JP2002180124A - 溶融金属の精錬方法 - Google Patents
溶融金属の精錬方法Info
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Abstract
可能な新しいガスの供給方法を提案することにより溶融
金属の高効率な精錬方法、例えば、脱ガス反応、スラグ
メタル反応、介在物低減処理等を促進する方法を提供す
る。 【解決手段】 溶融金属内に浸漬した1つあるいは複数
の浸漬管の内壁に設置されたノズルから浸漬管内溶融金
属にガスを吹き込み、前記浸漬管の上部から下部に向か
う溶融金属の浸漬管内壁に対する相対流速を0.8m/s 以
上とする。
Description
法に関し、特に簡便で効果的に微細気泡を溶融金属中に
生成させることにより、微細気泡を利用して脱ガス反
応、スラグメタル反応、介在物低減処理等を促進する溶
融金属の精錬方法に関する。
従来の技術について述べる。溶鋼中の不純物や非金属介
在物は鋼材の各種特性値の悪化や欠陥の原因となるた
め、溶鋼段階で可能な限り不純物や非金属介在物を除去
する必要がある。
めには、(1)脱ガス反応(脱水素、脱炭、脱窒な
ど)、(2)スラグ−溶鋼間反応(脱硫、脱りんなど)
を促進し、非金属介在物を除去するためには、(3)介
在物低減処理を促進する必要がある。これらの処理は一
般的には、転炉や電気炉以降の二次精錬プロセスで実施
される。
的なものはRH、DHまたは大径浸漬管真空精錬法、タ
ンク脱ガス真空精錬法、VOD真空精錬法等のように減
圧下で処理するプロセスがある。
本の浸漬管を浸漬し、浸漬管上部の真空槽内を真空排気
することにより取鍋内溶鋼を真空槽内に吸い上げる方式
である。この状態で一方の浸漬管から環流用ガスを流す
ことにより気泡の浮力を利用して取鍋内溶鋼を真空槽内
に移動させ、さらに他方の浸漬管から取鍋内に戻すこと
により溶鋼の環流を形成しつつ、減圧下精錬を施すもの
である。
本の浸漬管を浸漬し、浸漬管上部の真空槽内を真空排気
することにより取鍋内溶鋼を真空槽内に吸い上げる方式
である。この状態で取鍋あるいは真空槽を昇降すること
により溶鋼を取鍋と真空槽との間で往復運動せしめつ
つ、減圧下精錬を施すものである。
して大径の浸漬管を浸漬し、浸漬管上部の真空槽内を真
空排気することにより取鍋内溶鋼を真空槽内に吸い上げ
る方式である。この状態で浸漬管投影面内にある取鍋底
部あるいは浸漬管側壁あるいは浸漬管下部のバブリング
ランスから攪拌用ガスを溶鋼内部に導入して溶鋼を撹拌
しつつ、減圧下精錬を施すものである。
ることなく、取鍋全体を真空チャンバーに導入しあるい
は取鍋上部に密閉蓋を設置し、このチャンバー内部ある
いは蓋と取鍋との間の雰囲気を真空排気する方式であ
る。この状態で取鍋底部あるいは取鍋上部のバブリング
ランスから撹拌ガス又は精錬剤を吹き込み、溶鋼を撹拌
しつつ、減圧下精錬を施すものである。
錬法とほぼ同じ構成で、取鍋内溶鋼に対し減圧下で酸素
ガスを供給して真空脱炭処理を行うものである。また、
スラグ−溶鋼間反応は、溶鋼中硫黄やりん等の不純物元
素を溶鋼上に浮遊する精錬用スラグへ移行させるための
反応であり、上述の減圧下精錬法でも実施可能である
が、大気圧下で行うことも可能である。
いため、アルゴンガスなどで雰囲気を置換した状態で精
錬を行い、空気進入を遮断することが行われる。また、
フラックスを溶鋼に供給する方法は、溶鋼内部に浸漬し
た羽口あるいはノズルを用いて供給する、または溶鋼上
方からそのまま添加する、ランスを用いて吹き付ける、
