JP3653936B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ファクシミリ装置、複写機、プリンタ等に適用される電子写真式の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真式の画像形成装置においては、感光体としての感光ドラムの周囲に、帯電器、露光器、現像器及び転写ローラが、感光ドラムの回転方向に沿って順に配設されている。そして、印字動作時には感光ドラムが回転されながら、帯電器により感光ドラムの外周面が一様に帯電され、露光器により感光ドラムの外周面に光が照射されて静電潜像が形成される。さらに、この感光ドラムの静電潜像には現像器によりトナーが付着されてトナー画像が形成され、そのトナー画像が転写ローラにより記録紙上に転写されるようになっている。
【0003】
また、この種の画像形成装置では、電源スイッチがオンされた場合等において、感光ドラムが少なくとも一回転され、印字動作に先立って前回転処理が行われるようになっている。すなわち、この前回転処理時には、帯電器により感光ドラムの外周全体が一様に帯電されるとともに、感光ドラムの外周に残留するトナーが、メモリ除去ブラシにより掻き乱されて感光ドラム上に一様に分散され、その後に残留トナーが静電吸引力により感光ドラム上から現像器に回収されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この画像形成装置においては、例えば、紙詰まりの除去の際、ドラム上に未転写のトナーがあるときなど、そのトナーが転写ローラの外周面に付着する。そして、転写ローラの外周面にトナーが付着すると、そのトナーが記録紙の裏面に付着して、記録紙の裏面を汚すという問題があった。
【0005】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、印字動作の前回転処理時に、プラス電位の逆チャージトナーを転写ローラから回収除去することができて、印字動作時に記録紙の裏面が汚れるおそれを防止することができる画像形成装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、感光体と、該感光体を帯電させるものであって印字動作時にはマイナスのバイアス電圧が印加される帯電器と、前記感光体にトナーを付着させてトナー画像を形成するものであって印字動作時にはマイナスのバイアス電圧が印加される現像器と、感光体に対して対向するように配設されており、記録紙を前記感光体に密着させて所定のプラスのバイアス電圧が印加されることで前記トナー画像を前記記録紙上に転写する転写ローラとを備えた画像形成装置において、印字動作に先立って実行される前回転処理時に、前記転写ローラにプラスのバイアス電圧を印加するように制御し、前記帯電器のバイアス電圧を前回転処理時の最初からマイナスにし、前記現像器のバイアス電圧を前回転処理時の最初はプラスにするとともに、その後にプラスからマイナスに切り換えるように制御する制御手段を設けたものである。
【0007】
請求項2に記載の発明では、感光体と、該感光体を帯電させるものであって印字動作時にはマイナスのバイアス電圧が印加される帯電器と、前記感光体にトナーを付着させてトナー画像を形成するものであって印字動作時にはマイナスのバイアス電圧が印加される現像器と、感光体に対して対向するように配設されており、記録紙を前記感光体に密着させて所定のプラスのバイアス電圧が印加されることで前記トナー画像を前記記録紙上に転写する転写ローラとを備えた画像形成装置において、印字動作に先立って実行される前回転処理時に、前記転写ローラにプラスのバイアス電圧を印加するように制御し、前記帯電器のバイアス電圧を前回転処理時の途中まで0にするとともに、その後にマイナスに変更し、前記現像器のバイアス電圧を前回転処理時の最初はプラスにするとともに、前記帯電器のバイアス電圧の変更後にプラスからマイナスに切り換えるように制御する制御手段を設けたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下に、この発明の第1の実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0010】
図1及び図2に示すように、装置ケース11の内部には、外周面に光導電膜を有する感光体としての感光ドラム12が配設され、装置ケース11を介してアースされている。そして、この感光ドラム12は、ドラムユニット18外に設けられた後述する駆動モータ42により、図2に矢印A1で示す方向へ回転されるようになっている。
