JP3655121B2 - 光磁気情報記録再生装置および光磁気記録媒体ならびに光磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

光磁気情報記録再生装置および光磁気記録媒体ならびに光磁気記録媒体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク、光カードなどの光磁気記録媒体とその製造方法、並びに、光磁気記録媒体を用いて情報を記録又は再生する光磁気記録再生装置に関し、特に、記録層にガーネット系フェライト層を含む、高密度記録及び近接記録に好適な光磁気記録媒体とその製造方法、並びに、その光磁気記録媒体用の光磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、商用とされている光磁気ディスク等の光磁気記録媒体においては、その記録層は主に金属薄膜によって形成されており、書き込み用光ビームによって記録層の微小領域における透過率や反射率などの光学的特性を変えることで情報を記録ビットとして記録している。前記金属薄膜の材料としてはTbFeCoなどの希土類金属のアモルファス合金が代表的であり、そのようなアモルファス合金は、一般に、吸収係数が大きい(>105cm-1)ので書き込みに有利である。
【0003】
一方、ガーネットフェライト、すなわちガーネット型の結晶構造を有するフェライトなどの酸化物からなる記録層を備えた光磁気記録媒体も開発されている。このような記録媒体においては、光磁気記録材料そのものが酸化物であるため、金属材料を記録層に用いた場合に比べて酸化による特性の劣化が小さい。
【0004】
しかし、ガーネットフェライトを光磁気記録材料として使用した場合は、スパッタリングによって基板表面にガーネットフェライト層を形成する際に、層内部に応力が発生するので、その結果、ガーネットフェライト層にクラックが入り、層表面のモルフォロジが荒れ、また、結晶粒子が巨大化することがある。これらは記録再生時のノイズの原因となるので好ましくない。そこで、特開平8−249740号公報には、基板の熱膨張係数を調整したり、また、アニール後に逆スパッタ等を施すことで、ガーネット層のモルフォロジを改善することが開示されている。
【0005】
ところで、近年、S/N比、及び、C/N比の更なる向上を目指して、複数種の光磁気記録材料からなる層を積層した新しいタイプの記録層の開発が進められている。しかし、上記したアモルファス合金などの金属系の材料は、Kerr効果が比較的小さい割に、その吸収係数が大きいので積層構造に適さないと言われている。そこで、ファラデー効果の大きい酸化物系の光磁気記録材料として知られているガーネットフェライトを積層した記録層が注目されており、例えば、可視光波長領域において大きなファラデー回転角を有するビスマス置換型ガーネットフェライトを積層構造にした多層記録媒体が提案されている(伊藤、小池、沼田、井上、川西、「光磁気記録用多層磁性ガーネット膜について」、第10回日本応用磁気学会学術講演概要集、p.31(1986年11月))。
【0006】
しかし、このビスマス置換型ガーネットフェライトを記録層として用いた多層記録媒体においては、記録層の吸収係数が小さくなるために情報の書き込み時に大出力の光ビームを要していた。
そこで、このような問題点を考慮して、記録層近傍に光吸収層を設けることで、光ビームの熱を効率よく記録層に伝え、記録動作を促進する多層型の光磁気記録媒体が、特開平6−282868号公報に開示されている。しかし、上記のタイプの光磁気記録媒体では、光吸収層としてGaAs、InP、CdS、CdSe、ZnSe、ZnS等のいわゆる直接遷移半導体を用いており、これらは層形成時において酸化されやすい。そのため、その上に保護層を設ける必要がある。この場合、前記保護層はSiO2、Al23、TiO2などをCVD法あるいはスパッタ法にて2〜100μm程度の範囲で堆積させることにより形成される。したがって、特開平6−282868号公報記載の方法では、記録層の他に光吸収層及び保護層を新たに形成しなくてはならないので、製造行程が複雑になり、それに伴いコストアップを招く不都合があった。しかも、このようにして得られる光磁気記録媒体のS/N比などの特性はまだ満足できるものではなかった。
【0007】
また、特開平6−290497号公報には、非磁性ガーネットフェライトのアンダーレイヤーを用いた二層ガーネットフェライト構造の記録層を備えた光磁気記録媒体の製造方法が提案されており、多層構造の記録層を採用することにより、ガーネットフェライト層の結晶粒径を1μm以下に抑え、ビット形状の乱れ及びノイズを改善することが開示されている。しかし、この方法は、プロセスが複雑となるために実用的ではない。また、組成の異なるガーネットフェライト同士で多層構造を形成した場合は、熱処理後に各ガーネットフェライト層の元素が層境界付近において拡散するので、層に対して垂直方向に組成ずれが生じ、S/N比などの特性劣化を招くと共に、再現性に問題が生ずる。
【0008】
そして、特願平10−244156号では、高いファラデー効果を有し、かつ、クラックも発生せずナノオーダーの微細な結晶を得ることができる(Brevet Francais No. 933315258(1993))スピネルフェライト、すなわちスピネル型の結晶構造を有するフェライトからなる層とガーネットフェライト層とが積層された記録層が提案されており、ガーネットフェライト層のモルフォロジ改善が改善され、S/N比が向上することが報告されている。しかし、強磁性のスピネルフェライト層との組み合わせにおいて、ガーネットフェライト層自身がスピネルフェライトの影響を受け、保磁力などの磁気特性の制御が困難となることがある。
【0009】
一方、光磁気記録媒体そのものだけでなく、光磁気記録媒体において情報を記録又は再生する装置の面からも、S/N比、及び、C/N比の向上のための様々なアプローチが検討されている。
【0010】
例えば、液体を対物レンズとサンプルの間に満たすことで、光学屈折率を高め高分解能化を実現する方法が従来より知られているが、これを固体の微小レンズを用いて行う技術(Appl. Phys. Lett., 57(24),1990、US PATENT No.5004307)がSILレンズとして提案されており、さらに、SILレンズを用いた光磁気記録再生方式も提案されている(US PATENT No.5125750)。これは、SILレンズと記録媒体の記録層との間の距離を、光の波長未満の距離即ちサブミクロンオーダーに保つことで、SILレンズの特徴である小さな集光スポット径を可能にし、記録密度の向上を図るものである。しかし、この方式においても、得られるS/N比及びC/N比は満足できる水準ではなかった。また、この方式は、特開平6−282868号公報に開示されるような、比較的厚い保護層を有する光磁気記録媒体には不適当であり、汎用性に欠けるものでもあった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、光磁気記録媒体及び光磁気情報記録再生装置の両方の側面からS/N比及びC/N比の優れた情報の記録再生を実現することを、その解決すべき課題とする。
