JP3655693B2 - 色再現検査方法及び色再現処理装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は,異なる色再現範囲を有するCRT,カラープリンタ及びカラーコピー等のデバイス間において,カラー画像情報を移転する色再現検査方法及び色再現処理装置に関し,特に,再現後の画像に階調つぶれ又は疑似階調が発生しているか否かを判定する色再現検査方法及び色再現処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年,カラー画像を扱うメディアは様々な形態で発達してきている。例えば,カラースキャナにより文字・画像を読み取り,コンピュータのディスプレイ上で編集・加工し,その結果をカラープリンタ等によりプリント出力するシステムが良く知られている。
【0003】
ところが,このシステムにおいては,ディスプレイ上で再現される色とプリント出力される色との間で,色再現の方法や混色系(RGB,YMC)の違い,更に色再現範囲の不一致により,相互に異なる色となることも良く知られていることである。
【0004】
通常,前述したように,各デバイスにおける表現可能な色の再現範囲はそれぞれ異なっているため,入力された色のうち,画像出力装置では出力できない色を再現可能な色に置き換えて変換する,いわゆるガマット圧縮処理が行われている。
【0005】
このガマット圧縮処理においても,被出力画像に非再現色が含まれているような場合には,非再現色の周辺の色にかかわらず圧縮処理がなされ,非再現色の周辺と同じ色に再現される場合がある。その結果,階調つぶれが発生することになる。また,非再現色について,元々なかった色の階調が再現されることがあり,その結果,疑似階調が発生することになる。
【0006】
そこで,例えば,特公平6−36548号公報の「カラー画像信号処理方法」に開示されているように,明度及び彩度の双方について入力カラー画像信号によって表現される画像の特徴に適した圧縮割合を決定し,明度及び彩度の階調を保存するように出力系の色再現範囲内に圧縮写像を行うことによって階調つぶれの発生を防止している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,従来の色再現処理方法においては,色再現に伴う問題が検査されることはなく,単に色変換処理が行われるのみであるため,たとえ,前述したガマット圧縮等の色再現処理を行ったとしても,周囲の色との関係において,階調つぶれや疑似階調等の色再現に伴う問題が発生することがあり,これを検出することはできなかった。
【0008】
したがって,前記課題を解決するため,本発明の第1の目的は,階調つぶれや疑似階調等の色再現に伴う問題を自動的に検出することが可能な色再現検査方法及び色再現処理装置を提供することにある。
【0009】
また,本発明の第2の目的は,色再現に伴う問題を自動的に検出すると共に,色再現性の良さを知る尺度を得ることが可能な色再現検査方法及び色再現処理装置を提供することにある。
【0010】
また,本発明の第3の目的は,色再現処理を実行すると共に,色再現処理に伴う問題の発生をより早く検出することができる色再現検査方法及び色再現処理装置を提供することにある。
【0011】
更に,本発明の第4の目的は,色再現処理に伴う問題の発生の検査結果に基づいて,原稿に忠実な色再現を可能とし,より高品位のカラー画像を得ることができる色再現検査方法及び色再現処理装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため,本発明の請求項1にあっては,画素毎に再現前後の色が同じように見える色であるかどうかを比較する手段を用いて再現後の画素の色つぶれが起こっているか否かを判定する色再現検査方法であって,階調つぶれや疑似階調の発生の有無が判定された複数の画素をまとめて画像内に複数のブロックを形成し,前記画素に対する階調つぶれや疑似階調の発生の判定結果に基づいて,複数のブロック単位で階調つぶれや疑似階調が発生しているか否かを判定し,前記ブロックが所定の大きさのブロックに形成されるまで,複数のブロックをまとめてブロック単位での階調つぶれや疑似階調が発生しているか否かの判定を繰り返し,色再現処理後の画像に階調つぶれや疑似階調が発生してい るか否かを判定すると共に,階調つぶれや疑似階調が集中して発生している場所を特定すること,を特徴とする色再現検査方法を提供する。
【0013】
また,本発明の請求項2にあっては,色再現処理前の画像と色再現処理後の画像とから画素毎に階調つぶれ又は疑似階調の発生の有無を判定する第1のステップと,前記第1のステップで階調つぶれ又は疑似階調の発生の有無を判定された複数の前記画素をまとめてブロックを形成する第2のステップと,前記第2のステップで形成された前記ブロックに含まれる階調つぶれ又は疑似階調の発生の有無を判定された前記画素によって当該ブロックの階調つぶれ又は疑似階調の発生の有無を判断する第3のステップと,前記ブロックが所定の大きさに形成されるまで,複数の前記ブロックをまとめて新たなブロックを形成し,形成された当該ブロック単位で階調つぶれや疑似階調の発生の有無を判定する第4のステップと,前記第4のステップによって所定の大きさに形成された前記ブロックにおいて階調つぶれや疑似階調が発生していると判定された場合に,前記色再現処理後の画像に階調つぶれや疑似階調が発生していると判定する第5のステップと,を備えることを特徴とする色再現検査方法を提供する。
【0014】
また,本発明の請求項3にあっては,前記第3のステップは,さらに前記ブロックに前記第1のステップによって階調つぶれ又は疑似階調の発生があると判定された前記画素が所定の値以上含まれる場合に,前記ブロックは階調つぶれ又は疑似階調の発生が有ると判定することを特徴とする請求項2に記載の色再現検査方法を提供する。
【0015】
また,本発明の請求項4にあっては,前記第4のステップは,さらに前記ブロックに階調つぶれ又は疑似階調の発生があると判定された前記ブロックが所定の値以上含まれる場合に,複数の前記ブロックをまとめた新たなブロックは階調つぶれ又は疑似階調の発生が有ると判定することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の色再現検査方法を提供する。
【0016】
