JP3654666B2 - 鉄道車両用回転式腰掛け - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、鉄道車両の客車に設置される鉄道車両用回転式腰掛けに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、客車の腰掛けは様々なタイプが用いられているが、車両の長手方向に垂直に配置される回転式腰掛けは、腰掛けを180°回転させることによって前後いずれかに配された腰掛けと向かい合せることができると共に、肘掛けに格納可能な簡易テーブルを設けたり、背もたれの裏面に収納網やテーブルを設けたりすることにより高機能な腰掛けとすることができる。このような回転式腰掛けにおいて乗客が脚部、特に足の裏を休めるためのフットレストが設けられた腰掛け6aもよく知られている(図6参照)。こうしたフットレストは、前の腰掛け6bに設けられており、通常はフットレスト61のように折り畳まれており、使用するときにはフットレスト63のように揺動されて設置される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこのようなフットレストは、それを実際に使用する者の前の腰掛け6bに設けられているため、その設置や折り畳みの際の振動が前の席に座っている乗客に伝わり、不快感を与えるという課題がある。また、腰掛け6bを180°回転させて腰掛け6aと向かい合せにすると、フットレスト63が腰掛け6bの裏側に隠れてしまい使用することができない。
【0004】
これを解決するために図7に示すような、ふくらはぎを支えるレッグレスト71を自席に設けた腰掛け7が新幹線のグリーン車に実施されたこともあった。しかし、図からも判るようにこのレッグレスト71は非常に薄いもので、弾力に乏しいという不満な点があった。
【0005】
また、通常、レッグレスト71は着座部73の下に格納されているために、これを使用するためには一旦席を立ち、レッグレスト71を引き出した後、腰掛けるという繁雑な作業が必要となる。さもなければ、腰掛けたまま脚を着座部73よりも高く上げ、レッグレスト71を引っ張り出すしかないが、いずれにしても使い勝手の悪いものであり、当然のことながら格納するときも同様の操作が必要となる。
【0006】
これは、回転式の腰掛けにレッグレスト若しくはフットレストを設けようとすると、腰掛けの回転機構と着座部73の間にある台枠75周辺に設け、使用しないときには図7の71’のように格納する以外になく、しかも回転機構と着座部73の距離がかなり狭いことに起因している。従い、現在ではこのレッグレスト71付きの腰掛け7は使用されておらず、図6のような前の座席にフットレストを設けるタイプの腰掛けが用いられ、前の座席の乗客に不快感を与える等の上記問題が存続している。
【0007】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、自席にフットレスト(以下、レッグレストも含む)を備えながらも、適度な弾力があって安息効果が高く、しかも使い勝手のよい腰掛けを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた本発明の請求項1に記載の発明は、腰掛ける者の臀部を支える着座部と、該着座部に腰掛ける者の脚を支持するフットレストと、該着座部を支持し、上記フットレストを使用しないときには、該フットレストを格納可能な収納部を有する台枠と、鉄道車両の床面に固定され当該腰掛け全体を支持する脚台と、台枠を脚台に対し回転可能に接合する回転機構と、を備える鉄道車両用回転式腰掛けにおいて、上記フットレストが上記収納部に格納された状態から、使用される状態までの移動を可逆的に行なうためのフットレスト移動機構と、該フットレスト移動機構を駆動するための原動機とを設け、該フットレスト移動機構が、上記フットレストの後部両側面に一個ずつ設けられた一対のカムフォロワと、該一対のカムフォロワを前後に移動可能に規制し、該移動の範囲の後端から略中程までは水平に、略中程から前方に移動するに連れて該一対のカムフォロワを上方へ移動させる略「へ」の字型をした一対の溝カムと、前端が上記フットレストの前後方向の略中央に揺動可能に接合されたスライドレールと、該スライドレールを、上記原動機を動力源として前後方向に滑動させるリンク機構とからなることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の鉄道車両用回転式腰掛けにおいて、上記フットレストが、略矩形形状をした板状部材であって、腰掛ける者のふくらはぎを支持可能な脚支持部と、該脚支持部の先端部に、該脚支持部の前部上面に重合された状態から該脚支持部とのなす角が略直角となる位置まで揺動可能に接合された板状部材であって、上記重合された状態においては上記脚支持部と共に腰掛ける者のふくらはぎを支え、上記脚支持部とのなす角が略直角となる状態においては腰掛ける者の足の裏を支える足裏支持部とを備えることを特徴とする。
