JP3659326B2 - 半導体素子収納用パッケージ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信やマイクロ波通信、ミリ波通信等の分野に用いられる各種半導体素子を収納する半導体素子収納用パッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、マイクロ波帯域やミリ波帯域の高周波信号や、光信号により作動する各種半導体素子を収納する半導体素子収納用パッケージ(以下、半導体パッケージという)のうち、光通信分野に用いられる光半導体パッケージを図3に示す。
【0003】
同図に示すように、半導体パッケージは、一般に、上面にLD(半導体レーザ),PD(フォトダイオード)等の光半導体素子としての半導体素子110が載置される載置部101aを有するとともに、実装基板(図示せず)にトルクをかけてネジ止めされるネジ止め孔(フランジ)101bが形成される、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金や銅(Cu)−タングステン(W)合金等の金属材料から成る基体101を有する。また、載置部101aを囲繞するようにして基体101の上面に銀ロウ等のロウ材を介して接合されるとともに、長辺の両側部に半導体素子110と外部電気回路(図示せず)とを電気的に接続する入出力端子103嵌着接合用の切欠部102aが形成され、さらに短辺の一側部に半導体素子110と光結合するための光伝送路である貫通孔102bが形成された、Fe−Ni−Co合金等の金属材料から成る金属枠体102を有する。
【0004】
入出力端子103は、上面に一辺から対向する他辺にかけて形成された線路導体103a−Aを有する誘電体から成る平板部103aおよび平板部103aの上面に線路導体103a−Aを間に挟んで接合された誘電体から成る立壁部103bを有し、また入出力端子103側面の一部には、線路導体103a−Aを擬似同軸状に囲み接地導体(グランド)として機能するとともに、切欠部102a内周面に銀ロウ等のロウ材108(図3のものはプリモールドである)を介して接合させる接合媒体として機能するメタライズ層103a−Bが形成されている。
【0005】
この線路導体103a−A上面には、Fe−Ni−Co合金等の金属材料から成り、銀ロウ等のロウ材で接合されるとともに、入出力端子103と外部電気回路との電気的接続を行う機能を有するリード端子104が形成される。
【0006】
また、金属枠体102の光伝送路である貫通孔102bの外側周辺部には、金属枠体102の熱膨張係数に近似するFe−Ni−Co合金,Fe−Ni合金等の金属材料から成る、光ファイバ107固定用の筒状の固定部材105が銀ロウ等のロウ材で接合される。
【0007】
また、シールリング109は、金属枠体102上面および入出力端子103上面に銀ロウ等のロウ材108を介して接合され、入出力端子103を挟持するとともに、上面に蓋体(図示せず)をシーム溶接等により接合するための媒体として機能する。
【0008】
このような半導体パッケージに、半導体素子110を載置部101aにSn−Pb半田等の低融点ロウ材で載置固定するとともに、線路導体103a−Aと半導体素子110とをボンディングワイヤ(図示せず)で電気的に接続し、さらに光ファイバ107と半導体素子110との光軸を調整した後、固定部材105外側端面に、光ファイバ107を樹脂等の接着剤で取着した金属ホルダ106をAu−Sn等の低融点ロウ材で接合する。さらに、シールリング109上面に蓋体をシーム溶接等により接合することにより、製品としての光半導体装置となる。
【0009】
このような光半導体装置は、実装基板上にネジ止めされた後、外部電気回路から供給される駆動信号によって半導体素子110を光励起させ、励起したレーザ光等の光を光ファイバ107に授受させるとともに、光ファイバ107内を伝送させることにより、大容量の情報を高速に伝送できる光電変換装置として機能するとともに、光通信分野等に多く用いられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の半導体パッケージにおいて、メタライズ層103a−Bを切欠部102a内周面にロウ材108を介して接合した際、図4に金属枠体102と入出力端子103との接合部の部分拡大平面図を示すように、少しでもロウ材が多いと各々の接合にとって過剰なロウ材が、金属枠体102とメタライズ層103a−Bとの間に溜まってしまい、所謂ロウ材溜まり120を形成する。熱膨張係数が金属枠体102,入出力端子103と異なるロウ材溜まり120を起点として、金属枠体102や入出力端子103、ひいては基体101に応力を加えることとなる。この応力により、金属枠体102よりも弾性の低い入出力端子103にクラック等が発生する場合があり、高周波伝送特性や、金属枠体102内部の気密性が損なわれ、半導体素子110の作動性を良好なものとできないという問題点を有していた。
