JP3655474B2 - 多極コア及びそれを用いたインナー型電機子、並びにその製造方法 - Google Patents

多極コア及びそれを用いたインナー型電機子、並びにその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内周コア部から放射状に延出する複数のリブ状コア部に対してコイルを巻回する多極コア及びそれを用いたインナー型電機子、並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、インナー型電機子等に用いられている多極コアにおいては、例えば図10に示されているように、環状に形成された内周コア部1から複数のリブ状コア部2が放射状に延出しており、それらの各リブ状コア部2に対してコイル3が巻回されているとともに、上記各リブ状コア部2の半径方向外端部分に外周突極コア部4それぞれ設けられている。これら内周コア部1、リブ状コア部2及び外周突極コア部4の各部は一体に形成されており、上記コイル3を巻回するにあたっては、隣接する外周突極コア部4どうしの間の狭小隙間を通して巻線工程が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような一般の多極コアでは、上述した外周突極コア部4どうしの間が狭くなっているために、巻線作業を効率的に行うことができない上、コイル3の巻線占積率を上げることが困難となっている。巻線作業を良好に行うためには広いスリット幅にすれば良いが、それではコギングトルクが大きくなってしまう。
【0004】
さらに、従来の多極コアには、上述した巻線工程の問題に加えて、軸方向の磁気対向面を大きくすることが難しく、高特性を得ることが困難であるとともに、コアの材料取りも一般にあまり良くないという問題もある。
【0005】
このような問題を解消する手段として、コアを各極ごとに分割して形成しておき巻線後に一体化するようにした分割コア構造がある。この分割コア構造には、巻線が容易になり占積率を大幅に上げることができるという利点があるが、反面、コアを各極ごとに分割しているために組立前の取り扱い性や組立作業性が良好でないという問題があり、軸方向の磁気対向面を大きくすることも構造的に難しく、占積率にも限界がある。
【0006】
そこで本発明は、巻線作業を容易化しつつ、占積率等を向上させて高特性を得ることができるようにした多極コア及びそれを用いたインナー型電機子、並びにそれらの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、環状に形成された内周コア部と、この内周コア部から放射状に延出しコイルが巻回される複数のリブ状コア部と、当該各リブ状コア部に巻回されたコイルと、上記各リブ状コア部の半径方向外端部分にそれぞれ設けられた複数の外周突極コア部と、を有する多極コアにおいて、上記内周コア部は、前記複数のリブ状コア部及び外周突極コア部の各々に対応して分離された複数の分割内周基体を環状に連結して構成されているとともに、前記複数の外周突極コア部のうちの円周方向に隣接する外周突極コア部どうしが、狭小断面形状を有する接続部により互いに連結されて一体化されている。
【0008】
また、請求項2記載の発明では、前記請求項1記載の内周コア部の各分割内周基体には、連結用の凹凸嵌合部がそれぞれ形成され、上記凹凸嵌合部は、当該内周コア部の各分割内周基体及び外周突極コア部を略円形状に位置決め配置させる嵌め合いの形状に形成されている。
【0009】
さらに、請求項3記載の発明では、前記請求項1記載の接続部は、一箇所を除いて前記外周突極コア部と一体的に繋がるように形成されているとともに、上記一箇所の接続部は、隣接する一対の外周突極コア部の各々に嵌合する別体の連結部材から構成されている。
【0010】
さらにまた、請求項4記載の発明では、前記請求項1記載の接続部は、一箇所を除いて前記外周突極コア部と一体的に繋がるように形成されているとともに、上記一箇所の接続部は、隣接する一対の外周突極コア部どうしが嵌め込み係合するように当該一対の外周突極コア部自体に形成された凹凸嵌合部から構成されている。
