JP3659581B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、インクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平06-297707号公報には、インクジェットヘッドの圧力室の容積を拡大してインクを圧力室に充填し、その後、圧力室の容積を収縮してインクを吐出する際に、被記録材の記録特性に応じて、第1の段階における圧力室の容積拡大速度を任意に可変させ、一定のインク吐出速度を維持しながらインク吐出量だけを自在に可変するようにしたインクジェット記録装置について開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
高粘度インクを使用するインクジェットヘッドにおいては、周波数特性を良好にするためにインク供給室からのリフィール時間を短くする必要があり、インク圧力室とインク供給室とを連通する流体抵抗部の流体抵抗Roは小さくする必要がある。よって、いわゆる「引き打ち」方式を採用したインクジェット記録装置において、図12に示すようなパルス波形をもつ従来の駆動信号でインクジェットヘッドの駆動を行なうと、インク圧力室の容積拡大速度が速い(図12におけるΔV/Tfsの値が大きい)場合、インク圧力室内の負圧が大きくなり、流体抵抗Roが小さいためインク供給室からのインク供給が速やかに行われるので、ノズルメニスカスの引き込み深さを大きくできない。すなわち、図12のパルスは、保持パルス100の状態から電位が漸次下降する放電パルス101を時間Tfsの間出力してから、時間Pwsの間だけ放電パルス102(電位Vpb)を出力し、電位が漸次上昇する充電パルス103を時間Trmの間出力して後、保持パルス104(電位Vps)になるという波形の電圧である。一方、インク圧力室の容積拡大速度を遅くするとインク供給室内圧力を大きくできないので、このインク供給室内圧力を効率的に利用した吐出は期待できない。
【0004】
図12のパルス波形における時間Pwsとインクジェットヘッドのノズル面からのメニスカス深さとの関係を図13に示す。図13において、はじめに保持パルス100により電圧Vpsがインクジェットヘッドのアクチュエータである圧電振動子に印加され、圧電振動子は充電して伸張する。その結果、インク加圧室の容積は収縮する。続いて放電パルス101により電圧Vpbになるまで圧電振動子を放電させることでインク圧力室を収縮させ、インク圧力室の容積を膨張させる。その時、インク圧力室内に周期Tsで振動するインク供給室内圧力が発生し、はじめは負圧が発生するのでメニスカスはインク圧力室内側に引き込まれる。そして、引き続きインク供給室からインクが徐々に供給されはじめる。その結果、一端引き込まれたメニスカスは、インクが供給されるに従って周期Tsで減衰振動しながら徐々にノズル面に向かって盛り上がっていく。ここでは流体抵抗Roの小さいインクジェットヘッドで高粘度インクを使うことを考えると、電圧ΔVを一定にし時間Tfsが短いときは、メニスカス深さは浅く、振幅は大きい。そして、時間Tfsを長くしていくと、メニスカス深さは深く、振幅は小さくなっていく。メニスカス深さは吐出インク滴量と密接な関係にあり、メニスカス変動の振幅は吐出インク速度と密接な関係に有ることが知られている。すなわち、メニスカス深さを大きくしてインク滴の微小滴化を意図しても、所望のインク吐出速度が得られないので吐出電圧を大きくしなければならず、インク吐出速度を上げると同時にインク吐出量も多くなり、目標の小滴化を達成しにくくなる。
【0005】
これに対し、特開平06-297707号公報に開示の技術では、インクジェットヘッドの圧力室の容積拡大速度を任意に可変させ、インク吐出量だけを自在に可変することはできるものの、インク吐出速度は遅くなってしまうので、印刷速度の低下を招き、同時にインクの着弾位置のばらつきが大きくなることによる印刷画質の低下も招来してしまう。
【0006】
この発明の目的は、インク吐出速度を確保しつつインク滴の微小滴化を行なうことを可能とするインクジェット記録装置を提供することである。
【0007】
この発明の目的は、最適化された小ドットのインク滴の吐出を可能とするインクジェット記録装置を提供することである。
【0008】
この発明の目的は、ノズル内のインク占有体積を小さくし、また、小ドットのインク滴を吐出させることを可能とするインクジェット記録装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、インク圧力室、このインク圧力室に連通してインクを吐出するノズル、前記インク圧力室と連通しているインク供給室及び前記インク圧力室の容積を増減するアクチュエータを有してなるインクジェットヘッドと、前記アクチュエータに駆動電圧を印加して前記インクジェットヘッドを駆動し、前記駆動電圧を構成する1周期のパルスは、前記インク圧力室を膨張させる第1の信号、前記第1の信号の後に出力され前記第1の信号の印加のときより前記インク圧力室内に大きな圧力を発生させて前記インク圧力室を膨張させる第2の信号、この第2の信号による前記インク圧力室の膨張状態を保持する第3の信号及び当該膨張状態から前記インク加圧室を収縮させてインク滴を吐出させる第4の信号を含むものとするドライバと、を備え、前記ドライバは、前記インク圧力室の共振周期をT s としたときに前記第1の信号の印加時間を当該共振周期T s の1/2以上T s 以下とするインクジェット記録装置である。