等が一般的である。
は大気圧下での精錬で実施可能であるが、非金属介在物
は上述の精錬法において凝集肥大や気泡への付着・捕
捉、フラックスへ吸着などの現象が起こり、溶鋼中に存
在する介在物量が低減される。
ガスを羽口あるいはノズルから溶鋼中に供給するだけで
ある。そのため、溶鋼内に供給される気泡は一般的に大
きく、精錬能の向上を実現することができない。
ある条件下で気泡を浮上させることにより非金属介在物
除去を効率的に行う方法が提案されている。具体的に
は、精錬容器上部から溶鋼内に浸漬管を挿入し、浸漬管
内の実質的全域の溶鋼中に行き渡るように容器底部から
不活性ガスを吹き込み、溶鋼の循環を抑制しつつ気泡を
浸漬管内で浮上せしめ、この作用により介在物が溶鋼中
を再循環することなく分離させるとともに、浸漬管内を
真空としてその真空度を適度な頻度で変化せしめて浸漬
管内溶鋼を精錬容器内溶鋼と随時置換するという方法で
ある。
性ガスを導入する方法は、一般的な従来技術と異なるこ
とがなく、生成する気泡は、従来と同様に気泡径が大き
い。従って、溶鋼中の介在物はこの気泡と接触するチャ
ンスが小さく、気泡の周りをスリップしてしまうおそれ
があり、気泡による介在物の捕捉効果を効果的に発揮す
ることができない。
を溶融金属中に生成可能な新しいガスの供給方法を提案
することにより溶融金属の高効率な精錬方法、例えば、
脱ガス反応、スラグメタル反応、介在物低減処理等を促
進する方法を提供することにある。
する方法を水モデル試験で検討した結果、下記の知見を
得た。
たバブリングノズルから生成する気泡の発生状態を示す
概念図であり、図1(a)は壁面に半球状の気泡が形成さ
れた状態を、図1(b)は気泡が縦長に変形した状態を、
それぞれ示す。
ノズル1から導入されたガスにより生成した気泡2は、
その初期段階においては、壁面と接することにより発生
する表面張力が気泡の浮力よりも大きいため、発生した
気泡は壁面から離脱しない。さらに、バブリングノズル
1を介して気泡内にガスが導入されると、気泡は壁面に
付着したまま気泡体積を増大させる。これが進行する
と、図1(b) に示すように、気泡の浮力が表面張力に優
るようになり、浮力の影響で気泡は縦長に変形する。気
泡の変形によって気泡と壁面の接触部位が増加し、表面
張力が増大するため気泡は壁面から離脱しにくくなる。
さらに気泡体積が増大し、それがある臨界点を超えると
気泡が壁面から離脱する。
以外の力を作用させることにより気泡を微細化させる方
法を検討した。すなわち、バブリングノズルから生成す
る気泡に対して液体流動を作用させることを考えた。
きの浸漬管の壁面に設置されたバブリングノズルから生
成する気泡の発生状態を示す概念図であり、図2(a)は
壁面に半球状の気泡が形成された状態を、図2(b)は気
泡へ外力が加わったときの状態を、それぞれ示す。
1から導入されたガスにより生成した気泡2は、その初
期段階においては、壁面と接することにより発生する表
面張力が気泡の浮力よりも大きいため、発生した気泡は
壁面から離脱しない。さらに、バブリングノズル1を介
して気泡内にガスが導入され、下向きに外力が加わる
と、図2(b) に示すように、気泡2には上向きの浮力が
働くが、例えば、液体流れにより発生する下向きの外力
により気泡2が縦長に変形することが抑制される。すな
わち、下向きの外力を気泡2に加えることにより、従来
法よりもより小さな体積の状態で、気泡2はノズルから
離脱することになる。
下端開放の浸漬管を垂直あるいは斜めに容器内液体中に
浸漬し、浸漬管の下端近傍の内壁に設けたノズルからガ