【0011】
一方、請求項5記載の発明では、前記請求項1記載の内周コア部、リブ状コア部及び外周突極コア部が、積層コア体から構成され、少なくとも上記外周突極コア部に相当する部位には、内周コア部よりも大きな積層厚さを備えるように部分積層コアが積み重ねるようにして加積層されている。
【0012】
また、請求項6記載の発明では、前記請求項1記載の積層コア体が、方向性電磁鋼板の積層体から構成されている。
【0013】
さらに、請求項7記載の発明では、前記請求項1又は2又は3又は4又は5又は6記載の多極コアを用いたものであって、リブ状コア部に巻回されたコイルを備えているとともに、外周突極コア部が、環状磁石に対して周状に対面配置されている。
【0014】
さらにまた、請求項8記載の発明では、環状に形成された内周コア部と、この内周コア部から放射状に延出する複数のリブ状コア部と、当該各リブ状コア部の半径方向外端部分にそれぞれ一体形成された複数の外周突極コア部と、を有する多極コアの上記リブ状コア部に巻線工程を施してコイルを巻回するようにしたインナー型電機子の製造方法において、前記内周コア部を、前記複数のリブ状コア部及び外周突極コア部の各々に対応して分離させた複数の分割内周基体から形成し、対応する各一個づつの分割内周基体、リブ状コア部及び外周突極コア部からなる一組の分割コア片を、複数組形成しておくとともに、上記複数の外周突極コア部のうちの隣接する一対の外周突極コア部を除いた他の外周突極コア部どうしを、狭小断面形状からなる接続部により互いに連結し、その接続部により連結された外周突極コア部を介して、前記複数組の分割コア片を、始端から終端に至る直列の連続体から形成しておき、上記複数組の分割コア片を展開して非円形状に開いた状態で、前記リブ状コア部に対して巻線工程を施し、その後に、前記複数の分割内周基体どうしを環状に連結して一体化することにより内周コア部を構成し、次いで、前記始端と終端に相当する分割コア片の外周突極コア部どうしを連結して環状に一体化させるようにしている。
【0015】
一方、請求項9記載の発明では、前記請求項8記載の接続部の磁気抵抗を増大させるように、板状素材を挟幅状として接続部を成形する。
【0016】
また、請求項10記載の発明では、前記請求項8記載の接続部の磁気抵抗を増大させるように、板状素材を挟幅状として接続部を成形する。
【0017】
さらに、請求項11記載の発明では、前記請求項8記載の接続部の磁気抵抗を増大させるように、当該接続部を外周突極コア部の円周配置半径より小さな半径で曲げて成形する。
【0018】
このような請求項1記載の発明では、組立前の状態において、外周突極コア部どうしを連結している複数の接続部のうちの一箇所を切断状態としておけば、当該外周突極コア部どうしを始端から終端に至る直列に連結した状態で、内周コア部が分割内周基体ごとに分離された状態になされ、それらの各分割内周基体から延出するリブ状コア部に対してコイルの巻線作業が容易かつ十分な占積率を備えるように行われる。
一方、上記リブ状コア部の端部に設けられた外周突極コア部どうしは、接続部により連結されているため、各作業中におけるコア全体の取り扱いが容易に行われる。
【0019】
このとき、請求項2記載の発明のように、各分割内周基体に連結・位置決め用の凹凸嵌合部を設けておけば、内周コア部の組立が容易かつ正確に行われる。
【0020】
また、請求項3又は4記載の発明のように、一箇所を除く接続部を外周突極コア部と一体的に形成しておけば、直列に連続する外周突極コア部を備えたコア素材を容易に成形することが可能となる。
【0021】
このとき、請求項4記載の発明のように、一箇所の接続部を外周突極コア部自体に設けられた凹凸嵌合部とすれば、別体の接続部が不要となり、部品点数が低減される。
【0022】
さらに、請求項5記載の発明のように、コア素材として積層コア体を用いるとともに、その外周突極コア部に相当する部位の積層厚さを部分的に増大しておけば、軸方向の磁気対向面を容易に拡大することが可能となる。
【0023】
そのときの積層コア体として、請求項6記載の発明のような方向性電磁鋼板を用いれば、磁気特性向上が可能となる。