【0010】
したがって、インク圧力室の容積拡大速度を遅くしてインク供給室内圧力を小さくすることでインク供給室からのインク供給を緩慢にして、ノズルメニスカスを効率的に引き込むことが第1の信号により可能になり、引き続き、インク圧力室の容積拡大速度を速くしてインク供給室内圧力を大きくすることでインク吐出電圧を小さくすることが第2の信号により可能となるので、インク吐出速度を確保しつつインク滴の微小滴化を行なうことができる。
また、第1の信号の印加時間をインク圧力室の共振周期T s の1/2以上とすることで、インク吐出速度を確保しつつインク滴の微小滴化を行なうことができる
【0023】
請求項に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、前記ドライバは、前記第1の信号の印加開始時における電位と前記第3の信号の電位との電位差を前記第3の信号の電位と前記第4の信号の印加終了時における電位との電位差より大きくするものである。
【0024】
したがって、より深くノズルメニスカスを引き込むことができるので、ノズル内のインク占有体積を小さくでき、かつ、インク吐出時のインク圧力室の容積変化を小さくできるので、小ドットのインク滴を吐出させることが可能になる。
【0025】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施の形態について説明する。
【0026】
図1は、この実施の形態であるインクジェット記録装置Aの概略構成を示す斜視図、図2は同断面図である。図1、図2に示すように、インクジェット記録装置Aは、本体1の内部に、主走査方向に移動可能なキャリッジ13、キャリッジ13に搭載したインクジェットヘッド14、及び、インクジェットヘッド14へインクを供給するインクカートリッジ15等で構成される印字機構部2等を収納している。装置本体1の下部には前面側から多数枚の用紙3を積載可能な給紙カセット(あるいは給紙トレイでもよい)4を着脱自在に装着することができ、また、用紙3を手差しで給紙するための手差しトレイ5を開閉することができ、給紙カセット4あるいは手差しトレイ5から給送される用紙3を取り込み、印字機構部2によって所要の画像を印字した後、後面側に装着された排紙トレイ6に排紙する。
【0027】
印字機構部2は、本体1の筐体を構成する左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド11及び従ガイドロッド12でキャリッジ13を主走査方向(図2で紙面垂直方向)に摺動自在に保持している。このキャリッジ13には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出するインクジェットヘッド14を、複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。また、キャリッジ13にはインクジェットヘッド14に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ15を着脱可能に装着している。
【0028】
インクカートリッジ15は、その上部に外気と連通する外気口、下部にはインクジェットヘッド14へインクを供給する供給口を備え、内部にはインクが充填された多孔質体を備えており、多孔質体の毛管力によりインクジェットヘッド14へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。
【0029】
ここで、キャリッジ13は後部側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド11に摺動自在に軸支され、前部側(用紙搬送方向下流側)も従ガイドロッド12に摺動自在に支持されている。そして、このキャリッジ13を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ17で回転駆動される駆動プーリ18と従動プーリ19との間にタイミングベルト20が架け渡され、このタイミングベルト20をキャリッジ13に固定しており、主走査モータ17の正逆回転によりキャリッジ13が往復駆動される。
【0030】
