JP3654639B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オート電源オフ機能やオート節電機能を有する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子写真方式のプリンタ部を有する画像形成装置は、用紙に転写されたトナー像を定着装置の内部にハロゲンランプなどの熱源を有する熱ローラと表面を弾性ゴムで覆われた圧ローラのニップに挟持、加熱することにより定着している。この方法であると定着装置の熱ローラに供給する電力が非常に多くなるので、所定の時間画像形成装置が使われないと自動的に節電状態に移行する。この仕組みは、画像形成装置の動作が終了するとタイマーをスタートさせて、この計時した時間が所定の時間以上になると節電状態へ移行する。またタイマーがスタートした後で節電状態に移行する前に新たな動作が行われると、タイマーの計時時間がクリアされて、この動作が終了すると再びタイマーがスタートする。この節電状態においてはコピー時の定着温度より低い温度に設定されているプレヒートモードや、節電状態では定着装置への電力供給をカットするオートシャットオフモードなどがあり、いずれもユーザーがコピーをするために操作をすると定着装置の温度を所定のコピー時の温度に復帰するように制御している。しかし、上記従来技術を採用する画像形成装置では、定着装置を必要としない動作でも、節電状態へ移行する時間を計時するタイマーがクリアされていた。例えば、操作表示部のキーを単に触った程度でもタイマーがクリアされ、いつまでたっても節電状態へは移行せず、必要もない電力が消費されるという問題が発生していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような問題を解決するために、本件と同じ出願人が出願した特願2001−361833号では、安定待機状態と節電待機状態の切り替え可能な画像形成装置において、この画像形成装置の動作を第1の動作群と第2の動作群とに分け、第1の動作群に含まれる動作の終了後タイマーがスタートして第1の所定時間が経過したとき安定待機状態から節電待機状態に移行するとともに、第1の動作群に含まれる動作があったときのみ計時中のタイマーがクリアする画像形成装置を用いることも考えられるが、この場合第1の動作群に含まれない動作ではタイマーがクリアされないために、このコピーの枚数や倍率設定などのコピー動作への予備動作は第1の動作に含まないので突然節電状態になることも有る。特に節電状態で表示部を消してしまうような場合には問題である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために本件第1の発明は、安定待機状態と節電状態の切り替え可能な画像形成装置において、この画像形成装置の動作を第1の動作群と第2の動作群とに分け、第1の動作群に含まれる動作の終了後スタートする第1のタイマーと、第2の動作群に含まれる動作の終了後スタートする第2のタイマーと、前記第1のタイマーの計時した時間が第1の所定時間以上経過し、かつ前記第2のタイマーの計時した時間が第2の所定時間以上経過したときに安定待機状態から節電状態に移行させる節電制御手段を有し、この節電制御手段は、安定待機状態で第1の動作群に含まれる動作があった場合は計時中の全てのタイマーをクリアし、第2の動作郡に含まれる動作があった場合は前記第1のタイマーがクリアされず計時を続けるとともに第2のタイマークリアしスタートさせ、節電状態で第1の動作群に含まれる動作があった場合は節電状態が解除され、第2の動作郡に含まれる動作があった場合は節電状態は解除されないことを特徴とする画像形成装置を用いる。
【0005】
本件第2の発明は、前記第1の動作群は、コピー動作、プリントアウト動作、ファクシミリ受信による印刷などの定着装置の使用を伴う動作であることを特徴とする第1の発明に記載の画像形成装置を用いる。
【0006】
本件第3の発明は、前記第2の動作群は、操作表示部を操作する動作であることを特徴とする第1、2の発明に記載の画像形成装置を用いる。
【0007】
本件第4の発明は、前記安定待機状態とは定着装置の熱ローラを定着可能な温度に保ち、すぐに画像形成できる状態であり、節電状態とは前記熱ローラを定着可能な温度より低い温度にし、かつ操作表示部をオフして消費電力を節約する状態であることを特徴とする第1〜3の発明に記載の画像形成装置を用いる。
【0008】
【作用】
