JP3655554B2 - リングバインダ - Google Patents

Description

【０００１】
本願は、その全体の内容が参考用に本明細書中に組込まれている２０００年３月３１日提出の米国出願第０９／５３９，７１２号の一部継続出願である。
【０００２】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リングバインダのリングを開閉するための改良された作動レバーを有するリングバインダ、特に、作動レバーの触覚特性を改良するクッション部材を有する作動レバーに関する。
【０００３】
【従来の技術】
互いに枢動可能な1対の回動リーフを支えるほぼ剛性の上板を有するリングバインダが知られている。多数のハーフリングが、回動リーフのそれぞれに取付けられ、回動リーフの枢動により、ハーフリングはスナップ動で開閉される。この動作は、リングバインダの各端部に配置された作動レバーの動きにより形成される。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
通常の作動レバーは、一般的に、リングを開閉するのに必要な力を伝える十分な剛性を有する打抜き加工された金属から形成される。しかし、スナップ作用は、不所望な衝撃力を形成し、この衝撃力は、使用者の指に伝えられる。また、作動レバーは、一般的にニッケルメッキされた金属から形成されるため、作動レバーは、滑りやすくなり、使用者の指を作動レバーから滑り落とさせ、その結果、使用者を傷つける可能性がある。更に、通常の作動レバーは、作動レバーを剛性化しかつ補強するために、周部の大部分の周りに外方に曲げられたリップ部を有する。リップ部のこの縁部は、鋭利で、かつ、リングを閉じようとするときに、指で押圧するのに不快であることがある。
【０００５】
米国特許第５２３４２７６号明細書に開示されているように、作動レバー用カバーを設ける１の試みがなされた。このカバーの目的は、金属製作動レバーをバインダの操作者の指上でより容易にし、および／または、より大きなてこ作用による力が得られるように作動レバーをより長くすることである。このカバーは、ヒンジ止めされた２つのプラスチック片から形成され、これらのプラスチック片は、一体にスナップ作用して作動レバーを完全に収容する。残念ながら、プラスチックカバー、特に、２つの半片を一体に保持する非常に小さな連結スタッドが、破損しやすい。ヒンジは、特にコーナー部で鋭利な縁部を形成し、嵌合する半片間の合せ目は、ごみと埃とを集めることがある。また、ヒンジは、破損を受けやすい。更に、カバーは剛性で、大きく、かつ、がさばり、作動レバーのほぼ３倍の大きさであり、その結果、外観が悪くなる。
【０００６】
使用するのに快適でかつ滑りを防止し、リングを開閉するときのリングのスナップ作用で生じる不所望な衝撃力の伝達を最小とする作動レバーを有するリングバインダが当該技術分野において必要とされている。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一対の回動リーフを支えるほぼ剛性の湾曲した上板を含むリングバインダを提供することにより、当該技術分野における上述の必要性を満たす。複数のリング部材が、回動リーフに固着され、リングバインダで保持された材料シートの対応する孔に係合する。作動レバーが、湾曲した上板の各端部に配置され、回動リーフを作動してリング部材を開閉する。
【０００８】
各作動レバーは、クッション部材を有するタブを含む。タブは、孔と、凸状に湾曲した上縁部および一対の凹状に湾曲した側縁部を含む湾曲した周縁部とを有する。クッション部材は、クッション材料が孔内に延び、クッション部材をタブ上に固定するように、例えば、モールディングにより、タブ上に形成される。更に、クッション材料は、タブの湾曲した周縁部、特に、タブの凹状に湾曲した側縁部を囲み、クッション部材をタブ上で固定するのをさらに助ける。
【０００９】
クッション部材は、使用者の指に係合し、作動レバーを枢動してリング部材を開位置と閉位置との間で移動させる。クッション部材は、ゴムあるいは軟質プラスチックのような弾性材料の柔らかいパッドである。クッション部材は、作動レバーに改良された触覚特性を提供し、作動レバーの使用を快適にする。また、クッション部材は、リングを開閉するときに、リングのスナップ作用で形成される不所望な衝撃力の伝達を最小とする。
【００１０】
本発明の適用性の他の範囲は、以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。しかし、本発明の精神及び範囲内の種々の変更および修正がこの詳細な説明から当業者に明らかであるので、本発明の好ましい実施形態を示す詳細な説明および特定の実施形態は、単なる例示であることが理解されるべきである。
