JP2006128267A - 入出力端子ならびにこれを用いた電子部品収納用パッケージおよび電子装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 長寸の入出力端子の破損を防止することにより、電子部品の作動性を良好なものとすること。
【解決手段】 入出力端子4は、矩形状を成す上面の一方の長辺から対向する他方の長辺にかけて形成された線路導体4cを有する誘電体の平板部4aと、平板部4aの上面に線路導体4cの一部を間に挟んで接合された誘電体の立壁部4bと、平板部4aの下面の長手方向の両端に接合された金属板4gとを具備している。特に長寸の入出力端子4において、長手方向の全面に金属板4gが接合されないので、入出力端子4と金属板4gとの熱膨張差により入出力端子4に応力が加わりにくい。
【選択図】 図1
【解決手段】 入出力端子4は、矩形状を成す上面の一方の長辺から対向する他方の長辺にかけて形成された線路導体4cを有する誘電体の平板部4aと、平板部4aの上面に線路導体4cの一部を間に挟んで接合された誘電体の立壁部4bと、平板部4aの下面の長手方向の両端に接合された金属板4gとを具備している。特に長寸の入出力端子4において、長手方向の全面に金属板4gが接合されないので、入出力端子4と金属板4gとの熱膨張差により入出力端子4に応力が加わりにくい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、高周波信号で作動する電子部品を収納するための電子部品収納用パッケージの信号入出力部に使用される入出力端子ならびにこれを用いた電子部品収納用パッケージおよび電子装置に関する。
従来のマイクロ波帯やミリ波帯等の高周波信号を伝送する入出力端子、および電子部品を気密に収容する電子部品収納用パッケージ(以下、パッケージともいう)について、それぞれ図3,図4に示す。
図3において、104aはアルミナ(Al2O3)質セラミックス,窒化アルミニウム(AlN)質セラミックス,ムライト(3Al2O3・2SiO2)質セラミックス等の誘電体から成る矩形状の平板部であり、その上面に、一方の長辺から対向する他方の長辺にかけてタングステン(W),モリブデン(Mo)等のメタライズ層から成る線路導体104cが形成されるとともに、下面にはその全面に線路導体104cと同様のメタライズ層から成る下部接地導体104dが形成されている。この平板部104aの上面には、線路導体104cを狭持して接合されるとともに、上面に上部接地導体104eが形成されているAl2O3質セラミックス,AlN質セラミックス,3Al2O3・2SiO2質セラミックス等の誘電体から成る立壁部104bが設置される。平板部104aと立壁部104bとの側面には線路導体104cと同様のメタライズ層から成る側面接地導体104fが形成される(例えば、下記の特許文献1参照)。
線路導体104cで伝送される高周波信号の周波数に応じて、平板部104aの厚さを適宜調整することによって、線路導体104cと下部接地導体104dとの間の距離を調整し、線路導体104cの特性インピーダンスを整合させる。このように、線路導体104cを特性インピーダンスに整合させることによって、線路導体104cを伝送する高周波信号の伝送効率を良好なものとできる。
このような平板部104aと立壁部104bとから構成された入出力端子104が、枠体102の切欠き102a等に嵌着されることにより、パッケージ内外を気密に遮断し、その内部を封止している。
また図3に示すように、入出力端子104の中には、平板部104aの下部接地導体104d表面に、Agロウ等のロウ材を介してFe−Ni−Co合金等から成る金属板104gが接合されている構成のものもある(例えば、下記の特許文献2参照)。
この金属板104gは、取付部102aに入出力端子104をロウ付けした際に発生する、基体101底面の反りの発生を抑制する機能を有するとともに、線路導体104cの接地電位を強化し、高周波信号に透過損失等の伝送損失が発生するのを抑制する機能を有し、さらには入出力端子104に加わる枠体102との熱膨張差による応力を緩和する機能を有する。
