に伴う入金機構での硬貨搬送に並行して、出金系モータの駆動に伴う出金機構での硬貨搬送が実行される。これにより、消費電力を低く抑えつつ、入金処理に並行して釣り銭の払出処理等の出金処理を行うことが可能になる。
【0011】
請求項3記載の発明は、硬貨投入口に投入された硬貨を硬貨選別位置まで搬送し、この搬送された硬貨を前記硬貨選別位置の硬貨収納部に収納させる入金機構と、この入金機構における硬貨搬送用の駆動源である入金系モータと、前記硬貨収納部に収納された硬貨を搬送して硬貨払出口に払い出す出金機構と、この出金機構における硬貨搬送用の駆動源である出金系モータと、前記入金系モータの駆動に伴う前記入金機構での硬貨搬送に並行して、前記出金系モータの駆動に伴う前記出金機構での硬貨搬送を実行する入出金並行処理手段と、を備え、前記入出金並行処理手段は、前記入金系モータ及び前記出金系モータに与える電圧値を切り替え可能な電圧値切替手段を備え、この電圧値切替手段により入金処理の単独処理時に比べて電圧値を小さく切り替えて前記入金系モータ及び前記出金系モータに与えて前記入金機構及び前記出金機構を動作させる。
【0012】
したがって、入金系モータの駆動に伴う入金機構の動作による入金処理の実行中に、例えば釣り銭の払出命令があった場合等には、入出金並行処理手段により、電流値切替手段により入金処理の単独処理時に比べて電圧値を小さく切り替えて入金系モータ及び出金系モータに与えることで、入金系モータの駆動に伴う入金機構での硬貨搬送に並行して、出金系モータの駆動に伴う出金機構での硬貨搬送が実行される。これにより、消費電力を低く抑えつつ、入金処理に並行して釣り銭の払出処理等の出金処理を行うことが可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図9に基づいて説明する。本実施の形態の硬貨入出金装置は、電子機器であるPOS端末(図示せず)に接続して使用される硬貨入出金装置であって、紙幣入出金装置や貨幣ドロワ等の各種モジュールとともに用いられる硬貨入出金装置に適用されている。
【0014】
ここで、図1は硬貨入出金装置1の外観を示す斜視図、図2は硬貨入出金装置1の内部構造を示す平面図、図3は硬貨入出金装置1の内部構造を示す縦断側面図である。図1及び図2に示すように、硬貨入出金装置1の筐体であるハウジング2の右側手前には、硬貨を一括して投入する上方に開口した硬貨投入口3が設けられている。この硬貨投入口3には、光電的に硬貨の有無を検出する複数組の投入センサ4が設けられている。
【0015】
ハウジング2の内部には、硬貨入出金機構Aが内蔵されている。以下において、硬貨入出金機構Aについて詳述する。
【0016】
硬貨投入口3には、モータM1(図7参照)に連結されて駆動され、投入された硬貨を奥に向けて搬送する投入口ベルト5が設けられている。この投入口ベルト5上には硬貨投入口3の一端に位置させて不規則に投入された硬貨を一枚ずつ送り出すための投入口ローラ6が設けられている。また、投入口ベルト5には、モータM2(図7参照)に連結されて駆動され、硬貨の送り速度を速めて所定の隙間をあけてそれぞれの硬貨を送ることができるように搬送速度を速めた搬送ベルト7が連設されている。さらに、搬送ベルト7の終端部分には、搬送方向を略直角に屈曲する硬貨案内部50と、硬貨入出金装置1の幅方向に略平行に設けられ、硬貨案内部50によって搬送方向が略直角に屈曲された硬貨Cを硬貨選別位置(後述する硬貨選別部11)に搬送する搬送機構8が設けられている。
【0017】
したがって、投入口ベルト5、投入口ローラ6、搬送ベルト7、硬貨案内部50及び搬送機構8によって、硬貨投入口3に投入された硬貨を硬貨選別位置までの硬貨搬送経路を形成して搬送する硬貨搬送部9が構成されている。
【0018】
