JPH08168222A - 同期電動機のロータ - Google Patents

同期電動機のロータ

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Publication number
JPH08168222A
JPH08168222A JP6313329A JP31332994A JPH08168222A JP H08168222 A JPH08168222 A JP H08168222A JP 6313329 A JP6313329 A JP 6313329A JP 31332994 A JP31332994 A JP 31332994A JP H08168222 A JPH08168222 A JP H08168222A
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JP
Japan
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rotor
permanent magnets
core
outer peripheral
peripheral surface
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JP6313329A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Uchida
裕之 内田
Yuichi Endo
裕一 遠藤
Tomoyoshi Yamamoto
致良 山本
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Fanuc Corp
Original Assignee
Fanuc Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生産性を損なうことなく容易に製造でき、多
様な成分のスロットリップルを効果的に低減できる同期
電動機のロータを提供する。 【構成】 ロータ10は、回転軸12の周囲に配置され
る複数の永久磁石14と、各永久磁石14を周方向へ挟
持して回転軸12の周囲に配設される複数のコア部材1
6とを備える。各コア部材16は、軸線Aに平行に延び
て隣接する永久磁石14に当接される一対の側面24
と、ロータ10を囲繞するステータに対向する外周面2
8とを備える。外周面28は両側面24の間で湾出曲面
形状を有し、その頂点を結ぶ線分Lが軸線Aに対し周方
向へ所定角度αだけ傾斜して延びる。各永久磁石14
は、コア部材16の全長に亙る長さを有した略直方体形
状を備える。また、コア部材16の外周面28が直線的
に傾斜しているので、ロータ10の回転時に生じるスロ
ットリップルが多様な成分に亙って効果的に低減され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、同期電動機のロータに
関し、特に、周方向へ磁化された複数の永久磁石と、そ
れら永久磁石の各々を周方向へ挟持する複数のコア部材
とを、軸の周囲に交互に配設してなる同期電動機のロー
タに関する。
【0002】
【従来の技術】永久磁石界磁の同期電動機において、ロ
ータの回転時に周期的に生じるトルクむらのうちステー
タの巻線設置用スロットに起因したいわゆるスロットリ
ップル(又はコギングトルク)を低減するために、永久
磁石をロータ軸線に関して周方向へ傾斜又は偏移して配
置する構造が周知である。特に、周方向へ磁化された複
数の永久磁石と、それら永久磁石の各々を周方向へ挟持
する複数のコア部材とを、軸の周囲に交互に配設してな
る同期電動機のロータでは、ロータを軸線方向へ2つの
ロータ部分に分割し、各ロータ部分を相互に所定角度だ
け回転して連結した構成が採用されている。このような
従来のロータの一例を図13に示す。
【0003】図示のように従来のロータでは、2つのロ
ータ部分1及び2の複数のコア部材3及び4に、その中
心(コア部材の両側面から等距離の位置)から相互に反
対方向へ角度θだけずれた位置に貫通穴5及び6が設け
られ、それらの貫通穴5、6にロッド部材7を挿入する
ことにより、各ロータ部分1、2が相互に角度2θだけ
回転して連結される。その結果、各ロータ部分1、2の
複数の永久磁石8、9が相互に所定角度ずれて配置さ