また、電子部品収納用パッケージの1種である光半導体素子収納用パッケージ(以下、光パッケージともいう)は、図4に示すように、上面にLD(半導体レーザ),PD(フォトダイオード)等の光半導体素子109が載置される載置部101aを有するとともに、外部電気回路基板(図示せず)にネジ止めされるネジ止め孔101bが形成された、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金や銅(Cu)−タングステン(W)合金等の金属から成る略長方形の基体101を有する。
また、載置部101aを囲繞するようにして基体101の上面に銀(Ag)ロウ等のロウ材を介して接合されるとともに、長辺側の両側部に光半導体素子109と外部電気回路(図示せず)とを電気的に接続する入出力端子104嵌着用の取付部102aが形成され、また短辺側の一側部に光半導体素子109と光結合するための光伝送路である貫通孔102bが形成された、Fe−Ni−Co合金等の金属から成る略長方形の枠体102を有する。貫通孔102bには、光ファイバ108固定用でFe−Ni−Co合金等の金属から成る円筒状の光ファイバ固定部材(以下、固定部材ともいう)103がAgロウ等のロウ材により接合される。
取付部102aに、図3に示す入出力端子104をAgロウ等のロウ材を介して接合し、線路導体104cの枠体102外側の先端部にリード端子105をAgロウ等のロウ材で接合する。また、光半導体素子109を載置部101aに載置固定するとともに、線路導体104cの枠体102内側の先端部付近と光半導体素子109の電極とをボンディングワイヤ(図示せず)で電気的に接続し、光ファイバ108と光半導体素子109との光軸を調整した後、固定部材103の枠体102外側の端面に、光ファイバ108を樹脂等の接着剤で取着した金属ホルダ107をシーム溶接等により接合する。さらに、枠体102および入出力端子104の上面にFe−Ni−Co合金等の金属から成るシールリング106をAgロウ等のロウ材を用いて接合し、その上面に蓋体(図示せず)をシーム溶接等により接合することにより、製品としての光半導体装置となる(例えば、下記の特許文献1または特許文献2参照)。
このような光半導体装置は、外部電気回路基板にネジ止めされた後、外部電気回路から供給される駆動信号によって光半導体素子109を光励起させ、励起したレーザ光等の光を光ファイバ108に授受させるとともに、光ファイバ108内を伝送させることにより、大容量の情報を高速に伝送できる光電変換装置として機能するとともに、光通信分野等に多く用いられる。
特開2004−193428号公報
特開2004−22954号公報
しかしながら、特許文献1に示されるような従来の入出力端子104を用いた電子部品収納用パッケージでは、線路導体104cを伝送する高周波信号の周波数が高くなると、下部接地導体104dだけでは線路導体104cに対する接地電位として有効に機能させることができず、線路導体104cを伝送する高周波信号に生ずる透過損失等の伝送損失が大きくなり、光半導体素子109の作動性が低下してしまうという問題点があった。
また、入出力端子104の平板部104aの下面に枠体102が直接接合される構造であるため、平板部104aに枠体102との熱膨張差による応力が直接作用し、平板部104aの長手方向の両端部がクラック等によって極めて破損し易いという欠点があった。平板部104aに破損が生ずると、パッケージ内部を気密に封止できなくなったり、平板部104aに形成された線路導体104cが断線してしまったりする場合があった。その結果、パッケージ内部に収納された光半導体素子109を正常に作動させることができなくなるという問題点が発生していた。
特許文献2に示されるような入出力端子104を用いた電子部品収納用パッケージでは、平板部104aに加わる枠体102との熱膨張差による応力は金属板104gを介して作用するので、平板部104aが枠体102との熱膨張差によって破損するのを防止できたが、入出力端子104が長くなると、入出力端子104に金属板104gとの熱膨張差による応力が大きく作用するようになる。そのため、入出力端子104にクラック等の破損が生じ易くなり、パッケージ内部を気密に封止できなくなったり、平板部104aに形成された線路導体104cが断線してしまったりする場合があった。その結果、パッケージ内部に収納された光半導体素子109を正常に作動させることができなくなるという問題点が発生していた。
従って、本発明は上記問題点に鑑み完成されたもので、その目的は、長寸の入出力端子の破損を防止することにより、電子部品の作動性を良好なものとすることにある。