搬送機構8の下方には、この搬送機構8に沿わせて順次孔幅寸法が拡大する金種毎の選別孔10が設けられ、ここに硬貨選別位置に位置し、搬送された硬貨を金種別に選別する硬貨選別部11が形成されている。選別孔10は、図2において右側から1円,50円,5円,100円,10円,500円の順にそれぞれの金種に対応する大きさで6個設けられている。そして、各選別孔10には、金種毎に硬貨の枚数をカウントするための計数センサ12が設けられている。
【0019】
ここで、図4は選別孔10を拡大して示す斜視図である。図4に示すように、選別孔10は、順次孔幅寸法が拡大する金種毎の孔が形成された板状部材であって、仕切板13により金種毎に仕切られた上方開口の硬貨収納部14(14a〜14f)に連通している。なお、本実施の形態の硬貨入出金装置は、詳細は後述するが、各硬貨収納部14a〜14fの幅を狭くすることにより小型化を実現しているため、各硬貨収納部14a〜14f上に設けられる各選別孔10は、必然的に近接して設けられている。このような選別孔10には、選別孔10から落下する硬貨Cを硬貨収納部14の内部に案内する傾斜ガイド10aが設けられている。これらの傾斜ガイド10aは、選別孔10の基準面10bに近い方の端部から遠い方の端部に向かうに従い下方に傾斜しており、選別孔10により選別されて落下する硬貨Cを斜め下方へ向けて落下させる。なお、選別孔10の基準面10bは、金種毎に設けられた選別孔10から対応する硬貨Cを正しく落下させるために必要な硬貨Cの搬送基準を得るための硬貨案内面である。
【0020】
搬送機構8について図5及び図6を参照しつつ詳細に説明する。搬送機構8は、図5及び図6に示すように、支軸60を中心として選別孔10に対して開閉自在に設けられており、概略的には、モータM3(図7参照)の回転力が伝達される駆動プーリ61と従動プーリ62とが所定の間隔を空けて設けられており、これらの駆動プーリ61と従動プーリ62とには、エンドレスの搬送ベルト63が掛け渡されている。搬送機構8を閉止した状態では、駆動プーリ61は500円に対応して最も孔幅寸法が大きい選別孔10上に位置し、従動プーリ62は硬貨案内部50近傍の搬送ベルト7上に位置している。すなわち、従動プーリ62は、硬貨搬送部9により搬送された硬貨Cを硬貨選別部11へと受け渡す機能を果たすものである。
【0021】
加えて、駆動プーリ61と従動プーリ62との間には、複数のピンチローラ64(64a〜64f)が回転自在に設けられている。これらのピンチローラ64(64a〜64f)は、搬送機構8を閉止した状態では駆動プーリ61及び従動プーリ62よりも選別孔10側に位置付けられるように設けられている。ピンチローラ64(64a〜64f)は、板バネ(図示せず)等により支持されており、揺動自在とされている。そして、搬送機構8を閉止した状態では、ピンチローラ64(64a〜64f)部分の搬送ベルト63を選別孔10に対して硬貨C一枚分の高さより狭い間隔で対向させることで、硬貨Cは、ピンチローラ64(64a〜64f)から適度な押圧力を与えられながら搬送ベルト63により安定して搬送されることになる。
【0022】
したがって、投入口ベルト5、搬送ベルト7及び搬送機構8は、硬貨投入口3に投入された硬貨Cを硬貨選別位置11まで搬送し、この搬送された硬貨Cを硬貨選別位置11に設けられた硬貨収納部14に収納させる入金機構Xを構成する。そして、この入金機構Xは、入金系のモータM1,M2及びM3により駆動される。
【0023】
次に、硬貨収納部14、硬貨待機部19等について説明する。図3に示すように、硬貨収納部14のそれぞれの金種毎の底面部分には、モータM4(図7参照)に連結されて駆動される搬送ベルトである払出ベルト15が駆動ローラ16と従動ローラ17とに掛け渡されて設けられている。
【0024】
ここで、硬貨収納部14a〜14fの底面部の横幅は、各硬貨収納部14a〜14fに収納される硬貨Cの直径よりも広く、かつ、各硬貨収納部14a〜14fに収納される硬貨Cの直径にその硬貨Cの厚さを加えた幅よりは狭く設定されている。このように各硬貨収納部14a〜14fの幅を規定したのは、払出ベルト15に平行な状態で硬貨収納部14a〜14f内に収納された硬貨Cと硬貨収納部14a〜14fの仕切板13との間の隙間に直立状態の硬貨Cが入り込むのを防止し、硬貨収納部14a〜14fに収納された硬貨Cの詰まりを防止するためである。
