JP3654462B2 - 透湿性シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透湿性シートに関し、特に、透湿性および耐水性に優れるとともに、柔軟性および触感に優れる、紙おむつ等の吸収性物品のバックシートに好適な透湿性シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、紙おむつ等の吸収性物品は、体液を吸収して保持する吸収材を、吸収性物品の内側に配置されるフェーシング材と、外側に配置されるバックシートとで包み、内包する構造を有する。内側に配置されるフェーシング材は、肌と接触し、排出される体液を透過させて内部の吸収材に吸収させるとともに、吸収材から体液を逆戻りさせない機能が求められる。一方、バックシートは、内部の吸収材に吸収された体液を外部に漏らさないとともに、外側からは液体を内部に透過させない機能が求められる。さらに吸収性物品の使用中に内側に生じる湿気によるムレを防止するために、吸収性物品の内部の湿気を透過させて外部に逸散させるために、適度な透湿性を有することが求められる。
また、このバックシートは、吸収性物品の外表面を構成するため、風合いに優れ、良好な触感を有することが求められる。
【0003】
このバックシートとして、従来、良好な触感を得るために、外表面として不織布を使用し、吸収材と接する内側の層として多孔質のポリエチレンフィルムを使用し、不織布と多孔質のポリエチレンフィルムをホットメルト接着剤で接着してなる複層シートが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来の複層シートは、柔軟性に劣り、いわゆるごわごわとした硬い感触を生じたり、あるいは紙鳴りを生じ、触感が未だ不十分なものであった。
【0005】
この硬い感触を改善して、触感に優れる複層シートを得るために、フィルムまたは不織布を薄くすることが考えられる。しかし、フィルムを薄くすることには限界があるため、不織布を薄くせざるを得ない。薄い不織布を使用すると、フィルムと不織布とをホットメルト接着剤を使用して接着した場合には、そのホットメルト接着剤が不織布を浸透して外側に滲出する現象、いわゆる接着剤のしみ抜けが発生し、外側表面の触感を損じる問題があった。
【0006】
そこで本発明の目的は、透湿性および耐水性に優れるとともに、柔軟性および表面の触感に優れ、ホットメルト接着剤を使用して製造した場合にも、そのホットメルト接着剤のしみ抜けが生じない、紙おむつ用バックシートに好適な透湿性シートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、通気性フィルムと、プロピレン・エチレンランダム共重合体を主成分とする樹脂からなる不織布とを、ホットメルト接着剤を介して積層し、かつ、ホットメルト接着剤のしみ抜けがない、透湿性シートを提供するものである。
記不織布を構成する繊維の平均繊維径が10〜22μm、上記不織布の目付け量が10〜30g/m2の範囲であるのが好ましい。
【0008】
以下、本発明の透湿性シート(以下、「本発明のシート」という)について詳細に説明する。
【0009】
本発明のシートは、通気性フィルムと不織布とを積層してなる複層を有するシートである。
【0010】
本発明のシートの通気性フィルムは、水蒸気を透過させる透湿性を有するとともに、水等の液体を透過させない耐水性を有するフィルムである。この通気性フィルムは、透湿度が1000g/m2 ・24hr以上、好ましくは2000〜6000g/m2 ・24hrの透湿性を有するフィルムである。ここで、本発明において、透湿度とは、JIS P0208に準拠する透湿性試験で求められる測定値を言う。
【0011】
この通気性フィルムの素材として、ポリオレフィン樹脂、またはポリオレフィン樹脂を主成分とする樹脂組成物が用いられる。ポリオレフィン樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン、プロピレン・α−オレフィン共重合体、またはこれらの1種以上あるいは2種以上の混合物などからなるものが挙げられる。本発明において、通気性フィルムは、1種の素材からなるものでもよいし、2種以上の混合物からなるものでもよい。