【0024】
また、請求項7記載の発明のように、上述した多極コアをインナー型電機子に用いた場合においても同様な作用が得られる。
【0025】
請求項8記載の発明では、外周突極コア部どうしを始端から終端に至る直列に連結した状態で、内周コア部が分割内周基体ごとに分離された状態になされ、それらの各分割内周基体から延出するリブ状コア部に対してコイルの巻線作業が容易かつ十分な占積率を備えるように行われる。
一方、上記リブ状コア部の端部に設けられた外周突極コア部どうしは、接続部により連結されているため、各作業中におけるコア全体の取り扱いが容易に行われる。
【0026】
このとき、請求項9又は10又は11記載の発明のように、接続部を高磁気抵抗状態に成形しておけば、接続部からの漏れ磁束が低減されるため、高特性が維持される。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
まず、図1に示されている実施形態は、ブラシレスモータに用いる12スロット型インナー電機子の多極コア10を示している。なお本図では、説明の都合によりコイル及び固定部については図示を省略している。
【0028】
本実施形態における多極コア10は、最内周部分に中空環状の内周コア部11を備えており、その内周コア部11から12本のリブ状コア部12,・・・が放射状に延出している。上記各リブ状コア部12には、図示を省略したコイルが巻回されているとともに、それらの各リブ状コア部12の半径方向外端部分に外周突極コア部13がそれぞれ一体的に形成されている。なお、本実施形態における多極コア10は、薄板状の方向性電磁鋼板を複数枚積層した積層コア体からなるものであるが、その点については後述する。
【0029】
上記内周コア部11は、前記12本のリブ状コア部12及び外周突極コア部13の各々に対応して12個に分離されており、その12個に分離された各分割内周基体11a,・・・が環状に連結されている。すなわち、一個の分割内周基体11aは、一個のリブ状コア部12及び一個の外周突極コア部13とともに一組の分割コア片10aを形成しており、12組の分割コア片10aが環状に寄せ集められて、図1に示されているような多極コア10を構成している。
【0030】
このとき、上記各分割内周基体11aの周方向両端面には、連結用の凸嵌合部11b及び凹嵌合部11cが合同の三角形状にそれぞれ形成されており、周方向に隣接する一対の分割内周基体11a,11aのうちの一方側の分割内周基体11aの凸嵌合部11bが、他方側の分割内周基体11aの凹嵌合部11c内に係合することによって、各分割内周基体11aが所定の位置決め状態に嵌合されるようになっている。このような位置決め機能によって、上記内周コア部11が平面円形状に配置されるとともに、上述した12個の各外周突極コア部13も平面円形状に配置されるようになっている。
【0031】
このとき、円周方向に隣接する外周突極コア部13どうしは、狭小断面形状を有する接続部14により互いに接続されて一体化されている。上記接続部14は、全周で12箇所設けられているが、そのうちの符号14aで示した一箇所の接続部を除く残り11個の接続部14は、前記外周突極コア部13と一体的に繋がるように形成されている。
【0032】
また、上記接続部14aとしては、特に図2に示されているように、別体の連結部材が用いられており、その別体の連結部材からなる接続部14aによって一対一組の外周突極コア部13,13どうしが連結されている。すなわち、12個の各外周突極コア部13は、当該各外周突極コア部13と一体に形成された11個の接続部14によって一連一体に連結されているとともに、上述した別体の連結部材からなる接続部14aにより連結された一対一組の外周突極コア部13,13は、一連一体の連結体の始端及び終端を構成している。
【0033】