スを吹き込む装置で実験を行った。
ブリングを行った実験装置を示す概念図である。容器3
に浸漬した浸漬管4の内部の液体5上方を大気開放とし
た場合、浸漬管内の液体表面に浮上してくるバブリング
ノズル1から発生するガスの気泡径は目視で10mm以上と
大きかった。
バブリングを行い、浸漬管内の液体上方を閉空間とし
て、その閉空間内のガス圧力を変化させる試験をおこな
う実験装置を示す概念図である。なお、閉空間内のガス
圧力を雰囲気圧力ともいう。
グを行いながら、雰囲気圧力を変化させる試験をおこな
ったところ、浸漬管内部の液体5を下方へ急速に押し下
げた。その結果、バブリングノズル1の先端の気泡に
は、浮力と表面張力以外に液体流動により発生する外力
が作用し、外力が無い場合よりも小径の気泡である微細
気泡7がバブリングノズル1から離脱すること、すなわ
ち、気泡が微細化されることがわかった。
漬管内液体中を上昇していた気泡が浸漬管内部の液体の
高速下降流により分裂してさらに微細化するという現象
も見出した。
下端から浸漬管4の外へ押し出され、容器3の液体中に
分散して微細気泡同士がほとんど再合体しないこと、す
なわち、気泡の分散性が良好であることもわかった。
変更したところ、雰囲気圧力の変化速度が所定速度より
小さい場合、気泡径の微小化効果が小さく、気泡の分散
性も低下することがわかった。液体の下降速度が低い場
合には気泡に作用する液体流動による推力が小さいた
め、気泡径が小さくならず、生成した気泡を分散させる
力も弱いからである。したがって、気泡を微細化し分散
させるためには所定の液体流速を設定する必要がある。
もので、その要旨は、下記の通りである。 (1)溶融金属内に浸漬した1つあるいは複数の浸漬管
の内壁に設置されたノズルから浸漬管内溶融金属にガス
を吹き込み、前記浸漬管の上部から下部に向かう溶融金
属の浸漬管内壁に対する相対流速を0.8m/s 以上とする
ことを特徴とする溶融金属の精錬方法。
複数の浸漬管の内壁に設置されたノズルから浸漬管内溶
融金属にガスを吹き込み、前記浸漬管の上部で溶融金属
と接する雰囲気ガスの圧力を変化させることにより前記
浸漬管の上部から下部に向かう溶融金属の浸漬管内壁に
対する相対流速を0.8m/s 以上とすることを特徴とする
溶融金属の精錬方法。
特徴とする上記(1)または(2)に記載の溶融金属の
精錬方法。 (4)前記溶融金属が溶鋼であることを特徴とする上記
(1)〜(3)のいずれかに記載の溶融金属の精錬方
法。
方法により、取鍋内溶鋼中の介在物の低減処理を行うこ
とを特徴とする溶融金属の精錬方法。 (6)上記(4)に記載の溶融金属の精錬方法により、
取鍋内溶鋼中のガスの低減処理を行うことを特徴とする
溶融金属の精錬方法。
方法により、取鍋内溶鋼中の硫黄またはりんの低減処理
を行うことを特徴とする溶融金属の精錬方法。 (8)上記(4)に記載の溶融金属の精錬方法により、
タンディッシュ内溶鋼中の介在物の低減処理を行うこと
を特徴とする溶融金属の精錬方法。
ッシュなどの容器に収容された溶融金属中にガスを小粒
径の気泡として供給する溶融金属の精錬方法にある。
例について述べる。脱酸剤を溶鋼へ添加して脱酸した取
鍋内溶鋼中には脱酸生成物である介在物が浮遊してい
る。これらの介在物が溶鋼中に浮遊したまま鋳造される
と、鋼材の各種特性の低下等の原因となるため、溶鋼段
階で鋼材に要求されるレベルまで介在物を低減する必要
がある。前記の通り微細気泡は浮遊する介在物の除去に
有効である。
鍋に適用した例を示す概念図である。同図に示すよう
