JP3652299B2 - 液晶表示装置およびこの液晶表示装置を配設した携帯端末または表示機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は基板上の半導体素子接続用の接続端子が矩形状の表示領域の一辺または対向する二辺にそって形成したSTN方式などの液晶表示装置に関するものである。さらに本発明は、かかる液晶表示装置を配設した携帯端末または表示機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、小型の液晶表示装置、たとえば携帯電話用などの液晶表示装置が量産されている。
【0003】
図3と図4により、この小型化したSTN方式の液晶表示装置Pを説明する。
【0004】
図3のAは液晶表示装置Pの平面図、同図Bはその右側面図、同図Cは上側面図である。図4は図3Aにおける切断面線a−aによる断面図である。
【0005】
液晶表示装置Pにおいては、ドライバーICを2個用いて、一方をセグメント用に、他方をコモン用にして、それぞれを矩形状のガラス基板貼り合せ構造の2辺にそって、それらの外側に実装する。
【0006】
その実装にはドライバーICが実装されたTCP(テープキャリアパッケージ)やCOF(チップオンフィルム)を用いている。なお、液晶表示装置Pにおいては、TCPやCOFをガラス基板貼り合せ構造に並べて配設するが、それらは図示していない。
【0007】
このガラス基板貼り合せ構造によれば、ガラス基板1とガラス基板2との貼り合せ面に表示部3が設けられる。
【0008】
ガラス基板2の上にはITOからなるn本のコモン用透明電極群4と、このコモン用透明電極群4を延在してなる台形状の配線パターン5とが形成され、他方のガラス基板1の上にはITOからなるセグメント用透明電極群10と、このセグメント用透明電極群10を延在してなる台形状の配線パターン9とが形成され、コモン用透明電極群4とセグメント用透明電極群10とが交差する領域が表示部3となる。
【0009】
表示部3のさらに外側にはシール樹脂7を周設し、このシール樹脂7でもってガラス基板1とガラス基板2との貼り合せ、その内部空間に液晶12を注入口13を通して注入し、シール樹脂7により封止する。11はUV硬化樹脂であり、注入した液晶を封止する目的がある。
【0010】
セグメント用透明電極群10がm本である場合には、画素数はm×nとなるが、カラー化した液晶表示装置Pにおいては、1画素はR(赤)、G(緑)、B(青)の3種類でもって構成することで、画素数をm×nとする場合には、セグメント用透明電極群10を(3×m)本設ける。
【0011】
また、ガラス基板1の2端辺にはTCPやCOFを接続するためのITOなどからなるコモン側端子群6とセグメト側端子群8が形成され、これらの上に異方性導電膜等を用いて熱圧着される。
【0012】
シール樹脂7には導電粒子14を含有させ、これにより、コモン側端子群6は扇状に広がる配線パターン5および導電粒子14を経由してコモン用透明電極群4と通電される。
【0013】
コモン透明電極群4上には液晶12を配向させるための配向膜23が、他方のセグメント透明電極群10上にも配向膜24が形成されており、配向膜23と配向膜24の間には基板隙間を一定に保つためのスペーサ45が分散されている。
【0014】
セグメント透明電極群10、セグメント側端子群8はそれぞれm×3本あり、コモン透明電極群4、コモン側端子群6はそれぞれn本あるが、図の上では途中を省略して描いている。
【0015】
かくして上記構成の液晶表示装置Pにおいては、導電粒子14を含有するシール樹脂7を通して、コモン側端子群6と配線パターン5とコモン用透明電極群4と通電させることで、ガラス基板2上の配線パターン5をガラス基板1上のコモン側端子群6に引き出し、他のセグメント側端子群8とともに、それぞれTCPやCOFと接続させることができる(特開平8ー179348号参照)。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成の液晶表示装置Pによれば、ドライバーICを2個用いて、一方をセグメント用に、他方をコモン用にして、それぞれを矩形状のガラス基板貼り合せ構造の2辺にそって、それらの外側に実装していることで、ドライバーICの個数を少なくすることが求められる。
【0017】
したがって、双方のIC機能を備えたドライバーICでもって1個に集約し、これにより、ICや実装のコストを安くすることが望ましいと言える。
【0018】
このように1個のドライバーICを実装した液晶表示装置を図5〜図7により説明する。
【0019】
図5のAは液晶表示装置P1の平面図、同図Bはその右側面図、同図Cは上側面図である。図6は図5に示す要部Bの拡大図であり、図7は図6における切断面線c−cによる断面図である。また、図8は図6における切断面線d−dによる断面図である。なお、これらの図において前記液晶表示装置Pと同一個所には同一符号を付す。
【0020】
図5に示すように表示部3を上下に2分し、同図Aにおいて上側の部分のコモン透明電極群4を右側に、下側の部分のコモン透明電極群4を左側に導出して、双方をガラス基板2上において配線パターン5と成し、そして、これら配線パターン5を、基板間導通部18、19にまで延ばす。
【0021】
これら基板間導通部18、19はガラス基板1とガラス基板2との双方の配線を通電せしめるものであって、本例では、図7に示すように導電粒子14を含有するシール樹脂7を用いる。
【0022】
このように双方の配線パターン5を、かかる構成の基板間導通部18、19を通してガラス基板1上にてセグメント側端子群8の両側に延ばし、これによってITOからなる扇状に広がる配線パターン20と接続され、さらにコモン側端子群6とも接続される。
