JP3653473B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の用紙搬送手段を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置においては、用紙収納トレイに収納された用紙を給紙手段により搬送記録部に搬送して、その上に画像を形成する構造になっている。給紙手段は近年、これらの装置において小型化や省スペース化を図る観点から、用紙収納トレイを記録部の下方に配置している場合が多い。それらの装置においては、用紙搬送路は用紙収納トレイの用紙給紙側から始まって湾曲し垂直方向もしくは反転する方向に伸びる構造になっている。そこで、用紙収納トレイから給紙手段によって送り出された用紙は、用紙搬送路の湾曲部に沿ってレジストローラ対などの搬送手段に搬送される。搬送手段により下流に搬送される際、給紙手段は次の用紙を搬送して重層的に用紙を搬送するのを防ぐために、給紙手段の給紙ローラを退避させたり駆動を解除して従動する状態になる。用紙搬送路は一般的に、所定間隔を隔てて対向配設されたガイド部材から構成されたものであり、用紙が搬送手段により引っ張られるときには、湾曲した搬送路の内側のガイド部材に摺擦しながら移動する。
【0003】
ガイド部材としては、搬送方向及び幅方向における形状の自由度が高く、用紙との接触面積を低減するための突起を表面に設けるのが容易であることなどから、樹脂材料の成形部材が用いられることが多い。また、これらの画像形成装置において、小型化や軽量化や部品点数の削減から本体の構造部材などにも樹脂材料で成形された部材を使用する場合がある。特に個人ユーザーをも対象にした装置では、小型・軽量で低価格であることが重要な仕様であるため、樹脂製の部材が用いられる場合が多い。それらの樹脂成形の構造部材等においては、記録部などを支持する構造的な機能以外にも、部品を取り付けるための形状や上記内側ガイド板及び外側ガイドの全体乃至一部の形状が一体的に成形されることが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような装置内で用紙を搬送して画像形成する装置において、用紙の搬送に関して搬送性能以外に、用紙搬送路の湾曲部分におけるガイド部材と用紙の摺擦に起因するいくつかの問題が発生している。具体的には、用紙搬送路の湾曲部では用紙が搬送手段により引っ張らた場合にガイド部材に強く押し付けられて摺擦するために、摺擦音が発生したり、用紙の表面が摺擦されることで微小に剥がれて紙粉が発生したり、ガイド部材の表面に形成された突起などが磨耗して部分的に消滅するなどの問題がある。摺擦音は装置使用時の騒音の要因になり、特に騒音基準の厳しい小型の装置においては、騒音の要因として摺擦音の割合が高くなる傾向にあるため大きな問題である。また、紙粉の発生は装置内の汚れとなったり、様々な部分に付着して不具合の原因となる。搬送手段においてはローラや摩擦部材の表面の摩擦力を低下させて用紙搬送の不良が発生したり、検知スイッチにおいては汚れによりセンサーが正しく機能しなくなったり、記録部においては画像不良の発生や記録部の寿命を短くするなどの不具合の要因となる。また、ガイド部材が磨耗すると用紙の摺擦状態が変化して、用紙の搬送性能での不具合が発生したり、摺擦音や紙粉の発生を増加させたりする。そのために従来は、用紙上の紙粉を除去して回収する手段を設けたり、定期的に清掃などのメンテナンスが必要になり、余分な手間や経費が発生していた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の問題点を解消するための、コストのかからない有効な方法を提供するものである。請求項1の発明は、用紙に記録を行う記録部の下方に用紙収納トレイが配置され、用紙収納トレイの用紙を記録部へ搬送するための給紙手段、用紙搬送路、搬送手段が設けられた画像形成装置において、用紙収納トレイから用紙を給紙する給紙手段と記録部へ用紙を搬送する搬送手段の間の用紙搬送路には湾曲部を含む用紙ガイド手段が設けられ、用紙ガイド手段は、用紙搬送方向の幅方向の略中央付近において、一定幅に渡って湾曲部の用紙搬送方向上流側はその両側部よりも凸形状に形成された用紙と接触するガイド面を有しており、その凸形状に形成されたガイド面には樹脂シート部材が設けられていることを特徴としている。これにより、搬送手段で搬送される用紙は搬送ガイドに沿って搬送される際に樹脂シートと摺擦し、摺擦音や紙粉の発生が低減されるとともに、ガイド部材のガイド面の削れが防止される。