すなわち、本発明の目的は、ガーネットフェライト層を含む記録層を有する光磁気記録媒体であって、高分解能、高記録密度であり、かつ、高いS/N比及びC/N比を備え、しかも磁気特性の制御が容易である新規な光磁気記録媒体を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、そのような光磁気記録媒体の情報記録及び再生に好適であって、かつ、S/N比、及び、C/N比を向上させることのできる新規な光磁気記録再生装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記した本発明の目的は、ガラス基板上に記録層及び反射層を備えた光磁気記録媒体であって、前記記録層が、α−Fe 層及びガーネットフェライト層が積層された層構造を有することを特徴とする光磁気記録媒体によって達成される。前記記録層は前記ガラス基板と前記反射層との間に位置していてもよく、また、前記反射層は前記ガラス基板と前記記録層との間に位置していてもよい。前記ガーネットフェライト層の厚さは40〜400nm、一方、前記α−Fe 層の厚さは10〜100nmであることが好ましい。そして、前記記録層は、複数のα−Fe 層及び複数のガーネットフェライト層が積層された多層構造であってもよく、その場合は、記録層の厚さが40〜1000nmであることが好ましい。なお、前記ガラス基板、前記反射層、前記記録層の少なくとも一つの表面に溝を形成し、又は、装荷を設けることもできる。「装荷」とは、各層の表面に突出部を形成して実効屈折率を変化させるための部材であって材質は特に限定されず、また、通常、矩形の断面を有する。
【0013】
また、本発明の目的は、ガラス基板上に記録層及び反射層を備えた光磁気記録媒体であって、前記記録層が、情報を記録するトラック部分のみに形成されたスピネルフェライト層表面にガーネットフェライト層が存在する層構造を有することを特徴とする光磁気記録媒体によっても達成される。前記記録層は前記ガラス基板と前記反射層との間に位置していてもよく、また、前記反射層は前記ガラス基板と前記記録層との間に位置していてもよい。前記ガーネットフェライト層の厚さが40〜400nm、一方、前記スピネルフェライト層厚さは10〜100nmであることが好ましい。
【0014】
本発明の光磁気記録媒体の前記記録層又は前記反射層の表面には透明層が積層されていてもよく、また、その場合に前記透明層の表面には溝が形成されてもよい。
【0015】
本発明の光磁気記録媒体は、前記記録層形成後に、500℃から700℃、好ましくは600℃から630℃の温度で熱処理を行う工程を含む製造方法によって製造することができる。
【0016】
そして、上記した本発明の他の目的は、光磁気記録媒体を用いて情報の記録再生を行う光磁気情報記録再生装置であって、前記光磁気記録媒体に情報を書き込む光の波長と前記光磁気記録媒体から情報を読み出す光の波長が異なることを特徴とする光磁気情報記録再生装置によって達成される。なお、前記光磁気情報記録再生装置はガラス基板上に記録層及び反射層を備え、前記記録層が、α−Fe 層及びガーネットフェライト層が積層された層構造、または、情報を記録するトラック部分のみに形成されたスピネルフェライト層表面にガーネットフェライト層が存在する層構造を有する光磁気記録媒体に対し使用される。なお、前記情報を書き込む光と前記情報を読み出す光は一つの光源から供給されることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
図4は、特願平10−244156号で提案されている、ガーネットフェライト層及びスピネルフェライト層からなる記録層を備えた光磁気記録媒体の断面図である。図4に示す光磁気記録媒体では、基板1上のスピネルフェライト層2の上にガーネットフェライト層3が形成されており、ガーネットフェライト層3は金属反射層4によって被覆されている。
【0018】
一方、図5は様々な記録層を備えた光磁気記録媒体のファラデー回転角の光波長(λ)依存性を示すグラフである。図5の実線(1)は、ガーネットフェライトの一つであるBiDyGalGの単層からなる記録層を備えた光磁気記録媒体の10kOe磁場印加条件下でのファラデー回転角の波長依存性を示している。また、同図の一点鎖線(2)は、スピネルフェライトの一つであるMn0.13Co0.73Fe2.144の単層からなる記録層を備えた光磁気記録媒体の10kOe磁場印加条件下でのファラデー回転角の波長依存性を示している。そして、点線(3)は、同磁場下における図4の光磁気記録媒体のファラデー回転角の波長依存性を示している。図5より、特願平10−244156号によって提案されている光磁気記録媒体の光磁気特性は記録層を構成するガーネットフェライト層の光磁気特性に主に依存し、したがって、図4の光磁気記録媒体からは可視光領域にわたって大きな再生信号が得られることが分かる。
【0019】
次に、10kOe磁場印加条件下での、BiDyGalGの薄膜の吸収係数(α)の光波長(λ)依存性を図6に示す。TbFeCoに代表される、従来の光磁気記録媒体において使用されているアモルファス金属は吸収特性が可視光領域にわたって大きな違いを示さないが、図6から、BiDyGalG薄膜は短波長側に行くにつれてその光吸収係数が大きくなることが分かる。すなわち、500nm付近を境にして、短波長領域では吸収が増大するのに対し、長波長では吸収が減少する。例えば、波長410nmの光ビームに対しては、波長630nmの光ビームに比べて、1桁近くも吸収係数が高いことが図6より明らかである。
図4の光磁気記録媒体の光磁気特性は記録層を構成するガーネットフェライト薄膜層3の光磁気特性に主に依存することから、図4の光磁気記録媒体の吸収係数も図6と同様の波長依存性を有している。
【0020】
そこで、本発明の光磁気情報記録再生装置では、情報の記録再生の対象となる光磁気記録媒体の光吸収特性を最大限に活用すべく、情報の書き込み用の光の波長と情報の読み出し用の光の波長を異ならせている。例えば、図6に示すような特性を有する層を含む記録層を備えた光磁気記録媒体に対して情報の記録又は再生を行う場合は、情報の書き込み時には吸収され易い短波長の光ビームを媒体に照射する一方、情報の再生時には短波長の光ビームよりも吸収の少ない長波長の光ビームを媒体に照射する。これにより、情報の記録時に効率よく記録層を加熱することが可能となり、また、情報の再生時には記録層の好ましくない加熱を抑制することができる。
【0021】
また、上記の場合においては、書き込み用の短波長の光ビームは効率的に記録層に吸収されるので、書き込み用の光ビームのパワーを従来より低減することができる。一方、再生用の長波長の光ビームは吸収が少なく、良好に反射されるので再生用の光ビームのパワーは従来より増大する。したがって、再生時のC/N(キャリア/ノイズ)比を向上させることが可能になる。
【0022】
なお、本発明者らは、図6に示すような光吸収特性を有し、本発明の光磁気情報記録再生装置において好適に使用することのできる他の光磁気記録媒体についても鋭意検討の上、後述する新規な光磁気記録媒体を作製し、本発明を完成した。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。ただし、これらの実施例は本発明の範囲を制限するものではない。
図1は、本発明の光磁気情報記録再生装置の一実施例(以下、「実施例1」という)の光学系を示す概略図である。以下、図1を参照しつつ、実施例1の記録再生原理を説明する。
【0024】