【0012】
【作用及び発明の効果】
このように構成された本発明の請求項1に記載の鉄道車両用回転式腰掛け(以下、単に腰掛けという)及び該腰掛けに備えられたフットレストを使用する際には、自席の着座部の下方にある台枠に設けられた収納部に格納されているフットレストを取り出して設置する。使用を中止するときには、フットレストを収納部に格納する。
【0013】
この腰掛けによれば、フットレストが自席の収納部に格納されているため、フットレストの出し入れによって前の腰掛けに座っている人に不快感を与えることがないだけでなく、収納部に収まる範囲でフットレストを厚くすることができるため、フットレストの意匠の自由度が増え、例えば、脚部が当接する面に柔らかいマットレスを用いたり、人間工学的に疲労の少ない形状にしたりすることにより、安息効果の高いフットレストを設けることができる。更にこのフットレストにヒーター、マッサージ機等を内蔵させ、快適性を高めることも同じ理由により容易になる。また、前方の腰掛けを180°回転させて当該腰掛けと対向させても、フットレストを使用することができる。当然のことながら、フットレストを収納部に格納すれば、フットレストのない腰掛けとして使用することができる。
【0014】
そして、フットレストを使用する際には、原動機を作動させて、フットレスト移動機構を駆動し、収納部からフットレストを搬出し、使用可能状態に設置させる。使用を中止するときには、原動機によってフットレスト移動機構を駆動しフットレストを収納部に退避させる。
【0015】
このようにすると、フットレストの移動を原動機の動力にて行なうため、身体障害者・子供・老人でも該操作を容易に行なうことができる。従い、たとえ、上記のようにフットレストにヒータやマッサージ機構を内蔵させて重量が増加しても、使い勝手が悪くなることがない。
【0016】
また、フットレストは使用されないときには、水平に近い姿勢で収納部に格納されている。このフットレストを使用する際には、原動機を動作させてリンク機構を介してスライドレールを前方へと移動させ、該スライドレールに接続されたフットレストも前方へと水平移動される。このとき、フットレストの後部両側面に設けられた一対のカムフォロワは、「へ」の字型の一対の溝カムの水平部分に係合しているため、フットレストは略水平姿勢を保ったまま、前方へ平行移動する。スライドレールがその移動範囲の略中程まで移動されると、上記カムフォロワが上記溝カムの屈曲部に掛かり、更にスライドレールが前方へと水平移動されるに伴いカムフォロワが溝カムに沿って上昇し、フットレストは徐々に俯角を大きくしながら前方へと移動し、遂にはふくらはぎを載せるのに適した角度及び高さに設置される。また、格納時にはこれとまったく逆方向に各部が連動することによりフットレストが収納部に退避する。
【0017】
このため、使用時にはフットレストが収納部から搬出され、自動的に脚部を支えるのに適した角度に設置させることができる。フットレストの格納時にはフットレストを略水平にして収納部に収めるために、収納部の空間を有効に利用可能であり、より安息効果の高いフットレストにすることができる。なお、原動機を電動機で構成すると、鉄道車両で用いられている電源等から給電を受けて稼働させることができ、新たにエネルギー源を確保する必要がない。
【0018】
請求項2に記載の腰掛けに備えられたフットレストを使用する際には、まず、収納部からフットレストを搬出させる。そして足裏支持部を脚支持部に重ねた状態か若しくは足裏支持部を脚支持部に対して直角に起こした状態にする。このフットレストを有する腰掛けによれば、請求項1に記載の腰掛けによる効果に加え、足裏支持部を脚支持部に重ねた状態では該両支持部によりふくらはぎを支持しつつ足の裏を宙に浮かせることができ、足裏支持部を脚支持部に対して直角に起こした状態では脚支持部にてふくらはぎを支持し、足裏支持部にて足の裏を支えることができる。このため、使用者の疲労箇所、好みに合せた部分を安息させることができる。また、足裏支持部を脚支持部に重ねた状態で収納部に格納するように構成すれば、たとえ収納部が小さくても以上のような利用方法のあるフットレストを格納することができる。
