JP3654940B2 - 定期券発行機 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は係員が窓口で定期券発行業務として使用する定期券発行機に関する。
【0002】
【従来の技術】
係員が操作することにより、窓口で定期券を発行する定期券発行機が各鉄道会社に広く普及されてきている。
その定期券発行機を用いての定期券発行業務として、定期券を1枚1枚発行する『通常発行』業務、紛失した定期券を再発行する『再発行』業務、予約された定期券を発行する『予約発行』業務、会社で使用する場合のように定期券を一括して発行する『一括発行』業務、自動的に『一括発行』業務を行う『自動一括発行』業務がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
通常の定期券発行機では、定期券用紙の表面に印刷デ−タに基づいて印刷処理を行ったり、定期券用紙の磁気記録部に磁気情報を記録する処理を行う発券部は1台しか装備されていない。
【0004】
このため、定期券発行機で、前述した複数の業務のうちの1つ業務を開始すると、その業務が終了するまで、他の業務の定期券発行は開始することはできなかった。
【0005】
このことは、係員の手入力により1枚1枚定期券の発行処理を行っている通常処理を行っている最中に他の業務に切り換えることは1枚の定期券を発行した後に、簡単に他の業務に切り換えることはできるが、『自動一括発行』業務のように予め作成された発券情報に基づいて複数枚の発券処理を行う開始されている場合には、その『自動一括発行業務』が終了するまで他の業務を受け付けることはできなかった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、その目的は複数の定期券発券業務を行うことができる定期券発行機において、1つの定期券発券業務が開始されているときでも、他の定期券発券業務を行うことができる定期券発行機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係わる定期券発行機は、
少なくとも定期券の一括発行処理と通常発行処理を指定する業務指定手段と、
定期券を発行するのに必要な定期券情報を入力する入力手段と、
上記定期券情報に基づいて定期券を発行する発券装置と、
この発券装置に設けられた第1及び第2の排出口と、
上記入力手段で入力された定期券情報あるいは予め記憶されている定期券情報を上記業務指定手段で指定された定期券発行業務を識別する業務識別データと共に記憶手段に記憶させる手段と、
上記業務指定手段により一括発行処理が指定されると、上記記憶手段に記憶されている定期券情報に基づいて上記発券装置で定期券を発行させて上記第1の排出口から定期券を排出させる手段と、
この一括発行処理による発行処理を行っている最中に、上記記憶手段に通常発行処理による定期券情報を受信したかを判定する判定手段と、
この判定手段により通常発行処理による定期券情報を受信したと判定したのに基づきその定期券情報に基づいて上記発券装置で定期券を発行させ上記第2の排出口から定期券を排出させる定期券発行手段とを具備したことを特徴とする。
【0011】
【作用】
定期券情報に基づいて定期券を発行する発券装置に定期券を排出するための複数の排出口を設けておき、定期券の発行業務に対応した排出口から定期券を排出できるようにし、ある定期券発行業務を行っている場合でも他の定期券発行業務を受け付けるようにした。
【0012】
【実施例】
以下図面を参照して本発明の一実施例に係わる定期券発行機について説明する。図2、図3はこの発明の定期券発行装置1の外観を示すもので、図2は正面からの図であり、図3は上面からの図である。この定期券発行装置1は、購入情報の一部が入力される条件設定操作部2、複数の発駅と着駅を設定するための駅名釦と経由を設定するための経由釦とが縦方向、横方向に配列表示されたタッチパネル内蔵のカラー液晶表示部(LCD)によって構成される経由発着駅設定部3、4、入力手順あるいは上記条件設定操作部2、経由発着駅設定部3、4により入力された情報等を表示するカラー液晶表示部(LCD)によって構成される表示部5、発行日付を表示する発行日付表示部6、購入客により購入情報が書かれた申込用紙が挿入される申込用紙挿入口7、定期券が排出される第1及び第2の定期券排出口8a,8b、旧券、手差し券を挿入する挿入口9が設けられている。