一方、給紙カセット4にセットした用紙3をインクジェットヘッド14の下方側に搬送するために、給紙カセット4から用紙3を分離給装する給紙ローラ21及びフリクションパッド22と、用紙3を案内するガイド部材23と、給紙された用紙3を反転させて搬送する搬送ローラ24と、この搬送ローラ24の周面に押し付けられる搬送コロ25及び搬送ローラ24からの用紙3の送り出し角度を規定する先端コロ26とを設けている。搬送ローラ24は副走査モータ27によってギヤ列を介して回転駆動される。
【0031】
そして、キャリッジ13の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ24から送り出された用紙3を記録インクジェットヘッド14の下方側で案内する用紙ガイド部材である印台29を設けている。この印台29の用紙搬送方向下流側には、用紙3を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ31、拍車32を設け、さらに用紙3を排紙トレイ6に送り出す排紙ローラ33及び拍車34と、排紙経路を形成するガイド部材35,36とを配設している。
【0032】
キャリッジ13の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、インクジェットヘッド14の吐出不良を回復するための回復装置37を配置している。回復装置はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ13は印字待機中にはこの回復装置37側に移動されてキャッピング手段でインクジェットヘッド14をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
【0033】
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段でインクジェットヘッド14の吐出口を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
【0034】
図3は、インクジェット記録装置Aの電気的な接続を示すブロック図である。図1に示すように、インクジェット記録装置Aは、マイコン等からなりインクジェット記録装置Aの全体を制御する制御部41と、インクジェットヘッド14の圧電振動子52(図4参照)に駆動電圧を印加してインクジェットヘッド14を駆動するドライバ42と、外部からインクジェットヘッド14で印刷を行なうための印字データを受付けるインターフェイス43と、主走査モータ17と、副走査モータ27とが接続されるほか、各種のアクチュエータ、センサが接続されている。
【0035】
以上のような装置構成で、インクジェット記録時には、制御部41はキャリッジ13を移動させながら印字データに応じてインクジェットヘッド14を駆動することにより、停止している用紙3にインクを吐出して1行分を記録し、用紙3を所定量搬送後、次の行の記録を行なう。そして、記録終了信号、又は、用紙3の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙3を排紙する。
【0036】
図4は、インクジェットヘッド14の縦断面図である。このインクジェットヘッド14は、セラミックなどから構成される基板51と、インクジェットヘッド14のアクチュエータとなる圧電素子である圧電振動子52と、インク共通液室55aを支えるフレーム53と、振動板54と、液室及び流路55と、インク圧力室56と、インク圧力室56と連通してインクを吐出するノズル57とを備えている。液室及び流路55は、インク供給室であるインク共通液室55aと流体抵抗部55bとからなる。
【0037】
振動板54には、インク圧力室56側に弾性変形可能なダイアフラム部54aが設けられ、圧電振動子52の伸縮により、インク圧力室56を収縮、膨張させることができる。圧電振動子52に対してドライバ42から駆動信号が印加され、充電が行われると、図4中の矢印A方向に伸長し、また圧電振動子52に充電された電荷が放電すると、図中のA方向と反対方向に収縮する。
【0038】
ドライバ42は、制御部41に制御されて、インクジェットヘッド14に以下に説明する駆動信号を印加することでインク液滴を形成する。すなわち、1周期のパルスが次のような波形となる駆動パルス信号を出力する。
【0039】
図5は、かかる駆動信号のパルス波形を示す波形図である。まず、この駆動信号は、最大電位Vps(保持パルス200)の電位から第1の変化速度で下降する第1の信号(放電パルス201)に移行する。そして、引き続き、第1の変化速度(ΔVa/Tfs1)よりも大きい第2の変化速度(ΔVb/Tfs2=一定)で最低電位Vpbまで下降する第2の信号(放電パルス202)に移行する。次に、最低電位Vpbを所定の時間(パルス幅Pws)だけ保持する第3の信号(保持パルス203)に移行する。最後に、最低電位Vpbから最大電位Vpsまで第3の変化速度(ΔVc/Trm=一定)でする上昇する第4の信号(充電パルス204)に移行して、再び最大電位Vpsに戻って(保持パルス205)、1周期のパルスを終了する。以後は、保持パルス200から保持パルス205までが繰り返されることで、パルス信号が連続的に出力される。
