JP3654181B2 - 溶融金属の精錬方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融金属の精錬方法に関し、特に簡便で効果的に微細気泡を溶融金属中に生成させることにより、微細気泡を利用して脱ガス反応、スラグメタル反応、介在物低減処理等を促進する溶融金属の精錬方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶融金属として、以下、溶鋼を例にとり従来の技術について述べる。
溶鋼中の不純物や非金属介在物は鋼材の各種特性値の悪化や欠陥の原因となるため、溶鋼段階で可能な限り不純物や非金属介在物を除去する必要がある。
【0003】
例えば、溶鋼中の不純物元素を除去するためには、(1)脱ガス反応(脱水素、脱炭、脱窒など)、(2)スラグ−溶鋼間反応(脱硫、脱りんなど)を促進し、非金属介在物を除去するためには、(3)介在物低減処理を促進する必要がある。これらの処理は一般的には、転炉や電気炉以降の二次精錬プロセスで実施される。
【0004】
脱ガス反応を実施するプロセスとして代表的なものはRH、DHまたは大径浸漬管真空精錬法、タンク脱ガス真空精錬法、VOD真空精錬法等のように減圧下で処理するプロセスがある。
【0005】
RH真空精錬法は、取鍋内溶鋼に対して2本の浸漬管を浸漬し、浸漬管上部の真空槽内を真空排気することにより取鍋内溶鋼を真空槽内に吸い上げる方式である。この状態で一方の浸漬管から環流用ガスを流すことにより気泡の浮力を利用して取鍋内溶鋼を真空槽内に移動させ、さらに他方の浸漬管から取鍋内に戻すことにより溶鋼の環流を形成しつつ、減圧下精錬を施すものである。
【0006】
DH真空精錬法は、取鍋内溶鋼に対して1本の浸漬管を浸漬し、浸漬管上部の真空槽内を真空排気することにより取鍋内溶鋼を真空槽内に吸い上げる方式である。この状態で取鍋あるいは真空槽を昇降することにより溶鋼を取鍋と真空槽との間で往復運動せしめつつ、減圧下精錬を施すものである。
【0007】
大径浸漬管真空精錬法は、取鍋内溶鋼に対して大径の浸漬管を浸漬し、浸漬管上部の真空槽内を真空排気することにより取鍋内溶鋼を真空槽内に吸い上げる方式である。この状態で浸漬管投影面内にある取鍋底部あるいは浸漬管側壁あるいは浸漬管下部のバブリングランスから攪拌用ガスを溶鋼内部に導入して溶鋼を撹拌しつつ、減圧下精錬を施すものである。
【0008】
タンク脱ガス真空精錬法は、浸漬管を用いることなく、取鍋全体を真空チャンバーに導入しあるいは取鍋上部に密閉蓋を設置し、このチャンバー内部あるいは蓋と取鍋との間の雰囲気を真空排気する方式である。この状態で取鍋底部あるいは取鍋上部のバブリングランスから撹拌ガス又は精錬剤を吹き込み、溶鋼を撹拌しつつ、減圧下精錬を施すものである。
【0009】
VOD真空精錬法は、タンク脱ガス真空精錬法とほぼ同じ構成で、取鍋内溶鋼に対し減圧下で酸素ガスを供給して真空脱炭処理を行うものである。
また、スラグ−溶鋼間反応は、溶鋼中硫黄やりん等の不純物元素を溶鋼上に浮遊する精錬用スラグへ移行させるための反応であり、上述の減圧下精錬法でも実施可能であるが、大気圧下で行うことも可能である。
【0010】
鋼中窒素は鋼材特性を悪化させる場合が多いため、アルゴンガスなどで雰囲気を置換した状態で精錬を行い、空気進入を遮断することが行われる。
また、フラックスを溶鋼に供給する方法は、溶鋼内部に浸漬した羽口あるいはノズルを用いて供給する、または溶鋼上方からそのまま添加する、ランスを用いて吹き付ける、等が一般的である。
【0011】
介在物の低減処理は、上述の減圧下あるいは大気圧下での精錬で実施可能であるが、非金属介在物は上述の精錬法において凝集肥大や気泡への付着・捕捉、フラックスへ吸着などの現象が起こり、溶鋼中に存在する介在物量が低減される。
【0012】
上記に記載の従来技術のほとんどは、単にガスを羽口あるいはノズルから溶鋼中に供給するだけである。そのため、溶鋼内に供給される気泡は一般的に大きく、精錬能の向上を実現することができない。