より具体的には、本実施形態における多極コア10を構成する積層鋼板は、図3に示された状態で打ち抜き形成されている。すなわち、その打ち抜き直後の状態においては、上述した12組の分割コア片10aが、前記記接続部14で一連一体に連結された外周突極コア部13を介して直列に連結されており、合計12個の分割コア片10aによって直列の連続体が形成されている。そして、その12個の分割コア片10aの直列体の始端に相当する分割コア片10aと、終端に相当する分割コア片10aとが、上述した別体の連結部材からなる接続部14aによって環状に連結され一体化が行われているものである。
【0034】
本実施形態における多極コア10は、図4に示されているように、薄板状の方向性電磁鋼板を複数枚積層した積層コア体から構成されているが、上記外周突極コア部13と一体に形成された接続部14は、当該接続部14に相当する板素材を薄厚状に押し潰すようにして狭小断面に形成されており、その狭小断面によって各接続部14の磁気抵抗が大幅に増大させられている。なお、上記接続部14の磁気抵抗を増大させる他の手段としては、接続部14の板素材を挟幅状に形成したり、外周突極コア部13の円周配置半径より小さな半径で湾曲形成する等の手段も考えられる。
【0035】
このような多極コア10の各リブ状コア部12には、図5及び図6に示されているようにコイル15が巻回されることによってインナー型電機子が形成されるが、そのときのコイル15の巻線工程は、上述した多極コア10の組立前の状態、すなわち図3に示されている展開状態で行われる。
【0036】
また、上述したように前記内周コア部11、リブ状コア部12及び外周突極コア部13は積層コア体から構成されているが、図5及び図6に示されているように、上記外周突極コア部13に相当する部位に対して部分積層コア13aがさらに積み重ねるようにして加積層されており、内周コア部11よりも大きな積層厚さを備えている。その結果、モータ内に組み込んだときの駆動磁石16に対する対向面が増大されるようになっている。
【0037】
本実施形態にかかる多極コア10を用いてインナー型電機子を組立製造するに当たっては、まず、上述した図3に示されているように、12体の分割コア片10a,・・・が直列の連続体に打ち抜き形成された状態、すなわち、12体の分割コア片10a,・・・が略直線状に展開して開かれた状態で、図5及び図6に示されているように、リブ状コア部12に対してコイル15の巻線工程が施される。従って、その巻線工程が施される場合には、上記直列体の始端に相当する図示上端位置の分割コア片10aと、終端に相当する図示下端位置の分割コア片10aとが反対側に分離されて配置されているとともに、各分割コア片10aのリブ状コア部12どうしの間が大幅に拡大されている。その結果、各リブ状コア部12に対するコイル15の巻線作業は、容易かつ十分な占積率を備えるように実行される。
【0038】
その場合、特に図3の上方部分における分割コア片10aのように、本来の環状連結状態とは逆の方向に曲げらるように展開しておけば、内周コア部11の分割内周基体11aが一層開かれた形状となるため、上記巻線作業は一層容易化されることとなる。
【0039】
一方、各分割コア片10aは、外周突極コア部13どうしを連結している接続部14によって一連一体に連続していることから、コア全体がばらばらになることはなく、各作業中におけるコア全体の取り扱いも容易かつ確実に行われる。
【0040】
さらに本実施形態のように、各分割内周基体11aに、連結・位置決め用の凹凸嵌合部11b,11cを設けておけば、これら分割内周基体11aどうしを嵌合する作業が容易かつ正確に行われ、多極コア10の組立生産性が向上されることとなる。
【0041】
また、本実施形態では、一箇所の接続部14aを除く他の接続部14を、外周突極コア部13と一体的に形成しているので、電磁鋼板の打ち抜き成形時において接続部14を含むコア全体が効率的に製造される。この電磁鋼板の打ち抜き成形時におけるコア材の材料取りを、例えば図7に示されているように、一方側のコア材Aにおける隙間部分に対して他方のコア材Bの突形状部分を挿入し交互に対面するようにして行えば、電磁鋼板がほとんど無駄なく使用されることととなり、材料コストが大幅に低減される。
【0042】
