JP4836555B2 - 永久磁石型モータ - Google Patents

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Description

本発明は永久磁石を回転子に取り付けた永久磁石型モータに関し、特にそのコギングトルクを低減して騒音と振動を少なくする技術に関する。
図11は、界磁用永久磁石を回転子に取り付けた永久磁石型モータ50の一般的な構成の断面図で示したものである。このモータ50は固定子51と回転子52とを備えて構成される。固定子51は円筒状の固定子鉄心53と固定子巻線54から構成される。固定子鉄心53の周辺ヨーク部55からは内側に向けて複数の磁極歯56が形成され、隣り合う磁極歯56間は固定子巻線54を巻装するためのスロット57を構成している。隣り合う磁極歯56の先端張出部間には隙間58が形成されており、スロット57はその隙間58により回転子52側に開口した開スロットとなっている。このような形状の固定子鉄心53は、例えば磁性鋼板を図の断面のような形状に打ち抜いた固定子鉄心片を複数枚積層して製作される。
回転子52は円筒状の回転子鉄心60に複数の永久磁石61を取り付けたもので、固定子51の内側に回転可能に支持されている。図の回転子52は、回転子鉄心60の表面に永久磁石61に張り付けた表面磁石構造となっている。複数の永久磁石61はN極とS極とが交互に配置されている。固定子巻線54に通電して回転磁界が形成されると回転子52は回転軸心回りに回転する。
こうした永久磁石型モータ50では、無通電状態で外部から回転トルクを与えて回転子52を定速回転させようとした場合、必要トルクに回転ムラが生ずる。このトルクの回転ムラは回転子52と固定子51間に働く静的な磁気吸引力が回転位置により異なることによるもので、コギングトルクと呼ばれる。このコギングトルクの大きさは、永久磁石61の作る磁束の磁路の全磁気エネルギーを回転角度で微分した値と考えられる。図11に示したモータ50のように固定子鉄心53のスロット57に開口部(隙間58)が存在すると、回転子52の回転に伴って磁路の磁気抵抗が変化して磁路の全磁気エネルギーも変化する。その結果としてコギングトルクが発生する。
このコギングトルクは、その値が大きいと振動や騒音を発生するばかりでなくモータ効率も低下させることもある。こうしたことから、永久磁石型モータではコギングトルクを低減させることが大きな課題となっている。
コギングトルクの低減を図る従来技術としては、例えば図12に示すように回転子52に取り付ける永久磁石61を軸方向に複数段に分割し、分割した永久磁石61を軸心方向に進むにつれ周方向に段単位で徐々に変化させて取り付ける、いわゆる段スキューを形成する提案がある(特許文献1参照)。これは各段で発生するコギングトルクが相互に打ち消し合うようにしようとするものである。しかし、段スキューを形成すると軸方向に互いに極性の異なる永久磁石が近接する部分が生じ、それら近接する部分で図中の矢印62で示すような漏れ磁束が発生する。このような漏れ磁束が発生すると有効な回転トルクが減少することに加え、永久磁石61の作る磁束分布が正弦波から外れてコギングトルクを打ち消す効果も小さくなるという問題が生ずる。
この段スキューを形成した場合における上記漏れ磁束を減少させるために、図13に示すように隣り合う段間に隙間63を設けたり(特許文献2参照)、その隙間63に非磁性材料を介在させたりする提案(特許文献3参照)がある。
更には、段スキューにおける隣り合う段の境界に対向する固定子鉄心部分に非磁性材料からなる磁気絶縁層を設ける提案(特許文献4参照)もある。しかし、固定子鉄心は一般にプレス加工で「自動かしめ」しながら一つの製造ラインで製造される。磁性材料と非磁性材料の2種類の材料を積層するには別々の製造ラインが必要となり、かしめ工程も別に必要となる。このため非磁性材料を固定子鉄心の一部に使用することは製造工数の増大を招く他、部品調達の増加、材料の混在などの問題を生じさせる。