【0013】
これに対し、特開平6-33134 号公報には、ある条件下で気泡を浮上させることにより非金属介在物除去を効率的に行う方法が提案されている。具体的には、精錬容器上部から溶鋼内に浸漬管を挿入し、浸漬管内の実質的全域の溶鋼中に行き渡るように容器底部から不活性ガスを吹き込み、溶鋼の循環を抑制しつつ気泡を浸漬管内で浮上せしめ、この作用により介在物が溶鋼中を再循環することなく分離させるとともに、浸漬管内を真空としてその真空度を適度な頻度で変化せしめて浸漬管内溶鋼を精錬容器内溶鋼と随時置換するという方法である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、溶鋼内に不活性ガスを導入する方法は、一般的な従来技術と異なることがなく、生成する気泡は、従来と同様に気泡径が大きい。従って、溶鋼中の介在物はこの気泡と接触するチャンスが小さく、気泡の周りをスリップしてしまうおそれがあり、気泡による介在物の捕捉効果を効果的に発揮することができない。
【0015】
本発明の目的は、簡便で効果的に微細気泡を溶融金属中に生成可能な新しいガスの供給方法を提案することにより溶融金属の高効率な精錬方法、例えば、脱ガス反応、スラグメタル反応、介在物低減処理等を促進する方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
発明者らは気泡を微細化する方法を水モデル試験で検討した結果、下記の知見を得た。
【0017】
図1(a)、(b)は、浸漬管の壁面に設置されたバブリングノズルから生成する気泡の発生状態を示す概念図であり、図1(a)は壁面に半球状の気泡が形成された状態を、図1(b)は気泡が縦長に変形した状態を、それぞれ示す。
【0018】
(A)図1(a)に示すように、バブリングノズル1から導入されたガスにより生成した気泡2は、その初期段階においては、壁面と接することにより発生する表面張力が気泡の浮力よりも大きいため、発生した気泡は壁面から離脱しない。さらに、バブリングノズル1を介して気泡内にガスが導入されると、気泡は壁面に付着したまま気泡体積を増大させる。これが進行すると、図1(b) に示すように、気泡の浮力が表面張力に優るようになり、浮力の影響で気泡は縦長に変形する。気泡の変形によって気泡と壁面の接触部位が増加し、表面張力が増大するため気泡は壁面から離脱しにくくなる。さらに気泡体積が増大し、それがある臨界点を超えると気泡が壁面から離脱する。
【0019】
(B)そこで、気泡に対し浮力や表面張力以外の力を作用させることにより気泡を微細化させる方法を検討した。すなわち、バブリングノズルから生成する気泡に対して液体流動を作用させることを考えた。
【0020】
図2(a)、(b)は、気泡へ外力が加わったときの浸漬管の壁面に設置されたバブリングノズルから生成する気泡の発生状態を示す概念図であり、図2(a)は壁面に半球状の気泡が形成された状態を、図2(b)は気泡へ外力が加わったときの状態を、それぞれ示す。
【0021】
図2(a)に示すように、バブリングノズル1から導入されたガスにより生成した気泡2は、その初期段階においては、壁面と接することにより発生する表面張力が気泡の浮力よりも大きいため、発生した気泡は壁面から離脱しない。さらに、バブリングノズル1を介して気泡内にガスが導入され、下向きに外力が加わると、図2(b) に示すように、気泡2には上向きの浮力が働くが、例えば、液体流れにより発生する下向きの外力により気泡2が縦長に変形することが抑制される。すなわち、下向きの外力を気泡2に加えることにより、従来法よりもより小さな体積の状態で、気泡2はノズルから離脱することになる。
【0022】
(C)上記のアイデアを実証するために、下端開放の浸漬管を垂直あるいは斜めに容器内液体中に浸漬し、浸漬管の下端近傍の内壁に設けたノズルからガスを吹き込む装置で実験を行った。
【0023】
図3は、下端開放の浸漬管内壁からガスバブリングを行った実験装置を示す概念図である。
