JP3657135B2 - ガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤ - Google Patents

ガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスシールドアーク溶接用ワイヤに関し、特に、海浜部での塩害腐食環境及び山間部での非塩害腐食環境の両地域で耐蝕性が優れるガスシールドアーク溶接用ワイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、耐候性鋼板としてはJIS G 3114に規定されている。この耐候性鋼板は、暴露状態であっても錆が安定で緻密な状態を形成し保護膜となることで、腐食の進行を阻止するという性質を有している。また、化学成分として適量のCu及びCrが添加されていることが耐候性鋼板の特徴であり、更に、適量のNiが添加されることもある。この鋼板に対して適用される溶接用ソリッドワイヤとしてはJIS Z 3315に規定された「耐候性鋼用炭酸ガスアーク溶接用ソリッドワイヤ」がある。このワイヤにも耐候性鋼板と同様に耐蝕性を得ることを目的として、適量のCu及びCrが添加されている。更に、適量のNiが添加されることもある。
【0003】
しかし、これらの従来の耐候性鋼板又は耐候性溶接ワイヤは、塩素の飛来しない内陸部での環境に対しては有効であるが、海浜地域の塩素が付着する環境では、効果が小さいことが分かってきた。これは、鋼板表面に付着した塩素イオンが安定錆皮膜のpHを下げてしまい、錆皮膜と鋼との界面で塩酸雰囲気を形成し、鋼の腐食を促進するためと考えられている。
【0004】
Crを含有する鋼は、塩素イオンと共に、Crイオンが安定錆皮膜のpHを下げてしまう効果があるため、従来の耐候性鋼又は耐候性溶接ワイヤでは、耐塩害腐食性が不十分であった。
【0005】
そこで、耐塩害腐食性に優れた耐候性鋼としてCrを無添加とした成分系が考えられている。溶接用ワイヤについても同様であって、特開平5−200582号公報に、Crを無添加とし、海浜部での使用に対し腐食を防止し、耐候性に優れた耐火鋼用ワイヤが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平5−200582号公報に開示されているワイヤは、耐候性に関しては単にCrを無添加としたのみで、Cu及びNiは、JIS Z 3315の範囲と殆ど同一であり、これ以外の耐蝕性向上の手段がなされていない。従って、耐塩害性については向上しているが、通常の耐候性(非塩害腐食環境)はCrを無添加としたことにより、安定錆が不十分となり、低下してしまっているという問題点がある。
【0007】
また、特開平5−200582号公報に開示されているワイヤは、耐火性能を持たせるために高温強度を高める目的でMo又はVを添加しているが、これらの元素は、靭性に悪影響を及ぼす。耐火鋼の場合は、その殆どがビル等の建築に用いられているが、耐候性鋼はその殆どが橋梁等に使用されている。橋梁は重要構造物であり、必要機械的性能として0℃未満の低温靭性が要求される。特に、近時は、寒冷地仕様として−10乃至−30℃の靭性が要求される場合が殆どである。従って、耐候性鋼用として十分な低温靭性を有し、かつ耐塩害性腐食を防止し、非塩害腐食環境では、従来裸仕様耐候性と同等以上の耐候性能が得られる溶接ワイヤは今まで存在しなかったという問題点がある。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、400乃至520N/mm2級として適正な強度と十分な低温靭性を有すると共に、耐塩害性腐食を防止することができ、非塩害腐食環境では、従来裸仕様耐候性鋼と同等以上の耐候性能を得ることができるガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤは、耐候性能評価試験2種での板厚減少量が、非塩害性腐食環境で0.05mm以下、塩害腐食環境で0.08mm以下という塩害腐食環境及び非塩害腐食環境の両地域で耐蝕性が優れた溶接部を得るガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤであって、C:0.02乃至0.10質量%、Si:0.30乃至1.00質量%、Mn:1.20乃