JP3655112B2 - 弁軸の回転・ロック装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空調設備、プラント設備、工場設備等に用いる冷温水やその他の流体用配管に装着されるバタフライ弁、ボール弁等の回転弁に適用する弁軸の回転・ロック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の装置を用いる一例として、バタフライバルブがある。
このバルブは、一般には、円筒状のボデーに長い軸筒部を設け、この軸筒部の上端に形成したフランジ面にレバーハンドルを有するレバー操作装置を搭載している。このレバー操作装置以外にも、スコッチヨーク式、ウォーム歯車式、傘歯車式などの減速操作装置を用いる場合もある。
【0003】
このレバー操作装置や減速操作装置を装着したバタフライバルブは、全体が大きく重いものになり、また、価格が高くなるばかりでなく、省資源化にも反することになる。
【0004】
また、このバタフライバルブを配管と共に断熱被覆する場合、ボデーと軸筒部の外周囲を保温材で被覆し、レバー操作装置は、保温材で被覆することなく、保温材より上方へ突出した状態で外部に露出させて装着されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、外部に露出しているレバー操作装置が誤操作されたり、不注意やいたずらにより操作される場合がある。
また、バタフライバルブを断熱被覆する場合、操作装置が外部に露出した状態で被覆するため、断熱被覆作業が厄介であると共に、露出している操作装置が結露するため、操作装置用の結露防止対策を必要としている。
【0006】
そこで、本出願人は、これらの問題を解決するため、先に、特開平8−312795号、特願平10−295428号、特願平10−288089号を提案しているが、これらの出願に基づいて、更に、経済性を重視し軽量で、より操作性が良く、誤操作が防止できると共に、断熱被覆作業が容易で、軸部分等を保護した弁軸の回転・ロック装置の開発が更に要望されている。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みて開発したものであり、その目的とするところは、ハンドル等の操作部分を無くしてステムの不要な回転を防止し、必要時には操作部分を取付けて容易にステムを回動するようにし、また、断熱被覆が必要な場合の作業の容易化と軸部分やインジケータ等を確実に保護することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1における発明は、ボデーに挿通したステムの外周面に設けたばねをボデー若しくはスタンド内に形成した装着溝に装着し、このボデー若しくはスタンド上面にストッパプレートを固定し、このストッパプレートの肉厚方向に係止溝をあけ、このストッパプレートに上下動自在に挿通した筒状のコネクタに弁体の開、閉若しくは設定開度で前記係止溝に嵌合係止する突片をコネクタの縦方向に設け、このコネクタは、前記ステムの上端に上下動自在で、回転不能に嵌合され、かつステムの上端に固定した抜け止め部材で抜け止めすると共に、前記コネクタの下面に前記ばねを弾発付勢させた状態で前記突片とストッパプレートを水平状態に嵌合係止し、かつ、ばねに抗して押し下げたとき係止溝から突片を外すようにした回転・ロック装置である。また、請求項2における発明は、前記コネクタの外周面に工具装着用の角筒部を形成し、この角筒部の下方外周に工具押し当て用の段部を設けた請求項1に記載の弁軸の回転・ロック装置である。
【0009】
請求項3における発明は、ボデーに挿通したステムが貫通する筒状のコネクタを上昇付勢して抜け止め支持し、該コネクタを下降させることによりステムの回転を可能にする弁軸装置であって、ボデー又はスタンド上にストッパプレートを固定し、このストッパプレート上方に前記コネクタを囲む筒状の保護部材を固定し、この保護部材の高さを保温材の包囲高さ若しくは該高さよりも高くし、この保護部材の上端開口部より弁の開度表示を有するインジケータを取付可能に設けた弁軸の回転・ロック装置である。また、請求項4における発明は、前記インジケータを前記コネクタに取付可能に、かつ取り外し可能に設けた請求項3に記載の弁軸の回転・ロック装置である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明における弁軸の回転・ロック装置は、バタフライ弁、ボール弁等の回転弁に適用できるが、本例は、バタフライ弁に応用した例を図面に従って説明する。
図1において、バタフライ弁の円筒形のボデー1の上部に短い挿通部2を一体に形成し、この挿通部2に円形状のジスク3を開閉するためのステム4を筒部2aを介して挿通させ、この円柱状のステム4の上方部を角柱形状の非円形部5にし、上端にねじ穴6を設けている。
【0011】
この挿通部2の上部には、筒形状のスタンド7を図示しないボルトでボデー1に固着し、このスタンド7の上端に矩形状のフランジ7aを形成し、かつ、筒形状のスタンド7よりステム4を挿通して、ステム4の非円形部5を上方に突出させている。
【0012】
更に、スタンド7の上方に空間8を形成する凹部9を設け、スタンド7の内部には、コイル状のばね10を装着するための装着溝11を設けている。
【0013】