また、用紙が接するガイド面の上流部の中央付近が凸形状になっているため、湾曲部での用紙とガイド面の接触面積が低減され騒音や紙粉の発生が更に低減される。そして、ガイド面の下流側の湾曲が少ない部分では用紙搬送方向の幅方向の全面で用紙とガイド面が接触するために、搬送手段による用紙の搬送を適切にガイドすることができる。
【0006】
請求項2の発明は、樹脂シートとしてポリエチレンを基材とした厚さ0.1乃至0.3のシートを接着剤でガイド面に取り付けることと特徴とする。これにより、摺擦音の低減と紙粉の発生の低減効果はより高めることができる。また、磨耗に対する耐久性が高くなり超寿命化が可能になる。
【0007】
請求項3の発明は、ガイド部材のガイド面に用紙の通過を検知する検知スイッチが設けられていることを特徴とする。ガイド面での用から発生する紙粉が少なく抑えられるために検知スイッチの光学センサー部が汚れて作動不良を起こす危険性が低下する。これにより、紙粉の発生しやすい湾曲部にも検知スイッチを配置することが可能になり、用紙搬送路の省スペース化が可能になり装置が小型化できる。
【0008】
請求項4の発明は、搬送手段がレジストローラであり、給紙手段が半月ローラであり、前記用紙搬送路はレジストローラと半月ローラの間において湾曲しており、前記検知スイッチは前記半月ローラからの用紙の給紙の有無と、レジストタイミングの検知を兼ねていることを特徴としている。これにより、騒音や紙粉の発生を低減させるとともに、用紙収納トレイを下方に用紙搬送路を装置の側面に配置することで装置の小型化が可能になり、検知スイッチを兼用することでコスト低下も可能になる。
【0009】
請求項5の発明は、用紙収納トレイは樹脂材料で成形された構造部材により支持されており、ガイド面はその構造部材に一体成形されていることを特徴としている。これにより、騒音や紙粉の発生を低減させるとともに、構造部材にガイド面を一体的に成形することでガイド部材を不要にしてコストを低減することが可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例について、図面を用いて詳細に説明する。図1は画像形成装置の一例として本発明を適用した複写装置1の概観図であり、図2は複写装置1の構造を示した概略図である。複写装置1は、下方のベース2、作像フレーム3、スキャナー装置4、補強部材5が連結されて装置本体の構造部材となっており、それに外装カバー、用紙収納トレイ、原稿搬送装置などが取り付けられている。ベース2は、樹脂材料を用いた矩形状の成形品であり、下部はコの字上に構造部材が形成されてその上に装置を設置する際の接地部2aが四隅の近傍に設けられている。ベース2の内部の空間には用紙収納トレイ6が着脱自在に装着される。作像フレーム3も樹脂の成形品であり用紙上に画像形成するための画像形成部などが収納されている。ベース2及び作像フレーム3の樹脂材料には、最も一般的に用いられるABS樹脂に強度と寸法精度を向上させる効果のためにガラス繊維を20%前後含有させたものが用いられている。スキャナー装置4は上方が開口した矩形状の箱型の板金部材であり、開口部にはコンタクトガラス9が載置され、内部には光学部品及び電気部品が配置されている。
【0012】
