JP3652215B2 - 自動変速機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動変速機、特に自動変速モードと手動変速モードとを切り替え可能とした車両用の自動変速機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動変速機はDレンジと呼ばれる自動変速モードを備えており、Dレンジでは車速やスロットル開度などの運転条件に応じて自動的に変速段を選択して走行を行なうことができる。
この種の自動変速機において、低速段から高速段への変速を行なうために、ある係合要素を係合させ、別の係合要素を解放することがある。この場合、解放側の係合要素から係合側の係合要素へのトルク伝達経路の切替を滑らかに行なうことが、変速ショックを軽減するために重要である。そのため、解放側の係合要素の油圧を減圧してタービン回転数が低速段における回転数より一定値だけ高くなるようにフィードバック制御し、このフィードバック制御を維持しながら、係合側の係合要素の油圧を増圧することでタービン回転数を高速段における回転数まで低下させ、変速を完了するようにした自動変速機が提案されている(特公平7−51984号公報)。
【0003】
図7はDレンジにおける変速制御方法の一例を示し、2速から3速への変速過渡時における、タービン回転数、解放側および係合側の係合要素の油圧、油圧制御用ソレノイド電流の時間変化を示す。なお、解放側のソレノイドバルブは常閉型、係合側のソレノイドバルブは常開型を用いた。
まず、運転状態が変速線図の2−3速アップシフト線を横切ると(A点)、2速→3速への変速を行なうか否かの判断を行なう。その後、所定のディレイタイムを経てソレノイドバルブに対して変速指令が出される(B点)。このディレイタイムは例えば100ms〜200ms程度である。
ソレノイドバルブに対して変速指令が出されると、まず解放側の係合要素が解放初期圧まで減圧される。解放初期圧とは、係合要素が滑りを発生しない程度の最低油圧である。その後、C点で係合側の係合要素のがた詰めのために、係合側ソレノイドバルブが短時間だけ全開状態とされる。がた詰めは、公知のようにピストンの無効ストロークを解消するための動作である。
次に、D点で解放側の係合要素の油圧を解放初期圧から一旦減圧して滑りを発生させ、タービン回転数が2速段における回転数より一定値だけ吹き上がるようにフィードバック制御する。そして、タービン回転数の吹き上がりを検出して、E点で係合側の係合要素に係合初期圧を供給する。係合初期圧は、係合要素が係合を開始する油圧である。
つぎに、フィードバック制御を維持しながら、係合初期圧を上昇させると、F点でタービン回転数が2速段における回転数付近まで低下し、タービン回転数の降下が緩やかになった後、G点でタービン回転数が2速段における回転数から所定値だけ降下する。このF点からG点までの間がトルク相と呼ばれる車両加速度が低下する領域である。G点でタービン回転数が初期の目標回転数から離れるので、解放側の係合要素は待機圧まで減圧され、トルク相を抜けてフィードバック制御を終了する。一方、係合側の係合要素は、G点以後、タービン回転数の降下勾配が目標値となるようにフィードバック制御され、タービン回転数が3速における回転数付近まで低下した時(H点)、解放側の係合要素を完全に解放し、係合側の係合要素の油圧を締結状態まで上昇させ、変速を完了する。
上記のように制御することで、滑らかな変速を行なうことができる。
【0004】
一方、上記のような自動変速モード(Dレンジ)の他に、運転者がスイッチやシフトレバーなどの切替手段を操作することにより、手動で変速段を選択するマニュアルモードまたはスポーツモードと呼ばれる手動変速モードを設けた自動変速機も提案されている。このような手動変速モードは、Dレンジに比べて変速の滑らかさは多少犠牲にしても、タイムラグを短縮し、きびきびとした変速を行うことが求められる。
例えば特開平5−302669号公報には、手動変速モードでの変速時に、シフトレバーがシフト位置に移動したことを検出した時点から実際に変速が開始されるまでの時間を、自動変速モードでの変速時より短くするようにしたものが提案されている。具体的には、変速過渡時のライン圧を変速出力が行なわれてからイナーシャ相が開始されるまでの間上昇させ、変速タイムラグを短縮している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