【0013】
上記条件設定操作部2は、図3に示すように、定期券の発行開始を指示するスタートキー11、テンキー12、4つの方向を指定する『→』『←』『↑』『↓』キ−よりなるカ−ソルキ−13、定期券発行業務の他の業務を指定する『業務』キ−14、定期券発行業務(通常発行、再発行、予約発行、一括発行、自動一括発行)を選択する定期券発行業務キ−15などの種々の条件キーによって構成されている。
【0014】
次に、上記定期券発行装置1の制御回路を図1を用いて説明する。
すなわち、上記定期券発行装置1の全体を制御する制御部としてのCPU20が設けられている。このCPU20には、図5のフロ−チャ−トに示すような制御プログラムや文字パターン、種々のデータが記憶されるメモリ21が接続される。
【0015】
さらに、CPU20には、上記申込用紙挿入口7に対応して設けられている氏名読取部22と氏名転写部23、定期券発行口8と旧券、手差し券挿入口9に対応して設けられている定期券発行部(発券装置)24、売上デ―タ等をジャ―ナル(図示しない)に印刷するジャ―ナルプリンタ25、定期券発行に関する種々の情報たとえば売上デ―タあるいは運賃デ―タ、定期券を一括発行するための一括発行デ−タ等が記憶されている磁気ディスク(図示しない)を扱う磁気ディスク装置26、図示しない通信回線を介してホストコンピュータ等の外部装置と接続される通信制御部27、上記条件設定操作部2、経由発着駅設定部3、4、および表示部5が接続されている。
【0016】
上記氏名転写部23は、CCD等により構成され、申込用紙挿入口7から挿入される申込用紙上の(購入者による自筆の)氏名を読取り、画素デ―タ(イメ―ジパタ―ンデ―タ)に変換するものである。
【0017】
上記定期券発行部24は、定期券用紙に購入情報に対応した印刷データを印刷したり磁気情報を記録し、この新規な定期券を定期券排出口8a,8bから排出するものである。
【0018】
上記定期券発行部24には、図示しないが、搬送路と、この搬送路上に定期券ホッパ、印刷部、磁気書込み/読出し部が順次設けられている。
これにより、定期券ホッパからの定期券用紙に対して、印刷部で購入情報に対応した印刷データを印刷し、磁気書込み/読出し部で購入情報に対応した磁気データを記録して、定期券排出口8a,8bから排出する。この定期券排出口8a,8bうちのいずれか一方への切り替えはCPU20からの制御信号により行われる。
【0019】
つまり、定期券発行部24は図4に示すような内容のデ−タを記憶するバッファメモリ24mを備えており、定期券発行業務キ−15で選択された業務を特定する業務種別識別デ−タ及び上記定期券発行部24の印刷部で印刷される印刷デ−タ及び上記定期券発行部24の磁気書き込み/読み出し部で書き込むエンコ−ドデ−タを1つのデ−タブロックとして記憶している。
【0020】
このデ−タブロックは条件設定部2、経由発着駅設定部3、4で設定された後、スタ−トキ−11が操作されると、CPU20の制御下で作成されて定期券発行部24のバッファメモリ24に転送される。
【0021】
次に、上記のように構成された本発明の一実施例の動作について説明する。まず、定期券発行業務キ−15を操作して『一括発行業務』を選択すると、装置はその業務モ−ドとなる。そして、磁気ディスク装置26に記憶されている定期券を一括して発行するためのデ−タを読み込む(ステップS2)。そして、このデ−タがあるか否か判定する(ステップS3)。
【0022】
このステップS3の判定で「YES」と判定された場合、デ−タがあると判定された場合には、定期券発行部24のバッファメモリ24mに業務種別識別デ−タ、印刷デ−タ、エンコ−ドデ−タが転送される(ステップS4)。
【0023】
そして、この定期券発行部24において、定期券ホッパからの定期券用紙に対して、印刷部で購入情報に対応した印刷データを印刷し、磁気書込み/読出し部で購入情報に対応した磁気データを記録する処理がなされる(ステップS5)。
【0024】
次に、業務種別識別デ−タを判定し、業務が『一括発行』か『通常発行』かを判定する(ステップS6)。
この場合、業務は『一括発行』であるので、第1の排出口8aに排出口が切り換えられて、新たな定期券は第1の排出口8aから排出される(ステップS7)。
【0025】
そして、通常発行デ−タを定期券発行部24のバッファメモリ24mで受信したかを判定する(ステップS8)。