実開昭61−17876号公報 特開平8−251847号公報 特開2000−308287号公報 特開2003−284276号公報
本発明はこのような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、製造工数の増大を招くことなくコギングトルクを効果的に低減し、振動、騒音を少なくした永久磁石形モータを提供することにある。
前記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、複数の磁極歯と固定子巻線用スロットを設けた固定子鉄心を有する固定子と、複数の永久磁石が固定され固定子の内側に回転自在に支持された回転子とを備え、固定子巻線用スロットが回転子側に開口している永久磁石型モータにおいて、複数の永久磁石は回転軸心方向に複数に分割し分割した各永久磁石は周方向位置を相互にずらして配置し、分割した永久磁石の境界に対向する固定子鉄心の部位にはスロットを全て閉スロットとした固定子鉄心片を配置したことを特徴とする永久磁石型モータである。
請求項2に記載の発明は、複数の磁極歯と固定子巻線用スロットを設けた固定子鉄心を有する固定子と、複数の永久磁石が固定され固定子の内側に回転自在に支持された回転子とを備える永久磁石型モータにおいて、複数の永久磁石は回転軸心方向に複数に分割し、分割した各永久磁石は周方向位置を相互にずらして配置し、固定子鉄心は、開スロットを有する固定子鉄心片を積層して構成するとともに、分割した永久磁石の境界に対向する当該固定子鉄心の部位にはスロットを全て閉スロットとした固定子鉄心片を配置したことを特徴とする永久磁石型モータである。
このように回転子に取り付ける永久磁石を軸方向に複数に分割して周方向にずらした配置、いわゆる段スキューを形成した配置とすれば、分割した各部で発生するコギングトルクが互いに打ち消し合って合成コギングトルクが減少する効果を奏する。更に、本構成では分割した永久磁石の境界(段スキューの境界)に対向する固定子鉄心位置に閉スロットを形成した固定子鉄心片を配置している。このため段スキュー形成により生じた異極磁石が軸方向に隣り合う部分において新たに発生する漏洩磁束による磁路の磁気エネルギーが、回転子の回転によって変化することが防止される。その結果として段スキュー形成に起因する新たなコギングトルクの発生が防止される効果を奏する。
また、請求項に記載の発明は、請求項1または2に記載の永久磁石型モータにおいて、閉スロットとする固定子鉄心部分は、隣接する磁極歯の先端張出部の周方向端面を相互に密着させて構成したことを特徴とする永久磁石型モータである。
このような構成とすれば磁極歯に固定子巻線を巻いた後にスロットを閉スロットにすることができ、固定子巻線の巻装作業が容易となる効果を奏する。
また、請求項に記載の発明は、請求項1または2に記載の永久磁石型モータにおいて、永久磁石の境界に対向する固定子鉄心の部位には、隣接する磁極歯の先端張出部の周方向端面を相互に密着させて閉スロットとした2枚の固定子鉄心片を、その密着位置を周方向にずらして重ねて配置したことを特徴とする永久磁石型モータである。
このような構成とすれば、段スキュー形成により生じた異極磁石が軸方向に隣り合う部分において新たに発生する漏洩磁束による磁路の磁気エネルギー変化を一層確実に防止することができる。従って、段スキュー形成に起因する新たなコギングトルクの発生を一層効果的に防止することができる。
また、請求項に記載の発明は、請求項3又は4に記載の永久磁石型モータにおいて、前記閉スロットは、各磁極歯の先端張出部の周方向端の一方にV字状の凸溝(32)を、他方に該凸溝に嵌合する逆V字状の凸突起(33)を形成し、それら凸溝と凸突起とを嵌合させて構成したことを特徴とする永久磁石型モータである。
このような嵌め合い構成とすれば、閉スロットを形成した固定子鉄心片の内周面を正確に円筒面状に揃えることが可能となる効果を奏する。