【0011】
前記感光ドラム12の周囲には、帯電器13、露光器14、現像器ユニット15、転写ローラ16及びメモリ除去ブラシ17が、感光ドラム12の回転方向A1に沿って順に配設されている。前記帯電器13は、軸の外周に多数の導電性刷毛体を植設してなるブラシローラ式となっている。そして、この帯電器13は印字動作時に、所定のバイアス電圧が印加された状態で回転されて、感光ドラム12の外周面を約−750Vに一様に帯電させるようになっている。
【0012】
前記露光器14は多数のLEDを配設してなり、入力された画データに基づき感光ドラム12の外周面に光を照射する。そして、この光の照射に伴い、感光ドラム12の外周面において、光が照射された部位(画データの黒に対応する部分)の電位が約−50V程度になり、光の照射部位と非照射部位(画データの白に対応する部分)との間で電位差が生じる。その結果、感光ドラム12の外周面には、画データに対応する静電潜像が形成されるようになっている。
【0013】
前記現像器ユニット15は、トナー19を貯留するためのトナーケース20と、そのトナーケース20内の下部に配置された供給ローラ21と、その供給ローラ21と感光ドラム12との間に位置するようにトナーケース20の下端開口部に配置された現像ローラ22とを備えている。そして、現像ローラ22は供給ローラ21及び感光ドラム12の外周面に接触され、この状態で供給ローラ21及び現像ローラ22が、現像器ユニット15外に設けられた図示しない駆動モータによって、図2にそれぞれ矢印A2、矢印A3で示す方向へ回転されるようになっている。
【0014】
前記供給ローラ21は、ステンレス鋼等の金属製の軸21aと、その軸21aの周囲に取り付けられた導電性を有する発泡ウレタン等の発泡体層21bとにより構成されている。そして、供給ローラ21には印字動作時に、所定のバイアス電圧(−400〜−600V、好ましくは約−500V)が印加されるようになっている。
【0015】
前記現像ローラ22は、ステンレス鋼等の金属製の軸22aと、その軸22aの周囲に取り付けられた導電性を有するゴム層22bとにより構成されている。また、この導電性を有するゴム層22bの形成には、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR)、シリコンゴム或いはウレタンゴムが好適に使用できる。そして、現像ローラ22には印字動作時に、所定のバイアス電圧(−200〜−400V、好ましくは−300V)が印加されるようになっている。
【0016】
前記トナーケース20内には攪拌体23が回転可能に配設されている。そして、この攪拌体23が図示しない駆動モータにより回転されて、トナーケース20内のトナー19を攪拌するようになっている。
【0017】
前記トナーケース20の下端開口部には、規制ブレード24が現像ローラ22の外周面に弾性接触可能に取り付けられ、現像ローラ22の外周面に付着したトナー19の層厚を均一化するようになっている。また、この規制ブレード24は、導電性を有するゴム製または金属製の弾性材料、好ましくはウレタンゴムシート或いはステンレス鋼製の板材からなっている。さらに、この規制ブレード24には印字動作時に、所定のバイアス電圧(−200〜−700V、好ましくは約−400V)が印加されるようになっている。
【0018】
そして、印字動作時においては、前記現像器ユニット15における供給ローラ21及び現像ローラ22が摩擦接触しながら回転されるとともに、それらのローラ21,22にバイアス電圧が印加される。これによって、両ローラ21,22間においてトナー19に電荷がチャージされる。
【0019】
また、供給ローラ21の回転に伴い、同ローラ21の発泡体層21bにおける気孔内に充填されたチャージトナー19が現像ローラ22側に移送される。すなわち、供給ローラ21と現像ローラ22との圧接部では、両ローラ21,22の電位差に基づき、トナー19が供給ローラ21から現像ローラ22へ移動して、現像ローラ22の外周面に付着する。
【0020】
そして、現像ローラ22の外周面に付着したトナー19は、現像ローラ22の回転に伴い、規制ブレード24を経て感光ドラム12側に移送される。また、この現像ローラ22上のトナー19は、規制ブレード24を通過するとき、そのブレード24によって層厚が均一にされる。
【0021】
さらに、現像ローラ22上のトナー19は、規制ブレード24により約−650Vに帯電される。このため、現像ローラ22上のトナー19が感光ドラム12上に接触すると、そのトナー19と感光ドラム12上の静電潜像との電位差に基づき、トナー19が静電潜像に吸着されて、感光ドラム12上にトナー画像が形成される。