【0025】
払出ベルト15は、エンドレスベルトであって、硬貨搬送方向下流側に向かうに従い高さが高くなるような昇斜面を形成するように傾斜配置されている。そして、硬貨収納部14の出口部には、硬貨を一枚毎に分離する分離ローラ18が、払出ベルト15に対して硬貨一枚が通過し得る間隔を隔てて配設され、かつ、全ての金種の出口部をそれらの金種毎に横断するように配設されている。
【0026】
さらに、硬貨収納部14の出口部には、所定枚数の硬貨を一列に整列させて、待機させる硬貨待機部19が金種毎に設けられている。
【0027】
各硬貨待機部19には、シャッタソレノイド21に連結され、それぞれ金種別に硬貨を一時的に停止させるとともに必要枚数の硬貨を送り出すように動作制御がなされる硬貨シャッタ20がそれぞれ設けられている。
【0028】
硬貨シャッタ20の直後には、金種毎に払い出された硬貨の枚数を計数する光センサである払出センサ22や、硬貨の材質を検出するための発振コイルである材質センサ27がそれぞれ設けられている。
【0029】
さらに、払出ベルト15によって硬貨を金種別に落下させる硬貨払出位置であって、ハウジング2の左側手前には、上面が開口した筐体状の硬貨払出口23が配置されている。この硬貨払出口23は、左側に偏位させて設けられている。また、この硬貨払出口23の上方には、表示器24及び各種の操作キー26が設けられている。
【0030】
したがって、払出ベルト15は、硬貨収納部14に収納された硬貨Cを搬送して硬貨払出口23に払い出す出金機構Yを構成する。そして、この出金機構Yは、出金系のモータM4により駆動される。
【0031】
次に、硬貨入出金装置1に内蔵される各部の電気的接続について図7を参照して説明する。硬貨入出金装置1は、各部の制御を受け持つ制御部30を備え、この制御部30にインターフェース(I/F)31を介してPOS端末が接続されている。制御部30は、ここでは特に図示しないが、各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)、制御プログラム等の固定的データを予め格納するROM(Read Only Memory)、金種別の硬貨Cの枚数等の可変的なデータを書換え自在に格納するRAM(Random Access Memory)等により構成されているマイクロコンピュータである。また、制御部30には、表示器24や操作キー26も接続されている。さらに、制御部30には、投入センサ4、計数センサ12、払出センサ22、材質センサ27等のセンサ類32、シャッタソレノイド21、入金系のモータM1,M2,M3、出金系のモータM4等が接続されている。入金系のモータM1,M2,M3は、硬貨投入口3から投入された種々の金種が混合した状態の硬貨Cを装置後方に位置する硬貨選別部11まで搬送して硬貨収納部14に金種別に収納するための入金系を動作させるための駆動源であり、出金系のモータM4は、硬貨収納部14に金種別に収納された硬貨Cを所望の枚数だけ硬貨払出口23に払い出すための出金(払出)系を動作させるための駆動源である。
【0032】
投入センサ4、計数センサ12、払出センサ22、材質センサ27等のセンサ類32は、例えば硬貨Cを光学的に検出した信号やコイルの電圧の変動等を制御部30に伝達するものであり、この検出信号に基づいて制御部30が入金系のモータM1,M2,M3及び出金系のモータM4を駆動制御する。また、シャッタソレノイド21は、制御部30から出力される信号に基づき駆動制御され、通電(ON)されることで硬貨シャッタ20を払出ベルト15から離反する方向に変位させ、指定された枚数だけ硬貨Cを払い出す。なお、シャッタソレノイド21は、ここでは1つしか図示しないが、実際には各金種毎に個々に制御部30によって制御される。