実施例1においては、図示しない回転手段上に円盤状の光磁気記録媒体11が回転自在に支承されている。そして、光磁気記録媒体11に情報を書き込む場合は、書き込み用の光源21から出た光ビームが第1のコリメータレンズ22、第1のビームスプリッタ41及び対物レンズ44を経て光磁気記録媒体11上に集光される。光磁気記録媒体11の記録層上の光ビームが照射された微小領域は、光ビームを吸収して加熱され、これにより情報が記録される。
【0025】
一方、光磁気記録媒体11から情報を読み出す場合は、読み出し用の光源23から出た光ビームが第2のコリメータレンズ24、第2のビームスプリッタ42及び対物レンズ44を経て光磁気記録媒体11上に集光され、その後、そのほとんどが反射される。反射された光ビームは、対物レンズ44、λ/4波長板61及び集光レンズ32を経て検出光学系31に集光される。検出光学系31では記録信号が検出される。実施例1では書き込み用の光源21及び読み出し用の光源23として半導体レーザーを用いているが、記録再生装置の動作に支障をきたさない範囲で他のレーザー光源を用いることも可能である。
【0026】
なお、実施例1において使用される光磁気記録媒体11としては、例えば、下地層としてのスピネルフェライト層2の上に、ガーネットフェライト層3がスパッタリング法もしくはCVD法によって堆積されている、図4に示す断面構造を有する光磁気記録媒体を採用することができる。そのような光磁気記録媒体の構造及び作成方法の詳細については特願平10−244156号明細書の内容に従う。
【0027】
実施例1の光磁気情報記録再生装置を用いて、光磁気記録媒体11への情報の記録再生を行う場合には、書き込み用の光源21から放出される光ビームはある基準値より波長が短く設定され、一方、読み出し用光源23から放出される光ビームは前記基準値より波長が長く設定される。前記基準値は光磁気記録媒体の記録層の特性に応じて適宜決定されるが、例えば、図6に示されるような光吸収特性を有する記録層を有する光磁気記録媒体を対象とする場合は、例えば500nmに設定される。
【0028】
したがって、実施例1において光磁気記録媒体11として図6に示すような光吸収特性を有する媒体を使用する場合は、480nm近辺を発振波長領域にもつアルゴンレーザーを書き込み用の光源21として用い、500〜700nmの発振波長領域を有する汎用の赤色半導体レーザーを読み出し用の光源23として用いることが好ましい。480nm近傍の波長の光ビームを用いて情報の書き込みを行うと、記録層の吸収率が高まるために、効率よく光磁気記録媒体11への記録を行うことができる。一方、例えば波長630nmの光ビームを用いて読み出しを行うと、その波長に対する記録層の吸収率が比較的低いために効率よく反射光を得ることができる。したがって、必要以上のパワーの光ビームを照射しなくても十分な反射光を得ることができる。
【0029】
図2は、本発明の光磁気情報記録再生装置の他の実施例(以下、「実施例2」という)の光学系を示す概略図である。実施例2は、第2のコリメータレンズ24と第2のビームスプリッタ42の間に波長変換素子62が配設されている点が実施例1とは異なる。このように、実施例2においては再生用の光ビームの経路の途中に波長変換素子62を設けているので、書き込み用の光源21と読み出し用の光源23に同一タイプの光源を用いることができる。
【0030】
すなわち、実施例2においては、同一の波長の光が放出される光源が書き込み用及び読み出し用の光源21及び22として使用された場合であっても、波長変換素子62を用いることにより、情報の再生に使用される光ビームの波長を光磁気記録媒体11による吸収の少ない長波長領域に変換することができる。したがって、高いパワーの光ビームを光磁気記録媒体11に照射する必要がなくなり、再生時の消費エネルギーを低減化できるとともに、媒体寿命の延命化が可能になる。なお、波長変換素子62を書き込み用の光ビームの経路の途中に配設して、書き込み用の光ビームの波長を短波長側に変換するようにしてもよい。
【0031】
図3は、本発明の光磁気情報記録再生装置の更に他の実施例(以下、「実施例3」という)の光学系を示す概略図である。実施例3においては、単一の共通光源25を用いて、波長の異なる書き込み用の光ビームと読み出し用の光ビームが供給されている。
【0032】
実施例3では情報の記録再生に用いる2つの光ビームの共通光源25として、チタンサファイアレーザーを用いており、共通光源25から出た光ビームは、第1のコリメータレンズ22を経てビームスプリッタ43に入り、その偏光方向によって、透過光と反射光とに2分割される。このうち、前記透過光は第1のハーフミラー46及び対物レンズ44を経て光磁気記録媒体11の記録層上に集光され、情報の書き込みに使用される。
【0033】
一方、前記反射光は非線形光学素子63に入射して波長が2倍にシフトされる。そして、シフトされた光ビームは反射ミラー45、波長選択フィルター64及び第2のハーフミラー47を経て、前記透過光と同じ光路によって光磁気記録媒体11の記録層上に集光される。なお、記録層からの反射光は実施例1と同様にして検出光学系31に入射する。これにより、書き込み用と読み出し用に光源を二つ設置する場合よりも、製造コストを削減することが可能となる。
【0034】
実施例3においては、共通光源25から放出される光ビームの一部の波長を変換できる手段であれば、非線形光学素子63に限らず、他の任意の変換手段を使用することができる。なお、共通光源25から放出される光ビームの一部の波長を他の非線形光学素子などによって短波長側にシフトして書き込み用とし、残りの光ビームを読み出し用としてもよい。
【0035】
ところで、図4の光磁気記録媒体は本発明の光磁気情報記録再生装置において好適に使用することができるが、この他にも本発明の光磁気情報記録再生装置における記録再生に適した光磁気記録媒体が存在する。以下、上記した光磁気情報記録再生装置における記録再生に適した本発明の光磁気記録媒体について詳細に説明する。
【0036】
図7は本発明の光磁気記録媒体の一実施例(以下、「実施例4」という)の断面図である。実施例4では基板1上に形成されたヘマタイト層5の上にガーネットフェライト層3が積層され、更に、金属反射層4によって被覆されている。実施例4では、図の下方から基板1を貫通して光ビームを照射することにより情報の記録再生が行われる。なお、基板1としては石英ガラス、パイレックスガラスなどの耐熱ガラスが使用され、また、金属反射層4としてはアルミニウム、金、クロムなどの金属或いはこれらの合金が使用される。
【0037】
実施例4は以下のようにして作製された。すなわち、まず基板1上に下地層としてヘマタイト層5をrfスパッタリング法を用いて形成し、100nmの厚さとした。マタイト層5を構成する材料としてα−Feを使用した。次に、酸素20%及び窒素80%の1気圧雰囲気中において400℃で10分間熱処理を行った。
【0038】
次に、rfスパッタリング法によってヘマタイト層5上にファラデー効果の大きいガーネットフェライト層3を形成し、350nmの厚さとした。ガーネットフェライト層3を構成する材料としてはBix3-x+uMyFe5-y+v12(0≦x≦3、0≦y≦5、-3≦u≦3、-3≦v≦3、RはDyを含む1種類以上の希土類元素、Mは鉄と置換可能な3価の金属)を用いることができるが、実施例4では、Bi2DyFe4GaO12を使用した。次に、酸素100%の1気圧雰囲気中において650℃で10分間熱処理を行った。最後にガーネットフェライト層3上に金属反射層4をコートした。