至2.00質量%、Cu:0.40乃至0.60質量%、Ni:1.40乃至2.30質量%、Ti:0.15乃至0.30質量%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、Pが0.015質量%以下、Sが0.020質量%以下、Crが0.15質量%以下、Alが0.030質量%以下、Nbが0.010質量%以下、Vが0.010質量%以下、Nが0.0100質量%以下及びMo:0.15質量%以下に規制されると共に、前記Al、Nb、V及びNは総量で0.040質量%以下に規制され、前記Cuの含有量を[Cu]、前記Niの含有量を[Ni]、前記Tiの含有量を[Ti]としたとき、A=0.3×[Cu]+0.5×[Ni]+[Ti]で表されるパラメータAの値は1.00乃至1.45であることを特徴とする。
【0010】
本発明においては、B:0.0010乃至0.0080質量%を含有することが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について更に、詳細に説明する。耐塩害性を向上させるには、従来の耐候性成分(Cu、Cr及びNi)からCrを除去してCrを無添加とすることが有効であることは既に周知である。しかし、Crを除去することで通常の耐候性を得るために必要な錆皮膜が十分に形成されず、耐候性が低下する。本願発明者等が前記課題を解決すべく、Crを無添加とする代わりに安定な錆皮膜を形成する手法を鋭意研究を重ねた結果、Tiの添加及びNiの含有量を増量することが有効であり、更に、Cu、Ni及びTiを変数とするパラメータを適正な範囲にすることで耐塩害性と共に、通常の耐候性が極めて良好となることを見出した。
【0012】
また、適正な強度と十分な低温靭性を得るためには、Mo、Al、Nb、V及びNを各個別に制限するだけでなく、特に、Al、Nb、V及びNの総量も上限を規制することが極めて有効であることがわかった。
【0013】
以下、本発明に係るガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤの成分添加理由及び組成限定理由について説明する。
【0014】
C:0.02乃至0.10質量%
Cは溶接金属の強度を確保するために必要な元素である。400乃至520N/mm2級鋼用としての溶接金属の強度確保として有効なワイヤ中のCの含有量は、最低が0.02質量%である。一方、ワイヤ中のCの含有量が0.10質量%を超えると、CO爆発が過剰になり、スパッタ量が増加し、溶接作業性が低下する。また、焼入れ性が上昇して強度過剰となる。更に、高温割れ及び水素割れ感受性も増加する。このため、ワイヤ中のCの含有量の上限は、0.10質量%である。従って、ワイヤ中のCの含有量は0.02乃至0.10質量%とする。
【0015】
Si:0.30乃至1.00質量%
Siは主要な脱酸元素であり、強度を向上させる効果も有する。ワイヤ中のSiの含有量が0.30質量%未満では、大入熱溶接時に脱酸不足となりブローホールが発生する。また、ビードのなじみが悪くなり外観が悪化する。好ましいワイヤ中のSiの含有量は0.50質量%である。一方、ワイヤ中のSiの含有量が1.00質量%を超えると、強度過剰になり、靭性が低下すると共に、スラグの発生量が増加し連続溶接性が低下する。好ましいワイヤ中のSiの含有量は、0.90質量%である。従って、ワイヤ中のSiの含有量は0.30乃至1.00質量%とする。好ましい、ワイヤ中のSiの含有量は0.50乃至0.80質量%である。
【0016】
Mn:1.20乃至2.00質量%
MnはSiと同様に主要な脱酸元素であり、焼入れ性を向上させると共に、強度及び靭性を増加させる効果を有する。ワイヤ中のMnの含有量が1.20質量%未満では、脱酸不足となりブローホールが発生する。また、所望の強度及び靭性を確保することができない。更に、ビード外観も悪くなる。好ましい、ワイヤ中のMnの含有量は1.30質量%である。一方、ワイヤ中のMnの含有量が2.00質量%を超えると、強度が過剰となると共に、スラグ量が増大し、連続溶接性が低下する。このことにより、ワイヤ中のMnの含有量の上限は、2.00質量%とする。好ましいワイヤ中のMnの含有量は、1.7質量%である。従って、ワイヤ中のMnの含有量は1.20乃至2.00質量%とする。好ましい、ワイヤ中のMnの含有量は、1.30乃至1.70質量%である。