【0040】
図6は、図5のパルス波形に対する比較例である従来の駆動信号のパルス波形を示す波形図である。以下では、図5に示したパルス波形(波形Aとする)と、図6に示す従来のパルス波形(波形Bとする)とを比較して説明する。
【0041】
すなわち、波形Aの放電パルス201と波形Bの放電パルス301とは変化速度(ΔVa/Tfs1)と電位差(ΔVa)が同じである。波形Aの充電パルス204と波形Bの放電パルス303とは変化速度(ΔVc/Trm)と電位差(ΔVc)が同じである。そして、引き込み時間(Tfs1+Pws)とメニスカス深さとの関係を示すグラフである図7に示すように、波形Aと波形Bとは、この放電パルスの変化速度(ΔVa/Tfs1及びΔVc/Trm)、電位差(ΔVa及びΔVc)が同じなので、メニスカス深さはほぼ同じになる。
【0042】
そして、波形Aでは、第1の変化速度(ΔVa/Tfs1)よりも大きい第2の変化速度(ΔVb/Tfs2)をもった放電パルス202を、放電パルス201に続いて印加することによって、インク共通液室55a内圧力を発生させることができる。そして、放電パルスの変化速度とインク共通液室55a内圧力の振動振幅の大きさとは比例関係があるので、第2の変化速度を第1の変化速度よりも大きくすることで、第1の変化速度で変化した時よりも大きなインク共通液室55a内圧力を発生することができる。また、放電パルス201の印加時間を放電パルス202の印加時間よりも長くすることでもことでも、同様な結果となることは言うまでもない。
【0043】
従って、波形Aでインクジェットヘッド14を駆動した場合には、放電パルス202を印加することによって発生させたインク共通液室55a内圧力によるメニスカス変動が重畳される結果となる(図7参照)。同様に、図8は、引き込み時間(Tfs1+Pws)とインク共通液室55a内圧力との関係を示すグラフである。引き込み時間が“0”の時点は放電パルスの印加開始タイミングであり、このときにはインク共通液室55a内圧力も“0”になっている。そして、放電パルスが印加されて圧力振動が発生する。前記と同様に、波形Aで駆動した場合には放電パルス202を印加することによって発生させたインク共通液室55a内圧力によるメニスカス変動が重畳されるので、インク共通液室55a内圧力の圧力振動の振幅が大きくなる。
【0044】
また、インク共通液室55a内圧力は、図8に示すように、インク圧力室56の構造やノズル57の径、インクの流体抵抗値などの要因で決まる周期Tsにより正圧、負圧を繰り返しながら減衰振動をするが、引き込み開始から周期Tsの半分(Ts/2)までは圧力は負圧となり、その大きさは引き込み開始直後が一番大きい。その後は、周期の半分(Ts/2)からTsまで正圧となる。ゆえに、図5の駆動波形Aで、放電パルス201の印加時間Tfs1を周期Tsの半分(Ts/2)よりも大きく設定することで、インク共通液室55a内圧力の負圧による流体抵抗部からのインク供給を最小限にすることができ、その結果、メニスカス深さを大きくできる。
【0045】
さらに、前記したようにインク共通液室55a内圧力の絶対値は、引き込み開始から周期Tsの半分(Ts/2)までが一番大きく、それ以降は減衰しながら圧力は小さくなっていく。ゆえに、図5の駆動波形Aで放電パルス202の印加時間Tfs2を周期Tsの半分(Ts/2)よりも小さく設定することで、インク共通液室55a内圧力を最大限にすることができ、その結果、インク共通液室55a内圧力を大きくすることができる。
【0046】
ところで、図5の駆動信号Aの場合は、図9に示すように、インク圧力室56内の圧力振動とほぼ同じ周期でインク吐出速度Vjやインク吐出量Mjは増減を繰り返すことになる。従って、第3の信号のパルス幅Pwsをインク圧力室56内の圧力が正圧(図9中の点A)になったタイミングで充電パルス204を印加すると、インク吐出速度は最大となる。一方、このタイミングだとインク吐出量も最大となることがわかっている。このように、パルス幅Pwsの大きさを選定すれば、図10に示すように、充電パルス204の電圧差ΔVcが低電圧でもインクは吐出するので、充電パルス204の電位差ΔVcを小さくできる。すなわち、図10は、図9におけるインク吐出速度Vj、インク吐出量Mjのピーク値(A点)、ボトム値(B点)それぞれの場合について、駆動電圧Vppの変化に対するインク吐出速度Vj、インク吐出量Mjの変化を示している。電位差ΔVcを小さくできるということは、吐出時のインク圧力室56内の容積変化量を小さくできるので、インク吐出量もさらに少なくできる。
【0047】