【0039】
図8は実施例4との比較のために作製された光磁気記録媒体の断面図であり、(a)では基板1上のヘマタイト層5に金属反射層4が被覆されている(以下、「比較例1」という)。一方、(b)では基板1上のガーネットフェライト層3に金属反射層4が被覆されている(以下、「比較例2」という)。なお、比較例1のヘマタイト層5は実施例4のヘマタイト層5と同じ条件で作製され、また、比較例2のガーネットフェライト層3についても実施例4のガーネットフェライト層3と同じ条件で作製された。
【0040】
AFMによる観察結果では比較例1のヘマタイト層5の表面荒さは2nm、結晶粒径は30nm以下であり非常に平坦であった。これに対し、比較例2のガーネットフェライト層3の表面荒さは4nm、結晶粒径は70nmであり、表面には1〜3μmのクラックも発生していた。
一方、実施例4のガーネットフェライト層3の表面をAFMによって観察してみると、表面荒さは3nm、結晶粒径は40nm以下であり非常に平坦であり、また、クラックは存在しなかった。
【0041】
このように、実施例4では、ヘマタイト層5をガーネットフェライト層3の下地層として用いることにより著しくガーネットフェライト層3のモルフォロジが改善され、かつ、微細なガーネッフェライト結晶粒子を得ることができた。これは、ヘマタイト層5上のガーネットフェライト層3がヘマタイト層5の微細な結晶粒子によるモルフォロジを承継するためと考えられる。これにより、高分解能、高記録密度、かつ、低ノイズの光磁気記録媒体を得ることが可能となる。さらに、ガーネットフェライトが本来有している大きなファラデー効果により高出力を確保することができ、低ノイズ化との相乗効果によりS/N比の優れた光磁気記録媒体の作製が可能となる。
【0042】
なお、実施例4におけるガーネットフェライト層3の厚さは40〜400nmとすることが好ましい。40nm未満では光磁気記録に十分な磁気特性を得ることが困難となり、また、400nmを越えるとクラックが発生しやすくなる。一方、ヘマタイト層5の厚さは10〜100nmとすることが好ましい。10nm未満では隣接するガーネットフェライト層3の表面のモルフォロジ改善効果を得ることが困難となり、また、100nmを越えると層が着色してS/N比が低下する。
【0043】
図9は実施例4、比較例1及び2の磁化曲線であり、図9(a)、(b)及び(c)は、それぞれ、比較例1、比較例2及び実施例4の磁化曲線に対応する。
図9(a)から明らかなように、ヘマタイト層5の単層からなる記録層を有する比較例1は非磁性である。一方、ガーネットフェライト3の単層からなる記録層を有する比較例2は図9(b)に示す磁気履歴特性を有しており、保磁力は12000e、飽和磁化は13emu/cc、残留磁化は10emu/ccであった。したがって、比較例2が有する角形比は約0.8(10/13)となり、比較例2は角形比については実用上十分な特性を有している。
なお、ヘマタイト層5及びガーネットフェライト層3の積層体からなる記録層を有する実施例4は、図9(c)に示されるように、比較例2と全く同じ保磁力、飽和磁化及び残留磁化が得られている。しかし、S/N比は比較例2に対して15dBほど改善されることが確認された。
【0044】
ところで、図4の光磁気記録媒体では下地層であるスピネルフェライト層2の作用によりガーネットフェライト層3のモルフォロジが改善されるものの、ガーネットフェライト層3が強磁性のスピネルフェライト層2からの影響を受け、保磁力などの磁気特性が変化することがある。しかし、実施例4の光磁気記録媒体によれば、ヘマタイト層5は非磁性であるためにガーネットフェライト層3の磁気特性を変動させることがない。したがって、実施例4では情報の記録再生を安定して行うことが可能である。そして、図4の光磁気記録媒体では下地層であるスピネルフェライト層2自身の吸収係数が大きいために再生出力信号が小さくなるおそれがあるが、実施例4ではスピネルフェライト層を下地層として使用しないのでそのような不都合はない。
【0045】
また、一般に、スパッタリング及び熱処理によってガーネットフェライト層を作製した場合には該ガーネットフェライト層に好ましくない圧縮応力が加わるが、これとは逆に、同様にヘマタイト層を作製した場合には該ヘマタイト層に引っ張り応力が加わる。実施例4ではガーネットフェライト層3とヘマタイト層5とを積層しているので、ガーネットフェライト層3に作用する圧縮応力をヘマタイト層5に作用する引っ張り応力によって相殺することができる。これにより、角形比(残留磁化/飽和磁化)が大きい記録層を容易に得ることができる。このため、垂直異方性が高く、高密度記録に適した光磁気記録媒体を作製することが可能となる。
【0046】
なお、本発明の光磁気記録媒体においては、図7に示す断面構造に代えて、基板1上に金属反射層4を形成し、この上にヘマタイト層5及びガーネットフェライト層3を順次積層する断面構造としてもよい。この場合は、ガーネットフェライト層3側から直接、光ビームを記録層に照射することによって記録再生が行われる。また、金属反射層4のパッシベーションの心配がないので、被覆層などの金属反射層4の保護手段が不要である。これにより、光磁気記録媒体の製造工程の簡素化及び製造コストの削減を図ることができる。また、再生時には読み出しヘッドなどの光ピックアップ機構を実質的に記録層により近づけることが可能となり、S/N比が向上する。
【0047】
図10は複数のヘマタイト層及びガーネットフェライト層からなる多層記録層6を有する、本発明の光磁気記録媒体の一実施例(以下、「実施例5」という)の断面を示す図である。図から明らかなように、実施例5では、基板1上に複数のヘマタイト層及びガーネットフェライト層からなる多層記録層6が形成され、さらにこの上に金属反射層4が積層されている。実施例5は、ヘマタイト層及びガーネットフェライト層を複数積層して多層記録層6を形成した後に一括して多層記録層6に対して熱処理を加える点以外は、実施例4の場合と同様に作製した。
多層記録層6の厚さは40〜1000nmとすることが好ましい。40nm未満では、光磁気記録に十分な磁気特性を得ることが困難であり、また、1000nmを越えると記録層の透明性が悪化する。
【0048】
実施例5の特性を調べたところ、実施例4と同じ磁気特性を有しており、また、多層記録層6のモルフォロジについても、実施例4と同じであった。
このように、実施例5では、実施例4と同じ磁気特性及びモルフォロジを有する記録層を得るにあたって、多層記録層6を構成する各層について熱処理を施す必要がないので、熱処理の回数を低減することができる。また、記録層の内部応力の制御を細やかに行うことができるので、優れた磁気特性を有する記録層をより容易に得ることができる。なお、本発明の光磁気記録媒体においては、必要に応じて、図10に示す断面構造に代えて、基板1上に金属反射層4を形成し、この上に多層記録層6を積層する断面構造を採用してもよい。
【0049】
なお、以下に示す実施例も、実施例4及び5の場合と実質的に同じ手法によって作製することができる。
【0050】