図3は図1、2に示した複写装置1の内部構成を示す概略の断面図である。複写装置1のスキャナ装置4では透明なコンタクトガラス9と、その下方には原稿を露光するための原稿面を移動しながら照射する走査ユニット20と、原稿画像を反射して導く反射ミラー21と、原稿画像を結像するレンズユニット22と、原稿情報を電気信号に変換するCCD23とを備えている。また、スキャナ装置4の上方には原稿搬送装置7が後方(図3奥側)でヒンジにより連結されてコンタクトガラス9に対向する位置と開放する位置に旋回可能に取り付けられている。原稿搬送装置7はコンタクトガラス9上の原稿を押える機能とシート原稿を自動的に搬送して読み取らせる機能とを有している。
【0013】
プリント部13は、図1中の左側の上下方向ほぼ中央に配置された、静電潜像担持体(被帯電体)としての円筒状の感光体(以下「感光体ドラム」という)30を備えている。感光体ドラム30は、複写機本体11によって矢印方向(同図中の時計回り)に回転可能に支持されており、その周囲には回転方向に沿って順に、一次帯電器31、露光器32、現像器33、転写帯電器(転写ローラ)34、クリーニング器35が配設されている。転写帯電器34以外は作像ユニットとして一体化されており、作像フレーム3に前方より着脱可能である。
【0014】
露光器32は、レーザ発振器、ポリゴンミラー等(いずれも図示せず)を有しており、感光体ドラム30表面に静電潜像を形成するものである。前述のリーダ部12によって読み込まれた原稿の画像情報は、プリント部13に設けられた画像処理部(図示せず)によってA/D変換、濃度補正、シェーディング補正等の適宜な処理が施された後、画像信号としてレーザ発振器に入力される。レーザ発振器は、この画像信号に基づいてON/OFF制御されるレーザ光により、ポリゴンミラー等を介して帯電後の感光体ドラム30表面を露光し、露光部分の電荷を除去して静電潜像を形成するようになっている。
【0015】
転写帯電器である転写ローラ34は作像フレーム3の左側方において下方の支点を中心に開閉可能に取り付けられた搬送ユニット40に揺動可能に取り付けられており、閉時において転写ローラ34はローラ軸の両端部に挿入された位置決めコロがドラム表面に当接して適切な隙間を維持して配置される。また、転写ローラ軸の一端にはギアが挿入されており、閉時に本体側の駆動ギアと噛み合い、感光体ドラム20の表面速度と同じ周速で回転される。
【0016】
上述の転写ローラ34の下流側には、トナー像転写後の用紙を定着器43に導く搬送ガイド42が配設されている。定着器43は、内側に配設されたヒータ50によって加熱される定着ローラ51と、この定着ローラ51に用紙を押し付ける加圧ローラ52とを有しており、表面に未定着トナー像を担持して搬送されてきた用紙を加熱・加圧し転写材P表面にトナー像を定着するようになっている。定着器43を通過した用紙は排出ローラ53により、用紙排出トレイ54上に排出される。
【0017】
次に、複写装置1における用紙搬送手段について説明する。用紙は用紙収納トレイ6に収納されており、その上方には用紙を一枚ずつ給紙する給水手段60が設けられている。給紙手段60により給紙された用紙は用紙搬送路61に沿って進み、下流のレジストローラ62にニップ部に先端が当接する。用紙搬送路61の途中には通過する用紙の先端及び後端を検知する検知スイッチ63が設けられる。レジストローラ62は用紙を感光体ドラム30の転写部に向けて搬送する。
【0018】
用紙収納トレイ6は樹脂材料で上方が開口された矩形の箱形状に成形されたケース70と、その内部に設けられた幅規制部材71、先端爪部材72、リフト板73、付勢手段74、後端規制部材75から構成されている。幅規制部材71は用紙搬送方向に沿って伸びる立設壁71aを有し、前後方向に間隔を持って並行に配置され、立設壁の下部ではラックが形成された腕部が互いの方向に向けて伸びている。腕部はケース70の底面に前後方向にスライド可能に支持されると共にピニオンを介して連結されて連動する。一方の幅規制部材を移動させると他方も同じ距離だけ互いに離れる方向もしくは離れる方向に移動する。