【0022】
図1に示すように、装置ケース11の下部には給紙カセット25が着脱可能に装着されている。この給紙カセット25内には、用紙としての多数枚の記録紙26が積層状態で収容されている。そして、ピックアップローラ27の回転に伴い、記録紙26が給紙カセット25内から1枚ずつ繰り出されて、用紙ガイド28及び各一対の搬送ローラ29,30を介して、前記感光ドラム12と転写ローラ16との間に送り込まれるようになっている。
【0023】
図1,図2に示すように、前記転写ローラ16は、記録紙搬送経路を挟んで感光ドラム12の外周面と接触するように配置され、図示しない駆動モータにより回転されるようになっている。また、この転写ローラ16は、ステンレス鋼等の金属製の軸16aと、その軸16aの周囲に取り付けられた導電性を有する発泡ウレタン等の発泡体層16bとにより構成されている。さらに、この転写ローラ16には印字動作時に、所定のプラスのバイアス電圧(500V〜4kV程度)が印加されるようになっている。
【0024】
そして、前記感光ドラム12と転写ローラ16との間に送り込まれた記録紙26は、転写ローラ16によって感光ドラム12の外周面に密着される。これによって、記録紙26の裏面側が、電圧印加された転写ローラ16に接触することになる。すると、感光ドラム12側と転写ローラ16側との電位差に基づいて、感光ドラム12上のトナー画像が記録紙26に向かって引き寄せられて、その記録紙26上に転写される。このように、トナー画像が転写された後の記録紙26は、感光ドラム12及び転写ローラ16の回転によって、定着ユニット31に向かって送り出される。
【0025】
前記定着ユニット31は、感光ドラム12の記録紙送り出し側に位置するように装置ケース11内に配設され、加熱ローラ31aと、その加熱ローラ31aに記録紙搬送経路を挟んで圧接される加圧ローラ31bとを有している。そして、記録紙26が用紙ガイド32を経て加熱ローラ31aと加圧ローラ31bとの間に送り込まれることにより、トナー中の樹脂成分が溶融されて記録紙26上に融着される。その結果、記録紙26上にトナー画像が永久像として定着される。その後、記録紙26は一対の排出ローラ33によって、装置ケース11外に排出される。
【0026】
前記メモリ除去ブラシ17は導電性ブラシから構成されている。また、このメモリ除去ブラシ17には印字動作時に、所定のプラスのバイアス電圧が印加されるようになっている。そして、トナー画像の転写後の感光ドラム12の外周面が、感光ドラム12の回転に伴ってメモリ除去ブラシ17と対向する位置に移動される。このとき、感光ドラム12の外周面に残留している若干の未転写トナーが、メモリ除去ブラシ17により掻き乱されて、感光ドラム12の外周面上に一様に分散される。
【0027】
さらに、この分散された残留トナーは、感光ドラム12の回転に伴い帯電器13と対向する位置に搬送され、その帯電器13によって約−750Vに帯電される。その後、この残留トナーは、感光ドラム12の回転に伴い現像器ユニット15の現像ローラ22と対向する位置に搬送され、現像ローラ22との電位差に基づき、その現像ローラ22に吸着されてトナーケース20内に戻される。言い換えれば、現像器ユニット15は、現像動作と並行して、メモリ除去ブラシ17により分散された残留トナーを回収するクリーニング動作も行う。
【0028】
次に、この画像形成装置の主要構成部分の回路構成について説明する。
図3に示すように、CPU(中央処理装置)36には、装置全体の動作を制御するプログラムを記憶したROM(リードオンリメモリ)37と、各種データを一時的に記憶するRAM(ランダムアクセスメモリ)38とが接続されている。そして、このCPU36、ROM37及びRAM38により、制御手段が構成されている。
【0029】
前記CPU36には入出力インターフェース回路39が接続されている。入出力インターフェース回路39には操作パネル40が接続され、操作パネル40は電源スイッチや各種の操作キーを備えている。そして、この操作パネル40上の電源スイッチや操作キーが操作されたとき、入出力インターフェース回路39を介して、CPU36に操作信号が入力される。
【0030】