図11(a)及び(b)は、それぞれ、ヘマタイト層5及びガーネットフェライト層3の二層からなる記録層、及び、複数のヘマタイト層及びガーネットフェライト層からなる多層記録層6を有する光磁気記録媒体であって、サーボ制御用の溝7を形成した記録媒体(以下、両者を併せて「実施例6」という)の断面図である。 図から明らかなように、実施例6では、基板1上に形成された前記記録層又は多層記録層6の上に更にアルミニウムからなる金属反射層4が積層されている。なお、本発明の光磁気記録媒体においては、必要に応じて図11に示す断面構造に代えて、基板1上に金属反射層4を形成し、この上に前記記録層又は多層記録層6を積層する断面構造を採用してもよい。
【0051】
実施例6では、所定のサイズの幅と深さを備えた溝7を表面に有する基板1を用いることによって、上記記録層、多層記録層6及び金属反射層4の表面にも溝を形成し、そこでの実効屈折率を場所によって変化させている。この屈折率変化により記録媒体からの反射光の強度が変化するので、この変化を検出することにより、記録媒体上の記録位置のサーボ制御が可能となる。すなわち、溝7を含む実施例6の溝は記録位置のサーボ制御用のガイドとしての機能を有する。
【0052】
光磁気記録媒体を円盤状として、電気的なモーター又は超音波モーター等の回転手段に搭載して回転させる場合には、溝7は記録媒体の円周方向に沿って形成される。一方、記録媒体を回転させるのではなく、リニア超音波モーターや積層ピエゾ素子等を用いた直進機構又は周期的な振動機構に搭載する場合は、溝7はその直進方向又は振動方向に沿って形成される。なお、溝7は前記方向に沿って連続している必要はなく、不連続なピット形状であってもよい。
【0053】
図12(a)及び(b)は、それぞれ、ヘマタイト層5及びガーネットフェライト層3の二層からなる記録層、及び、複数のヘマタイト層及びガーネットフェライト層からなる多層記録層6を有する光磁気記録媒体であって、サーボ制御用の装荷8を取り付けた記録媒体(以下、両者を併せて「実施例7」という)の断面図である。
【0054】
図から明らかなように、実施例8では、基板1上に形成された前記記録層及び多層記録層6の上に更にアルミニウムからなる金属反射層4が積層されている。なお、本発明の光磁気記録媒体においては、必要に応じて図12に示す断面構造に代えて、基板1上に金属反射層4を形成し、この上に前記記録層又は多層記録層6を積層する断面構造を採用してもよい。
【0055】
実施例7では、金属反射層4の表面上にアルミニウムからなる所定のサイズの装荷8を取り付けることによって、金属反射層4の表面に凹凸を形成し、そこでの実効屈折率を場所によって変化させている。そして、この屈折率変化により記録媒体からの反射光の強度が変化するので、この変化を検出することにより、記録媒体上の記録位置のサーボ制御が可能となる。すなわち、装荷8は記録位置のサーボ制御用のガイドとしての機能を有する。なお、基板1上に金属反射層4を形成し、この上に前記記録層又は多層記録層6を積層するタイプの光磁気記録媒体の場合は、前記記録層又は多層記録層6の表面に酸化シリコンなどの材質からなる装荷8を直接取り付けてもよい。また、装荷8は記録媒体の回転、進行又は振動方向に沿って形成され、必ずしも連続的である必要はない。
【0056】
図13は、実施例7において金属反射層4を除去すると共にヘマタイト層5及びガーネットフェライト層3の2層からなる記録層又は複数のヘマタイト層及びガーネットフェライト層からなる多層記録層6に、直接、サーボ制御用の装荷8を取り付けた光磁気記録媒体(以下、両者を併せて「実施例8」という)の断面図である。
【0057】
図から明らかなように、実施例8では、基板1上に形成された前記記録層又は多層記録層6の上に適当なサイズの装荷8が所定の間隔をおいて直接取り付けられている。実施例8における装荷8は垂直異方性を有する強磁性材料、例えばCoCr金属(保磁力50000e、飽和磁化300emu/cc)から製造されており、それ自体磁気記録層として使用することも可能なものである。また、金属材料から構成されているので、金属反射層としての機能をも備えている。したがって、実施例8では記録媒体のサーボ制御性を維持したまま、金属反射層の形成を省略することが可能である。また、光ビームのみならず磁気による情報の記録をも可能とすることができる。なお、装荷8は前記記録層又は多層記録層6の表面に間隔をおいて取り付けられているので装荷8がガーネットフェライト層の磁気特性に実質的な影響を及ぼすことはない。
【0058】
図14(a)は、基板1上に形成された金属反射層4上にヘマタイト層5及びガーネットフェライト層3が順次積層された記録層を有し、かつ、記録層(ガーネットフェライト層3)上に透明層9が形成された光磁気記録媒体の断面図であり、図14(b)は、基板1上に形成された金属反射層4上に多層記録層6を有し、かつ、多層記録層6上に透明層9が形成された光磁気記録媒体の断面図である(以下、両者を併せて「実施例9」という)。
【0059】
実施例9では、透明層9の材質としてポリカーボネートを使用しているが、必要に応じて他の透明材料から透明層9を構成してもよい。透明層9の厚さは100nm〜2mmの範囲で適宜設定される。
【0060】
このように、情報の記録再生が行われる記録層の表面に透明層9を設けることにより、従来の媒体表面との互換性を得ることができると共に、該記録層と記録媒体表面との距離をある程度広げることができる。したがって、万一記録媒体表面に埃が付着したり傷が付いたりしても、前記記録層上に集光される光ビームは記録媒体表面の埃や傷の影響を受けにくくなる。なお、実施例4及び実施例5の金属反射層4の表面に透明層9を設けてもよく、この場合も、少なくとも上記した他の記録媒体との互換性は得ることができる。
【0061】
ここで、記録媒体上の透明層9の光学的な厚さが、光磁気記録で用いられる光の波長よりも十分に短ければ(例えば700nm以下ならば)、実施例9は、記録媒体表面から波長程度の距離だけしみ出る近接場光を用いる近接場光用光磁気記録媒体として使用することができる。他方、透明層9の光学的な厚さが、前記光の波長程度かもしくはそれ以上ならば、実施例9は、一般的な集光用のレンズ等を含む光学系において用いられる遠視野光磁気記録媒体として使用できる。
【0062】
図15は、実施例9の透明層9の表面にサーボ制御用の溝7を形成した光磁気記録媒体(以下、「実施例10」という)の断面図である。実施例10では、透明層9の表面での屈折率及び反射率の変化を検出してサーボ制御を行うことが可能となる。
実施例10が透明層9の存在により他の記録媒体との互換性を得ることができ、また、光ビームが記録媒体表面の埃や傷の影響を受けにくい点は実施例9の場合と同様である。さらに、溝7は記録媒体の回転、進行又は振動方向に沿って形成され、必ずしも連続的である必要がない点は実施例6の場合と同様である。
【0063】
なお、実施例6〜8の記録媒体についても、実施例9の場合と同様にその表面に透明層を形成してもよく、また、その場合に実施例10と同様に該透明層の表面に溝を形成してもよい。
【0064】
次に、上記した光磁気記録媒体とは記録層の構造が異なる本発明の他の光磁気記録媒体について説明する。
【0065】
これまで述べてきたように、実施例4〜10の光磁気記録媒体は本発明の光磁気情報記録再生装置において好適に使用できるが、その製造にあたって、情報を記録するトラック部分以外の記録層の部分もアニーリングによって磁化され、それによって、ノイズが増加し、十分なS/N比を得ることが困難となるおそれがある。
【0066】