【0023】
一方、セグメント側端子群8は扇状に広がるITOからなる配線パターン9を介してITOからなるセグメント透明電極群10へ接続される。
【0024】
さらに、n本のコモン透明電極群4を上から順番に1〜n'、n'+1〜n本目とすると(1<n'<n)、通常、n'はnのほぼ半分の値になるが、コモン側端子群6と対応させると、コモン側端子群6の右側ブロックにおいて、最右端子から1本目で順番に左へ数えて最左端子をn'本目であり、また、コモン側端子群6の左側ブロックにおいて、最左端子がn'+1本目で順番に右へ数えて最右端子がn本目となる。
【0025】
一方、m×3本のセグメント透明電極群10を右から順番に1〜m×3本としセグメント側端子群8と対応させると、セグメント側端子群8の最右端子が1本目で順番に左へ数えて最左端子がm×3本目になる。
【0026】
また、図5と図6に示すように、ガラス基板1上において、双方のコモン側端子群6付近に、それぞれ位置合わせマーカー15が形成され、これらのマーカーによってTCPまたはCOF圧着時の位置合わせをおこなう。
【0027】
つぎに上記構成の液晶表示装置P1において、TCPやCOPを圧着固定しない状態にて点灯検査をおこなう場合、導電ゴムを用いておこなう。
【0028】
すなわち、導電ゴムについては、ガラス基板1上のコモン側端子群6の二つのブロックとセグメント側端子群8に対し、それぞれ独立して接触させ、これによって3個の導電ゴムを用いるが、コモン側端子群6とセグメント側端子群8との間にて、双方に異なる電圧を印加し、コモン透明電極群4とセグメント透明電極群10の間に電圧を印加することで液晶表示装置P1の点灯検査をおこなう。
【0029】
上記構成の液晶表示装置P1を、かかる方法でもって点灯検査する場合、セグメント側端子群8とコモン側端子群6とが近接していると、セグメント側端子群8に接触する導電ゴム29とコモン側端子群6に接触する導電ゴム29がショートする不具合が生じ、そのために点灯検査ができなくなるので、このような不具合を解消するために、コモン側端子群6とセグメント側端子群8の間にある程度の広さのスペース16、17を設けている。
【0030】
一方、基板間導通部18、19においては、シール樹脂7内の導電粒子14の接触面積を増やし確実に導通させるために配線幅をできるだけ大きくする必要がある。
【0031】
すなわち、図8に示すように基板間導通部18において数多くの導電粒子14を接触させることで低い導通抵抗で安定して接続するためには一定幅以上の配線パターン5が必要であり、また、導電粒子14により隣接配線パターン間がショートしないためには一定以上のパターン間の隙間が必要になる。現状、基板間導通部18、19の最低配線ピッチ(=配線パターン幅+パターン間隙間)はコモン側端子群6の最低端子ピッチ(60μm程度)より大きくとる必要がある。
【0032】
したがって、コモン側端子群6から扇状に広がる配線パターン20による引き回し部(寸法L)が必要になり、そのために、配線引き回しが複雑になり、図5Aにおけるパネルの縦寸法が大きくなり、その結果、近年の小型化の市場ニーズに応じられていない。
【0033】
たとえば、パネル寸法の制限された携帯電話用液晶パネルにおいては商品価値が低くなる。
【0034】
すなわち、図5Aに示すように表示部3の周囲に形成した配線パターン5およびシール樹脂7による周辺部分の幅W1、W2の寸法が十分大きければ、パネル下辺のコモン側端子群6の端子ピッチが大きくでき、基板間導通部18、19へ配線を垂直に上げることができるため、配線パターン20による引き回し部(寸法L)が不要になるが、しかし、携帯電話用液晶パネルにおいては、手の平にはまる小スペース設計が商品価値を生むため、寸法W1、W2をできるだけ小さくするのがよい。そのために、配線パターン20による引き回し部(寸法L)が必要かつ複雑になり、図5Aにおけるパネルの縦寸法が大きくなり、近年の小型化の市場ニーズに応じられていない。
【0035】
したがって本発明は叙上に鑑みて完成されたものであり、その目的は寸法を小さくして小型化を達成した液晶表示装置を提供することにある。
【0036】
本発明の他の目的は携帯電話などの携帯端末に適した液晶表示装置を提供することにある。
【0037】
本発明のさらに他の目的は、さらに小型化をねらった表示機器を提供することにある。
【0038】
また、本発明の目的はかかる小型化とともに、さらに静電気などの外部要因によってドライバーICがダメージを受けないようにした高信頼性かつ高品質な液晶表示装置ならびに携帯端末または表示機器を提供することにある。
【0039】
【課題を解決するための手段】
本発明の液晶表示装置は、セグメント透明電極群と配向膜とを順次積層して成るセグメント側の基板と、コモン透明電極群と配向膜とを順次積層して成るコモン側の基板とを、
双方の透明電極が直交するように対向させて矩形状の表示部を設け、
さらに双方の基板を貼り合せるべく矩形状に周設したシール部材の内部に液晶層を充填して成る液晶表示装置であって、
前記セグメント側の基板上に形成したセグメント透明電極群はシール部材の一辺部を通して延在しセグメント用接続端子と成し、前記セグメント用接続端子に並設したコモン用接続端子を前記シール部材の一辺部を通して延在せしめた配線パターンを、シール部材の他辺部と表示部との間に形成し、シール部材の他辺部内にてセグメント側の基板とコモン側の基板との間にて通電せしめる導電接続部を設け、
前記導電接続部を通して前記配線パターンと前記コモン透明電極群とを通電接続するとともに、
