JP4336911B2 - 金属製可撓管と接続管との継手部構造及びそれらの継手連結方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力流体を送給する配管用の継手部構造等に関し、特に、金属製可撓管と接続管との継手部構造及びそれらの継手方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水道水等の給水配管用として変位吸収性があり、また、配管方向の自由性が高い等の点から配管の継手部には金属製可撓管が汎用されている。金属製可撓管は襞を連続して形成するような波状に成形したフレキシブル管(ベローズ管)を備えたものであり、これと例えば直管等の接続管とを継手連結する場合、一般的には図2、図3に示すような継手部構造が知られている。従来の図2の構造において、中空円筒状の固定金具100の内部に接続管102の固定用の凹溝104を離隔位置に2箇所形成させるとともに、金属製可撓管106固定用の凹溝108を離隔した隣接位置に2箇所形成させ、固定金具100の両端側からそれぞれ接続管102の端部あるいは金属製可撓管106の端部を挿入させ、内部側からローラーを押しつける等の手段によりそれぞれの凹溝104、108部分を拡径させることにより接続管と金属製可撓管との継手連結を行なっている。また、図3の継手構造では、中空円筒状の固定金具110の内部に凹溝112を設け、同固定金具110の一端側を接続すべき接続管102と溶接固定し、凹溝112内にオーリング114を装嵌させた状態で固定金具110の内部に金属製可撓管106の一端側を挿入させ、その状態で金属製可撓管106の内部側から公知の拡管方法によりこのオーリングに対応する部分を拡管させて固定させているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図2に示す従来の継手構造によれば、固定金具に接続管固定用及び金属製可撓管固定用の計4箇所の凹溝を形成しなければならず、固定金具の加工工数が多く、コスト高となるばかりでなく、4箇所の拡管作業を行なわねばならず、組付工数が増加し、製造時間がかかりよって全体の製品単価が高くつくものであった。また、図3に示す従来の継手構造においては、固定金具と接続金具との溶接が必要となり、溶接作業時間がかかるばかりでなく、溶接による熱応力除去、あるいは材質の固溶化を行なうための熱処理が別途必要となり、製造組付時間が大幅に長く、コスト増の原因となっていた。
【0004】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その1つの目的は、固定金具に接続管を挿入させ、さらにオーリングと金属製可撓管を挿入させた状態で金属製可撓管と接続管とを同時に1度拡管させるだけで内部流体の漏洩を確実に防止し、固定金具による接続管と金属製可撓管とを強固に継手連結させる金属製可撓管と接続管との継手部構造及びそれらの継手方法を提供することである。また、本発明の他の目的は、簡単な構造で低コストであり、しかも極めて短時間で組付させることのできる金属製可撓管と接続管との継手部構造及びそれらの継手方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、内壁に周状に形成した凹溝18を有するとともにこの凹溝18から離隔した位置に設けられた段差部20と段差部に連続し拡径した拡径壁22とを有する筒状の固定金具12と、端部に管径を拡大させたフレア部24を有しこのフレア部が固定金具12の段差部20に係止されるように固定金具12内に挿入される接続管14と、フレア部24を固定金具12の段差部20に係合させた状態で同フレア部24の外面側に当接し固定金具12の内部に配置されるオーリング26と、固定金具12内に接続管14を挿入させた状態でさらにその内側から挿入され端部に平坦部30を形成させ波状に形成された波部28を有する金属製可撓管16と、を有し、金属製可撓管16の平坦部30を固定金具12の凹溝18を越えるように延設させた状態で該凹溝18に対応する部分を内部から拡管させつつ波部28をオーリング26に密着させながら金属製可撓管16と接続管14とを継手連結させる金属製可撓管と接続管との継手部構造から構成される。
【0006】
