JP3655076B2 - ラミネート装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,特に太陽電池モジュールなどの薄板形状の被ラミネート体を製造するために適したラミネート装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年,ソーラーエネルギを活用すべく,太陽電池について種々の開発がなされている。また,太陽電池の形態も,単結晶シリコンや多結晶シリコンを用いた結晶型の太陽電池の他,アモルファスシリコン(非結晶シリコン)を用いたアモルファス型の太陽電池など,様々なものが案出されている。しかしながら,これら結晶型とアモルファス型の何れの場合もシリコン自体は化学的変化を起こしやすく,また物理的な衝撃にも弱いので,一般には,シリコンを透明のビニールフィルムや強化ガラス,耐熱ガラスなどでラミネートした太陽電池モジュールが利用されている。また,最近では建材用などに利用される,外壁材や屋根材と太陽電池モジュールを一体化させた,一体型モジュールなども製造されるようになってきている。太陽電池モジュールのラミネートは,ビニールフィルムやガラスとバックシートの間に例えばEVA(エチレンビニルアセテート)樹脂などの充填材を介してストリング(太陽電池セル)を挟み込み,真空下で加熱して温度かけて充填材を溶かすことにより行われている。
【0003】
従来,このような太陽電池モジュールなどを製造するためのラミネート装置として,上方にダイアフラムを備え,下方にヒータ盤を備えたラミネート部にて,被ラミネート体内部の充填材を融解させて挟圧することによりラミネートを行うラミネート装置が公知になっている。また,そのようなラミネート装置に関し,本願出願人は実用新案登録第3017231号の「ラミネート装置」を開示している。このラミネート装置は,下方に向かって膨張自在なダイアフラムを備えた上チャンバと,ヒータ盤を備えた上チャンバによって構成されている。そして,下チャンバに設けられたヒータ盤に被ラミネート体を載置した状態で上チャンバと下チャンバを密閉して減圧した後,被ラミネート体を加熱して,上チャンバに大気を導入することにより被ラミネート体をヒータ盤の上面とダイアフラムとの間で挟圧してラミネートする構成になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで,以上のようなラミネート装置において太陽電池モジュールを製造する場合,ヒータ盤の上で太陽電池モジュールを加熱した際に,充填材であるEVAが流れ出し,ダイアフラムやヒータ盤などに付着するといった問題を生じている。そして,このようにダイアフラムやヒータ盤などに付着したEVAは,次にラミネートされる太陽電池モジュールを汚す原因となってしまう。
【0005】
そこで従来は,ラミネート部に搬入した太陽電池モジュールの上にテフロン含浸のガラスクロスシートなどからなる剥離シートをかぶせることにより,太陽電池モジュールから溶け出したEVAがダイヤフラムシートなどに付着しないようにしている。このような剥離シートをかぶせる作業や剥離シートに付着したEVAを除去する作業は作業員の手によって行われており,作業負担を増す原因となっていた。
【0006】
本発明は,太陽電池モジュールなどの被ラミネート体をラミネートした際に溶け出たEVAなどの充填材がヒータ盤に付着することを作業負担を増やすことなく防止できるラミネート装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明にあっては,上方にダイアフラムを備え,下方にヒータ盤を備えたラミネート部にて,被ラミネート体内部の充填材を融解させて挟圧することによりラミネートを行うラミネート装置において,前記被ラミネート体を載せてラミネート部に搬入出させるシートを複数枚備え,シートを間欠的に移動させることにより,ラミネート部に被ラミネート体を搬入し,ラミネート部では被ラミネート体の下方にシートをヒータ盤との間に進入させたままラミネートし,ラミネート部においてラミネートされた被ラミネート体をラミネート部の外に順次搬出する構成であり,前記被ラミネート体を載せてラミネート部に搬入出させる複数枚のシートを左右一対の搬送ベルトの間に取り付けたことを特徴とする。
前記シートの表面が剥離性に優れた材料でコーティングされていても良い。
前記被ラミネート体は,例えば太陽電池モジュールである。
【0008】
