JP3654030B2 - カラー画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タンデムエンジン方式のカラー画像形成装置に関し、特に、カラー画像形成装置の色ずれ検出に適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を採用した従来の画像形成装置においては、感光体ドラムの表面に1ミリクーロン毎平方センチメートル程度の一様な静電荷を与え、この感光体ドラムに対して画像情報に応じた露光を行って照射部の電荷のみを喪失させて静電荷の分布による像(静電潜像)を形成し、この静電潜像を着色帯電粒子(トナー粒子)で現像してトナー粒子の粉体像を形成し、該粉体像をシート材等に転写した後、熱などのエネルギーを与えて溶融定着させることにより画像を形成することが行われている。
【0003】
一方、画像のカラー化に伴い、このようなトナー現象によりシアン像、マゼンタ像、イエロー像、さらに好ましくはブラック像の各色粉体像を各々の感光体ドラム上に形成する独立した複数の画像形成ステーションを備え、各感光体ドラム上に形成された粉体像を各色粉体像の転写位置にて中間転写材上に重ねて転写合成するタンデムエンジン方式のカラー画像形成装置も提案されている。
【0004】
タンデムエンジン方式のカラー画像形成装置では、各色ごとに並列して画像形成が行われるため、画像形成の高速化が図れるという利点を有する。
【0005】
しかしながら、タンデムエンジン方式のカラー画像形成装置の場合、異なる画像形成ステーションで形成された各粉体像が、各画像形成ステーション間の位置誤差やタイミングずれにより位置ずれし、結果的に色ずれを生じることになる。そして、高品質なカラー画像形成装置を得るためには、このような色ずれが非常に大きな問題となるため、色ずれ補正(レジストレーション)を行う技術が必要とされる。
【0006】
すなわち、タンデムエンジン方式の画像形成装置では、電源投入時の温度の不安定な場合、画像形成ステーションを交換した場合、画像形成装置の設定状況、装置内の温度変化等による各画像形成ステーションや走査光学系の取り付けずれ等によって、様々な色ずれが発生する。
【0007】
ここで、カラー画像形成装置における色ずれの種類を図5に示す。図5(a)は中間転写ベルト7の移動方向Aに平行移動してずれる副走査位置ずれ、図5(b)は露光手段の走査方向(つまり、中間転写ベルト7の移動方向Aに対して垂直な方向)に平行移動してずれる主走査位置ずれ、図5(c)は露光手段の走査方向に対して画像が斜めに傾いてずれるスキュー誤差、図5(d)は各画像形成ステーション間で露光手段の走査方向の倍率がずれる倍率誤差、図5(e)は露光手段の走査方向に対して画像が湾曲する湾曲誤差を示している。
【0008】
このような各種色ずれが発生する主要因は、副走査位置ずれ(図5(a))および主走査位置ずれ(図5(b))は各画像形成ステーションおよび露光手段の取り付けずれ、または露光手段の走査光学系を構成するレンズやミラー(図示せず)の取り付けずれによるものであり、スキュー誤差(図5(c))は各画像形成ステーションに設けられた各感光体ドラムの回転軸の取り付け角度のずれ、および露光手段の取り付け角度のずれによるものであり、倍率誤差(図5(d))は各露光光線の走査光学系から各感光体ドラムの表面までの光路長の誤差によるものであり、湾曲誤差(図5(e))は各露光光線の走査光学系を構成するレンズやミラー(図示せず)の取り付けずれによるものである。
【0009】
そこで、電源の投入時や各々の画像ステーションの交換時や装置内の温度変化時において、中間転写ベルト7上に予め基準となるパターン(以下、「レジストレーションパターン」という。)のマーキングを行っておき、複数のセンサによる色ずれ検出手段によってこのレジストレーションパターンを検出し、その検出結果から前述した5種類の色ずれ量を算出し、そのずれ量に応じて各色画像の位置を合わせる色ずれ補正を行う必要がある。
【0010】
以下、従来のカラー画像形成装置の色ずれ検出および色ずれ補正動作について図6〜図8を参照しながら説明する。
【0011】
ここで、図6は従来のカラー画像形成装置における色ずれ検出部の構成を示す説明図、図7は従来のカラー画像形成装置における中間転写ベルト上のレジストレーションパターンと位置ずれ検出部の配置を示す説明図、図8は従来のカラー画像形成装置における中間転写ベルト上のレジストレーションパターンと色ずれ検出部の配置と色ずれ検出部の出力信号とを示す説明図である。