各々の幅規制部材71には爪部材72が支点72aで規定範囲を揺動可能に支持されている。爪部材72は板金で成形され、左方に壁を有し壁の上端は水平方向に折り曲げられて爪部72bを形成している。リフト板73はケース70の前後壁に設けられた支点73aで揺動可能に支持されており、下方に配置された付勢手段74よ上方に付勢されている。用紙後端規制部材75は前後方向に伸びる立設壁75aを有しており、ケース70の前後方向に中央付近で左右方向に形成された溝とスライド可能に契合している。収納する用紙サイズに合わせて、幅規制部材71、後端規制部材75を移動させる。用紙を収納する際には、リフト板の付勢力に抗して用紙を押し込むと、リフト板で上に付勢される用紙の先端角は揺動が一定範囲に規制された爪部72bで押えられるために、収納された用紙の上端は用紙の量にかかわらずに一定の高さに維持される。用紙の幅方向は幅規制部材71、先端は爪部材72の壁部72d、後端は後端規制部材75でそれぞれ規制される。
【0019】
用紙収納トレイ6は、ケース70の左右の側壁には水平方向に伸びる突起70aが形成されており、ベース2の前方の開口部から装着される。ベース2の左右の側壁部にはケース70の外壁の突起70aに合わせて前後方向に伸びる凹部2bが形成されおり、その凹部2bをガイドレールとしてケース70は挿入される。
【0020】
ベース2の上部の左方には前後方向に間隔を持って2つの半月ローラが同軸上に配置された給紙ローラ80が取り付けられている。半月ローラは円周状の一部が切りかかれた形状を有しており、残りの円周上にゴム材料などの摩擦部材が形成されたものである。給紙ローラの軸にはバネクラッチが挿入されており、それを介してギアで駆動が入力されている。バネクラッチの外枠部の円周方向に既定位置に係合部が設けられ、そこにはソレノイドが連結された揺動可能な作動片が突起に係合している。作動片が外枠部の係合部に係合して回転を止めると内部のバネが緩み駆動が軸に駆動は伝達されなくなる。ソレノイドが作動して作動片の係合が解除されると内部のバネが締まり軸と外枠部が一体に回転する。作動片が元の位置に復帰していれば再び係合部が契合して回転が停止する。
【0021】
給紙ローラ80は周方向に同じ位置で停止させ、間歇的に一回転させる制御が可能であり、半月ローラの切り欠き部が用紙収納トレイ6に収納された用紙に対向する位置で停止するように設定されている。給紙ローラ80は、の停止位置では用紙収納トレイ6内の用紙から離れており、回転した際には円周面が当設する位置に設けられている。給紙ローラ0が回転すると、円周部が当接して摩擦力により用紙を回転方向に送るため、最上の用紙の一枚が爪から外れて用紙搬送路61に搬送される。
【0022】
次に用紙搬送路61について説明する。図4(a)は用紙給紙部及び用紙搬送路の詳細を示す断面図である。用紙搬送路61は隙間を有して外側のガイド面81と内側のガイド面82が対向配置され、湾曲した後に垂直方向に伸びている。各ガイド部材は用紙搬送方向の幅方向に渡ってベース2に一体的に成形されたものである。下側のガイド面81は給紙される用紙の下方に位置する起点81aから斜め上方に延びており、その先端部では外側のガイド面81ガイド面の裏側に用紙搬送方向の幅方向に渡って貼り付けられた弾性を有する平面形状の樹脂シートA83と合流している。給紙ローラ80により搬送された用紙に先端は外側のガイド面81に沿って上方に案内され、更に下流の樹脂シートA83により上方に案内される。
【0023】
