JP2000190782A - ラゲッジトリムのサ―ビスホ―ルカバ― - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数を削減することが可能で、しかも開
閉操作性の高いラゲッジトリムのサービスホールカバー
を提供する。 【解決手段】 ラゲッジトリム１に設けた工具類出入用
の開口部を開閉するサービスホールカバーにおいて、ラ
ゲッジトリム１にヒンジを介して開閉可能に取り付けら
れたカバー本体４の上縁側中央部には、裏面側に向かっ
て突出するＵ形の弾性変形可能な操作部５を一体に設け
る。また、操作部６の上片側６ａ先端部には係止部７を
一体に設け、その係止部７を前記操作部６の弾性変形を
利用してラゲッジトリム２の係止面２ａに係脱する構成
とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のラゲッジ
ルームの一画に形成されるツール収納部を開閉するため
に設けられるサービスホールカバーに係り、詳しくはサ
ービスホールカバーの係止構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、自動車のラゲッジルームの一画
には、ジャッキやボックスレンチ等の工具類を収納する
ツール収納部が設定され、そのツール収納部は見栄えの
向上を目的とするラゲッジサイドトリムによって覆われ
ている。ラゲッジサイドトリムにはツール出入用の開口
部を開閉するためのサービスホールカバーが設けられ、
係止手段によって閉じ位置に保持されるようになってい
る。そして、係止手段としては種々のものが提案されて
おり、例えば、実開昭６３−４０２５１号公報や実開昭
５５−４７４１２号公報を挙げることができる。

【０００３】前者の実開昭６３−０４０２５１号公報記
載の係止構造は、図４に示すように、ラゲッジトリム１
０１に取り付けた係止部材１０２にＵ字形の係止片１０
３を設け、その係止片１０３の係止爪１０４をカバー１
０５の嵌合穴１０６に係合することによって保持する方
式であり、カバー１０５の開閉は、係止片１０３の弾性
変形を利用して行う構成である。後者の実開昭５５−４
７４１２号公報記載の係止構造は、カバー１１３に係止
爪１１４を一体に突設し、その係止爪１１４をラゲッジ
トリム１１１に設けた係合穴１１２に差し込む方式であ
り、その開閉はカバー１１３の押し引き操作によって行
う構成である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来のカバー係止構造によると、前者の場合は、別部材
からなる係止部材１０２を用いてカバー１０５を係止す
る構造であるため、部品点数が増えるという点に問題が
あり、また後者の場合は、カバー１１３に係止爪１１４
を一体に備えているため、部品点数が少くて済むという
利点を有する反面、係止爪１１４を係合穴１１２に強制
嵌合する形式であるため、ラゲッジトリム１１１、カバ
ー１１３共、高い剛性を必要とし、柔物での成立が困難
な上に、大きな開閉操作力を必要とするものであり、操
作性に難点がある。

【０００５】本発明は、上述した従来の問題点に鑑みて
なされたものであり、その目的とするところは、部品点
数を削減することが可能で、しかも開閉操作性の高いラ
ゲッジトリムのサービスホールカバーを提供することに
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係るラゲッジトリムのサービスホールカバ
ーは、特許請求の範囲の各請求項に記載の通りの構成を
備えた。従って、請求項１の発明によれば、サービスホ
ールカバーを閉じ位置に保持するための操作部及び係止
部をカバー本体に一体に設けたので、部品点数を削減す
ることができ、しかも操作部の弾性変形を利用してラゲ
ッジトリムの開口縁に対して係止部を係脱できるため、
開閉操作を容易に行うことができる。