れ、ロータとステータとの間の空隙に位相のずれた2種
類の磁束分布が形成される。したがって、各ロータ部分
1、2をスロットリップルの主成分の波長の半分に相当
する機械角度だけ相互に回転して連結すれば、各ロータ
部分1、2による各磁束分布において生じるトルクむら
が互いに打ち消しあい、以てスロットリップルを低減す
ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】スロットリップルを低
減可能な上記従来のロータは、スロットリップルの主成
分及びその奇数倍の高調波成分を低減することができる
が、この構造ではそれ以外のリップル成分を低減するこ
とは困難である。主成分以外の多様なリップル成分を効
果的に低減するためには、ロータをさらに複数の部分に
分割して、空隙に多種類の磁束分布を形成することが考
えられる。しかしながらそのような多分割ロータを製造
するためには、軸線方向長さの短い多数の永久磁石を使
用するか、多数のロータ部分に連続して配置できる極め
て異形の永久磁石を使用する必要があり、製造工程が煩
雑になり製造コストが増加するなど、生産性の面で様々
な不具合が生じる。
【0005】本発明の目的は、複数の永久磁石と複数の
コア部材とを軸の周囲に交互に配設してなる同期電動機
のロータにおいて、生産性を損なうことなく容易に製造
でき、多様な成分のスロットリップルを効果的に低減で
きる同期電動機のロータを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、周方向へ磁化された複数の永久磁石と、
それら永久磁石の各々を周方向へ挟持する複数のコア部
材とを、軸の周囲に交互に配設してなる同期電動機のロ
ータにおいて、コア部材の各々は、軸線に平行に延びて
回転軸を包囲する内周面と、軸線に平行に延びて隣接す
る永久磁石に当接される一対の側面と、ロータを囲繞す
るステータに対向する外周面であって、それら側面の間
に曲面状に、かつ軸線に対し周方向へ所定角度だけ傾斜
して延びる外周面とを備えることを特徴とする同期電動
機のロータを提供する。
【0007】好適な実施例によれば、コア部材の各々
は、複数の磁性薄板を軸線方向へ積層して形成され、そ
れら磁性薄板は、積層によって外周面を形成する磁性薄
板の周縁部のみが、隣接する磁性薄板の間で周方向にず
れて配置されるようなそれぞれに異なる形状を有する。
【0008】
【作用】コア部材の両側面は軸線に平行に延びるので、
各コア部材に挟持される永久磁石は、コア部材の全長に
亙る軸線方向長さを有した略直方体形状を備えることが
できる。またコア部材の外周面は軸線に対し傾斜して延
びるので、ロータの回転時に生じるスロットリップルが
多様な成分に亙って効果的に低減される。コア部材が磁
性薄板の積層体からなる場合は、隣接する磁性薄板の間
で周方向にずれて配置される周縁部が、磁性薄板の積層
によって、軸線に対し傾斜して延びるコア部材の外周面
を形成する。
【0009】
【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明をその実
施例に基づきさらに詳細に説明する。図面において、同
一の構成要素には共通の参照符号を付す。図1及び図2
は、本発明の実施例による同期電動機のロータ10を示
す。ロータ10は、回転軸12と、回転軸12の周囲に
略等間隔に放射状に配置される複数(図示の例では8
個)の永久磁石14と、各永久磁石14を周方向へ挟持
して回転軸12の周囲に配設される複数(図示の例では
8個)のコア部材16とを備える。各永久磁石14は回
転軸12の周囲で周方向へ交互的に磁化され、隣接する
永久磁石14間で各コア部材16がロータ10のN極及
びS極を交互に形成する。好適な実施例では、各コア部
材16は、略扇形輪郭を有する珪素鋼板等の磁性薄板コ
アを軸線方向へ積層して形成された積層コア部材からな
る(図3参照)。しかしながら、断面略扇形の磁性材料
のブロック体からなるコア部材を有したロータにも、本
発明を適用できることは言うまでもない。
【0010】永久磁石14及びコア部材16の軸線方向
両端には、環状の端板18がそれぞれ配置される。各端
板18は、その軸線方向端面にて永久磁石14及びコア
部材16の軸線方向端面に当接され、その中心に設けた
軸穴(図示せず)にて回転軸12に、例えば焼嵌めによ