【0033】
本実施の形態のモータM1,M2,M3及びM4は、図8に示すように、「2相励磁」の「ユニポーラ駆動」形式のステッピングモータであり、電流設定回路35及びドライバ(ユニポーラ駆動IC)36を介して制御部30に接続されている。制御部30は、ドライバ36に対してON/OFF信号線により接続されており、ドライバ36をオン、オフ駆動するパターンジェネレータとしての機能を備えている。
【0034】
電流設定回路35は、ステッピングモータM(M1,M2,M3及びM4)に通電する電流の大きさを設定するものであって、制御部30とドライバ36との間に設けられている。この電流設定回路35は、制御部30から電流設定回路35に対して出力されるスピードコントロール信号がHレベル信号であるかLレベル信号であるかにより、ドライバ36に対する駆動電流値を変更することができるようにしたものである。
【0035】
より具体的には、電流設定回路35は、5V端子に直列に接続されているr1,r2の分圧抵抗を有しており、抵抗r1,r2の接続中点にはトランジスタT1のON、OFFに応じて接続/非接続状態となる抵抗r3が接続されている。抵抗r3は、抵抗r3が抵抗r1と並列状態になることにより、抵抗r1単独時の場合に比べて接続中点の電圧が下がるように設定されている。また、トランジスタT1は、Lレベルのスピードコントロール信号が出力された場合にはONになり、Hレベルのスピードコントロール信号が出力された場合にはOFFになる。
【0036】
したがって、制御部30から電流設定回路35に対してLレベルのスピードコントロール信号が出力された場合は、制御部30から電流設定回路35に対してHレベルのスピードコントロール信号が出力された場合に比べて接続中点の電圧が下がるので、ドライバ36に対する駆動電流値が小さくなることになる。ここに、電流値切替手段が実現されている。
【0037】
すなわち、制御部30から電流設定回路35に対して出力されるスピードコントロール信号がHレベル信号であるかLレベル信号であるかにより、ステッピングモータMのドライバ36に対する駆動電流値を小さくしたり大きくしたりすることができることから、スピードコントロール信号を制御することでステッピングモータMの回転速度を変更することができるものである。
【0038】
このような構成における硬貨入出金装置1の概略的な動作について説明する。硬貨Cが硬貨投入口3に投入されると、投入センサ4がその硬貨Cを検出し、この検出信号によって入金系のモータM1,M2,M3が駆動されることにより、投入口ベルト5、投入口ローラ6、搬送ベルト7、搬送ベルト63が回転動作を開始する。そして、硬貨投入口3に投入された硬貨Cは、投入口ベルト5と投入口ローラ6との間で1枚ずつ分離されて搬送される。その後、搬送ベルト7により搬送される硬貨Cは、硬貨案内部50によって搬送方向が略直角に屈曲され、搬送ベルト7から搬送ベルト63に受け渡され、硬貨選別部11で金種毎の選別がなされる。すなわち、硬貨Cは、金種に応じて選別孔10から落下し、硬貨収納部14a〜14fに金種別に収納される。そして、選別孔10から落下した硬貨Cは、計数センサ12によりその数がカウントされる。
【0039】
また、硬貨待機部19に硬貨Cがない場合には、出金系のモータM4が駆動されることにより払出ベルト15が回転し、硬貨待機部19に所定枚数の硬貨Cが常に存在するように動作制御がなされる。
【0040】
ついで、POS端末において締め処理がなされ、POS端末より硬貨Cの払出命令があった場合には、出金系のモータM4が駆動されることにより払出ベルト15が回転するとともに、金種毎に硬貨シャッタ20がシャッタソレノイド21によって駆動されるため、必要枚数の硬貨Cが送り出される。このように送り出された硬貨Cは、硬貨払出口23に払い出される。
【0041】
