JP3650042B2 - 原稿すり抜け防止機構及びこれを用いた原稿読取装置 - Google Patents

原稿すり抜け防止機構及びこれを用いた原稿読取装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機やファクシミリ等において使用される画像形成装置に備えられ、原稿載置台上に載置された原稿が、原稿カバーの開閉に伴う原稿カバーの表面への吸着作用などにより、原稿載置台から落下、原稿すり抜け現象を防止するための原稿すり抜け防止機構及びこれを用いた原稿読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像形成装置の原稿読み取り部における原稿カバーは、原稿載置板(プラテンガラス)に載置されている原稿を正確に押さえて、原稿の位置ずれ、読み取りの焦点ずれを防止するために配置されている。
【0003】
しかしながら、読み取られた後の原稿を取り除く際に、原稿カバーをプラテンガラスに押さえつけることによって原稿が原稿カバーに吸着し、その結果、原稿を取り除くために原稿カバーを開放する時に、該原稿カバーの表面に吸着した状態で原稿が背面側にスライドし装置外に落下してしまう「原稿すり抜け」が発生する。この原稿すり抜け現象は、薄い原稿等において顕著に発生し、原稿そのものは、原稿カバーを正面側から開ける構造上、装置本体の背面側に落下することになる。
【0004】
このような装置の背面側は、装置からの放熱などの関係上、通常壁との間に設けられる狭い隙間となっているので、ユーザが落下した原稿を回収することが困難になる場合が多い。
【0005】
具体的には、図1に示すように、原稿載置台に原稿を載置してコピー動作が終了した後、すぐに原稿カバーを開放して原稿を取り除こうとすると、原稿カバーにおける原稿載置台に対向する面の全面に設けられる所謂OCマットに原稿が貼り付いてしまう。
【0006】
通常、この原稿が貼り付いた状態は、長くは続かずに落下するが、直下の原稿載置台に落下せずに、空気抵抗などの関係上、原稿カバーに沿って流れるように装置の背面側に向かってスライドすることになる。
【0007】
ここで、装置の背面側である原稿カバーの支持部には、原稿カバーを回転させる関係上、原稿載置台の背面側端部と原稿カバーとの間にクリアランス空間があり、状況によっては、このクリアランス空間のすり抜ける手前で原稿が止まることもあるが、原稿がそのままクリアランス空間を通過してさらに背面側へ落下する可能性も高い。
【0008】
そこで、例えば特開平10−20416号公報には、画像形成装置における原稿落下防止装置に関する技術が開示されている。この技術では、画像形成装置の上面に配置される原稿載置台と、この原稿載置台を開閉自在に覆い、該画像形成装置の上面にヒンジ機構によって回動可能に取り付けられる原稿カバーとを有する画像形成装置において、原稿載置台面から出没する原稿落下防止部材を設けることで、上記原稿カバーの開閉によって発生する原稿すり抜け現象を防止している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記技術においては、原稿カバーの開閉動作と突起の上下移動動作とを連動させる必要があり、それゆえ画像形成装置の内部の例えば原稿カバーのヒンジ部の直下等に駆動機構が必要となる。その結果、装置構成が複雑化し、コストの増大や製造プロセスの煩雑化等を招来する。
【0010】
また、上記駆動機構としては、ギアやカム等を用いるため、薄い原稿の場合にはそれなりに適切な対応ができるものの、厚い原稿の際には、駆動機構全体を上下移動させなければならなかった。その結果、駆動機構の動作そのものが複雑になり、コピー動作の煩雑化を招来する。
【0011】
この発明の目的は、簡素な構成で、確実に原稿すり抜け現象を防止する原稿すり抜け防止機構と、これを備える画像形成装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明は以下の構成を備えている。
【0013】
(1)原稿が載置される原稿載置台と、
前記原稿載置台の背面側端部近傍に配設されるとともに、前記原稿載置台を開放または閉塞する原稿カバーを回動自在に支持する原稿カバー支持手段と、
前記原稿カバーの背面側端部の支持部に回転自在に支持されるとともに、前記原稿載置台の背面側端部と前記原稿載置台を開放する前記原稿カバーとの間に形成される間隙の少なくとも一部を覆う障害部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