また,本発明の請求項5にあっては,前記第1のステップは,色再現処理前と色再現処理後との画像から対応する画素を着目画素として順次取り出す着目画素取り出しステップと,前記色再現処理前の着目画素と前記色再現処理後の着目画素との色差が所定の値以上であるか否かにより前記色再現処理前の着目画素と前記色再現処理後の着目画素とが同一色であるか否かを判定する同一色判定ステップと,前記同一色判定ステップにおいて前記色再現処理前の着目画素と前記色再現処理後の着目画素とが同一色でないと判定された場合に,前記色再現処理前の着目画素の色と前記色再現処理前の着目画素の周辺に位置する各画素の色とを比較し,前記色再現処理前の着目画素の色と前記色再現処理前の着目画素の周辺の画素の色とが異なる場合,前記取り出された色再現処理後の着目画素と前記色再現処理後の着目画素の周辺に位置する各画素の色とを比較して,これらが同一の場合には着目画素に階調つぶれ有りと判定し,前記色再現処理前の着目画素の色と前記色再現処理前の着目画素の周辺の画素の色とが同一の場合,前記取り出された色再現処理後の着目画素と前記色再現処理後の着目画素の周辺に位置する画素の色とを比較して,これらが異なる場合には着目画素に疑似階調有りと判定する,ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載の色再現検査方法を提供する。
【0017】
また,本発明の請求項6にあっては,前記第5のステップにおいて,階調つぶれや疑似階調が発生していると判定された場合に,その旨を表示することを特徴とする請求項2〜5のいずれか1つに記載の色再現検査方法を提供する。
【0018】
また,本発明の請求項7にあっては,検査対象である画像の範囲を限定して,階調つぶれや疑似階調の発生を判定することを特徴とする請求項2〜6のいずれか1つに記載の色再現検査方法を提供する。
【0019】
また,本発明の請求項8にあっては,複数の色再現処理を異なるパラメータの下で実行し,前記色再現処理後の画像のそれぞれについて,請求項7に記載の色再現検査方法によって階調つぶれや疑似階調が発生しているか否かを判定し,階調つぶれや疑似階調の発生度合いが最小の前記色再現処理を選択することを特徴とする色再現処理方法を提供する。
【0020】
更に,本発明の請求項9にあっては,色再現処理前の画像と色再現処理後の画像とから画素毎に階調つぶれ又は疑似階調の発生の有無を判定する第1の手段と,前記第1の手段で階調つぶれ又は疑似階調の発生の有無を判定された複数の前記画素をまとめてブロックを形成する第2の手段と,前記第2の手段で形成された前記ブロックに含まれる階調つぶれ又は疑似階調の発生の有無を判定された前記画素によって当該ブロックの階調つぶれ又は疑似階調の発生の有無を判断する第3の手段と,前記ブロックが所定の大きさに形成されるまで,複数の前記ブロックをまとめて新たなブロックを形成し,形成された当該ブロック単位で階調つぶれや疑似階調の発生の有無を判定する第4の手段と,前記第4の手段によって所定の大きさに形成された前記ブロックにおいて階調つぶれや疑似階調が発生していると判定された場合に,前記色再現処理後の画像に階調つぶれや疑似階調が発生していると判定する第5の手段と,を備えることを特徴とする色再現検査装置を提供する。
【0021】
また,本発明の請求項10にあっては,前記第5の手段において,階調つぶれや疑似階調が発生していると判定された場合に,その旨を表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項9に記載の色再現検査装置を提供する。
【0022】
また,本発明の請求項11にあっては,検査対象である画像の範囲を限定する限定手段を備えることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の色再現検査装置を提供する。
【0023】
また,本発明の請求項12にあっては,色再現処理を異なるパラメータの下で実行し色再現処理後の画像を得る複数の色再現処理手段と,階調つぶれや疑似階調の発生度合いが最小の前記色再現処理を選択する選択手段とを備え,前記選択手段は,請求項9〜11に記載の色再現検査装置により,前記色再現処理後の画像の階調つぶれや疑似階調の発生度合いを検査することを特徴とする色再現処理装置を提供する。
【発明の実施の形態】
【0024】
以下,本発明の実施の形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0025】
まず,原画と再現後の画像の画素を単位として,色再現処理に伴う『階調つぶれ』や『疑似階調』の発生の可能性を検出する方法について説明する。
【0026】
図1は,本発明の本実施の形態に係る色再現検査方法のフローチャートである。この図1は,異なるデバイス間でカラー画像情報を移転するための色再現処理によって処理後の画像に発生する色つぶれを画素単位で検出する方法を示している。すなわち,色再現処理前と後の画像について画素毎に階調つぶれや疑似階調の発生の有無を判定する。
【0027】
まず,色再現処理前と後の画像から対応する画素をそれぞれ取り出し(S101),ある画素について原画で使用されていた色と再現後の色とを比較し,再現後の画素が異なる色の再現となっているか否かを判定する(S102)。
【0028】
ステップS102において,再現後の画素の色が,原画の画素の色と同一の場合は,次の画素を同様に取り出し(S101),原画で使用されていた画素の色と再現後の画素の色とを比較し,両者が同一か否かを判定する(S102)。
【0029】
なお,本実施の形態において,色が同一とは,原画の画素の色と再現後の画素の色とが共に等色の範囲に属するということを意味する。すなわち,原画の画素の色と再現後の画素の色とが必ずしも完全に一致していなければならないという意味ではなく,ある幅のある範囲に属していれば同一とするという意味である。したがって,色が同一であるか否かの判断には,原画の画素の色と再現後の画素の色とが同一でなくても,例えば2つの色の色差を計算し,その値がある基準値以下(例えば,1.0)であれば等色とし,その値がその基準値を超える値であれば異なる色であるとするような判定方法を用いることができる。
【0030】
一方,ステップS102において,原画の画素の色と再現後の画素の色とが異なるという判定がなされた場合は,原画の画素の周辺に位置する全ての画素の色について以下の処理を行う。
【0031】
まず,原画の画素の周辺に位置する画素の一つを取り出し(S103),原画の画素の色とその周辺に位置する画素の色とが異なっているか否か判定する(S104)。原画の画素の色とその周辺に位置する画素の色が同一の場合は,更に,再現後の画素の色と再現後の画素の周辺に位置する画素の色とを比較する(S105)。
【0032】
再現後の画素の色とその周辺に位置する画素の色とが同一の場合は,原画の画素の周辺に位置する他の画素を取り出し(S103),同様に原画の画素の色と,その周辺に位置する新たに取り出された画素の色とを比較する(S104)。
