JP3653675B2 - パッド戻し機構を備えたパッドクリップ - Google Patents

パッド戻し機構を備えたパッドクリップ Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はパッドクリップに係り、特に摩擦パッドの摩耗防止のためにパッド側端面とサポートとの間に装着されるパッドクリップに対して、パッドを非制動位置に戻してディスクロータとの間にクリアランスを形成させる機能を持たせたパッド戻し機構を備えたパッドクリップに関する。
【0002】
【従来の技術】
ディスクブレーキでは液圧シリンダの操作によりインナパッドとアウタパッドとをディスクロータの表裏面に押し付け圧着して制動作用を行わせる。そして制動操作を解除したときには、パッドの引き摺り現象を防止するため、パッドをディスクロータから離反させて両者の間に所定のクリアランスを形成させる必要がある。
【0003】
従来、摩擦パッドを非制動位置に戻すために、実公平5−47300号公報に示されるように、ロータ外縁とキャリパ内面との隙間部分に配置され、キャリパ内面に沿ってV字状に形成されたばねを配置するとともに、ばね先端を一対の摩擦パッドの上縁にそれぞれ係合させ、V字ばねの弾圧開脚作用によって一対の摩擦パッドの間隔を押し開くように作動させる構造のものが一般的に用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前者のV字ばねによるパッド戻し装置では、制動解除時にパッドおよびピストンが戻され過ぎてしまい、次の制動時にピストンストロークが長くなることにより、制動遅れが発生してしまう問題があった。
【0005】
また、上記従来の構造では、パッド戻しばねの作用点はパッドの上端縁であるが、パッドとサポート間の摺動抵抗が存在するため、パッド戻しがロータ面と平行に行われず、ロータ面に対して傾くことがあり、引き摺りトルクの発生やロータへのパッド衝突を生ずることがあった。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に着目し、第1に制動解除の際に過剰なパッド戻し移動が生じないようにして次の制動時の制動遅れのない構造としたパッド戻し機構を備えたパッドクリップを提供することを目的とする。第2には、パッドの戻し力を確実に発生させることができると同時に、過剰な戻し移動が生じないようにしたパッド戻し機構を備えたパッドクリップを提供することを目的とする。更に、第3には、パッド戻し移動に際して戻しばねがパッドを平行に移動させることができるようにして、パッド引き摺り等による不具合が生じないようにしたパッド戻し機構を備えたパッドクリップを提供することを目的とする。また、第4には、パッドクリップを確実にサポート側に取付けることができ、これによって大きな戻し力を戻しばね部に与えることができるパッド戻し機構を備えたパッドクリップを提供することを目的とする。更に、第5には、クリップと戻しばね機構部との摺動を円滑にしてパッド移動抵抗を小さくし、応答性を向上させることができるパッド戻し機構を備えたパッドクリップを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るパッド戻し機構を備えたパッドクリップは、第1に、摩擦パッドと当該摩擦パッドからの制動力を支承するサポートアンカ部との間に装着され、前記摩擦パッドをディスクロータから離反する方向に付勢するパッド戻し機構を備えたパッドクリップにおいて、前記摩擦パッドと前記サポートアンカ部とが嵌め合わされる嵌合部に沿うクランク曲げ部が設けられ、且つ前記サポートアンカ部に装着されるクリップ本体を有し、前記パッド戻し機構は、前記クリップ本体から前記クランク曲げ部に対面するよう延長して、前記ディスクロータから離反する方向へ付勢される戻しばね部と、前記戻しばね部の先端部を前記クランク曲げ部と相似形状に形成して前記摩擦パッドの嵌合部と接合させ、前記摩擦パッドを保持するパッド係合片とから構成し、前記パッド係合片もしくは戻しばね部とこれに対面する前記クリップ本体とのいずれか一方にストッパ突起を形成するとともに、他方に当該突起のロータ軸方向の長さよりも所定の長さだけ長いストッパ穴を形成し、これらの係合により前記摩擦パッドの所定以上の戻り移動を規制した構成としたものである。