【0019】
【実施例】
以下に本発明の実施例を図面と共に説明する。
まず、図1は本発明を適用した2人用の腰掛け1を実施例として示したものであり、図1(a)は該腰掛け1の側面図、図1(b)は正面図である。図1(b)に向かって左側の腰掛けのフットレスト11は使用可能に設置されている。一方、右側の腰掛けのフットレストは格納されている。
【0020】
腰掛け1の構造は、腰掛けとしての周知の構成である着座部13,脚台15,背ずり17,肘掛け19の他、脚台15に対してこれより上方に位置する部分全体を180°回転可能に支持する回転機構21,その回転機構21と着座部13との間に介在して着座部13を支持する台枠23とから成っている。背ずり17は図示しないリクライニング機構により、着座部13に対する角度が調整できるようにされている。また、台枠23内には、フットレスト移動機構及びその原動機としてのサーボモータが配されている。
【0021】
台枠23は、直接回転機構21に支持される台枠下部23a,直接着座部13を支持する台枠上部23b,その台枠上部23bと台枠下部23aとに挟持された左右一対の枠壁23cという三種類の板状の部材が組み合わされてなる箱状の部材であり、前方が箱の空き口のようにされ、ここからフットレスト11の搬出・格納が行なわれる。
【0022】
図3はこのフットレスト11の構成を示したものであり、図3(a)は脚を載せる面を正面から見た図であり、フットレスト11を台枠23の収納部から出した状態を示す側面図である図3(b)のB矢視図になっている。
図3(a)に示すようにフットレスト11は、枠27にて規定される略矩形形状をなす板状部材である脚支持部11aと、この先端部にヒンジ25にて接合された板状部材である足裏支持部11bとからなる。足裏支持部11bの脚支持部11aと重合される面には硬質樹脂製の板が貼付してあり、反対側の面11b2にはナイロン生地にて覆われ、内部に詰められたウレタンフォームにより適度な弾性を有するようにされている。
【0023】
一方、脚支持部11aは、足裏支持部11bと同様に足裏支持部11bと重合される部分11a1は硬質樹脂の板が貼付してあり、その他の部分は面11b2と同様にナイロン生地とされ、適度な弾性を有するようにされている。また、ヒンジ25が接合されている位置の両側方には鉤部29が設けられており、足裏支持部11bが図3(b)の状態から反時計回りに回動されると、鉤部29が足裏支持部11bの面11b1に当接するように構成されている。
【0024】
なお、フットレスト11には足裏支持部11bが脚支持部11aに重合されていることを検知するための図示しないリミットスイッチが設けられており、これがオフ、つまり足裏支持部11bが脚支持部11aに重合されていない状態ではインタロックが掛かって、当該フットレスト11を移動させる動力源である後述のサーボモータが作動しないようにされている。
【0025】
上記構成からなるフットレスト11を、台枠23の内部から使用可能な位置までの間を移動させるものがフットレスト移動機構である。これは、フットレスト11の略中程を水平前後方向に移動させる第1の移動機構と、フットレスト11の後部を第1の移動機構による移動に伴って所定の軌道に沿って移動させる第2の移動機構とに分けられる。
【0026】
第1の移動機構の構成を図4に示す。図4(a)は、フットレスト11を台枠23内に格納したとき、図4(b)は、フットレスト11を使用可能に設置したときの第1の移動機構の各状態及びその関連部分を示す平面図であり、図中の左方が腰掛け1の前方になる。これらの図中、第1の移動機構に属するものは、一対のスライドレール31,鞘32,リンク機構33,ギヤボックス34である。
【0027】
図4(a)に示すように、一対のスライドレール31の末端は、一対の鞘32に覆われており、この鞘32によってスライドレール31は水平姿勢に規制される。一方、先端は枠27(図3(a)参照)の前後方向の中程に内側から揺動可能に接合されている。また、一対のスライドレール31は、その間を渡すように固定された支持板45,第1のリンク33a,第2のリンク33b,及びギヤボックス34を介して、当該移動機構の原動機としてのサーボモータ41に接続されている。
【0028】