上方にダイアフラムを備え,下方にヒータ盤を備えたラミネート部にて,被ラミネート体内部の充填材を融解させて挟圧することによりラミネートを行うラミネート装置において,前記ラミネート部に搬入された被ラミネート体の上面と前記ダイアフラムとの間に剥離シートを進入自在に設けると共に,前記ラミネート部の外部において剥離シートに付着した充填材を除去するための除去手段を設ければ,ラミネート部に搬入された被ラミネート体の上面と前記ダイアフラムとの間に剥離シートが介在するので,被ラミネート体をラミネートした際に溶け出た充填材がダイヤフラムシートに付着することを防ぐことができる。この場合,被ラミネート体から溶け出した充填材が剥離シートに付着することもあるが,剥離シートに付着した充填材はラミネート部の外部において除去手段により除去することができる。従って,次にラミネートされる被ラミネート体を汚す心配もない。
【0009】
更に,前記ラミネート部に搬入された被ラミネート体の下面と前記ヒータ盤との間にも剥離シートを進入自在に設け,かつ,該剥離シートによって被ラミネート体をラミネート部に搬入出する構成とすることが好ましい。そうすれば,被ラミネート体から溶け出した充填材がヒータ盤にも付着しなくなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の好ましい実施の形態を,被ラミネート体の一例としての太陽電池モジュールPをラミネート処理するのに好適なラミネート装置1に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態にかかるラミネート装置1の正面図である。
【0011】
図1に示されるように,このラミネート装置1は,ラミネート部2の両側方に,これからラミネート処理を行う太陽電池モジュールPをラミネート部2に供給する供給コンベア3と,ラミネート部2において既にラミネート処理を行った太陽電池モジュールPをラミネート部2から搬出する搬出コンベア4を配置した構成になっている。図示の例では,右側方に供給コンベア3が配置され,左側方に搬出コンベア4が配置されている。そして,これら供給コンベア3,ラミネート部2及び搬出コンベア4の順に受け渡しながら,図1中において左向きに太陽電池モジュールPを搬送するようになっている。
【0012】
ラミネート部2は,上ケース10の内部下方に設けられた上チャンバ11と,下ケース12の内部上方に設けられた下チャンバ13によって構成されている。下ケース12は,床面上をキャスタ15を介して走行可能な基台16の四隅に立設された支柱17にブラケット18を介して取り付けられており,この下ケース12の高さは変わらないように支持されている。一方,上ケース10は,支柱17に沿って移動自在なガイド部20に固定されたブラケット21を介して取り付けられており,上ケース10は,下ケース12と平行な姿勢を保ちながら下ケース12の上方において昇降移動できる構成になっている。
【0013】
また,下ケース12に固定されたブラケット18の上面にはシリンダ22が装着されており,このシリンダ22のピストンロッド23の先端が上ケース10に固定されたブラケット21下面に接続されている。従って,シリンダ22の稼働でピストンロッド23が伸張すると,下ケース12の上面から離れるように上ケース10が上昇し,これにより,上ケース10内部下方の上チャンバ11と下ケース12内部上方の下チャンバ13で構成されるラミネート部2が開放状態となる。一方,シリンダ22の稼働でピストンロッド23が短縮すると,下ケース12の上面に密着するように上ケース10が下降し,これにより,上ケース10内部下方の上チャンバ11と下ケース12内部上方の下チャンバ13で構成されるラミネート部2が密閉状態となる。
【0014】
図2に示すように,上ケース10の内部を水平に仕切るようにしてダイアフラム30が装着されており,このダイアフラム30と上ケース10の内壁面で囲まれた空間が上チャンバ11を構成している。ダイアフラム30は,例えばバイトン(フッ素ゴム)などの耐熱ゴムなどで構成されている。また,上ケース10の側面には上チャンバ11に連通するようにして吸排気口31が設けられており,この吸排気口31を介して上チャンバ11内を真空引きし,また,吸排気口31を介して上チャンバ11内に大気圧を導入できるように構成されている。
【0015】
下ケース12の内部上方に設けられた下チャンバ13にはヒータ盤35が昇降自在に配置されている。このヒータ盤35は,例えばアルミ製のシーズヒータ盤で構成される。図示しない昇降機構の稼働によってこのヒータ盤35は,図2中実線35で示されるように下チャンバ13内の下方に下降した状態と,図2中一点鎖線35’で示されるように下チャンバ13内の上方に上昇した状態になるように構成されている。昇降機構には,例えばエアーシリンダ,ボールナット,ラックアンドピニオン,エアーチューブなどの公知の昇降手段が適宜用いられる。
【0016】