【0012】
本発明において、通気性フィルムの素材としてのポリオレフィン樹脂として用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレンと炭素原子数4〜12のα−オレフィンとからなる共重合体である。エチレンとの共重合に用いられる炭素原子数4〜12のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。エチレン・α−オレフィン共重合体は、これらの炭素原子数4〜12のα−オレフィンを1種単独でも2種以上の組合せを含んでいてもよい。これらのα−オレフィンの中でも、特に、炭素原子数4〜6のα−オレフィンが好ましい。
【0013】
このエチレン・α−オレフィン共重合体において、エチレンから導かれる繰返し構成単位(以下、「エチレン単位」という)と、炭素原子4〜12のα−オレフィンから導かれる繰返し構成単位(以下、「α−オレフィン単位」という)は、エチレン単位50重量%以上100重量%未満に対して、α−オレフィン単位50重量%以下の割合、好ましくはエチレン単位55〜99重量%に対して、α−オレフィン単位1〜45重量%の割合、さらに好ましくはエチレン単位65〜98重量%に対して、α−オレフィン単位2〜35重量%の割合、特に好ましくはエチレン単位70〜96重量%に対して、α−オレフィン単位4〜30重量%の割合で含むことが望ましい。
【0014】
また、ポリオレフィン樹脂は、前記の主成分以外の成分として、例えば、エチレン系重合体、プロピレン系重合体等の熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。
【0015】
さらに、本発明において、このポリオレフィン樹脂は、キャスト法によって安定して引裂強度等の機械的強度に優れるフィルムに成形することができ、また、成形したフィルムを延伸等の処理によって良好な加工性で空孔化でき、通気性に優れるものとすることができる点で、メルトフローレート(MFR)が1〜25g/10分、さらに2〜15g/10分の範囲にあるものが好ましい。本発明において、メルトフローレート(MFR)は、ASTM D 1238−65Tに準拠して測定されるものである。
【0016】
さらに、このポリオレフィン樹脂は、適当な範囲のオルゼン剛性を有し、腰のあるフィルムが得られ、肌にくっつかず、ベタつき感がなく、しかも機械的強度に優れるフィルムが得られる点で、密度が0.88〜0.93g/cm3 、好ましくは0.90〜0.92g/cm3 の範囲にあるものが望ましい。
【0017】
さらにまた、このポリオレフィン樹脂には、従来公知のスリップ剤、親水剤、無機フィラー、熱安定剤等の添加剤を、練り込み成形等の方法によって、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
【0018】
また、通気性フィルムの素材として用いられるポリオレフィン樹脂を主成分とする樹脂組成物は、前記ポリオレフィン樹脂(A)以外に、充填材(B)を含むものである。この充填材は、特に制限されず、無機系充填材または有機系充填材のいずれでもよく、両者の組合せでもよい。この充填材の具体例として、無機系充填材としては、例えば、アルカリ土類金属、周期律表第III 族元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩等が挙げられ、有機系充填材としては、例えば、木粉、パルプ等のモルロース粉末、シリコーン、フェノール等の架橋物粉末などが挙げられる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても用いられる。これらの中でも、コスト、品質の安定性を考慮して、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が好ましい。
【0019】