手動変速モードの場合も、図7と同様な方法で変速を行なうと、タイムラグと感じる部分が長くなり、十分なシフト感が得られないという欠点がある。すなわち、運転者にとって最もタイムラグと感じるのは、切替手段を操作した後、実際に加速度(G)変化を体感できるまでの時間が長い場合である。Dレンジの場合(図7参照)を例にとると、ソレノイドバルブに変速指令が出力されてから係合側の係合要素の油圧が上昇し始める点までの時間ΔTが長い場合である。
従来の自動変速機では、変速過渡時のライン圧を上昇させて手動変速モードでの変速タイムラグを短縮しているが、切替手段を操作してソレノイドバルブに変速指令が出てから係合側の係合要素の油圧が上昇し始めるまでの時間は、Dレンジにおける変速指令から油圧が上昇し始めるまでの時間とほぼ同等に設定されているので、切替手段を操作してから実際にG変化が体感できるまでの時間もDレンジと大差がなく、タイムラグ感を十分に解消できない問題があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、手動変速モードでの変速時に、切替手段を操作してから実際にG変化を体感できるまでの時間を短縮し、タイムラグ感を解消できる自動変速機の制御方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、複数の摩擦係合要素を持ち、これら摩擦係合要素を選択的に係合させることにより、複数の変速段を得るとともに、運転条件に応じて自動的に変速段を選択する自動変速モードと、切替手段を操作することにより変速段を選択する手動変速モードとを有する自動変速機において、上記自動変速モードでの変速時には、解放側の摩擦係合要素から油圧を一時的に排出してタービン回転数を吹き上がらせた後、係合側の摩擦係合要素に当該摩擦係合要素が係合を開始する係合初期圧を供給し、しかる後に解放側の摩擦係合要素から油圧を排出するように制御し、上記手動変速モードでの変速時には、解放側の摩擦係合要素から油圧を一時的に排出してタービン回転数を吹き上がらせる制御を行うことなく、係合側の摩擦係合要素に当該摩擦係合要素が係合を開始する係合初期圧を供給し、係合初期圧の供給と同時またはその後に解放側の摩擦係合要素から油圧を排出するように制御し、上記手動変速モードにおける上記切替手段を操作して変速指令が出た後、係合側の摩擦係合要素に係合初期圧の供給を開始するまでの時間を、自動変速モードにおける変速指令から係合側の摩擦係合要素に係合初期圧の供給を開始するまでの時間に比べて短くしたことを特徴とする自動変速機を提供する。
【0008】
自動変速モードでの変速時には、従来と同様に、解放側の摩擦係合要素から油圧を一時的に排出してタービン回転数を吹き上がらせた後、係合側の摩擦係合要素に係合初期圧を供給し、しかる後に解放側の摩擦係合要素から油圧を排出するように制御することで、滑らかな変速を実現している。
一方、手動変速モードでの変速時には、上記のようにタービン回転数を一旦吹き上がらせる制御を行うことなく、係合側の摩擦係合要素に係合初期圧を供給し、係合初期圧の供給と同時またはその後に解放側の摩擦係合要素から油圧を排出するように制御している。つまり、係合側の係合要素の係合初期圧の上昇タイミングをDレンジに比べて早くすることにより、変速指令が出てからタービン回転数が降下し始めるまでの時間を短くしている。そのため、切替手段を操作した後、直ちにG変化を体感することができ、タイムラグ感を解消できる。なお、係合側の係合要素の係合初期圧の上昇タイミングを早くすることにより、解放側の係合要素と係合側の係合要素の双方が一部係合した状態(所謂ダブルクラッチ状態)となる領域が長くなり、変速ショックあるいは減速感が発生するが、手動変速モードでは、滑らかな変速よりも、きびきびとした変速が重視されるので、多少の変速ショックは無視できる。
係合側の係合要素の係合初期圧の上昇タイミングを早くするためには、例えば切替手段の操作して変速指令が出てから係合側の係合要素の係合初期圧の上昇までの時間を、一定時間として制御してもよい。切替手段の操作から変速指令が出るまでの時間は、Dレンジのようなディレイタイムを必要としないので、ごく短時間でよい。