そこで、以下に述べる本発明の光磁気記録媒体では、情報を記録するトラック部分のみにスピネルフェライト層らなる下地層が形成され、その上にガーネットフェライト層が存在するタイプの記録層が構成されている。
【0067】
図16は、トラック部分のみにスピネルフェライト層2を形成した記録層を有する本発明の光磁気記録媒体の一実施例(以下、「実施例11」という)を示す断面図である。実施例11では、石英ガラスからなる基板1のトラック該当部分に沿って所定の間隔をおいて形成されたスピネルフェライト層2を被覆するようにガーネットフェライト層3が形成されて記録層が構成されており、スピネルフェライト層2上には光磁気特性を有するガーネットフェライト層3aが存在し、さらに、スピネルフェライト層2の間には非磁性のガーネットフェライト層3bが存在している。
【0068】
実施例11は以下のようにして作製された。まず、基板1上に下地層としてスピネルフェライト層をスパッタリングによって形成して熱処理を行った。スピネルフェライト層を構成する材料としては、Rx−yCoFe3−x(0≦x≦1、0≦y≦x、RはMnを含む1種類以上の遷移金属元素)を用いることができるが、実施例11ではMn0.13Co0.73Fe2.14を使用した。具体的には、実施例11ではrfスパッタリング法を用いてスピネルフェライト層を100nm堆積させた後に、酸素20%及び窒素80%の1気圧雰囲気中において400℃で10分間熱処理を行った。
【0069】
次に、フォトレジストをスピネルフェライト層上に塗布し、露光した後に逆スパッタリングによりトラック部分を構成しないスピネルフェライト層を除去した。そして、残ったスピネルフェライト層2の表面からレジスト層を除去した後に、大きいファラデー効果を有するガーネットフェライト層3を残ったスピネルフェライト層2を被覆するようにスパッタリングによって形成し、熱処理を行った。ガーネットフェライト層3を構成する材料としてはBix3-x+uMyFe5-y+v12(0≦x≦3、0≦y≦5、-3≦u≦3、-3≦v≦3、RはDyを含む1種類以上の希土類元素、Mは鉄と置換可能な3価の金属)を用いることができるが、実施例11では、Bi2DyFe4GaO12を使用した。具体的には、実施例11ではrfスパッタリング法を用いてガーネットフェライト層3を350nm堆積させた後に、酸素100%の1気圧雰囲気中において630℃で10分間熱処理を行った。
【0070】
このようにして、基板1上のトラック該当部分のみに形成されたスピネルフェライト層2を覆うようにガーネットフェライト層3をスパッタリングなどによって全面に形成して熱処理することによって、後述する理由により、スピネルフェライト層2上のガーネットフェライト層3aのみに光磁気特性が付与され、スピネルフェライト層2間のガーネットフェライト3bは非磁性となる
【0071】
AFMによる表面観察では、実施例11のガーネットフェライト層3の表面にクラックはなく、その面荒さは3nm、結晶粒径は40nmで非常に平坦であった、すなわち、スピネルフェライト層2をガーネットフェライト層3の下地層として用いることにより、著しくガーネットフェライト層3のモルフォロジが改善された。
【0072】
ところで、既に実施例4に関する記述において説明したように、一般に、スパッタリング及び熱処理によって形成されたガーネットフェライト層には圧縮応力が加わるが、これとは逆に、スピネルフェライト層同様に作製した場合には引っ張り応力が層に加わる。したがって、実施例11では、ガーネットフェライト層3に作用する圧縮応力をスピネルフェライト層2に作用する引っ張り応力によって相殺することができる。これにより、角形比(残留磁化/飽和磁化)が大きい高密度記録に適した光磁気記録媒体を得ることができる。
【0073】
実施例11では、トラックに沿ったスピネルフェライト層2上のガーネットフェライト層3aのみが光磁気効果を示し、スピネルフェライト層2の間、すなわちトラック間のガーネットフェライト層3bは光磁気効果を示さない、したがって、光磁気記録媒体のノイズを大幅に低減することができる。例えば、トラック幅をトラックピッチの半分とした場合には、ノイズが約3dB低減することが確認されている。また、記録層において情報が記録されるマークの幅がトラック幅によって物理的に規制されるので、記録時に照射される光ビームのパワーの変動幅が大きくても安定な記録マークを得ることができる。
【0075】
実施例11において、スピネルフェライト層2びガーネットフェライト層3の厚さは、それぞれ、10〜1000nm及び40〜400nmであることが好ましい。スピネルフェライト層2厚さが10nm未満であると隣接するガーネットフェライト層3の表面のモルフォロジ改善効果を得ることが困難となり、また100nmを越えると層が着色してS/N比が低下する。一方、ガーネットフェライト層3の厚さが40nm未満では光磁気記録に十分な磁気特性を得ることが困難となり、また、400nmを越えるとクラックが発生しやすくなる。
【0076】
なお、記録再生効率をさらに向上させるために、第17図(a)及び(b)に示すように、ガーネットフェライト層3の上に直接、又は、誘電体層10を介してアルミニウム、金、クロムなどの金属或いはこれらの合金からなる金属反射層4をコートすることが好ましい。
【0077】
図18は、ガーネットフェライト層の単層からなる記録層を備えた光磁気記録媒体とスピネルフェライト層及びガーネットフェライト層が積層された記録層を備えた光磁気記録媒体のX線回折強度変化を示す図であり、各光磁気記録媒体のX線回折強度と製造過程においてそれぞれのガーネットフェライト層に施される熱処理温度の関係を示したものである。各光磁気記録媒体におけるガーネットフェライト層又はスピネルフェライト層は、熱処理温度を様々に変化させた以外は実施例11の場合と同様の条件で作製された。
【0078】
なお、図18に示すX線回折強度は、上記した光磁気記録媒体のそれぞれにX線(Kα)を照射し、回折角(2θ=32度)のピーク強度を測定することによって得られたものであり、この回折角はガーネットフェライト層の結晶性を示す指標となるものである。
【0079】
図18によると、記録層がガーネットフェライト単層からなる場合は熱処理の温度が約650℃を超える場合に実用的な光磁気効果が発現する。これを結晶化の面から観察すると、約600℃でガーネットフェライト層の結晶化が始まり、約650℃で光磁気記録可能な結晶性が得られている。これに対して記録層がスピネルフェライト層及びガーネットフェライト層からなる光磁気記録媒体では、熱処理温度が約570℃を超える段階で既に実用的な光磁気効果が発現する。これを結晶化の面から観察すると、既に約500℃からガーネットフェライト層の結晶化が始まり、約570℃以上で光磁気記録可能な結晶性が得られている。
【0080】
上記した事実より以下のことが明らかである。すなわち、ガーネットフェライト層をスピネルフェライト層と組み合わされることによって、より低い熱処理温度で光磁気記録媒体の記録層として必要なレベルの光磁気特性を発現するに十分な結晶状態を得ることができる。したがって、図16及び17に示す断面構造を有する光磁気記録媒体においては、記録層に対する熱処理温度を制御することによってスピネルフェライト層2上のガーネットフェライト層3aのみに光磁気特性を付与し、スピネルフェライト層2上に形成されていないガーネットフェライト層3bを実質的に非磁性とすることが可能となる。実際に、実施例11の製造においては、ガーネットフェライト層3に対する熱処理温度は630℃に調整されており、これによりスピネルフェライト層2上のガーネットフェライト層3aのみに光磁気特性が付与されている。