【0033】
一方,ステップS105において,再現後の画素の色とその周辺に位置する画素の色とが異なると判定された場合は,疑似階調の小計値を1加算する(S106)。すなわち,原画の画素とその周辺の画素の一つの色が同一であるにも拘わらず,再現後の画素とその周辺の画素の一つの色が異なる場合には,元々なかった色の階調が色再現後に形成されてしまった,換言すれば,疑似階調が発生したという判定がなされる。そして,この疑似階調の小計値は,後述する疑似階調の有無を判定する際の判定基準として利用される。
【0034】
ステップS104において,原画の画素の色とその周辺に位置する画素の色とが異なると判定された場合は,ステップS105と同様に,再現後の画素の色とその周辺に位置する画素の色とを比較する(S107)。
【0035】
再現後の画素の色とその周辺に位置する画素の色とが同一の場合は,階調つぶれの小計値を1加算する(S108)。すなわち,原画の画素とその周辺に位置する画素の一つの色が異なるにもかかわらず,再現後の画素とその周辺に位置する画素の一つが同一である場合には,元々あった色の階調が再現後につぶれてしまった,換言すれば,階調つぶれが発生したという判定がなされることになる。そして,この階調つぶれの小計値は,後述する階調つぶれの有無を判定する際の判定基準として利用される。
【0036】
一方,ステップS107において,再現後の画素の色とその周辺に位置する画素の色とが異なるという判定がなされた場合は,ステップS103に戻り,原画の画素の周辺に位置する次の画素を取り出し,同様に原画の画素の色と新たに取り出された周辺に位置する画素の色とを比較する(S104)。
【0037】
以上説明したステップS103〜S108を,ステップS101において取り出された画素の周辺に位置する全ての画素について実行し,これらのステップの終了後,取り出された画素に階調つぶれや疑似階調の発生の可能性が判定される。
【0038】
そして,ステップS109において,階調つぶれの発生の有無が判定される。階調つぶれの発生の有無の判定に際しては,例えば,ステップS108において加算された階調つぶれの小計値が所定の基準値以上であれば,検査対象である画素に階調つぶれが発生している可能性があると判断される。
【0039】
ステップS109において,階調つぶれが発生している可能性がないと判定された場合は,疑似階調の発生の有無が判断される(S110)。この疑似階調の発生の有無の判定に際しても,階調つぶれの有無の判定と同様に,例えば,ステップS106において加算された疑似階調の小計値が所定の基準値以上であれば,検査対象である画素に疑似階調が発生している可能性があると判定される。
【0040】
ステップS110において,疑似階調が発生している可能性がないと判断された場合は,ステップS101に戻り,検査の終了した画素の次の画素を,原画と再現後の画像から取り出して前述した検査を行う。
【0041】
一方,ステップS109において,階調つぶれの小計値が所定の基準値以上である場合は,階調つぶれが発生している可能性があると判定され,階調つぶれの累計値が1加算される(S111)。この累計値は,例えば階調つぶれが発生している可能性のある画素をカウントするために使用される。この判定後,疑似階調の有無を判断するステップS110に移る。
【0042】
ステップS110において,疑似階調の小計値が所定の基準値以上である場合は,疑似階調が発生している可能性があると判定され,疑似階調の累計値が1加算される(S112)。この累計値は,例えば,疑似階調が発生している可能性のある画素をカウントするために使用される。ステップS112の処理が終了すると,再びステップS101に戻り,他の画素について前述した検査が行われる。
【0043】
このように,原画と再現後の画像から対応する画素をそれぞれ取り出し,全ての画素について前述した検査を繰り返し,全ての画素について検査が終了した時点でこの検査は終了する。図1に示された画素を単位とした階調つぶれや疑似階調の発生の可能性の判定方法においては,ステップS104〜S108で,色再現に伴う問題発生の可能性の判定の準備が行われ,ステップS109〜S112において,ステップS104〜S108における結果を基準として,色再現に伴う問題発生の可能性の判定を行うことが特徴である。そして,この方法により,色再現処理に伴う問題が発生している可能性を検知することが可能となる。
【0044】
図1に基づいて説明した色再現検査方法により,異なるデバイス間でカラー画像を移転する場合の色再現に伴う問題,即ち,色再現後の画像に階調つぶれや疑似階調の発生の可能性があるか否かの判定が可能となる。しかしながら,それらが目立つ問題であるのか,あるいはノイズとして認識され,実際上大きな問題とならないのかについて判断するには十分ではない。そこで,以下に,色再現後の画像に,色再現に伴う問題が集中している場所があるかどうかを検査し,色再現に伴う問題の有無を判定する方法を説明する。
【0045】
図2は,以下に説明する色再現に伴う『階調つぶれ』や『疑似階調』等の問題の発生を検出する方法の原理を示す説明図である。図2において,(A)は,画像を画素毎に分割し,画素を単位とした最小ブロックによって画像を分割したものである。(B)は,複数個の画素(最小ブロック)を一つにまとめ,これを一つのブロックとして,このブロック毎に画像を分割したものである。(C)は,更に,複数個のブロック(B)を一つにまとめ,これを新たなブロックとして,画像をブロック毎に分割したものである。
【0046】
以下に説明する色再現検査方法は,このブロックを単位として階調つぶれや疑似階調の発生の可能性を判定するというものである。すなわち,検査においては,最小ブロックからスタートして,最小ブロックに色再現に伴う問題が発生しているか判断し,検査終了後の複数の最小ブロックを一つのブロックにまとめ,このブロックを単位として色再現に伴う問題が発生しているか判断する。この作業を人間が目で認識できる程度のブロック(最終ブロック)になるまで繰り返し,この最終ブロックの検査結果を用いて,色再現後の画像について,色再現に伴う問題が発生しているか否かを最終的に判断すると共に問題が集中的に発生している場所を特定する。
【0047】
図3は,前述したブロックを単位として色再現に伴う問題の発生の有無を判定する方法を示すフローチャートである。まず,ステップS301において,画素毎(最小ブロック(A))に色再現に伴う問題が発生している可能性があるか否かを判定する。画素毎に色再現に伴う問題が発生しているか否かは,例えば前述した図1に示される色再現検査方法を利用して判定する。その結果,画像全体につき,画素(最小ブロック(A))を単位として色再現に伴う問題が判定される。
