JP3655885B2 - 少なくとも１つのピボット運動するシート要素を有するシート装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも１つのピボット運動シート要素を有するシートユニットに関する。
【０００２】
特に、本発明は、少なくとも１つのピボット部により水平横方向の回転軸を中心として第２の要素に対してピボット運動するように取り付けられた少なくとも１つの第１のパッド付き要素であって、第１に、回転軸に平行で回転軸の近傍に位置する横方向の下縁部を有し、第２に、横方向の下縁部を回転軸に対してほぼ直角に延ばす２つの左右の下縁部を有する第１の要素を有するシート装置に関する。
【０００３】
【従来の技術】
フランス特許公開明細書第２４２０４４５号は、第１の要素がシート底部であり、第２の要素が乗物の床であるこのようなシート装置の例について説明している。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
この公知の装置は、一方ではユーザの危険ゾーンを表し（挟まれる恐れがある）、他方では目障りなものとなる可能性がある第１の要素と第２の要素との間のピボット部が隠されないという欠点を有する。
【０００５】
本発明の目的は、これらの欠点を補償することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
この目的のために、本発明によれば、当該の種類のシート装置は、以下の特徴、すなわち、第１の要素の横方向の下縁部に沿ってピボット運動可能に固定されており、通常は、ピボット運動を隠すほぼ垂直な休止位置にあるかなり剛性のあるフラップを備えており、フラップは、第１の要素の２つの左右の下縁部の少なくとも一部に沿ってピボット運動可能に固定された２つの可撓性の湾曲部によって左右方向に延ばされており、湾曲部および第１の要素は、フラップが、ユーザの作用で湾曲部から離れる方向に移動することによって直立位置に達するまで上向きにピボット運動できるようにするのに十分な可撓性を有しており、湾曲部の可撓性、および湾曲部と第１の要素の左右の縁部との間の連結は、
フラップが通常は、湾曲部によってその休止位置に弾性によって維持されており（この弾性の維持は、第１のパッド付きユニットの可撓性および／または、湾曲部が弾性に変形できる場合には湾曲部の可撓性によって実現することができる）、
フラップが、その直立位置にピボット運動させられるときに、休止位置と直立位置との間の中立の中間位置を越えた直後に直立位置に向かって上方に弾性によって引っ張られるように構成されているという特徴を有している。
【０００７】
これらの手段のために、第１の要素と第２の要素とをつなぐピボット部を選択的に隠すか、または見えるようにし、ピボット部の組立てを容易にすると共に、第１の要素がピボット運動するときに第２の要素に対する潜在的な干渉を無くすことが可能である。
【０００８】
本発明の好ましい実施態様では、以下の構成のうちの一方および／または他方、すなわち、
湾曲部および第１の要素の左右の縁部は、凸状の丸い形を有しており、
湾曲部はフラップから湾曲部の尖った端部まで延びており、各湾曲部の高さがフラップから尖った端部へと低くなっており、
フラップは、第１の要素を覆うカバーに組み込まれており、
フラップは第１の要素に属しており、第１の要素に属するパディングの一部であるフォームが上に成形されたプラスチックストリップで構成されており、
フラップは、シートの第１の要素にピボット運動可能に固定されており、
プラスチックストリップで形成されたフラップは、第１の要素を覆うカバーの一部で覆われた外装部に挿入されており、
第１および第２の要素はそれぞれシート底部および乗物の床であり、
−第１の要素の横方向の下縁部は、シート底部に属する前方の下縁部である構成を使用することができる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【００１０】
それぞれの異なる図において、同じ符号は同一または同様の要素を示す。
【００１１】
図１に表わされたシート装置１は、乗物の床を形成する基部２と、床によって支持されるシートとを備えている。
【００１２】
このシートは、シート背もたれ３と、背もたれ３の近くの後端部６と背もたれから離れた前端部７との間に延びているシート底部４とを備えている（「前」および「後」の語は、シートのみに関する語であり、車両内のシートの向きを事前に決定するものではない）。
【００１３】