【0012】
図6において、駆動ローラ14aと他の駆動ローラ(図示せず)とによって矢印A方向に回転される中間転写ベルト7の上部に配設され、レジストレーションパターンの位置ずれ検出を行う色ずれ検出手段13は、ランプやレーザ等の光源31と、レジストレーションパターンを検出するセンサ33と、光源31に照射されたレジストレーションパターンの像をセンサ33に結像するためのレンズ32とから構成されている。
【0013】
色ずれ検出手段13は、図7に示すように、中間転写ベルト7の移動方向Aと直交する線上に、露光手段の走査開始位置付近と走査終了位置付近に2つ(色ずれ検出手段13aおよび色ずれ検出手段13b)配設されている。色ずれ検出手段13aおよび色ずれ検出手段13bのセンサ33a,33bは、中間転写ベルト7の移動方向Aと直交する線上に配列されている。
【0014】
以上のような構成において、色ずれ検出動作では、所定の画像形成動作により、図7に示すような予め決められた直線や図形等のレジストレーションパターン(例えば、中間転写ベルト7の進行方向Aと直交する線上に配置された露光手段の走査開始位置を含む直線および走査終了位置を含む直線)を、予め決められた間隔で各色毎にトナー像34、35、36、37として中間転写ベルト7上に転写し、色ずれ検出手段13aおよび色ずれ検出手段13bで各色の位置ずれ(色ずれ)量を測定する。
【0015】
図5(a)に示す副走査位置ずれに関しては、図8(a)に示すように、中間転写ベルト7上の各色レジストレーションパターンが色ずれ検出手段13a内のセンサ33aを通過する時間T1と予め決められた設計値Tとの時間差ΔT(ΔTn=T−Tn:n=1,2,3,4)、および中間転写ベルト7の移動速度Vから、各色の位置ずれΔYn(ΔYn=ΔTn×V:n=1,2,3,4)を算出する。
【0016】
図5(b)に示す主走査位置ずれに関しては、例えば、前述のレジストレーションパターンを斜め線として設定することにより、上記と同様にレジストレーションパターンが色ずれ検出手段13a内のセンサ33aを通過する時間と予め決められた設計値との時間および中間転写ベルト7の移動速度Vから、各色の位置ずれを算出する。
【0017】
図5(c)に示すスキュー誤差に関しては、図8(b)に示すように、中間転写ベルト7上の同色のレジストレーションパターンが色ずれ検出手段13aおよび色ずれ検出手段13b内のセンサ33aおよびセンサ33bを通過する時間差ΔTTn(n=1,2,3,4)、および中間転写ベルト7の移動速度Vから、各色のスキュー誤差ΔYYn(ΔYYn=ΔTTn×V:n=1,2,3,4)を算出する。
【0018】
図5(d)に示す倍率誤差は、主走査位置ずれの算出を前述のように色ずれ検出手段13aおよび色ずれ検出手段13bにおいて行い、その値と予め決められた設計値との差から倍率誤差を算出する。
【0019】
図5(e)に示す湾曲誤差に関しては、従来の2つのセンサによる色ずれ検出動作では正確には測定することができない。したがって、露光手段内のレンズ等の組み立て精度を上げることにより誤差を減少させる。
【0020】
以上のようにして検出した上記4種類の色ずれ量に基づき、次に、色ずれ補正動作を行う。
【0021】
ここで、図9は従来の露光手段内の走査光学系における色ずれ補正機構の構成を示す斜視図である。
【0022】
図9において、感光体ドラム1上に配設された走査光学系は、ポリゴンモータ61と、ポリゴンモータ61の軸に取り付けられたポリゴンミラー62と、調整用アクチュエータ66および調整用アクチュエータ67により前後上下に可動して鏡面が直角に保持された一対の略ハの字型の折り返しミラー63,64と、最終的に走査光線を感光体ドラム1に照射するための折り返しミラー65とから構成されている。
【0023】
調整用アクチュエータ66は折り返しミラー63,64を前後方向(図9の矢印Cの方向)に水平に移動させ、調整用アクチュエータ67は折り返しミラー63,64を上下方向(図9の矢印Dの方向)に移動させる。そして、これらの調整を行うためのアクチュエータとしては、段階的に直線移動する駆動源であるステップモータを備えたリニアステップアクチュエータ等が用いられる。
【0024】
このような走査光学系において、画像データは半導体レーザ(図示せず)により光変調され、ポリゴンミラー62に入射される。ポリゴンミラー62で反射された走査光線は折り返しミラー63,64,65で順次反射され、感光体ドラム1の表面に照射される。走査光線の照射位置はそれぞれ独立に駆動するポリゴンモータ61、調整用アクチュエータ66、調整用アクチュエータ67によって制御される。