また、本発明は、内壁に周状に形成した凹溝18を有するとともにこの凹溝18から離隔した位置に設けられた段差部20と段差部に連続し拡径した拡径壁22とを有する筒状の固定金具12の内部に、端部に管径を拡大させたフレア部24を有する接続管14を挿入してフレア部24を固定金具12の段差部20に係止させ、フレア部24の外面側であって固定金具12の内部にオーリング26を装嵌させ、その内側から固定金具12の凹溝18を越えるように金属製可撓管16を挿入させて延設させ、固定金具12の凹溝18に対応する部分を金属製可撓管16の内部から拡管させつつ金属製可撓管の波部28をオーリング26に密着させながら金属製可撓管16と接続管14とを継手連結させる金属製可撓管と接続管との継手連結方法から構成される。
【0007】
【発明の実施の形態及び実施例】
以下、添付図面に基づいて、本発明の好適な実施例を説明する。図1は本発明の実施例にかかる金属性可撓管と接続管との継手部構造(以下「継手部構造10」という)の一部切欠要部拡大説明図であり、図においてこの継手部構造10は中空円筒状の固定金具12の中空内部に接続すべき接続管14と金属製可撓管16のそれぞれの端部を固定金具にそれぞれ挿入し、これらの接続管14と金属製可撓管16の重ね合わせ部分を拡管させることにより両者を継手連結させたものである。
【0008】
図において、固定金具12は例えばステンレスその他の金属等からなり円筒状のスリーブ管から構成されている。固定金具12の一端側d1寄り位置には内壁12aに周状に凹溝18が形成されている。一方、この凹溝18から離隔した固定金具12の他端側d2寄り位置には同固定金具12の内壁から段差状に拡径させた段差部20が形成され、さらに、この段差部20に連続して内壁から拡径した拡径壁22が形成され、他端側d2まで連続し終端している。この固定金具12の外周面にはブレード固定用の固定リング用凹溝23が凹設されている。
【0009】
固定金具12の一端側d1には金属製性可撓管16と継手接続すべき接続管14の端部が挿入され嵌合状に密着係止される。接続管14は流体の案内用の金属製配管部材であり、実施例において例えば中空円筒形の直管から形成されている。接続管14の外径は固定金具12の内径に略密着状に係合し得る程度の大きさに設定されている。この接続管14を挿入させた状態での同接続管14の端部には管径をラッパ状に拡大させたフレア部24が公知のフレア加工等の手法により形成されている。フレア部24の具体的な形状は任意に設定してよい。直角状に曲げ形成したものでも良いし、テーパ状に形成したものでも良い。フレア部24の拡大端の外径は固定金具12の内径よりも大きくなるように設けられている。したがって、固定金具12の中空内部に接続管14を挿入するときには例えば接続管14側の他端部側を固定金具12の他端側d2から差し入れ、接続管14のフレア部24が固定金具12の段差部20に衝合するまで挿入するものである。そして、接続管14の端部を固定金具12の内部に挿入させ、接続管14のフレア部24を固定金具12の段差部20に係着させた状態では固定金具12の凹溝18を遮蔽して接続管14が固定金具の内部に装着される。
【0010】
接続管14のフレア部24のR状に拡径した外面側であって固定金具の内部にはゴム質材等のオーリング26が装着されている。実施例において、オーリング26は固定金具の段差部20に連続する拡径壁22に密着し、かつ接続管14の外面側に当接するように配置されている。
【0011】
そして、固定金具12内に接続管14を挿入させた状態でさらにその内側から金属製可撓管16が挿入される。金属製可撓管16は、公知のロール成形法あるいは液圧成形法等の手段によりステンレス薄板材等を円筒状に溶接し、波付け加工したものである。金属製可撓管16は、波状に形成された波部28を有するとともに、端部には直状の平坦部30が形成されている。そして、金属製可撓管16を平坦部30側から接続管14の他端側d2に挿入し、突入させることにより平坦部30と波部の始めである第1波片28aの略側面側にオーリング26の周面の一部が当接するようにさせる。
【0012】
この状態では、オーリング26は接続管14及び金属製可撓管16のいずれにもその周面のどこかで密着状に当接している。このとき、金属製可撓管16の平坦部30は固定金具の中空内部に挿入された接続管14の内壁に密着状に沿うように設けられ、かつ延長端は固定金具12の凹溝18部分を越えて延長して配置されている。