前記導通接続部に延びる前記コモン透明電極群の端及び前記導通接続部に延びる配線パターンの端は、それぞれシール部材の他辺部内に位置していることを特徴とする。
【0040】
本発明の携帯端末または表示機器は、かかる本発明の液晶表示装置を搭載したことを特徴とする。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の液晶表示装置を(例1)〜(例5)により説明する。
(例1)にて本発明の液晶表示装置Sを図1と図2でもって説明する。(例2)にて液晶表示装置S1を図9と図10でもって、(例3)にて液晶表示装置S2を図11でもって、(例4)にて液晶表示装置S3を図12でもって、(例5)にて液晶表示装置S4を図13でもって、それぞれ説明する。
【0042】
(例1)
図1のAは液晶表示装置Sの平面図、同図Bはその右側面図、同図Cは上側面図である。図2は図1における切断面線e−eによる断面図である。なお、これらの図において前記液晶表示装置P、P1と同一個所には同一符号を付す。
【0043】
この液晶表示装置Sにおいては、ガラス基板1とガラス基板2とのガラス基板貼り合せ構造において、表示部3が設けられる。
【0044】
ガラス基板2の上にはITOからなるn本のコモン用透明電極群4と、液晶12を配向させるための配向膜23とが順次形成され、他方のガラス基板1の上にはITOからなるセグメント用透明電極群10と、配向膜2とが順次形成され、配向膜23と配向膜24の間には基板隙間を一定に保つためのスペーサ45が分散されている。セグメント透明電極群10、セグメント側端子群8はそれぞれm×3本あり、コモン透明電極群4、コモン側端子群6はそれぞれn本あるが、図の上では途中を省略して描いている。
【0045】
コモン用透明電極群4とセグメント用透明電極群10とが交差する領域が表示部3となる。
【0046】
表示部3のさらに外側には導電粒子14を含有するシール樹脂7を周設し、このシール樹脂7でもってガラス基板1とガラス基板2とを貼り合せ、その内部空間に液晶12を注入口13を通して注入し、シール樹脂7により封止する。
【0047】
セグメント用透明電極群10がm本である場合には、画素数は(m×n)個となるが、カラー化した液晶表示装置Sにおいては、1画素はR(赤)、G(緑)、B(青)の3種類でもって構成することで、画素数をm×nとする場合には、セグメント用透明電極群10を(3×m)本設ける。
【0048】
図1Aに示すように、ガラス基板1の下方端辺には、シール樹脂7の一辺部の外側に、ITOなどからなるコモン側端子群6とセグメト側端子群8を並設し、これらの上に異方性導電膜等を用いてTCPやCOFと接続する。
【0049】
セグメント側端子群8は扇状に広がるITOからなる配線パターン9を通してITOからなるセグメント透明電極群10へ接続され、また、コモン側端子群6から延ばしたITOの配線は図1Aに示すように上方に伸ばし、ITOからなる配線パターン5に接続される。このように引回された配線パターン5は、ガラス基板1上において、前記他辺部である右側のシール樹脂7へ向けて折れ曲がる構成になっている。
【0050】
この配線パターン5を、基板間導通部22にまで延ばす。この基板間導通部22はガラス基板1とガラス基板2との双方の配線を通電せしめるものであって、本例では、図2に示すように導電粒子14を含有するシール樹脂7を用いる。
【0051】
このような構成の基板間導通部22を設けることで、ガラス基板2上のITOからなるコモン透明電極群4から右方に延びた配線パターンが、導電粒子14を含有する樹脂シール7を通して導通され、配線パターン5と通電される。
【0052】
そして、この液晶表示装置Sをカラー液晶表示用に供する場合には、縦方向の1画素はR(赤)、G(緑)、B(青)から構成されるため、一方のガラス基板1上に形成され縦方向に配列されるITOからなるセグメント透明電極群10の数はm×3本になり、一方のガラス基板2に形成され横方向に配列されるITOからなるコモン透明電極群4はn本となる。
【0053】
n本のコモン透明電極群4を上から順番に1〜n本目とした場合、コモン側端子群6と対応させると、コモン側端子群6において、最左端子から1本目で順番に右へ数えて最右端子がn本目となる。
【0054】
m×3本のセグメント透明電極群10を右から順番に1〜m×3本とし、セグメント側端子群8と対応させると、セグメント側端子群8の最右端子が1本目で順番に左へ数えて最左端子がm×3本目となる。モノクロ表示の場合は、R、G、Bが不要となるため、セグメント透明電極群10の数はm本となる。
【0055】
かくして図5に示す従来の液晶表示装置P1においては、シール樹脂7とコモン側端子群6との間に扇状に広がる配線パターン20が設けられていることで、その分、スペースが大きくなるが、これに対する本例の液晶表示装置Sでは、このような扇状の配線パターンがなくなることで、そのスペースが不要となり、その結果、小型化が達成される。
【0056】
また、本例の液晶表示装置Sによれば、コモン用透明電極群4と配線パターン5を、基板間導通部22にまで延ばすに当り、これら双方の端Hを前記シール部材の他辺部である樹脂シール7内に配していることも特徴である。以下、この点を詳しく述べる。
【0057】
通常、コモン用透明電極群4と配線パターン5を、基板間導通部22にまで延ばすと、これら双方の端を樹脂シール7の外側にまで延ばすことで、製造上、コモン用透明電極群4と基板間導通部22との通電性、配線パターン5と基板間導通部22との通電性を高め、その信頼性を向上させているが、その反面、その樹脂シール7よりはみだした部分ができ、また、ガラス基板1とガラス基板2との隙間が4〜6μm程度であるが、装置の周囲近傍に静電気が存在する場合、ガラス基板1とガラス基板2との間から静電気がコモン用透明電極群4や配線パターン5に飛び込み、これにより、ガラス基板1に実装したドライバーICが、その静電気により破壊されることがある。