【0025】
以上のように構成された走査光学系により、図5(a)に示す副走査位置ずれおよび図5(b)に示す主走査位置ずれの補正は、各色の露光手段の走査開始のタイミング補正、走査開始のタイミング信号の位相制御、またはポリゴンモータの位相制御等により行われ、図5(c)に示すスキュー誤差の補正および図5(d)に示す倍率誤差の補正は、調整用アクチュエータ66および調整用アクチュエータ67による照射位置調整および光路長調整により行われる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の構成では、色ずれ量を調べるためのレジストレーションパターンをトナー像として中間転写ベルト上に転写し、レーザ光の反射光を検出することによりレジストレーションパターンを検出する際に、レーザ光のスポット径がレジストレーションパターンの幅よりも大きくなければ正しく測定することができない。したがって、レジストレーションパターンの幅に応じてレーザ光のスポット径を適当なものに調整する機構と処理とが必要になる。
【0027】
そこで、本発明は、レーザ光のスポット径を調整することなく正しくレジストレーションパターンを読み取って色ずれ補正を行うことのできるカラー画像形成装置を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明のカラー画像形成装置は、センサが正常にレジストレーションパターンを読み取ることができるレジストレーションパターンのパターン幅をセンサのスポット径の理論値に設定し、レジストレーションパターンの幅とセンサのスポット径とを比較した結果が理論値と略同一であった場合にその幅をレジストレーションパターンのパターン幅に設定する色ずれ検出手段を有する構成としたものである。
【0029】
これにより、レーザ光のスポット径を調整することなく正しくレジストレーションパターンを読み取って色ずれ補正を行うことが可能になる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、センサが正常にレジストレーションパターンを読み取ることができるレジストレーションパターンのパターン幅をセンサのスポット径の理論値に設定し、レジストレーションパターンの幅とセンサのスポット径とを比較した結果が理論値と略同一であった場合にその幅をレジストレーションパターンのパターン幅に設定する色ずれ検出手段を有することを特徴とするカラー画像形成装置であり、レーザ光のスポット径を調整することなく正しくレジストレーションパターンを読み取って色ずれ補正
を行うことが可能になるという作用を有する。
【0031】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、レジストレーションパターンは、色ずれ検出手段が検出可能な最も細いレジストレーションパターンに設定されるカラー画像形成装置であり、トナーの消費量を節約することが可能になるという作用を有する。
【0032】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図3を用いて説明する。なお、これらの図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。
【0033】
図1は本発明の一実施の形態であるカラー画像形成装置を示す説明図、図2はレーザ光のスポット径が読み取り対象よりも小さい場合における図1のカラー画像形成装置に取り付けられた色ずれ検出手段による出力を示す説明図、図3はレーザ光のスポット径が読み取り対象よりも大きい場合における図1のカラー画像形成装置に取り付けられた色ずれ検出手段による出力を示す説明図、図4は図1のカラー画像形成装置によるレジストレーションパターン幅の設定手順を示すフローチャートである。
【0034】
本実施の形態におけるカラー画像形成装置は、図1に示すように、駆動ローラ14a,14bにより回転される中間転写ベルト(中間転写体)7の上部に当接して、4つの画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdが並んで配設されている。それぞれの画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdは、カラー画像形成装置本体に取り付けられた中間転写ベルト7に当接する感光体ドラム(感光体)1a,1b,1c,1dを有している。感光体ドラム1a,1b,1c,1dの周囲には、各感光体ドラム1a,1b,1c,1dに静電荷を与える帯電手段2a,2b,2c,2dが配設されている。