【００１１】
本発明は、以下の詳細な説明と、単なる例示であり、本発明を制限するものではない添付図面とからより十分に理解されるであろう。
【００１２】
【発明の実施の形態】
図面、特に、図１から４を詳細に参照すると、本発明のリングバインダが示されている。リングバインダ１０は、カバー部材（図示せず）に固着可能で、ルーズリーフバインダを形成する。カバー部材は、カバー部材の前面カバーと背面カバーとの間に配置された背を含むのが好ましい。リングバインダ１０は、カバー部材を挿通し、例えば、打抜きで、変形されてリングバインダ１０をカバー部材に確実かつ永続的に固定する、例えば、リベットのような通常のファスナでカバー部材に取付けることができる。
【００１３】
リングバインダ１０は、ほぼ剛性の湾曲した上板１２を含む。この湾曲した上板１２は、そのセンターに沿って長手方向に延びる第１補強リブ１４の対を含み、これらのリブは、湾曲した上板１２の外面から上方かつ外方に突出し、これにより、湾曲した上板１２の曲げに対する抵抗を増す。第１リブ１４は、湾曲した上板１２のほぼ全長に沿って一方の端部から他方の端部に延びる。湾曲した上板１２は、更に、第２リブ１６の複数対を含み、これらのリブは、湾曲した上板１２の外面から上方かつ外方に突出し、第１リブ１４の外側に配置される。
【００１４】
湾曲した上板１２は、更に、その各端部の近部に凹部１８を含む。各凹部１８は、湾曲した上板１２を挿通する孔２０を含む。円筒状ポスト２２が、凹部１８において湾曲した上板１２に取付けられる。円筒状ポスト２２の一方の端部が、例えば、押圧で孔２０内に固着される。円筒状ポスト２２の他方の端部は、カバーに取付けるためのリングバインダ１０のベースを形成するフランジ２４を有する。
【００１５】
１対の回動リーフ２６が、湾曲した上板１２で支えられる。湾曲した上板１２は、回動リーフ２６に付勢力を作用し、この結果、回動リーフ２６は、センターを越えた態様で移動する。複数のリング部材２８が、回動リーフ２６に固着され、リングバインダ１０で保持された材料シートの対応する孔に係合する。
【００１６】
作動レバー３０が、湾曲した上板１２の各端部に配置され、回動リーフ２６を作動してリング部材２８を開閉する。リングバイダ１０のリング部材２８が閉状態にあるときに、作動レバー３０の互いに離れる方向への動きは、回動リーフ２６の中央ヒンジ部３２を湾曲した上板１２に向けて移動させ、これにより、回動リーフ２６と共に移動するリング部材２８を開位置に移動させる。反対に、リングバイダ１０のリング部材２８が開状態にあるときに、作動レバー３０の互いに接近する方向への動きは、回動リーフ２６の中央ヒンジ部３２を湾曲した上板１２から離れる方向に移動させ、これにより、リング部材２８を閉位置に戻す。作動レバーを有する通常の開閉機構を含む公知のリングバインダが、その全内容が参考用に本明細書中に組込まれている米国特許第５３５４１４２号明細書に、より十分に開示されている。
【００１７】
次に図５から１０を参照すると、ニッケルメッキされた仕上げを有する金属から形成された本体３４を含む本発明の作動レバー３０が示されている。各作動レバー３０は、複数の補強リブ３６を含み、本体３４の剛性を増す。本体３４は、更に、対向側縁部に作動レバー３０の枢動軸を形成する溝３８の対を含む。本体３４の下部は、回動リーフ２６に係合しかつ移動させるフック部材４０を含む。本体３４の上部は、使用者の指に係合して溝３８で形成される枢動軸の周りに作動レバー３０を枢動させて、リングバインダ１０のリング部材２８を開閉させる部分である。
【００１８】
本体３４の上部は、孔４４を有するほぼ平坦なタブ４２を含む。タブ４２は、湾曲した周縁部を有し、この周縁部は、凸状に湾曲した上縁部４６と凹状に湾曲した側縁部４８の対とを含む。凹状に湾曲した側縁部４８の曲がりは、図５に示したように、凸状に湾曲した上縁部４６に滑らかに流れる。
【００１９】
次に、図７および８を参照すると、本発明のクッション部材５０が示されている。クッション部材５０は全体的にタブ４２を囲み、図７に示したように、わずかだけタブ４２より大きいことが好ましい。クッション部材５０はタブ４２を十分に覆う大きさで、その結果、使用者の指は、タブ４２に存在することがある粗い縁部に接触せず、その代わりに、クッション部材５０の柔らかい面に接触する。クッション部材５０は、プラスチック、ゴム、あるいはエラストマー材料から形成されるのが好ましい弾性材料の柔らかいパッドである。
【００２０】