なお、切替手段としては、自動変速モードと手動変速モードとの切り替えと、手動変速モードでのアップシフトおよびダウンシフトとを同一のシフトレバーで行うようにしてもよいし、手動変速モードでのアップシフトおよびダウンシフトを行うための専用スイッチを設けてもよい。
【0010】
請求項2のように、手動変速モードにおける係合側の摩擦係合要素の係合初期圧を自動変速モードにおける係合初期圧より高くするのがよい。
すなわち、係合側の係合要素の係合初期圧を高くすることで、タービン回転数の初期の降下勾配を大きくでき、変速時間を短縮することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明にかかる自動変速機の一例を示す。
自動変速機1は後述するように変速機構とトルクコンバータとを備えたものであり、変速機構はATコントローラ2からの指令によって任意の変速段に制御される。ATコントローラ2には、スロットル開度センサ3,車速センサ4,タービン回転数センサ5からそれぞれスロットル開度,車速,タービン回転数が入力されるとともに、後述するシフトポジション信号,アップシフト信号,ダウンシフト信号などが入力されている。なお、ATコントローラ2に入力される信号は上記信号に限定されるものではない。
【0012】
運転席の側部にはフロアシフトタイプのモード選択手段6が設けられている。このモード選択手段6は、「P」,「R」,「N」,「D」などの自動変速モードの他に、「D」レンジの次に手動変速モード(以後、マニュアルモードと呼ぶ)「M」が設けられており、これら各レンジをシフトレバー7を前後に操作することによって選択的に切り替えることができる。モード選択手段6にはシフトレバー7の位置を検出するシフトポジションセンサ8が取り付けられ、その検出信号はATコントローラ2に入力されている。なお、モード選択手段6としては、フロアシフトタイプに限らず、コラムシフトタイプでもよい。
【0013】
シフトレバー7によってマニュアルモード「M」が選択された場合に、手動操作によってアップシフトを行なうためのアップスイッチ10およびダウンシフトを行なうためのダウンスイッチ11が、ステアリングホイール9のスポーク部9aに設けられている。なお、アップスイッチ10およびダウンスイッチ11を設ける位置はステアリングホイール9に限らず、シフトレバー7を自動変速モードと干渉しない位置で操作することにより、シフトレバー7そのものでアップスイッチ10およびダウンスイッチ11を兼用してもよい。アップスイッチ10のアップシフト信号およびダウンスイッチ11のダウンシフト信号はATコントローラ2に入力される。ATコントローラ2は上記入力信号に応じて後述するソレノイドバルブSOL1〜SOL3を制御している。すなわち、Dレンジが選択された場合には、車両の走行状態(スロットル開度,車速など)と変速マップとに応じて変速段を自動的に制御し、マニュアルモード「M」が選択された場合には、アップスイッチ10およびダウンスイッチ11の操作に応じた変速段にホールドする働きを有する。
【0014】
マニュアルモード「M」には図2に示すように1速段〜4速段の各変速段が設けられ、アップスイッチ10またはダウンスイッチ11を操作することにより、変速段を段階的に切り替えることができる。つまり、アップスイッチ10を操作する度に1段ずつ高速段へアップシフトでき、ダウンスイッチ11を操作する度に1段ずつ低速段へダウンシフトできる。図2において、上矢印はアップシフト、下矢印はダウンシフトを示す。なお、この実施例ではマニュアルモード「M」の変速段は1速段〜4速段の4段階であるが、自動変速機1の変速機構の段数に応じて3段または5段以上とすることもできる。
【0015】
図3は自動変速機1の内部構造の一例を示す。
この自動変速機1は、トルクコンバータ20、トルクコンバータ20を介してエンジン動力が伝達される入力軸21、3個のクラッチC1〜C3、2個のブレーキB1,B2、ワンウエイクラッチF、ラビニヨウ型遊星歯車機構22、出力ギヤ23、出力軸24、差動装置25などを備えている。
この実施例では、係合側の係合要素とはC3クラッチを指し、解放側の係合要素とはB1ブレーキを指す。
【0016】