【0048】
次に,最小ブロック(A)を複数まとめてブロック(B)を形成し,画像をブロック(B)で分割する(S302)。なお,ブロックの大きさは,図2に示されるものに限られず,任意に設定可能である。
【0049】
そして,形成された各ブロックにおいて,色再現に伴う問題が発生している可能性があるか否かが判定される(S303)。判定手段としては,例えば,ブロック(B)を構成する最小ブロック(A)のステップS301における検査結果を用い,ブロック(B)中に色再現に伴う問題を有する最小ブロック(A)が含まれている割合を計算し,その計算結果が所定の基準値以上であればブロック(B)に色再現に伴う問題が発生している可能性があると判断するという方法を用いることができる。
【0050】
各ブロック(B)について前述の検査を行い,色再現に伴う問題が発生している可能性が高いか否かを記録する(S304)。
【0051】
次に,ステップS302に戻り,検査の終了した複数のブロック(B)をまとめてブロック(C)とし,各ブロック(C)についてブロック(B)と同様に色再現に伴う問題が発生している可能性があるか否かを判定し,記録する(S303〜S304)。すなわち,各ブロック(C)について,問題が発生している可能性のあるブロック(B)が含まれている割合を計算し,あらかじめ設定した所定の基準値と比較することによって各ブロック(C)に問題が発生している可能性を判定する。
【0052】
以上説明した,ブロックを形成して問題の発生を検査するという方法を,ブロックがある程度の大きさ(最終ブロック)になるまで繰り返す。ブロックがある程度の大きさになるとは,例えば,各ブロックが,人が識別できる程度に十分な大きさになるということである。
【0053】
最終的に,最終ブロックの検査結果を用いて色再現後の画像に色再現に伴う問題が発生している可能性があるか否かを判定する(S305)。例えば,色再現に伴う問題が発生している最終ブロックが画像中に存在している場合は,その画像には色再現に伴う問題が発生しているものと判定する。
【0054】
このように,画像をブロックを単位として分割し,そのブロック単位で色再現に伴う問題の発生を判定し,更に複数のブロックをまとめて新たなブロックを形成して色再現に伴う問題の発生を判定するという作業を最終ブロックまで繰り返すことにより,最終ブロックは人が認識できる程度の大きさであるため,色再現後の画像中に色再現に伴う問題が集中している場所を特定することができると共に,色再現に伴う問題の有無を判定することができる。
【0055】
更に,図4は,色再現処理(ガマット圧縮処理)において,色再現処理と,画像の範囲を限定して色再現に伴う問題の発生の可能性を検出することを並行して実行する方法を示すフローチャートである。なお,図4に示される方法には,既に図1〜図3を用いて説明した色再現検査方法を使用するため,ここではこれらに関する詳細な説明は省略する。
【0056】
図4に示される方法においては,図1に示す方法において原画と再現後の画像とを画素毎に処理する際,色再現処理を画素毎に行いつつ,図1で説明した色再現検査方法を実行する。加えて,色再現処理と色再現検査は,図3において説明した最終ブロック毎に行う。すなわち,一つの最終ブロックについて色再現処理が実行しつつ,その最終ブロックについて図3で説明した色再現検査方法を実行し,最終ブロックを単位として色再現に伴う問題が発生したか否かを判定する。
【0057】
まず,最終ブロックを規定し,その最終ブロックを構成する画素毎に色再現処理を実行する(S401)。そして,最終ブロック内の色再現処理が終了した画素について,色再現処理前と後の画像から対応する画素をそれぞれ取り出して(S402),原画の画素で使用されていた色と再現後の画素の色とを比較し,再現後の画素が異なる色の再現となっているか否かを判定する(S403)。
【0058】
ステップS403において,再現後の画素の色が原画の画素の色と同一の場合は,ステップS402に戻り,最終ブロック内の他の画素についても同様に原画で使用されていた色と再現後の色とを比較し,両者が同一か否かを判定する(S403)。
【0059】
一方,ステップS403において,原画の画素の色と再現後の画素の色とが異なる場合は,原画の画素の全ての周辺の画素の色について以下の処理を行う。
【0060】
まず,原画の画素の周辺に位置する画素の一つを取り出し(S404),原画の画素の色とその周辺に位置する画素の色とが異なっているか否かを判定する(S405)。原画の画素の色とその周辺に位置する画素の色が同一の場合は,更に再現後の画素の色と再現後の画素の周辺に位置する画素の色とを比較する(S406)。
【0061】
再現後の画素の色とその周辺に位置する画素の色とが同一の場合は,ステップS404に戻って原画の画素の周辺に位置する他の画素を取り出し,同様に原画の画素の色と新たに取り出された周辺に位置する画素の色とを比較する(S405)。
【0062】
またステップS406において,再現後の画素の色とその周辺に位置する画素の色とが異なる場合は,疑似階調の小計値を1加算し(S407),この疑似階調の小計値を,後述する疑似階調の発生の有無を判定する際の判定基準として利用する。
【0063】
ステップS405において,原画の画素の色とその周辺に位置する画素の色とが異なると判定された場合,ステップS406と同様に再現後の画素の色とその周辺に位置する画素の色とを比較する(S408)。
【0064】
ステップS408において,再現後の画素の色とその周辺に位置する画その色とが同一の場合は階調つぶれの小計値を1加算し(S409),この階調つぶれの小計値を後述する階調つぶれの発生の有無を判定する際の判定基準として利用する。
【0065】
一方,再現後の画素の色とその周辺に位置する画素の色とが異なる場合は,ステップS404に戻って最終ブロック内における原画の画素の周辺に位置する他の画素を取り出し,同様に原画の画素の色と新たに取り出された周辺に位置する画素の色とを比較する(S405)。
【0066】
以上説明したステップS404〜S409を,ステップS402において取り出された画素の周辺に位置する全ての画素について実行し,これらのステップの終了後,取り出された画素に階調つぶれや疑似階調が発生している可能性が判定される。
【0067】
そして,ステップS410において階調つぶれの有無が判定される。階調つぶれの有無の判定に際しては,例えばステップS409において加算された階調つぶれの小計値が所定の基準値以上であれば,検査対象である画素に階調つぶれが発生している可能性があると判断される。