クッション部材５０は、内面５２と外面５４とを有している。内面５２は、クッション部材５０がタブ４２上に設置されたときに、リング２８に最も近接した面を指し、外面５４は、クッション部材５０がタブ４２上に設置されたときに、リング２８から最も離れた面を指す。内面５２は、使用者の指に係合して、作動レバー３０を枢動し、リング部材２８を開位置に移動させ、外面５４は、使用者の指に係合して、作動レバー３０を枢動し、リング部材２８を閉位置に移動させる。凸状突出部５６が、クッション部材５０の内面５２上に配置され、クッション部材５０の外面５４は、凹状のくぼみ５８を有する。
【００２１】
図７，８，１０および１１に示す好ましい実態形態において、クッション部材５０はタブ４２にモールド成形され、クッション部材５０は単体の一体部材である。クッション部材５０をタブ４２上に形成するために、作動レバー３０はモールド成形機（図示せず）内に配置され、タブ４２は成形機の射出成形用金型内に収容される。成形機は、この後、プラスチックのような溶解されたクッション材料を金型内に射出し、その結果、クッション部材５０がタブ４２の周りにしっかりと形成される。
【００２２】
タブ４２は孔４４を有するため、クッション部材５０の材料は孔４４に流入し、図１１に示すように円形ダウェル形状のピン５９を形成し、クッション部材５０をタブ４２上で確実に保持する。更に、図７および８に示すように、クッション部材５０は、外方に湾曲した上壁６０と一対の内方に湾曲した側壁６２とを含む周壁を有し、その結果、クッション部材５０の周壁外形は全体的にタブ４２の周縁部４６、４８に追随しかつ覆う。クッション部材５０は、更にほぼ直線状の下壁６４を含む。
【００２３】
好ましい実態形態において、タブ４２の凹状に湾曲した側縁部４８間の最小幅の寸法は、好ましくは、タブの凸状に湾曲した上縁部４６の最大幅よりも小さく、タブ４２のくびれた首部を形成する。従って、クッション部材５０がタブ４２上に形成されたときに、内方に湾曲した側壁６２のクッション材料は、タブ４２のくびれた首部でタブ４２の凹状に湾曲した側縁部４８に対し配置され、クッション５０をタブ４２に固定するのを助ける。その代わりに、本発明は、くびれた首部と上述の寸法関係とを欠くタブ４２にも適用することができる。
【００２４】
クッション部材５０はプラスチックから形成されるのが好ましいが、ゴム、エラストマー、高密度発泡体、あるいはいずれかの好適なモールド成形可能な材料のようなクッション材料も使用可能であることが考えられる。また、クッション材料５０は、リングバインダ１０をカバー部材に、あるいは、ルーズリーフバインダ内に内包されたアイテムの対象に調和させるために、異なる色から形成することができる。
【００２５】
作動レバー３０の本体３４は、ニッケルメッキされた仕上げを有する打抜き成形された金属から形成されるが、本発明から逸脱することなく、プラスチックのような他の好適な強くかつ剛性の材料を用いることも可能である。
【００２６】
好ましい実施形態は、リングバインダ１０をカバー部材の背に取付けるものとして記載しているが、リングバインダは、その代わりに、前面カバーあるいは背面カバーに取付けることができることが理解されるべきである。また、３つのリング部材２８が図１から４に示されているが、いずれの数および配置のリング部材２８も用いることができることが理解されるべきである。例えば、２つあるいは４つのリング部材が使用可能である。また、リング部材２８は、等間隔に離隔してもよく、あるいは、異なる間隔を有してもよい。最後に、図示したリング部材２８は円形であるが、D字形状あるいは他のリング形状を用いることができることが考えられる。
【００２７】
一対の第１補強リブ１４と複数対の第２補強リブ１６とが設けられた湾曲した上板１２を有するリングバインダで使用される本発明の作動レバークッション部材５０について説明したが、作動レバークッション部材５０は、補強リブを欠く異なる形状の上板にも使用可能であると理解されるべきである。
【００２８】
このように記載されている本発明は、多くの態様で変更できることは明白である。この変更は、本発明の精神および範囲から逸脱しているとみなされるべきでなく、これらの変更の全ては、添付特許請求の範囲の範囲内に含まれるべきであることは当業者に明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図１】閉位置のリングを有する本発明のリングバインダの上側を示す斜視図。
【図２】開位置のリングを有する本発明のリングバインダの上側を示す斜視図。
【図３】リングバインダの下側を示す斜視図。
【図４】リングバインダの分解斜視図。
【図５】クッション部材が取外された本発明の作動レバーの内側を示す図。
【図６】クッション部材が取外された本発明の作動レバーの側面図。
【図７】クッション部材を有する作動レバーの内側を示す図。
【図８】クッション部材を有する作動レバーの側面図。
【図９】クッション部材を欠く作動レバーの内側の斜視図。
【図１０】クッション部材を有する作動レバーの内側の斜視図。
【図１１】本発明のクッション部材の断面図。