遊星歯車機構22のフォワードサンギヤ22aはC1クラッチを介して入力軸21と連結されており、フォワードサンギヤ22aはB1ブレーキを介して変速機ケース26と連結されている。また、リヤサンギヤ22bはC2クラッチを介して入力軸21と連結されている。キャリヤ22cは中間軸27およびC3クラッチを介して入力軸21と連結されている。また、キャリヤ22cはB2ブレーキとキャリヤ22cの正転(エンジン回転方向)のみを許容するワンウェイクラッチFとを介して変速機ケース26に連結されている。キャリヤ22cは2種類のピニオンギヤ22d,22eを支持しており、フォワードサンギヤ22aは軸長の長いロングピニオン22dと噛み合い、リヤサンギヤ22bは軸長の短いショートピニオン22eを介してロングピニオン22dと噛み合っている。ロングピニオン22dのみと噛み合うリングギヤ22fは出力ギヤ23に結合されている。出力ギヤ23は出力軸24を介して差動装置25と接続されている。
【0017】
図4はクラッチC1,C2,C3、ブレーキB1,B2およびワンウェイクラッチFの作動を示し、図から明らかなように、前進4段、後退1段の変速段を実現している。図4において、●は油圧の作用状態を示している。なお、B2ブレーキは後退時と第1速時に係合するが、第1速時に係合するのはLレンジ時のみである。
図4には第1〜第3ソレノイドバルブ(SOL1〜SOL3)の定常状態の作動も示されている。○は通電状態、×は非通電状態を示す。第1ソレノイドバルブSOL1はB1ブレーキ制御用、第2ソレノイドバルブSOL2はC2クラッチ制御用、第3ソレノイドバルブSOL3はC3クラッチ制御用とB2ブレーキ制御用とを兼ねている。第3ソレノイドバルブSOL3がC3クラッチ制御用とB2ブレーキ制御用とを兼ねる理由は、B2ブレーキはD,2レンジでは作動せず、Lレンジのエンジンブレーキ制御とRレンジの過渡制御でのみ使用されるので、Dレンジで作動されるC3クラッチと干渉しないからである。
第1〜第3ソレノイドバルブSOL1〜SOL3は微妙な油圧制御を行なう必要があるため、デューティソレノイドバルブまたはリニアソレノイドバルブが用いられる。また、この実施例では、第1ソレノイドバルブSOL1は常閉型、第2,第3ソレノイドバルブSOL2,3は常開型が用いられている。
【0018】
次に、マニュアルモードが選択された場合において、2速から3速へアップシフトされた時のC3クラッチ(係合側の係合要素)およびB1ブレーキ(解放側の係合要素)の油圧制御を、図5を参照して説明する。
マニュアルモードでの制御がスタートすると、現在の変速段が2速であるか否かを判別する(ステップS1)。1速または3,4速である場合にはリターンする。次に、アップスイッチ10が操作されたか否かを判別する(ステップS2)。アップスイッチ10が操作された場合には、コントローラ2がソレノイドバルブに変速指令を出力し(ステップS3)、変速指令の出力から一定時間t0 の時間待ちを行なう(ステップS4)。この時間t0 は油温などによって異なるが、定常状態であれば、例えば数10m秒程度の短時間でよい。一定時間t0 が経過すると、係合側の係合要素であるC3クラッチに係合初期圧の供給を開始する(ステップS5)。ここで、係合初期圧とは、C3クラッチが係合を開始する油圧のことであり、Dレンジにおける係合初期圧より高目の油圧とするのがよい。
C3クラッチの油圧上昇が開始された後、この油圧上昇を検出して解放側の係合要素であるB1ブレーキの油圧低下を開始する(ステップS6)。
C3クラッチの油圧上昇とB1ブレーキの油圧低下とによって、タービン回転数が低下し始める。そこで、タービン回転数が2速時における回転数から一定値以上降下したか否かを判別し(ステップS7)、一定値以上降下した時には、タービン回転数の降下勾配が目標値となるように、C3クラッチの油圧をフィードバック制御する(ステップS8)。
その後、タービン回転数が3速時における回転数付近まで降下すると(ステップS9)、C3クラッチの油圧を完全係合まで上昇させるとともに、B1ブレーキの油圧を完全解放まで低下させ(ステップS10)、制御を終了する。
【0019】
図6は、図5の制御を行なった時のC3クラッチおよびB1ブレーキ制御用ソレノイドバルブSOL3,SOL1の電流変化と、C3クラッチおよびB1ブレーキの油圧変化を示す。
