JP3290794B2 - 軽減圧下での溶鋼精錬方法 - Google Patents

軽減圧下での溶鋼精錬方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は大径浸漬管を用いた取鍋
精錬における溶鋼の脱硫方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、極低硫鋼を溶製する場合には、溶
銑の脱硫処理のみでは不十分であるため、製鋼炉から出
鋼後、2次精錬炉で脱硫処理を行う必要があった。そこ
で、低硫鋼を溶製する場合には、例えば、転炉や電気炉
にて精錬された溶鋼をRH法等の真空脱ガス処理後に脱
酸し、引き続いて同一の設備内でCaOとCaF2 を主
成分とするフラックスを添加するか、または、CASの
ごとき他の大気精錬設備で同様なフラックスを添加して
攪拌処理する方法がとられている。しかし、他の精錬設
備を利用する方法は、設備の固定費や要員が増えるのみ
ならず、温度降下も大きくなるため、同一設備で処理す
る方が望ましい。
【0003】RH法においては、環流用ガス量を増加さ
せても下降流の流速には限界があるため、真空槽内で添
加したフラックスは取鍋内の深い位置まで到達しない。
このため、効率を上げる方法として特開昭61−306
18号公報のように、上昇管下部に設けたJ字型浸漬ラ
ンスよりキャリアーガスと共に脱硫剤を吹き込む方法が
提案されている。さらに、特開昭61−12815号公
報においては、RH真空槽下部に設けた羽口よりキャリ
アーガスと共に脱硫剤を吹き込む方法が提案されてい
る。更には、特開昭60−184618号公報、実開昭
57−150545号公報には、RH真空槽の上方に設
置した粉体吹き込みランスより精錬剤を吹き付ける方法
が示されている。
【0004】しかし、いずれにせよRHは上昇管側と下
降管側の気泡密度差に基づくヘッド差を駆動力とした気
泡ポンプのため、脱硫反応上は必要ないほどの高真空度
(例えば10〜1Torr)を確保しない限り攪拌が極
めて弱いという問題がある。このような高真空度下では
微粉の脱硫剤は飛散ロスする上、キャリアーガスによる
スプラッシュも非常に大きいという問題がある。
【0005】これに対して本発明者らは、特願平3−1
73405号において、円筒形の浸漬槽に溶鋼を吸い上
げ低部から浸漬槽内へ不活性ガスを導入する方式で脱硫
剤を上方添加、もしくは吹き付けする方法を発明した。
この方法は脱硫効率がきわめて高いが、RHと同様に高
真空下での処理となる問題があった。また、特願平5−
157606号においては、同様な方法であれば真空度
が10Torr〜300Torrの範囲で効率的な脱窒
素が可能であることを開示しているが、脱硫反応は、脱
窒素反応がガスとメタルの反応であるのとは異なり、ス
ラグとメタルの反応であるため、この真空条件下で単に
脱硫剤を上方より添加したのみでは高い脱硫率は得られ
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、他の大気圧
下2次精錬設備での脱硫処理に伴う、設備の固定費や要
員が増え、かつ、温度降下も大きいという問題、また、
RHでの脱硫処理に伴う、脱硫反応上は必要ないほどの
高真空度を確保しない限り攪拌が極めて弱いという問題
や、それに付随して、微粉の脱硫剤は飛散ロスする上、
キャリアーガスによるスプラッシュも非常に大きいとい
う問題を解決することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、先に述べ
た従来技術である、円筒形の浸漬槽に溶鋼を吸い上げ、
低部から浸漬槽内へ不活性ガスを導入する方式に基づい
て、種々の条件を変化させた試験を実施した結果、真空
度が低い場合でも脱硫剤を浴中にインジェクションすれ
ば効率的に脱硫ができることが明らかになった。本発明
はこの知見に基づきなされたものである。
【0008】その要旨とするところは、転炉、電気炉な
どの精錬炉より取鍋内に出鋼された溶鋼に直胴形状の浸
漬槽を浸漬すると共に、該浸漬槽内を減圧し、浸漬槽下
端位置よりも低い位置から攪拌用ガスと共に精錬剤を供
給する溶鋼の真空精錬方法において、該浸漬槽内の圧力
を50Torr以上300Torr以下とすることを特
徴とする軽減圧下での溶鋼精錬方法である。また、上記
方法において、攪拌用ガス流量Q(NL/分)と気泡活
性面積A(cm2 )との関係をA/(Q0.667)で10
0以上600以下とすることを特徴とする軽減圧下での
溶鋼精錬方法である。
【0009】ここで、気泡活性面積は、吹き込み位置の
湯面高さをL(cm)とした場合、浸漬管等の障害物が
無い限りは(tan12°)×Lを半径とした円の面積
となり、浸漬管等の障害物がある場合には図1に示すよ
うに、壁面で制限される範囲と計算されるものである。
【0010】
【作用】本発明の実施形態を図1に示す。本発明は、円
筒形の浸漬槽に溶鋼を吸い上げ、低部から浸漬槽内へ不
活性ガスを導入する方式で形成される広い気泡活性面
(吹き込まれたガス気泡が浮上破裂する表面領域)を利
用し、真空度とフラックスインジェクションとを適正に
組み合わせることにより、効率的な脱硫反応が起こるこ
との発見に基づく。
【0011】一般的にキャリアーガスと共に吹き込まれ
たフラックス粒子の大部分は、ガス気泡の中に閉じ込め
られた状態(気泡の下部に堆積した状態)で浮上し溶鋼
と接触できないため、浮上中のフラックスの利用効率は
極めて低い。しかし、表面に近づくと静圧が小さくなる
ため気泡は急速に膨張し、その時に新たな気泡表面が生