この充填材の粒径は、通常、0.1〜10μm程度であり、好ましくは0.5〜5μm程度である。
【0020】
樹脂組成物中におけるポリオレフィン樹脂(A)/充填材(B)の含有割合は、(A)/(B)の重量比が30/70〜80/20の割合である。
【0021】
また、樹脂組成物が酸化防止剤を含有する場合、その含有量は、通常、樹脂組成物中のポリオレフィン樹脂および充填材の合計100重量部に対して0.1〜2.0重量部程度、好ましくは0.5〜1.8重量部程度である。
【0022】
さらに、この樹脂組成物は、前記酸化防止剤以外に、必要に応じて紫外線吸収剤、抗菌剤、防かび剤、発錆防止剤、滑剤、顔料、耐熱安定剤等の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で含んでいてもよい。
【0023】
また、この樹脂組成物は、成形性の改良、あるいは各種物性を調整するために、エチレン系、スチレン系等のオレフィン系エラストマーを本発明の目的を損なわない範囲で含んでいてもよい。これらのオレフィン系エラストマーを含む場合、その含有量は、通常、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、20重量部以下の割合となる量である。
【0024】
樹脂組成物の調製は、前記ポリオレフィン樹脂、またはポリオレフィン樹脂と充填材、ならびに必要に応じて配合される各種の配合剤を、ヘンシェルミキサー、タンブラー型混合機、V型混合機等の常用の混合機を用いて混合する方法にしたがって行うことができる。
【0025】
本発明において、前記ポリオレフィン樹脂または樹脂組成物は、フィルムまたはシートに成形される。このフィルムの成形は、ポリオレフィン樹脂または樹脂組成物を溶融混練してフィルムまたはシート状に成形できる方法であればよく、いずれの方法にしたがって行ってもよい。例えば、ポリオレフィン樹脂または樹脂組成物を、一軸もしくは二軸のスクリュー押出機、二軸混練機等の常用の装置を用いて溶融混練した後、インフレーション成形、Tダイによる押出成形等によってフィルムまたはシートに成形することができる。溶融混練時の温度は、通常、200〜280℃の範囲である。
【0026】
インフレーション成形では、円形ダイから円筒状に一軸延伸または二軸延伸されたフィルムを引出し、さらにロール延伸により一軸延伸を行うことができる。また、Tダイによる成形では、未配向のシートまたはフィルムを成形後、ロール延伸により一軸延伸、あるいはテンター方式による二軸延伸を行うことができる。
【0027】
次に、フィルムまたはシート状に成形されたポリオレフィン樹脂または樹脂組成物は、延伸処理され、通気性フィルムを得ることができる。この延伸処理は、一軸延伸でも、二軸延伸でもよく、適宜選択される。例えば、一軸延伸の場合には、簡易に延伸処理を行うことができる利点があり、強度の異方性を問題としない場合には、一軸延伸が有利である。また、二軸延伸の場合には、さらに薄膜化が可能であり、剛性の低下による肌ざわり性の向上、強度の異方性の解消の目的に有効である。
【0028】
一軸延伸の場合は、通常、ロール延伸が用いられ、一段または二段以上の多段で行ってもよい。このとき、延伸温度は、室温から樹脂原料の融点の範囲に調整され、延伸倍率1.2〜8倍、好ましくは2〜6倍に延伸することによって、空孔率50%以上で、剛性が低く、肌ざわりのよい通気性フィルムを得ることができる。
【0029】
二軸延伸の場合は、同時もしくは逐次延伸が行われる。このとき、延伸温度は室温から樹脂原料の融点の範囲に調整され、延伸倍率は1.2〜8倍、好ましくは2〜6倍で空孔率50%以上で、剛性が低く、肌ざわりのよい通気性フィルムを得ることができる。
【0030】
また、一軸延伸または二軸延伸処理後、熱処理を行うと、寸法安定性に優れる通気性フィルムを得ることができるため、有効である。熱処理は、80℃からフィルムの融点までの範囲の温度で行うことができ、通常、高温で短時間に行われる。
【0031】