以下、本発明に係る永久磁石型モータの一実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態の永久磁石型モータ1は、固定子を構成する固定子鉄心の構成と回転子に取り付ける永久磁石の配置に特徴がある。図1は、その固定子2及び回転子3の構成とその配置関係を斜視図で示したもので、固定子2はモータ1の回転軸心を含む面で2分割した片側部分を示している。モータとして必要な回転軸、その支持機構、固定子巻線、モータケースは省略してある。
回転子3は、円筒状を成す回転子鉄心4の外表面に永久磁石5を張り付けた表面磁石構造であり、中心孔6に取り付けた図示しない回転軸によりその軸心回りに回転自在に支持されている。永久磁石5は軸方向に2分割して2段配置してある。永久磁石5は断面略円弧状に形成されており、周方向にN極とS極とが所定の周方向間隙7を隔てて交互に配置してある。そして2分割した各永久磁石5は分割部(段と段の境界9)で周方向位置を相互にずらして配置してあり、いわゆる段スキューが形成してある。
図2は、図1に示した回転子3と固定子2の上面図である。固定子2としては固定子鉄心10のみを示している。固定子鉄心10は、外側の円筒状ヨーク11とその内側から中心に向けて放射状に突出した複数の磁極歯12により構成されている。ヨーク11及び磁極歯12は、珪素鋼板などの磁性鋼板をそれぞれ2に示したような形状に打ち抜いたものを必要枚数積層し軸方向にかしめて製作したものである。磁極歯12は、あり溝構造によりヨーク11の内側に固定されている。
磁極歯12の先端部には周方向両側に張り出した張出部14が設けられている。隣り合う磁極歯12の胴部15と張出部14、それらとヨーク11に囲まれて部分は固定子巻線を通すためのスロット16を構成している。隣り合う磁極歯12の先端張出部14間には間隙17が形成されており、スロット16はその間隙17により回転子3側に開口している。即ち、この場合のスロット16は開スロットとなっている。
本実施形態の固定子鉄心10は、図1に示すように軸方向中央の1枚を除き開スロットを有する固定子鉄心片(固定子鉄心の1層分)20を必要枚数積層して構成してある。中央の1枚の固定子鉄心片20aだけは、図3に示すように磁極歯12の先端張出部14間の間隙を無くしてスロット16が閉スロットとなるように構成してある。このような閉スロットは磁極歯12の先端張出部14の張り出し長さを長く形成し、周方向端面を相互に密着させることで形成してある。
回転子3は、2段の段スキューを形成した永久磁石5の境界9が上記閉スロットを形成した固定子鉄心片20aの板厚の中央に位置するように軸方向位置を調整して取り付けてある。また、回転子3と固定子2と間にはエアギャップ22が確保されている。
コギングトルクは、「背景技術」でも述べたように回転子位置による固定子2と回転子3の静的な磁気吸引力の差によるものである。その大きさは、永久磁石5の作る磁束の磁路が有する全磁気エネルギーの回転子回転角に対する変化(回転角度による微分値)と考えられる。そして全磁気エネルギーの変化は、回転子3の回転により磁路の磁気抵抗が変化することにより生ずる。
図2に示したような開スロットを有する固定子鉄心10の内側で回転子3を回転させた場合には、開スロットの間隙17が周方向に点在するため回転子3の回転角度により磁気抵抗が変化して磁路の全磁気エネルギーが変化する。開スロットの間隙17は等間隔で存在し、回転子3の永久磁石5も等間隔で取り付けてある。従って、コギングトルクは回転子3が1回転する間に回転子3の極数と固定子2のスロット数との最小公倍数の回数だけ繰り返し発生する。コギングトルクの1周期は360°をその最小公倍数で割った機械角度を回転子3が回転する時間に等しく、図2に示したような8極12スロット構成の場合には回転子3が機械角で15°回転する時間がコギングトルクの1周期となる。