【符号の説明】
１０…リングバインダ、１２…上板、１４，１６…リブ、１８…凹部、２０…孔、２２…ポスト、２４…フランジ、２６…リーフ、２８…リング部材、３０…作動レバー、３２…中央ヒンジ部、３４…作動レバー本体、３６…補強リブ、３８…溝、４０…フック部材、４２…タブ、４４…孔、４６…上縁部、４８…側縁部、５０…クッション部材、５２…内面、５４…外面、５６…凸状突出部、５８…凹状くぼみ、５９…ピン、６０…上壁、６２…側壁、６４…下壁

Claims (20)

1. 上板と、
   前記上板で支えられた１対の回動リーフと、
   前記回動リーフに取付けられ、それと共に移動可能な複数のリングと、
   前記リングが閉じた第１の位置から前記リングが開いた第２の位置に前記回動リーフを移動させるための少なくとも１の枢動可能な作動レバーと、を備え、この作動レバーは、その上端部にタブを有し、前記タブは、周縁部を有し、このタブは、孔も有し、更に、
   前記タブの周縁部上を延びかつ前記タブを囲むクッション部材を備え、このクッション部材は、前記タブの孔内に突出し、前記クッション部材を前記作動レバーに確実に取付けるピンを含むリングバインダ。
2. 前記孔は円形であり、前記ピンは、前記孔を挿通するクッション部材材料から形成された円形ダウェルを備える請求項１に記載のリングバインダ。
3. 前記クッション部材は、単体の一体部材として形成される請求項１に記載のリングバインダ。
4. 前記クッション部材は、プラスチックから形成される請求項１に記載のリングバインダ。
5. 前記クッション部材は、内面と外面とを有し、前記内面および外面の１は、凸状突出部を有し、前記内面および外面の他方は凹状のくぼみを有する請求項１に記載のリングバインダ。
6. 前記タブは、その上部の比較的大きな幅に比して、小さい幅の首部を持つ周縁部を有し、前記クッション部材は、前記タブの首部内に突出して、クッション部材を作動レバーに確実に取付ける周側部を有する請求項１に記載のリングバインダ。
7. 前記タブの周縁部は、凸状に湾曲した上縁部と一対の凹状に湾曲した側縁部とを含み、この凹状に湾曲した側縁部は前記首部を備える請求項６に記載のリングバインダ。
8. 前記クッション部材の周側部は、一対の内方に湾曲した側壁を含み、これらの側壁は、前記タブの首部に配置され、クッション部材を前記タブに固定する請求項７に記載のリングバインダ。
9. 前記溝は円形であり、前記ピンは、前記孔を通過するクッション部材材料の円形ダウェルを含む請求項８に記載のリングバインダ。
10. 前記クッション部材は、内面と外面とを有し、前記内面および外面の１は、凸状突出部を有し、前記内面および外面の他方は、凹状のくぼみを有する請求項９に記載のリングバインダ。
11. 周縁部を有し、更に孔を有するタブをその上端部に含む枢動可能な作動レバーと、前記タブの周縁部上に延びかつ前記タブを囲むクッション部材と、を組合せで有するリングバインダであって、前記クッション部材は、前記タブの孔内に突出し、クッション部材を作動レバーに確実に取付けるピンを含むリングバインダ。
12. 前記孔は円形で、前記ピンは、前記孔を挿通するクッション部材材料の円形ダウェルを含む請求項１ｌに記載のリングバインダ。
13. 前記クッション部材は、単体の一体部材として形成される請求項１ｌに記載のリングバインダ。
14. 前記クッション部材は、プラスチックから形成される請求項１ｌに記載のリングバインダ。
15. 前記クッション部材は、内面と外面とを有し、前記内面および外面の１は、凸状突出部を有し、前記内面および外面の他方は、凹状のくぼみを有する請求項ｌ１に記載のリングバインダ。
16. 前記タブは、その上部の比較的大きな幅に比して、小さい幅の首部を持つ周縁部を有し、前記クッション部材は、前記タブの首部内に突出し、クッション部材を作動レバーに強固に取付ける周側部を有する請求項１ｌに記載のリングバインダ。
17. 前記タブの周縁部は、凸状に湾曲した上縁部と一対の凹状に湾曲した側縁部とを含み、前記凹状に湾曲した側縁部は前記首部を備える請求項ｌ６に記載のリングバインダ。
18. 前記クッション部材の周側部は、一対の内方に湾曲した側壁を含み、これらの側壁は、前記タブの首部に配置され、クッション部材を前記タブに固定する請求項１７に記載のリングバインダ。
19. 前記孔は円形で、前記ピンは、前記孔を挿通するクッション部材材料の円形ダウェルを含む請求項１８に記載のリングバインダ。
20. 前記クッション部材は、内面と外面とを有し、前記内面および外面の１は、凸状突出部を有し、前記内面および外面の他方は、凹状のくぼみを有する請求項ｌ９に記載のリングバインダ。

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