前記CPU36は、入出力インターフェース回路39及びドライバ41を介して、感光ドラム12を回転させるための駆動モータ42に駆動信号を出力する。また、CPU36は、入力された画データに基づき、入出力インターフェース回路39を介して、露光器14のLEDに発光信号を出力する。さらに、CPU36は、入出力インターフェース回路39及び高圧発生回路(HVPS)43,44,45,46を介して、前記転写ローラ16、メモリ除去ブラシ17、帯電器13及び現像器ユニット15に、所定のバイアス電圧を所定のタイミングで印加する。しかも、CPU36は、入出力インターフェース回路39及びドライバ47を介して、前記定着ユニット31にオンオフ信号を出力する。
【0031】
そして、前記CPU36は、操作パネル40上の電源スイッチがオンされたとき、駆動モータ42を駆動させて感光ドラム12を少なくとも一回転させ、印字動作に先立って前回転処理を行わせる。また、CPU36はこの前回転処理時において、図4に示すように、転写ローラ16に対してプラスのバイアス電圧を印加する。
【0032】
さらに、前記CPU36は、帯電器13に対して、前回転処理時の最初からマイナスのバイアス電圧を印加する。しかも、CPU36は、現像器ユニット15の供給ローラ21、現像ローラ22及び規制ブレード24に印加するバイアス電圧を、前回転処理時の最初はプラスにするとともに、前回転処理の開始から所定時間T1を経過した時点で、プラスからマイナスに切り換える。
【0033】
また、前記現像ユニット15のバイアス電圧の切り換えまでの所定時間T1は、帯電器13にて帯電された感光ドラム12上の帯電部分が現像器ユニット15との対応位置に回転移行されるまでの時間と一致するように、入出力インターフェース39に接続されたタイマ48により設定されている。そして、前回転処理の開始と同時に、このタイマ48が起動され、帯電器13により帯電された感光ドラム12上の帯電部分が現像器ユニット15との対応位置に回転移行された時点で、タイムアップするようになっている。なお、この実施形態では、タイマ48の設定時間T1が約1.5秒になっている。
【0034】
次に、前記のように構成された画像形成装置の動作を説明する。
さて、この実施形態の画像形成装置において、操作パネル40上の電源スイッチがオンされると、駆動モータ42の駆動により、感光ドラム12が少なくとも一回転され、印字動作に先立って前回転処理が行われる。この前回転処理においては、図3及び図4に示すように、高圧発生回路43から転写ローラ16に、プラスのバイアス電圧が印加される。このとき、感光ドラム12の転写ローラ16と対向する部分はゼロ電位であるため、転写時に転写ローラ16上に落下して残留しているプラス電位の逆チャージトナーは、感光ドラム12上へ移行して、その感光ドラム12に付着する。
【0035】
また、この前回転処理には、高圧発生回路45から帯電器13に、バイアス電圧が印加される。この帯電器13に対するバイアス電圧は、前回転処理時の最初からマイナスになっている。このため、感光ドラム12の回転に伴い、その感光ドラム12のマイナス帯電部分が転写ローラ16と対向すると、両ローラ12,16間の電位差がより大きくなる。従って、転写ローラ16上の逆チャージトナーの感光ドラム12側への移行が一層確実に行われる。一方、前回転処理の実行開始とともに、高圧発生回路46から現像器ユニット15にプラスのバイアス電圧が印加されるとともに、タイマ48が起動される。
【0036】
そして、前記タイマ48の起動後に所定時間T1が経過して、回転ドラム12の回転に伴い、帯電器13にてマイナスに帯電された感光ドラム12上の帯電部分が現像器ユニット15との対応位置まで回転移行されると、タイマ48がタイムアップする。すると、図4に示すように、現像器ユニット15に対するバイアス電圧が、プラスからマイナスに切り換えられる。
【0037】
このため、前回転の初期、すなわち、感光ドラム12のゼロ電位部分と現像器ユニット15とが対応している間、現像器ユニット15から感光ドラム12側へのトナー移動が抑制される。そして、前記のように所定時間T1経過後、感光ドラム12のマイナス帯電部分が現像器ユニット15に対応すると、現像器ユニット15がマイナスに切り替えられる。引き続き、逆チャージトナーの付着部分が現像器ユニット15に対応すると、その逆チャージトナーがマイナス電圧が印加されている現像器ユニット15に回収される。
【0038】
前回転処理が終了し、装置が待機モードに移行すると、転写ローラ16の電位がゼロになる。尚、この前回転処理においては、メモり除去ブラシ17はゼロ電位に維持される。
【0039】
前記の実施形態によって期待できる効果について、以下に記載する。