本発明において、通気性フィルムは、空孔率が50%以上のものが、透気性および透湿性が良好で、かつ風合いに優れる点で、好ましく、さらに空孔率が60〜80%であるものが好ましい。また、この通気性フィルムは、ヤング率が70〜300MPaのものが好ましく、さらに引裂強度がMD方向(縦方向)で40N/cm以上であるものが好ましい。
【0032】
本発明のシートにおいて、通気性フィルムの厚さは、通常、10〜30μm程度であり、好ましくは10〜25μmである。また、透湿度は、2000〜6000g/m2 ・24hrであるものが好適である。
【0033】
本発明のシートにおいて、通気性フィルムに積層される不織布は、プロピレン・エチレンランダム共重合体を主成分とする樹脂からなるものであり、プロピレン・エチレンランダム共重合体からなる繊維と、プロピレン・エチレンランダム共重合体以外の他の樹脂からなる繊維とが混在する不織布でもよいし、プロピレン・エチレンランダム共重合体と他の樹脂とを併有する混合樹脂からなる繊維からなるものでもよい。この不織布の主成分であるプロピレン・エチレンランダム共重合体は、プロピレンとエチレンのランダム共重合体からなるものであり、好ましくはエチレン含有量が、0.01〜10mol%、特に好ましくは0.1〜7mol%であるものである。また、プロピレン・エチレンランダム共重合体以外の他の樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、PET、PEN等が挙げられ、これらは1種単独でも2種以上の組合せを用いてもよい。これらの中では、特に、MFRが10〜50g/10分、好ましくは20〜40g/10分のプロピレン・エチレンランダム共重合体と、MFRが10〜100g/10分、好ましくは10〜70g/10分のポリプロピレンとの組合せであって、両者のMFRの差が10g/10分以上である樹脂原料を使用すると、捲縮した繊維からなる不織布を得ることができるため、柔軟性および触感の向上に有効である。プロピレン・エチレンランダム共重合体と、ポリプロピレンとの組合せを使用する場合、その使用割合は、プロピレン・エチレンランダム共重合体/ポリプロピレンの割合で1/9〜9/1であり、好ましくは1/9〜4/6である。
【0034】
また、この不織布の構成繊維は、芯部分がポリプロピレンからなり、鞘部分がプロピレン・エチレンランダム共重合体からなり、芯部分を軸として偏心した状態または偏心しない状態で、鞘部分が芯部分を囲む断面形状を有する芯・鞘型の構造を有する繊維、または繊維断面を2分して、プロピレン・エチレンランダム共重合体からなる部分と、ポリプロピレンからなる部分とが併存し、かつプロピレン・エチレンランダム共重合体からなる部分とポリプロピレンからなる部分の双方がそれぞれ繊維外周面の一部を形成するサイドバイサイド型の構造を有する繊維等のいずれの断面形態を有する繊維でもよい。これらの繊維では、偏心しない状態の芯・鞘型繊維以外のもので捲縮繊維が得られる。
【0035】
この不織布は、スパンボンド法、メルトブローン法、フラッシュ紡糸法等の原料樹脂を溶融または溶解した後、繊維化かつ不織布に成形する方法のいずれの方法にしたがって製造したものでもよい。特に、柔軟性に優れ、引張強度に優れる透湿性シートが得られるため、スパンボンド法によって製造された不織布が、好ましい。
【0036】
不織布を構成する繊維の平均繊維径は、通常、10〜22μm程度であり、指先で触れた際のひっかかり感が低減する点で、好ましくは10〜18μmである。
【0037】
この不織布の目付量は、10〜30g/m2 であり、厚さの薄い透湿性シートが得られる点で、好ましくは10〜25g/m2 である。また、この不織布の厚さは、通常、0.1〜0.5mm程度である。
【0038】
本発明のシートの製造は、前記構成の通気性フィルムと、プロピレン・エチレンランダム共重合体を主成分とする不織布とを積層できる方法であれば、いずれの方法にしたがって行ってもよい。例えば、不織布と通気性フィルムとを、ホットメルト接着剤を介して重ね合わせた後、ロールで加熱加圧処理して両者を接着する方法;不織布と通気性フィルムとを、ホットメルト接着剤を用いずに、重ね合わせた後、エンボスロールまたは平ロールで加熱加圧処理して、熱融着により両者を接着する方法等の方法にしたがって行うことができる。このとき、通気性フィルムと不織布として、同一の素材のものを使用すると、ホットメルト接着剤等の接着剤を用いずに、エンボスロールによる加熱加圧処理だげで両者を熱融着させることができるため、好ましい。