このステップS8において「NO」と判定された場合には、上記ステップS2に戻って次の一括発行デ−タを読み込む処理が行われる(ステップS2)。
【0026】
そして、デ−タがない場合には『一括発行』処理は終了する。
ところで、定期券発行機で『一括発行』業務を遂行中に、『通常発行』業務を選択してスタ−トボタン11を押すと、図5(B)の処理により条件設定部2、経由発着駅設定部3、4で設定された通常発行デ−タが定期券発行部24のバッファメモリ24mに転送される(ステップS11)。
【0027】
例えば、最初に『一括発行』業務を行って、定期券を第1の排出口8aから排出し(ステップS7)、通常発行デ−タの受信ありかの判定が行われる(ステップS8)が、このステップS8の判定で「YES」と判定され、ステップS4の処理に戻る。
【0028】
このステップS4の判定で、定期券発行部24のバッファメモリ24mに格納された通常発行デ−タに基づいて、定期券ホッパからの定期券用紙に対して、印刷部で購入情報に対応した印刷データを印刷し、磁気書込み/読出し部で購入情報に対応した磁気データを記録する処理がなされる(ステップS5)。
【0029】
そして、バッファメモリ24mに記憶されている業務種別識別デ−タが判別され(ステップS7)、第2の排出口8bに切り換えられ、第2の排出口8bから『通常発行』業務で発行された新たな定期券が排出される(ステップS9)。
【0030】
このように、『一括発行』業務で定期券を発行しているときでも、『通常発行』業務が発生した場合には、『一括発行』業務に割り込んで『通常発行』業務を行うことができる。
【0031】
従って、係員が『一括発行』業務を行っている最中に、1枚の定期券を購入しようという購入者が来た場合でも、その購入者を待たせることなく『通常発行』で定期券を発行することができる。
【0032】
なお、上記実施例では、定期券発行業務の『一括発行』業務、『通常発行』業務に応じて排出口8a,8bを切り換えるようにしたが、排出口を3つ以上設け、定期券発行業務に応じて、定期券の排出口を切り換えるようにしても良い。
【0033】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、複数の定期券発券業務を行うことができる定期券発行機において、発券装置に複数の排出口を設け、1つの定期券発券業務が開始されているときでも、他の定期券発券業務を行うことができるようにした定期券発行機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わる定期券発行装置の制御ブロック図。
【図2】同定期券発行装置の正面図。
【図3】同定期券発行装置の上面図。
【図4】バッファメモリの記憶内容を示す図。
【図5】同実施例の動作を示すフロ−チャ−ト。
【符号の説明】
1…定期券発行装置、2…条件設定部、3,4…経由発着駅設定部、5…表示部、6…発行日付表示部、7…申込用紙挿入口、8…定期券排出口、24…定期券発行部、24m…バッファメモリ。

Claims (1)

  1. 少なくとも定期券の一括発行処理と通常発行処理を指定する業務指定手段と、
    定期券を発行するのに必要な定期券情報を入力する入力手段と、
    上記定期券情報に基づいて定期券を発行する発券装置と、
    この発券装置に設けられた第1及び第2の排出口と、
    上記入力手段で入力された定期券情報あるいは予め記憶されている定期券情報を上記業務指定手段で指定された定期券発行業務を識別する業務識別データと共に記憶手段に記憶させる手段と、
    上記業務指定手段により一括発行処理が指定されると、上記記憶手段に記憶されている定期券情報に基づいて上記発券装置で定期券を発行させて上記第1の排出口から定期券を排出させる手段と、
    この一括発行処理による発行処理を行っている最中に、上記記憶手段に通常発行処理による定期券情報を受信したかを判定する判定手段と、
    この判定手段により通常発行処理による定期券情報を受信したと判定したのに基づきその定期券情報に基づいて上記発券装置で定期券を発行させ上記第2の排出口から定期券を排出させる定期券発行手段とを具備したことを特徴とする定期券発行
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