【0035】
画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdの上部には、帯電手段2a,2b,2c,2dにより帯電した各感光体ドラム1a,1b,1c,1dに画像情報に応じたレーザ光3K,3C,3M,3Yを照射して静電潜像を形成するための走査光学系である露光手段3が配設されている。
【0036】
また、各感光体ドラム1a,1b,1c,1dの周囲には、露光により形成された静電潜像を着色トナー粒子で現像し粉体像を形成する現像手段4a,4b,4c,4d、現像手段4a,4b,4c,4dにて形成された各粉体像を各色粉体像の転写位置にて中間転写ベルト7上に重ねて転写合成する転写手段5a,5b,5c,5d、転写手段5a,5b,5c,5dにより前記各粉体像が中間転写ベルト7上に転写した後に各感光体ドラム1a,1b,1c,1d表面の残留トナー粒子をクリーニングし除去するためのクリーニング手段6a,6b,6c,6dがそれぞれ配設されている。
【0037】
中間転写ベルト7は図1に示す矢印Aの方向に移動し、各感光体ドラム1a,1b,1c,1dは、中間転写ベルト7上を滑ることなく図1に示す矢印Bの方向に回転する。
【0038】
そして、画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdでは、それぞれブラック画像、シアン画像、マゼンタ画像、イエロー画像が形成され、これらの単色画像が中間転写ベルト7上に順次重ね転写されてフルカラー画像が形成される。
【0039】
中間転写ベルト7の上部には、各色により形成されるトナー像間のずれを調べるため、複数のセンサによる色ずれ検出手段13が配置されている。また、カラー画像形成装置には、各色毎のレジストレーションパターンを中間転写体ベルト7に形成するレジストレーションパターン発生手段(図示せず)が設けられている。そして、色ずれ検出手段13は、レジストレーションパターン発生手段により形成されたレジストレーションパターンをレーザ光の反射光により検出することによって画像の色ずれを検出するようになっている。
【0040】
装置の下部には、印字用紙などのシート材9が収納された給紙カセット10が設けられている。そして、シート材9は、給紙ローラ8により給紙カセット10から1枚ずつ用紙搬送路に送り出される。
【0041】
用紙搬送路上には、中間転写ベルト7の外周面と所定量にわたって接触し、この中間転写ベルト7上に形成されたカラー画像をシート材9に転写するシート材転写ローラ11、シート材9上に転写されたカラー画像をローラの狭持回転に伴う圧力と熱とによってシート材9に定着する定着器12が配置されている。
【0042】
以上のような構成のカラー画像形成装置において、次にその画像形成動作を説明する。
【0043】
まず画像形成ステーションPaにおいて、帯電手段2aにより感光体ドラム1a表面が静電荷で一様に帯電され、次にレーザ光3Kにより、感光体ドラム1a上にブラック成分の画像情報に対応した静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段4aによりブラックのトナー粒子による粉体像として感光体ドラム1a上に現像され、該粉体像は転写手段5aにより中間転写ベルト7上にブラックトナー像として転写される。
【0044】
転写が終了した感光体ドラム1aの表面は、クリーニング手段6aにより残留トナー粒子が除去され、引き続き行われる次の像形成に備えられる。
【0045】
一方、ブラックトナー像の形成とタイミングを合わせて、これと平行して、画像形成ステーションPbにおいて、帯電手段2bにより感光体ドラム1bの表面が静電荷で一様に帯電され、次にレーザ光3Cにより感光体ドラム1b上にシアン成分の画像情報に対応した静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段4bによりシアンのトナー粒子による粉体像として感光体ドラム1b上に現像され、中間転写ベルト7上に形成された前記ブラックトナー像に重ね合わせて成案トナー像として形成される。
【0046】