また,下ケース12の側面には下チャンバ13に連通するようにして吸排気口37が設けられており,この吸排気口37を介して下チャンバ13内を真空引きし,また,この吸排気口37を介して下チャンバ13内に大気圧を導入できるように構成されている。
【0017】
ラミネート部2において,これら上ケース10と下ケース12の間には,次に説明する剥離シート供給手段40によって供給される剥離シート41と,搬送シート50の搬送ベルト51が進入できる状態になっている。
【0018】
図3に示すように,剥離シート供給手段40において,剥離シート41の両端に回転ロール42,43がそれぞれ配置されている。剥離シート41は,後述するようにラミネート部2においてダイアフラム30によって挟圧された際に太陽電池モジュールPからはみ出た充填材の付着を避けるために,充填材が容易に付着せず,また,付着した充填材を容易に剥がすことのできる,例えばテフロン含浸のガラスクロスシートなどといった剥離性の優れた材質からなる。回転ロール42は,図3中において反時計回転方向に回転駆動され,これにより,剥離シート41を図中右方向42’に移動させる。回転ロール43は,図3中において時計回転方向に回転駆動され,これにより,剥離シート41を図中左方向43’に移動させることができる。これにより,これら回転ロール42,43の一方を回転駆動することにより,剥離シート41を所望の方向に移動させることができるようになっている。
【0019】
回転ロール42の下方にはガイドロール45が回転自在に配置されており,剥離シート41はこのガイドロール45の周面に沿って上方に方向を変えてから回転ロール42に巻き取られると共に,回転ロール42から繰り出された剥離シート41はこのガイドロール45の周面に沿って水平に方向を変えてから回転ロール43に巻き取られるようになっている。図1に示すように,回転ロール43とガイドロール45を,ラミネート部2の左右外側において同じ高さに配置することにより,上ケース10と下ケース12の間に剥離シート41が水平な姿勢で供給されるようになっている。
【0020】
また,剥離シート供給手段40において,ガイドロール45と回転ロール43の間で移動する剥離シート41の下面側に当接するように,除去ロール46が配置されている。この除去ロール46は,後述するように,剥離シート41の下面側に付着した充填材などを掻き取ることができるように,例えばナイロンブラシなどで構成されている。
【0021】
搬送シート50は,ラミネート部2の左右外側に配置した駆動プーリ52と従動プーリ53の間に巻回された搬送ベルト51を備えた構成になっている。図4に示すように,駆動プーリ52,52を駆動軸54の両端に取り付けると共に,従動プーリ53,53を従動軸55の両端に取り付け,これら駆動プーリ52と従動プーリ53の間に一対の搬送ベルト51,51をそれぞれ巻回している。そして,これら搬送ベルト51,51の間に複数枚の(図示の例では2枚の)可撓性のあるシート57を取り付けた構成になっている。なお,シート57の表面は,ラミネート部2においてダイアフラム30によって挟圧された際に太陽電池モジュールPからはみ出た充填材の付着を避けるために,例えばフッ素樹脂などといった剥離性に優れた材料でコーティングされている。
【0022】
そして,駆動プーリ53の回転駆動によって図4中の矢印方向にシート57を間欠的に移動させることにより,後述するように,ラミネート部2にこれからラミネート処理を行う太陽電池モジュールPを搬入すると共に,ラミネート部2においてラミネートされた太陽電池モジュールPを,シート57に載せた状態でラミネート部2の外に順次搬出するようになっている。また,このように搬送シート50のシート57に載せられてラミネート部2に搬入された太陽電池モジュールPの上方には,先に説明した剥離シート供給手段40によって供給された剥離シート41が,ダイアフラム30との間に進入し,太陽電池モジュールPの下方には,シート57がヒータ盤35との間に進入するようになっている。
【0023】
次に,図5,6は,本発明のラミネート装置1によって好適に製造される被ラミネート体の一例としての,太陽電池モジュールPを示す平面図と,側面図である。太陽電池モジュールPは,図示の例では下側に配置された透明なカバーガラス60と上側に配置された保護材61の間に,充填材62,63を介してストリング64をサンドイッチした構成を有する。保護材61は例えばPE樹脂などの透明な材料が使用される。充填材62,63には例えばEVA(エチレンビニルアセテート)樹脂などが使用される。ストリング64は,電極65,66の間に,太陽電池セル67をリード線68を介して接続した構成を有する。
【0024】
以上のように構成された被ラミネート体としての太陽電池モジュールPは,本発明の実施の形態にかかるラミネート装置1により,次に説明する工程に従って製造される。
【0025】