また、スタンド7のフランジ7aの上面には、図5又は図10に示すようなストッパプレートを固着している。このストッパプレート12には、肉厚方向にあけ、かつ、後述するコネクタ13の位置規制用の突片14が嵌まる係止溝15を設けており、この係止溝15は、突片14を2ヶ所設けた場合は、図5に示すように4ケの係止溝15を設け、1ヶ所の突片14の場合は、図10に示すように2ケの係止溝15を設ける。
この係止溝15は、弁軸の開閉位置と対応させてあるが、中間開度が必要な場合には、その部分に応じて係止溝を設けても良い。
【0014】
一方、ボデー1の挿通部2にスタンド7を設ける場合以外に、ボデーの挿通部自体にスタンド7と同じ機能部位を一体に構成することもできる。
【0015】
また、ストッパプレート12の挿通孔12aに挿通したボルト16をスタンド7のフランジ7aに螺合することによってストッパプレート12をスタンド7上に固着している。
【0016】
上記のコネクタ13は、ロストワックス他金属の成形品を用いており、このコネクタ13は、外周面に工具装着用の角筒部(本例では六角形)17を有し、内部にステムの非円形部5と同形の非円形孔18を形成し、外周に2ヶ所の段部19を設けると共に、下端に前述の位置規制用の突片14を設けている。
【0017】
コネクタ13は、図1に示すように、装着溝11にばね10を挿入してからステム4の非円形部5に非円形孔18を嵌めて、コネクタ13を上下動自在で回転不能にステム4で支持し、更に、ネジ20と止め板20aより成る抜け止め部材と、下面に装着されているばね10とによりコネクタ13が上昇付勢され、かつ抜け止め支持されている。また、コネクタ13の上端には開度指標機能を有する突起21を1個設けている。この突起21は、2個にして対称位置に設けてもよい。
【0018】
図1において、22は板状の把持部22aに開度表示22bを有する樹脂成形品等のインジケータであり、このインジケータには、コネクタ13の角筒部17に嵌合する筒部23、段部19が当たらないようにする切欠き23a、角筒部17下面と係合する突部24を形成してあり、コネクタ13にインジケータ22を挿入して角筒部17下面に突部24を係合させることにより不用意に外れることを防止している。突部24は小さいので把持部22aを引上げればインジケータ22を簡単に外せる。
ステム4を回すときには、コネクタ13の角筒部17にハンドル或は六角レンチ等の工具を嵌めて段部19に工具下面を当て、この状態で工具を押し下げることによりコネクタ13を下降させて係止溝15から突片14を外せばコネクタ13が回転可能になる。
【0019】
また、図1及び図9において、25は筒形状の保護部材であり、この筒形状保護部材25の上端を開放し、かつ上端にフランジ面26を形成し、このフランジ面26に開度表示部27を設けてある。この開度表示部27は、表示テープを粘着するようにしても良い。また、保護部材25の下端には、ストッパプレート12上に載置するための載置面28を設けている。更に、この載置面28の内周側は係止溝15の大半を覆う形状としてある。保護部材25とストッパプレート12との固着手段は、圧入、係合、ネジ固定等で行えるが、本実施例では保護部材25の下部に位置決め用の凹部29を形成し、この凹部29をボルトの頭部に軽圧入し取付けるようにしている。
【0020】
この保護部材25の開度表示部27とインジケータ22の開度表示22b並びにコネクタ13の開度指標とを対応させて設け、弁の開閉状態を確実に確認できるようにしている。また、保護部材25の高さを断熱被覆するグラスウール、ロックウール、ポリウレタンフォーム等の保温材30の設定高さにし、又は、この高さよりもやや高く設けている。この場合高さを一致させると被覆厚さが示された状態となって保温作業が行い易い。
この開度表示部27は、保温材30の外周に位置するように設けておくと、弁の開閉状態を保温材30の外方より視認し、確認することができる。
【0021】
この保護部材25は、上記の例に示した弁軸の回転・ロック装置に限定されることなく、いわゆるノンネックタイプの各種の弁軸装置に適用され用いられる。
【0022】
次に、上記の実施形態の作用を説明する。
図1において、閉止状態のバタフライ弁を開状態にするには、コネクタ13の角軸部17に工具を段部19に当たるまで嵌め(インジケータ22を嵌めてある場合には外して)、工具を押し下げることによりコネクタ13を押し下げて突片14をストッパプレートの係止溝15から外して空間8に位置させる。
【0023】
この状態のまま工具を略90°回動操作すると、突片14がスタンド7の空間8を移動して突片14が別の係止溝15下に来る。ここで押圧操作を解除すると、ばね10の弾発力によって突片14が別の係止溝15に嵌まりながらコネクタ13が上昇復帰して回転不能状態となる。この場合、コネクタ13はネジ20と止め板20aによる抜け止め部材によって上昇位置が規制され、非円形孔18がステム4の非円形部5に嵌まっているのでステム4も回転不能となっている(図1の状態)。
【0024】
また、筒形状の保護部材25をストッパプレート12に取付けて、凹部29をボルト16の頭部に係合すると、保護部材25は、スタンド7上に位置決めされて固定される。この状態で、バタフライ弁の外周囲に保温材30を被覆すると、この保護部材25によって、コネクタ13等の軸部分に保温材30が入り込むおそれがないので、コネクタ13等の操作性に支障が出ない。
【0025】
更に、保温材30を被覆する際にも、軸部分に影響されることなく作業を行えるので、保温材30の被覆作業を容易、確実に行うことが可能となる。