この場合、前記ストッパ突起と前記ストッパ穴とは、ディスクロータ径方向における前記摩擦パッドの幅の中央に設定した構成にできる。
【0008】
第2は、前記パッド戻し機構の前記パッド係合片とアンカ部クリップ本体部との接合面部分に摺動部材を配置したものである。
【0009】
【作用】
上記構成によれば、クリップ本体から延長される戻しばね部の延長端に形成されたパッド係合片はパッドに係合して戻り移動をなすが、このパッド係合片と対面するクリップ本体との間にストッパ部を設け、パッド係合片の移動を規制するようになっているため、大きな戻り力を与えてもこのストッパ部によって摩擦パッドが過剰に戻されることがない。したがってピストンのシールによって構成されるオートマチックアジャスタによる戻し移動範囲を越えてパッドを戻すことが防止されるため、次の制動操作に際して制動遅れとなることがない。
【0010】
この構成において、ストッパ部をアンカ部の中央高さ位置に設定することにより、パッドへの戻し力は上下均等に与えられ、パッド係合片が捩れたりすることによるコジリが発生しないものとなる。このため、パッドはロータ面と平行を維持して移動されるため、偏摩耗等の不具合を生じることが防止される。
【0011】
更に、第2の発明構成によれば、パッドの戻し移動時にパッド係合片がサポートアンカ部のクリップ面と摺動する際、両者の間に樹脂シートを配置するため、摺動抵抗を大幅に低減することができる。そして、介在させた樹脂シートはパッド係合片とアンカ部クリップ本体部のいずれかまたは両者に形成した脱落防止用の切り起こし爪により保持するように構成することで、ブレーキ装置への組み付け状態では外れることがなく、これにより特別な固定保持手段を設ける必要が無くなる。この場合において、切り起こし爪はパッド係合片の移動方向の前後に設けるが、その一方を第1の発明構成によるストッパ突起により兼用させるようにすることにより構造を簡易化することができる。
【0012】
また、戻しばね部をサポートアンカ部の表裏面を挟み付けるクリップ本体側の挟着片の先端部を延長して形成するようにできる。この戻しばね部を湾曲形成することにより前記アンカ部のクリップ面に向けて延在させて形成し、前記アンカ部挟着片による挟着接点を基端として前記パッド係合片への戻し付勢力を発生させると、クリップ本体をサポートアンカ部に確実に固定させた状態で大きな戻し力を戻しばねに付加することができる。これによってクリップのサポートアンカ部への取付と、パッド戻し機構との併用が図れると同時に、パッドを戻し移動させる大きなばね付勢力を発生させて確実にパッドを戻し移動させることができる。このとき、前述した第1の発明構成のストッパ部を併用することで、過剰な戻し移動を防ぎつつ確実にパッドを戻し移動できるものとなる。
【0013】
【実施例】
以下に、本発明に係るパッド戻し機構を備えたパッドクリップの具体的実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1は実施例に係るパッド戻し機構を備えたパッドクリップ10の斜視図、図2は正面図および部分拡大断面図である。まず、図に示すように、実施例のパッドクリップ10が装着されるディスクブレーキは、摩擦パッド12の外側端面に凸部14を形成し、これをサポート16に形成したアンカ凹部18に嵌合させるようにしており、これらの嵌合部によって制動作用によるパッド回転をサポート16側で支承し、制動力を発生させるようにしている。パッドクリップ10はこれらパッド凸部14に対する嵌合部とアンカ凹部18に対する嵌合部とを含み、パッド外側端面に対面するようにサポート16側に取付けられるもので、図示の例ではパッドクリップ10はインナおよびアウタの各々に装着されるインナクリップ本体20とアウタクリップ本体22を連結板24によって連結一体化した板材を曲げ成形することによって形成されている。
【0015】