・ この実施形態の画像形成装置においては、印字動作の前回転処理時に、転写ローラ16にプラスのバイアス電圧が印加されるようになっている。このため、転写ローラ16の外周面にトナーが付着している場合には、その転写ローラ16上の逆チャージトナーが感光ドラム12上に回収された後、その感光ドラム12上から現像器ユニット15に回収される。従って、その後の印字動作時に、転写ローラ16に付着しているトナーにより、記録紙26の裏面が汚れるおそれを防止することができる。
【0040】
・ この実施形態の画像形成装置においては、帯電器13のバイアス電圧が、前回転処理時の最初からマイナスにされるようになっている。このため、プラスのバイアス電圧が印加される転写ローラ16と、帯電器13により帯電される感光ドラム12との電位差を大きくすることができて、転写ローラ16から感光ドラム12への逆チャージトナーの回収率を高めることができる。
【0041】
・ この実施形態の画像形成装置においては、現像器のバイアス電圧が、前回転処理時の最初はプラスにされるとともに、その後にプラスからマイナスに切り換えるようになっている。従って、現像器ユニット15から感光ドラム12への不要なトナーの移行を防止できる。
【0042】
・ この実施形態の画像形成装置においては、帯電器13にマイナスのバイアス電圧が印加され始めた後、現像器ユニット15のバイアス電圧がプラスからマイナスに切り換えられるまでの時間T1が、タイマ48により設定されるようになっている。このため、感光ドラム12の回転速度等に応じて、現像器ユニット15のバイアス電圧の切り換えタイミングを、容易に設定変更することができる。
【0043】
(第2の実施形態)
次に、この発明の第2の実施形態を、図5に基づいて説明する。
さて、この第2実施形態においては、前述した第1の実施形態と同様に、印字動作の前回転処理時に、転写ローラ16に対してプラスのバイアス電圧が印加されるようになっている。また、帯電器13に対するバイアス電圧は、前回転処理時の途中まで0になっているとともに、その後にマイナスに変更されるようになっている。さらに、現像器ユニット15に対するバイアス電圧は、前回転処理時の最初はプラスにされるとともに、帯電器13のバイアス電圧の変更後に所定時間T1を経過したとき、プラスからマイナスに切り換えるようになっている。
【0044】
なお、この現像ユニット15のバイアス電圧の切り換え所定時間T1は、前記第1の実施形態と同様に、タイマ48により設定され、帯電器13にて帯電された感光ドラム12上の帯電部分が現像器ユニット15との対応位置に回転移行されるまでの時間と一致するようになっている。
【0045】
従って、この第2の実施形態においても、前述した第1の実施形態と同様に、印字動作の前回転処理時に、転写ローラ16に付着している逆チャージトナーを回収除去することができて、その後の印字動作時に、記録紙26の裏面が汚れるおそれを防止することができる。
【0046】
また、この第2の実施形態においては、前回転処理時の途中まで、帯電器のバイアス電圧が0になっているため、転写ローラ16から感光ドラム12上に回収された逆チャージトナーが、感光ドラム12上から帯電器13側に移動して、その帯電器13に付着するのを防止することができる。しかも、前回転処理時の途中までは、感光ドラム12と現像器ユニット15との電位差が抑えられるため、現像器ユニット15から感光ドラム12上に、トナーが飛ぶのを防止することもできる。
【0047】
(第3の実施形態)
次に、この発明の第3の実施形態を、図6に基づいて説明する。
さて、この第3の実施形態においては、前回転処理の開始時に、転写ローラ16に対してプラスのバイアス電圧が印加され、その後にこのバイアス電圧が、プラスからゼロに変更されるようになっている。また、帯電器13に対するバイアス電圧は、前回転処理時の途中までゼロになっているとともに、転写ローラ16のバイアス電圧の変更後に、マイナスに変更されるようになっている。さらに、現像器ユニット15に対するバイアス電圧についても、第2の実施形態と同様に、前回転処理時の最初はプラスにされるとともに、帯電器13のバイアス電圧の変更後に所定時間T1を経過したとき、プラスからマイナスに切り換えるようになっている。
【0048】
従って、この第3の実施形態においても、前述した第2の実施形態とほぼ同様の効果を発揮させることができる。
なお、この発明は、次のように変更して具体化することも可能である。
【0049】
・ 図3に鎖線で示すように、装置ケース11内の温度及び湿度を検出するセンサ49を設け、このセンサ49の検出データに基づいて、転写ローラ16、帯電器13、現像器ユニット15に対するバイアス電圧及びその印加タイミングを調整できるように構成すること。