図4(b)は内側のガイド面82を拡大して概略を示した図である。また、図5はベース2を装置左側面方向から見て、内側のガイド面82が一体的に成形されている部分を示す斜視図である。内側のガイド面82は断面方向に見て、給紙ローラ80に隣接した用紙収納トレイ6に収納された用紙の上方で用紙の先端部よりもやや上流側に位置する起点82aから略水平方向に伸びるほぼ平面形状の水平ガイド部82b、略R形状に湾曲した部分が形成され湾曲ガイド部82c、その下流において略垂直方向に伸びるほぼ平面形状の垂直ガイド部82dから構成される。但し、水平ガイド部82bにおいて、用紙搬送方向に対する幅方向の中央付近の一定幅部分はその両側よりもほぼ同形状のまま下方に約3mm程度突出して凸ガイド面82eが形成されている。凸ガイド面82eとその両側のガイド面82fは断面方向に見て、湾曲ガイド部82cの下流付近においてなめらかに合流して同一の平面となっている。図4に示す内側のガイド面82の外形線は凸ガイド面82e部の外形を示しており、その両側のガイド面82fの外形断面形状は図5中に破線で示したものである。
【0024】
凸ガイド面82eの幅は約30mm程度であり、用紙をガイドする面の裏側には、通過する用紙の先端及び後端を検知するための検知スイッチ63が設けられている。検知スイッチ63は、支点で揺動可能に支持された検知片63aと光学スイッチ63bを有している。内側ガイド面82の湾曲部82cの下流付近から垂直ガイド部83に渡って検知開口84が設けられ、検知片63aの一方のアームが検知開口84から搬送路を遮るように突出している。搬送される用紙が検知片63aのアームA63cを動かすと、一体成形されたもう一方のアームB63dが移動して光学スイッチ63bがオンもしくはオフされる。
【0025】
垂直ガイド部82dの先端近傍は少し凹となる段差部が用紙搬送方向に対する幅方向に渡って伸びており、検知開口84を除いて幅方向に渡って樹脂シートB85が貼りつけられている。樹脂シートB85は弾性を有する平面形状でありその先端はレジストローラ62の近傍まで伸びている。また、垂直ガイド部82dと対向する部分には樹脂シートC86が用紙搬送方向に対する幅方向に渡って設けられている。樹脂シートC86は弾性を有する平面形状であり、上方が対向面側に近づく方向に傾斜して下方がガイド部材に貼り付けられ、その先端部は樹脂シートB85の先端近くの面に近接する位置まで伸びている。樹脂シートA、B、C83、85、86は弾性を利用して用紙をレジストローラに最適に案内するのためのものであり、厚さ0.1〜0.3mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムが安価であり材質として適している。
【0026】
凸ガイド面82eの表面には、起点部82aの位置から垂直ガイド部82dの段差部まで検知開口84を除いてシート部材90が設けられている。図6(a)にはシーツ部材90を凸ガイド面82に取り付けた状態を示す概略図である。また図6(b)はシート部材90の部材形状を示している。シート部材90は両面テープや接着剤などで凸ガイド面82eに貼り付けられている。シート部材90には表面が平滑で摩擦係数の低いものが適しており、具体的な材料としては厚さ0.1〜0.3mm程度の超分子ポリエチレンシー等が適している。これらはPETフィルムよりは単位面積の価格が高いが、弾性力が低いので湾曲部の形状に沿って貼るのにも都合がよい。その他のシート部材としてはテフロンシートなども有効であると考えられる。
【0027】
次に、用紙収納トレイ6画像形成部に向けての用紙の給紙制御について説明する。図7には、給紙制御のタイミングチャートを示している。複写装置1の操作部のスタートボタンが押されるタイミングT1において、モータが回転し始めて画像記録部や定着装置などが回転し始める。スタートと同時に給紙ローラのソレノイドがオンされて、作動爪とバネクラッチの係合が解除されて回転し始めて、しばらくすると半月ローラの周面が用紙収納トレイの用紙に接して最上紙を給紙する。図7中で給紙ローラの状態を示す部分の斜線部は半月ローラの周面が用紙に接している状態にあることを示している。給紙された用紙は外側のガイド面81や樹脂シートA,B,C83、85,86にガイドされてレジストローラのニップ部向けて搬送される。その途中で、用紙先端が検知スイッチ63のアームA63cを押して検知される(タイミングT2)。用紙の先端が検知されたタイミングT2からt1時間後のタイミングT3においてレジストローラがスタートされる。