各クリップ本体20、22は、詳細を図2に示しているように、摩擦パッド10のロータ周方向端面と対面するサポート16の形状に倣って形成されており、特に途中にアンカ凹部18に沿うクランク曲げ部26を形成し、ここでパッド12の凸部14を通じて伝達される制動力を媒介してサポート16側に伝達するようにしている。また、両クリップ本体20、22におけるクランク曲げ部26の内側縁部分(ロータ側)には内側押え爪28が形成され、これがサポートインナおよびアウタの内面に当接係合してクリップ本体20、22がアンカ面から左右方向に外れることを防止している。更に、上記クランク曲げ部26の外側縁部分には、前記内側押え爪28に対応してサポートアンカ部の外面に当接する挟着片30が設けられている。この挟着片30はS字状に曲げられて弾力性が与えられており、これによってサポートアンカ凹部18を内外面から挟み込み保持し、クリップ10がサポート16に固定保持されるようにしている。したがって、このS字状挟着片30により、サポートへの締め代を確保することができる。
【0016】
このようにしてサポート16に装着保持可能とされたパッドクリップ10における両クリップ本体20、22の外側縁部分には、パッド戻し機構32が一体的に形成されている。このパッド戻し機構32は前述した挟着片30の先端から延長される戻しばね部33と、この戻しばね部33の先端部に形成され摩擦パッド12と係合するパッド係合片34とから構成されている。
【0017】
まず、戻しばね部33は前記S字状挟着片30を延長した帯板により形成され、これを長円形状に倣うように湾曲形成されている。すなわち、長円の4半周部を前記S字状挟着片30とし、それ以外の部分を長円に倣うように湾曲形成したもので、その延長先端部はS字状挟着片30の基端部に達するように延在され、ここで前記アンカ凹部18に接合しているクリップ本体20、22のクランク曲げ部26部分にほぼ対面するように延長されている。そして、当該戻しばね部33の延長端にはパッドアンカ凸部14に対応する幅寸法のパッド係合片34を形成している。
【0018】
パッド係合片34は、その上下縁部にパッド凸部14の上下面に接合できるフランジ部36、36を折曲形成され所定のばね力でパッドを保持している。前記クランク曲げ部26と相似形状となるようにコ字形状に形成され、クランク曲げ部26内に収容可能とされている。このようなパッド係合片34はパッド12の裏金38の前縁側(ロータ側)に延長して係合させ、パッド戻し分力を発生させるようパッド裏金38の前縁部と所定角度で接触させるようにしている。
【0019】
すなわち、クランク曲げ部26の外縁に設けられたS字状挟着片30の先端部に連接された戻しばね部33が、前記S字状挟着片30による挟着接点P(挟着片30がサポート16の外面に接触する部分)を基点として湾曲長円の相当直径を拡大するように弾圧付勢している。戻しばね部33の先端に設けられたパッド係合片34はパッド裏金38の前縁側に延設し、その前縁コーナに斜めに接するように傾斜させているため、戻しばね部33の作用を受けてパッド12をロータから離反する方向に戻し分力を発生するのである。したがって、パッド戻し機構32の自由形状は、図1に示しているように、パッド係合片34がクリップ本体20、22のクランク曲げ部26と平行にならず、先端側に至るにしたがってクランク曲げ部26から離反するように傾斜するものとなっている。
【0020】
このような構成において、パッド戻し機構32を設けたパッドクリップ10をサポート16に装着するが、このとき、パッド係合片34もしくは戻しばね部33とこれに対面する前記クリップ本体20、22とのいずれか一方にストッパ突起40を形成するとともに、他方に当該突起と係合するストッパ穴42とを形成し、これらのストッパ部(40、42)により前記摩擦パッド12の戻り移動を規制している。実施例では、図1、図2に示すように、戻しばね部33におけるパッド係合片34の連接部分がクリップ本体20、22側のS字状挟着片30の基端部と接合状態にあるため、ここにストッパ部を形成するようにしている。すなわち、戻しばね部33の先端部分には挟着片30側に向けて切り起こされるストッパ突起40を形成し、一方、挟着片30にはストッパ突起40よりはロータ軸方向にやや幅広のストッパ穴42を形成している。そして、組み付けに際して、ストッパ突起40をストッパ穴42にはめ込み、戻しばね部33を挟着片30の基部に接合した状態とし、ストッパ突起40がストッパ穴42によってロータ軸方向の移動を所定量に規制され、パッド係合片34が過剰に戻し移動しないように設定しているのである。ストッパ穴42による戻し移動量の規制は、摩擦パッド12を押圧する液圧シリンダのピストンシールによるアジャスタ機能による戻し移動範囲を越えてパッド12を戻すことがないように規制している。パッドの摩耗により、制動時にストッパ突起40がストッパ穴42に当接後もピストンが前進する場合、フランジ36、36によるパッドの保持力に打ち勝って、パッドは係合片34内を摺動する。