このサーボモータ41が稼働し、その軸出力がギヤボックス34によって減速され、軸の方向が変えられて第2のリンク33bが反時計回りに回動されると、これに第1のリンク33aが連動し、スライドレール31が図4(b)のように前方に平行移動するように構成されている。なお、スライドレール31の移動はギヤボックス34における減速で、十分安全な速度、例えば毎秒10cm程のゆっくりとした速度で行なわれる。また、一対の鞘32の対向面には、スライドレール31が後退して図4(a)の状態にされたときに、支持板45が入りこむための溝が設けられている。
【0029】
なお、スライドレール31は、図示しないロック機構により、図4(a)若しくは図4(b)の状態に保持可能な構成とされている。このロック機構はスライドレールが移動されて図4(a)乃至図4(b)の状態になると自動的に掛かり、肘掛け19に設けられたサーボモータ41に動作指令を出すためのスイッチ49(図1(b)参照)が操作されるとロックが解けるように構成されている。
【0030】
また、サーボモータ41は、スイッチ49が操作されると図示しないサーボコントローラを介して、指定を受けた方向に所定数だけ出力軸を回転するようにされており、これによりスライドレール31を図4(a),図4(b)のいずれかの状態に随意に設定可能にされている。このサーボモータ41はギヤボックス34及び一対の鞘32と共に台枠下部23aに固定されている。
【0031】
次に、第2の移動機構の構成を図5に示す。図5(a)は、フットレスト11を台枠23内に格納したとき、図5(b)は、フットレスト11を使用可能に設置したときの第2の移動機構の各状態を図1(b)のA矢視図で表したものである。これらの図に示すように、第2の移動機構は、フットレスト11の枠27の後部両側面に突部35と共に設けられた一対のカムフォロワ37とカムフォロワ37を前後移動可能に支持する一対の溝カム39とからなる。
【0032】
一対の溝カム39の形状は、図5(a)に示すように、溝の後端部から中程よりやや前方に掛けては水平にされ、そこから斜め上方へ伸びる略「へ」の字型を呈している。この溝カム39aと対をなす溝カムは、溝カム39aと対向するような対称形状にされている。
【0033】
この溝カム39の従節としての一対のカムフォロワ37は、回転軸が腰掛けの幅方向に平行な円柱部を備えたもので、突部35に脚支持部11aの全幅よりも張り出して設けられ、夫々対応する溝カム39の溝側面に円柱部がころがり接触するように配される。なお、溝カム39aと係合しているのはカムフォロワ39に隠れて図示されていないカムフォロワであり、図中のカムフォロワ37は溝カム39aと対向する溝カムに係合している。
【0034】
以上の構成からなる腰掛け1において、フットレスト11を使用する際にはまずスイッチ49を操作する。なお、フットレスト11は図5(a)のように台枠23内に格納された状態、つまり、リンク機構33やスライドレール31は図4(a)のような状態にされているとする。
【0035】
スイッチ49が操作されると、上記ロック機構が解除され、サーボモータ41が始動し、ギヤボックス34を介して第2のリンク33bが図4(a)において反時計回りに回動される。すると、これに連動する第1のリンク33aが、支持板45をスライドレール31と共に前方(図中の左方)へ水平に押し出す。脚支持部11aは、その中程にスライドレール31の先端が接合され、その後部に突部35を介して配されているカムフォロワ37が溝カム39によって水平方向に移動可能にされているため、スライドレール31が前方に移動すると、脚支持部11aは図2に示す姿勢を保ったまま足裏支持部11bと共に前方へと移動される。なお、この移動は、毎秒10cm程のゆっくりとした速度で行なわれる。
【0036】
このまま、サーボモータ41が作動を続けると、カムフォロワ37の円柱部が溝カム39の溝側面を転動して、数秒後に溝カム39の屈曲部に達する。屈曲部を通過したカムフォロワ37は溝カム39の形状によってその挙動を変え、前方へ移動されるに伴い上昇されていく。この上昇によりフットレスト11の後部が徐々に上がる一方で、その中程はスライドレール31を介して鞘32により水平移動が維持されるため、フットレスト11はその傾斜角度を大きくしていき、遂にはカムフォロワ37が溝カム39の前端に達して図5(b)に示すような姿勢にされる。このとき、サーボモータ41の始動前に解除されたロック機構が再び作動し、図5(b)の状態にフットレスト11が固定され、設置が完了する。この直後にサーボモータ41は作動を停止するが、上記の如くこのロックは次にスイッチ49が操作されるまで解除されることがなく、サーボモータ41が停止されてもこの状態を維持する。
【0037】