容器3に浸漬した浸漬管4の内部の液体5上方を大気開放とした場合、浸漬管内の液体表面に浮上してくるバブリングノズル1から発生するガスの気泡径は目視で10mm以上と大きかった。
【0024】
図4は、下端開放の浸漬管内壁からのガスバブリングを行い、浸漬管内の液体上方を閉空間として、その閉空間内のガス圧力を変化させる試験をおこなう実験装置を示す概念図である。なお、閉空間内のガス圧力を雰囲気圧力ともいう。
【0025】
下端開放の浸漬管内壁からのガスバブリングを行いながら、雰囲気圧力を変化させる試験をおこなったところ、浸漬管内部の液体5を下方へ急速に押し下げた。その結果、バブリングノズル1の先端の気泡には、浮力と表面張力以外に液体流動により発生する外力が作用し、外力が無い場合よりも小径の気泡である微細気泡7がバブリングノズル1から離脱すること、すなわち、気泡が微細化されることがわかった。
【0026】
さらに、バブリングノズル1から離脱し浸漬管内液体中を上昇していた気泡が浸漬管内部の液体の高速下降流により分裂してさらに微細化するという現象も見出した。
【0027】
これらの微細気泡7はそのまま浸漬管4の下端から浸漬管4の外へ押し出され、容器3の液体中に分散して微細気泡同士がほとんど再合体しないこと、すなわち、気泡の分散性が良好であることもわかった。
【0028】
(D)次に、雰囲気圧力の変化速度を種々変更したところ、雰囲気圧力の変化速度が所定速度より小さい場合、気泡径の微小化効果が小さく、気泡の分散性も低下することがわかった。液体の下降速度が低い場合には気泡に作用する液体流動による推力が小さいため、気泡径が小さくならず、生成した気泡を分散させる力も弱いからである
【0029】
本発明は、以上の知見に基づいてなされたもので、その要旨は、下記の通りである。
(1)溶融金属内に浸漬した1つあるいは複数の浸漬管の内壁に設置されたノズルから浸漬管内溶融金属にガスを吹き込みながら、前記浸漬管の上部で溶融金属と接する雰囲気ガスの圧力を変化させることにより前記浸漬管の上部から下部に向かう溶融金属流動を形成することにより気泡を細かくすることを特徴とする溶融金属の精錬方法。
【0031】
(2) 前記ガスが不活性ガスであることを特徴とする上記(1) 載の溶融金属の精錬方法。
(3) 前記溶融金属が溶鋼であることを特徴とする上記(1) または(2) 記載の溶融金属の精錬方法。
(4) 前記浸漬管の上部から下部に向かう溶鋼の浸漬管内壁に対する相対流速を0.8m/s以上とすることを特徴とする上記 ( ) に記載の溶融金属の精錬方法。
【0032】
(5) 上記(3) または (4) に記載の溶融金属の精錬方法により、取鍋内溶鋼中の介在物の低減処理を行うことを特徴とする溶融金属の精錬方法。
(6) 上記(3) または (4) に記載の溶融金属の精錬方法により、取鍋内溶鋼中のガスの低減処理を行うことを特徴とする溶融金属の精錬方法。
【0033】
(7) 上記(3) または (4) に記載の溶融金属の精錬方法により、取鍋内溶鋼中の硫黄またはりんの低減処理を行うことを特徴とする溶融金属の精錬方法。
(7) 上記(3) または (4)に記載の溶融金属の精錬方法により、タンディッシュ内溶鋼中の介在物の低減処理を行うことを特徴とする溶融金属の精錬方法。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明の特徴は、取鍋やタンディッシュなどの容器に収容された溶融金属中にガスを小粒径の気泡として供給する溶融金属の精錬方法にある。
【0035】
以下、溶鋼中の介在物の除去方法への適用例について述べる。
脱酸剤を溶鋼へ添加して脱酸した取鍋内溶鋼中には脱酸生成物である介在物が浮遊している。これらの介在物が溶鋼中に浮遊したまま鋳造されると、鋼材の各種特性の低下等の原因となるため、溶鋼段階で鋼材に要求されるレベルまで介在物を低減する必要がある。前記の通り微細気泡は浮遊する介在物の除去に有効である。
【0036】