このコギングトルクの大きさは、1周期の期間中にほぼ正弦波に近い波形で変化する。図4の曲線(1)は、図1の永久磁石型モータ1において回転子3の上半分部分(上段部分)で発生するコギングトルクの波形例である。コギングトルクがこのような波形で変化することから、その波形を1/2周期分だけずらして足し合わせれば2つのコギングトルクが互いに打ち消しあって合成コギングトルクを小さくできることが予想できる。
図4の曲線(2)は、図1の永久磁石型モータ1における回転子3の下半分部分(下段部分)の永久磁石5を上段部分に対して7.5°(8極12スロット構成におけるコギングトルクの1周期波形に対応する回転子3の回転角15°の1/2に相当)だけ周方向にずらして取り付けた場合における回転子3の下段部分で発生するコギングトルクの大きさである。上段部分の曲線(1)と下段部分の曲線(2)の2つを合成した合成コギングトルクは、理想的には図4の曲線(3)に示すように波形が互いに打ち消しあって非常に小さな値となる。僅かに残る合成コギングトルクは、波形の歪によるものである。
ところで、上記のように段スキューを形成することよりコギングトルクを互いに打ち消しあわせることができるのは、永久磁石5の作る磁束成分の内、回転軸に垂直な面上の成分による磁気エネルギーの変化分のみである。軸方向成分による磁気エネルギーの変化分は打ち消し合うことがない。
永久磁石5を2分割して周方向にずらした段スキューを形成した場合には、図1に示すように軸方向に異極磁石が軸方向に隣り合う部分24が極数個だけ形成される。その部分では図中の矢印に示すようなトルク発生に寄与しない漏洩磁束が生ずる。図5は、異極磁石が軸方向に隣り合う部分24を拡大し、漏洩磁束の通る磁路を模式的に示したものである(異極磁石が軸方向に隣り合う部分24に向き合う部分の固定子鉄心10は縦断面図で示す。)。漏洩磁束の磁路としては、図に示すように異極磁石間を直接繋ぐ磁路26の他、回転子3と固定子2との間のエアギャップ22通る磁路27と、エアギャップ22を通って固定子鉄心10に入り再度エアギャップ22を通って異極磁石に入る磁路28とがある。
このうち固定子鉄心10をも通る漏洩磁束の磁路28は、異極磁石が軸方向に隣り合う部分24に対向する部分に固定子鉄心10の磁極歯12の先端部30が存在する場合に形成される磁路である。固定子鉄心10が開スロットに形成されている場合、異極磁石の隣り合う部分24がその開スロットに対向する位置にきたときは開スロットに相当する部分だけ磁極歯12の先端部(先端張出部14を含む。)30が存在しないことになる。そのため、その位置では固定子鉄心10をも通る漏洩磁束の磁路(図5の磁路28)は形成されず、図6に示すようにエアギャップ22を通る磁路27と異極磁石間を直接繋ぐ磁路26のみが形成される。
このように段スキューの境界9に対向する位置に開スロットの形成された固定子鉄心片20が配置されていると、回転子3の回転により磁路が変化して異極磁石の隣り合う部分24に隣接するエアギャップ22が有する軸方向磁束成分による磁気エネルギーが変化する。この変化はコギングトルクを生じさせる。即ち、段スキューを形成するとコギングトルクを発生させる新たな要因がその境界9付近に生ずる。
この新たな要因によるコギングトルクの発生を防止するには、異極磁石が軸方向に隣り合う部分24に対向する位置にあるエアギャップ22及び固定子鉄心10の状態が回転位置に関わらず常に同じになるようにすればよい。そうすれば回転子3が回転しても磁気エネルギーは変化しないためコギングトルクは発生しなくなる。
こうしたことから本実施形態の永久磁石型モータ1では、図1の全体図及び図7の境界部拡大図に示すように段スキューの境界9に対向する位置の固定子鉄心10部分に閉スロットを形成した固定子鉄心片20aを配置している。異極磁石の隣り合う部分24に生ずる漏洩磁束は隣り合う部分24の近傍のみを通るので、閉スロットを形成した固定子鉄心片20aは1枚のみでよい。回転子3の軸方向位置は、段スキューの境界9が閉スロットを形成した固定子鉄心片20aの厚みの中心に位置するように調整しておく。