【0058】
これに対し、本発明によれば、コモン用透明電極群4と配線パターン5を、基板間導通部22にまで延ばすに当り、これら双方の端Hを樹脂シール7内に配したことで、装置の周囲近傍に静電気が存在しても、ガラス基板1とガラス基板2との間から静電気がコモン用透明電極群4や配線パターン5に飛び込まなくなり、ガラス基板1に実装したドライバーICが、その静電気により破壊されなくなる。
【0059】
以下、(例2)〜(例5)の液晶表示装置S1〜S4について説明する。
【0060】
(例2)
図9のAは液晶表示装置S1の平面図、同図Bはその右側面図、同図Cは上側面図である。図10は図9における切断面線f−fによる断面図である。なお、これらの図において前記液晶表示装置Sと同一個所には同一符号を付す。
【0061】
(例1)の液晶表示装置Sにおいては、基板間導通部22として導電粒子14を含有するシール樹脂7を用いたが、これに代えて銀ペーストなどの導電体30からなる基板間導通部31を表示部3とシール樹脂7との間にて、前記他辺部であるシール樹脂7にそって設ける。その他の構成は前記の液晶表示装置Sと同じである。
【0062】
図9Aに示すようにITOからなる配線パターン5を上方に伸ばし、このように引回された配線パターン5は、ガラス基板1上において右側の導電体30からなる基板間導通部31へ向けて折れ曲がり、基板間導通部31にまで延ばす構成になっており、このような構成の基板間導通部31を設けることで、ガラス基板2上のITOからなるコモン透明電極群4から右方に延びた配線パターンが、導電体30を通して導通され、配線パターン5と通電される。
【0063】
さらに(例1)の液晶表示装置Sと同様に、n本のコモン透明電極群4を上から順番に1〜n本目とし、コモン側端子群6と対応させると、コモン側端子群6において、最左端子から1本目で順番に右へ数えて最右端子がn本目である。m×3本のセグメント透明電極群10を右から順番に1〜m×3本とし、セグメント側端子群8と対応させると、セグメント側端子群8の最右端子が1本目で順番に左へ数えて最左端子がm×3本目になる。
【0064】
かくして本例の液晶表示装置S1においても、従来のような扇状の配線パターン(図5に示す扇状に広がる配線パターン20)がなくなることで、そのスペースが不要となり、その結果、小型化が達成される。
【0065】
また、本例の液晶表示装置S1においても、コモン用透明電極群4と配線パターン5の双方の端Hを前記シール部材の他辺部である樹脂シール7内に配し、これにより、装置の周囲近傍に静電気が存在しても、ガラス基板1とガラス基板2との間から静電気がコモン用透明電極群4や配線パターン5に飛び込まなくなり、ガラス基板1に実装したドライバーICが、その静電気により破壊されなくなる。
【0066】
(例3)
図11のAは液晶表示装置S2の平面図、同図Bはその右側面図、同図Cは上側面図である。なお、これらの図において前記液晶表示装置Sと同一個所には同一符号を付す。
【0067】
本例においては、図11Aに示すように表示部3を上下に2分し、同図Aにおいて上側の部分のコモン透明電極群4を右側に、下側の部分のコモン透明電極群4を左側に導出して、双方を基板間導通部34、35にまで延ばす。これら基板間導通部34、35はガラス基板1とガラス基板2との双方の配線を通電せしめるものであって、本例では、図2に示すように導電粒子14を含有するシール樹脂7を用いる。このような構成の基板間導通部34、35を通してガラス基板1上にて配線パターン5からセグメント側端子群8の両側付近にまで延ばして、コモン側端子群6と接続される。
【0068】
さらに配線構造を詳述すると、セグメント側端子群8については、扇状に広がるITOからなる配線パターン9を通してセグメント透明電極群10へ接続され、一方のコモン側端子群6についても、図11Aに示すように配線が垂直に延びており、ITOからなる配線パターン5に接続される。
【0069】
このような配線パターン5については、表示部3の両側に形成したことで、Iブロックの配線パターン5と、IIブロックの配線パターン5とに区別する。
【0070】
Iブロックの配線パターン5は上方に引き回し、そして、右辺のシール樹脂7へ水平に折れ、基板間導通部34を通してガラス基板2上のコモン透明電極群4と導通される。
【0071】
IIブロックの配線パターン5についても上方に引き回し、そして、左辺のシール樹脂7へ水平に折れ、基板間導通部35を通してガラス基板2上のコモン透明電極群4と導通される。
【0072】
また、n本のコモン透明電極群4とコモン側端子群6とを対応させた場合、Iブロックの配線パターン5に関しては、最左端子から1本目で順番に右へ数えて最右端子がn'本目であり、IIブロックの配線パターン5に関しては、最右端子がn'+1本目で順番に左へ数えて最左端子がn本目となる。m×3本のセグメント透明電極群10を右から順番に1〜m×3本としセグメント側端子群8と対応させると、セグメント側端子群8の最右端子が1本目で順番に左へ数えて最左端子がm×3本目になる。なお、32、33はスペースである。
【0073】
かくして本例の液晶表示装置S2でも前述した如く小型化が達成される。
【0074】
この液晶表示装置S2と、従来の図5に示す液晶表示装置P1と寸法比較する。双方とも
画素ピッチ:横0.08mm×3(R,G,B)、縦0.24mm
画素数:120×160
セグメント側端子群8とコモン側端子群6の各ピッチ:0.06mm