図5は、本発明を実現するための装置を取鍋に適用した例を示す概念図である。
同図に示すように、取鍋8の上部には昇降可能な浸漬管4を設置し、この浸漬管上部には浸漬管内の雰囲気中へガスを供給可能な加圧配管9と減圧配管10とがそれぞれバルブ6を介して接続してある。さらに、浸漬管内の雰囲気圧力を測定する圧力計11が取り付けてあり、雰囲気内圧力を常時監視することが可能となっている。また、浸漬管下端近傍の内壁にはArガス導入用のバブリングノズル1が設置してある。
【0037】
図6は、本発明を実現するための装置をタンディッシュに適用した例を示す概念図である。
同図に示すように、取鍋8の下部には取鍋ノズル12を介してタンディッシュ13があり、タンディッシュ13の下部にはタンディッシュノズル15を介して鋳型14がある。タンディッシュ中に浸漬された浸漬管4の上部には浸漬管内の雰囲気中へガスを供給可能な加圧配管9と減圧配管10とがそれぞれバルブ6を介して接続してある。さらに、浸漬管内の雰囲気圧力を測定する圧力計11が取り付けてあり、雰囲気内圧力を常時監視することが可能となっている。
【0038】
本発明は、図5、6に装置例を示すように、浸漬管を取鍋内溶鋼中またはタンディッシュ中に浸漬し、浸漬管内の雰囲気圧力を増減することにより、浸漬管の管壁に沿った吸い込みと吐き出しからなる往復流を形成する方法である。雰囲気圧力の増加は加圧配管9から雰囲気へのガス導入により、雰囲気圧力の減少は減圧配管10を用いて雰囲気からガスの排出により、それぞれ実現できる。
【0039】
なお、浸漬管内の溶鋼往復流の内、吐き出し流となる時期(加圧時期)に、浸漬管下端近傍のバブリングノズルからガスを導入してそれを微細気泡7とし、それを浸漬管外の溶鋼中に放出する。浸漬管外の溶鋼中に放出された微細気泡7は取鍋内溶鋼中の介在物を捕捉しつつゆっくりと溶鋼中を上昇し、最終的には浸漬管外の溶鋼表面から雰囲気ガス中へ離脱する。気泡径が小さいほど気泡の上昇速度が小さくなるために、微細気泡の溶鋼中の滞留時間は長くなり介在物の捕捉率は大きくなる。また、同一ガス流量を流した場合でも、気泡径が微細化すると気泡の界面積の合計は大きくなり、介在物の捕捉率は増大する。
【0040】
次に、気泡径が微細化することを、前記図5に示した構成の小型試験装置を用いて、溶鋼質量1000kg容量の実験を行った。円筒形状の容器に収容した溶鋼に対して、耐火物で被覆した浸漬管を浸漬して、浸漬管内の雰囲気に対して加圧・減圧を繰り返した。加圧時の浸漬管内溶鋼下降速度は0.8m/sとした。また、浸漬管下端近傍の内壁に互いに対向する二カ所の位置に内径1mmのステンレス製バブリングノズルを設け、Arガスを合計流量1.0x10-5m3(標準状態)/sで導入した。この方法を方法Aと呼ぶ。
【0041】
比較のために、浸漬管を用いずに通常の浸漬用バブリングランスを利用し、ランス下端近傍の外側面の対向する2カ所に設けた内径1mm のステンレス製羽口から方法Aと同一の合計流量のArガスを流した。この方法を方法Bと呼ぶ。また、特開平6-33134 号公報に開示されている取鍋底部のポーラスノズルから方法Aと同一の合計流量のArガスを流して、その気泡上昇領域に浸漬管を浸漬し、浸漬管内雰囲気を 1.3x104 Pa とした。この方法を方法Cと呼ぶ。さらに、方法Aと同様の構成でArガスを導入しない条件でも実験を行った。この方法を方法Dと呼ぶ。
【0042】
Arガスを導入する方法A〜Cで、気泡が上昇してくる領域の溶鋼表面をビデオカメラで撮影し、実験後にコマ送り再生しながら気泡20個の平均直径(気泡径)を測定した。
【0043】
また、介在物除去速度を方法A〜Dで調査した。鋼中の介在物濃度の指標としては鋼中の全酸素濃度:T.[O](ppm)を採用した。溶鋼はAlで脱酸されており、鋼中のT.[O]濃度のほとんどはAl2O3介在物中のOをカウントしているとみなせる。処理前の鋼中のT.[O]濃度が100ppmである溶鋼を10分間処理した後の鋼中のT.[O]濃度を比較した。
【0044】
