JP3653328B2 - 管体の接続構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、第1の管体と第2の管体とを相互に接続するための管体の接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、自動車においては、軽量化およびコスト低減の要請から排気管の薄肉化が図られており、排気管の接続部については、排気管の薄肉化によるアーク溶接の困難性から溶接を用いない接続構造が要望されている。
従来、このように溶接を用いない管体の接続構造として、例えば、特開平6−11077号公報に開示されるものが知られている。
【0003】
図3は、この公報に開示される管体の接続構造を示すもので、この管体の接続構造では、第1の管体11の端部および第2の管体13の端部の外側に、連結部材15が被嵌され、連結部材15から内側に突出して形成される環状突部15aにより、第1の管体11および第2の管体13が塑性変形され、第1の管体11および第2の管体13に内側に突出する環状突部11a,13aが形成されている。
【0004】
このような管体の接続構造では、連結部材15の環状突部15aが、第1の管体11および第2の管体13の環状突部11a,13aに密着するため、溶接を用いることなしに良好なシール性を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の管体の接続構造では、連結部材15の環状突部15aが、第1の管体11および第2の管体13の環状突部11a,13aに単に密着しているだけであるため、第1の管体11と第2の管体13に相対的な回動力が作用すると、第1の管体11と第2の管体13とが相対的に回転してしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる従来の問題を解決するためになされたもので、シール性を確保しながら第1の管体と第2の管体とが相対回転することを容易,確実に阻止することができる管体の接続構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の管体の接続構造は、金属製の第1の管体と第2の管体とを相互に接続する管体の接続構造において、前記第1の管体の端部および第2の管体の端部の内方に、内側に突出する環状突部を形成し、前記第1の管体の端部および第2の管体の端部に、筒状のカラー部材の一側および他側を前記環状突部に当接するまで嵌挿するとともに、前記第1の管体および第2の管体の外側に、前記カラー部材を覆って、金属からなる環状の連結部材を嵌合し、前記連結部材に、前記第1の管体および第2の管体の前記環状突部に沿って密着する環状突部を形成し、前記環状突部の幅Wを周上において異ならせてなることを特徴とする。
【0008】
請求項2の管体の接続構造は、金属製の第1の管体と第2の管体とを相互に接続する管体の接続構造において、前記第1の管体の端部および第2の管体の端部の内方に、内側に突出する環状突部を形成し、前記第1の管体の端部および第2の管体の端部に、筒状のカラー部材の一側および他側を前記環状突部に当接するまで嵌挿するとともに、前記第1の管体および第2の管体の外側に、前記カラー部材を覆って、金属からなる環状の連結部材を嵌合し、前記連結部材に、前記第1の管体および第2の管体の前記環状突部に沿って密着する環状突部を形成し、前記環状突部の深さHを周上において異ならせてなることを特徴とする。
【0009】
(作用)
請求項1の管体の接続構造では、第1の管体および第2の管体の外側に嵌合される連結部材の環状突部が、第1の管体および第2の管体の環状突部に密着されシール性が確保される。
また、環状突部の幅を周上において異ならせたので、第1の管体と第2の管体とが相対回転することが阻止される。
【0010】
さらに、連結部材には、第1の管体および第2の管体の環状突部に沿った環状突部の形成が、例えば、プレス成形,ロール成形等により連結部材を塑性変形することにより行われるが、この時に、カラー部材が芯金の働きをする。
請求項2の管体の接続構造では、第1の管体および第2の管体の外側に嵌合される連結部材の環状突部が、第1の管体および第2の管体の環状突部に密着されシール性が確保される。
【0011】
また、環状突部の深さを周上において異ならせたので、第1の管体と第2の管体とが相対回転することが阻止される。
さらに、連結部材には、第1の管体および第2の管体の環状突部に沿った環状突部の形成が、例えば、プレス成形,ロール成形等により連結部材を塑性変形することにより行われるが、この時に、カラー部材が芯金の働きをする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図面に示す実施形態について説明する。