同様にして、画像形成ステーションPcによりマゼンタトナー像、画像形成ステーションPdによりイエロートナー像が準じ重ね合わせて中間転写ベルト7上に形成され、合成トナー像が形成される。
【0047】
以上の4色のトナー像の重ね合わせが終了した後、給紙ローラ8により給紙カセット10から給紙された紙等のシート材9上に、中間転写ベルト7に当接して中間転写ベルト7との間にシート材9を挟入する位置に配設された転写ローラ11によって合成トナー像が転写され、定着器12により加熱定着され、シート材9上にカラー画像が形成される。
【0048】
ここで、レーザ光のスポット径82が読み取り対象(レジストレーションパターン)81の線幅よりも小さい場合における色ずれ検出手段13からの出力について、図2を用いて説明する。なお、実際の大きさは、ドットが40〜50μm程度であり、スポット径は100〜1000μm程度である。
【0049】
図2においては、実際はレーザ光のスポット径82は移動せず、読み取り対象81が移動する場合が多いが、説明の便宣上、レーザー光のスポット径82が移動するように表されており、矢印Aはその移動方向を表している。また、図2の下部には、このようなレーザー光のスポット径82に連動した色ずれ検出手段13のセンサによる出力を表しており、一点鎖線Bはしきい値を示す。
【0050】
図2に示すように、レーザー光のスポット径82が読み取り対象81よりも小さい場合には、レーザー光のスポット径82が読み取り対象81にかかった時点Xにおいてセンサ出力が上昇を始め、ある程度の値まで上昇した後、その状態を保つ。そしてレーザー光のスポット径82が読み取り対象81から外れる時点Yにおいてセンサ出力が下がり始める。そこで、しきい値Bを用いて、しきい値B以上の出力があった時間を計測することにより、対象となる読み取り対象81の幅を識別することが可能になる。
【0051】
次に、レーザ光のスポット径82が読み取り対象81の線幅よりも大きい場合について図3を用いて説明する。
【0052】
図3においては、実際はレーザ光のスポット径82は移動せず、読み取り対象81が移動する場合が多いが、説明の便宣上、レーザー光のスポット径82が移動するように表されており、矢印Aはその移動方向を表している。また、図3の下部には、このようなレーザー光のスポット径82に連動した色ずれ検出手段13のセンサによる出力を表しており、一点鎖線Bはしきい値を示す。
【0053】
図3に示すように、レーザー光のスポット径82が読み取り対象81よりも大きい場合には、図2と同様に、レーザー光のスポット径82が読み取り対象81にかかった時点Xにおいてセンサ出力が上昇を始めるが、充分にセンサ出力が上昇しないうちに、レーザー光のスポット径82が読み取り対象81から外れる時点Yに到達してセンサ出力が下がり始める。そのため、しきい値Bを越える出力が十分に得られず、正しく読み取り対象81の線幅をとらえることができない。
【0054】
これを回避するために、しきい値を下げることも考えられるが、ある程度以上の値をしきい値として設定しているのは、ゴミなどのノイズに反応しないためであるため、当該しきい値を下げて対処するのは好ましくない。
【0055】
そこで、本発明においては、あらかじめ様々な太さの線の読み取り対象を描画しておき、その線幅をセンサで読み取り、その読み取り結果が理論値と等しいならば、センサが正しく読めている、すなわちレーザー光のスポット径82がその幅の読み取り対象81に対して適切なものとなっていると判断し、以降はその幅でレジストレーションパターンを描画するようになっている。
【0056】
以下、このような一連の処理について図4を用いて説明する。
【0057】
先ず、初期値として、レジストレーションパターンの線幅の初期値を変数iに、レジストレーションパターンの線幅の最大値を変数Nに設定する(ステップS1)。なお、これらの値は通常整数であり、装置構成によって決められる。また、初期値として、1ライン幅の線を読み取った際のセンサの理論値を変数Yに設定する(ステップS1)。実際には、センサのスポット径によっては1ライン幅のものは読み取れない場合が多いが、ここでは読み取れた場合に得られるであろう理論値を用いる。さらに、初期値として、線幅の増分を変数Mに設定する(ステップS1)。この増分は通常1とするが、処理の高速化や装置構成等により2以上が適切な場合は適当な値を用いる。
【0058】
次に、線幅iのパターンをレジストレーションパターン形成と同様の手順をもって描画する(ステップS2)。
【0059】