表1に実験方法を、表2に実験結果をそれぞれ示す。
【0045】
【表1】
Figure 0003654181
【0046】
【表2】
Figure 0003654181
【0047】
表2に示すように、本発明法である方法Aでの平均気泡径は5mmであり、方法B、Cの平均気泡径(24〜28mm)と比較して極めて小さく、気泡微細化の効果が顕著に表れる。また、本発明法である方法Aで処理後の鋼中のT.[O]濃度は15ppmで、方法B、C、D(30〜52ppm)と比較して極めて低い値となる。
【0048】
以上から、気泡を微細化し、それによって介在物量の著しい低下を実現するためには本発明法である方法Aが有効であることがわかる。
さらに、方法Aについて溶鋼の移動速度が気泡の微細化および鋼中のT.[O]濃度に及ぼす影響を調査した。溶鋼の移動速度(m/s)は、加圧前後における浸漬管内の溶鋼表面の移動距離を移動時間で除した値から求めた。
【0049】
図7は、溶鋼の移動速度と気泡径との関係を示すグラフである。
同図に示すように、溶鋼の移動速度が0.8m/s以上となると、気泡径が急激に小さくなることが認められる。
【0050】
図8は、溶鋼の移動速度と鋼中のT.[O]濃度との関係を示すグラフである。なお、比較のため図中にD法のデータを付記した。
同図に示すように、溶鋼の移動速度が0.8m/s以上となると、鋼中のT.[O]濃度が急激に低下することが認められる。
【0051】
溶鋼移動速度の好ましい範囲は1.0m/s以上5.0m/s以下である。上限値5.0m/sを設定した理由は、溶鋼移動速度が5.0m/sを越えても、気泡径および鋼中のT.[O]濃度の低減効果が小さく効果が飽和しているからである。
【0052】
本発明で使用する浸漬管は、特に高温の溶融金属(例えば、溶融Cu、溶融Al、溶銑、溶鋼など)を対象とする場合は耐火物で被覆することが好ましい。その場合、浸漬管の内外面に不定形耐火物を流し込んだり、煉瓦積みをしたりして耐火物を施工すればよい。また、使用にあたっては損耗あるいは溶損により耐火物厚みが局部的あるいは全体的に減少する場合があるため、定期的に吹き付けや溶射などの方法で補修することが好ましい。また、溶融金属と接しない浸漬管の上部は比較的損耗や溶損の進み方が遅いため、浸漬管を上下の2パーツに分割可能として損耗が相対的に早い下部を交換式としてもよい。その際、浸漬管の上部と下部のつなぎ目はフランジ構造とすれば作業性も良好となるため好ましい。
【0053】
供給ガス種はAr、N2、H2、炭化水素、Heなど通常入手可能なガスでよい。ただし、供給ガスが鋼へ溶解することを避ける必要がある場合、Ar、Heなどの不活性ガスを用いるのが好ましい。例えば、水素ガス(炭化水素から分解して生成したH2も含む)を溶鋼中へ供給すると、その一部は溶鋼に溶解されて溶鋼中水素濃度が増大する。鋼中の水素濃度が上昇すると、一部の鋼種では連続鋳造時にブレークアウト(表面凝固層が破れて鋳型内・以降で溶鋼が鋳片から漏れる現象)が起きて生産に支障がでたり、製品中の高水素濃度に起因する耐水素誘起割れ性が悪化したりする。したがって、本発明法適用中あるいは適用後に脱水素処理を併用するか、必要に応じて水素以外のガス種に変更するか使用する水素ガス量を抑制する必要がある。
【0054】
また、溶融金属を収容する容器が大き過ぎると、1本の浸漬管を使用しても微細気泡を容器全体に分散させることができないおそれがある。その場合には必要に応じて浸漬管本数を増やすことが有効である。
【0055】
図9は、使用する浸漬管を2本使用した場合の本発明例を示す概念図である。浸漬管4の本数を増加させると微細気泡7は安定して多量に供給できるが浸漬管4の設備費およびランニングコストが増大するため、鋼に必要とされる清浄性や高純度性を考慮して浸漬管本数を定める必要がある。
【0056】