先ず,図1においてラミネート部2の右側方に配置された供給コンベア3に,図示しないロボット等の手段によって,これからラミネートを行う太陽電池モジュールPが位置決めされて供給される。このラミネート装置1の供給コンベア3への供給に際しては,太陽電池モジュールPの上面側に,図5,6で示した保護材61が来るような姿勢にされる。そして,こうして供給コンベア3に供給された太陽電池モジュールPが,供給コンベア3の稼働によって,図7に示すように,ラミネート部2に搬送シート50に載せられた状態で搬入される。このようにラミネート部2に太陽電池モジュールPを挿入するに際しては,上ケース10を持ち上げることによって,ラミネート部2を開放状態にする。上ケース10を持ち上げる動作は,図1で説明したシリンダ22の伸張稼働によって行われる。また,図示しない昇降機構の稼働により,下ケース12内部の下チャンバ13に設けられたヒータ盤35を下降させる。
【0026】
また,このように太陽電池モジュールPをラミネート部2に搬入する一方で,剥離シート供給手段40において回転ロール43が回転駆動され,回転ロール42から引き出された剥離シート41が太陽電池モジュールPの上方に供給される。これにより,ラミネート部2において,太陽電池モジュールPの上方には,剥離シート41がダイアフラム30との間に進入し,太陽電池モジュールPの下方には,シート57がヒータ盤35との間に進入した状態となる。
【0027】
次に,図8に示すように,上ケース10を下げることによって,ラミネート部2を密閉状態にする。上ケース10を下げる動作は,図1で説明したシリンダ22の短縮稼働によって行われる。そして,吸排気口31,37を介して上チャンバ11内と下チャンバ13内を同時に真空引きする。
【0028】
こうして,各チャンバ11,13内を真空引きする間に,下チャンバ13内のヒータ盤35を予め加熱しておいても良い。なお,ヒータ盤35を下降させて太陽電池モジュールPから離し,下チャンバ13内を減圧した状態でヒータ盤35の加熱を開始すれば,断熱効果が極めて高く,減圧中に太陽電池モジュールPに熱が伝わる心配が少ない。そして,上チャンバ11内と下チャンバ13内を,それぞれ例えば0.7〜1.0Torrにまで真空引きした後,図9に示すように,下チャンバ13の内部において図示しない昇降機構の稼働によりヒータ盤35を上昇させる。これにより,ラミネートコンベア50のシート57に載せられている太陽電池モジュールPが,下チャンバ13の内部においてヒータ盤35の上面に熱的に接触した状態となり,太陽電池モジュールPが加熱される。この加熱によって,太陽電池モジュールP内の充填材62,63であるEVA樹脂の化学反応が促進され,架橋が行われるようになる。そして,この状態で,図9に示すように,吸排気口31を介して上チャンバ11内に大気圧を導入し,ラミネート部2においてダイアフラム30を下方に膨張させることにより,太陽電池モジュールPを,ヒータ盤35の上面とダイアフラム30との間で挟圧する。この時,充填材62,63であるEVAが太陽電池モジュールPの端部から流れ出すこともあるが,上述のように太陽電池モジュールPの上方には,剥離シート41がダイアフラム30との間に進入した状態となっているので,流れ出たEVAがダイアフラム30に付着する心配はない。
【0029】
こうして,加熱および挟圧することによってラミネート処理を終了し,太陽電池モジュールPを製造した後,吸排気口37を介して下チャンバ13内に大気圧を導入する。そして,図示しない昇降機構の稼働によって,図10に示すように,ヒータ盤35を下降させる。また,上ケース10を持ち上げることによって,ラミネート部2を開放状態にする。上ケース10を持ち上げる動作は,図1で説明したシリンダ22の伸張稼働によって行われる。
【0030】
こうしてラミネート部2が開放状態になると,剥離シート供給手段40において回転ロール42が回転駆動され,太陽電池モジュールPの上方に進入していた剥離シート41がラミネート部2の外に引き出され,回転ロール42に巻き取られていく。そして,ガイドロール45と回転ロール43の間を移動する際に,剥離シート41の下面側に付着していた充填材が,除去ロール46によって掻き取られる。その後,次のラミネートを行う太陽電池モジュールPがラミネート部2に搬入されると,剥離シート供給手段40において回転ロール43が回転駆動され,回転ロール42から引き出された剥離シート41が,充填材の付着していない状態で,太陽電池モジュールPの上方に再び供給されることとなる。
【0031】