【0017】
Cu:0.40乃至0.60質量%
Cuは表面上に緻密な安定錆を形成するため、耐候性鋼に必要不可欠な元素である。Crが無添加である本発明のワイヤでは、ワイヤ中のCuの含有量が0.40質量%未満では、安定錆が形成されない。一方、ワイヤ中のCuの含有量が0.60質量%を超えると、耐高温割れ性が低下すると共に、靭性が劣化する。従って、ワイヤ中のCuの含有量は0.40乃至0.60質量%とする。なお、ここで規定しているワイヤ中のCuの含有量は、ワイヤにCuメッキを施す場合には、鋼心線に含まれるCuの含有量とメッキ分のCu量との総量である。
【0018】
Ni:1.40乃至2.30質量%
Niもまた耐食性を向上させるのに非常に有効な元素である。Crが無添加である本発明のワイヤでは、耐蝕性の低下を補う目的でNiの含有量を従来のワイヤよりも多くする。また、靭性の向上にも有効である。ワイヤ中のNiの含有量が1.40質量%未満では、耐蝕性が不足する。一方、ワイヤ中のNiの含有量が2.30質量%を超えると、耐割れ性が低下すると共に、スパッタが増加して作業性が悪化する。従って、ワイヤ中のNiの含有量は1.40乃至2.30質量%とする。
【0019】
Ti:0.15乃至0.30質量%
従来、耐候性に寄与する元素としては、Cu、Cr、Ni及びPが公知であるが、新たにTiが安定錆を形成する効果があり、耐候性向上に有効であることを見出した。ワイヤ中のTiの含有量が0.15質量%未満では、安定錆形成の効果は現れない。好ましい、ワイヤ中のTiの含有量は0.18%質量以上である。一方、ワイヤ中のTiの含有量が0.30質量%を超えると、耐蝕性は増すものスラグが過剰に発生し、溶滴が大粒化してスパッタが増加するなど溶接性が劣化する。また、介在物が過剰となり靭性も低下する。好ましい、ワイヤ中のTiの含有量は、0.25質量%以下である。従って、ワイヤ中のTiの含有量は0.15乃至0.30質量%とする。好ましい、ワイヤ中のTiの含有量は、0.15乃至0.25質量%である。
【0020】
0.3×[Cu]+0.5×[Ni]+[Ti]:1.00乃至1.45
Cu、Ni及びTiは夫々許容範囲を満足すれば良いのではなく、相互に関連していることから、良好な耐候性と溶接性を得るために夫々を変数とした数式1で示されるパラメータAが下記数式2を満足する必要がある。
【0021】
【数1】
A=0.3×[Cu]+0.5×[Ni]+[Ti]
【0022】
【数2】
1.00≦A≦1.45
【0023】
本願発明者等は、極めて多数の実験結果から、パラメータAが数式2を満足する場合に、耐蝕性及び溶接性を十分に高めることができることを見出した。パラメータAの値が1.00未満では、十分な非塩害腐食環境での耐蝕性が得ることができない。一方、パラメータAの値が1.45を超えた場合には、耐割れ性及び靭性等の溶接性が低下する。従って、パラメータAの範囲は、1.00乃至1.45とする。
【0024】
Mo:0.15質量%以下
Moは焼入れ性を向上させると共に、強度を上昇させる。しかし、反面靭性を低下させる。更に、強度上昇により水素割れ感受性が増大するため、予熱及び後熱等の熱管理が必要となり、溶接性が劣化する。従って、400乃至520N/mm2級として必要十分な強度で、かつ良好な低温靭性及び耐低温割れ性を得るためにはワイヤ中のMoの含有量を0.15質量%以下に制限する必要がある。従って、ワイヤ中のMoの含有量は0.15質量%以下とする。更に、ワイヤ中のMoの含有量は0.05質量%以下であればより靭性が向上する。このことから、好ましいワイヤ中のMoの含有量は、0.05質量%以下である。
【0025】
P:0.020質量%以下
Pは、溶接にとって、極めて悪影響の大きい元素である。耐高温割れ性と低温靭性を大幅に悪化させる。耐候性には、Pは大きな効果があるため、鋼板では添加しているものもあるが、溶接性が悪いため、溶接ワイヤにはできる限り抑えることが必要である。ワイヤ中のPの含有量が0.020質量%以下では実用上問題がないため、経済性も考慮して上限を0.020質量%と規制する。従って、ワイヤ中のPの含有量は、0.020質量%以下と規制する。
【0026】
S:0.020質量%以下