成されることと気泡の上昇速度が急激に速くなることに
より、それまで気泡内部に存在していたフラックス粒子
の一部が、溶鋼と接触することが可能になる。従って、
脱硫反応を効率的に進めるには、表面直下での気泡の膨
張挙動を適正化することが重要である。本発明者らは、
上記の観点を新しく見いだすに至り、詳細な実験と理論
解析を実施した結果、以下の事項を明かとした。
【0012】(1)表面直下での気泡の膨張速度が小さ
すぎる場合にはフラックス粒子が溶鋼と接触する機会が
減るために脱硫率が低下するが、逆に、膨張速度が大き
すぎる場合にも脱硫率が低下する。これは、表面直下領
域での気泡の存在する体積分率が大きくなりすぎるた
め、気泡が合体し巨大化し溶鋼と気泡の接触界面積がか
えって減少するためである。 (2)表面直下での気泡の膨張速度は雰囲気圧力に依存
し、高真空下ほど大きくなる。従って、図2に示すよう
に、圧力を300Torrよりも低真空にした場合には
膨張速度が小さいために脱硫率が悪く、また、50To
rrよりも高真空にした場合には膨張速度が大きくなり
すぎるために再び脱硫率が悪化している。
【0013】(3)雰囲気圧力と共に気泡活性面積も重
要な要因である。つまり、図3に示すように、圧力が適
正範囲であっても、吹き込まれた攪拌用ガス流量Q(N
L/分)当りの気泡活性面積A(cm2 )をA/(Q
0.667 )とした場合、この値が100よりも小さい場合
には表面直下で気泡が充分に膨張できずに合体が起こる
ため真空度が適正であっても脱硫率は大きくはならな
い。一方、600よりも大きい場合には気泡の存在頻度
が少ないため、個々の気泡にトラップされる精錬剤が多
くなりすぎるため気泡が膨張しても溶鋼と接触できない
割合が高く脱硫率は低下する。従って、吹き込みガス流
量Q(NL/分)当りの気泡活性面積A(cm 2 )はA
/(Q0.667 )で100以上600以下である必要があ
る。ここで、Qに対する0.667という係数は、ガス
の体積で表されている流量を、気泡の表面積に幾何学的
に換算するための係数である。
【0014】また、本発明を実施するにおいては、精錬
剤はArの如き不活性ガスをキャリアーガスとして、J
字型、垂直型等のランスや、取鍋底に設けられたノズル
から吹き込まれることが望ましい。また精錬剤はCaO
を主成分とし、CaF2 を重量比で15%〜60%混合
したものや、それに、全精錬剤の15%以下のMgO、
Al2 3 、Mg、Al、Caの1種以上を混合したも
のを用いることが望ましい。
【0015】
【実施例】
実施例1 図1に示す取鍋内溶鋼に直胴型浸漬槽を浸漬し該浸漬槽
内を減圧すると共に、J字型浸漬ランスより不活性ガス
と共に生石灰と蛍石を混合した脱硫剤を供給する真空精
錬装置で実施した。約350トンの溶鋼を処理し、処理
前後の硫黄濃度から脱硫率を計算した。処理前の硫黄濃
度は40〜50ppm、フラックス原単位は3〜4kg
/トンであった。表1に示す試験番号の1〜4は真空度
が本発明範囲にあるため、比較例である試験番号の5〜
8に比べていずれも高い脱硫率となっている。特に試験
番号6は従来RHの如き真空精錬炉で実施されている真
空度であり、試験番号8は従来CASの如き大気精錬炉
で実施されている真空度であるが、本発明に比べて大幅
に脱硫率が低下している。
【0016】
【表1】
【0017】実施例2 実施例1と同様に、図1に示す真空精錬装置によって実
施した。特に実施例2では適正真空度範囲にある場合
の、ガス流量Q(NL/分)と気泡活性面積A(cm
2 ) の比である、A/(Q0.667 )の影響を示したもの
である。表2に示す試験番号の9〜12はA/(Q
0.667 )が本発明範囲にあるため、比較例である試験番
号の13〜16に比べていずれも高い脱硫率となってい
る。
【0018】
【表2】
【0019】
【発明の効果】本発明を用いることにより、真空脱炭精
錬炉と同一の装置を用いて、かつ、微粉の脱硫剤の飛散
ロスや、キャリアーガスによるスプラッシュが非常に大
きいという問題を起こすことなく、短時間処理で極低硫
領域まで効率的な脱硫精錬が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した場合の模式図、
【図2】脱硫率に対する真空度の影響を示した実験結果
を示す図、
【図3】脱硫率に対する、吹き込みガス流量Q(NL/
分)と気泡活性面積A(cm2)の影響を示した実験結
果を示す図である。
【符号の説明】
1 浸漬槽 2 取鍋 3 吹き込みランス 4 溶鋼 5 吹き込まれた精錬剤とガス気泡 a ガス吹き込み位置の投影点 A 気泡活性面

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精錬炉より取鍋内に出鋼された溶鋼に直
    胴形状の浸漬槽を浸漬すると共に、該浸漬槽内を減圧
    し、浸漬槽下端位置よりも低い位置から攪拌用ガスと共
    に精錬剤を供給する溶鋼の真空精錬方法において、該浸
    漬槽内の圧力を50Torr以上300Torr以下と
    することを特徴とする軽減圧下での溶鋼精錬方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の軽減圧下での溶鋼精錬方
    法において、攪拌用ガス流量Q(NL/分)と気泡活性
    面積A(cm2 )との関係をA/(Q0.667)で100
    以上600以下とすることを特徴とする軽減圧下での溶
    鋼精錬方法。
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