に、取鍋8の上部には昇降可能な浸漬管4を設置し、こ
の浸漬管上部には浸漬管内の雰囲気中へガスを供給可能
な加圧配管9と減圧配管10とがそれぞれバルブ6を介
して接続してある。さらに、浸漬管内の雰囲気圧力を測
定する圧力計11が取り付けてあり、雰囲気内圧力を常
時監視することが可能となっている。また、浸漬管下端
近傍の内壁にはArガス導入用のバブリングノズル1が
設置してある。
ンディッシュに適用した例を示す概念図である。同図に
示すように、取鍋8の下部には取鍋ノズル12を介して
タンディッシュ13があり、タンディッシュ13の下部
にはタンディッシュノズル15を介して鋳型14があ
る。タンディッシュ中に浸漬された浸漬管4の上部には
浸漬管内の雰囲気中へガスを供給可能な加圧配管9と減
圧配管10とがそれぞれバルブ6を介して接続してあ
る。さらに、浸漬管内の雰囲気圧力を測定する圧力計1
1が取り付けてあり、雰囲気内圧力を常時監視すること
が可能となっている。
に、浸漬管を取鍋内溶鋼中またはタンディッシュ中に浸
漬し、浸漬管内の雰囲気圧力を増減することにより、浸
漬管の管壁に沿った吸い込みと吐き出しからなる往復流
を形成する方法である。雰囲気圧力の増加は加圧配管9
から雰囲気へのガス導入により、雰囲気圧力の減少は減
圧配管10を用いて雰囲気からガスの排出により、それ
ぞれ実現できる。
し流となる時期(加圧時期)に、浸漬管下端近傍のバブ
リングノズルからガスを導入してそれを微細気泡7と
し、それを浸漬管外の溶鋼中に放出する。浸漬管外の溶
鋼中に放出された微細気泡7は取鍋内溶鋼中の介在物を
捕捉しつつゆっくりと溶鋼中を上昇し、最終的には浸漬
管外の溶鋼表面から雰囲気ガス中へ離脱する。気泡径が
小さいほど気泡の上昇速度が小さくなるために、微細気
泡の溶鋼中の滞留時間は長くなり介在物の捕捉率は大き
くなる。また、同一ガス流量を流した場合でも、気泡径
が微細化すると気泡の界面積の合計は大きくなり、介在
物の捕捉率は増大する。
5に示した構成の小型試験装置を用いて、溶鋼質量1000
kg容量の実験を行った。円筒形状の容器に収容した溶鋼
に対して、耐火物で被覆した浸漬管を浸漬して、浸漬管
内の雰囲気に対して加圧・減圧を繰り返した。加圧時の
浸漬管内溶鋼下降速度は0.8m/sとした。また、浸漬管下
端近傍の内壁に互いに対向する二カ所の位置に内径1mm
のステンレス製バブリングノズルを設け、Arガスを合
計流量1.0x10-5m3(標準状態)/sで導入した。この方法を
方法Aと呼ぶ。
漬用バブリングランスを利用し、ランス下端近傍の外側
面の対向する2カ所に設けた内径1mm のステンレス製羽
口から方法Aと同一の合計流量のArガスを流した。こ
の方法を方法Bと呼ぶ。また、特開平6-33134 号公報に
開示されている取鍋底部のポーラスノズルから方法Aと
同一の合計流量のArガスを流して、その気泡上昇領域
に浸漬管を浸漬し、浸漬管内雰囲気を 1.3x104 Pa とし
た。この方法を方法Cと呼ぶ。さらに、方法Aと同様の
構成でArガスを導入しない条件でも実験を行った。この
方法を方法Dと呼ぶ。
上昇してくる領域の溶鋼表面をビデオカメラで撮影し、
実験後にコマ送り再生しながら気泡20個の平均直径(気
泡径)を測定した。
した。鋼中の介在物濃度の指標としては鋼中の全酸素濃
度:T.[O](ppm)を採用した。溶鋼はAlで脱酸されてお
り、鋼中のT.[O]濃度のほとんどはAl2O3介在物中のOを
カウントしているとみなせる。処理前の鋼中のT.[O]濃
度が100ppmである溶鋼を10分間処理した後の鋼中のT.