SもまたPと同様に、耐高温割れ性と低温靭性を低下させる。ワイヤ中のSの含有量が0.020質量%を超えるとこれらが顕著になるため、ワイヤ中のSの含有量は、0.020質量%以下にする必要がある。好ましい、ワイヤ中のSの含有量は、0.015質量%以下である。しかし、Sには、スラグの界面張力を上げて凝集させる働きがあるために、Sの含有量を0.008質量%未満に下げ過ぎると、スラグの界面張力が低下し、ビード表面全体をスラグが覆うため、アークが発生しにくくなるという短所が現れる。このため、好ましくは、アークスタート性及び連続溶接性を考慮して、ワイヤ中のSの含有量の下限を0.008質量%とする。従って、ワイヤ中のSの含有量は、0.020質量%以下とする。好ましいワイヤ中のSの含有量は、0.008乃至0.015質量%である。
【0027】
Cr:0.15質量%以下
Crは、安定錆形成に有効であり、通常の耐候性鋼用ワイヤに添加されているが、耐塩害性を考慮するとできる限り少ない方が良い。本発明では、Crを無添加にしても他の成分調整で非塩害環境でも十分な耐候性を得ることができるので問題ない。ワイヤ中のCrの含有量が0.15質量%以下であれば、耐塩害性を悪化せずに許容できる。従って、ワイヤ中のCrの含有量は0.15質量%以下に規制する。但し、耐塩害腐食性がかなり厳しい環境ではワイヤ中のCrの含有量は、0.05質量%以下に規制することが好ましい。
【0028】
Al:0.030質量%以下、Nb:0.010質量%以下、V:0.010質量%以下、N:0.0100質量%以下
Al、Nb、V及びNは、いずれも靭性を極めて悪化させる元素である。また、特にAl、Nb、V及びNは強度を著しく上昇させ、水素割れ感受性を増大し、溶接性を極めて悪化させる。Nは、ブローホール等の気孔欠陥を発生させる原因にもなる。このため、これらの元素はできる限り除去することが望ましい。従って、ワイヤ中のAlの含有量は0.030質量%以下、Nbの含有量は0.010質量%以下、Vの含有量は0.010質量%以下、Nの含有量は0.0100質量%以下とする。好ましい、ワイヤ中のAlの含有量は0.020質量%以下、Nbの含有量は0.005質量%以下、Vの含有量は0.005質量%以下、Nの含有量は0.0070質量%以下である。
【0029】
Al、Nb、V及びN:総量で0.040質量%以下
上述のように、Al、Nb、V及びNは夫々できる限り少なくすることが好ましい。更に、Al、Nb、V及びNの総量も規制する必要がある。Al、Nb、V及びNの総量が0.040質量%以下でなくては、良好な性能は得ることができない。従って、ワイヤ中のAl、Nb、V及びNは、総量で0.040質量%以下に規制する。好ましくは、ワイヤ中のAl、Nb、V及びNを総量で0.030質量%以下に規制する。
【0030】
B:0.0010乃至0.0080質量%
Bはフェライトの生成核として働き、結晶量を微細化させるために靭性の向上に有効である。特に、Tiとの同時添加でその効果は非常に大きくなるとういことは周知である。本発明においては、耐候性に有効な安定錆を形成させる有効な元素としてTiを添加していることから、更にBを添加することにより高靭性化を図ることが可能である。ワイヤ中のBの含有量が0.0010質量%未満では、靭性向上には寄与しない。一方、ワイヤ中のBの含有量が0.0080質量%を超えると耐高温割れ性が悪化する。従って、ワイヤ中のBの含有量は、0.0010乃至0.0080質量%とする。
【0031】
【実施例】
以下、本発明に係るガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤの実施例について、本発明の範囲から外れる比較例と比較して具体的に説明する。図1は、これらの実施例及び比較例によりガスシールドアーク溶接される部材の開先形状を示す断面図である。
【0032】
先ず、下記表1乃至4に示す組成を有するワイヤを使用して下記表5に示す溶接条件によって鋼板を溶接した。図1に示すように、端部を斜面に形成された、板厚が50mmである2枚の鋼板1を、夫々の斜面を5mmのギャップを設けて対向させて裏面に裏当て材3を配置した。そして、形成された開先に対してガスシールドアーク溶接することにより溶接金属2を形成した。この場合、開先形状は、V字形であり、開先角は35°である。
【0033】
【表1】
Figure 0003657135
【0034】
【表2】
Figure 0003657135