【0011】
上記問題点を解決する手段として、入出力端子103の平板部103a,立壁部103bの厚さを厚くすることにより応力による耐久性を強化することも考えられるが、この場合、誘電体の表面積が大きくなることによる浮遊容量の発生により、高周波伝送特性が損なわる。
【0012】
また、クラック等が発生しない場合であっても、基体101まで加わった応力により基体101が反り変形することとなり、このような光半導体パッケージをフランジ101bを介して実装基板にネジ止めした際、基体101の反り変形が矯正され、反った状態で光軸が合っていたため、光ファイバ107と半導体素子110との光軸がずれて、光結合効率が損なわれ、半導体素子110の光信号による作動性を良好なものとできないという問題点を有していた。
【0013】
従って、本発明はこのような問題点に鑑みて完成されたもので、その目的は、金属枠体とメタライズ層との間にロウ材溜まりを発生させないようにすることにより、金属枠体内部の気密性や高周波伝送特性、さらには光結合効率を良好なものとし、半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させ得ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上面に半導体素子が載置される載置部を有する基体と、該基体上面に前記載置部を囲繞するように取着されるとともに、側部に貫通孔または切欠部から成る入出力端子の取付部を有する金属枠体と、前記取付部に嵌着接合される入出力端子とを具備した半導体素子収納用パッケージにおいて、前記金属枠体の内面および/または外面の前記取付部の辺に沿って該辺の長さと略同じ長さ以上の溝が形成されており、該溝の深さXは前記金属枠体の厚さの1/5〜1/3、前記溝の幅Yは1〜5mm、前記取付部の辺と前記溝との距離Lは0.1〜5mmであることを特徴とするものである。
【0015】
本発明は、上記の構成により、入出力端子を取付部に銀ロウ等のロウ材で嵌着接合させた際、過剰なロウ材が、金属枠体内部の気密性,高周波伝送特性,光結合効率を損なわせる程度に大きいロウ材溜まりを金属枠体とメタライズ層との間に形成することはない。即ち、金属枠体の内面および/または外面に取付部の辺に沿って形成された溝は、過剰なロウ材のほとんどを内部に引き込み溜めて金属枠体と入出力端子のメタライズ層との間にロウ材のメニスカスによるロウ材溜りを発生させない。その結果、ロウ材溜まりを起点として金属枠体や入出力端子ひいては基体に応力を加えることはない。
【0016】
また本発明においては、前記溝の深さXが前記金属枠体の厚さの1/5〜1/3、前記溝の幅Yが1〜5mm、前記取付部の辺と前記溝との距離Lが0.1〜5mmであることから、上述した本発明の効果がさらに有効なものとなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体パッケージの一種である光半導体パッケージについて以下に詳細に説明する。図1は本発明の光半導体パッケージの斜視図、図2は金属枠体2と入出力端子3との接合部の部分拡大平面図を示し、これらの図において、1は基体、2は金属枠体、3は入出力端子、5は光ファイバ7が取着された金属ホルダ6を固定する筒状の固定部材、9はシールリングである。これら基体1と金属枠体2と入出力端子3と固定部材5とシールリング9とで、内部にLD,PD等の光半導体素子である半導体素子10を収納し、シールリング9上面に蓋体を取着することにより容器が構成される。
【0019】
基体1は、その上面に半導体素子10を載置する載置部1aを有するとともに、外部の実装基板にネジ止めするためのフランジ1bが形成されており、半導体素子10を支持する支持部材として機能するとともに、半導体素子10の作動時に発する熱を外部に効率良く放散する機能を有する。
【0020】
この基体1は、その形状は略直方体または略長方形の平板であり、銅(Cu)−タングステン(W)合金やFe−Ni−Co合金等の金属材料から成る。また、その製作は金属材料のインゴットに圧延加工やプレス加工等の金属加工を施すことにより所定の形状に成される。