[O]濃度を比較した。
ぞれ示す。
での平均気泡径は5mmであり、方法B、Cの平均気泡径
(24〜28mm)と比較して極めて小さく、気泡微細化
の効果が顕著に表れる。また、本発明法である方法Aで
処理後の鋼中のT.[O]濃度は15ppmで、方法B、C、D
(30〜52ppm)と比較して極めて低い値となる。
介在物量の著しい低下を実現するためには本発明法であ
る方法Aが有効であることがわかる。さらに、方法Aに
ついて溶鋼の移動速度が気泡の微細化および鋼中のT.
[O]濃度に及ぼす影響を調査した。溶鋼の移動速度(m/s)
は、加圧前後における浸漬管内の溶鋼表面の移動距離を
移動時間で除した値から求めた。
を示すグラフである。同図に示すように、溶鋼の移動速
度が0.8m/s以上となると、気泡径が急激に小さくなるこ
とが認められる。
度との関係を示すグラフである。なお、比較のため図中
にD法のデータを付記した。同図に示すように、溶鋼の
移動速度が0.8m/s以上となると、鋼中のT.[O]濃度が急
激に低下することが認められる。
5.0m/s以下である。上限値5.0m/sを設定した理由は、溶
鋼移動速度が5.0m/sを越えても、気泡径および鋼中のT.
[O]濃度の低減効果が小さく効果が飽和しているからで
ある。
融金属(例えば、溶融Cu、溶融Al、溶銑、溶鋼など)を
対象とする場合は耐火物で被覆することが好ましい。そ
の場合、浸漬管の内外面に不定形耐火物を流し込んだ
り、煉瓦積みをしたりして耐火物を施工すればよい。ま
た、使用にあたっては損耗あるいは溶損により耐火物厚
みが局部的あるいは全体的に減少する場合があるため、
定期的に吹き付けや溶射などの方法で補修することが好
ましい。また、溶融金属と接しない浸漬管の上部は比較
的損耗や溶損の進み方が遅いため、浸漬管を上下の2パ
ーツに分割可能として損耗が相対的に早い下部を交換式
としてもよい。その際、浸漬管の上部と下部のつなぎ目
はフランジ構造とすれば作業性も良好となるため好まし
い。
通常入手可能なガスでよい。ただし、供給ガスが鋼へ溶
解することを避ける必要がある場合、Ar、Heなどの不活
性ガスを用いるのが好ましい。例えば、水素ガス(炭化
水素から分解して生成したH2も含む)を溶鋼中へ供給す
ると、その一部は溶鋼に溶解されて溶鋼中水素濃度が増
大する。鋼中の水素濃度が上昇すると、一部の鋼種では
連続鋳造時にブレークアウト(表面凝固層が破れて鋳型
内・以降で溶鋼が鋳片から漏れる現象)が起きて生産に
支障がでたり、製品中の高水素濃度に起因する耐水素誘
起割れ性が悪化したりする。したがって、本発明法適用
中あるいは適用後に脱水素処理を併用するか、必要に応
じて水素以外のガス種に変更するか使用する水素ガス量
を抑制する必要がある。
ると、1本の浸漬管を使用しても微細気泡を容器全体に
分散させることができないおそれがある。その場合には
必要に応じて浸漬管本数を増やすことが有効である。
合の本発明例を示す概念図である。浸漬管4の本数を増
加させると微細気泡7は安定して多量に供給できるが浸
漬管4の設備費およびランニングコストが増大するた
め、鋼に必要とされる清浄性や高純度性を考慮して浸漬
管本数を定める必要がある。
を同時に加圧・減圧した場合、減圧時にはいずれの浸漬
管からも微細気泡が供給できず、処理時間のうち微細気
泡7が分散されていない時間が生じるおそれがあり、各
浸漬管内を同時に加圧・減圧した場合には、浸漬管体外