【0035】
【表3】
Figure 0003657135
【0036】
【表4】
Figure 0003657135
【0037】
【表5】
Figure 0003657135
【0038】
次に、得られた溶接金属について、室温引張試験、シャルピー衝撃試験及び耐候性能評価試験を行うと共に、連続溶接性の官能評価、X線透過写真測定による溶接割れ及びブローホール(B.H.)の有無の確認並びにスパッタ発生量の官能評価を行い、評価した。なお、引張試験及びシャルピー衝撃試験片の採取位置は、鋼板表面から10mmで溶接部中央の位置である。また、耐候性能は、2年間長期大気暴露試験で評価した。設置箇所として▲1▼山間部(海岸より100km内陸部)と▲2▼海上横断道路上の2ヶ所とし、南向きに設置した。
【0039】
得られた評価結果は、溶接金属の室温引張試験は、引張応力(TS;tensile stress)が530乃至650N/mm2を合格とした。より好ましい範囲は、530乃至620N/mm2である。また、0.2%耐力(PS;Proof stress)は、400乃至560N/mm2を合格とした。より好ましい範囲は、430乃至510N/mm2である。更に、シャルピー衝撃試験は、−25℃での吸収エネルギ(vE−25℃)が45J以上であるものを合格とした。より好ましい範囲は、100J以上である。連続溶接性の官能評価では、極めて良好なものを◎、良好なものを○、不良なものを×とした。耐候性能評価試験2種、X線透過写真測定による溶接割れ及びブローホール(B.H.)の有無の確認、スパッタ発生量及び外観の官能評価である。耐候性能は、板厚減少量で評価し、▲1▼の非塩害性腐食環境では、0.05mm以下を合格とした。▲2▼の塩害腐食環境では、0.08mm以下を合格とした。より好ましい範囲として0.05mm以下とした。これらの評価結果を表6乃至表9に示す。
【0040】
【表6】
Figure 0003657135
【0041】
【表7】
Figure 0003657135
【0042】
【表8】
Figure 0003657135
【0043】
【表9】
Figure 0003657135
【0044】
上記表6乃至表9に示すように、実施例No.1乃至14は、各ワイヤ成分が本発明の特許請求に規定した規定範囲を満たしているため、塩害腐食環境及び非塩害性環境共に、板厚減少量が少なく良好な耐候性能を有していた。また、溶接金属の引張強度も適正であり低温靭性も良好であった。溶接性も非常に優れており、割れ又はブローホール等の溶接欠陥も発生せず、アークが安定し、スパッタが少なく、ビード外観も良好でスラグが少ないため連続溶接性も良好であった。
【0045】
一方、比較例No.15乃至29は、ワイヤの化学組成成分が本発明の特許請求の範囲を満足していないために、所望の性能を得ることができなかった。
【0046】
比較例No.15は、Cの含有量が本発明の範囲を超えて、多すぎるために焼入れ性が増大し、強度が過剰となり、これに起因して水素割れが発生すると共に、靭性が低くなった。また、Cの含有量が多いことによりCO爆発によるスパッタ量も増加した。更に、Cu、Ni及びCrの含有量が本発明の範囲を超えて、多すぎることも、靭性を劣化させる原因となり、高温割れが発生した。更にまた、Cu、Ni及びCrを本発明の範囲を超えて、多く含有するため、従来の非塩害腐食性環境での板厚減少量は少ないが、Crを多く含有することが原因で塩害腐食環境では板厚減少量が多く、十分な耐候性が得られなかった。
【0047】
比較例No.16は、JIS Z 3315 YGA−50Wに属する従来の耐候性鋼用ワイヤの1つである。Cu及びNiの含有量が本発明の範囲よりも少ない、一方、Crを本発明の範囲を超えて含有しており、逆にTiの含有量が本発明の範囲よりも少ないために塩害腐食環境での板厚減少量は、非常に多く耐候性能は乏しい。当然ながら従来の非塩害腐食性環境では、板厚減少量は少なく、良好な耐候性が得られている。また、Al+Nb+V+Nの総量が本発明の範囲を超えているために、十分な低温靭性が得られていない。
【0048】