【０００７】また、請求項２の発明によれば、片手で係
止部の係脱操作とカバー本体の開閉操作とを行うことが
できるため、より高い操作性を得ることができる。請求
項３の発明によれば、カバー本体の剛性を高めることが
可能なため、サービスホールカバーを柔物で製作した場
合であっても、型崩れを防止して開閉動作の円滑性、初
期の見栄えを維持することができる。さらにまた、請求
項４の発明によるときは、ラゲッジトリムとサービスホ
ールカバーとの一体化によって部品点数が削減されると
ともに、型数の削減、型構造の簡略化が図れる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１は本発明に係るラゲッジトリ
ムのサービスホールカバーを示す斜視図である。図２は
サービスホールカバーの係止機構部を示す縦断面図、図
３は開口部の一般断面構造を示す縦断面図である。図１
に示すように、ラゲッジサイドトリム１には、ラゲッジ
ルームに設けられるツール収納部（図示省略）に対する
工具類の出入用として、横長の長方形状の開口部２と、
その開口部２を開閉するためのサービスホールカバー３
が設定されている。サービスホールカバー３は、下縁部
が開口部２の開口下縁部にヒンジ（図示省略）によって
開閉可能に取り付けられた開口部２よりもやや大きい平
面広さを有する平板状のカバー本体４と、そのカバー本
体４を閉じ位置に保持する係止機構部５とを一体に備え
ている。

【０００９】係止機構部５は、ヒンジ設定側の対辺側で
ある上縁側の略中央部に設定されており、図２に示すよ
うに、弾性変形可能な略Ｕ形の操作部６と、該操作部６
の弾性変形によって開口部２の開口上縁部裏面に係脱さ
れる係止部７とによって構成されている。操作部６は表
面側を頂部とする略Ｕ形に湾曲された摘み部によって形
成されており、その摘み部の自由端側である上片側６ａ
の先端部を上向きに折り曲げることによって開口上縁部
裏面の係合面２ａに対する係止部７が形成されている。
従って、操作部６を上下から指先で把持することによっ
て上片側６ａを図示仮想線の如く弾性変形させ、係止部
７を係合面２ａに係脱することができる。

【００１０】なお、係止部７が係合される係合面２ａ
は、開口上縁中央部を裏面側に断面略Ｌ形に張り出すこ
とによって開口部２の奥側に設定されており、また、操
作部６の下片側６ｂがカバー本体４の裏面側に適宜延び
てから略Ｕ形に折り返されてカバー本体５に連なる形態
とされている。即ち、係止機構部５の全体がカバー本体
２の裏面側に突出する構成とされ、このことによって操
作部６のＵ形頂部がカバー本体４の表面と略面一化さ
れ、操作部６のラゲッジルームへの突出が抑えられてい
る。このため、ラゲッジルームの使用上の弊害になった
り見栄えが悪くなるといった問題が生じない。

【００１１】また、カバー本体４の外周縁部のうち、ヒ
ンジ設定部である下縁部を除く３周縁部には、図３に示
すように、裏面側に張り出す張出部８が設けられ、この
ことによってカバー本体４の剛性が高められている。一
方、これに対応してラゲッジサイドトリム１の開口部２
の開口内周縁部のうち、下縁を除く３周縁部には、前記
係合面２ａよりもやや浅い断面コ字形の開口棚部２ｂが
形成されて剛性が高められており、その開口棚部２ｂ内
にカバー本体４の張出部８が嵌まり込む構成となってい
る。

【００１２】なお、サービスホールカバー３は、ラゲッ
ジサイドトリム１と同材質の樹脂成形品であって、例え
ばポリプロピレン発砲シートや成形紙等の材料から成形
されている。また、サービスホールカバー３はラゲッジ
サイドトリム１と一体成形とすることが望ましく、その
場合、ヒンジはインテグラルヒンジ（薄肉連結部）によ
り構成される。このような構成としたときは、部品点数
の削減、型数の削減、型構造の簡略化を図る上で有利と
なる。

【００１３】本実施の形態に係るサービスホールカバー
３は、上記のように構成したものである。従って、常に
は係止部７を開口部２の係合面２ａに係止することによ
ってカバー本体４を閉じ位置に保持することができ、ま
た、Ｕ形の操作部６を上下から掴むことによって該操作
部６の上片側６ａの弾性変形を利用して係止部７を係合
面２ａに係脱することができる。このため、サービスホ
ールカバー３は、Ｕ形の操作部６を指先での把持力によ
って弾性変形させることができる程度の硬さを有する材
料製であれば成立することは勿論のこと、初期の成形形
状を維持できる程度の硬さと弾性を有する限り、柔軟性
のある柔物であっても成立することができるものであっ
て、材質の設定に関しての自由度が高いものとなる。