固定子鉄心10の中に入る漏洩磁束は固定子鉄心10の表層部分を通るので、このようにすることで漏洩磁束の磁路は図7に示すようになる。この磁路の形状は図5に示した磁路と殆ど同一であり、しかも回転子3が回転しても変化しない。従って、異極磁石の隣り合う部分24で新たに生じた漏洩磁束による新たなコギングトルクの発生を防止することができる。
図8は、コギングトルクを減少させる対策を施した場合と施さない場合とのコギングトルクの大きさを測定値で比較したものである。(1)の曲線は対策を施してない場合の測定値、(2)の曲線は前述したように段スキューを形成する対策と段スキューの境界9に対向する位置に閉スロットを形成した固定子鉄心片20aを配置する対策の双方を施した本実施形態の永久磁石型モータ1のコギングトルクである。対策を施した本実施形態の永久磁石型モータ1は、コギングトルクが大幅に減少することを示している。
このような本実施形態の永久磁石型モータ1は固定子鉄心10を全て磁性材料のみで製作しており、特許文献4に記載があるような非磁性材料は使用していない。従って、固定子鉄心10は同一の製造ラインで製作することが可能であり、材料が一種類であることから部品調達の増加がなく材料の混在も生じないという効果も奏する。
なお、上記実施形態では8極12スロットで回転子鉄心の表面に永久磁石を取り付けた永久磁石型モータを例に挙げて説明したが、極数、スロット数が異なるモータについても上記考えは同様に適用でき、同様の効果を奏する。更には、永久磁石を固定子鉄心の内部に埋め込んだ磁石埋め込み型モータ、固定子の外側で永久磁石を取り付けた円筒状回転子が回転する外転型(アウターロータ型)モータ、固定子側に永久磁石を配置し巻線を施した回転子鉄心が回転する整流子モータについても同様に適用でき同様の効果を奏する。
(変形実施形態)
前記の永久磁石型モータ1は、次のように変形して実施してもよい。
(1)上記実施形態では回転子に取り付けた永久磁石を回転軸心方向に2分割して2段の段スキューを設けた構成について説明したが段数は更に増やしてもよい。この場合における各段間の永久磁石の周方向ずらし角度は、各段で発生するコギングトルクの1周期に相当する回転角(機械角)を段数で割った角度とする。このようにすることで各段で発生するコギングトルクを合成した合成コギングトルクをより効果的に打ち消し合わせることができる。
(2)前記実施形態における閉スロットを形成した固定子鉄心片20aの平面形状は図3に示したものであり、閉スロットを形成している各磁極歯12の先端張出部14の周方向端面は平面に形成されて隣の端面と密着させていた。この密着端面の形状は、図9の平面図に示すように一方には軸方向にV字状の凸溝32、他方にはそれに嵌合する軸方向に逆V字状の凸突起33を設け、嵌合により互いの面を密着させるように構成してもよい。このような嵌め合い構成とすれば、閉スロットを形成した固定子鉄心片20aの内周面を正確に円筒面状に揃えることが可能となる利点がある。
(3)前記の永久磁石型モータ1では段スキューの境界9に対向する位置の固定子鉄心10に閉スロットを形成した1枚の固定子鉄心片20aを配置した。これに代えて閉スロットを形成した固定子鉄心片20aを2枚使用し、隣り合う磁極歯12の先端張出部14の周方向端面が相互に密着する位置35が一致しないようにずらして重ねたものを配置するようにしてもよい。そのような構成として固定子鉄心10の構成例を図12に2分割した断面部分の斜視図で示す。図中の閉スロットを形成した2枚の固定子鉄心片20aは、図3に示した固定子鉄心片20aにおける磁極歯12の先端張出部14の張り出し長さを長短2種類としてそれらを一つ置きに配置したものを、磁極歯の一極分だけ周方向にずらして重ねたものである。