シート底部４は、乗物２の床上で、連結片５を介し、シート底部４の前端部７の近くの水平横方向の回転軸Ｘ１を中心として、
シート底部４が、車両の床２にほぼ平行な水平位置（図５参照）を占める通常使用位置と、
シート底部４が、車両の床２に対してほぼ垂直な位置（図４参照）を占有する垂直直立位置との間でピボット運動するように取り付けられている。
【００１４】
図２はシート底部４の斜視図である。
【００１５】
シート底部４は、フォームパディングと、実質的にシート底部４の前端部７に沿ってかつシート底部４の下部９に配置されたフラップ８とを含むシートクッションを備えている。
【００１６】
このフラップ８は、図３に表わされており、剛性のあるプラスチックストリップ１４で構成されている。フラップ８は、長さが、シート底部の横方向の下縁部９の長さにほぼ等しい、横方向の縁部１４ａを備えている。フラップは、横方向の縁部の各端部に、湾曲部１４ｂを形成する領域を備えている。基本的な形が凸状であるこれらの湾曲部１４bの高さは、横方向の縁部１４ａの端部から尖った端部へと小さくなっている。
【００１７】
フラップ８は、シート底部４に属し、かつシート底部４と一体化するかまたはシート底部４に固定することができる。
【００１８】
図４および図５に示されている第１の実施形態では、このフラップ８は、製造現場でシート部分と同時に製造される。したがって、たとえば、シート要素のカバーを鋳型内に配置し、プラスチックストリップ１４を、鋳型内の、シート底部４の横方向の下縁部に対応する正しい位置に配置した後、エラストマフォームのパディング１５が鋳型に注入される。このようにして、プラスチックストリップ１４はフォーム１６の層内に密閉され、鋳型からシート全体を取り外したときに、フラップ８を備えたシート底部４が形成されている。
【００１９】
図６に示されている第２の実施形態では、フラップ８は、シート底部４の下縁部９と縫い合せることによって直接固定された外装部１７を有している。
【００２０】
この外装部１７は、カバーを形成する材料と同じ材料で構成されており、プラスチックストリップ１４を通過させるバンド１８を内側の面上に備えている。これらのバンド１８は、ジップや自己把持クロージャなどによって互いに固定されている。ユーザは、プラスチックストリップ１４をバンド１８を通して外装部１７に滑り込ませ、横方向の縁部およびその端部１４ｂ上に適切に配置し、クロージャを使用して各バンド１８をまとめる。
【００２１】
実施形態にかかわらず、フラップ８は、シート底部９の下部８に沿って横方向に延びており、各端部に、湾曲部１０、１１を形成するゾーンを備えている。この基本的に凸状の湾曲部は、シート底部４の左右の縁部１２、１３の各々に連結されている。
【００２２】
フラップ８の端部におけるこの特定の連結形態は、フラップ８の端部に有利な特性を付与する。フラップ８は、横方向の縁部上で剛性があると同時に左右の縁部上で可撓性であり、したがって、２つの安定な位置、すなわち、
フラップ８が基本的に、シート底部４の前端部７の前面の下向きの延長部になる第１の位置（図４に点線で示されている）と、
フラップ８が、シート底部４の前端部７の前面にほぼ垂直な位置を占有する、第１の位置から離れた第２の位置（図４に示されている）とを占めることができる。
【００２３】
フラップ８の２つの安定な位置の間の遷移は、ユーザの作用で、「帽子のまびさし」の移動と同様にほぼ瞬間的に行われる。
【００２４】
図４で、フラップ８は２つの安定な位置のうちの一方（この例では第２の位置）を占めており、それによってユーザは、シート底部４と、乗物の床に連結された基部２に連結された連結片５との間のジョイントに手を届かせることができる。フラップのこの位置において、ユーザは、容易に工具を配置するか、または乗物の床に連結されたラッチ接手と向かい合う位置に連結片５を配置することができる。
【００２５】
図５で、フラップ８は他方の安定な位置（この例では第１の位置）を占めている。フラップ８は、ユーザがフラップ８を矢印の方向にわずかに移動させたときにこの位置に来る。シート底部４の下部７上に位置するフラップ８の湾曲部１０、１１の取付けに関する弾性作用で、このフラップ８は、この安定な位置に配置され、シート底部４と乗物の床に連結された連結片５との間のジョイントをマスクし、すなわち隠す。
【００２６】
当然のことながら、ユーザがフラップ８を矢印と反対の方向に押すと、フラップ８は他方の位置に自動的に再配置される。
【００２７】