時間t1は用紙の先端がレジストローラ62のニップ部に到達すると予想される時間よりも若干長く設定される。これにより用紙先端がレジストローラ62のニップに整合されて用紙の搬送方向の傾きなどを補正して下流側に搬送することが可能になる。また、光学系の書きこみタイミングもT2を基準にして設定されている。レジストローラ62で搬送される用紙の後端が検知スイッチ63を通過したタイミングT4から一定時間t2後のタイミングT5において2枚目の用紙の給紙が開始され、T4から時間t3後(用紙後端がレジストローラ62のニップ部を通過するのに十分な時間)のタイミングT6においてレジストローラ62の回転が停止されて、一枚目の用紙の搬送が終了する。
【0028】
ここで、レジストローラ62が回転して用紙を搬送し始めて、しばらくすると給紙手段の半月ローラの円周部が用紙から離れて搬送力がなくなる。あとはレジストローラ62により引っ張られる状態になるため、用紙は給紙搬送路61の内側のガイド面82に接する。このとき、水平ガイド部82b及び湾曲ガイド部82cの上流側では凸ガイド面82eが用紙の中央部付近に接するためにその両側のガイド面は用紙に接触しない。凸ガイド面82eとその両側のガイド面が合流する湾曲ガイド部82cの下流側の一部と垂直ガイド部82dでは用紙は搬送方向に対する幅方向の全面でガイド面82と接触する。ガイド面82と用紙が接触する際にはその摩擦により、摺擦音が発生したり用紙の表面の繊維が剥がれて紙粉が発生する。それらの発生レベルは接触面積や紙とガイド面の接触力と摩擦力と関連するものと考えられる。よって、これらの要因を低減することでし摺擦音や紙粉を低減させることが可能である。また、接触力はガイド面の平面部よりも湾曲部において大きくなり湾曲が厳しい程大きいと考えられる。複写装置1の場合に、湾曲ガイド部82cでは中央部に凸ガイド面82eが形成されており、その部分に摩擦抵抗の低いシート部材90が設けられているために接触面積及び摩擦抵抗が低下されている。また、凸ガイド面82eを設けることにより、その部分のガイド面での湾曲は両側の部分よりも緩やかにすることが可能である。また、凸ガイド面82eにより検知スイッチ63などを設ける空間がより広くなり設計が容易になるメリットいもある。また、湾曲ガイド部82dの下流部では用紙は全面で内側のガイド面82に接するが湾曲がすくないためにあまり大きな摩擦力は発生しないとともに、全面で接触して用紙を搬送する際のガイド効果が適切に維持される。
【0029】
上記のように凸ガイド面82eは給紙される用紙を適切に搬送させるとともに用紙がガイド面と摺擦する面積を減少させる効果を有するものである。更に、凸ガイド面82eの部分にシート部材90を設けることにより、給紙時の摺擦音を低減することができる。また、凸ガイド面82eの用紙搬送方向に対する幅方向に置ける幅は、搬送する最大用紙の幅の1〜2割程度にするのが有効である。凸ガイド面82eの幅が小さすぎる場合は、用紙を搬送路に送り出す時の姿勢が不安定になり耳折れが発生しやすくなったり、下流側のローラで引っ張られる際に用紙に作用する力の偏りが大きくなり用紙に折れ目が入ったりする不具合が発生する。逆に幅を大きく設定した場合は、摺擦面が増加することによる騒音の増加やシート部材90を広い面積に渡って設けることによるコストアップなどの弊害が生じる。
【0030】