本件第1の発明は、第1の動作群に含まれる動作の終了から節電状態へ移行する時間を計時するタイマーを設けて、第1の動作群に含まれる動作でのみタイマーをクリアするので、つまり第1の動作群に含まれる動作以外ではタイマーはクリアされず節電状態へ移行するまでのカウントダウンは継続し、さらにこの節電状態へ移行するまでのカウントダウン中に第2の動作群に含まれる動作があった場合には別に節電状態へ移行するまでの時間をカウントし各タイマーが共に所定時間以上経過しないと節電状態へ移行しないので、動作直後に突然節電状態になることはない。
【0009】
本件第2の発明は、第1の動作群に含まれる動作は、コピー動作、プリントアウト動作、ファクシミリ受信による印刷などの定着装置の使用を伴う動作であり、安定待機状態でなければすぐには実行できず、かつ節電状態においては安定待機状態に復帰してから実行できる動作である。つまり例えばコピー動作中に節電状態にならないことは言うまでもない。ここでコピーの枚数や倍率設定などのコピー動作への予備動作は第1の動作群に含まないのでこのコピーの設定中に節電状態へ移行するタイマーはクリアされないが、時間が延長されるので突然節電状態へ移行することはない。
【0010】
本件第3の発明は、前記第2の動作群に含まれる動作は操作表示部を操作することであり、一般的にコピー動作をさせる前に操作表示部を操作することが多いからである。
【0011】
本件第4の発明は、上記第1〜3の発明は、操作表示部が突然オフされる節電状態で特に問題であるので加えた。節電状態で、定着がオフされるだけなら問題にならないことが多い。
【0012】
【実施例】
本件第1〜3の発明を採用する複合装置を図1の概略図に基づいて説明する。同図において複合装置1はプリンタ、コピー、ファクシミリの機能を有する複合装置で、CPU2、ROM3、RAM4、プリンタコントローラ5、受信情報記憶バッファ6、中間言語情報記憶バッファ7、プリンタ部8、定着装置9、電源装置10、メインSW11、操作表示部12、DF用I/F13、DF14、DF用ケーブル15、スキャナ装置16、画像処理部17、ビットマップメモリ18、CODEC19、画像メモリ20、ネットワークI/F21、モデム22、NCU23、バス24などから構成されている。またこの複合装置1はネットワークケーブル25を介してパソコンA、B(26、27)と接続されている。
【0013】
詳しくは、前記CPU2は当該複合装置1の各構成を制御しており、各種プログラムを記憶した前記ROM3、ユーザーチョイスデータ、設定データ、トータルカウントデータ、各種フォントデータなどを記憶した前記RAM4に接続されている。本件発明の請求項に記載されている第1のタイマー、第2のタイマー、節電制御手段などはこのROM3に格納されているプログラムであり、第1の所定時間、第2の所定時間はこのRAM4に記憶されている設定データである。
【0014】
前記プリンタコントローラ5は、接続されたパソコンから送信され、前記受信バッファ6に格納されているプリントコマンドやジョブ情報を解析し、中間言語情報を生成するものである。この中間言語情報は中間言語情報記憶バッファ7に格納される。
【0015】
前記プリンタ部8は給紙搬送手段(図示していない)、作像手段(図示していない)、定着装置9などから構成されており、給紙カセットから給紙された用紙は前記作像手段によりトナー像を転写され、これが定着手段の熱ローラと圧ローラのニップにより挟持、加熱されることによりトナー像を定着される。詳しくは当該定着装置9は、内部にハロゲンランプなどのヒータを内蔵する、アルミなどの熱伝導性に優れる基材からなる熱ローラと、熱伝導性のよいアルミなどのローラの周囲が耐熱性のウレタンゴムでできた弾性層で覆われ、さらに外周はPTFEなどのフッ素系樹脂の離型層を持った圧ローラと、前記熱ローラの表面温度を検知する温度検知手段と、ヒータの電源と、前記ヒータのON/OFFをするスイッチング手段、及びこれらを制御する定着温度制御手段から構成されている。この定着装置9の温度制御は、印刷時、及び通常の安定待機状態においては、180±5℃での設定温度で推移している。この場合は、前記温度検知手段の検知した値から換算される前記熱ローラの表面温度が、制御したい温度から決定される第1の定着閾値(この場合は175℃)を下回ったときは前記スイッチング手段をONして前記熱ローラの温度を上げ、制御したい温度から決定される第2の定着閾値(この場合は185℃)を上回ったときには前記スイッチング手段をOFFして前記熱ローラの温度が用紙や空気に熱を奪われて下がるという、スレッシュホールド制御を行っている。また節電モードに移行したときは、上記設定温度より低く、あまり電力を消費しない温度で、かつ設定温度の185℃にすぐ立ち上がることのできる節電待機温度に維持される。定着手段9の熱容量が小さい場合や、節電状態での消費電力の節約を優先する場合は、電力を供給しない節電状態もあり得る。
【0016】