【0026】
また、保護部材25のフランジ面26に開度表示部27を施しておくと、保温材30の外部より弁の開閉状態を簡単に確認することができる。
【0027】
【発明の効果】
従って、本発明によると、軽量で安価であるなど従来品に比較して、著しく経済性に優れており、また、ハンドル等の操作部分をなくすことにより、弁軸の誤操作を防止して不要な回転を阻止し、一方、必要時にはハンドル等を取付けて容易に弁軸を回転させることができ、また、保温材の断熱被覆が必要な場合には、従来に比して、断熱被覆の作業性が容易であると共に、軸部分やインジケータなどを確実に保護し、更には、指標を設けることによって弁の開閉などの状態を適格に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明におけるバタフライ弁の弁軸部分を示した部分断面図である。
【図2】 図1のA−A線拡大断面図である。
【図3】 図2の弁軸を90°回転したA−A線断面図である。
【図4】 図1のB−B線拡大断面図である。
【図5】 図1における突片を着脱させる阻止部材であるストッパプレートの拡大平面図である。
【図6】 図1におけるコネクタの平面図である。
【図7】 図1におけるインジケータの底面図である。
【図8】 保護部材をストッパプレートに取付ける一例を示した一部切欠き斜視図である。
【図9】 本発明における保護部材の斜視図である。
【図10】 ストッパプレートの他例を示した拡大平面図である。
【符号の説明】
1 ボデー
4 ステム
7 スタンド
8 空間
12 ストッパプレート
13 コネクタ
14 突片
15 係止溝
17 角筒部
22 インジケータ
25 保護部材
Claims (4)
- ボデーに挿通したステムの外周面に設けたばねをボデー若しくはスタンド内に形成した装着溝に装着し、このボデー若しくはスタンド上面にストッパプレートを固定し、このストッパプレートの肉厚方向に係止溝をあけ、このストッパプレートに上下動自在に挿通した筒状のコネクタに弁体の開、閉若しくは設定開度で前記係止溝に嵌合係止する突片をコネクタの径方向に設け、このコネクタは、前記ステムの上端に上下動自在で、回転不能に嵌合され、かつステムの上端に固定した抜け止め部材で抜け止めすると共に、前記コネクタの下面に前記ばねを弾発付勢させた状態で前記突片とストッパプレートを水平状態に嵌合係止し、かつ、ばねに抗して押し下げたとき係止溝から突片を外すようにしたことを特徴とする弁軸の回転・ロック装置。
- 前記コネクタの外周面に工具装着用の角筒部を形成し、この角筒部の下方外周に工具押し当て用の段部を設けた請求項1に記載の弁軸の回転・ロック装置。
- ボデーに挿通したステムが貫通する筒状のコネクタを上昇付勢して抜け止め支持し、該コネクタを下降させることによりステムの回転を可能にする弁軸装置であって、ボデー又はスタンド上にストッパプレートを固定し、このストッパプレート上方に前記コネクタを囲む筒状の保護部材を固定し、この保護部材の高さを保温材の包囲高さ若しくは該高さよりも高くし、この保護部材の上端開口部より弁の開度表示を有するインジケータを取付可能に設けたことを特徴とする弁軸の回転・ロック装置。
- 前記インジケータを前記コネクタに取付可能に、かつ取り外し可能に設けた請求項3に記載の弁軸の回転・ロック装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP37321798A JP3655112B2 (ja) | 1998-12-28 | 1998-12-28 | 弁軸の回転・ロック装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP37321798A JP3655112B2 (ja) | 1998-12-28 | 1998-12-28 | 弁軸の回転・ロック装置 |
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JP3655112B2 true JP3655112B2 (ja) | 2005-06-02 |
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ID=18501790
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP37321798A Expired - Lifetime JP3655112B2 (ja) | 1998-12-28 | 1998-12-28 | 弁軸の回転・ロック装置 |
Country Status (1)
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CN110454609B (zh) * | 2018-05-07 | 2021-02-19 | 中国石油化工股份有限公司 | 化工装置手操阀门智能上锁方法 |
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-
1998
- 1998-12-28 JP JP37321798A patent/JP3655112B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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