【0013】
この状態で金属製可撓管16の平坦部30を固定金具12の凹溝18を越えるように延設させた状態で該凹溝18に対応する部分を内部から公知の偏心ローラ等の回転駆動機構等を用いて拡管させることにより、この部分の接続管14及び金属製可撓管16が外方に強圧状に拡径される。これによって、そのぶんだけ固定金具の凹溝18部分よりも固定金具の他端側d2、すなわち段差部20側の接続管及び金属製可撓管が凹溝18側(図上左方向)に引張され、その結果接続管14のフレア部24が固定金具12の段差部20側に強圧的に押し付けられるとともに金属製可撓管16の第1波片28aも同一方にかつ同時に引き寄せられる。これによって第1波片28aの略側面側がオーリング26の周面に強圧的に押し付けられ接続管14と金属製可撓管16との水密が確実に保持される。これによって、単に1箇所だけの接続管及び金属製可撓管の拡管作業で連結強度を保持しつつ、かつ内部を通流する流体の漏れを確実に防止しながら接続管14と金属製可撓管16との継手連結を行なうことができる。
【0014】
本発明の実施例にかかる金属製可撓管と接続管との継手部構造の組付方法については前述した工程とほぼ同様であり、固定金具12の中空内部に接続管14のフレア部24が固定金具の段差部20に係合するように挿入する。挿入方法はフレア加工が施されていない側の接続管14の端部を固定金具12の拡径壁22側から挿入させる。固定金具12の段差部20に接続管のフレア部24を係合させた状態でオーリング26をフレア部24及び固定金具12の内壁に当接するように装嵌させる。その状態で、固定金具の拡径壁22側から金属製可撓管16の平坦部30側を同固定金具12の中空内部に挿入させ、固定金具12の凹溝18を越える位置までその先端が延長するように配置させる。金属製可撓管を固定金具の内部に差し込んでいくと金属製可撓管16の第1波片28aが平坦部30より拡径しているのでこの第1波片28aの側面側がオーリグ26の周面に当接する。そして、両者を密着させた状態で固定金具12の凹溝18に対応する部分を固定金具の内部から公知の拡管手段で拡管させる。拡管時に接続管14と金属製可撓管16が同時に図上左方向に引張されるから接続管14の外面と金属製可撓管16の側面側がオーリングを間に挟んでオーリングに押えつけられ、オーリングを押しつぶしながら密着状に圧接する。これによって単に1箇所だけの拡管作業だけで接続管と金属製可撓管との水密を保持し、この間の部分からの流体の漏れ防止を確実に行なうとともに、両者の継手連結を行なうこととなる。したがって、拡管の作業工数が大幅に減少し、さらに溶接を一切用いないので溶接後の熱処理が不要となり、継手の組付作業時間を大幅に短縮させ得るとともに、組付製造コストを削減させることができる。なお、図中32は固定リング用凹溝23に金属製ブレードを挟み込んだ状態で同ブレードを固定する固定リング、34は金属製可撓管の外面に外装され同金属製可撓管16を保護するブレードである。
【0015】
金属製可撓管と接続管との継手連結方法の形態としては、内壁に周状に形成した凹溝18を有するとともにこの凹溝18から離隔した位置に設けられた段差部20と段差部に連続し拡径した拡径壁22とを有する筒状の固定金具12の内部に、端部に管径を拡大させたフレア部24を有する接続管14を挿入してフレア部24を固定金具12の段差部20に係止させ、フレア部24の外面側であって固定金具12の内部にオーリング26を装嵌させ、その内側から固定金具12の凹溝18を越えるように金属製可撓管16を挿入させて延設させ、固定金具12の凹溝18に対応する部分を金属製可撓管16の内部から拡管させつつ金属製可撓管16の波部28をオーリング26に密着させながら金属製可撓管と接続管とを継手連結させるものである。
【0016】
本発明に係る金属製可撓管と接続管との継手部構造及びそれらの継手連結方法は上記した実施例構成にのみ限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の本質を逸脱しない範囲において任意の改変を行っても良い。接続管、固定金具、金属製可撓管の材質はその他の任意の材質のものを用いてもよい。