さらに、本実施形態では、多極コア10に方向性電磁鋼板の積層コア体を用いているとともに、外周突極コア部13に相当する部位の積層厚さを部分的に増大させることによって、駆動磁石16に対する軸方向の磁気対向面が容易に拡大され、良好な磁気特性が得られるようになっている。なお、従来の分割コアでは、本実施形態のような部分積層コア13aを設けて固定することは困難である。
【0043】
本実施形態は、各分割コア片10aの、特に外周突極コア部13を接続部14で一連一体に成形したものであるが、図8に示されている実施形態のように、隣接する外周突極コア部23どうしを、その外周突極コア部23自体に設けられた凹凸嵌合部に23a又は23bにより嵌め込み連結させるように構成することも可能である。このようにすれば、別体の接続部が不要となるため、部品点数が低減される。なお、この場合には、全分割コア片10a,・・・を一体に打ち抜き成形した上記実施形態とは異なり、各々の分割コア片20a,・・・を別々に打ち抜き成形することとなる。
【0044】
また、図8中の符号24aは、分割コア片10aの両端を連結する他の形状の接続部を表したものである。
【0045】
一方、図9に示されている実施形態は、ブラシ付きモータに用いる3スロットインナー電機子の多極コアを示している。なお本図でも、説明のためにコイル及び固定部については図示を省略している。
【0046】
本実施形態にかかる多極コア30は、最内周部分に中空環状の内周コア部31を備えており、その内周コア部31から3本のリブ状コア部32が放射状に延出している。上記各リブ状コア部32には、図示を省略したコイルが巻回されるとともに、それらの各リブ状コア部32の半径方向外端部分に外周突極コア部33がそれぞれ一体的に形成されている。なお、本実施形態における多極コア30は、薄板状の無方向性電磁鋼板を複数枚積層した積層コア体からなる。
【0047】
上記内周コア部31は、前記3本のリブ状コア部32及び外周突極コア部33の各々に対応して分離された3体の分割内周基体31aからなり、各分割内周基体31aどうしが環状に連結されている。すなわち、一個の分割内周基体31aは、各一個のリブ状コア部32及び外周突極コア部33とともに一組の分割コア片30aを形成しており、3組の分割コア片30aが環状に寄せ集められて、図9に示されているような多極コア30を構成している。
【0048】
このとき、上記各分割内周基体31aの周方向両端面には、連結用の凸嵌合部31b及び凹嵌合部31cが三角形状にそれぞれ形成されており、周方向に隣接する一対の分割内周基体31a,31aのうちの一方側の分割内周基体31aの凸嵌合部31bが、他方側の分割内周基体31aの凹嵌合部31c内に係合することによって、各分割内周基体31aが所定の位置決め状態で連結されている。その結果、上記内周コア部31が平面円形状に形成されるとともに、上述した3体の各外周突極コア部33も平面円形状に配置されるようになっている。
【0049】
このとき、隣接する外周突極コア部33どうしは、狭小断面形状を有する接続部34により互いに接続されて一体化されている。上記接続部34は、全周で3箇所設けられているが、各接続部34は、前記外周突極コア部33と一体的に形成されている。
【0050】
また、上記3個の外周突極コア部33のうちの一個には、凹凸嵌合部が形成されており、隣接する他の外周突極コア部33との接続部34側にから延びる突状係合部34aが、切り欠き状に形成された係止溝34b内に嵌め込み連結されている。すなわち、前記3個の分割コア片30aは、接続部34により連結された外周突極コア部33を介して直列の連続体から形成されており、その直列体の両端部分が、上述した凹凸嵌合部34a,34bによって環状に連結され一体化が行われている。
【0051】
このような実施形態にかかる多極コア30においても、上述した実施形態と同様な作用・効果を得ることができる。
【0052】
以上、本発明者によってなされた発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であるというのはいうまでもない。例えば、本発明は、上述した各実施形態以外のスロット数を有する多極コアに対しても同様に適用することができるものである。
【0053】
【発明の効果】