さらに、浸漬管4が複数で全ての浸漬管内を同時に加圧・減圧した場合、減圧時にはいずれの浸漬管からも微細気泡が供給できず、処理時間のうち微細気泡7が分散されていない時間が生じるおそれがあり、各浸漬管内を同時に加圧・減圧した場合には、浸漬管体外の容器内液体表面が上下振動し横溢などを引き起こすおそれがあるため、少なくともある着目する浸漬管の減圧時にこの浸漬管以外の浸漬管を加圧状態とすることが有効であり加圧・減圧の各バルブ6の独立制御が望ましい。
【0057】
図10は、加圧・減圧の各バルブを独立制御することを示す概念図である。
同図に示すように、左側の浸漬管4が加圧操作のときには、右側の浸漬管4が排気になっているように、左右浸漬管の加圧・減圧の各バルブ6を独立制御するのが望ましい。
【0058】
一方、溶融金属容器上部の取り合いの関係で浸漬管を垂直にできない場合には、浸漬管を垂直から傾斜してもよい。
図11は、浸漬管を容器に傾斜させたときの浸漬した状態を示す概念図である。浸漬管4を傾斜した場合は、浸漬管内で形成された微細気泡7は浸漬管体の傾斜側とは反対側により遠くまで分散されるため、少ない浸漬管本数で広範囲に微細気泡を分散させる方法としても有効である。
【0059】
また、吐出口を下向きではなく横向き、あるいは、斜め下向きや斜め上向きにしてもよい。なお、ガス吐出口が横向き・斜め下向き・斜め上向きの場合には、微細気泡とともに吐出流が溶融金属上面に存在するスラグを撹拌することが可能であるため、スラグ精錬の促進方法としても有効である。
【0060】
図12は、浸漬管のガス吐出口を横向きしたときの装置例を示す概念図である。なお、図中の整流板16は、浸漬管のガス吐出口を横向きにするためのものである。
【0061】
さらに、浸漬管は高さ方向に同一の断面積を有する必要はなく、必要に応じて上部と下部とで断面積を変化させても良い。ノズル位置での下降速度を浸漬管上部よりも大きくできるために、雰囲気圧力変化速度が小さくてもよく、加圧操作が容易になるという利点がある。
【0062】
図13は、高さ方向に浸漬管の断面積を変化させた装置例を示す概念図である。
なお、同図は、浸漬管4のバブリングノズル1付近をその上部より断面積を小さくした例である。
【0063】
溶鋼流速を0.8m/s以上とするには、以上に述べた雰囲気圧力を変化させる方法に加えて、外部から移動磁場を印加する方法や回転磁界を印加する方法もある。
【0064】
【実施例1】
250トン取鍋にAlで脱酸した溶鋼を収容し、前記図5に示す装置を用いて溶鋼処理した。取鍋直径は3.8mとした。浸漬管内側は断面積が円形の直胴タイプであり、底面がない下方解放型のものを用いた。浸漬管の外側はアルミナ製流し込み耐火物(アルミナキャスタブル)を施工した。浸漬管下端から高さ0.10mの位置の浸漬管内側にステンレス製バブリングノズルを4個、互いに水平面内で90度の角度をなすように配置した。バブリングノズルからは4本合計で 0.002m3(標準状態)/s のArガスを流した。バブリングノズル内径は1mmとした。また、加圧・減圧の1サイクルは2秒とし、加圧時のバブリングノズル位置における溶鋼流動速度(m/s)を変化させて実験した。
【0065】
浸漬管内を加圧・減圧してArガスを内部に導入する実験(方法A)、比較のため、方法Aと同一流量を単にバブリングランスから溶鋼中に吹き込んだ実験(方法B)、取鍋底部のポーラスプラグからArガスを吹き込みガス気泡の上昇域に浸漬管を浸漬させて浸漬管内雰囲気圧力を減圧で一定とした実験(方法C)、前記図5と同様の装置でArガス吹き込みバブリングノズルを有さない浸漬管での実験(方法D)、さらに通常のRH脱ガス装置を用いた実験(方法E)を行った。この実験では、処理前鋼中のT.[O]濃度が100ppmから処理を開始し、10分後の鋼中のT.[O]濃度を介在物量の指標とした。
【0066】
表3に試験方法とその結果を示す。
【0067】
【表3】
Figure 0003654181
【0068】
同表に示すように、方法Bでは鋼中のT.[O]濃度は52ppmまでしか低下しないのに対し、方法Cでは43ppmまで低下し、方法D,Eでは鋼中のT.[O]濃度は30ppmまで低下した。一方、溶鋼流速を0.8m/s以上とすることにより鋼中のT.[O]濃度は15ppm以下まで低減でき、5m/s超では鋼中のT.[O]濃度の低減効果が飽和した。