この構成においては、装置上面に配置された原稿載置台の背面側端部近傍に設けた原稿カバー支持手段によって原稿載置台上面に対して原稿カバーを開閉自在に支持する原稿読取装置に備えられ、該原稿載置台の背面側端部と開放状態の原稿カバーとの間を原稿カバーの開閉軸方向の一部又は全部について閉鎖する障害部材を備えたことから、原稿載置台の背面側端部と原稿カバーとの間のいわゆるクリアランス空間において、原稿のすり抜けが生じ易い開放時に、かかるクリアランス空間の一部又は全部を前記障害部材により閉鎖することになり、例えば開放状態の原稿カバーのカバー面に吸着された状態の原稿が、カバー面に沿ってスライドし、該クリアランス空間をすり抜け落下すること等が防止される。
【0015】
(2) (1)に記載の原稿読取装置であって、
前記障害部材の一部が常に本原稿読取装置の背面に当接するように、本原稿読取装置の前記背面の方向に前記障害部材を付勢する付勢部材をさらに備えたことを特徴とする
【0016】
(3)前記障害部材は、原稿カバーの背面側端部に回転自在に支持されることを特徴とする。
【0017】
この構成においては、該障害部材は、原稿カバーの背面側端部に回転自在に支持されることから、該障害部材が原稿載置台の背面と当接することにより該障害部材から外力を受ける場合においても、該障害部材の支持点には、かかる外力によるモーメント等が生じることがないため、該障害部材の破損が防止される。
【0018】
(4)前記障害部材は、一部において装置本体の背面に当接するとともに、該障害部材を該画像読取装置を押圧する方向に付勢する付勢部材を備えたことを特徴とする。
【0019】
この構成においては、前記障害部材は、その一部が装置本体の背面に当接するとともに、該障害部材を該画像読取装置を押圧する方向に付勢する付勢部材を備えたことから、該障害部材は確実に装置本体の背面に当接することになり、原稿カバーの開閉動作の際にクリアランス空間をすり抜ける原稿の装置本体の背面側への落下が確実に防止される。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図を用いて本発明の実施形態の説明をする。
【0029】
図2は、本発明の画像形成装置1の構成を示す図である。本実施形態に係る画像形成装置1は同図に示すように、原稿載置台10、画像読取ユニット20、給紙ユニット30及び画像形成ユニット40から構成されている。
【0030】
原稿載置台10は透明なガラス等から構成されており、ここに画像形成ユニット20に読み取らせるべき原稿が載置される。
【0031】
この原稿載置台10の下方には、画像読取ユニット20のスキャナ光学系が配置されている。このスキャナ光学系は、原稿載置台10上に載置される原稿に光を照射する露光用光源21と、原稿からの反射光の光路を、例えば図中の直線25が示すように、調整する複数の反射鏡24(24a〜24c)と、この光路中に配される結像レンズ22と、光電変換素子(以下、CCDという。)23とを備えている。
【0032】
つぎに、給紙ユニット30について説明する。画像処理がされる用紙は用紙カセット31に収められる。用紙カセット31の先端部には、用紙を給紙するための半月状ローラ32aが配されており、下流側に向かって用紙の通過を検知するためのアイドルローラ前検知スイッチ33、前記アイドルローラ前検知スイッチの信号を基に感光体46上のトナー像と用紙の位置あわせを行なうアイドルローラ34、が設けられている。また、用紙は手差しトレイ35からの給紙も可能であり、この場合半月状ローラ32bによって給紙が行なわれ、用紙搬送路を経由して上述と同様にアイドルローラ前検知スイッチ33へと導かれる。
【0033】
ここで、画像形成装置1の画像形成ユニット40について説明する。
【0034】
本実施形態の画像形成ユニット40は電子写真方式のものであるが、CCD23によって読み取られた原稿中のモノクロ画像データは、後述の画像処理が施され電子写真方式の画像形成ユニット40へと送られ、レーザスキャナユニット41によってレーザ光を感光体46の表面に照射し静電潜像が形成されることになる。
【0035】
感光体46は、矢印A方向に回転駆動されるドラム形状をなしている。この感光体46の周囲には感光体46表面を一様に帯電させる帯電装置45と、感光体46表面を露光するレーザスキャナユニット41、レーザスキャナユニット41によって露光された感光体46表面の静電潜像をトナーにより顕像化する現像装置42、感光体46表面のトナー像を用紙に転写する転写チャージャ43、感光体46表面の残留トナーを除去する図外のクリーニング装置、感光体46表面の電位を除去する除電装置44等が順に設けられている。
【0036】
また、転写チャージャ43の下流側には、用紙上のトナー像を熱により定着させる定着ローラ47が設けられており、定着ローラ47を用紙が通過したことを検知する図外の定着紙検知スイッチが設けられている。
【0037】
画像形成された用紙は排紙ローラ48を経て、図外の排紙トレイに排出されて印刷物としてユーザに提供される。
【0038】
ここで図3は、本発明の第1の実施形態における原稿すり抜け防止機構の構成を示している。