以上述べたように請求項1又は8又は12記載の発明は、組立前の状態において、分割コア片の外周突極コア部どうしを始端から終端に至る直列に連結した状態で、内周コア部を分割内周基体ごとに分離して非円形状に展開し、各分割内周基体から延出するリブ状コア部に対してコイルの巻線作業を行い、その後に上記リブ状コア部の端部に設けた外周突極コア部どうしを接続部により連結させたものであるから、容易に、しかも十分な占積率を備えるように巻線作業を行うことが可能となり、占積率等を向上させて高特性化を行うことができるとともに、一連一体のコア全体を容易に取り扱うことができ、従来の分割コアに比して組立作業性等の生産性を大幅に向上させることができる。
【0054】
また、請求項2記載の発明は、各分割内周基体に連結・位置決め用の凹凸嵌合部を設けて内周コア部の組立を容易かつ正確に行い得るようにしたものであるから、上述した効果をさらに高めることが可能となる。
【0055】
さらに、請求項3記載の発明は、一箇所を除く接続部を外周突極コア部と一体的に形成して直列に連続する外周突極コア部を備えたコア素材を容易に成形することを可能としたものであるから、上述した効果を一層高めることができる。
【0056】
さらにまた、請求項4記載の発明は、一箇所の接続部を外周突極コア部の凹凸嵌合部とすることによって別体の接続部を不要とし、部品点数を低減させるように構成したものであるから、組立作業性等の生産性をさらに向上させることができ、上述した効果を一層高めることができる。
【0057】
一方、請求項5記載の発明は、コア素材として積層コア体を用いるとともに、その外周突極コア部に相当する部位の積層厚さを部分的に増大して、軸方向の磁気対向面を容易に拡大可能としたものであるから、上述した効果に加えて、磁気特性の向上を図ることができる。
【0058】
また、請求項記載6の発明は、積層コア体として方向性電磁鋼板を用いることにより特性向上を図ったものであるから、上述した効果を一層高めることができる。
【0059】
さらに、請求項7記載の発明は、上述した多極コア及びその製造方法をインナー型電機子に用いたものであるから、上述した効果と同様な効果が得られる。
【0060】
また、請求項9又は10又は11記載の発明は、接続部を高磁気抵抗状態にして当該接続部からの漏れ磁束を低減させて高特性を維持可能としたものであるから、上述した効果を確実に得ることができる。
【0061】
【図面の簡単な説明】
【図1】ブラシレスモータに用いる12スロット型インナー電機子に本発明を適用した実施形態にかかる多極コアの平面説明図である。
【図2】図1に示されている多極コアの一部分を拡大して表した平面説明図である。
【図3】図1に示されている多極コアの展開状態を表した平面説明図である。
【図4】図1に示されている多極コアの一部分を拡大して表した側面説明図である。
【図5】リブ状コア部に対してコイルを巻回した状態を表しているとともに、外周突極コア部に対して部分積層コアを加積層した状態を表した部分拡大平面面説明図である。
【図6】図5の側面説明図である。
【図7】コア素材の材料取りの状態を表した平面説明図である。
【図8】本発明の他の実施形態における接続部の構造を表した図2相当の平面説明図である。
【図9】ブラシ付きモータに用いる3スロット型インナー電機子に本発明を適用した実施形態にかかる多極コアの平面説明図である。
【図10】一般の多極コアの構造を表した外観斜視説明図である。
【符号の説明】
10,30 多極コア
10a,20a,30a 分割コア片
11,21,31 内周コア部
11a,31a 分割内周基体
11b,11c,31b,31c 凹凸嵌合部
12,32 リブ状コア部
13,23,33 外周突極コア部
13a 部分積層コア
14.34 接続部
14a,24a 接続部
23a,23b,34a,34b 凹凸嵌合部

Claims (11)

  1. 環状に形成された内周コア部と、この内周コア部から放射状に延出しコイルが巻回される複数のリブ状コア部と、各リブ状コア部の半径方向外端部分にそれぞれ設けられた複数の外周突極コア部と、を有する多極コアにおいて、