【００１４】また、本実施の形態においては、カバー本
体４を閉じるときに、開口部２の内周縁に設定した開口
棚部２ｂに、カバー本体４の外周縁裏面側に設定した張
出部８が嵌合する構成としたので、カバー本体４を柔物
で設定した場合であっても、開口部２の係止面２ａに対
する係止部７の位置ずれが抑えられ、スムーズに閉じる
ことができ、また、強く押し過ぎたような場合において
も張出部８が開口棚部２ｂに引っ掛かることによってカ
バー本体４が開口部２内に没入することを防止できる。

【００１５】このように、本実施の形態によれば、片手
で係止部７の係脱操作とカバー本体４の開閉操作とを容
易に行うことができる操作性の高いサービスホールカバ
ー３を提供することができ、しかも、係止機構部５をカ
バー本体４に一体に設けてあるため、係止部材を別部材
として備えている形式のものに比べて、部品点数を削減
することができる。このことは成形工数及び組付け工数
が減少されることになり、コスト低減が達成される。

【００１６】なお、本実施の形態では、カバー本体４の
開閉支点となるヒンジ部を下縁側に設定した場合で説明
したが、ヒンジ部を側縁部又は上縁部に設定しても差し
支えない。また、係止機構部５の操作部６はカバー本体
４の表面側に突出しないように設定したが、表面側に突
き出る形態であっても差し支えなく、また、操作部６は
図示のようなＵ形の形状から単純に裏面側に折り曲げた
形状に変更してもよく、そのときは上から押え込むこと
によって弾性変形させることが可能である。

【００１７】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
部品点数を削減することができるとともに、開閉操作性
の高いラゲッジトリムのサービスホールカバーを提供す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施の形態に係るラゲッジトリムのサービス
ホールカバーを示す斜視図である。

【図２】サービスホールカバーの係止機構部を示す縦断
面図である。

【図３】開口部の一般断面構造を示す縦断面図である。

【図４】従来のサービスホールカバーを示す縦断面図で
ある。

【図５】従来の他のサービスホールカバーを示す縦断面
図である。

【符号の説明】

１…ラゲッジサイドトリム ２…開口部 ２ａ…係合面 ３…サービスホールカバー ４…カバー本体 ５…係止機構部 ６…操作部 ７…係止部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3D022 CA01 CB01 CC11 CC27 CD13 CD20 3D023 BA01 BB07 BC01 BD18 BE03 BE09 BE26 BE35

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ラゲッジトリムに設けた開口部を開閉す
   るためのサービスホールカバーであって、 前記ラゲッジトリムにヒンジを介して開閉可能に取り付
   けられたカバー本体と、前記カバー本体のヒンジ対辺側
   に裏面側に向かって一体に突設されて弾性変形可能な操
   作部と、前記操作部の先端部に一体に設けられるととも
   に該操作部の弾性変形によって前記ラゲッジトリムの開
   口部縁裏面に係脱される係止部とを備えたラゲッジトリ
   ムのサービスホールカバー。
2. 【請求項２】 請求項１記載のラゲッジトリムのサービ
   スホールカバーであって、操作部が、掴み操作によって
   弾性変形可能に構成されているラゲッジトリムのサービ
   スホールカバー。
3. 【請求項３】 請求項１又は２記載のラゲッジトリムの
   サービスホールカバーであって、カバー本体の周縁部に
   おけるヒンジ設定縁以外の縁部に裏面側に突出する張出
   部を設定し、その張出部をラゲッジトリムの開口部内周
   縁に設定した開口棚に嵌合する構成としたラゲッジトリ
   ムのサービスホールカバー。
4. 【請求項４】 請求項１〜３のいずれかに記載のラゲッ
   ジトリムのサービスホールカバーであって、カバー本体
   がラゲッジトリムに対してインテグラルヒンジを介して
   連接されているラゲッジトリムのサービスホールカバ
   ー。