【0068】
階調つぶれが発生している可能性がないと判断された場合は,疑似階調の有無が判断される(S411)。この疑似階調の有無の判断に際しても,階調つぶれの有無の判断と同様に,例えばステップS407において加算された疑似階調の小計値が所定の基準値以上であれば,検査対象である画素に疑似階調が発生している可能性があると判断される。
【0069】
ステップS411において疑似階調が発生している可能性がないと判断された場合は,ステップS402に戻り,検査対象となっている最終ブロック内の他の画素について,前述した検査を実行する。
【0070】
一方,ステップS410において階調つぶれの小計値が所定の基準値以上である場合は,階調つぶれが発生している可能性があると判定され,階調つぶれの累計値が1加算される(S412)。この累計値は,例えば階調つぶれが発生している可能性のある画素をカウントするために使用される。この判定後,疑似階調の有無を判断するステップS411に移る。
【0071】
ステップS411において,疑似階調の小計値が所定の基準値以上である場合は,疑似階調が発生している可能性があると判定され,疑似階調の累計値が1加算される(S413)。この累計値は,例えば疑似階調が発生している可能性のある画素をカウントするために使用される。
【0072】
ステップS413の処理が終了すると,最終ブロック内の他の画素について同様の検査が実行される(S402)。
【0073】
最終ブロック内の全ての画素について前述のステップS402〜S413の処理が終了した場合,色再現検査の処理はステップS414に移る。
【0074】
ステップS414において,最終ブロック内の複数の画素をまとめて複数のブロックを形成する。ここでは,例えば図2に示された複数のブロック(B)が最終ブロック内に形成されたものとする。
【0075】
次に,各ブロック(B)について色再現に伴う問題が発生しているか否かをを判定する(S415)。判定手段としては,例えばブロック(B)を構成する画素についてのステップS410及びS411における検査結果を用い,ブロック(B)中に色再現に伴う問題を有する画素が含まれている割合を計算し,その計算結果が所定の基準値以上であれば,ブロック(B)に色再現に伴う問題が発生している可能性があると判断するという方法を用いることができる。
【0076】
各ブロック(B)について前述の検査を行い,色再現に伴う問題が発生している可能性が高いか否かを記録する(S416)。
【0077】
次に,ステップS414に戻り,検査の終了した複数のブロック(B)をまとめて,例えば図2に示されるブロック(C)を形成し,各ブロック(C)についてブロック(B)と同様に色再現に伴う問題が発生している可能性があるか否かを判定し,記録する(S415及びS416)。すなわち,各ブロック(C)について問題が発生している可能性のあるブロック(B)が含まれている割合を計算し,所定の基準値と比較することによって各ブロック(C)に問題が発生している可能性を判定する。
【0078】
以上説明した,ブロックを形成して問題の発生を検査するという方法をブロックが最終ブロックになるまで繰り返す。
【0079】
そして,最終ブロックの検査結果を用いて色再現に伴う問題が発生している可能性があるか否かを判定する(S417)。例えば,色再現に伴う問題が発生している最終ブロックが画像中に存在している場合は,その画像には色再現に伴う問題が発生しているものと判定する。
【0080】
このように一つの最終ブロックの検査が終了すると,他の最終ブロックを構成する画素について色再現処理が実行されると共に他の最終ブロックについて,同様に色再現検査処理が行われる(S401)。そして,画像内の全ての最終ブロックについて色再現処理及び色再現検査処理が行われ,図4に示される方法の実行を終了する。
【0081】
この図4に示された方法によれば,画像を最終ブロックに分割することによって,色再現処理及び色再現検査処理を同時に実行することができ,色再現検査を高速に行うことが可能となる。
【0082】
次に,図1〜図4に基づいて説明した色再現検査方法を,色再現処理装置において適用する場合について説明する。
【0083】
図5は,本発明の色再現検査方法を利用した色再現処理装置の一例を示すブロック図である。図4に示された色再現処理装置502は,入力装置501からあるカラー入力画像データ(原画)が入力され,色を再現してカラー出力画像データ(色再現後画像)を出力装置505に出力する本発明の色再現処理手段としての色再現処理部503と,色再現処理部503によって再現されたカラー出力画像データ(色再現後画像)が入力され,色再現後画像に色再現に伴う問題が発生しているか否かを検出し,その結果を出力する本発明の検出処理手段としての検出処理部504とを備えている。
【0084】
この図5に示された色再現処理装置502において,本発明の色再現検査方法は,以下のように使用される。
【0085】
まず,入力装置501から原画が色再現処理部503に入力されると共に,検出部504にも入力される。色再現処理部503は,入力された原画に基づき色再現処理を行い,色再現処理後の画像を出力装置505及び検出処理部504に出力する。出力装置505は,色再現後の画像を出力する。
【0086】
ここで,検出処理部504は,入力された原画及び色再現後画像を所定のメモリ等に一時記憶した後,図1において既に説明した色再現検査方法を実行し,色再現処理後画像に色再現に伴う問題が発生しているか否かについて検出した結果を出力する。なお,検出結果の出力方法としては,色再現に伴う問題が発生している場合に警告音を発する方法や,ディスプレイ等に表示する方法等,いかなる方法をも用いることができる。また,検出処理部504における色再現に伴う問題の検出には,図1の色再現検査方法に限らず,図3及び図4で説明した色再現検査方法を用いても良い。
【0087】
この図5に示された色再現処理装置により,色再現処理を行うと共に,色再現処理に伴う問題の発生を自動的に検査することが可能となる。
【0088】
図6は,色再現処理(ガマット圧縮処理)において,色再現に伴う問題の発生を自動検出する方法を利用して,最適の色再現方法を選択することを可能にした色再現処理装置のブロック図である。
【0089】