り固定される。各コア部材16は、軸線方向へ貫通する
1つの貫通孔20を備え、貫通孔20内にそれぞれロッ
ド部材22が挿入される。各ロッド部材22はその両端
で、各貫通孔20に整合する位置に各端板18に設けら
れたロッド孔(図示せず)を貫通して各端板18に固定
される。
【0011】ロータ10において、各コア部材16は、
軸線Aに平行に延びて隣接する永久磁石14に好ましく
は密に当接される一対の側面24と、ロータ10を囲繞
するステータ26(図4参照)に空隙を介して対向する
半径方向外周面28とを備える。外周面28は、一対の
側面24の間に曲面状に、かつ軸線Aに対し周方向へ所
定角度αだけ傾斜して延びる。
【0012】詳述すれば外周面28は、図2(a)及び
(b)に端面図で示すように、軸線Aに直交する所与の
断面において頂点Vを中心とした周方向へ対称な湾出曲
面形状を有する。したがってロータ10では、コア部材
16の外周面28の頂点Vを結ぶ線分Lが、軸線Aに対
し周方向へ所定角度αだけ傾斜して延びるのである(図
1)。なお、このような外周面28の曲面形状は、ロー
タ10とステータ26との間の空隙における磁束密度分
布を理想の正弦波形状に近似させるための周知の規則に
従って設定される。さらにロータ10では、各コア部材
16の軸線方向両端面において、回転軸12の中心Oと
コア部材16上で両側面24から等距離の各点とを結ぶ
線分Pと、中心Oと頂点Vとを結ぶ線分Qとの成す角度
は、絶対値が等しくなっている。この角度をθ及び−θ
(図2)と置くと、α=2θである。
【0013】さらに、各コア部材16の外周面28の周
方向両縁部には、両側面24から周方向に突出する外フ
ック30が形成される。外フック30は、その突出寸法
がコア部材16の軸線方向各端面において最大又は最小
を呈し、一方の側面24において軸線方向に最大寸法か
ら漸減するとともに他方の側面24において最小寸法か
ら漸増する。それによりコア部材16の外周面28の周
方向両縁部(すなわち外フック30の先端)は、頂点V
を結ぶ線分Lから等距離の位置で相互に平行に、かつ軸
線Aに対し所定角度αだけ傾斜して直線的に延びる(図
1)。
【0014】各コア部材16はさらに、軸線Aに平行に
延びて回転軸12を非接触に包囲する半径方向内周面3
2を備える。好ましくは内周面32の周方向両縁部に
は、両側面24から周方向に突出する内フック34が形
成される。内フック34は、コア部材16の全長に亙っ
て均一な突出寸法を有する。各永久磁石14は、外フッ
ク30及び内フック34によって半径方向へ位置決めか
つ保持される。またコア部材16が積層コア部材である
場合、図3に明示するように、複数の薄板コア36の軸
線方向両端面には、周知の凹凸構造からなるかしめ部3
8が形成される。
【0015】上記構成を備えるロータ10によれば、各
コア部材16はその外周面28のみが軸線Aに対して傾
斜した形状を有するので、各永久磁石14は、コア部材
16の全長に亙る軸線方向長さを有した略直方体形状を
備えることができる。しかも、コア部材16の外周面2
8が直線的に傾斜しているので、ロータ10の回転時に
生じるスロットリップルを多様な成分に亙って効果的に
低減できる。
【0016】図5は、本発明の他の実施例による同期電
動機のロータ40を示す。ロータ40は、回転軸12
と、回転軸12の周囲に略等間隔に配置される複数の永
久磁石14と、永久磁石14の各々を周方向へ挟持して
回転軸12の周囲に配設される複数の積層コア部材42
とを備える。積層コア部材42は、多数の薄板コア44
(図6(a)参照)と、薄板コア44と略同一形状の複
数の薄板コア部分46を備える一体型薄板コア48(図
6(b)参照)とを、相互に積層かつ結合して形成され
る。
【0017】一体形薄板コア48は、各薄板コア部分4
6の半径方向内周縁にて周方向へ延設される連結部50
を備え、連結部50によって、隣合う薄板コア部分46
間に永久磁石14の設置空間を有した相対配置で相互に
連結される。このような一体形薄板コア48を、薄板コ
ア44による積層構造の所定位置に所定個数介在させ、
かしめ作業により一体に結合することにより、隣合う積
層コア部材42間に永久磁石14の設置空間を有する一
体形積層ロータコア52が形成される(図7参照)。
【0018】このような構成は、特開平6−24545