【0021】
また、前記ストッパ突起40とストッパ穴42とは摩擦パッド12の凸部14の中央高さ位置になるように設定している。これは前記パッド係合片34が一対のフランジ部36によりパッドアンカ凸部14を挟み込むようにしているため、一対のフランジ部36の中央部分に一致する高さとなるようにストッパ突起40を切り起こせばよい。これによりパッド12を戻し移動させるときに係合片34に捩りが生じることがなく、パッド12の平行移動が可能となるのである。
【0022】
上記パッド戻し機構32を設けたパッドクリップ10をサポート16に装着した平面断面状態を図3に示すが、この状態ではパッドアンカ凸部14がサポートアンカ凹部18に嵌合され、両者の間にクリップ本体20、22のクランク曲げ部26とパッド係合片34が接合した状態で介在されている。このような構成では、パッド12の制動移動および戻し移動の際に、固定位置のクランク曲げ部26とパッド係合片34とは摺動する。更に、実施例では、両者の摺動面に樹脂シート44を介装して摺動抵抗を減少するようにしている。この樹脂シート44はパッドクリップ材料よりも低摩擦部材により形成され、例えばテフロン材料や、青銅微粉末の多孔質焼結体に4フッ化エチレンを含浸させた樹脂含浸焼結体などにより形成したものを用いればよい。このような樹脂シート44を正規の位置(クランク曲げ部26とパッド係合片34の摺動面)に保持するように、パッド係合片34側とアンカ部クリップ本体部20、22のいずれかまたは両者に前記樹脂シート44の脱落防止用爪を切り起こし形成するようにしている。実施例では、図1および図3に示すように、クリップ本体20、22におけるクランク曲げ部26の内縁部分に設けた内側押え爪28の屈曲部分に保持爪46を形成し、これにより樹脂シート44の内縁部分(ロータ側縁部)を受け止め、他方の外縁部分は前述したストッパ突起40にて受け止めるようにして、収容された樹脂シート44の脱落を防止するものとしている。樹脂シート44の上下縁はサポートアンカ凹部18の上下面により保持される。
【0023】
このように構成された実施例に係るパッドクリップ10では、制動操作により摩擦パッド12をロータに押し付けた状態から制動を解除すると、パッド裏金38に係合しているパッド係合片34がパッド12を戻し移動する。これは係合片34の後端部に連接されクリップ本体20、22の挟着片30から延長され長円状に湾曲形成された戻しばね部33の作用によって機能する。パッド12が戻し移動されるが、係合片34側の戻し移動はストッパ突起40とストッパ穴42により一定量に規制されている。したがって、戻しばね部33による戻し付勢力を大きく設定することができ、特にパッド裏金38にパッド係合片34が傾斜接合して従来小さな戻し分力しか得られなかった構造でも、大きな戻し力を発生させ確実な戻し移動が実現できるとともに、過剰な戻し移動を前記ストッパ部により防止することができる。
【0024】
また、ストッパ部(40、42)はパッドアンカ凸部14の中央高さ位置に設定されているため、ストッパ部が機能した状態で過剰な戻し力が与えられても、パッド係合片34にロータ面に対して傾くような捩れが生じることを防止できる。したがって戻しばね部33に大きな戻し力を付与しても戻し停止位置でパッド12がロータと平行を維持することができ、パッド戻し機構32のコジリ等の不具合が発生することがなくなる。
【0025】
更に、前記戻しばね部33はクリップ本体20、22側のS字状挟着片30におけるサポート接触点Pを基点として戻し力を発生するようになっている。このため実施例のパッドクリップ10には、サポート16へのS字状挟着片30による締め代を付与しつつ、戻し機構32による戻しばね力を併用することができ、同一の構成部材でありながらサポート16への締め代と戻し力とを独立して設定することができる利点が得られる。
【0026】