本発明の入出力端子は、矩形状を成す上面の一方の長辺から対向する他方の長辺にかけて形成された線路導体を有する誘電体の平板部と、該平板部の上面に前記線路導体の一部を間に挟んで接合された誘電体の立壁部と、前記平板部の下面の長手方向の両端に接合された金属板とを具備していることを特徴とする。
好ましくは、本発明の入出力端子において、前記金属板は、銅−タングステン合金または銅−モリブデン合金から成ることを特徴とする。
本発明の電子部品収納用パッケージは、上面に電子部品が載置される載置部を有する金属製の基体と、該基体の上面に前記載置部を囲繞するように取着された金属製の枠体と、該枠体の側部の内外を連通する貫通孔または切欠きから成る入出力端子の取付部と、該取付部に嵌着された上記構成の入出力端子とを具備していることを特徴とする。
本発明の電子装置は、上記構成の電子部品収納用パッケージと、前記載置部に載置されるとともに前記入出力端子に電気的に接続された電子部品と、前記枠体の上面に前記載置部を覆うように接合された蓋体とを具備していることを特徴とする。
本発明の入出力端子は、矩形状を成す上面に一方の長辺から対向する他方の長辺にかけて形成された線路導体を有する誘電体の平板部と、平板部の上面に線路導体の一部を間に挟んで接合された誘電体の立壁部と、平板部の下面の長手方向の両端に接合された金属板とを具備していることにより、線路導体に対する接地電位を強化することができ、線路導体を伝送する高周波信号の周波数が高くなっても、線路導体を伝送する高周波信号に透過損失等の伝送損失が生ずるのを抑制できる。従って、高周波信号の伝送特性に優れた入出力端子とすることができる。
また、入出力端子が長くなっても入出力端子に金属板との熱膨張差による応力が大きく作用することはなく、入出力端子にクラック等の破損が生じるのを防止できるとともに、パッケージとの熱膨張差による応力が加わってクラック等の破損が発生し易い平板部の長手方向の両端部が金属板で補強されているので、入出力端子にクラック等の破損が生じるのを防止できる。そして、入出力端子をパッケージに取り付けた際にパッケージ内部を気密に封止できなくなったり、平板部に形成された線路導体が断線してしまったりするのを有効に防止できる。従って、パッケージ内部を気密に封止でき、線路導体を介して良好に高周波信号を伝送できる入出力端子とすることができる。
以上の結果、パッケージ内部を気密に封止することができ、線路導体を介して高周波信号を効率良く伝送でき、パッケージ内部に収納する電子部品が正常かつ安定に作動させることが可能な高周波信号用の入出力端子となる。
好ましくは、本発明の入出力端子において、金属板は、銅−タングステン合金または銅−モリブデン合金から成ることにより、縦弾性係数が大きく硬い金属板となり、入出力端子をパッケージに取り付けた際に、入出力端子の下面の長手方向の両端部にパッケージとの熱膨張差による応力が加わっても、硬い金属板によって応力が遮断され、入出力端子の平板部の下面にパッケージとの熱膨張差による応力が加わるのをより確実に防止し、平板部にクラック等の破損が生ずるのを有効に防止できる。
また、銅−タングステン合金または銅−モリブデン合金は、入出力端子を形成するセラミックスとも熱膨張係数が近く、平板部の下面の広い面積に金属板を接合しても、金属板との熱膨張差による応力で入出力端子が破損するのを有効に防止できる。
以上の結果、より確実にパッケージ内部を気密に封止することができるとともに、線路導体を介して高周波信号をより効率良く伝送でき、電子部品の作動性を極めて良好に保持させることが可能な入出力端子となる。
本発明の電子部品収納用パッケージは、上面に電子部品が載置される載置部を有する金属製の基体と、基体の上面に載置部を囲繞するように取着された金属製の枠体と、枠体の側部の内外を連通する貫通孔または切欠きから成る入出力端子の取付部と、取付部に嵌着された本発明の入出力端子とを具備していることにより、入出力端子における高周波信号の伝送特性に優れ、また入出力端子の平板部にクラック等の破損が生じにくく、電子部品を常に正常かつ安定に作動させることが可能な高周波用のパッケージとなる。
本発明の電子装置は、上記本発明の電子部品収納用パッケージと、載置部に載置されるとともに入出力端子に電気的に接続された電子部品と、枠体の上面に載置部を覆うように接合された蓋体とを具備していることにより、上記本発明の電子部品収納用パッケージを用いた信頼性の高いものとなる。