1号公報に開示されるロータ構造と同様のものである
が、さらにロータ40においては、各積層コア部材42
は、軸線に平行に延びて隣接する永久磁石14に好まし
くは密に当接される一対の側面54と、それら側面54
の間に曲面状に、かつ軸線に対し周方向へ所定角度だけ
傾斜して延びる外周面56とを備える(図7及び図
8)。
【0019】積層コア部材42の外周面56は、図1の
ロータ10のコア部材16の外周面28と同様に、軸線
Aに直交する所与の断面において頂点Vを中心とした周
方向へ対称な湾出曲面形状を有し、頂点Vを結ぶ線分L
が軸線Aに対し周方向へ所定角度αだけ傾斜して延び
る。また各積層コア部材42の外周面56の周方向両縁
部には、両側面54から周方向に突出する外フック58
が形成され、外フック58の先端が、頂点Vを結ぶ線分
Lから等距離の位置で相互に平行に、かつ軸線Aに対し
所定角度αだけ傾斜して直線的に延びる。
【0020】なおロータ40では、一体形積層ロータコ
ア52が永久磁石14の半径方向内周面に接触する連結
部50を有するので、内フックが省略されている。ま
た、各積層コア部材42の多数の薄板コア44と一体形
薄板コア48とは、かしめ部60によって結合され、ロ
ッド部材22によって回転軸12の周囲に固定的に保持
される。
【0021】ロータ40においても、各永久磁石14は
積層コア部材42の全長に亙る軸線方向長さを有した略
直方体形状を備えることができ、しかも、積層コア部材
42の外周面56が直線的に傾斜しているので、スロッ
トリップルを多様な成分に亙って効果的に低減できる。
さらに、一体型積層ロータコア52を用いたので、ロー
タ40の組立作業が極めて容易になり、組立工程の自動
化に寄与する。
【0022】図9は、本発明のさらに他の実施例による
同期電動機のロータ62をステータ64とともに示す。
ステータ64は、図4のステータ26に比べて巻線設置
用のスロット66(又は歯68)が少なく、一般に各々
の歯68に巻線が1組ずつ巻付けられる。このようなス
テータ64に組み合わされるロータ62は、各コア部材
70の外周面72がステータ内周面(すなわち歯68の
先端面74)と略同心の円周上に配置されるものが多く
使用される。換言すれば、外周面72はロータ62とス
テータ64との間の空隙における磁束密度分布を理想の
正弦波形状に近似させるための周知の規則に従った湾出
曲面形状を有しない。
【0023】このような形状のコア部材70では、図1
のロータ10のコア部材16に比べて外フック76を厚
く形成できるので、軸線に対し周方向へ所定角度だけ傾
斜して延びる外周面72の成形が比較的容易となる。ま
たこのような円弧状外周面72を有したコア部材70を
備えるロータ62では、永久磁石の半径方向厚みに関わ
らず外フック76が確実に形成されるので、比較的薄い
(体積の小さい)永久磁石78を使用できる。したがっ
て、希土類磁石等の高価な磁石材料を利用する際にコス
ト削減の点で有効である。
【0024】本発明に係るロータは、各コア部材が積層
コア部材である場合、プレス機械を使用した打抜き工程
及び積層工程により電磁鋼板から下記のような方法で製
造できる。例として、上記実施例によるロータ10の製
造方法を説明する。なお以下の説明では、積層によって
コア部材を形成する薄板コアの各部分は、コア部材の対
応の各部分と同一の番号に′を付した参照符号で示す。
【0025】図10に示すように、まず第1段階で電磁
鋼板80に、永久磁石14を挿入可能な寸法及び形状を
有した放射状に延びる8個の矩形穴82と、それら矩形
穴82の間に1つずつ配置され、ロッド部材22を挿入
可能な寸法及び形状を有した8個の円形孔20′とを、
ロータ10の組立完了時の相対配置で打抜く(図10
(a))。それにより、永久磁石14に接触する各薄板
コア36(図3)の直線状の両側縁24′が形成され
る。
【0026】次に第2段階で、各矩形穴82の半径方向
内縁部を切り開いて、各薄板コア36の内周縁32′及
び内フック34′を形成する(図10(b))。さらに
第3段階で、各矩形穴82の半径方向外縁部を切り開い
て、各薄板コア36の外周縁28′及び外フック30′
を形成する(図10(c))。これにより、所定の外周
縁形状及び外フック形状を有した第1群の薄板コア36
が、電磁鋼板80から打抜き形成される。なおかしめ部