そして,搬送シート50と搬出コンベア4の稼働によって,ラミネート処理の終了した太陽電池モジュールPは,図1においてラミネート部2の左側方に配置された搬出コンベア4上に搬出される。そして,太陽電池モジュールPは,図示しないロボット等の手段により,搬出コンベア4上から取り去られ,次の工程に搬送される。なお,このようにラミネート処理の終了した太陽電池モジュールPを搬出コンベア4上に搬出すると同時に,次のラミネートを行う太陽電池モジュールPをラミネート部2に搬入しても良い。
【0032】
かくして,以上の工程を繰り返すことにより,ラミネートした際に溶け出たEVAなどの充填材がダイヤフラムシート30に付着することを防止でき,性状の良い太陽電池モジュール20を連続して製造することが可能となる。なお,被ラミネート体の一例として,太陽電池モジュールの製造について説明したが,本発明のラミネート装置はその他,種々のものについてラミネート処理を施すことができ,特に薄板形状の被ラミネート体の製造に好適である。また本発明のラミネート装置は,被ラミネート体の厚みの変化に対応でき,最近,注目されるようになった建材用の外壁材や屋根材と太陽電池モジュールを一体化させた,一体型モジュールの製造などにも供することが可能である。更に,本発明のラミネート装置は,太陽電池モジュールに限らず,合わせガラスや装飾ガラスなどの製造にも供することができる。また,上ケース10を4本の支柱17に沿って上下動させる構成について説明したが,例えば,下ケース12の前後に2本の支柱(コラム)を配置し,それら2本の支柱に沿って上ケース10を上下動させる構成としても良い。その場合,上ケース10を上下動させる機構として,シリンダ22の代わりにモータの駆動によってチェーン等を利用して上ケース10をつり上げるように構成することも可能である。その他,下ケース12の内部上方に設けられた下チャンバ13内においてヒータ盤35が昇降する構成を説明したが,下チャンバ13内に搬入された太陽電池モジュールPをヒータ盤35の上方に離して支持する支持ピンを設け,この支持ピンの下降によって太陽電池モジュールPをヒータ盤35の上面に接触させる構成としても良い。そうすればヒータ盤35は下チャンバ13内に固定できるようになる。また,図示の実施の形態では,剥離シート供給手段40は,回転ロール42,43の間で剥離シート41を移動させる構成を説明したが,搬送シート50と同様に,剥離シート供給手段40を一対のベルトに複数枚のシートを取り付けた構成とし,ベルトの周動によってシートを太陽電池モジュールPの上方に進入させるようにしても良い。
【0033】
【発明の効果】
本発明のラミネート装置によれば,太陽電池モジュールなどの被ラミネート体をラミネートした際に溶け出た充填材がヒータ盤などに付着する心配が無く,次にラミネートされる被ラミネート体を汚すことを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるラミネート装置の正面図である。
【図2】ラミネート部の縦断面図である。
【図3】剥離シート供給手段の斜視図である。
【図4】ラミネート部コンベアの斜視図である。
【図5】太陽電池モジュールの平面図である。
【図6】太陽電池モジュールの側面図である。
【図7】太陽電池モジュールをラミネート部に搬入する状態の説明図である。
【図8】ラミネート部に太陽電池モジュールを搬入した状態の説明図である。
【図9】太陽電池モジュールを加熱および挟圧する状態の説明図である。
【図10】製造後,各ラミネート部を開放させた状態の説明図である。
【符号の説明】
P 太陽電池モジュール
1 ラミネート装置
2 ラミネート部
3 供給コンベア
4 搬出コンベア
11 上チャンバ
13 下チャンバ
30 ダイアフラム
35 ヒータ盤
41 剥離シート
46 除去ロール

Claims (3)

  1. 上方にダイアフラムを備え,下方にヒータ盤を備えたラミネート部にて,被ラミネート体内部の充填材を融解させて挟圧することによりラミネートを行うラミネート装置において,
    前記被ラミネート体を載せてラミネート部に搬入出させるシートを複数枚備え,
    シートを間欠的に移動させることにより,ラミネート部に被ラミネート体を搬入し,ラミネート部では被ラミネート体の下方にシートをヒータ盤との間に進入させたままラミネートし,ラミネート部においてラミネートされた被ラミネート体をラミネート部の外に順次搬出する構成であり,前記被ラミネート体を載せてラミネート部に搬入出させる複数枚のシートを左右一対の搬送ベルトの間に取り付けたことを特徴とする,ラミネート装置。
  2. 前記シートの表面が剥離性に優れた材料でコーティングされていることを特徴とする,請求項1に記載のラミネート装置。
  3. 前記被ラミネート体が太陽電池モジュールであることを特徴とする請求項1又は2に記載のラミネート装置。
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