本発明の入出力端子および電子部品収納用パッケージを図1,図2に示す。図1(a)は本発明の入出力端子の実施の形態の一例を示す斜視図、(b)は(a)の入出力端子の平板部の下面図、図2は図1の入出力端子を用いたパッケージの実施の形態の一例を示す斜視図である。なお、図2は電子部品9に光半導体素子を収納する光半導体素子収納用パッケージ(光パッケージ)の場合を例として示す。
これらの図において、1は基体、2は枠体、3は光ファイバ8が取着された金属ホルダ7を固定する筒状の固定部材、4は入出力端子、6はシールリングである。これら基体1と枠体2と固定部材3と入出力端子4とシールリング6とで、内部に電子部品9としてのLD,PD等の光半導体素子を収納し、シールリング6上面に蓋体を取着することによりパッケージが構成される。
基体1は、その上面に電子部品9を載置する載置部1aを有しており、電子部品9を支持する支持部材として機能するとともに、電子部品9の作動時に発する熱を外部に効率良く放散する機能を有する。また、基体1はネジ止め孔1bを有しており、このネジ止め孔1bを介して外部電気回路基板にネジ止めされる。
この基体1は、略長方形であり、Fe−Ni−Co合金やCu−W合金等の金属から成る。また基体1は、Fe−Ni−Co合金等のインゴットに圧延加工やプレス加工等の金属加工を施すことにより所定形状に成形される。
なお、基体1は、その表面に耐蝕性に優れかつロウ材との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ0.5〜9μmのNi層と、厚さ0.5〜5μmのAu層とを順次メッキ法により被着させておくのがよく、基体1が酸化腐食するのを有効に防止できるとともに、基体1上面に電子部品9を強固に接着固定できる。
また、基体1の上面には、載置部1aを囲繞するようにして基体1の上面にAgロウ等のロウ材を介して接合されるとともに、長辺側の両側部に電子部品9と外部電気回路とを電気的に接続する入出力端子4嵌着用の貫通孔または切欠きから成る取付部2aが形成され、さらに短辺側の一側部に電子部品9と光結合するための光伝送路である貫通孔2bが形成された、Fe−Ni−Co合金等の金属から成る略長方形の枠体2を有する。取付部2aは、図2に示すように、枠体2の上側を切欠いて枠体2の内外を連通する切欠きから成る場合の他に、枠体2の下側を切欠いた切欠きから成る場合、枠体2の側面中央を貫通する貫通孔から成る場合のいずれでもよい。
この枠体2は、基体1と同様の合金のインゴットに圧延加工やプレス加工等の金属加工を施すことにより所定形状に成形される。
なお、枠体2の基体1への接合は基体1上面と枠体2下面とを、基体1上面に敷設したプリフォーム状のAgロウ等のロウ材を介して接合される。さらに、枠体2表面には、基体1と同様に0.5〜9μmのNi層や厚さ0.5〜5μmのAu層等の金属層をメッキ法により被着させておくと良い。
また、枠体2の取付部2aには電子部品9と外部電気回路との高周波信号の入出力を行なう機能を有するとともに、光パッケージの内外を遮断する機能を有する入出力端子4がAgロウ等のロウ材で接合される。
この入出力端子4は、長方形状の誘電体から成る平板部4aの上面の一方の長辺から他方の長辺にかけてW,Mo等のメタライズ層によって線路導体4cが形成されており、さらに、平板部4aの上面に横倒しにされた四角柱状の誘電体から成る立壁部4bが平板部4aの短辺方向の略中央部に長手方向に沿って線路導体4cの一部を間に挟んで積層されて成る。また、平板部4aの下面の長手方向の両端に金属板4gが接合されている。
一方の長辺から相対向する他方の長辺にかけて形成されるW,Mo−Mn等のメタライズ層から成る線路導体4cは、例えば、W,Mo等の粉末に有機溶剤、溶媒を添加混合して得た金属ペーストを、平板部4a用のセラミックグリーンシートに、予め従来周知のスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布しておき、焼成することにより形成される。
平板部4aおよび立壁部4bは、Al2O3質セラミックス,AlN質セラミックス,3Al2O3・2SiO2質セラミックス等の誘電体から成り、平板部4aの下面にはその全面に線路導体4cと同様のメタライズ層から成る下部接地導体4dが形成されている。また、平板部4aと立壁部4bの側面には線路導体4cと同様のメタライズ層から成る側面接地導体4fが形成されており、立壁部4bの上面には同様に上部接地導体4eが形成されている。そして、下部接地導体4d表面の長手方向の両端に、Agロウ等のロウ材を介してFe−Ni−Co合金,Fe−Ni合金,W,Mo,チタン(Ti),Cu−W合金,Cu−Mo合金等の金属から成る金属板4gが接合されている。