この図6の色再現処理装置602は,入力装置601からあるカラー入力画像データ(原画)が入力され,色を再現してカラー出力画像データ(色再現後画像)を,例えば,メモリ(図示せず)等に出力する本発明の色再現処理手段としての色再現処理部603,605及び607と,色再現処理部603,605及び607によって再現されたカラー出力画像データ(色再現後画像)が入力され,色再現後画像に色再現に伴う問題が発生しているか否かを検出し,その結果を出力する本発明の検出処理手段としての検出処理部604,606及び608との組み合わせを複数備えると共に,各検出処理部604,606及び608の検出結果が入力され,色再現に伴う問題発生の可能性の少ない色再現方法を選択する本発明の選択手段としての検出結果比較部609とを備えている。
【0090】
なお,複数の色再現処理部603,605及び607は,予めそれぞれ異なった色再現処理のパラメータ(ガマット圧縮処理の際のパラメータ)が与えられており,従って本装置においては色再現処理のパラメータが異なった複数の個の色再現後画像が形成され,メモリ等に一時保存されることになる。
【0091】
次に,この図6に示された色再現処理装置602における色再現検査方法を説明する。
【0092】
まず,入力装置601から原画が複数の色再現処理部603,605及び607に入力されると共に,複数の検出処理部604,606及び608にもそれぞれ入力される。色再現処理部603,605及び607は,予め与えられた色再現処理のパラメータに従って入力された原画について色再現処理を行い,色再現処理後の画像を図示しないメモリ等に出力し,かつ,それぞれに接続された検出処理部604,606及び607に色再現後画像を出力する。
【0093】
検出処理部604,606及び608は,入力された原画及び色再現後画像を所定のメモリ等に一時記憶した後,図1において既に説明した色再現検査方法を実行し,色再現処理後画像に色再現に伴う問題が発生しているか否かを検出し,その結果を検出結果比較部609に出力する。なお,検出処理部604,606及び608における色再現に伴う問題の検出には,図1の色再現検査方法に限らず,図3及び図4で説明した色再現検査方法を用いても良い。
【0094】
検出結果比較部609は,検出処理部604,606及び608から入力された色再現に伴う問題の発生の可能性の大小を比較し,色再現に伴う問題の発生の可能性が最も小さい画像を選択する。そして,検出結果比較部609は,出力装置(図示せず)に出力する画像を選択する出力画像選択信号を出力し,選択された画像が予め記憶されていたメモリから呼び出され,その画像が出力装置によって出力される。
【0095】
なお,色再現に伴う問題の発生を自動検出する色再現検査方法を利用して,最適の色再現方法を選択することを特徴とする色再現処理方法は,この図6に示される装置による例に限られない。例えば,順次色再現処理を実行した後で,色再現に伴う問題の発生を自動検出し,問題があるようであれば,次の色再現方法を実行し,問題がなくなったところで終了するという方法等が考えられる。
【0096】
図7は,色再現処理(ガマット圧縮処理)において,色再現に伴う問題の発生を自動検出する際,検査対象の画像の範囲(大きさ)を限定することができる色再現処理装置の構成を示すブロック図である。
【0097】
図7に示された色再現処理装置は,入力装置701からあるカラー入力画像データ(原画)が入力され,色を再現してカラー出力画像データ(色再現後画像)を出力装置705に出力すると共に色再現後の画像の一部を抽出して出力する本発明の色再現処理手段としての色再現処理部703と,色再現処理部703によって一部が抽出された色再現後画像が入力され,色再現後画像に色再現に伴う問題が発生しているか否かを検出し,その結果を出力する本発明の検出処理手段としての検出処理部704とを備えている。
【0098】
この色再現処理装置702において,本発明の色再現検査方法は,以下のように使用される。
【0099】
まず,入力装置701から原画が色再現処理部703に入力されると共に検出処理部704にも入力される。色再現処理部703は,入力された原画に基づき色再現処理を行い,色再現処理後の画像を出力装置705に出力し,かつ,予め指定された検査対象範囲となる色再現処理後の画像の一部を抽出して検出処理部704に出力する。出力手段705は色再現後の画像を出力する。
【0100】
ここで,検出処理部704は,入力された原画及び色再現後画像を所定のメモリ等に一時記憶した後,図1において既に説明した色再現検査方法を実行し,検査対象として限定された色再現処理後画像に色再現に伴う問題が発生しているか否かについて検出した結果を出力する。なお,検出結果の出力方法としては,色再現に伴う問題が発生している場合に警告音を発する方法やディスプレイ等に表示する方法等,いかなる方法をも用いることができる。また,検出処理部704における色再現に伴う問題の検出には,図1の色再現検査方法に限らず,図3及び図4で説明した色再現検査方法を用いても良い。
【0101】
このように,色再現検査対象を一部に限定することにより,より高速に色再現に伴う問題の発生の可能性を検査することが可能となる。
【0102】
なお,本色再現処理手段703のような,色再現後画像の一部を抽出する機能を図6に示した色再現処理部602に持たせることにより,図6に示された色再現処理装置602においても予め検査範囲を指定することにより,限定された範囲で色再現検査を実行することができる。
【0103】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明に係る色再現検査方法(請求項1)によれば,階調つぶれや疑似階調の発生の有無が判定された複数の画素をまとめて画像内に複数のブロックを形成し,画素に対する階調つぶれや疑似階調の発生の判定結果に基づいて,複数のブロック単位で階調つぶれや疑似階調が発生しているか否かを判定し,ブロックが所定の大きさのブロックに形成されるまで,複数のブロックをまとめてブロック単位での階調つぶれや疑似階調が発生しているか否かの判定を繰り返し,色再現処理後の画像に階調つぶれや疑似階調が発生しているか否かを判定すると共に,階調つぶれや疑似階調が集中して発生している場所を特定することにより,色再現処理に伴う問題が発生している可能性を容易にか つ精度良く検出することができ,また,自動的にこれを検出することができる。
【0104】
また,本発明に係る色再現検査方法(請求項2)によれば,第1のステップによって,色再現処理前の画像と色再現処理後の画像とから画素毎に階調つぶれ又は疑似階調の発生の有無を判定し,第2のステップによって,第1のステップで階調つぶれ又は疑似階調の発生の有無を判定された複数の画素をまとめてブロックを形成し,第3のステップによって,第2のステップで形成されたブロックに含まれる階調つぶれ又は疑似階調の発生の有無を判定された画素によって当該ブロックの階調つぶれ又は疑似階調の発生の有無を判断し,第4のステップによって,ブロックが所定の大きさに形成されるまで,複数の前記ブロックをまとめて新たなブロックを形成し,形成された当該ブロック単位で階調つぶれや疑似階調の発生の有無を判定し,第5のステップによって,第4のステップによって所定の大きさに形成されたブロックにおいて階調つぶれや疑似階調が発生していると判定された場合に,色再現処理後の画像に階調つぶれや疑似階調が発生していると判定することにより,色再現処理に伴う問題が発生している可能性を容易にかつ精度良く検出することができ,また,自動的にこれを検出することができる。