【0081】
なお、図18には示されていないが、熱処理温度を700℃以上としてもピーク強度は増加せず、場合によっては磁気特性の劣化が観測されたので、700℃以上の熱処理温度は不適切であることが分かっている。したがって、実施例11と同じ記録層構造を有する光磁気記録媒体を製造する場合は、トラック部分の熱処理を500〜700℃の範囲で行うことが好適である。更に、トラック部分とそれ以外の部分のガーネットフェライト層に対して光磁気特性の大きなコントラストを形成するために600〜630℃で熱処理を行うことが好ましい。すなわち、実施例11を作製するにあたって600〜630℃で熱処理を行った場合には、図18から明らかなように、ガーネットフェライト層及びスピネルフェライト層が存在するトラック部分のみが実用的な光磁気特性を有することができる。なお、実施例11と同じ記録層構造を有する本発明の光磁気記録媒体では、記録層がガーネットフェライト単層からなる場合に比べて熱処理に要する温度が低くて済むので、基板の材質の選択範囲も拡大する。
【0082】
ところで、図18での測定において使用された、ガーネットフェライト層の単層からなる記録層を備えた光磁気記録媒体とスピネルフェライト層及びガーネットフェライト層が積層された記録層を備えた光磁気記録媒体の磁気特性を測定したところ、ガーネットフェライト単層からなる記録層を備えた光磁気記録媒体は、保磁力12000e、飽和磁化13emu/cc、残留磁化10emu/ccであった。したがって、角形比の値は約0.8(10/13)となり、実用上十分であったが、保磁力が12000eと小さいため、高密度記録時にノイズの増加等の問題が生じる(実用上は20000e以上の保磁力が理想とされる)。
【0083】
これに対し、スピネルフェライト層及びガーネットフェライト層が積層された記録層を備えた光磁気記録媒体では、保磁力20000e、飽和磁化13emu/cc、残留磁化10emu/ccであった。したがって、角形比は約0.8(10/13)となり、角形比及び保磁力の両方で実用上十分な磁気特性を有している。しかも、ガーネットフェライト単層からなる記録層を備えた光磁気記録媒体に比べてS/N比は3dBほど改善された。このことから、記録層のトラック部分のみをスピネルフェライト層及びガーネットフェライト層が積層された多層構造とすることにより、光磁気記録媒体の磁気特性が著しく改善されることが分かる。
【0084】
実施例11では、石英ガラス製の基板1上にスピネルフェライト層2によってトラックパターンが形成された後に、ガーネットフェライト層3がその上に形成されているが、石英ガラス基板1上にガーネットフェライト層3を直接形成した後にスピネルフェライト層2をその上に形成してトラックパターンを作製してもよい。なお、トラック内に所定のデータに従ったパターンニングによって記録マークを予め形成することにより書き換え不可能なデータを記録するようにしてもよい。
【0085】
また、実施例11では、一つのスピネルフェライト層2と一つのガーネットフェライト層3とから記録層が構成されているが、複数のスピネルフェライト層びガーネットフェライト層から記録層が構成されていてもよい。この場合は、記録層の厚さは40〜1000nmの範囲とすることが好ましい。40nm未満では十分な磁気特性を得ることが困難となり、また、1000nmを越えると記録層の透明性が悪化する。
【0086】
実施例11のガーネットフェライト層3上には、更に透明層が形成されていてもよい。前記透明層の材質としてポリカーボネートなどが使用され、また、その厚さは100nm〜2mmの範囲で適宜設定される点、及び、透明層を設けることにより他の媒体との互換性を得ることができ、また、記録層上に集光される光ビームが媒体表面の埃又は傷の影響を受けにくくなる点などは実施例9の場合と同様である。なお、前記透明層の表面には記録位置のサーボ制御用の溝を形成してもよい。
【0087】
なお、実施例1〜11の光磁気記録媒体ではα−Fe 層、スピネルフェライト層とガーネットフェライト層のみによって、情報が記録される記録層が構成されているが、本発明の光磁気記録媒体においては、記録層は必要に応じてα−Fe 、ガーネットフェライト、スピネルフェライト外の材料からなる層を含んでいてもよい。
【0088】
【発明の効果】
本発明の光磁気情報記録再生装置では、使用される光磁気記録媒体の光吸収特性を考慮して、情報の書き込み時と読み出し時に使用される光の波長が異なっている。したがって、光磁気記録に使用される各記録媒体の特性に応じた最適な情報の記録又は再生を行い、S/N比及びC/N比を向上させることができる。
【0089】
例えば、短波長の光に対して光磁気記録媒体の光吸収率が高い場合は、情報の記録の際に用いられる光ビームの波長を短くすることにより、効率よく情報の記録を行うことが可能であり、また、情報の書き込みに要する光ビームのパワーを低減することができる。一方、例えば長波長の光に対して光磁気記録媒体の光吸収率が低い場合は、情報の再生の際に用いられる光ビームの波長を長くすることにより、好ましくない記録層の加熱を抑制することが可能であり、また、大きなパワーの反射光を得ることができるのでC/N比を向上させることができる。
【0090】
一方、ガーネットフェライト層の下地層としてα−Fe 層を使用した本発明の光磁気記録媒体では、特に複雑なプロセスを経ることなく、本発明の光磁気情報記録再生装置における使用に適した特性を得ることができ、かつ、ガーネットフェライト層の磁気特性の制御も容易に行うことができる。また、微細なモルフォロジを有するガーネットフェライト層が得られ、しかも、α−Fe 層との組み合わせにより記録層の内部応力を相殺することができるので、垂直異方性が高く、高分解能、高記録密度かつ低ノイズの光磁気記録媒体とすることが可能となる。さらに、ガーネットフェライトが本来有する大きなファラデー効果により高出力を確保することができ、低ノイズ化との相乗作用によりS/N比が大幅に向上する。
【0091】
反射層が基板と記録層の間に位置している場合は、反射層が金属系材料から構成されていても、反射層を保護膜などで被覆することが不要となるので、製造工程の簡素化及び製造コストの低減を図ることができる。また、再生時には読み出しヘッドなどの光ピックアップ機構を実質的に記録層により近づけることが可能となり、S/N比が向上する。
【0092】
前記記録層が複数のガーネットフェライト層及び複数のα−Fe 層を積層した構造を有する場合は、記録層を作製するための熱処理の回数を低減することができる。また、記録層の内部応力の制御を細やかに行えるために磁気特性に優れた記録層を容易に得ることができる。そして、ガラス基板、反射層又は記録層の少なくとも一つの表面に溝が形成され、または、装荷が設けられている場合には、記録媒体における記録位置のサーボ制御が可能となる。
【0093】