ここで、ROMに格納された制御プログラムに基づいて制御部30が実行する機能のうち、本実施の形態の硬貨入出金装置1が有する入出金並行処理手段により実現される特長的な機能である、入金処理の実行中にPOS端末より釣り銭の払出命令があった際における出金処理の流れを以下において説明する。
【0042】
図9は、入金処理の実行中にPOS端末より釣り銭の払出命令があった際における出金処理の流れを概略的に示すフローチャートである。入金処理の実行中にPOS端末より硬貨Cの払出命令があった場合には(ステップS1のY)、Lレベルのスピードコントロール信号及びモータのON信号が、各モータ(M1,M2,M3及びM4)に対して出力される(ステップS2)。
【0043】
すなわち、入金処理の実行中にPOS端末より硬貨Cの払出命令があった場合には、各モータ(M1,M2,M3及びM4)のドライバ36に対する駆動電流値を小さくすることにより、入金系のモータM1,M2,M3と出金系のモータM4とが同時に駆動されることになる。これにより、消費する電力を抑えつつ、硬貨の払出動作を硬貨の入金動作に並行して実行することが可能になっている。この場合、入金系のモータM1,M2,M3と出金系のモータM4とを別々に駆動する場合に比べて各モータ(M1,M2,M3及びM4)の回転速度が低下するため、入金機構X及び出金機構Yにおける硬貨搬送速度は遅くなるが、処理時間は入金機構Xと出金機構Yとを別々に駆動する場合の処理時間より短縮することができる。また、入金系のモータM1,M2,M3と出金系のモータM4とを別々に駆動する場合に比べ、回転速度の低下に伴ってステッピングモータの特性により始動時における発生トルクは逆に向上する。
【0044】
このステップS2の処理は、硬貨Cの払出処理が終了するまで(ステップS3のY)、続けられる。
【0045】
そして、硬貨Cの払出処理が終了すると(ステップS3のY)、出金系のモータM4に対してモータのOFF信号を出力するとともに(ステップS4)、入金系のモータM1,M2,M3に対してHレベルのスピードコントロール信号及びモータのON信号を出力して(ステップS5)、処理を終了する。
【0046】
このように本実施の形態においては、入金系のモータM1,M2,M3の駆動に伴う入金機構Xの動作による入金処理の実行中に、例えば釣り銭の払出命令があった場合等には、電流設定回路35により入金処理の単独処理時に比べて電流値を小さく切り替えて入金系のモータM1,M2,M3及び出金系のモータM4を駆動する各ドライバ36に対して出力して入金機構X及び出金機構Yを動作させることにより、消費電力を低く抑えつつ、入金処理に並行して釣り銭の払出処理等の出金処理を行うことができるので、割込み出金時における出金処理時間の短縮を図ることができる。
【0047】
次に、本発明の第二の実施の形態を図10に基づいて説明する。なお、本発明の第一の実施の形態において説明した部分と同一部分については同一符号を用い、説明も省略する。本実施の形態は、前述した第一の実施の形態とは、モータMの形式及びモータMと制御部30との接続に係るシステム構成が異なるものである。
【0048】
ここで、制御部30とモータMとの接続について図10を参照しつつ詳細に説明する。図10に示すように、モータMは、DCモータであり、ON/OFF回路37を介して制御部30に接続されている。加えて、DCモータMと制御部30との間には、電圧設定回路38が設けられている。
【0049】
電圧設定回路38は、DCモータM(M1,M2,M3及びM4)に通電する電圧を設定するものであって、制御部30から電圧設定回路38に対して出力されるスピードコントロール信号がHレベル信号であるかLレベル信号であるかにより、電圧をV1又はV2(ただし、V1>V2)に設定できるようにしたものである。
【0050】