38は、例えば第1段階の前に形成できる。
【0027】次に他の電磁鋼板に、第1及び第2段階の
打抜き作業を行なった後、第3段階では電磁鋼板及び打
抜き型(図示せず)のいずれか一方を所定角度だけ回転
させ、その状態で各薄板コア36の外周縁28′及び外
フック30′を形成する。これにより、外周縁28′の
みが周方向へずれた第2群の薄板コア36が形成される
(図10(d))。さらに他の電磁鋼板に、第1及び第
2段階の打抜き作業を行なった後、第3段階で電磁鋼板
及び打抜き型(図示せず)のいずれか一方をさらに所定
角度だけ回転させて打抜きを行ない、外周縁28′のみ
がさらに周方向へずれた第3群の薄板コア36を形成す
る(図10(e))。
【0028】このようにして、外周縁28′のみが周方
向へ所定角度ずつずれた異なる群の薄板コア36を多数
形成し、それら異なる群の薄板コア36を外周縁28′
のずれが一方向へ連続して生じるように順次積層するこ
とによって、外周面28のみが軸線に対し周方向へ所定
角度だけ傾斜して延びる複数のコア部材16が形成され
る。このようにして形成された複数のコア部材16を、
複数の永久磁石14とともに前述の相対配置で組合せ、
この組体を端板18及びロッド部材22によって回転軸
12に固定する。その後、適宜に樹脂含浸工程等を経
て、図1のロータ10が製造される。
【0029】このような構成では、コア部材16を形成
する薄板コア36の枚数が多い程、また外周縁28′及
び外フック30′を徐々にずらして形成する際の電磁鋼
板又は打抜き型の回転角度が小さい程、コア部材16の
外周面28の傾斜が直線状になり、スロットリップルの
低減効果が向上することが理解されよう。また、上記方
法では、回転による外周縁のずらしが容易なように、1
つのロータが有するコア部材の個数に等しい個数の薄板
コアをロータ組立完了時の相対配置で打抜く構成とした
が、外周縁を所望の角度ずつ正確にずらすことができさ
えすれば、薄板コアを1つずつ個別に打抜くこともでき
る。
【0030】上記の製造工程は、所望のプレスステーシ
ョンを指定して多様な作業工程を遂行可能な1つの順送
金型装置によって製造することが、生産性を向上させる
観点から好都合である。例として、図5の実施例による
ロータ40の製造工程を、図11及び図12を参照して
概略的に説明する。
【0031】順送金型装置(図示せず)では、電磁鋼板
84がロール状に巻かれた状態から引出されて連続的に
各ステーションに送られる。まず最初のステーションS
1で、永久磁石14を挿入可能な寸法及び形状を有した
放射状に延びる8個の矩形穴86と、それら矩形穴86
の間に1つずつ配置され、ロッド部材22を挿入可能な
寸法及び形状を有した8個の円形孔20′とを、ロータ
40の組立完了時の相対配置で打抜く。この時点で、か
しめ部60も形成しておく。次のステーションS2で
は、回転軸12を隙間を介して挿入可能な軸穴88を打
抜き、一体形薄板コア48の連結部50を形成する。
【0032】次のステーションS3では、打抜き型(上
型及び下型)を所定の回転位置に配置して、各矩形穴8
6の半径方向外縁部を切り開き、一体形薄板コア48の
各薄板コア部分46の外周縁56′及び外フック58′
を形成する。さらに次のステーションS4では、連結部
50を切断するか否かを指定し、切断しないものは最終
ステーションS5までそのまま搬送して一体形薄板コア
48として使用する。ステーションS4で連結部50を
切断したものは、8個の薄板コア44として、そのまま
の相対配置で最終ステーションS5へ送る。
【0033】ステーションS3では、ステーションS1
及びS2を経過した後続の製品部分が到達するたびに打
抜き型を微小な所定角度だけ同一方向へ回転させ、その
状態で一体形薄板コア48の各薄板コア部分46の外周
縁56′及び外フック58′を形成する。これにより、
外周縁56′のみが所定角度ずつ周方向へずれた異形状
の一体形薄板コア48が形成される。その後、ステーシ
ョンS4での連結部50の切断の有無を経て、外周縁5
6′のみが所定角度ずつ周方向へずれた異なる群の薄板
コア44及び異形状の一体形薄板コア48が、最終ステ
ーションS5へ送られる。
【0034】最終ステーションS5では、異なる薄板コ
ア44及び一体形薄板コア48を、外周縁56′のずれ