【0021】
なお、この基体1は、その表面に耐蝕性に優れかつロウ材との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ0.5〜9μmのNi層と、厚さ0.5〜5μmのAu層とを順次メッキ法により被着させておくと、基体1が酸化腐食するのを有効に防止できるとともに、基体1上面に半導体素子10を強固に接着固定できる。従って、基体1表面には0.5〜9μmのNi層や厚さ0.5〜5μmのAu層等の金属層をメッキ法により被着させておくことが好ましい。
【0022】
また、この基体1の上面には、載置部1aを囲繞するようにして銀ロウ等のロウ材を介して接合されるとともに、長辺の両側部に半導体素子10と外部電気回路(図示せず)とを電気的に接続する入出力端子3嵌着接合用の貫通孔または切欠部から成る取付部2aが形成され、さらに短辺の一側部に半導体素子10と光結合するための光伝送路である貫通孔2bが形成された、Fe−Ni−Co合金等の金属材料から成る金属枠体2を有する。
【0023】
また、本発明において、この金属枠体2は、その内面および/または外面の取付部2aの辺に沿ってその辺の長さと略同じ長さ以上の溝2cが形成されている。この溝2cは、入出力端子3を取付部2aに銀ロウ等のロウ材8で嵌着接合させた際、過剰なロウ材が、金属枠体2内部の気密性,高周波伝送特性,光結合効率を損なわせる程度に大きいロウ材溜まりを、金属枠体2とメタライズ層3a−Bとの間にメニスカスを形成することによって、生じることがないような機能を有する。即ち、溝2cは、過剰なロウ材のほとんどを引き込み溜める機能を有するため、ロウ材溜まりを起点として、金属枠体2や入出力端子3ひいては基体1に応力を印加させることはない。
【0024】
また、このような溝2cは、その深さXが金属枠体2の厚さの1/5〜1/3であり、また溝2cの幅Yは1〜5mm、さらに取付部2aの辺と溝2cとの距離Lが0.1〜10mmであることがよく、この場合上記機能を有効なものとできる。
【0025】
即ち、溝2cの深さXが金属枠体2の厚さの1/5未満の場合、その深さXが浅すぎるため過剰なロウ材を引き込み溜めることが困難であり、一方、溝2cの深さXが金属枠体2の厚さの1/3を超える場合、金属枠体2の剛性が損なわれることとなり、外部からの応力に対して金属枠体2が変形したり破損する等の問題や、メタライズ層3a−Bと金属枠体2との接合時における応力により、溝2c即ち金属枠体2にクラックが発生する等の問題が起こり易くなる。
【0026】
また、溝2cの幅Yが1mm未満の場合、幅Yが狭すぎるため過剰なロウ材を有効に溜めることが困難であり、一方、溝2cの幅Yが5mmを超える場合、金属枠体2の剛性が損なわれることとなり、外部からの応力により金属枠体2が変形したり破損する等の問題や、メタライズ層3a−Bと金属枠体2との接合時における応力により、溝2c即ち金属枠体2にクラックが発生する等の問題が起こり易くなる。
【0027】
また、取付部2aの辺と溝2cとの距離(間隔)Lが0.1mm未満の場合、金属枠体2に溝2cを形成することは製造上困難である。一方、取付部2aの辺と溝2cとの距離Lが5mmを超える場合、その距離が取付部2aの辺から長いため過剰なロウ材が、この溝2cまで流れない場合があり、即ち溝2cの機能を発揮できない場合がある。
【0028】
なお、溝2cは、金属枠体2の内面および/または外面の取付部2aの辺に沿ってその辺の長さと略同じ長さ以上で形成されていれば良く、辺の長さと略同じ長さで設けられていても良い。本実施形態では、図1に示すように、金属枠体2の内面に2つの取付部2aの両側辺に沿って4箇所に溝2cを形成したが、メタライズ層3a−Bと金属枠体2の内面との間に形成されるメニスカスによるロウ材溜まりの発生を有効に防止できた。
【0029】
この溝2cの平面視における断面形状は、凹形状,U形状,V形状等の種々の形状とし得る。また、図5に示すように、過剰なロウ材が溝2c内に引き込まれ易いように、取付部2aの辺(図5では側辺)から遠ざかるにつれて深くなる斜面とされ、かつ辺と反対側の内側面が金属枠体2の内面(または外面)に略垂直とされた断面形状であってもよい。さらには、図6に示すように、過剰なロウ材が下方に垂れて溝2cから漏れるのを防ぐために、溝2cの深さXが下方にいくにつれて深くなるように形成してもよい。
【0030】