の容器内液体表面が上下振動し横溢などを引き起こすお
それがあるため、少なくともある着目する浸漬管の減圧
時にこの浸漬管以外の浸漬管を加圧状態とすることが有
効であり加圧・減圧の各バルブ6の独立制御が望まし
い。
御することを示す概念図である。同図に示すように、左
側の浸漬管4が加圧操作のときには、右側の浸漬管4が
排気になっているように、左右浸漬管の加圧・減圧の各
バルブ6を独立制御するのが望ましい。
で浸漬管を垂直にできない場合には、浸漬管を垂直から
傾斜してもよい。図11は、浸漬管を容器に傾斜させた
ときの浸漬した状態を示す概念図である。浸漬管4を傾
斜した場合は、浸漬管内で形成された微細気泡7は浸漬
管体の傾斜側とは反対側により遠くまで分散されるた
め、少ない浸漬管本数で広範囲に微細気泡を分散させる
方法としても有効である。
るいは、斜め下向きや斜め上向きにしてもよい。なお、
ガス吐出口が横向き・斜め下向き・斜め上向きの場合に
は、微細気泡とともに吐出流が溶融金属上面に存在する
スラグを撹拌することが可能であるため、スラグ精錬の
促進方法としても有効である。
たときの装置例を示す概念図である。なお、図中の整流
板16は、浸漬管のガス吐出口を横向きにするためのも
のである。
を有する必要はなく、必要に応じて上部と下部とで断面
積を変化させても良い。ノズル位置での下降速度を浸漬
管上部よりも大きくできるために、雰囲気圧力変化速度
が小さくてもよく、加圧操作が容易になるという利点が
ある。
化させた装置例を示す概念図である。なお、同図は、浸
漬管4のバブリングノズル1付近をその上部より断面積
を小さくした例である。
述べた雰囲気圧力を変化させる方法に加えて、外部から
移動磁場を印加する方法や回転磁界を印加する方法もあ
る。
し、前記図5に示す装置を用いて溶鋼処理した。取鍋直
径は3.8mとした。浸漬管内側は断面積が円形の直胴タイ
プであり、底面がない下方解放型のものを用いた。浸漬
管の外側はアルミナ製流し込み耐火物(アルミナキャス
タブル)を施工した。浸漬管下端から高さ0.10mの位置
の浸漬管内側にステンレス製バブリングノズルを4個、
互いに水平面内で90度の角度をなすように配置した。バ
ブリングノズルからは4本合計で 0.002m3(標準状態)/s
のArガスを流した。バブリングノズル内径は1mmとし
た。また、加圧・減圧の1サイクルは2秒とし、加圧時
のバブリングノズル位置における溶鋼流動速度(m/s)を
変化させて実験した。
導入する実験(方法A)、比較のため、方法Aと同一流量
を単にバブリングランスから溶鋼中に吹き込んだ実験
(方法B)、取鍋底部のポーラスプラグからArガスを吹
き込みガス気泡の上昇域に浸漬管を浸漬させて浸漬管内
雰囲気圧力を減圧で一定とした実験(方法C)、前記図
5と同様の装置でArガス吹き込みバブリングノズルを有
さない浸漬管での実験(方法D)、さらに通常のRH脱
ガス装置を用いた実験(方法E)を行った。この実験で
は、処理前鋼中のT.[O]濃度が100ppmから処理を開始
し、10分後の鋼中のT.[O]濃度を介在物量の指標とし
た。
[O]濃度は52ppmまでしか低下しないのに対し、方法Cで
は43ppmまで低下し、方法D,Eでは鋼中のT.[O]濃度は
30ppmまで低下した。一方、溶鋼流速を0.8m/s以上とす
ることにより鋼中のT.[O]濃度は15ppm以下まで低減で
き、5m/s超では鋼中のT.[O]濃度の低減効果が飽和し
た。