【0105】
また,本発明に係る色再現検査方法(請求項3)によれば,第3のステップは,さらにブロックに第1のステップによって階調つぶれ又は疑似階調の発生があると判定された画素が所定の値以上含まれる場合に,ブロックは階調つぶれ又は疑似階調の発生が有ると判定することにより,色再現処理に伴う問題が発生している可能性を容易にかつ精度良く検出することができ,また,自動的にこれを検出することができる。
【0106】
また,本発明に係る色再現検査方法(請求項4)によれば,第4のステップは,さらにブロックに階調つぶれ又は疑似階調の発生があると判定された前記ブロックが所定の値以上含まれる場合に,複数のブロックをまとめた新たなブロックは階調つぶれ又は疑似階調の発生が有ると判定することにより,色再現に伴う問題が発生している可能性を容易にかつ精度良く検出することができると共に,自動的にこれらを検出することができる。
【0107】
また,本発明に係る色再現検査方法(請求項5)によれば,着目画素取り出しステップによって,色再現処理前と色再現処理後との画像から対応する画素を着目画素として順次取り出し,同一色判定ステップによって,色再現処理前の着目画素と色再現処理後の着目画素との色差が所定の値以上であるか否かにより色再現処理前の着目画素と色再現処理後の着目画素とが同一色であるか否かを判定し,同一色判定ステップにおいて色再現処理前の着目画素と色再現処理後の着目画素とが同一色でないと判定された場合に,色再現処理前の着目画素の色と色再現処理前の着目画素の周辺に位置する各画素の色とを比較し,色再現処理前の着目画素の色と色再現処理前の着目画素の周辺の画素の色とが異なる場合,取り出された色再現処理後の着目画素と色再現処理後の着目画素の周辺に位置する各画素の色とを比較して,これらが同一の場合には着目画素に階調つぶれ有りと判定し,色再現処理前の着目画素の色と色再現処理前の着目画素の周辺の画素の色とが同一の場合,取り出された色再現処理後の着目画素と色再現処理後の着目画素の周辺に位置する画素の色とを比較して,これらが異なる場合には着目画素に疑似階調有りと判定するのとにより,色再現に伴う問題が発生している可能性を容易にかつ精度良く検出することができると共に,自動的にこれらを検出することができる。
【0108】
また,本発明に係る色再現検査方法(請求項6)によれば,第5のステップにおいて,階調つぶれや疑似階調が発生していると判定された場合に,その旨を表示することにより,色再現性の良さの尺度を知ることができる。
【0109】
また,本発明に係る色再現検査方法(請求項7)によれば,検査対象である画像の範囲を限定して,階調つぶれや疑似階調の発生を判定することにより,高速に原稿に忠実な色 再現処理を可能とし,より高品位のカラー画像を得ることができる。
【0110】
また,本発明に係る色再現検査方法(請求項8)によれば,複数の色再現処理を異なるパラメータの下で実行し,色再現処理後の画像のそれぞれについて,請求項7に記載の色再現検査方法によって階調つぶれや疑似階調が発生しているか否かを判定し,階調つぶれや疑似階調の発生度合いが最小の色再現処理を選択することにより,高速に原稿に忠実な色再現処理を可能とし,より高品位のカラー画像を得ることができる。
【0111】
更に,本発明に係る色再現処理装置(請求項9)によれば,第1の手段によって,色再現処理前の画像と色再現処理後の画像とから画素毎に階調つぶれ又は疑似階調の発生の有無を判定し,第2の手段によって,第1の手段で階調つぶれ又は疑似階調の発生の有無を判定された複数の画素をまとめてブロックを形成し,第3の手段によって,第2の手段で形成されたブロックに含まれる階調つぶれ又は疑似階調の発生の有無を判定された画素によって当該ブロックの階調つぶれ又は疑似階調の発生の有無を判断し,第4の手段によって,ブロックが所定の大きさに形成されるまで,複数のブロックをまとめて新たなブロックを形成し,形成された当該ブロック単位で階調つぶれや疑似階調の発生の有無を判定し,第5の手段によって,第4の手段によって所定の大きさに形成されたブロックにおいて階調つぶれや疑似階調が発生していると判定された場合に,色再現処理後の画像に階調つぶれや疑似階調が発生していると判定することにより,色再現処理に伴う問題が発生している可能性を容易にかつ精度良く検出することができ,また,自動的にこれを検出することができる。
【0112】
また,本発明に係る色再現処理装置(請求項10)によれば,表示手段によって,階調つぶれや疑似階調が発生していると判定された場合に,その旨を表示することにより,色再現性の良さの尺度を知ることができる。
【0113】
また,本発明に係る色再現処理装置(請求項11)によれば,限定手段によって,検査対象である画像の範囲を限定することにより,高速に原稿に忠実な色再現処理を可能とし,より高品位のカラー画像を得ることができる。
【0114】
また,本発明に係る色再現処理装置(請求項12)によれば,選択手段によって,階調つぶれや疑似階調の発生度合いが最小の色再現処理を選択し,選択手段は,請求項9〜11に記載の色再現検査装置により,色再現処理後の画像の階調つぶれや疑似階調の発生度合いを検査することにより,色再現処理に伴う問題が発生している可能性を容易にかつ精度良く検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る色再現検査方法を示すフローチャートである。
【図2】 本発明に係る色再現検査方法の原理を示す説明図である。
【図3】 本発明に係る色再現検査方法を示すフローチャートである。
【図4】 本発明に係る色再現検査方法を示すフローチャートである。
【図5】 本発明に係る色再現検査方法を実行するための装置を示すブロック図である。
【図6】 本発明に係る色再現検査方法を実行するための装置を示すブロック図である。
【図7】 本発明に係る色再現検査方法を実行するための装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
501,601,701 入力装置
502,602,702 色再現処理装置
503,603,605,607,703 色再現処理部