以上のようにして設置が完了したフットレスト11は図3(b)の仮想線で示すように使用する。すなわち、ふくらはぎを面11b2のナイロン地の面に載せて、足の裏を宙に浮かせるようにする。若しくは、足裏支持部11bを回動させ、図1(a)に示すような状態にし、面11b2の反対側の硬質樹脂が貼付されている面に足の裏を載せても良い。足裏支持部11bを回動させると、面11b1が鉤部29に当接し、たとえ使用者の脚が載せられても足裏支持部11bと脚支持部11aのなす角が略90°に保たれる。
【0038】
なお、図1(a)にはふくらはぎが脚支持部11aから浮いているような図になっているが、背ずり17の角度を変えたり腰掛ける姿勢を変えたりすれば、脚支持部11aにてふくらはぎを支えることも可能である。
図1(a)のような、足裏支持部11bと脚支持部11aのなす角が略90°にされた状態からフットレスト11を格納するときには、まず、足裏支持部11bを脚支持部11aに重合させ、それからスイッチ49を操作する。すると、上記ロック機構が再び解除され、サーボモータ41が上記とは逆方向に軸を回転させる。以下、設置時と逆の動作を各部が行ない、フットレスト11は図5(a)に示したような状態に戻される。すると設置時と同様に、サーボモータ41の始動前に解除されたロック機構が再び作動し、フットレスト11が固定され、格納が完了しサーボモータ41は作動を停止する。
【0039】
以上説明してきた実施例の腰掛け1によれば、フットレスト11が自席の台枠23内に格納されているため、フットレスト11の出し入れによって前の腰掛けに座っている人に不快感を与えることがなく、前方の腰掛けを180°回転させて当該腰掛けと対向させても、フットレスト11を使用することができるので使い勝手がよい。当然のことながら、フットレスト11を台枠23内に格納すれば、フットレストのない通常の腰掛けとして使用できる。
【0040】
また、フットレスト11は足裏支持部11b、脚支持部11aという二つの部材から構成され、足裏支持部11bを脚支持部11aに対して重合したり起こしたりすることにより、ふくらはぎ、足の裏等、使用者の疲労状態や好みに合せた部分を安息させることができる。
【0041】
更に、フットレスト11が格納されるときには、図5(a)のように足裏支持部11bが脚支持部11aの上に重合された上、使用時よりも水平に近い姿勢にされているため、台枠23内の空間を有効に利用でき、上記のような多様な使い方があるフットレスト11を格納するにもかかわらず、その格納スペースが小さくてすむ。しかも、フットレスト11の移動は電動機の動力にて行なわれるため、身体障害者・子供・老人でもフットレスト11の設置・格納を容易に行なうことができる。
【0042】
以上、腰掛け1について説明してきたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、様々な態様で実施し得る。
例えば、格納スペースが有効利用できることにより増したフットレストの意匠の自由度を生かして、脚部が当接する面に柔らかいマットレスを用いたり、人間工学的に疲労の少ない形状にしたりすることもできる。このフットレストにヒーター、マッサージ機等を内蔵させ、快適性を高めることも同じ理由により容易になり、更に安息効果の高いフットレストとすることができる。
【0043】
また、足裏支持部11bの足の裏を載せる面は、貼付された硬質樹脂製の板を着脱自在にしてその汚損時の交換に対応したり、反対の面11b2と同様の軟質の材料にして靴を脱いだ状態で足の裏を載せられるようにしたり、硬質か軟質かいずれかの状態に切り替え可能に構成したりしても良い。
【0044】
原動機としては、上記のようなサーボモータ41に限らず、例えばステッピングモータとしても良い。また、回転式モータではなくリニアモータにして、これを溝カム39や鞘32よりも下方に設け、これを用いてフットレスト11を駆動すればサーボモータ41の設置場所やリンク機構33が省略でき、より簡素な構成となる。すると、台枠23内の格納スペースをより有効に使用できることになるため、フットレスト11の意匠の自由度が更に増え、より高機能なものにすることができる。以上のような電動機でなくとも、例えば、エアシリンダ、油圧シリンダ等の圧力機器を用いたり、設置或は格納のいずれかの移動をスプリングの弾性力を用いて行なっても良い。
【0045】
サーボモータ41は、フットレスト11の足裏支持部11bが脚支持部11aに重合されていることを検知するリミットスイッチがオフのときにはインタロックが掛かる旨の記載をしたが、このリミットスイッチ及びインタロック機構を省略しても上記効果を奏することができ、より簡素な構成とすることができる。