この金属板4gは、Fe−Ni−Co合金,Fe−Ni合金,W,Mo,Ti,Cu−W合金,Cu−Mo合金等のインゴットに圧延加工やプレス加工等の金属加工を施すことにより所定形状に成形される。また、基体1と同様に厚さ0.5〜9μmのNi層や厚さ0.5〜5μmのAu層等の金属層をメッキ法により被着させておくと金属板4g表面の酸化を有効に防止できる。
このように、入出力端子4は長手方向の両端の下面に金属板4gが設けられていることにより、金属板4gの直上に形成されている線路導体4cに対する接地電位を強化することができ、線路導体4cを伝送する高周波信号の周波数が高くなっても、線路導体4cを伝送する高周波信号に透過損失等の伝送損失が生ずるのを抑制できる。従って、高周波信号の伝送特性に優れた入出力端子4とすることができる。
また、金属板4gは平板部の下面の長手方向の両端に接合され、入出力端子4が長くなっても平板部4a下面の長手方向の全面に接合される構成のように長くならないので、入出力端子4に金属板4gとの熱膨張差による応力が大きく作用することはなく、入出力端子4にクラック等の破損が生じるのを防止できる。他方で、クラック等によって極めて破損し易い平板部4aの長手方向の両端部が金属板4gで補強され、入出力端子4にクラック等の破損が生じるのを確実に防止できる。従って、入出力端子4をパッケージに取り付けた際にパッケージ内部を気密に封止できなくなったり、平板部4aに形成された線路導体4cが断線してしまうのを有効に防止できる。そして、パッケージ内部を気密に封止でき、線路導体4cを介して確実に高周波信号を伝送できる入出力端子4とすることができる。このように、本発明の入出力端子4は、特に長手方向の長さが20〜100mm程度の長いものに適用すると好適である。
なお、各金属板4gは、平板部4aの両端の側面と金属板4gの側面とが完全に面一であるように接合される必要はなく、入出力端子4に生じるクラック等の破損を防止するに十分な平板部4aの両端側面に近い端部であればよい。
以上の結果、パッケージ内部を気密に封止することができ、線路導体4cを介して高周波信号を効率良く伝送でき、パッケージ内部に収納する電子部品9を高周波信号に対しても常に正常かつ安定に作動させることが可能な入出力端子4となる。
なお、平板部4aの長手方向の両端に設けられた金属板4gの長さは、図1に示すように両方が同じ長さであってもよいし、長さが異なっていてもよい。特に金属板4gは、平板部4aの上面に設けられる線路導体4cのうち高周波信号の伝送線路となるものの直下に配置されるようにするのがよい。この構成によって、高周波信号の伝送線路に対する接地電位の強化を確実なものとし、高周波信号を効率よく伝送させることができる。従って、高周波信号の伝送線路となる線路導体4cの位置によっては、両端に設けられた金属板4gの長さを異なるものとするのがよい。
また、設計的に平板部4aの両端からの距離が大きくなりすぎる場合は、両端に接合された金属板4gとは別の金属板を金属板4gの間に接合してもよい。これにより、平板部4aの必要な部分の線路導体4cの高周波信号特性をよくすることができたり、クラック等の応力が集中しやすい場所に別の金属板を設けたりすることができ、設計の自由度が増す。
また、入出力端子4において、各金属板4gの入出力端子4の長手方向の長さは、入出力端子4の長手方向の長さの0.05倍〜0.7倍程度であるのがよい。また、両端の金属板4g同士の対向する端面の距離は、長手方向の長さの0.1〜0.9倍程度設けるのが好ましい。この構成により、入出力端子4の両端を確実に補強しクラック等の破損の発生を防止できるとともに、下部接地導体4dの接地導体の強化を確実なものとすることができる。金属板4gの入出力端子4の長手方向の長さが、入出力端子4の長手方向の長さの0.05倍未満であると、入出力端子4の両端を十分補強できなくなり、入出力端子4の両端にクラック等の破損が発生する場合がある。また、金属板4gの入出力端子4の長手方向の長さが、入出力端子4の長手方向の長さの0.7倍を超えて長くなると、平板部4aに金属板4gとの熱膨張差による応力が大きく作用しやすくなり、平板部4aにクラック等の破損が発生する場合がある。