より具体的には、電圧設定回路38は、ダイオードD1,D2を介し、DCモータMに対して異なる電圧V1,V2を選択的に供給する回路を有している。それぞれの回路には、各電圧V1,V2を供給するドライバトランジスタT3,T4と、これらのドライバトランジスタT3,T4のON、OFFを制御部30からの信号に応じて制御する制御トランジスタT5,T6とが設けられている。また、制御トランジスタT6のベースには、制御トランジスタT5と動作を逆にするためのインバータInvが接続されている。制御トランジスタT5は、Lレベルのスピードコントロール信号が出力された場合にはOFFになり、Hレベルのスピードコントロール信号が出力された場合にはONになる。一方、制御トランジスタT6は、制御トランジスタT5とは、逆の動作となる。また、ドライバトランジスタT3は、Lレベルのスピードコントロール信号が出力された場合にはOFFになり、Hレベルのスピードコントロール信号が出力された場合にはONになる。一方、ドライバトランジスタT4は、ドライバトランジスタT3とは、逆の動作となる。
【0051】
したがって、制御部30から電圧設定回路38に対してHレベルのスピードコントロール信号が出力された場合には、ドライバトランジスタT3がONになってドライバトランジスタT4がOFFになるので、DCモータMに対して出力される電圧はV1となる。また、制御部30から電圧設定回路38に対してLレベルのスピードコントロール信号が出力された場合には、ドライバトランジスタT3がOFFになってドライバトランジスタT4がONになるので、DCモータMに対して出力される電圧はV2となる。ここに、電圧値切替手段が実現されている。
【0052】
すなわち、制御部30から電圧設定回路38に対して出力されるスピードコントロール信号がHレベル信号であるかLレベル信号であるかにより、DCモータMに対して出力される電圧を小さくしたり大きくしたりすることができることから、スピードコントロール信号を制御することでDCモータMの回転速度を変更することができるものである。
【0053】
硬貨入出金装置1にこのようなDCモータM(M1,M2,M3及びM4)を用いた場合であっても、図9に示したように、入金処理の実行中にPOS端末より硬貨Cの払出命令があった場合には(ステップS1のY)、Lレベルのスピードコントロール信号及びモータのON信号が、各モータ(M1,M2,M3及びM4)に対して出力される(ステップS2)。
【0054】
すなわち、入金処理の実行中にPOS端末より硬貨Cの払出命令があった場合には、各モータ(M1,M2,M3及びM4)に対する電圧を小さくすることにより、入金系のモータM1,M2,M3と出金系のモータM4とが同時に駆動されることになる。これにより、消費する電力を抑えつつ、硬貨の払出動作を硬貨の入金動作に並行して実行することが可能になっている。この場合、入金系のモータM1,M2,M3と出金系のモータM4とを別々に駆動する場合に比べて各モータ(M1,M2,M3及びM4)の回転速度が低下するため、入金機構X及び出金機構Yにおける硬貨搬送速度は遅くなるが、処理時間は入金機構Xと出金機構Yとを別々に駆動する場合の処理時間より短縮することができる。
【0055】
そして、硬貨Cの払出処理が終了すると(ステップS3のY)、出金系のモータM4に対してモータのOFF信号を出力するとともに(ステップS4)、入金系のモータM1,M2,M3に対してHレベルのスピードコントロール信号及びモータのON信号を出力して(ステップS5)、処理を終了する。
【0056】
このように本実施の形態においては、入金系のモータM1,M2,M3の駆動に伴う入金機構Xの動作による入金処理の実行中に、例えば釣り銭の払出命令があった場合等には、電圧設定回路38により入金処理の単独処理時に比べて電圧値を小さく切り替えて入金系のモータM1,M2,M3及び出金系のモータM4に対して出力して入金機構X及び出金機構Yを動作させることにより、消費電力を低く抑えつつ、入金処理に並行して釣り銭の払出処理等の出金処理を行うことができるので、割込み出金時における出金処理時間の短縮を図ることができる。
【0057】