が一方向へ連続的に生じるように順次積層し、かしめに
より相互に結合することによって、外周面56のみが軸
線に対し周方向へ所定角度だけ傾斜して延びる複数のコ
ア部材42を有した一体形積層ロータコア52(図7)
が形成される。このようにして形成された一体形積層ロ
ータコア52に、複数の永久磁石14を組込み、この組
体を端板及びロッド部材22によって回転軸12に固定
する。その後、適宜に樹脂含浸工程等を経て、図5のロ
ータ40が製造される。
【0035】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、永久磁石とコア部材とを軸の周囲に交互に配設して
なる同期電動機のロータにおいて、軸線に平行に延びて
隣接する永久磁石に当接される一対の側面と、それら側
面の間に曲面状に、かつ軸線に対し周方向へ所定角度だ
け傾斜して延びる外周面とを備えたコア部材を使用した
ので、永久磁石はコア部材の全長に亙る軸線方向長さを
有した略直方体形状を備えることができ、しかも軸線に
対し傾斜して延びるコア部材の外周面により、ロータの
回転時に生じるスロットリップルが多様な成分に亙って
効果的に低減される。したがって本発明によれば、生産
性を損なうことなく容易に製造でき、スロットリップル
を確実に低減した高性能の同期電動機のロータが提供さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるロータの側面図である。
【図2】図1のロータの、(a)線a−aに沿った断面
図、及び(b)線b−bに沿った断面図、である。
【図3】図1のロータのコア部材の、(a)拡大平面
図、及び(b)拡大端面図、である。
【図4】図1のロータを対応のステータに組み込んだ状
態で示す断面図である。
【図5】本発明の他の実施例によるロータの断面図であ
る。
【図6】図5のロータの、(a)薄板コアの平面図、及
び(b)一体形薄板コアの平面図、である。
【図7】図5のロータの複数の永久磁石と一体形積層ロ
ータコアとを示す分解斜視図である。
【図8】図7の一体形積層ロータコアの部分拡大斜視図
である。
【図9】本発明のさらに他の実施例によるロータを、対
応のステータに組み込んだ状態で示す断面図である。
【図10】図1のロータの製造工程を説明する図で、
(a)第1打抜き段階、(b)第2打抜き段階、(c)
第3打抜き段階で形成された薄板コア、(d)第3打抜
き段階で形成された他の薄板コア、及び(e)第3打抜
き段階で形成されたさらに他の薄板コア、を示す。
【図11】図5のロータの製造工程を説明する図であ
る。
【図12】図11の製造工程のフローチャートである。
【図13】従来の同期電動機のロータの、(a)側面
図、(b)線b−bに沿った断面図、及び(c)線c−
cに沿った断面図、である。
【符号の説明】
12…回転軸 14、78…永久磁石 16、42、70…コア部材 22…ロッド部材 24、54…側面 28、56、72…外周面 30、58、76…外フック 36、44…薄板コア 46…薄板コア部分 48…一体形薄板コア 50…連結部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周方向へ磁化された複数の永久磁石と、
    該永久磁石の各々を周方向へ挟持する複数のコア部材と
    を、軸の周囲に交互に配設してなる同期電動機のロータ
    において、 前記コア部材の各々は、軸線に平行に延びて前記回転軸
    を包囲する内周面と、軸線に平行に延びて隣接する前記
    永久磁石に当接される一対の側面と、ロータを囲繞する
    ステータに対向する外周面であって、それら側面の間に
    曲面状に、かつ軸線に対し周方向へ所定角度だけ傾斜し
    て延びる外周面とを備えることを特徴とする同期電動機
    のロータ。
  2. 【請求項2】 前記コア部材の各々は、複数の磁性薄板
    を軸線方向へ積層して形成され、それら磁性薄板は、積
    層によって前記外周面を形成する該磁性薄板の周縁部の
    みが、隣接する該磁性薄板の間で周方向にずれて配置さ
    れるようなそれぞれに異なる形状を有する請求項1に記
    載の同期電動機のロータ。
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