に設定した場合、従来の液晶表示装置P1のガラス基板1の寸法が40mm×48mmであったが、これに対する本例の液晶表示装置S2のガラス基板1の寸法は40mm×45〜46mmにまで小さくできた。
【0075】
また、本例の液晶表示装置S2においても、コモン用透明電極群4と配線パターン5の双方の端Hを前記シール部材の他辺部である樹脂シール7内に配し、これにより、装置の周囲近傍に静電気が存在しても、ガラス基板1とガラス基板2との間から静電気がコモン用透明電極群4や配線パターン5に飛び込まなくなり、ガラス基板1に実装したドライバーICが、その静電気により破壊されなくなる。
【0076】
(例4)
図12のAは液晶表示装置S3の平面図、同図Bはその右側面図、同図Cは上側面図である。なお、これらの図において前記液晶表示装置Sと同一個所には同一符号を付す。
【0077】
(例3)の液晶表示装置S2については、表示部3を上下に2分し、双方のコモン透明電極群4を、ガラス基板1上にてセグメント側端子群8の両側付近にまで延ばして、コモン側端子群6と通電した構成にしたが、本例の液晶表示装置S3においては、このような構成を2個組合せている。
【0078】
すなわち、コモン透明電極群4を4個のブロックに区分し、IIIブロック、IVブロック、Vブロック、VIブロックとし、IIIブロックとIVブロックとでもって、前述した液晶表示装置S2を構成し、VブロックとVIブロックとでもって、同様の他の液晶表示装置S2とする。
【0079】
以下、詳述するに、VブロックとVIブロックについては、図12Aにて示す如く、右側コモン接続端子群6は表示部3のVブロックのコモン透明電極群4に接続され、左側コモン接続端子群6は表示部3のVIブロックのコモン透明電極群4に接続される。
【0080】
また、IIIブロックとIVブロックについては、右側コモン接続端子群6は表示部3のIIIブロックのコモン透明電極群4に接続され、左側コモン接続端子群6は表示部3のIVブロックのコモン透明電極群4に接続される。
【0081】
下辺セグメント側端子群8は扇状に広がるITOからなる配線パターン9を介してITOからなるセグメント透明電極群10へ接続され、上辺セグメント側端子群8は扇状に広がるITOからなる配線パターン47を介してITOからなるセグメント透明電極群48へ接続される。なお、セグメント透明電極群10とセグメント透明電極群48は表示部3の中央にて接続されていない。
【0082】
下辺コモン側端子群6からの配線は図12Aに示すように、垂直に立ち上がりITOからなる配線パターン5に接続される。ガラス基板1上の右下側に形成した配線パターン5は垂直に上方に引き回された後、ガラス基板1の右辺に形成したシール樹脂7へ向けて水平に折れる。
【0083】
ガラス基板1、2の右辺付近に形成した基板間導通部49においては、ガラス基板2上のITOからなるVブロックのコモン透明電極群4から右に延びた配線パターンへ導電粒子14を含有するシール樹脂7を介して導通される。
【0084】
また、ガラス基板1上の左下側に形成した配線パターン5ついては、垂直に上方に引き回された後、ガラス基板1の左辺の樹脂シール7へ向けて水平に折れる。
【0085】
ガラス基板1、2の左辺の基板間導通部50においては、ガラス基板2上のITOからなるVIブロックのコモン透明電極群4から左に延びた配線パターンへ導電粒子14を含有する樹脂シール7を介して導通される。
【0086】
上辺コモン側端子群6からの配線については、垂直に立ち下がりITOからなる配線パターン5に接続される。
【0087】
すなわち、ガラス基板1上の右上側の配線パターン5は垂直に下方に引き回された後、ガラス基板1の右辺の樹脂シール7へ水平に折れる。ガラス基板1、2の右辺の基板間導通部51においてガラス基板2上のITOからなるIIIブロックのコモン透明電極群4から右に延びた配線パターンへ導電粒子14を含有する樹脂シール7を介して導通される。
【0088】
また、ガラス基板1上の左上側の配線パターン5は垂直に下方に引き回された後、ガラス基板1の左辺の樹脂シール7へ水平に折れる。ガラス基板1、2の左辺の基板間導通部52においてガラス基板2上のITOからなるIVブロックのコモン透明電極群4から左に延びた配線パターンへ導電粒子14を含有する樹脂シール7を介して導通される。
【0089】
つぎに各端子群と透明電極群の接続について説明する。
n本のコモン透明電極群4を上から順番に1〜n/4、n/4+1〜n/2、n/2+1〜3n/4、3n/4+1〜n本目とする。コモン側端子群6と対応させると、上側コモン側端子群6の右側において、最右端子から1本目で順番に左へ数えて最左端子がn/4本目であり、また、上側コモン側端子群6の左側において、最左端子がn/4+1本目で順番に右へ数えて最右端子がn/2本目となる。下側コモン側端子群6の右側において、最左端子からn/2+1本目で順番に右へ数えて最右端子が3n/4本目であり、また、下側コモン側端子群6の左側において、最右端子が3n/4+1本目で順番に左へ数えて最左端子がn本目となる。36〜39はスペースである。
【0090】
かくして本例の液晶表示装置S3においても、従来のような扇状の配線パターン(図5に示す扇状に広がる配線パターン20)がなくなることで、そのスペースが不要となり、その結果、小型化が達成される。
【0091】
また、本例の液晶表示装置S3においても、コモン用透明電極群4と配線パターン5の双方の端Hを前記シール部材の他辺部である樹脂シール7内に配し、これにより、装置の周囲近傍に静電気が存在しても、ガラス基板1とガラス基板2との間から静電気がコモン用透明電極群4や配線パターン5に飛び込まなくなり、ガラス基板1に実装したドライバーICが、その静電気により破壊されなくなる。