比較例No.17は、JIS Z 3315 YGA−50Wに属する従来の耐候性鋼用ワイヤの1つからCrを除去した組成のワイヤである。Crを含有しないことで塩害腐食環境での板厚減少量は、少なくなり改善された。一方、非塩害腐食性環境での安定錆形成に寄与していたCrを含有しないため、安定錆が形成されなくなり、この環境での板厚減少量は、逆に増大し、耐候性能は悪化した。また、Al+Nb+V+Nの総量が本発明の範囲を超えているために、十分な低温靭性が得られていない。
【0049】
比較例No.18は、JIS Z 3315 YGA−58Wに属する従来の耐候性鋼用ワイヤの1つからCrを除去したワイヤである。比較例No.17と同様にCrを含有しないことで塩害腐食環境下での耐候性は向上している。一方、Niの含有量が本発明の範囲よりも少なく、また、Tiが若干添加されているとはいえ、その含有量は本発明の範囲よりも少ないために、非塩害腐食環境下での耐候性が低下している。また、Moが本発明の範囲を超えて過剰に添加されていることから溶接金属の強度が異常に高くなり、水素割れが発生した。更に、靭性も低下した。比較例No.16及び17と同様に、Al+Nb+V+Nの総量が本発明の範囲を超えており、更に、P及びSの含有量が本発明の範囲よりも高く、高温割れの発生には至らなかったもの、低温靭性を下げる原因の1つとなった。
【0050】
比較例No.19は、Cの含有量が本発明の範囲よりも少ないために、強度が不足した。比較例No.20は、Siの含有量が本発明の範囲よりも低いために、強度が不足し、脱酸不足によりブローホールが発生し、スパッタも増えた。また、なじみも悪くなりビード外観が悪化した。更に、Cuの含有量が本発明の範囲よりも低く、塩害腐食環境及び非塩害腐食環境共に板厚減少量が多く、十分な耐候性が得られていない。更にまた、Niの含有量が本発明の範囲を超えて、過剰であり、パラメータAの値も本発明の範囲を超えているため、溶接性が悪化し、スパッタの増加、高温割れの発生、靭性低下につながった。
【0051】
比較例No.21は、Si及びMnの含有量が本発明の範囲を超えているために、強度が過剰になった。また、スラグ量が増え、連続溶接性が低下し、能率が悪かった。P及びSの含有量も本発明の範囲を大幅に上回っており、高温割れが発生し、低温靭性も低下した。更に、Cu、Ni及びTiの夫々の値は、本発明の範囲を満足しているものの、パラメータAの値が本発明の範囲よりも低いために非塩害腐食環境での耐候性が不十分であり、板厚減少量が多かった。
【0052】
比較例No.22は、Mnの含有量が本発明の範囲よりも少なく、脱酸不足となりブローホールが発生すると共に、溶接金属の強度も低かった。また、靭性も低下した。更に、Cu及びTiは、本発明の範囲内であるが、Niの含有量が本発明の範囲より少ないことから、非塩害腐食環境での耐候性が不十分であり、板厚減少量が多かった。
【0053】
比較例No.23は、Crの含有量が本発明の範囲の上限を超えているために、塩害腐食環境での耐候性が不十分である。一方、JIS Z 3315で規定される通常(非塩害腐食環境)の耐候性が得られる最低のCrの含有量である0.50質量%にも満たないため、非塩害腐食環境での耐候性も不足し、どちらの環境でも板厚減少量が多かった。Cu、Ni及びTiは、夫々本発明の範囲を満足しているものの、パラメータAの値が本発明の範囲を超えているために、靭性が低下し、高温割れが発生した。また、Alの含有量が本発明の範囲を超えて、過剰なことから強度が高くなり過ぎ、水素割れが発生した。更にまた、Al+Nb+V+Nの総量が本発明の範囲を超えているため、靭性の低下を助長した。
【0054】
比較例No.24は、Tiの含有量が本発明範囲の上限を超えており、大粒のスパッタが大量に発生して作業性が悪かった。また、スラグ量も増大し、連続溶接性を阻害した。更に、Bの含有量も本発明の範囲を超えており、高温割れを発生した。更にまた、Vの含有量も本発明の範囲を超えており、強度が過剰となり、靭性も低下した。
【0055】
比較例No.25は、Cu、Ni及びTiの含有量は、夫々本発明の範囲を満足しているものの、パラメータAの値が本発明の範囲を超えているために、靭性が低下し、高温割れが発生した。
【0056】
比較例No.26は、Nb及びNの含有量は、本発明の範囲を超えており、強度過剰で水素割れが発生すると共に、靭性が低かった。また、Nの含有量が本発明の範囲を超えて、過剰であったために、ブローホールが発生した。
【0057】