そして、このパターンをセンサで読み取り、センサの出力結果とi×Yの値、すなわち線幅iの線をセンサで読み取った場合の理論値と比較する(ステップS3)。
【0060】
比較の結果、両者がほぼ同じであれば、以降は線幅iが適切な線幅であるとみなし、この線幅iでレジストレーションパターンを描画する(ステップS6)。また、両者の比較結果が異なったものであった場合は、この線幅iで描画されたものは現在のレーザ光のスポット径では正常に読み取れないものと判断し、線幅iを増分Mだけ増加させる(ステップS4)。そして、線幅が最大幅を超えているかどうかを判別し(ステップS5)、最大幅を超えていれば、規定の変動幅内においてセンサが正常に読み取れなかった、すなわちセンサ関連に何らかのエラーが起きたものとしてエラー処理を行う(ステップS7)。
【0061】
そして、本処理を終了もしくは回復するようであれば、最初から本処理をやり直す。また、線幅が最大幅を超えていなければ、ステップS2に戻り処理を継続する。
【0062】
ここで、線幅の増分を最小のもの(通常は1ライン)として設定すれば、結果として、センサのスポット径に適した最小幅のものでレジストレーションパターンが描かれることとなり、トナーの使用量を最小に抑えることが可能となる。
【0063】
このように、本実施の形態のカラー画像形成装置によれば、レーザ光の反射光によるレジストレーションパターンの読み取り結果をレジストレーションパターンの読み取り理論値と比較することによりレジストレーションパターンを検出して画像の色ずれを検出しているので、レーザ光のスポット径を調整することなく正しくレジストレーションパターンを読み取って色ずれ補正を行うことができる。
【0064】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、レーザ光の反射光によるレジストレーションパターンの読み取り結果をレジストレーションパターンの読み取り理論値と比較することによりレジストレーションパターンを検出して画像の色ずれを検出しているので、レーザ光のスポット径を調整することなく正しくレジストレーションパターンを読み取って色ずれ補正を行うことが可能になるという有効な効果が得られる。
【0065】
これにより、印字品質の高い画像を得ることが可能になるという有効な効果が得られる。
【0066】
また、色ずれ検出手段が検出可能な最も細いレジストレーションパターンに設定すれば、トナーの消費量を節約することが可能になるという有効な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるカラー画像形成装置を示す説明図
【図2】レーザ光のスポット径が読み取り対象よりも小さい場合における図1のカラー画像形成装置に取り付けられた色ずれ検出手段による出力を示す説明図
【図3】レーザ光のスポット径が読み取り対象よりも大きい場合における図1のカラー画像形成装置に取り付けられた色ずれ検出手段による出力を示す説明図
【図4】図1のカラー画像形成装置によるレジストレーションパターン幅の設定手順を示すフローチャート
【図5】カラー画像形成装置における色ずれの種類を示す説明図
【図6】従来のカラー画像形成装置における色ずれ検出部の構成を示す説明図
【図7】従来のカラー画像形成装置における中間転写ベルト上のレジストレーションパターンと位置ずれ検出部の配置を示す説明図
【図8】従来のカラー画像形成装置における中間転写ベルト上のレジストレーションパターンと色ずれ検出部の配置と色ずれ検出部の出力信号とを示す説明図
【図9】従来の露光手段内の走査光学系における色ずれ補正機構の構成を示す斜視図
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d 感光体ドラム(感光体)
2a,2b,2c,2d 帯電手段
3 露光手段
3K,3C,3M,3Y レーザ光
4a,4b,4c,4d 現像手段
5a,5b,5c,5d 転写手段
7 中間転写ベルト(中間転写体)
13 色ずれ検出手段
Claims (1)
- センサが正常にレジストレーションパターンを読み取ることができるレジストレーションパターンのパターン幅をセンサのスポット径の理論値に設定し、レジストレーションパターンの幅とセンサのスポット径とを比較した結果が理論値と略同一であった場合にその幅をレジストレーションパターンのパターン幅に設定する色ずれ検出手段を有することを特徴とするカラー画像形成装置。
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