次に、記録層が、情報を記録するトラック部分のみに形成されたスピネルフェライト層表面にガーネットフェライト層が存在する層構造を有する本発明の光磁気記録媒体においても、特に複雑なプロセスを経ることなく、本発明の光磁気情報記録再生装置における使用に適した特性を得ることができる。また、微細なモルフォロジを有するガーネットフェライト層が得られ、また、前記下地層との組み合わせにより記録層の内部応力が相殺されるので、垂直異方性が高く、高分解能、高記録密度かつ低ノイズの記録媒体とすることが可能となる。さらに、ガーネットフェライトが本来有する大きなファラデー効果により高出力を確保することができ、低ノイズ化との相乗作用によりS/N比が大幅に向上する。
【0094】
さらに、熱処理温度を制御することにより情報を記録するトラック部分に存在するガーネットフェライト層のみに磁気特性を付与し、一方、トラック以外の部分は非磁性とすることができる。したがって、記録再生時に記録層のトラック以外の部分に由来するノイズを低減することが可能であり、ガーネットフェライトが本来有している巨大なファラデー効果による高出力との相乗効果により高いS/N比を得ることができる。また、トラック部分に記録されたデータがそれ以外の部分からの磁気的な干渉を受けることも低減することができる。
【0095】
反射層が基板と記録層の間に位置している場合は、反射層が金属系材料から構成されていても、反射層を保護膜などで被覆することが不要となるので、製造工程の簡素化及び製造コストの低減を図ることができる。また、再生時には読み出しヘッドなどの光ピックアップ機構を実質的に記録層により近づけることが可能となり、S/N比が向上する。
【0096】
本発明の光磁気記録媒体が基板以外の透明層を備える場合には、従来の媒体表面との互換性を得ることができ、また、記録層上に集光される光ビームが記録媒体表面の埃や傷の影響を受けにくくなる。また、前記透明層の表面に溝が形成されている場合には、この溝による透明層の表面での屈折率及び反射率の変化を検出して記録位置のサーボ制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の光学系を示す概略図。
【図2】 実施例2の光学系を示す概略図。
【図3】 実施例3の光学系を示す概略図。
【図4】 ガーネットフェライト層及びスピネルフェライト層からなる記録層を備えた光磁気記録媒体の断面図。
【図5】 様々な記録層を備えた光磁気記録媒体のファラデー回転角の波長依存性を示すグラフ。
【図6】 BiDyGalGの薄膜の吸収係数の波長依存性を示すグラフ。
【図7】 実施例4の断面図。
【図8】 実施例4との比較のために作製された光磁気記録媒体の断面図。
【図9】 実施例4、比較例1及び2の磁化曲線。
【図10】 実施例5の断面図。
【図11】 実施例6の断面図。
【図12】 実施例7の断面図。
【図13】 実施例8の断面図。
【図14】 実施例9の断面図。
【図15】 実施例10の断面図。
【図16】 実施例11の断面図。
【図17】 実施例11のガーネットフェライト層3の上に直接又は誘電体層10を介して金属反射層4をコートした形式の光磁気記録媒体の断面図。
【図18】 ガーネットフェライト層の単層からなる記録層を備えた光磁気記録媒体とスピネルフェライト層及びガーネットフェライト層が積層された記録層を備えた光磁気記録媒体のX線回折強度を示す図。
【符号の説明】
1 基板
2 スピネルフェライト層
3 ガーネットフェライト層
4 金属反射層
5 ヘマタイト層
6 多層記録層
7 溝
8 装荷
9 透明層
10 誘電体層
11 光磁気記録媒体
21 書き込み用の光源
22 第1のコリメータレンズ
23 読み出し用の光源
24 第2のコリメータレンズ
25 共通光源
31 検出光学系
32 集光レンズ
41 第1のビームスプリッタ
42 第2のビームスプリッタ
43 ビームスプリッタ
44 対物レンズ
45 反射ミラー
46 第1のハーフミラー
47 第2のハーフミラー
61 λ/4波長板
62 波長変換素子
63 非線形光学素子
64 波長選択フィルター

Claims (17)

  1. ガラス基板上に記録層及び反射層を備えた光磁気記録媒体であって、
    前記記録層が、α−Fe 層及びガーネットフェライト層が積層された層構造を有することを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 前記記録層が前記ガラス基板と前記反射層との間に位置していることを特徴とする請求項記載の光磁気記録媒体。
  3. 前記反射層が前記ガラス基板と前記記録層との間に位置していることを特徴とする請求項記載の光磁気記録媒体。
  4. 前記ガーネットフェライト層の厚さが40〜400nmであり、前記α−Fe 層の厚さが10〜100nmであることを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の光磁気記録媒体。
  5. 前記記録層が、複数のα−Fe 層及び複数のガーネットフェライト層が積層された多層構造を有することを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の光磁気記録媒体。
  6. 前記記録層の厚さが40〜1000nmであることを特徴とする請求項記載の光磁気記録媒体。
  7. 前記ガラス基板、前記反射層、前記記録層の少なくとも一つの表面に溝が形成されていることを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の光磁気記録媒体。
  8. 前記ガラス基板、前記反射層、前記記録層の少なくとも一つの表面に装荷が設けられていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の光磁気記録媒体。
  9. ガラス基板上に記録層及び反射層を備えた光磁気記録媒体であって、
    前記記録層が、情報を記録するトラック部分のみに形成されたスピネルフェライト層表面にガーネットフェライト層が存在する層構造を有することを特徴とする光磁気記録媒体。
  10. 前記記録層が前記ガラス基板と前記反射層との間に位置していることを特徴とする請求項記載の光磁気記録媒体。
  11. 前記反射層が前記ガラス基板と前記記録層との間に位置していることを特徴とする請求項記載の光磁気記録媒体。
  12. 前記ガーネットフェライト層の厚さが40〜400nmであり、前記スピネルフェライト層厚さが10〜100nmであることを特徴とする請求項乃至11のいずれかに記載の光磁気記録媒体。
  13. 前記記録層又は前記反射層の表面に透明層が積層されたことを特徴とする請求項乃至12のいずれかに記載の光磁気記録媒体。
  14. 前記透明層の表面に溝が形成されていることを特徴とする請求項13記載の光磁気記録媒体。
  15. 請求項乃至14のいずれかに記載の光磁気記録媒体の製造方法であって、
    前記記録層形成後に、500℃から700℃の温度で熱処理を行う工程を含むことを特徴とする光磁気記録媒体の製造方法。
  16. 請求項乃至14のいずれかに記載の光磁気記録媒体の製造方法であって、
    前記記録層形成後に、600℃から630℃の温度で熱処理を行う工程を含むことを特徴とする光磁気記録媒体の製造方法。
  17. 請求項乃至14のいずれかに記載の光磁気記録媒体を用いて情報の記録再生を行う光磁気情報記録再生装置であって、
    前記光磁気記録媒体に情報を書き込む光の波長と前記光磁気記録媒体から情報を読み出す光の波長が異なることを特徴とする光磁気情報記録再生装置。
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