そこで、インクジェットヘッド14の駆動に、図5に示す駆動信号Aに代えて、図11に示すようなパルス波形を用いることができる。すなわち、図5と共通符号の要素は図5の駆動信号Aと同一の内容であるため詳細な説明は省略するが、図11においては、最大電位Vpsと最小電位Vpb(保持パルス200と保持パルス203)との電位差ΔV1(ΔVa+ΔVb)を大きくし、これに比べて保持パルス203と保持パルス205との電位差ΔV2(最小電位Vpbと駆動電圧Vppの電位差)を小さくしている。そして、保持パルス205を出力した後に、充電パルス206を出力して、この充電パルス206により駆動信号の電位は駆動電圧Vppから最大電位Vpsまで上昇するようにしている。これにより、インク吐出の微小滴化と所望の吐出速度の両立を達成できる。
【0048】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明は、インク圧力室の容積拡大速度を遅くしてインク供給室内圧力を小さくすることでインク供給室からのインク供給を緩慢にして、ノズルメニスカスを効率的に引き込むことが第1の信号により可能になり、引き続き、インク圧力室の容積拡大速度を速くしてインク供給室内圧力を大きくすることでインク吐出電圧を小さくすることが第2の信号により可能となるので、インク吐出速度を確保しつつインク滴の微小滴化を行なうことができる。
【0052】
また、第1の信号の印加時間をインク圧力室の共振周期Tsの1/2以上とすることで、インク吐出速度を確保しつつインク滴の微小滴化を行なうことができる。
【0055】
請求項に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、より深くノズルメニスカスを引き込むことができるので、ノズル内のインク占有体積を小さくでき、かつ、インク吐出時のインク圧力室の容積変化を小さくできるので、小ドットのインク滴を吐出させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態であるインクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】前記インクジェット記録装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図3】前記インクジェット記録装置の電気的な接続を示すブロック図である。
【図4】前記インクジェット記録装置のインクジェットヘッドの縦断面図である。
【図5】前記インクジェット記録装置の駆動電圧のパルス波形を示す波形図である。
【図6】従来のインクジェット記録装置における駆動電圧のパルス波形を示す波形図である。
【図7】図5と図6の駆動電圧による作用を説明するグラフである。
【図8】同グラフである。
【図9】インクジェット記録装置におけるパルス幅とインクの吐出量及び吐出速度との関係を説明するグラフである。
【図10】インクジェット記録装置における駆動電圧とインクの吐出量及び吐出速度との関係を説明するグラフである。
【図11】この発明の一実施の形態であるインクジェット記録装置における駆動電圧のパルス波形の他の例を示す波形図である。
【図12】従来のインクジェット記録装置における駆動電圧のパルス波形を示す波形図である。
【図13】図12の駆動電圧による作用を説明するグラフである。
【符号の説明】
A インクジェット記録装置
14 インクジェットヘッド
42 ドライバ
52 アクチュエータ、圧電素子
55a インク供給室
56 インク圧力室
57 ノズル

Claims (2)

  1. インク圧力室、このインク圧力室に連通してインクを吐出するノズル、前記インク圧力室と連通しているインク供給室及び前記インク圧力室の容積を増減するアクチュエータを有してなるインクジェットヘッドと、
    前記アクチュエータに駆動電圧を印加して前記インクジェットヘッドを駆動し、前記駆動電圧を構成する1周期のパルスは、前記インク圧力室を膨張させる第1の信号、前記第1の信号の後に出力され前記第1の信号の印加のときより前記インク圧力室内に大きな圧力を発生させて前記インク圧力室を膨張させる第2の信号、この第2の信号による前記インク圧力室の膨張状態を保持する第3の信号及び当該膨張状態から前記インク加圧室を収縮させてインク滴を吐出させる第4の信号を含むものとするドライバと、
    を備え
    前記ドライバは、前記インク圧力室の共振周期をT s としたときに前記第1の信号の印加時間を当該共振周期T s の1/2以上T s 以下とするインクジェット記録装置。
  2. 前記ドライバは、前記第1の信号の印加開始時における電位と前記第3の信号の電位との電位差を前記第3の信号の電位と前記第4の信号の印加終了時における電位との電位差より大きくするものである請求項1に記載のインクジェット記録装置。
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