【0039】
この構成では、原稿を載置する原稿載置台10の背面側(同図において右側)端部に原稿カバー支持手段13が設けられており、原稿カバー支持手段13に原稿カバー11が原稿載置台10に対して開閉自在に支持されている。そして、原稿カバー11は、原稿カバー支持手段における支持位置の近傍で、かつ、該支持位置を介して原稿載置台10の反対側、すなわち装置背面側となる位置に、原稿カバー11の表面に対して立設している板状の障害部材12を有している。
【0040】
つまり障害部材12は、原稿カバー支持手段における支持点の側部に、原稿カバー11と原稿載置台10との間に対応するように設けられることになり、原稿カバー11の背面側端部と原稿載置台10との間に生じる所謂クリアランスに対向する位置が障害部材12によって閉鎖される。これにより、例えば原稿カバー11を開放した際に、原稿カバー11の原稿載置台10との対向面に吸着された原稿が、原稿カバー11に沿って原稿カバー支持手段の設けられている背面側にスライドして前記クリアランスをすり抜け装置の背面側に落下する「原稿すり抜け現象」を防止することができる。
【0041】
このとき、上述の構成では、原稿カバー11に障害部材12を設けるだけであるので、原稿載置台10側に突出部材等を設ける必要がなくなり、装置の構成を簡素化することができる。
【0042】
ここで、障害部材12は、原稿カバー11の背面側端部に固定支持されるようにして設けてもよい。つまり、原稿カバー11における背面側の端部を略垂直に突出させて、原稿カバー11の開閉動作時に生じるクリアランスを塞ぐようにすることができる。
このとき、用紙1枚程度の原稿をコピーするような場合のように原稿カバー11の開放角度が小さければ障害部材12が原稿載置台10の背面との接触により外力を受け、前記固定支持点が破損する等の問題を生じることはない。
【0043】
ところが、実際にはコピーされる原稿が書籍等のブックものである場合もあり得るため、また、用紙1枚程度の原稿であっても、連続して原稿をコピーするような場合には原稿カバー11を十分に開放して開放状態を安定した状態にしてから、原稿の入れ換えを行なうことが多いので、開放角度は大きくなることが多い。このような場合には、原稿載置台10背面から作用する外力により障害部材12やその固定支持部が破損するおそれがある。
【0044】
そのため本実施の形態では図3に示すように、障害部材12は、原稿カバー11における背面側端部の支持部に回転移動可能に支持される構成を採っている。
【0045】
この構成であれば、障害部材12は、原稿カバー11の背面側端部に設けられているものの、完全に固定されているわけではないため、障害部材12の支持部に原稿載置台10背面から作用する外力によるモーメント等が生じることもない。
【0046】
そのため、例えば図3(b)及び(c)に示すように、原稿カバー11を大きく開放し障害部材12が原稿載置台10の背面に当接した際に、障害部材12は原稿載置台10の背面に当接したままで原稿カバー11に対して独立して移動できるため、完全に固定している場合と比較して障害部材12の支持部等が破損したりする事態を防止することができる。
【0047】
このように障害部材12を回転自在に支持する構成においては、障害部材12を原稿載置台10側に付勢するための付勢部材を備えていることで、より確実に前記クリアランスを閉鎖することが可能になるため、かかる付勢部材を備えることが好ましい。この付勢部材の例としては図3(d)に示すように、ネジリコイルバネ14などのバネ部材やその他の弾性部材を用いることができる。
【0048】
図3の例では、平板状の障害部材12を原稿カバー11の背面側の辺に沿って、この背面側端部を貫通する軸部を介して設けている。
【0049】
そして、ネジリコイルバネ14は、この軸部の端部近傍に、軸部に巻き回すように設けられている。これにより、ネジリコイルバネ14によって、原稿載置台10の背面側に(図中の矢印F方向)障害部材12が付勢されることになる。
【0050】
よって、障害部材12が、原稿カバー11と原稿載置台10との間のクリアランスに対向する位置に確実に配置されるとともに、原稿載置台10の背面側に対して障害部材12の一部が当接する。これにより、障害部材12によってクリアランスを一層確実に閉鎖することになるので、原稿すり抜け現象をより確実に防止することができる。
【0051】
なお、障害部材12の具体的な構成としては、クリアランスに対向した位置に配置された状態で、原稿の落下を十分に回避できる形状になっていればよく、特に上述の構成に限定されるものではない。
【0052】
たとえば、通常、原稿カバー支持手段は原稿載置台10の背面側の両端部近傍のみに設けられていることが多く、そのため、これらの原稿カバー支持手段の間にはクリアランスが生じやすい。
【0053】