【0069】
【発明の効果】
本発明により、雰囲気を加圧・減圧可能な浸漬管を用いて、溶融金属の吸い込み吐き出し流に対してガスを供給することにより微細気泡を形成することによって、従来よりも溶融金属中の窒素等の有害ガス、介在物、硫黄またはりん等の有害成分を低減することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)、(b)は、浸漬管の壁面に設置されたバブリングノズルから生成する気泡の発生状態を示す概念図であり、図1(a)は壁面に半球状の気泡が形成された状態を、図1(b)は気泡が縦長に変形した状態を、それぞれ示す。
【図2】図2(a)、(b)は、気泡へ外力が加わったときの浸漬管の壁面に設置されたバブリングノズルから生成する気泡の発生状態を示す概念図であり、図2(a)は壁面に半球状の気泡が形成された状態を、図2(b)は気泡へ外力が加わったときの状態を、それぞれ示す。
【図3】下端開放の浸漬管内壁からのバブリングを行った実験装置を示す概念図である。
【図4】下端開放の浸漬管内壁からのバブリングを行い、浸漬管内の液体上方を閉空間として、その閉空間内のガス圧力を変化させる試験をおこなう実験装置を示す概念図である。
【図5】本発明を実現するための装置を取鍋に適用した例を示す概念図である。
【図6】本発明を実現するための装置をタンディッシュに適用した例を示す概念図である。
【図7】溶鋼の移動速度と気泡径との関係を示すグラフである。
【図8】溶鋼の移動速度と鋼中のT.[O]濃度との関係を示すグラフである。
【図9】使用する浸漬管を2本使用した場合の本発明例を示す概念図である。
【図10】加圧・減圧バルブを独立制御することを示す概念図である。
【図11】浸漬管を容器に傾斜させたときの浸漬した状態を示す概念図である。
【図12】浸漬管のガス吐出口を横向きしたときの装置例を示す概念図である。
【図13】高さ方向に浸漬管の断面積を変化させた装置例を示す概念図である。
【符号の説明】
1: バブリングノズル、
2:気泡、
3:容器、
4:浸漬管、
5:液体、
6:バルブ、
7:微細気泡、
8:取鍋、
9:加圧配管、
10:減圧配管、
11:圧力計、
12:取鍋ノズル、
13:タンディッシュ、
14:鋳型、
15:タンディッシュノズル、
16:整流板。

Claims (8)

  1. 溶融金属内に浸漬した1つあるいは複数の浸漬管の内壁に設置されたノズルから浸漬管内溶融金属にガスを吹き込みながら前記浸漬管の上部で溶融金属と接する雰囲気ガスの圧力を変化させることにより前記浸漬管の上部から下部に向かう溶融金属流動を形成することにより気泡を細かくすることを特徴とする溶融金属の精錬方法。
  2. 前記ガスが不活性ガスであることを特徴とする請求項に記載の溶融金属の精錬方法。
  3. 前記溶融金属が溶鋼であることを特徴とする請求項1または2に記載の溶融金属の精錬方法。
  4. 前記浸漬管の上部から下部に向かう溶鋼の浸漬管内壁に対する相対流速を0.8m/s以上とすることを特徴とする請求項3に記載の溶融金属の精錬方法。
  5. 請求項3または4に記載の溶融金属の精錬方法により、取鍋内溶鋼中の介在物の低減処理を行うことを特徴とする溶融金属の精錬方法。
  6. 請求項3または4に記載の溶融金属の精錬方法により、取鍋内溶鋼中のガスの低減処理を行うことを特徴とする溶融金属の精錬方法。
  7. 請求項3または4に記載の溶融金属の精錬方法により、取鍋内溶鋼中の硫黄またはりんの低減処理を行うことを特徴とする溶融金属の精錬方法。
  8. 請求項3または4に記載の溶融金属の精錬方法により、タンディッシュ内溶鋼中の介在物の低減処理を行うことを特徴とする溶融金属の精錬方法。
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