図1は、本発明の管体の接続構造の一実施形態(請求項1に対応)を示しており、図において符号21は円筒状の第1の管体を、符号23は円筒状の第2の管体を示している。
【0013】
第1の管体21および第2の管体23は、ステンレス鋼等の金属からなり、例えば、エンジンの排ガスが流通される排気管として使用される。
第1の管体21の端部および第2の管体23の端部の内方には、内側に突出する環状突部21a,23aが予め形成されている。
この環状突部21a,23aの幅Wは、その周上において異なって形成されている。
【0014】
この実施形態では、環状突部21a,23aの幅Wは、その上下において最大幅部W1または最小幅部W2とされ、上下方向に連続的に減少または増大されている。
【0015】
すなわち、環状突部21a,23aは、一側の最大幅部W1の両端と他側の最小幅部W2の両端とを直線で結んだ形状とされている。
最大幅部W1の幅は、例えば10mmとされ、最小幅部W2の幅は、例えば5mmとされる。
そして、第1の管体21の端部および第2の管体23の端部には、ステンレス鋼等の金属からなるカラー部材25の一側および他側が、環状突部21a,23aに当接するまで嵌挿されている。
【0016】
第1の管体21および第2の管体23の外側には、カラー部材25を覆う位置に、ステンレス鋼等の金属からなる環状の連結部材27が嵌合されている。
この連結部材27は、カラー部材25より長尺とされている。
そして、連結部材27には、第1の管体21および第2の管体23の環状突部21a,23aに沿って環状突部27a,27bが形成されている。
【0017】
この環状突部27a,27bは、例えば、プレス成形により、第1の管体21および第2の管体23の環状突部21a,23aに沿って、連結部材27を塑性変形することにより形成される。
また、前記のようにカラー部材25を介して接合された第1の管体21および第2の管体23の外形形状と略同一の内形形状を有する分割のプレス型を用いて、この接合部の全体をプレス加工して、環状突部27a,27bを含めた接合部全体に連結部材27を密着接合させても良い。
【0018】
そして、この時に、カラー部材25が芯金の働きをする。
以上のように構成された管体の接続構造では、第1の管体21および第2の管体23の外側に嵌合される連結部材27の環状突部27a,27bが、第1の管体21および第2の管体23の環状突部21a,23aに密着されるため高いシール性を得ることができる。
【0019】
また、環状突部21a,23a,27a,27bの幅を周上において異ならせたので、第1の管体21と第2の管体23とが相対回転することを容易,確実に阻止することができる。
そして、この実施形態では、環状突部21a,23aの幅Wを、その上下において最大または最小にし、上下方向に連続的に減少または増大するようにしたので、楔効果により、第1の管体21と第2の管体23とが相対回転することをより確実に阻止することができる。
【0020】
さらに、この実施形態では、第1の管体21側の環状突部21aの最大幅部W1の位置を、第2の管体23側の環状突部23aの最大幅部W1の位置に対して180度異なる位置に形成したので、第1の管体21と第2の管体23とが相対回転することをより確実に阻止することができる。
また、上述した管体の接続構造では、カラー部材25が芯金の働きをするため、環状突部27a,27bを確実に形成することができる。
【0021】
図2は、本発明の管体の接続構造の第2の実施形態(請求項2に対応)を示すもので、この実施形態では、予め、第1の管体21および第2の管体23の環状突部21a,23aの深さが周上において異なって形成されており、これにより、連結部材29の環状突部29a,29bの深さHが周上において異なって形成されている。
【0022】
この実施形態では、環状突部29a,29bの深さHは、その上下において最大深さH1または最小深さH2とされ、上下方向に連続的に減少または増大されている。
最大深さH1は、例えば5mmとされ、最小深さH2は、例えば2mmとされる。この環状突部29a,29bは、例えば、プレス成形,ロール成形等により、第1の管体21および第2の管体23の環状突部21a,23aに沿って、連結部材29を塑性変形することにより形成され、この時に、カラー部材25が芯金の働きをする。
【0023】
なお、上述した部分を除いて第1の実施形態と同様に構成されているため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