また、メタライズ層3a−Bに接合される部位から少なくとも溝2cの内周面までは金属枠体2表面にNi層を形成しておく方が良く、その場合ロウ材を溝2cまで流して引き込み溜めることが容易となる。
【0031】
このような金属枠体2の製作は、基体1と同様、金属材料のインゴットに圧延加工やプレス加工等の金属加工を施すことにより所定の形状に形成される。
【0032】
なお、金属枠体2の基体1への接合は基体1上面と金属枠体2下面とを、基体1上面に敷設したプリフォーム状の銀ロウ等のロウ材を介して接合される。さらに、金属枠体2表面には、基体1と同様に0.5〜9μmのNi層や厚さ0.5〜5μmのAu層等の金属層をメッキ法により被着させておくと良い。
【0033】
また、この金属枠体2の切欠部から成る取付部2aには、半導体素子10と外部電気回路との高周波信号の入出力を行う機能を有するとともに、光半導体パッケージの内外部を遮断する機能を有する入出力端子3が、これに設けられているメタライズ層3a−Bを介して銀ロウ等のロウ材で接合される。
【0034】
この入出力端子3は、略長方形で板状の平板部3aの上面に、略直方体で横倒しにされた四角柱状の立壁部3bが積層されて成る。
【0035】
この平板部3aは、アルミナ(Al2O3)セラミックス,窒化アルミニウム(AlN)セラミックス,ムライト(3Al2O3・2SiO2)セラミックス等の誘電体か成る。そして、平板部3aの上面には、長辺の1辺から対向する他辺にかけて、W,Mo−Mn等のメタライズ層から成る線路導体3a−Aが形成される。平板部3aの下面には、全面に線路導体3a−Aと同様の金属層が形成され、また線路導体3a−Aと平行となる側面にも同様のメタライズ層3a−Bが形成される。
【0036】
このような線路導体3a−Aやメタライズ層3a−B等は、例えばW等の粉末に有機溶剤、溶媒を添加混合して得た金属ペーストを、平板部3a用のセラミックグリーンシートに、予め従来周知のスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布しておき、焼成することにより形成される。
【0037】
また、立壁部3bは、平板部3aと同様の誘電体からなり、その上面の全面に線路導体3a−Aと同様のメタライズ層が形成されるとともに、取付部2a内周面に接合される面にメタライズ層3a−Bが形成されている。
【0038】
このようなメタライズ層3a−B等は、線路導体3a−A等と同様の方法により金属ペーストを所定パターンに印刷塗布し焼成することにより形成される。
【0039】
この入出力端子3の線路導体3a−Aの金属枠体2外部に導出される部位には、外部電気回路と入出力端子3との高周波信号の入出力を行い、Fe−Ni−Co合金等の金属材料から成るリード端子4が銀ロウ等のロウ材で接合される。
【0040】
また、金属枠体2の短辺側の一側部には、貫通孔2bが形成されており、一端面が貫通孔2bの開口を囲むように銀ロウ等のロウ材で接合され、かつ他方の端面には光ファイバ7を樹脂等の接着剤で取着した金属ホルダ6が、Au−Sn等の低融点ロウ材で接合される固定部材5が設けられる。この固定部材5は、基体1や金属枠体2と同様の材料を同様の加工法で所望の形状に加工されるとともに、その表面に0.5〜9μmのNi層や0.5〜5μmのAu層等の金属層をメッキ法により被着させておくと良い。
【0041】
このように、入出力端子3および固定部材5が取着される金属枠体2上面にはシールリング9が銀ロウ等のロウ材8で接合される。このシールリング9は、金属枠体2上面に銀ロウ等のロウ材で接合されて入出力端子3を挟持するとともに、その上面に、半導体素子10を封止するための蓋体をシーム溶接等により接合するための接合媒体として機能する。
【0042】
本発明の半導体パッケージとしての光半導体パッケージは、金属材料から成る基体1と、その上面に半導体素子10の載置部1aを囲繞するように接合され、取付部2a,貫通孔2bを有するとともに、取付部2aの辺に沿って内面および/または外面に溝2cが形成された金属枠体2と、この取付部2aに銀ロウ等のロウ材で接合された入出力端子3とを具備している。この金属枠体2の溝2cは、入出力端子3を取付部2aに銀ロウ等のロウ材で嵌着接合させた際、金属枠体2内部の気密性,高周波伝送特性,光結合効率を損なわせる程度に大きいロウ材溜まりを金属枠体2とメタライズ層3a−Bとの間に形成させることはない。
【0043】