【0050】
・ 前回転処理時において、転写ローラ16に対しプラスのバイアス電圧を印加する際に、その印加の開始から終了までの時間を調整できるように構成すること。
【0051】
・ 印字動作の開始時、及び印字動作終了後の後回転処理時においても、前回転処理時と同様に、転写ローラ16、帯電器13及び現像ユニット15に対して、前述した各実施形態に示すようなバイアス電圧が付与されるように構成すること。
【0052】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
【0053】
請求項1に記載の発明によれば、前回転処理時に、プラスのバイアス電圧が印加される転写ローラと、帯電器により帯電される感光体との電位差を大きくすることができて、転写ローラから感光体への逆チャージトナーの回収率を高めることができる。
【0054】
請求項2に記載の発明によれば、転写ローラから感光体上に回収された逆チャージトナーが、帯電器に移動付着するのを防止することができるとともに、現像器から感光体上に、トナーが飛ぶのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施形態の画像形成装置を示す縦断面図。
【図2】 その画像形成装置の要部を拡大して示す部分断面図。
【図3】 画像形成装置の回路構成を示すブロック図。
【図4】 前回転処理時の動作を説明するタイムチャート。
【図5】 第2の実施形態の前回転処理時の動作を示すタイムチャート。
【図6】 第3の実施形態の前回転処理時の動作を示すタイムチャート。
【符号の説明】
12…感光体としての感光ドラム、13…帯電器、14…露光器、15…現像器ユニット、16…転写ローラ、19…トナー、26…記録紙、36…制御手段を構成するCPU、37…制御手段を構成するROM、38…制御手段を構成するRAM。
Claims (2)
- 感光体と、該感光体を帯電させるものであって印字動作時にはマイナスのバイアス電圧が印加される帯電器と、前記感光体にトナーを付着させてトナー画像を形成するものであって印字動作時にはマイナスのバイアス電圧が印加される現像器と、感光体に対して対向するように配設されており、記録紙を前記感光体に密着させて所定のプラスのバイアス電圧が印加されることで前記トナー画像を前記記録紙上に転写する転写ローラとを備えた画像形成装置において、
印字動作に先立って実行される前回転処理時に、前記転写ローラにプラスのバイアス電圧を印加するように制御し、前記帯電器のバイアス電圧を前回転処理時の最初からマイナスにし、前記現像器のバイアス電圧を前回転処理時の最初はプラスにするとともに、その後にプラスからマイナスに切り換えるように制御する制御手段を設けた画像形成装置。 - 感光体と、該感光体を帯電させるものであって印字動作時にはマイナスのバイアス電圧が印加される帯電器と、前記感光体にトナーを付着させてトナー画像を形成するものであって印字動作時にはマイナスのバイアス電圧が印加される現像器と、感光体に対して対向するように配設されており、記録紙を前記感光体に密着させて所定のプラスのバイアス電圧が印加されることで前記トナー画像を前記記録紙上に転写する転写ローラとを備えた画像形成装置において、
印字動作に先立って実行される前回転処理時に、前記転写ローラにプラスのバイアス電圧を印加するように制御し、前記帯電器のバイアス電圧を前回転処理時の途中まで0にするとともに、その後にマイナスに変更し、前記現像器のバイアス電圧を前回転処理時の最初はプラスにするとともに、前記帯電器のバイアス電圧の変更後にプラスからマイナスに切り換えるように制御する制御手段を設けた画像形成装置。
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JP15975597A JP3653936B2 (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | 画像形成装置 |
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JP15975597A JP3653936B2 (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | 画像形成装置 |
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Family Applications (1)
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