それゆえ、本実施の形態では、このクリアランスが生じる位置に、障害部材12を配置しているが、このとき原稿の大きさを鑑みれば、障害部材12は、クリアランスを完全に閉鎖する帯板状であることが好ましいものの、必ずしも帯板状の部材でなくとも良いといえる。
【0054】
つまり図4に示すように、原稿カバー支持手段の間のクリアランス、すなわち同図における領域Zに障害部材12を設けることになるが、この障害部材12の形状としては、(A)のような平板状のものの他にも、(B)のような櫛状のものが一定間隔で配置されるような構成や、(C)のような網状となる構成にすることができる。
【0055】
ここで図5は、本発明の第2の実施形態を示す図である。本実施の形態では、第1の実施の形態のように、障害部材としての障害部材12を設けるのではなく、原稿カバー11の背面側端部及び原稿載置台10上における前記原稿カバー11の背面側端部に対向する位置のうちの一方に凸部を形成し、他方に凸部に係合する凹部を形成して、これらの凸部と凹部との係合によりクリアランスが閉鎖されるようになっている。
【0056】
具体的には本実施形態では、同図に示すように、原稿カバー11の背面側における原稿カバー支持手段13の支点近傍を含むライン上に沿って設けられる障害部材としてのカバー側凸部と、原稿載置台10上における前記原稿カバー11の背面側端部に対向する位置に設けられる載置台側凹部とがそれぞれ略同一の円弧形状をする構成を採っている。
【0057】
このように、原稿カバー11を原稿カバー支持手段13を介して原稿載置台10に対して開閉自在に固定支持するだけでなく、原稿カバー11と原稿載置台10とを前記カバー側凸部と載置台側凹部とを係合させることによって、原稿載置台10上において、通常、発生する原稿カバー11の背面側端部と原稿載置台10との間隔であるクリアランスを閉鎖することが可能となるため、原稿すり抜け現象を確実に防止することができる。
【0058】
このとき特に、上記凸部と凹部とは、装置のコンパクト化の観点から原稿カバー11側に凸部を設け、原稿載置台10側に凹部を設けることが好ましい。例えば、凹凸の配置が逆の場合、凹部を原稿カバー11に設けることになるが、この凹部を設けるために原稿カバー11の厚みを厚くしなければならないので、装置のコンパクト化を妨げられるおそれがある。
【0059】
一方、支点凹部を原稿載置台10側に設けると、原稿載置台10自身は画像読取装置の本体も兼ねていることから、装置のコンパクト化を損ねることなく、装置本体内に上記凹部に対応する程度のスペースを設けることが可能である。
【0060】
このように、凸部及び凹部が略同一の円弧形状をするように形成されていれば、原稿カバー支持手段の支点近傍における係合状態がより確実となり、しかも原稿カバー支持手段による開閉動作を妨げずに円滑に原稿カバー11を稼働することができる。これにより、原稿すり抜け現象を確実に防止できるのみならず、原稿カバー11の開閉動作を円滑化することもできる。
【0061】
本発明における第3の実施形態では、上述の実施形態1と同様に、クリアランスに対応する位置に障害部材12を設けることになるが、前記実施形態1では、原稿カバー11の背面側端部に障害部材12を設けていた。
【0062】
これに対して、本実施の形態では、原稿カバー支持手段の支点近傍における原稿カバー11及び原稿載置台10の間、すなわち背面側の原稿カバー11と原稿載置台10の対向面との間にシート状の障害部材12を配置している。
【0063】
具体的には、図6に示すように、略平板状の可撓性を備えたシート材を、原稿カバー11及び原稿載置台10の対向面にそれぞれ略当接した状態で屈曲して設けている。このとき、障害部材12は弾性部材でなくてもよいが、障害部材12が弾性を有していれば、原稿カバー11及び原稿載置台10の間で、該弾性部材がこれらの間のクリアランスを狭める方向に原稿カバー11を付勢することから、これらの間のクリアランスをより一層確実に埋めることになり、原稿すり抜け現象をより確実に防止することができる。
【0064】
上記弾性部材は、ある程度原稿カバー11か原稿載置台10に固定されていることが好ましい。例えば、同図に示すように、原稿載置台10の表面に弾性部材の一端を差し込んだ上で、他方の端部を原稿カバー11の対向面に当接させて該弾性部材を屈曲させるようにしてもよい。
【0065】
あるいは、図示しないが、上記弾性部材を原稿カバー11の背面側の辺の近傍に直接取り付けてもよい。つまり、原稿カバー11の背面側の位置に、弾性部材を一体化して形成してもよい。これによれば、原稿カバー11の本体を成形する際に、障害部材12に対応する部分も同時に成形した上で、原稿カバー11を原稿載置台10に取り付けるだけで、障害部材12を設けることが可能となるようにしてもよい。これにより、装置構成及び製造プロセスの簡素化を図ることができるとともに、コストの低廉化を図ることもできる。