このような光半導体パッケージに、光半導体素子等の半導体素子10を載置部1aにSn−Pb半田等の低融点ロウ材で載置固定するとともに、線路導体3a−Aと半導体素子10とをボンディングワイヤで電気的に接続し、さらに固定部材5に、光ファイバ7を樹脂等の接着剤で取着した金属ホルダ6を、Au−Sn等の低融点ロウ材で接合した後、シールリング9上面に蓋体をシーム溶接等により接合することにより、製品としての光半導体装置となる。
【0044】
この光半導体装置は、外部の実装基板上にネジ止めされた後、外部電気回路から供給される駆動信号によって半導体素子10を光励起させ、励起したレーザ光等の光を光ファイバ7に授受させるとともに、光ファイバ7内を伝送させることにより、大容量の情報を高速に伝送できる光電変換装置として機能するものであり、光通信分野等に多く用いられる。
【0045】
かくして、本発明は、金属枠体2と入出力端子3とをロウ材で接合した際に、入出力端子3にクラックが発生することにより、高周波信号の伝送効率や、金属枠体2内部の気密性が損なわれることを有効に防止でき、また半導体パッケージを実装基板上にネジ止めを行った際に、基体1の反り変形が矯正され、光ファイバ7と半導体素子10との光結合効率が損なわれることを有効に防止できる。その結果、半導体素子10を長期間にわたり、正常かつ安定に作動させ得る。
【0046】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を行うことは何等支障ない。例えば、取付部2aのメタライズ層3a−Bが直接接合されない内周面(下側内周面)に相当する下辺に沿って、溝2cを形成しても良い。この場合、自重によって垂れた過剰なロウ材のほとんど全てを溝2cに溜めることができ、ロウ材溜まりによる応力の発生を皆無にできる。
【0047】
【発明の効果】
本発明は、金属枠体の取付部に銀ロウ等のロウ材で嵌着接合される入出力端子を具備する半導体パッケージにおいて、金属枠体の内面および/または外面の取付部の辺に沿ってその辺の長さと略同じ長さ以上の溝が形成されていることにより、金属枠体の取付部に入出力端子をロウ材で接合した際、過剰なロウ材を引き込んで溝内に溜めることができ、例えば金属枠体の内面または外面と入出力端子側面のメタライズ層との間にロウ材のメニスカスが形成されてロウ材溜りが生じるのを防ぐことができ、その結果、金属枠体内部の気密性や高周波伝送特性、さらには光結合効率を良好なものとし、半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させ得る。
【0048】
また本発明においては、溝の深さXを金属枠体の厚さの1/5〜1/3、溝の幅Yを1〜5mmとし、かつ取付部の辺と溝との距離Lを0.1〜5mmとしたことから、例えば金属枠体の内面または外面と入出力端子側面のメタライズ層との間にロウ材のメニスカスが形成されてロウ材溜りが生じるのを有効に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体パッケージの一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】図1の金属枠体と入出力端子との接合部の部分拡大平面図である。
【図3】従来の半導体パッケージの分解斜視図である。
【図4】図3の金属枠体と入出力端子との接合部の部分拡大平面図である。
【図5】本発明の溝についての一実施形態であり平面視における溝の断面形状を示す要部断面図である。
【図6】本発明の溝についての他の実施形態であり側面からみた溝の断面形状を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1:基体
1a:載置部
2:金属枠体
2a:取付部
2c:溝
3:入出力端子
3a−B:メタライズ層
Claims (1)
- 上面に半導体素子が載置される載置部を有する基体と、該基体上面に前記載置部を囲繞するように取着されるとともに、側部に貫通孔または切欠部から成る入出力端子の取付部を有する金属枠体と、前記取付部に嵌着接合される入出力端子とを具備した半導体素子収納用パッケージにおいて、
前記金属枠体の内面および/または外面の前記取付部の辺に沿って該辺の長さと略同じ長さ以上の溝が形成されており、該溝の深さXは前記金属枠体の厚さの1/5〜1/3、前記溝の幅Yは1〜5mm、前記取付部の辺と前記溝との距離Lは0.1〜5mmであることを特徴とする半導体素子収納用パッケージ。
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