な浸漬管を用いて、溶融金属の吸い込み吐き出し流に対
してガスを供給することにより微細気泡を形成すること
によって、従来よりも溶融金属中の窒素等の有害ガス、
介在物、硫黄またはりん等の有害成分を低減することが
可能となった。
ブリングノズルから生成する気泡の発生状態を示す概念
図であり、図1(a)は壁面に半球状の気泡が形成された
状態を、図1(b)は気泡が縦長に変形した状態を、それ
ぞれ示す。
浸漬管の壁面に設置されたバブリングノズルから生成す
る気泡の発生状態を示す概念図であり、図2(a)は壁面
に半球状の気泡が形成された状態を、図2(b)は気泡へ
外力が加わったときの状態を、それぞれ示す。
た実験装置を示す概念図である。
い、浸漬管内の液体上方を閉空間として、その閉空間内
のガス圧力を変化させる試験をおこなう実験装置を示す
概念図である。
例を示す概念図である。
に適用した例を示す概念図である。
である。
示すグラフである。
を示す概念図である。
概念図である。
態を示す概念図である。
例を示す概念図である。
例を示す概念図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 溶融金属内に浸漬した1つあるいは複数
の浸漬管の内壁に設置されたノズルから浸漬管内溶融金
属にガスを吹き込み、前記浸漬管の上部から下部に向か
う溶融金属の浸漬管内壁に対する相対流速を0.8m/s 以
上とすることを特徴とする溶融金属の精錬方法。 - 【請求項2】 溶融金属内に浸漬した1つあるいは複数
の浸漬管の内壁に設置されたノズルから浸漬管内溶融金
属にガスを吹き込み、前記浸漬管の上部で溶融金属と接
する雰囲気ガスの圧力を変化させることにより前記浸漬
管の上部から下部に向かう溶融金属の浸漬管内壁に対す
る相対流速を0.8m/s 以上とすることを特徴とする溶融
金属の精錬方法。 - 【請求項3】 前記ガスが不活性ガスであることを特徴
とする請求項1または2に記載の溶融金属の精錬方法。 - 【請求項4】 前記溶融金属が溶鋼であることを特徴と
する請求項1〜3のいずれかに記載の溶融金属の精錬方
法。 - 【請求項5】 請求項4に記載の溶融金属の精錬方法に
より、取鍋内溶鋼中の介在物の低減処理を行うことを特
徴とする溶融金属の精錬方法。 - 【請求項6】 請求項4に記載の溶融金属の精錬方法に
より、取鍋内溶鋼中のガスの低減処理を行うことを特徴
とする溶融金属の精錬方法。 - 【請求項7】 請求項4に記載の溶融金属の精錬方法に
より、取鍋内溶鋼中の硫黄またはりんの低減処理を行う
ことを特徴とする溶融金属の精錬方法。 - 【請求項8】 請求項4に記載の溶融金属の精錬方法に
より、タンディッシュ内溶鋼中の介在物の低減処理を行
うことを特徴とする溶融金属の精錬方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000387656A JP3654181B2 (ja) | 2000-12-20 | 2000-12-20 | 溶融金属の精錬方法 |
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JP2000387656A JP3654181B2 (ja) | 2000-12-20 | 2000-12-20 | 溶融金属の精錬方法 |
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