    上記内周コア部は、前記複数のリブ状コア部及び外周突極コア部の各々に対応して分離された複数の分割内周基体を環状に連結して構成されているとともに、
    前記複数の外周突極コア部のうちの円周方向に隣接する外周突極コア部どうしが、狭小断面形状を有する接続部により互いに連結されて一体化されていることを特徴とする多極コア。
  2. 前記内周コア部の各分割内周基体には、連結用の凹凸嵌合部がそれぞれ形成され、
    上記凹凸嵌合部は、当該内周コア部の各分割内周基体及び外周突極コア部を略円形状に位置決め配置させる嵌め合いの形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の多極コア。
  3. 前記接続部は、一箇所を除いて前記外周突極コア部と一体的に繋がるように形成されているとともに、
    上記一箇所の接続部は、隣接する一対の外周突極コア部の各々に嵌合する別体の連結部材から構成されていることを特徴とする請求項1記載の多極コア。
  4. 前記接続部は、一箇所を除いて前記外周突極コア部と一体的に繋がるように形成されているとともに、
    上記一箇所の接続部は、隣接する一対の外周突極コア部どうしが嵌め込み係合するように当該一対の外周突極コア部自体に形成された凹凸嵌合部から構成されていることを特徴とする請求項1記載の多極コア。
  5. 前記内周コア部、リブ状コア部及び外周突極コア部が、積層コア体から構成され、
    少なくとも上記外周突極コア部に相当する部位には、内周コア部よりも大きな積層厚さを備えるように部分積層コアが積み重ねるようにして加積層されていることを特徴とする請求項1記載の多極コア。
  6. 前記積層コア体が、方向性電磁鋼板の積層体から構成されていることを特徴とする請求項1記載の多極コア。
  7. 請求項1又は2又は3又は4又は5又は6記載の多極コアを用いたものであって、
    リブ状コア部に巻回されたコイルを備えているとともに、
    外周突極コア部が、環状磁石に対して周状に対面配置されていることを特徴とするインナー型電機子。
  8. 環状に形成された内周コア部と、この内周コア部から放射状に延出する複数のリブ状コア部と、当該各リブ状コア部の半径方向外端部分にそれぞれ一体形成された複数の外周突極コア部と、を有する多極コアの上記リブ状コア部に巻線工程を施してコイルを巻回するようにしたインナー型電機子の製造方法において、
    前記内周コア部を、前記複数のリブ状コア部及び外周突極コア部の各々に対応して分離させた複数の分割内周基体から形成し、対応する各一個づつの分割内周基体、リブ状コア部及び外周突極コア部からなる一組の分割コア片を、複数組形成しておくとともに、
    上記複数の外周突極コア部のうちの隣接する一対の外周突極コア部を除いた他の外周突極コア部どうしを、狭小断面形状からなる接続部により互いに連結し、その接続部により連結された外周突極コア部を介して、前記複数組の分割コア片を、始端から終端に至る直列の連続体から形成しておき、
    上記複数組の分割コア片を展開して非円形状に開いた状態で、前記リブ状コア部に対して巻線工程を施し、
    その後に、前記複数の分割内周基体どうしを環状に連結して一体化することにより内周コア部を構成し、
    次いで、前記始端と終端に相当する分割コア片の外周突極コア部どうしを連結して環状に一体化させるようにしたことを特徴とするインナー型電機子の製造方法。
  9. 前記接続部の磁気抵抗を増大させるように、板状素材を薄厚状に押し潰して接続部を成形することを特徴とする請求項8記載のインナー型電機子の製造方法。
  10. 前記接続部の磁気抵抗を増大させるように、板状素材を挟幅状として接続部を成形することを特徴とする請求項8記載のインナー型電機子の製造方法。
  11. 前記接続部の磁気抵抗を増大させるように、当該接続部を外周突極コア部の円周配置半径より小さな半径で曲げて成形することを特徴とする請求項8記載のインナー型電機子の製造方法。
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