上述した管体の接続構造では、第1の実施形態と同様に、第1の管体21および第2の管体23の外側に嵌合される連結部材29の環状突部29a,29bが、第1の管体21および第2の管体23の環状突部21a,23aに密着されるため高いシール性を得ることができる。
【0024】
また、環状突部21a,23a,29a,29bの深さを周上において異ならせたので、第1の管体21と第2の管体23とが相対回転することを容易,確実に阻止することができる。
さらに、カラー部材25が芯金の働きをするため、環状突部29a,29bを確実に形成することができる。
【0025】
なお、以上述べた実施形態では、第1の管体21と第2の管体23とを略同一径にした例について述べたが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、第1の管体21と第2の管体23とを異なる径にしても良い。
また、以上述べた実施形態では、環状突部27a,27bの幅Wまたは環状突部29a,29bの深さHのいずれか一方のみを異ならせた例について述べたが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、環状突部の幅および深さの両者を同時に異ならせても良く、このようにすることにより第1の管体と第2の管体とが相対回転することをより確実に阻止することができる。
【0026】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1の管体の接続構造では、第1の管体および第2の管体の外側に嵌合される連結部材の環状突部が、第1の管体および第2の管体の環状突部に密着されるため高いシール性を得ることができる。
また、環状突部の幅を周上において異ならせたので、第1の管体と第2の管体とが相対回転することを容易,確実に阻止することができる。
【0027】
さらに、カラー部材が芯金の働きをするため、環状突部を確実に形成することができる。
請求項2の管体の接続構造では、第1の管体および第2の管体の外側に嵌合される連結部材の環状突部が、第1の管体および第2の管体の環状突部に密着されるため高いシール性を得ることができる。
【0028】
また、環状突部の深さを周上において異ならせたので、第1の管体と第2の管体とが相対回転することを容易,確実に阻止することができる。
さらに、カラー部材が芯金の働きをするため、環状突部を確実に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の管体の接続構造の第1の実施形態を示す縦断面図である。
【図2】本発明の管体の接続構造の第2の実施形態を示す縦断面図である。
【図3】従来の管体の接続構造を示す一部縦断面図である。
【符号の説明】
21 第1の管体
23 第2の管体
25 カラー部材
27 連結部材
27a,27b 環状突部
29 連結部材
29a,29b 環状突部

Claims (2)

  1. 金属製の第1の管体(21)と第2の管体(23)とを相互に接続する管体の接続構造において、
    前記第1の管体(21)の端部および第2の管体(23)の端部の内方に、内側に突出する環状突部(21a,23a)を形成し、前記第1の管体(21)の端部および第2の管体(23)の端部に、筒状のカラー部材(25)の一側および他側を前記環状突部(21a,23a)に当接するまで嵌挿するとともに、前記第1の管体(21)および第2の管体(23)の外側に、前記カラー部材(25)を覆って、金属からなる環状の連結部材(27)を嵌合し、前記連結部材(27)に、前記第1の管体(21)および第2の管体(23)の前記環状突部(21a,23a)に沿って密着する環状突部(27a,27b)を形成し、前記環状突部(21a,23a,27a,27b)の幅Wを周上において異ならせてなることを特徴とする管体の接続構造。
  2. 金属製の第1の管体(21)と第2の管体(23)とを相互に接続する管体の接続構造において、
    前記第1の管体(21)の端部および第2の管体(23)の端部の内方に、内側に突出する環状突部(21a,23a)を形成し、前記第1の管体(21)の端部および第2の管体(23)の端部に、筒状のカラー部材(25)の一側および他側を前記環状突部(21a,23a)に当接するまで嵌挿するとともに、前記第1の管体(21)および第2の管体(23)の外側に、前記カラー部材(25)を覆って、金属からなる環状の連結部材(29)を嵌合し、前記連結部材(29)に、前記第1の管体(21)および第2の管体(23)の前記環状突部(21a,23a)に沿って密着する環状突部(29a,29b)を形成し、前記環状突部(21a,23a,29a,29b)の深さHを周上において異ならせてなることを特徴とする管体の接続構造。
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