好ましくは、入出力端子4において、金属板4gはCu−W合金またはCu−Mo合金から成ることにより、金属板4gの縦弾性係数が大きくなって硬いものとなり、入出力端子4をパッケージに取り付けた際に、入出力端子4の下面の長手方向の両端部にパッケージとの熱膨張差による応力が加わっても、硬い金属板4gによって応力が遮断され、入出力端子4の平板部4aの下面にパッケージとの熱膨張差による応力が加わるのを防止し、平板部4aにクラック等の破損が生ずるのを有効に防止できる。
Cu−W合金またはCu−Mo合金は、例えば、Fe−Ni−Co合金やFe−Ni合金より縦弾性係数が1.5倍程度大きいので、Fe−Ni−Co合金やFe−Ni合金から成る金属板4gより厚みを0.7倍程度に薄くすることができ、パッケージを小型にすることができる場合もある。
また、Cu−W合金またはCu−Mo合金は入出力端子4を形成するセラミックスとも熱膨張係数が近く、平板部4aの下面に広い面積で金属板4gを接合しても、金属板4gとの熱膨張差による応力で入出力端子4が破損するのを有効に防止できる。
以上の結果、より確実にパッケージ内部を気密に封止することができるとともに、線路導体4cを介して高周波信号をより効率良く伝送でき、電子部品9の作動性を極めて良好に保持させることが可能な入出力端子4となる。
さらに好ましくは、図示しないが、平板部4aの金属板4gの接合部に金属板4gを収納可能な大きさの段差部を設けておき、金属板4gを平板部4cの段差部に接合した後に、金属板4gの下面と平板部4aの下面とが同一面となるようにするのがよい。この構成により、枠体2の取付部2aの形状を複雑にすることがなく、枠体2を量産に適した形状とすることができる。
線路導体4cの枠体2外側の部位には、外部電気回路と入出力端子3との高周波信号の入出力を行なう、Fe−Ni−Co合金等の金属から成るリード端子5がAgロウ等のロウ材で接合される。
また、本発明のパッケージが光パッケージとして用いられる場合には、枠体2の短辺の一側部には貫通孔2bが形成されており、貫通孔2bの枠体2外側開口の周囲に筒状の固定部材3の一端がAgロウ等のロウ材で接合される。固定部材3の他方の端面には、光ファイバ8を樹脂等の接着剤で取着した金属ホルダ7がAu−Sn等の低融点ロウ材で接合される。この固定部材3は、基体1や枠体2と同様の金属を同様の加工法で所望の形状に加工することによって作製され、その表面には厚さ0.5〜9μmのNi層や厚さ0.5〜5μmのAu層等の金属層をメッキ法により被着させておくと良い。
このように入出力端子4および固定部材3が取着される枠体2の上面には、シールリング6がAgロウ等のロウ材で接合される。シールリング6は、枠体2の上面にAgロウ等のロウ材で接合されて入出力端子4を挟持するとともに、その上面に電子部品9を封止するための蓋体をシーム溶接等により接合するための接合媒体として機能する。
このような光パッケージに、電子部品9を載置部1aにSn−Pb半田等の低融点ロウ材で載置固定するとともに、入出力端子4の線路導体4cと電子部品9の電極とをボンディングワイヤ等で電気的に接続し、さらに固定部材3に、光ファイバ8を樹脂等の接着剤で取着した金属ホルダ7を、Au−Sn等の低融点ロウ材で接合した後、シールリング6上面に蓋体をシーム溶接等により載置部1aを覆うように接合することにより、製品としての電子装置となる。
この電子装置は、外部電気回路基板にネジ止めされた後、外部電気回路から供給される駆動信号によって電子部品9を光励起させ、励起したレーザ光等の光を光ファイバ8に授受させるとともに、光ファイバ8内を伝送させることにより、大容量の情報を高速に伝送できる光電変換装置として機能するものであり、光通信分野等に多く用いられる。
かくして、本発明は高周波信号や光信号によって作動する電子部品9を長期にわたり正常かつ安定なものとできる。
なお、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更を施すことは何等差し支えない。例えば、上記実施の形態例は光パッケージを例にして説明したが、電子部品9は光半導体素子に限ることはなく、本発明のパッケージは、発光素子(LED),電界効果型トランジスタ(FET),集積回路素子(IC),コンデンサ,圧電素子等の電子部品9にも適用することができる。