【0039】
また、本発明の透湿性シートにおいて、耐水度が1000mmH2 O以上、透湿度が3000g/m2 ・24hr以上であり、かつMD方向の柔軟性(クラーク法)が50mm以下であるものは、紙おむつ用バックシートとして好適なものである。この透湿性シートからなる紙おむつ用バックシートは、紙おむつの吸収材に接する内側に透湿性フィルム層が配置され、外気に接する外側に、不織布からなる表面層が配置されるように、使用されるものである。本発明において、MD方向とは、透湿性シートの縦方向を言う。また、柔軟性は、JIS L1096にC法として記載されているクラーク法によって測定される数値である。
【0040】
【実施例】
以下、本発明の実施例および比較例により、本発明をより具体的に説明する。なお、以下の実施例および比較例における耐水度、透湿度、柔軟度、ホットメルト接着剤のしみ抜け性および表面の触感の評価または測定は、下記の方法にしたがって行った。
【0041】
耐水度
JIS L1092に記載の耐水度試験法の静水圧法に準拠し、低水圧耐水度試験装置(テスター産業製)を用いて求めた。
【0042】
透湿度
JIS Z0208に記載の透湿度試験方法(カップ法)に準拠して求めた。
【0043】
柔軟度(クラーク法)
JIS L1096に記載のC法(クラーク法)に準拠して求めた。
【0044】
ホットメルト接着剤のしみ抜け性
ロール巻取り状態の透湿性シートを巻き返し、その際に重なり合った透湿性シートの一方の透湿性シートの不織布の表面と、他方の透湿性シートの通気性フィルムの裏面との付着の度合いを目視によって調べ、下記の基準で評価した。
○‥‥ホットメルト接着剤のしみ抜け部でのフィルム破れ(ピンホール)なし
×‥‥ホットメルト接着剤のしみ抜け部でのフィルム破れ(ピンホール)あり
【0045】
表面の触感
透湿性シートの不織布の表面を指先で撫で、その際の指先への繊維の引っ掛かり感の有無を調べる試験を10人の試験者によって行い、下記の基準で評価した。
◎‥‥引っ掛かり感を指摘した試験者なし
△‥‥引っ掛かり感を指摘した試験者が10人中1〜5人
×‥‥引っ掛かり感を指摘した試験者が10人中6人以上
【0046】
(実施例1)
ポリエチレン50重量部と、炭酸カルシウム(竹原化学社製、WS♯1500、平均粒径:2.5μm)50重量部とを、タンブラーで攪拌混合して樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を、二軸押出機(日本製鋼社製、TEX−44、スクリュー径:44mm)に供給してシリンダー温度:120/140/190℃で溶融混練した後、ダイス温度:220℃のTダイから押出し、フィルムに成形した。
得られたフィルムを、延伸温度:100℃、延伸速度:15m/min、および延伸倍率:4倍で一軸延伸して、厚さ25μmの通気性フィルムを得た。
プロピレン・エチレンランダム共重合体(エチレン含有量:4.8mol%、MFR:40g/10分)からなるスパンボンド不織布(平均繊維径:2.1d、目付量:22g/m2 )と、上記に得られた通気性フィルムとを、SIS(スチレン・イソプレン・スチレン共重合体)系ホットメルト接着剤(塗布量:3g/m2 )で貼り合わせて、透湿性シートを製造した。
得られた透湿性シートについて、耐水度、透湿度、柔軟度、ホットメルト接着剤のしみ抜け性および表面の触感の評価または測定した。結果を表1に示す。
【0047】
(実施例2)
プロピレン・エチレンランダム共重合体(エチレン含有量:4.8mol%、MFR:20g/10分)からなる副部と、ポリプロピレン(MFR:35g/10分)からなる主部とを、副部/主部が10/90(%)の断面積の割合で形成された偏心バイコンポネント型の捲縮繊維(平均繊維径:2.1d)からなる不織布(目付量:23g/m2 )と、実施例1で得られた通気性フィルム(厚さ:25μm)とを、SIS系ホットメルト接着剤(塗布量:3g/m2 )で貼り合わせて、透湿性シートを製造した。