この完成装置をシートの別の部品上の、他の２つのシート部品の間に設置できることが、上記のことから容易に理解することができよう。したがって、たとえば、この完成装置を背もたれの基部に配置し、それによってシート底部の後部と背もたれの下部との間のゾーンをマスクすることができる。他の変形例は、シート背もたれに組み込まれた可動アームレストの基部にこのフラップ８を配置することである。
【図面の簡単な説明】
【図１】底部が乗物の床上でピボット運動するように取り付けられたシートを有する、本発明の一実施形態によるシート装置の側面図である。
【図２】図１のシート底部の斜視図である。
【図３】図２のシート底部にフラップを形成するプラスチップストリップの斜視図である。
【図４】乗物の床に取り付けられる前の、図２に表されたシート底部の側面図である。
【図５】乗物の床に取り付けられたときの、図２に表されたシート底部の側面図である。
【図６】本発明の他の実施形態によるシート装置の側面図である。
【符号の説明】
１ シート装置
２ 基部
３ シート背もたれ
４ シート底部
５ 連結片
７ 前端部
８ フラップ
９ 横方向の縁部
１０、１１ 湾曲部
１２、１３ 左右の縁部
１４ 剛性のあるプラスチックストリップ
１４ａ 横方向の縁部
１５ パディング
１６ フォーム
１７ 外装部
１８ バンド

Claims (9)

1. 少なくとも１つのピボット部により水平横方向の回転軸（Ｘ１）を中心として第２の要素（２）に対してピボット運動するように取り付けられた少なくとも１つの第１のパッド付き要素（４）を有し、前記第１の要素（４）が、第１に、前記回転軸（Ｘ１）に平行で前記回転軸の近傍に位置する横方向の下縁部（７）を備え、第２に、前記横方向の下縁部（７）を前記回転軸に対してほぼ直角に延ばす２つの左右の下縁部（１２、１３）を備えるシート装置において、
   前記シート装置は、前記第１の要素（４）の前記横方向の下縁部（７）に沿ってピボット運動可能に固定されており、通常は、前記ピボット部を隠すほぼ垂直な休止位置にあるかなり剛性のあるフラップ（８）を備えており、前記フラップ（８）は、前記第１の要素（４）の前記２つの左右の下縁部（１２、１３）の少なくとも一部に沿ってピボット運動可能に固定された２つの可撓性の湾曲部（１０、１１）によって左右方向に延ばされており、前記湾曲部（１０、１１）および前記第１の要素（４）は、前記フラップ（８）が、ユーザの作用で前記湾曲部（１０、１１）から離れる方向に移動することによって直立位置に達するまで上向きにピボット運動できるようにするのに十分な可撓性を有しており、前記湾曲部（１０、１１）の可撓性、および前記湾曲部と前記第１の要素（４）の前記左右の縁部（１２，１３）との間の連結は、
   前記フラップ（８）が通常は、前記湾曲部によってその休止位置に弾性によって維持されており、
   前記フラップ（８）が、その直立位置にピボット運動させられるときに、前記休止位置と前記直立位置との間の中立の中間位置を越えた直後に前記直立位置に向かって上方に弾性によって引っ張られるように構成されていることを特徴とするシート装置。
2. 前記湾曲部（１０，１１）および前記第１の要素（４）の前記左右の縁部（１２、１３）は、凸状の丸い形を有している、請求項１に記載のシート装置。
3. 前記湾曲部（１０、１１）は前記フラップ（８）から前記湾曲部（１０、１１）の尖った端部まで延びており、各湾曲部（１０、１１）の高さが前記フラップ（８）から前記尖った端部へと低くなっている、請求項２に記載のシート装置。
4. 前記フラップ（８）は、前記第１の要素（４）を覆うカバーに組み込まれている、請求項１から３のいずれか項に記載のシート装置。
5. 前記フラップ（８）は前記第１の要素（４）に属しており、前記第１の要素（４）に属するパディングの一部であるフォームが上に成形されたプラスチックストリップ（１４）で構成されている、請求項１から３のいずれか１項に記載のシート装置。
6. 前記フラップ（８）は前記第１の要素（４）にピボット運動可能に固定されている、請求項１から３のいずれか１項に記載のシート装置。
7. 前記フラップ（８）はプラスチックストリップ（１４）で形成されており、前記第１の要素（４）を覆うカバーの一部で覆われた外装部（１７）に挿入されている、請求項１から３のいずれか１項に記載のシート装置。
8. 前記第１および第２の要素（４、２）はそれぞれシート底部および乗物の床である、請求項１から７のいずれか１項に記載のシート装置。
9. 前記第１の要素（４）の前記横方向の下縁部（７）は、前記シート底部に属する前方の下縁部である、請求項８に記載のシート装置。

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