なお、各実施の形態においては、入金系のモータとして3個のモータM1,M2,M3を用い、出金系のモータとして1個のモータM4を用いたが、これに限るものではなく、入金系のモータ及び出金系のモータはそれぞれ1個以上であれば良い。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、消費電力を低く抑えつつ、入金処理の実行中に例えば釣り銭の払出命令があった場合等の割込み出金時における出金処理時間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の硬貨入出金装置の外観を示す斜視図である。
【図2】硬貨入出金装置の内部構造を示す平面図である。
【図3】硬貨入出金装置の内部構造を示す縦断側面図である。
【図4】選別孔を拡大して示す斜視図である。
【図5】選別孔に対して閉止状態にある搬送機構を示す斜視図である。
【図6】選別孔に対して開放状態にある搬送機構を示す斜視図である。
【図7】硬貨入出金装置に内蔵される各部の電気的接続を示すブロック図である。
【図8】モータと制御部との電気的接続を示すブロック図である。
【図9】入金処理の実行中にPOS端末より釣り銭の払出命令があった際における出金処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図10】本発明の第二の実施の形態のモータと制御部との電気的接続を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…硬貨入出金装置、3…硬貨投入口、11…硬貨選別位置、14…硬貨収納部、23…硬貨払出口、M1〜M3…入金系モータ、M4…出金系モータ、X…入金機構、Y…出金機構、C…硬貨
Claims (4)
- 硬貨投入口に投入された硬貨を硬貨選別位置まで搬送し、この搬送された硬貨を前記硬貨選別位置の硬貨収納部に収納させる入金機構と、
この入金機構における硬貨搬送用の駆動源である入金系モータと、
前記硬貨収納部に収納された硬貨を搬送して硬貨払出口に払い出す出金機構と、
この出金機構における硬貨搬送用の駆動源である出金系モータと、
前記入金系モータの駆動に伴う前記入金機構での硬貨搬送に並行して、前記出金系モータの駆動に伴う前記出金機構での硬貨搬送を実行する入出金並行処理手段と、を備え、
前記入出金並行処理手段は、前記入金系モータ及び前記出金系モータに与える電流値を切り替え可能な電流値切替手段を備え、この電流値切替手段により入金処理の単独処理時に比べて電流値を小さく切り替えて前記入金系モータ及び前記出金系モータに与えて前記入金機構及び前記出金機構を動作させることを特徴とする硬貨入出金装置。 - 前記入金系モータ及び前記出金系モータはステッピングモータであることを特徴とする請求項1記載の硬貨入出金装置。
- 硬貨投入口に投入された硬貨を硬貨選別位置まで搬送し、この搬送された硬貨を前記硬貨選別位置の硬貨収納部に収納させる入金機構と、
この入金機構における硬貨搬送用の駆動源である入金系モータと、
前記硬貨収納部に収納された硬貨を搬送して硬貨払出口に払い出す出金機構と、
この出金機構における硬貨搬送用の駆動源である出金系モータと、
前記入金系モータの駆動に伴う前記入金機構での硬貨搬送に並行して、前記出金系モータの駆動に伴う前記出金機構での硬貨搬送を実行する入出金並行処理手段と、を備え、
前記入出金並行処理手段は、前記入金系モータ及び前記出金系モータに与える電圧値を切り替え可能な電圧値切替手段を備え、この電圧値切替手段により入金処理の単独処理時に比べて電圧値を小さく切り替えて前記入金系モータ及び前記出金系モータに与えて前記入金機構及び前記出金機構を動作させることを特徴とする硬貨入出金装置。 - 前記入金系モータ及び前記出金系モータはDCモータであることを特徴とする請求項3記載の硬貨入出金装置。
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