【0092】
(例5)
図13のAは液晶表示装置S4の平面図、同図Bはその右側面図、同図Cは上側面図である。なお、これらの図において前記液晶表示装置Sと同一個所には同一符号を付す。
【0093】
この液晶表示装置S4においては、ガラス基板1の相対向する2辺にそれぞれ接続端子群が設けられ、各々の接続端子群は中央のセグメント接続端子群8と、このセグメント接続端子群8の隣に形成したコモン接続端子群6からなる。
【0094】
表示部3は図14Aに示すように上下に2分され、上辺の接続端子群において、左上側コモン接続端子群6は表示部3の上側のVIIブロックのコモン透明電極群4に接続され、また、下辺の接続端子群において、右下側コモン接続端子群6は表示部3の下側のVIIIブロックのコモン透明電極群4に接続される。
【0095】
基板上辺付近のセグメント側端子群8は扇状に広がるITOからなる配線パターン47を介してITOからなるセグメント透明電極群48へ接続され、基板下辺付近のセグメント側端子群8は扇状に広がるITOからなる配線パターン8を介してITOからなるセグメント透明電極群10へ接続される。なお、セグメント透明電極群48とセグメント透明電極群10は表示部3の中央にて接続されていない。
【0096】
上辺コモン側端子群6からの配線はITOからなる配線パターン5に接続される。ガラス基板1上の配線パターン5は引き回された後、ガラス基板1の左辺の樹脂シール7へ水平に折れる。ガラス基板1、2の左辺の基板間導通部57においてガラス基板2上のITOからなるVIIブロックのコモン透明電極群4から左へ延びた配線パターンへ導電粒子14を含有する樹脂シール7を介して導通される。
【0097】
下辺コモン側端子群6からの配線は垂直に立ち上がりITOからなる配線パターン5に接続される。ガラス基板1上の配線パターン5は垂直に上に引き回された後、ガラス基板1の右辺の樹脂シール7へ水平に折れる。ガラス基板1、2の右辺の基板間導通部56においてガラス基板2上のITOからなるVIIIブロックのコモン透明電極群4から右に延びた配線パターンへ導電粒子14を含有する樹脂シール7を介して導通される。
【0098】
各端子群と透明電極群の接続について説明する。
【0099】
n本のコモン透明電極群4を上から順番に1〜n/2、n/2+1〜n本目とする。コモン側端子群6と対応させると、上側コモン側端子群6において、最左端子から1本目で順番に右へ数えて最右端子がn/2本目であり、また、下側コモン側端子群6において、最左端子からn/2+1本目で順番に右へ数えて最右端子がn本目となる。54と55はスペースである。
【0100】
かくして本例の液晶表示装置S4においても、従来のような扇状の配線パターン(図5に示す扇状に広がる配線パターン20)がなくなることで、そのスペースが不要となり、その結果、小型化が達成される。
【0101】
また、本例の液晶表示装置S4においても、コモン用透明電極群4と配線パターン5の双方の端Hを前記シール部材の他辺部である樹脂シール7内に配し、これにより、装置の周囲近傍に静電気が存在しても、ガラス基板1とガラス基板2との間から静電気がコモン用透明電極群4や配線パターン5に飛び込まなくなり、ガラス基板1に実装したドライバーICが、その静電気により破壊されなくなる。
【0102】
本例では、基板間導通部56と基板間導通部57は、表示部3を介して設けていますが、さらに横方向にわたって小型化を達成するためには、表示部3の一方側だけに基板間導通部56と基板間導通部57とを設けるような配線構成にした方がよい。
【0103】
液晶表示装置S、S1〜S4の具体的な構成
図14にて液晶表示装置S、S1〜S4が半透過型液晶表示装置である場合を説明する。
【0104】
透明基板50の外面上にポリカーボネイトなどからなる位相差板59とヨウ素系の偏光板60とを順次積み重ね、透明基板61の外面上にポリカーボネイトなどからなる位相差板62とヨウ素系の偏光板63とを順次積み重ねる。これらはアクリル系の材料からなる粘着材を用いて貼り付ける。
【0105】
さらに偏光板63上にバックライト64を配設している。バックライト64は導光板65の端面に冷陰極管やLEDなどの光源66を配置し、光源66の照射光を導光板65に導入し、この導光板65より液晶パネルに対し光出射させる。
【0106】
また、液晶パネルにおいては、ガラス基板などの透明基板58上には信号電極67と、一定方向にラビングしたポリイミド樹脂からなる配向膜(図示せず)とを順次形成している。なお、信号電極67と配向膜との間にSiO2等からなる絶縁層を介在してもよい。
【0107】
ガラス基板などからなる透明基板61の内面には半透過膜68を形成し、半透過膜68の上にカラーフィルタ69を設けている。さらにカラーフィルタ69の間にアルミニウムやクロムなどの金属からなる薄膜もしくは感光性レジストにて形成した遮光膜であるブラックマトリックスを形成してもよい。
【0108】
そして、カラーフィルタ69の上にSiO2や樹脂からなるオーバーコート層70を被覆し、オーバーコート層70の上に走査電極71と、一定方向にラビングしたポリイミド樹脂からなる配向膜(図示せず)とを順次形成している。この走査電極71は上記信号電極35と直交している。なお、走査電極71と配向膜との間にSiO2等からなる絶縁層を設けてもよい。
【0109】
半透過膜68は光透過性と光反射性の双方の特性を具備しており、しかも、2枚の偏光板の間に挟んだ時に位相差を生じないようにする。また、半透過膜68は鏡面性であっても、散乱性を有していてもよい。散乱性を有する半透過膜68を作製するには樹脂によって凹凸形状となし、その上に半透過膜を形成すればよい。