得られた透湿性シートについて、耐水度、透湿度、柔軟度、ホットメルト接着剤のしみ抜け性および表面の触感の評価または測定した。結果を表1に示す。
【0048】
(実施例3)
プロピレン・エチレンランダム共重合体(エチレン含有量:0.45mol%、MFR:65g/10分)からなるスパンボンド不織布(平均繊維径:1.8d、目付量:17g/m2 )と、実施例1で得られた通気性フィルム(厚さ:25μm)とを、SIS系ホットメルト接着剤(塗布量:3g/m2 )で貼り合わせて、透湿性シートを製造した。
得られた透湿性シートについて、耐水度、透湿度、柔軟度、ホットメルト接着剤のしみ抜け性および表面の触感の評価または測定した。結果を表1に示す。
【0049】
(比較例1)
ポリプロピレンからなるスパンボンド不織布として、平均繊維径:2.6d、目付量:17g/m2 のものを使用した以外は、実施例3と同様にして透湿性シートを製造し、その耐水度、透湿度、柔軟度、ホットメルト接着剤のしみ抜け性および表面の触感の評価または測定した。結果を表1に示す。
【0050】
(比較例2)
ポリプロピレンからなるスパンボンド不織布として、平均繊維径:2.6d、目付量:20g/m2 のものを使用した以外は、実施例3と同様にして透湿性シートを製造し、その耐水度、透湿度、柔軟度、ホットメルト接着剤のしみ抜け性および表面の触感の評価または測定した。結果を表1に示す。
【0051】
(比較例3)
ポリプロピレンからなるスパンボンド不織布として、平均繊維径:2.6d、目付量:23g/m2 のものを使用した以外は、実施例3と同様にして透湿性シートを製造し、その耐水度、透湿度、柔軟度、ホットメルト接着剤のしみ抜け性および表面の触感の評価または測定した。結果を表1に示す。
【0052】
(比較例4)
ポリプロピレンからなるスパンボンド不織布の代わりに、カード法によるポリプロピレン製乾式不織布(平均繊維径:2.1d、目付量:21g/m2 、サーマルボンド加工)を用いた以外は、実施例3と同様にして透湿性シートを製造し、その耐水度、透湿度、柔軟度、ホットメルト接着剤のしみ抜け性および表面の触感の評価または測定した。結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
Figure 0003654462
【0054】
【発明の効果】
本発明の透湿性シートは、透湿性および耐水性に優れるとともに、柔軟性および表面の触感に優れ、ホットメルト接着剤を使用して製造した場合にも、そのホットメルト接着剤のしみ抜けが生じない、紙おむつ用バックシートに好適なものである。

Claims (6)

  1. 通気性フィルムと、プロピレン・エチレンランダム共重合体を主成分とする樹脂からなる不織布とを、ホットメルト接着剤を介して積層し、かつ、ホットメルト接着剤のしみ抜けがない、透湿性シート。
  2. 記不織布を構成する繊維の平均繊維径が10〜22μm、前記不織布の目付け量が10〜30g/m2の範囲である請求項1に記載の透湿性シート。
  3. 前記通気性フィルムが、ポリオレフィンからなるものである請求項1または2に記載の透湿性シート。
  4. 前記プロピレン・エチレンランダム共重合体が、エチレン含有量が0.01〜10mol%、MFRが10〜60g/10分であるものである請求項1〜3のいずれかに記載の透湿性シート。
  5. 前記不織布が、前記プロピレン・エチレンランダム共重合体と、ポリプロピレンとを含む樹脂からなる捲縮繊維で構成されるものである請求項1〜4のいずれかに記載の透湿性シート。
  6. 耐水度が1000mmH2O以上、透湿度が3000g/m2・24hr以上であり、かつMD方向の柔軟性(クラーク法)が50mm以下である請求項1〜5のいずれかに記載の透湿性シート。
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