504,604,606,608,704 検出処理部
505,705 出力装置
609 検出結果比較部
Claims (12)
- 画素毎に再現前後の色が同じように見える色であるかどうかを比較する手段を用いて再現後の画素の色つぶれが起こっているか否かを判定する色再現検査方法であって,
階調つぶれや疑似階調の発生の有無が判定された複数の画素をまとめて画像内に複数のブロックを形成し,
前記画素に対する階調つぶれや疑似階調の発生の判定結果に基づいて,複数のブロック単位で階調つぶれや疑似階調が発生しているか否かを判定し,
前記ブロックが所定の大きさのブロックに形成されるまで,複数のブロックをまとめてブロック単位での階調つぶれや疑似階調が発生しているか否かの判定を繰り返し,色再現処理後の画像に階調つぶれや疑似階調が発生しているか否かを判定すると共に,階調つぶれや疑似階調が集中して発生している場所を特定すること,
を特徴とする色再現検査方法。 - 色再現処理前の画像と色再現処理後の画像とから画素毎に階調つぶれ又は疑似階調の発生の有無を判定する第1のステップと,
前記第1のステップで階調つぶれ又は疑似階調の発生の有無を判定された複数の前記画素をまとめてブロックを形成する第2のステップと,
前記第2のステップで形成された前記ブロックに含まれる階調つぶれ又は疑似階調の発生の有無を判定された前記画素によって当該ブロックの階調つぶれ又は疑似階調の発生の有無を判断する第3のステップと,
前記ブロックが所定の大きさに形成されるまで,複数の前記ブロックをまとめて新たなブロックを形成し,形成された当該ブロック単位で階調つぶれや疑似階調の発生の有無を判定する第4のステップと,
前記第4のステップによって所定の大きさに形成された前記ブロックにおいて階調つぶれや疑似階調が発生していると判定された場合に,前記色再現処理後の画像に階調つぶれや疑似階調が発生していると判定する第5のステップと,
を備えることを特徴とする色再現検査方法。 - 前記第3のステップは,さらに前記ブロックに前記第1のステップによって階調つぶれ又は疑似階調の発生があると判定された前記画素が所定の値以上含まれる場合に,前記ブロックは階調つぶれ又は疑似階調の発生が有ると判定することを特徴とする請求項2に記載の色再現検査方法。
- 前記第4のステップは,さらに前記ブロックに階調つぶれ又は疑似階調の発生があると判定された前記ブロックが所定の値以上含まれる場合に,複数の前記ブロックをまとめた新たなブロックは階調つぶれ又は疑似階調の発生が有ると判定することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の色再現検査方法。
- 前記第1のステップは,色再現処理前と色再現処理後との画像から対応する画素を着目画素として順次取り出す着目画素取り出しステップと,
前記色再現処理前の着目画素と前記色再現処理後の着目画素との色差が所定の値以上であるか否かにより前記色再現処理前の着目画素と前記色再現処理後の着目画素とが同一色であるか否かを判定する同一色判定ステップと,
前記同一色判定ステップにおいて前記色再現処理前の着目画素と前記色再現処理後の着目画素とが同一色でないと判定された場合に,前記色再現処理前の着目画素の色と前記色再現処理前の着目画素の周辺に位置する各画素の色とを比較し,
前記色再現処理前の着目画素の色と前記色再現処理前の着目画素の周辺の画素の色とが異なる場合,前記取り出された色再現処理後の着目画素と前記色再現処理後の着目画素の周辺に位置する各画素の色とを比較して,これらが同一の場合には着目画素に階調つぶれ有りと判定し,
前記色再現処理前の着目画素の色と前記色再現処理前の着目画素の周辺の画素の色とが 同一の場合,前記取り出された色再現処理後の着目画素と前記色再現処理後の着目画素の周辺に位置する画素の色とを比較して,これらが異なる場合には着目画素に疑似階調有りと判定することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載の色再現検査方法。 - 前記第5のステップにおいて,階調つぶれや疑似階調が発生していると判定された場合に,その旨を表示することを特徴とする請求項2〜5のいずれか1つに記載の色再現検査方法。
- 検査対象である画像の範囲を限定して,階調つぶれや疑似階調の発生を判定することを特徴とする請求項2〜6のいずれか1つに記載の色再現検査方法。
- 複数の色再現処理を異なるパラメータの下で実行し,前記色再現処理後の画像のそれぞれについて,請求項7に記載の色再現検査方法によって階調つぶれや疑似階調が発生しているか否かを判定し,階調つぶれや疑似階調の発生度合いが最小の前記色再現処理を選択することを特徴とする色再現処理方法。
- 色再現処理前の画像と色再現処理後の画像とから画素毎に階調つぶれ又は疑似階調の発生の有無を判定する第1の手段と,
前記第1の手段で階調つぶれ又は疑似階調の発生の有無を判定された複数の前記画素をまとめてブロックを形成する第2の手段と,
前記第2の手段で形成された前記ブロックに含まれる階調つぶれ又は疑似階調の発生の有無を判定された前記画素によって当該ブロックの階調つぶれ又は疑似階調の発生の有無を判断する第3の手段と,
前記ブロックが所定の大きさに形成されるまで,複数の前記ブロックをまとめて新たなブロックを形成し,形成された当該ブロック単位で階調つぶれや疑似階調の発生の有無を判定する第4の手段と,
前記第4の手段によって所定の大きさに形成された前記ブロックにおいて階調つぶれや疑似階調が発生していると判定された場合に,前記色再現処理後の画像に階調つぶれや疑似階調が発生していると判定する第5の手段と,
を備えることを特徴とする色再現検査装置。 - 前記第5の手段において,階調つぶれや疑似階調が発生していると判定された場合に,その旨を表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項9に記載の色再現検査装置。
- 検査対象である画像の範囲を限定する限定手段を備えることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の色再現検査装置。
- 色再現処理を異なるパラメータの下で実行し色再現処理後の画像を得る複数の色再現処理手段と,
階調つぶれや疑似階調の発生度合いが最小の前記色再現処理を選択する選択手段と,を備え,
前記選択手段は,請求項9〜11に記載の色再現検査装置により,前記色再現処理後の画像の階調つぶれや疑似階調の発生度合いを検査することを特徴とする色再現処理装置。
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