【0110】
上記カラーフィルタ69は顔料分散方式、すなわちあらかじめ顔料(赤、緑、青など)により調合された感光性レジストを基板上に塗布し、フォトリソグラフィにより形成する。
【0111】
このように形成した各透明基板58、61を、たとえば200〜270°の角度でツイストされたカイラルネマチック液晶からなる液晶層72を介してシール材73により貼り合わせる。さらに両透明基板26、29の間には液晶層72の厚みを一定にするためにスペーサ74を多数個配している。
【0112】
上記構成のように半透過膜68を配設してなる液晶表示装置S、S1〜S4においては、反射型として用いた場合(反射モード)には、太陽光、蛍光灯などの外部照明による照射光は偏光板60と位相差板59と液晶パネルとを順次通過するが、液晶パネルの内部に入射された光はカラーフィルタ69を透過して半透過膜68に至り、そして、半透過膜68にて反射され、そして、液晶パネルを通過し、位相差板59と偏光板60とを通過して光出射される。
【0113】
一方、液晶表示装置S、S1〜S4を透過モードにした場合には、バックライト64の照射光が偏光板63と位相差板62と、さらに液晶パネルの透明基板61とを順次通過し、半透過膜68を通過し、カラーフィルタ69を透過し、そして、液晶パネルを通過し、位相差板59と偏光板60とを通過して光出射される。
【0114】
さらに半透過膜68を透明基板61上に形成したことで、反射モードでは、とくに反射率を高めることで、より明るい輝度の表示が得られ、透過モードでも高いコントラストが得られ、これによって反射モードおよび透過モードの両機能を満足し得る程度にまで高めることができ、反射モードにて使用したパネルを、そのままの条件で透過モードにも使用することができ、反射モードもしくは透過モードのいずれの場合でも安定した鮮明な色表示ができた。
【0115】
また、透明基板61の内面上に半透過膜68を形成すると、反射モードにて使用しても透明基板61を通過しなくなり、これにより、透明基板61に起因して表示が二重に見えるという現象が生じなくなる。さらには入射光と反射光が同じ画素を通過することで、明るさや色純度の低下が防止される。
【0116】
このような半透過膜68は、たとえばアルミニウムやクロム、SUS系、アルミニウム合金、銀合金などの金属薄膜にするが、膜厚が大きくなると、光透過性が小さくなり、光反射性が大きくなる。このような金属薄膜の厚みは金属の種類により光の吸収係数が異なり、しかも、反射モードおよび透過モードという双方の用途のうち、いずれの用途に対し性能の向上を求めるかによっても規定されるが、通常、50〜500Å、好適には100〜400Åにするとよい。これによって反射率30〜70%、透過率5〜50%という半透過型液晶表示装置としての特性が得られる。
【0117】
たとえば、半透過膜68を膜厚250Åのアルミニウム金属薄膜により形成した場合、反射率が65%、透過率が15%となる。
【0118】
また、上記構成の液晶表示装置S、S1〜S4に対し、半透過膜68が鏡面性である場合には、さらに液晶パネルの透明基板58と位相差板59との間の光散乱性の板状体を形成してもよい。この光散乱性の板状体にはたとえば大日本印刷(株)製のIDS(Internal Diffusing Sheet)の光散乱膜があり、樹脂中にビーズ等を含有させたものである。その他に平板の表面に光散乱性の凹凸を設けてもよい。
【0119】
このような光散乱膜を液晶パネルと位相差板59との間に設けることで、反射モードとして用いた場合、半透過膜68でもって反射された反射光は光散乱膜でもって正反射方向以外の方向にも散乱され、これによって画像表示の視野角が大きくなり、画像表示の認識領域が広くなった。
【0120】
なお、上記構成の液晶表示装置S、S1〜S4においては、半透過膜を配設し、これによって半透過型液晶表示装置と成したが、これに代えて、たとえばアルミニウム金属、銀金属、アルミニウム合金および銀合金などからなる反射膜を配設した反射型液晶表示装置としてもよい。
【0121】
携帯端末
図15にて液晶表示装置S、S1〜S4を搭載した携帯電話79を説明する。携帯電話79によれば、小型の筐体75内に液晶表示装置S、S1〜S4を配設している。また、筐体75の上部には送信/受信用のアンテナ76を設け、さらに表面にはレシーバ77とマイク78とが形成されている。
【0122】
図16にて液晶表示装置S、S1〜S4を配設した携帯端末81を説明する。この携帯端末81は携帯電話79以外のさまざまな情報端末として示す。たとえば、時計、計算機、ゲーム機器、万歩計、GPS、POS、ハンディーターミナル、工業計器などがあるが、これらに限定されるものではない。この携帯端末81においても、小型の筐体80内に液晶表示装置S、S1〜S4を配設している。
【0123】
かくしてこれら携帯電話79や携帯端末81においては、小型化した液晶表示装置液晶表示装置S、S1〜S4を用いたことで、さらに小型化を達成することができた。
【0124】
なお、本発明は上記実施形態例に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更や改善などは何ら差し支えない。たとえば、上記の実施形態においては、STN型単純マトリックスタイプのカラー液晶表示装置でもって説明しているが、その他に双安定型単純マトリックスタイプの液晶表示装置やモノクロタイプのSTN型単純マトリックスの液晶表示装置、TN型単純マトリックスタイプの液晶表示装置であっても同様な作用効果が得られる。
【0125】