また、上記実施例では、アンカ面にクランク曲げ部26とパッド係合片34とが位置するが、この両者の摺動面に摺動抵抗を低減する目的で樹脂シート44を設けることにより円滑な戻し移動を行わせることができるようになっている。そして、この樹脂シート44の摺動面部への保持のために、実施例ではクランク曲げ部26の内縁部分に設けた内側押え爪28の屈曲部分に保持爪46を形成し、この保持爪46と前述したストッパ突起40によって脱落防止が図られている。このため、別工程による固定手段を講じなくてよく、組み付け作業が非常に容易になる利点が得られるものとなっている。
【0027】
なお、上記実施例では、摩擦パッド12にアンカ凸部14を形成し、サポート16側にアンカ凹部18を形成した構造に適用した例を示したが、凹凸関係は逆の構成でもよいことはもちろんである。また、クランク曲げ部26またはパッド係合片34とのいずれか一方に対する樹脂シート44の固定のためにカシメや接着等の方法を用いてもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、パッド係合片側とクリップ本体側との間にアンカ中央高さ位置にストッパ部を形成した構成としたので、制動解除の際に過剰なパッド戻し移動が生じないようにして次の制動時の制動遅れを生じさせることが防止され、同時にパッド戻し移動に際して戻しばねがパッドを平行に移動させることができるようにして、パッド引き摺り等による不具合が生じないものとなる。
【0029】
また、サポートを圧着する挟着片に戻しばね部を連接したので、大きな戻しばね力を発生できる構造にし、パッドの戻し力を確実に発生させることができると同時に、ストッパ部の構成と合わせて過剰な戻し移動が生じないようにしたパッド戻し機構を備えたパッドクリップが得られる。
【0030】
更に、本発明によれば、クリップと戻しばね機構部との摺動を円滑にしてパッド移動抵抗を小さくし、応答性を向上させることができる樹脂シートを摺動部に配置することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例に係るパッド戻し機構を備えたパッドクリップの斜視図である。
【図2】 同パッド戻し機構を備えたパッドクリップの正面図、および部分断面平面図である。
【図3】 同パッド戻し機構を備えたパッドクリップの組み付け状態の平面構成図および部分拡大断面図である。
【符号の説明】
10 パッド戻し機構を備えたパッドクリップ
12 摩擦パッド
14 パッドアンカ凸部
16 サポート
18 サポートアンカ凹部
20 インナクリップ本体
22 アウタクリップ本体
24 連結板
26 クランク曲げ部
28 内側押え爪
30 S字状挟着片
32 パッド戻し機構
33 戻しばね部
34 パッド係合片
36 フランジ部
38 パッド裏金
40 ストッパ突起
42 ストッパ穴
44 樹脂シート
46 シート保持爪

Claims (3)

  1. 摩擦パッドと当該摩擦パッドからの制動力を支承するサポートアンカ部との間に装着され、前記摩擦パッドをディスクロータから離反する方向に付勢するパッド戻し機構を備えたパッドクリップにおいて、
    前記摩擦パッドと前記サポートアンカ部とが嵌め合わされる嵌合部に沿うクランク曲げ部が設けられ、且つ前記サポートアンカ部に装着されるクリップ本体を有し、
    前記パッド戻し機構は、
    前記クリップ本体から前記クランク曲げ部に対面するよう延長して、前記ディスクロータから離反する方向へ付勢される戻しばね部と、
    前記戻しばね部の先端部を前記クランク曲げ部と相似形状に形成して前記摩擦パッドの嵌合部と接合させ、前記摩擦パッドを保持するパッド係合片と
    から構成し、
    前記パッド係合片もしくは戻しばね部とこれに対面する前記クリップ本体とのいずれか一方にストッパ突起を形成するとともに、他方に当該突起のロータ軸方向の長さよりも所定の長さだけ長いストッパ穴を形成し、これらの係合により前記摩擦パッドの所定以上の戻り移動を規制したことを特徴とするパッド戻し機構を備えたパッドクリップ。
  2. 前記ストッパ突起と前記ストッパ穴とは、ディスクロータ径方向における前記摩擦パッドの幅の中央に設定したことを特徴とする請求項1に記載のパッド戻し機構を備えたパッドクリップ。
  3. 前記パッド戻し機構の前記パッド係合片とアンカ部クリップ本体部との接合面部分に摺動部材を配置したことを特徴とする請求項1に記載のパッド戻し機構を備えたパッドクリップ。
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