【0046】
また、上記実施例では、フットレスト11は図5に示した二状態に固定可能としたが、この中間の所定(又は任意)の位置に固定可能な構成としても良い。このようにすれば、乗客の疲労状態や好みに合せた、きめ細かい安息効果が得られるようになる。
【0047】
更に、この固定方法として上記では、図示しないロック機構にて保持される旨の説明をしたが、このロック機構を廃止し、サーボモータ41を通電状態にしておいても良い。このようにすれば、より簡素な構成にてフットレスト11の保持を行なうことができる。
【0048】
上記フットレスト11及びその移動機構は、回転式腰掛けに限らず、固定式の腰掛けに設けることもでき、同様の安息効果が得られる。
上記実施例では腰掛ける者がスイッチ49を操作することによってフットレストを設置・格納可能にしていたが、これとは別に所定の指令手段を設け、該指令手段にて列車の全てのフットレストを一括移動可能に構成しても良い。例えば車掌がその指令手段を操作すると、列車に備えられた全てのフットレストが一斉に格納されたり設置されたりして、列車全体のフットレストの状態の初期化が可能となり、その日の初走行を行なう前や車庫に入ったとき等には大変便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の腰掛け1を示す説明図である。
【図2】 実施例の腰掛け1のフットレスト11を格納した状態を示す側面図である。
【図3】 実施例のフットレスト11の構成を示す説明図である。
【図4】 実施例のスライドレール31及びリンク機構33の動作の様子を示す説明図である。
【図5】 実施例のフットレストが搬出されて設置されるまでの様子を示す説明図である。
【図6】 従来の腰掛けの一例を示す説明図である。
【図7】 従来の腰掛けの別の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…腰掛け 11…フットレスト 13…着座部
15…脚台 21…回転機構 23…台枠
31…スライドレール 33…リンク機構 34…ギヤボックス
37…カムフォロワ 39…溝カム 41…サーボモータ

Claims (2)

  1. 腰掛ける者の臀部を支える着座部と、
    該着座部に腰掛ける者の脚を支持するフットレストと、
    該着座部を支持し、上記フットレストを使用しないときには、該フットレストを格納可能な収納部を有する台枠と、
    鉄道車両の床面に固定され当該腰掛け全体を支持する脚台と、
    台枠を脚台に対し回転可能に接合する回転機構と、
    を備える鉄道車両用回転式腰掛けにおいて、
    上記フットレストが上記収納部に格納された状態から、使用される状態までの移動を可逆的に行なうためのフットレスト移動機構と、
    該フットレスト移動機構を駆動するための原動機とを設け、
    該フットレスト移動機構が、
    上記フットレストの後部両側面に一個ずつ設けられた一対のカムフォロワと、
    該一対のカムフォロワを前後に移動可能に規制し、該移動の範囲の後端から略中程までは水平に、略中程から前方に移動するに連れて該一対のカムフォロワを上方へ移動させる略「へ」の字型をした一対の溝カムと、
    前端が上記フットレストの前後方向の略中央に揺動可能に接合されたスライドレールと、
    該スライドレールを、上記原動機を動力源として前後方向に滑動させるリンク機構と
    からなることを特徴とする鉄道車両用回転式腰掛け。
  2. 上記フットレストが、略矩形形状をした板状部材であって、腰掛ける者のふくらはぎを支持可能な脚支持部と、
    該脚支持部の先端部に、該脚支持部の前部上面に重合された状態から該脚支持部とのなす角が略直角となる位置まで揺動可能に接合された板状部材であって、上記重合された状態においては上記脚支持部と共に腰掛ける者のふくらはぎを支え、上記脚支持部とのなす角が略直角となる状態においては腰掛ける者の足の裏を支える足裏支持部とを備えることを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用回転式腰掛け。
JP22041194A 1994-09-14 1994-09-14 鉄道車両用回転式腰掛け Expired - Lifetime JP3654666B2 (ja)

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