また、本発明の液晶表示装置を配設した装置として、携帯端末でもって例示したが、その他、この液晶表示装置を表示デバイスとして使用する各種機器にも適用できる。たとえば、ミシン、ステレオ、楽器、ビデオ、ATM、複写機やファクシミリ、駅、レストラン、工場内の表示パネルなどのさまざまな表示機器の表示板にも使用してもよい。
【0126】
さらにまた、前述した各例では、配線パターン5や配線パターン9をITOにて形成したが、これに代えて導電性に優れた金属層、たとえばアルミニウム(Al)やアルミニウム合金、銀(Ag)合金などからなる層を用いてもよい。
【0127】
すなわち、ドライバーICからの出力配線抵抗が高いと、表示部3のコモン透明電極群4とセグメント透明電極群10に印加される電圧が不足し、これによって安定な表示が得られなくなる。そこで、ITOよりも低抵抗な金属層でもって形成するとよい。
【0128】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明の液晶表示装置においては、セグメント透明電極群と配向膜とを順次積層して成るセグメント側の基板と、コモン透明電極群と配向膜とを順次積層して成るコモン側の基板とを、双方の透明電極が直交するように対向させて矩形状の表示部を設け、さらに双方の基板を貼り合せるべく矩形状に周設したシール部材の内部に液晶層を充填して成り、そして、セグメント側の基板上に形成したセグメント透明電極群はシール部材の一辺部を通して延在しセグメント用接続端子と成し、このシール部材の一辺部に沿って並設したコモン用接続端子をシール部材の一辺部を通して延在せしめた配線パターンを、シール部材の他辺部と表示部との間に形成し、さらにシール部材の他辺部と表示部との間、もしくはシール部材の他辺部内にてセグメント側の基板とコモン側の基板との間にて通電せしめる導電接続部を設け、この導電接続部を通して前記配線パターンとコモン透明電極群とを通電接続せしめたことで、寸法を小さくして小型化が達成され、これによってさらに小型の液晶表示装置が提供できた。
【0129】
しかも、本発明によれば、さらに小型化を達成した高性能な表示機器が提供できた。
【0130】
また、本発明によれば、コモン透明電極群と配線パターンの双方の端をシール部材の他辺部内に配したことで、装置の周囲近傍に静電気が存在しても、静電気がこれらコモン用透明電極群や配線パターンに飛び込まなくなり、ドライバーICがダメージを受けないようにした高信頼性かつ高品質な液晶表示装置ならびに携帯端末または表示機器が提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示装置Sであり、Aはその平面図、Bはその右側面図、Cは上側面図である。
【図2】図1における切断面線e−eによる断面図である。
【図3】従来の液晶表示装置Pであり、Aはその平面図、Bはその右側面図、Cは上側面図である。
【図4】図3における切断面線a−aによる断面図である。
【図5】従来の液晶表示装置P1であり、Aはその平面図、Bはその右側面図、Cは上側面図である。
【図6】図5に示す要部Bの拡大図である。
【図7】図6における切断面線c−cによる断面図である。
【図8】図6における切断面線d−dによる断面図である。
【図9】本発明の液晶表示装置S1であり、Aはその平面図、Bはその右側面図、Cは上側面図である。
【図10】図9における切断面線f−fによる断面図である。
【図11】本発明の液晶表示装置S2であり、Aはその平面図、Bはその右側面図、Cは上側面図である。
【図12】本発明の液晶表示装置S3であり、Aはその平面図、Bはその右側面図、Cは上側面図である。
【図13】本発明の液晶表示装置S4であり、Aはその平面図、Bはその右側面図、Cは上側面図である。
【図14】本発明の半透過型液晶表示装置S、S1〜S4の要部拡大断面図である。
【図15】携帯電話の正面図である。
【図16】携帯端末の正面図である。
【符号の説明】
S、S1〜S4・・・液晶表示装置
1、2・・・ガラス基板
3・・・表示部
4・・・コモン用透明電極群
5、9、20・・・配線パターン
6・・・コモン側端子群
7・・・シール樹脂
8・・・セグメント側端子群
10・・・セグメント用透明電極群
14・・・導電粒子
22、31、34、35・・・基板間導通部
30・・・導電体
H・・・コモン用透明電極群4と配線パターン5の端
Claims (2)
- セグメント透明電極群と配向膜とを順次積層して成るセグメント側の基板と、コモン透明電極群と配向膜とを順次積層して成るコモン側の基板とを、
双方の透明電極が直交するように対向させて矩形状の表示部を設け、
さらに双方の基板を貼り合せるべく矩形状に周設したシール部材の内部に液晶層を充填して成る液晶表示装置であって、
前記セグメント側の基板上に形成したセグメント透明電極群はシール部材の一辺部を通して延在しセグメント用接続端子と成し、前記セグメント用接続端子に並設したコモン用接続端子を前記シール部材の一辺部を通して延在せしめた配線パターンを、シール部材の他辺部と表示部との間に形成し、シール部材の他辺部内にてセグメント側の基板とコモン側の基板との間にて通電せしめる導電接続部を設け、
前記導電接続部を通して前記配線パターンと前記コモン透明電極群とを通電接続するとともに、
前記導通接続部に延びる前記コモン透明電極群の端及び前記導通接続部に延びる配線パターンの端は、それぞれシール部材の他辺部内に位置していることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1の液晶表示装置を配設した携帯端末または表示機器。
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