【0066】
なお、障害部材12は、必ずしも平板状部材に限定されるものではない。つまり上述の第1の実施形態で述べたように、櫛状や網状の障害部材を用いることもできる。もちろん、これらの形状を用いた場合には、クリアランスを閉鎖するにあたってある程度の隙間ができることになるので、この隙間が、原稿のサイズよりも十分に小さくなるようにすることが必要である。
【0067】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、
(1)装置上面に配置された原稿載置台の背面側端部近傍に設けた原稿カバー支持手段によって原稿載置台上面に対して原稿カバーを開閉自在に支持する原稿読取装置に備えられ、該原稿載置台の背面側端部と開放状態の原稿カバーとの間を原稿カバーの開閉軸方向の一部又は全部について閉鎖する障害部材を有することから、原稿載置台の背面側端部と原稿カバーとの間のいわゆるクリアランス空間において、原稿のすり抜けが生じ易い開放時に、かかるクリアランス空間の一部又は全部を前記障害部材により閉鎖することができ、例えば開放状態の原稿カバーのカバー面に吸着された状態の原稿が、カバー面に沿ってスライドし、該クリアランス空間をすり抜け落下すること等を防止できる。
【0068】
(2)前記障害部材は、原稿カバーの背面側端部から延出し、原稿カバーが開閉動作する間において原稿載置台の背面に対向することから、原稿カバーの開閉動作の際にクリアランス空間をすり抜ける原稿が、該障害部材によって遮られ原稿載置台の背面側に落下することを防止できる。
【0069】
(3)前記障害部材は、原稿カバーの背面側端部に回転自在に支持されることから、該障害部材が原稿載置台の背面と当接することにより該障害部材から外力を受ける場合においても、該障害部材の支持点には、かかる外力によるモーメント等が生じることを防止でき、該障害部材の破損を防止することができる。
(4)前記障害部材は、その一部が装置本体の背面に当接するとともに、該障害部材を該画像読取装置を押圧する方向に付勢する付勢部材を備えたことから、該障害部材は確実に装置本体の背面に当接することになり、原稿カバーの開閉動作の際にクリアランス空間をすり抜ける原稿の装置本体の背面側への落下を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の原稿読取装置の構成を示す図である。
【図2】本発明が適用される画像形成装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の原稿すり抜け防止機構の構成の一例を示す図である。
【図4】本発明の障害部材の形状のバリエーションを示す図である。
【図5】本発明の原稿すり抜け防止機構の構成の一例を示す図である。
【図6】本発明の原稿すり抜け防止機構の構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
1−画像形成装置
10−原稿載置台
11−原稿カバー
12−障害部材
13−原稿カバー支持手段
14−ネジリコイルバネ
20−原稿読取装置
30−給紙ユニット
40−画像形成ユニット

Claims (4)

  1. 原稿が載置される原稿載置台と、
    前記原稿載置台の背面側端部近傍に配設されるとともに、前記原稿載置台を開放または閉塞する原稿カバーを回動自在に支持する原稿カバー支持手段と、
    前記原稿カバーの背面側端部の支持部に回転自在に支持されるとともに、前記原稿載置台の背面側端部と前記原稿載置台を開放する前記原稿カバーとの間に形成される間隙の少なくとも一部を覆う障害部材と、
    を備えたことを特徴とする原稿読取装置。
  2. 前記障害部材の一部が常に本原稿読取装置の背面に当接するように、本原稿読取装置の前記背面の方向に前記障害部材を付勢する付勢部材をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の原稿読取装置。
  3. 装置上面に配置された原稿載置台の背面側端部近傍に設けた原稿カバー支持手段によって原稿載置台上面に対して原稿カバーを開閉自在に支持する原稿読取装置に備えられ、
    前記原稿載置台の背面側端部と開放状態の原稿カバーとの間を原稿カバーの開閉軸方向の一部又は全部について閉鎖する障害部材を有し、
    前記障害部材は、原稿カバーの背面側端部に回転自在に支持され、前記原稿カバーが開閉動作する間において前記原稿載置台の背面に対向することを特徴とする原稿すり抜け防止機構。
  4. 前記障害部材は、一部において装置本体の背面に当接するとともに、前記障害部材を前記画像読取装置を押圧する方向に付勢する付勢部材を備えたことを特徴とする請求項3に記載の原稿すり抜け防止機構。
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