前記電源装置10は、外部のAC電源とコンセントで接続されており、上記各更生のAC、DCの電力を供給している。この電源装置10のオン/オフは、前記メインSW11で行えるほか、CPU2の制御によるソフトSWでのオン/オフもできる。
【0017】
前記操作表示部12は、操作キー、LDC表示部などから構成されている。この画像形成装置は複合装置なので操作表示部はコピー機能画面、プリンタ機能画面、ファクシミリ機能画面、スキャナ機能画面を切り替え可能である。
【0018】
D/F用I/F26は、この複合装置1の上に置かれたDF27とケーブル26を介して接続し、このDF27を制御するためのインターフェースである
【0019】
前記スキャナ装置16は、DF14で1枚づつフィードされる原稿にハロゲンランプで光を当てその反射光をCCDセンサで読み取り、このアナログ信号をA/D変換でデジタル信号に変換し画像処理部17で画像処理をして後段のビットマップメモリ18に展開していく。このビットマップメモリ18は、前記スキャナ装置16からの画像データの他ネットワークなどを介して接続されたパソコンから転送されてくるプリントコマンドを前記プリンタコントローラ5で解析し生成される中間言語情報、相手方ファクシミリから公衆回線、NCU23、モデム22を介して送られてくる画像データを必要に応じてCODEC19で伸張しフルビットマップの画像データとして展開、保持する手段である。前記CODEC19は、プリントデータに含まれる画像データの符号化されたものを復号化するためのものである。
【0020】
前記画像メモリ20は、メモリコピーやファクシミリのメモリ送信、予約送信を行う場合に、スキャナ装置16で読み取った画像データをCODEC19で符号化して記憶する。また複合装置のスキャナ機能を用いる場合は、スキャナ装置16で読み取った画像データをCODEC19で符号化して記憶したものを外部のパソコンから読み取ることもできるし、同じようにファクシミリのポーリング機能では、相手方ファクシミリから読み出すことも可能である。近年は複合装置にそこそこの容量の画像データ格納用のハードディスクを用いて画像メモリとしているのも多い。
【0021】
ネットワークI/F28は、当該複合装置1をネットワークに接続するインターフェースである。ここではパソコンA、B(26、27)や図示していないその他の接続機器とネットワークケーブル25を介して接続されている。
【0022】
前記モデム22は、公衆回線から送信されてくるアナログ信号をデジタル信号に変換し、また逆にデジタル信号をアナログ信号に変換して公衆回線で送信するためのものである。前記NCU23は、公衆回線への接続、ファクシミリと電話の切り替え、回線へのオンフック信号の送出、リング検出などを行う。
【0023】
バス24は、上述した各構成のデータや信号のやり取りを行うバスである。それぞれ画像データ用のバスや制御信号用のバスがあるが、ここでは略して1つで表している。
【0024】
本件発明を採用する画像形成装置1の、節電状態へ移行するまでの処理を図2のフローチャートを用いて説明する。まず画像形成装置1が電源を入れて安定待機状態になったところからスタートし、第1のタイマー、第2のタイマーのカウントをクリアするとともにこれらのタイマーの計時を開始する(S101)。続いて第1のタイマーのカウントt1と第1の所定時間T1を比較し(S102)、t1≧T1の条件を満たしていない場合は、第1の動作群に含まれる動作があったかを判断する(S103)。ここで第1の動作群の動作があれば、第1のタイマー、第2のタイマーのカウントをクリアするとともにこれらのタイマーの計時を開始し(S104)、S102に戻る。S103で第1動作群の動作が無かった場合は、第2の動作群に含まれる動作があったかを判断し(S105)、あれば第2のタイマーのみをクリアしてスタートしてからS102に戻り、無ければそのままS102に戻る。このようにS103〜S106では第1のタイマーは、第1の動作群の動作でのみクリアされ、第2のタイマーは全ての動作でクリアされる。
【0025】
S102でt1≧T1の条件を満たした場合は、次に第2のタイマーのカウントt2と第2の所定時間T2を比較し(S107)、t2≧T2の条件を満たしていない場合はS103に進み、この条件満たしている場合は節電状態へ移行する(S108)。このようにt1≧T1かつt2≧T2の条件を満たしたときのみ節電状態へ移行できる。次に第1の動作群の動作が有るか否かを判断し(S109)、あれば節電状態を解除し、第1のタイマー、第2のタイマーのカウントをクリアするとともにこれらのタイマーの計時を開始し(S110)、S102に戻る。このように第1の動作群の動作以外では節電状態は解除されない。上記第1の所定時間t1は通常は数分に設定すれば良く、第2の所定時間t2は10〜60秒までの短い時間を設定するのが良い。