このような構成とすれば、異極磁石の隣り合う部分24での漏洩磁束によるコギングトルクの発生を一層確実に防止することができる。
本発明の一実施形態に係る永久磁石型モータ1の構成図である。 図1に示す永久磁石型モータ1の回転子3と固定子2の上面図である。 閉スロットを形成した固定子鉄心片20aの平面図である。 段スキューの形成によるコギングトルクの減少を説明する図である。 異極磁石の隣り合う部分24に対向する位置に固定子鉄心10がある場合における漏洩磁束の磁路を説明する図である。 異極磁石の隣り合う部分24に対向する位置に開スロットがある場合における漏洩磁束の磁路を説明する図である。 異極磁石の隣り合う部分24に対向する位置に閉スロットを形成した固定子鉄心片20aを配置した場合の漏洩磁束の磁路を説明する図である。 コギングトルクを減少させる対策を採った永久磁石型モータ1のコギングトルク減少効果を説明する図である。 閉スロットを形成した固定子鉄心片20aの他の実施形態である。 固定子鉄心片20aを2枚使用した固定子鉄心10の構成例である。 従来技術に係る永久磁石型モータの一構成の断面図である。 段スキューを形成した従来技術に係る回転子の構成例である。 段スキューを形成した従来技術に係る回転子の他の構成例である。
符号の説明
図面中、1は永久磁石型モータ、2は固定子、3は回転子、4は回転子鉄心、5は永久磁石、9は永久磁石の境界(段スキューの境界)、10は固定子鉄心、12は磁極歯、14は張出部、16はスロット、20は開スロットを形成した固定子鉄心片、20aは閉スロットを形成した固定子鉄心片、32はV字状の凸溝、33は逆V字状の凸突起を示す。

Claims (5)

  1. 複数の磁極歯(12)と固定子巻線用スロット(16)を設けた固定子鉄心(10)を有する固定子(2)と、複数の永久磁石(5)が固定され前記固定子の内側に回転自在に支持された回転子(3)とを備え、前記固定子巻線用スロットが前記回転子側に開口している永久磁石型モータにおいて、
    前記複数の永久磁石は回転軸心方向に複数に分割し分割した各永久磁石は周方向位置を相互にずらして配置し、
    前記分割した永久磁石の境界(9)に対向する前記固定子鉄心の部位にはスロットを全て閉スロットとした固定子鉄心片(20a)を配置したことを特徴とする永久磁石型モータ。
  2. 複数の磁極歯(12)と固定子巻線用スロット(16)を設けた固定子鉄心(10)を有する固定子(2)と、複数の永久磁石(5)が固定され前記固定子の内側に回転自在に支持された回転子(3)とを備える永久磁石型モータにおいて、
    前記複数の永久磁石は回転軸心方向に複数に分割し、分割した各永久磁石は周方向位置を相互にずらして配置し、
    前記固定子鉄心は、開スロットを有する固定子鉄心片(20)を積層して構成するとともに、前記分割した永久磁石の境界(9)に対向する当該固定子鉄心の部位にはスロットを全て閉スロットとした固定子鉄心片(20a)を配置したことを特徴とする永久磁石型モータ。
  3. 請求項1または2に記載の永久磁石型モータにおいて、前記閉スロットは隣接する磁極歯の先端張出部(14)の周方向端面を相互に密着させて構成したことを特徴とする永久磁石型モータ。
  4. 請求項1または2に記載の永久磁石型モータにおいて、前記永久磁石の境界に対向する前記固定子鉄心の部位には、隣接する磁極歯の先端張出部の周方向端面を相互に密着させて閉スロットとした2枚の固定子鉄心片を、その密着位置を周方向にずらして重ねて配置したことを特徴とする永久磁石型モータ。
  5. 請求項3又は4に記載の永久磁石型モータにおいて、前記閉スロットは、前記各磁極歯の先端張出部の周方向端の一方にV字状の凸溝(32)を、他方に該凸溝に嵌合する逆V字状の凸突起(33)を形成し、それら凸溝と凸突起とを嵌合させて構成したことを特徴とする永久磁石型モータ。
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