【0017】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明の金属製可撓管と接続管との継手部構造によれば、内壁に周状に形成した凹溝を有するとともにこの凹溝から離隔した位置に設けられた段差部と段差部に連続し拡径した拡径壁とを有する筒状の固定金具と、端部に管径を拡大させたフレア部を有しこのフレア部が固定金具の段差部に係止されるように固定金具内に挿入される接続管と、フレア部を固定金具の段差部に係合させた状態で同フレア部の外面側に当接し固定金具の内部に配置されるオーリングと、固定金具内に接続管を挿入させた状態でさらにその内側から挿入され端部に平坦部を形成させ波状に形成された波部を有する金属製可撓管と、を有し、金属製可撓管の平坦部を固定金具の凹溝を越えるように延設させた状態で該凹溝に対応する部分を内部から拡管させつつ波部をオーリングに密着させながら金属製可撓管と接続管とを継手連結させるようにしているので、1箇所だけの拡管作業で接続管と金属製可撓管との水密を保持し、流体の漏れ防止を確実に行なうとともに、両者の継手連結を短時間に行なうことが可能である。また、組付製造コストも大幅に削減させることができる。
【0018】
また、本発明の金属製可撓管と接続管との継手連結方法によれば、内壁に周状に形成した凹溝を有するとともにこの凹溝から離隔した位置に設けられた段差部と段差部に連続し拡径した拡径壁とを有する筒状の固定金具の内部に、端部に管径を拡大させたフレア部を有する接続管を挿入してフレア部を固定金具の段差部に係止させ、フレア部の外面側であって固定金具の内部にオーリングを装嵌させ、その内側から固定金具の凹溝を越えるように金属製可撓管を挿入させて延設させ、固定金具の凹溝に対応する部分を金属製可撓管の内部から拡管させつつ金属製可撓管の波部をオーリングに密着させながら金属製可撓管と接続管とを継手連結させるから、1箇所だけの拡管作業で接続管と金属製可撓管との水密を保持し、流体の漏れ防止を確実に行なうとともに、両者の継手連結を短時間に行なうことができ、あわせて組付製造コストも大幅に削減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る金属製可撓管と接続管との継手部構造の一部断面説明図である。
【図2】従来の金属製可撓管と接続管との継手部構造の一部断面説明図である。
【図3】従来の金属製可撓管と接続管との他の継手部構造の一部断面説明図である。
【符号の説明】
10 継手部構造
12 固定金具
14 接続管
16 金属製可撓管
18 凹溝
20 段差部
22 拡径壁
24 フレア部
26 オーリング
28 波部
30 平坦部
d1 固定金具一端側
d2 固定金具他端側
Claims (2)
- 内壁に周状に形成した凹溝を有するとともにこの凹溝から離隔した位置に設けられた段差部と段差部に連続し拡径した拡径壁とを有する筒状の固定金具と、
端部に管径を拡大させたフレア部を有しこのフレア部が固定金具の段差部に係止されるように固定金具内に挿入される接続管と、
フレア部を固定金具の段差部に係合させた状態で同フレア部の外面側に当接し固定金具の内部に配置されるオーリングと、
固定金具内に接続管を挿入させた状態でさらにその内側から挿入され端部に平坦部を形成させ波状に形成された波部を有する金属製可撓管と、を有し、
金属製可撓管の平坦部を固定金具の凹溝を越えるように延設させた状態で該凹溝に対応する部分を内部から拡管させつつ波部をオーリングに密着させながら金属製可撓管と接続管とを継手連結させる金属製可撓管と接続管との継手部構造。 - 内壁に周状に形成した凹溝を有するとともにこの凹溝から離隔した位置に設けられた段差部と段差部に連続し拡径した拡径壁とを有する筒状の固定金具の内部に、端部に管径を拡大させたフレア部を有する接続管を挿入してフレア部を固定金具の段差部に係止させ、
フレア部の外面側であって固定金具の内部にオーリングを装嵌させ、
その内側から固定金具の凹溝を越えるように金属製可撓管を挿入させて延設させ、
固定金具の凹溝に対応する部分を金属製可撓管の内部から拡管させつつ金属製可撓管の波部をオーリングに密着させながら金属製可撓管と接続管とを継手連結させる金属製可撓管と接続管との継手連結方法。
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