【0026】
第2の発明は、特に第1の動作群に含まれる動作を、コピー動作、プリントアウト動作、ファクシミリ受信による印刷などの定着の使用を伴う動作とし、第3の発明では、第2の動作群に含まれる動作を、操作表示部を操作する動作として上記図2のフローを見てもらいたい。第4の発明は、上述した第1〜3の発明は節電状態で操作表示部がオフになるものに適用するとより効果的なので加えた。
【0027】
【発明の効果】
本件第1の発明を用いれば、第1の動作群に含まれる動作の終了から節電状態へ移行する時間を計時するタイマーを設けて、第1の動作群に含まれる動作でのみタイマーをクリアするので、つまり第1の動作群に含まれる動作以外ではタイマーはクリアされず節電状態へ移行するまでのカウントダウンは継続し、さらにこの節電状態へ移行するまでのカウントダウン中に第2の動作群に含まれる動作があった場合には別に節電状態へ移行するまでの時間をカウントし各タイマーが共に所定時間以上経過しないと節電状態へ移行しないので、動作直後に突然節電状態になることはない。
【0028】
本件第2の発明を用いれば、第1の動作群に含まれる動作は、コピー動作、プリントアウト動作、ファクシミリ受信による印刷などの定着装置の使用を伴う動作であり、安定待機状態でなければすぐには実行できず、かつ節電状態においては安定待機状態に復帰してから実行できる動作である。つまり例えばコピー動作中に節電状態にならないことは言うまでもない。ここでコピーの枚数や倍率設定などのコピー動作への予備動作は第1の動作群に含まないのでこのコピーの設定中に節電状態へ移行するタイマーはクリアされないが、時間が延長されるので突然節電状態へ移行することはない。
【0029】
本件第3の発明を用いれば、前記第2の動作群に含まれる動作は操作表示部を操作することであり、一般的にコピー動作をさせる前に操作表示部を操作することが多いので便利である。
【0030】
本件第4の発明を用いれば、上記第1〜3の発明で、操作表示部が突然オフされる節電状態になることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を採用する画像形成装置及び周辺機器の概略図である。
【図2】本発明を採用する画像形成装置の節電状態、電源オフ状態へ移行するときの処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1;画像形成装置
2;CPU
3;ROM
4;RAM
5;プリンタコントローラ
6;受信情報記憶バッファ
7;中間言語情報記憶バッファ
8;プリンタ部
9;定着装置
10;電源装置
11;メインSW
12;操作表示部
13;DF用I/F
14;DF
15;DF用ケーブル
16;スキャナ装置
17;画像処理部
18;ビットマップメモリ
19;CODEC
20;画像メモリ
21;ネットワークI/F
22;モデム
23;NCU
24;バス
25;ネットワークケーブル
26、27;パソコンA、B
Claims (4)
- 安定待機状態と節電状態の切り替え可能な画像形成装置において、
この画像形成装置の動作を第1の動作群と第2の動作群とに分け、第1の動作群に含まれる動作の終了後スタートする第1のタイマーと、第2の動作群に含まれる動作の終了後スタートする第2のタイマーと、前記第1のタイマーの計時した時間が第1の所定時間以上経過し、かつ前記第2のタイマーの計時した時間が第2の所定時間以上経過したときに安定待機状態から節電状態に移行させる節電制御手段を有し、この節電制御手段は、安定待機状態で第1の動作群に含まれる動作があった場合は計時中の全てのタイマーをクリアし、第2の動作郡に含まれる動作があった場合は前記第1のタイマーがクリアされず計時を続けるとともに第2のタイマークリアしスタートさせ、節電状態で第1の動作群に含まれる動作があった場合は節電状態が解除され、第2の動作郡に含まれる動作があった場合は節電状態は解除されないことを特徴とする画像形成装置。 - 前記第1の動作群は、コピー動作、プリントアウト動作、ファクシミリ受信による印刷などの定着装置の使用を伴う動作であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記第2の動作群は、操作表示部を操作する動作であることを特徴とする請求項1、2に記載の画像形成装置。
- 前記安定待機状態とは定着装置の熱ローラを定着可能な温度に保ち、すぐに画像形成できる状態であり、節電状態とは前記熱ローラを定着可能な温度より低い温度にし、かつ操作表示部をオフして消費電力を節約する状態であることを特徴とする請求項1〜3に記載の画像形成装置。
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