比較例No.27は、Mo及びNが本発明の範囲を超えており、強度が過剰になり水素割れが発生すると共に、Al+Nb+V+Nの総量が本発明の範囲を超えているため、靭性の低下を助長した。
【0058】
比較例No.28は、Nb及びVの含有量が本発明の範囲を超えており、強度が過剰になり、水素割れが発生した。また、Al+Nb+V+Nの含有量も本発明の範囲を超えているため、靭性の低下を助長した。更に、Cuの含有量も本発明の範囲を超えているため、靭性を劣化させると共に高温割れが発生した。
【0059】
比較例No.29は、JIS Z 3315 YGA−50Pのワイヤの1つである。このワイヤはNiが無添加であり、Crが添加されている。Niが無添加であるために裸仕様としては非塩害腐食環境及び塩害腐食環境共に、耐蝕性が足りない。Crを含有していることから、特に塩害腐食環境では効果がない。また、Alの含有量が本発明の範囲を超えていることから強度が過剰になり、靭性低下及び水素割れの発生となった。
【0060】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明においては、ガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤの夫々の化学組成成分を単独に規定していると共に、各ワイヤ組成成分の総量及び組み合わせをも厳密に規定することにより、従来、困難であった非塩害腐食環境と塩害腐食環境との環境において、耐候性を極めて良好に両立することができる。これにより、従来、沿岸地域(塩害腐食環境)と山間地(非塩害腐食環境)で使い分けなければならなかった耐候性鋼ワイヤもこのワイヤのみで、すべての環境をカバーすることができる。また、沿岸地域と山間地の中間地、即ち、塩害腐食と非塩害腐食が同時に進行する地域においても、良好な耐蝕性を得ることができる。従って、多大な工業的価値を得ることができる。
【0061】
また、本発明のガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤは、耐候性能以外でも、強度、低温靭性、耐割れ性、耐気孔欠陥性、スパッタ及びスラグ等の溶接作業性並びにビード外観等総合的に優れたワイヤであるために良好な溶接金属を得ることができる。従って、耐候性鋼が最も使用される重要構造物であり、信頼性が重要である橋梁に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るガスシールドアーク溶接される部材の開先形状を示す断面図である。
【符号の説明】
1;鋼材
2;溶接金属
3;裏当て材

Claims (2)

  1. 耐候性能評価試験2種での板厚減少量が、非塩害性腐食環境で0.05mm以下、塩害腐食環境で0.08mm以下という塩害腐食環境及び非塩害腐食環境の両地域で耐蝕性が優れた溶接部を得るガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤであって、C:0.02乃至0.10質量%、Si:0.30乃至1.00質量%、Mn:1.20乃至2.00質量%、Cu:0.40乃至0.60質量%、Ni:1.40乃至2.30質量%、Ti:0.15乃至0.30質量%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、Pが0.015質量%以下、Sが0.020質量%以下、Crが0.15質量%以下、Alが0.030質量%以下、Nbが0.010質量%以下、Vが0.010質量%以下、Nが0.0100質量%以下及びMo:0.15質量%以下に規制されると共に、前記Al、Nb、V及びNは総量で0.040質量%以下に規制され、前記Cuの含有量を[Cu]、前記Niの含有量を[Ni]、前記Tiの含有量を[Ti]としたとき、A=0.3×[Cu]+0.5×[Ni]+[Ti]で表されるパラメータAの値は1.00乃至1.45であることを特徴とするガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤ。
  2. B:0.0010乃至0.0080質量%を含有することを特徴とする請求項1に記載のガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤ。
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