複写装置1は搬送する最大用紙がA4サイズ(搬送方向の用紙幅210mm)であり、連続複写時の処理速度がA4用紙で毎分10枚程度であり、月間コピー枚数が比較的に少ないユーザーを対象とした低セグメントの装置である。複写装置1において本発明を実施することにより、装置の使用時における騒音評価において給紙装置が設けられた装置の左側面から想定した騒音レベルにおいて約1db低減することができ、この装置が属するクラスにおけるJIS規格等の55db以下を達成できた。また、複写装置1はプリント部の各システム(感光体ドラム、現像装置など)の長寿命化を計り、装置寿命(A4用紙換算の複写処理において10万枚相当)を通じて、ユーザーで対応可能なトナーカートリッジの交換以外において、部品交換を不要にして経済性と利便性を向上させた装置であり、それに伴って発生した搬送ガイド面の耐久性向上や紙粉などの汚れによる清掃などのメンテナンスを不要にする問題において、本発明はそれらの問題を解決するのに大きな効果があった。以上、実施例として複写装置について説明したが、同様な用紙搬送手段を有する装置であればプリンターやファクシミリ等に関係なく本発明を利用可能することが可能であり、同様の効果が得られるのは明らかである。
【0031】
【発明の効果】
このように本発明によれば、湾曲部を有する搬送路において高いコストをかけずに搬送用紙の摺擦音や紙粉の発生を低減されて性能や寿命を向上させることが可能である。また、搬送路の設計をコンパクトにすることが可能であり、装置を小型化する上でも有効な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を用いた複写装置の外観を示す斜視図。
【図2】図1に示した複写装置の構造を示す概略図。
【図3】図1,2に示した複写装置の内部構成をしめす概略断面図。
【図4】(a)図3に示す複写装置の給紙部の詳細な構造を示す断面図。
(b)内側のガイド面の形状を詳細に示した説明図。
【図5】図3に示した複写装置のベースに形成された内側のガイド面を装置の左側面から見た斜視図。
【図6】(a)内側のガイド面にシート部材を設ける位置を説明するための説明図。
(b)シート部材の形状を示すための説明図。
【図7】図3の複写装置の給紙制御に関するタイミングチャート。
Claims (5)
- 用紙に記録を行う記録部と前記記録部よりも下方に配置された、用紙を収納するための用紙収納トレイと、
前記用紙収納トレイからの用紙を給紙する給紙手段と、前記用紙収納トレイから給紙された用紙を前記記録部へ導く用紙搬送路と、
前記給紙手段の用紙搬送方向下流側で、前記給紙手段によって給紙された用紙を前記記録部へ搬送する搬送手段と、
前記給紙手段と前記搬送手段との間に位置し前期用紙搬送路上に形成された湾曲部を含む用紙ガイド手段とを備え、
前記用紙ガイド手段には、用紙搬送方向の幅方向の略中央付近において、一定幅に渡って湾曲部の用紙搬送方向上流側はその両側部よりも凸形状に形成された用紙と接触するガイド面を有し、
前記凸形状に形成されたガイド面には樹脂シート部材が設けられていることを特徴とする画像形成装置。 - 前記樹脂シート部材はポリエチレンを基材とする厚さ0.1乃至0.3mmのシート部材を接着剤によりガイド面に取り付けたことを特徴とする請求項1の画像形成装置。
- 前記ガイド面の一部には開口部が形成され、搬送される用紙が前記開口部上を通過するのを検知するための検知スイッチが設けられていることを特徴とする請求項1の画像形成装置。
- 前記搬送手段はレジストローラであり、前記給紙手段は半月ローラであり、前記用紙搬送路は前記レジストローラと前記半月ローラの間において湾曲しており、前記検知スイッチは前記半月ローラからの用紙の給紙の有無と、レジストタイミングの検知を兼ねていることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
- 前記用紙収納トレイは樹脂材料で成形された構造部材により支持されており、前記ガイド面は前記構造部材に一体成形されていることを特徴とする請求項1乃至4の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001040481A JP3653473B2 (ja) | 2001-02-16 | 2001-02-16 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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