また、図2において基体1と枠体2とは平面視形状が四角形である場合について示したが、これに限定されるものではなく、基体1と枠体2との平面視形状が六角形,八角形,長円形等であってもよく、種々の形状とすることができる。
1:基体
1a:載置部
2:枠体
2a:取付部
4:入出力端子
4a:平板部
4b:立壁部
4c:線路導体
4g:金属板
9:電子部品
1a:載置部
2:枠体
2a:取付部
4:入出力端子
4a:平板部
4b:立壁部
4c:線路導体
4g:金属板
9:電子部品
Claims (4)
- 矩形状を成す上面の一方の長辺から対向する他方の長辺にかけて形成された線路導体を有する誘電体の平板部と、該平板部の上面に前記線路導体の一部を間に挟んで接合された誘電体の立壁部と、前記平板部の下面の長手方向の両端に接合された金属板とを具備していることを特徴とする入出力端子。
- 前記金属板は、銅−タングステン合金または銅−モリブデン合金から成ることを特徴とする請求項1記載の入出力端子。
- 上面に電子部品が載置される載置部を有する金属製の基体と、該基体の上面に前記載置部を囲繞するように取着された金属製の枠体と、該枠体の側部の内外を連通する貫通孔または切欠きから成る入出力端子の取付部と、該取付部に嵌着された請求項1または請求項2記載の入出力端子とを具備していることを特徴とする電子部品収納用パッケージ。
- 請求項3記載の電子部品収納用パッケージと、前記載置部に載置されるとともに前記入出力端子に電気的に接続された電子部品と、前記枠体の上面に前記載置部を覆うように接合された蓋体とを具備していることを特徴とする電子装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004312168A JP2006128267A (ja) | 2004-10-27 | 2004-10-27 | 入出力端子ならびにこれを用いた電子部品収納用パッケージおよび電子装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004312168A JP2006128267A (ja) | 2004-10-27 | 2004-10-27 | 入出力端子ならびにこれを用いた電子部品収納用パッケージおよび電子装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006128267A true JP2006128267A (ja) | 2006-05-18 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2004312168A Pending JP2006128267A (ja) | 2004-10-27 | 2004-10-27 | 入出力端子ならびにこれを用いた電子部品収納用パッケージおよび電子装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006128267A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008294418A (ja) * | 2007-04-26 | 2008-12-04 | Kyocera Corp | パッケージおよび電子装置 |
JP2017120901A (ja) * | 2015-12-25 | 2017-07-06 | 京セラ株式会社 | 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置 |
JP2021170675A (ja) * | 2018-03-23 | 2021-10-28 | 京セラ株式会社 | 半導体素子用パッケージおよび半導体装置 |
-
2004
- 2004-10-27 JP JP2004312168A patent/JP2006128267A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2017120901A (ja) * | 2015-12-25 | 2017-07-06 | 京セラ株式会社 | 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置 |
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