マニュアルモードの2速段で走行中に、アップスイッチ10がONされると(I点)、ソレノイドバルブに変速指令が出力される(J点)。変速指令が出力されると、まず解放側の係合要素であるB1ブレーキが解放初期圧まで減圧される。解放初期圧は、B1ブレーキが滑りを発生しない程度の最低油圧である。そして、K点で係合側の係合要素であるC3クラッチのがた詰めのために、係合側ソレノイドバルブを短時間だけ全開状態とする。なお、がた詰めは必要に応じて行なわれる。
変速指令の出力から一定時間t0 後のL点で、C3クラッチに係合初期圧を供給する。この初期圧は、C3クラッチが係合を開始する油圧である。この係合初期圧をDレンジにおける係合初期圧より高めの油圧に設定してもよい。L点でC3クラッチに係合初期圧を供給したことを検出した後、B1ブレーキの解放初期圧を一定勾配で低下させる。
L点でC3クラッチに係合初期圧を供給することにより、車両にはG変化が現れる。そのため、運転者にとっては、アップスイッチ10を操作してから実際にG変化が体感できるまでの時間を短縮でき、変速タイムラグと感じられる部分を短くできる。
やがて、M点でタービン回転数が2速時における回転数から離れると、B1ブレーキは待機圧まで減圧されてほぼ解放状態となる。一方、C3クラッチはタービン回転数の降下勾配が目標値となるようにフィードバック制御され、タービン回転数が3速における回転数付近まで低下した時(N点)、B1ブレーキを完全に解放し、C3クラッチの油圧を締結状態まで上昇させ、変速を完了する。
【0020】
上記実施例では、C3クラッチの係合初期圧を、Dレンジにおける係合初期圧より高めに設定したので、2速から3速へのタービン回転数の降下の初期勾配が大きくなる。さらに、タービン回転数の降下勾配の目標値もDレンジに比べて大きく設定することで、タービン回転数の降下時間t1 をDレンジの降下時間Δt(図7参照)に比べて短縮できる。
その結果、マニュアルモードにおける全体の変速時間をDレンジに比べて短縮することができる。
【0021】
図6では、ソレノイドバルブへの変速指令から係合側の係合要素の油圧立ち上がりまでの時間t0 が非常に短く、図7のようなタービン回転数の吹き上がり領域が発生しない例について説明したが、時間t0 がある程度の長さを持つ場合には、タービン回転数の吹き上がりが発生することがある。その場合でも、係合側の油圧上昇タイミングが早いので、G変化が体感できるまでの空走時間を短くできる。
また、図6では、L点からM点までの間、解放側の油圧を解放初期圧から一定勾配で低下させ、係合側の油圧を一定の係合初期圧に保持するようにしたが、これに限るものではなく、解放側の油圧を一定の解放初期圧に保持し、係合側の油圧を係合初期圧から上昇させるようにしてもよい。
【0022】
図6において、アップスイッチの操作から変速指令までの時間は、極短時間であってもよい。つまり、アップスイッチをONするとほぼ同時に、変速指令を出力してもよい。これにより、アップスイッチの操作から変速開始(係合油圧の上昇タイミング)までの時間を短縮できる。
【0023】
図6では2速から3速への変速過渡時におけるC3クラッチとB1ブレーキの油圧制御について説明したが、本発明は3速から4速への変速過渡時におけるC2クラッチとB1ブレーキの油圧制御にも同様に適用できる。この場合には、C2クラッチが解放されB1ブレーキが係合されるので、この場合にはB1ブレーキが係合側の係合要素となり、C2クラッチが解放側の係合要素となる。
要するに、手動変速モードにおいて、ある係合要素を係合し、別の係合要素を解放してアップシフトを行なう場合に、本発明の油圧制御は適用可能である。
なお、本発明の自動変速機は、図3に示すような3個のクラッチC1〜C3と2個のブレーキB1,B2を有する自動変速機に限るものではない。
【0024】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、手動変速モードでの変速時には、自動変速モードのようにタービン回転数を一旦吹き上がらせる制御を行うことなく、係合側の摩擦係合要素に係合初期圧を供給し、係合初期圧の供給と同時またはその後に解放側の摩擦係合要素から油圧を排出するように制御しているので、変速指令が出てから係合側の摩擦係合要素に係合初期圧の供給を開始するまでの時間を、自動変速モードに比べて短くできる。そのため、切替手段を操作してから実際にG変化を体感できるまでの時間を短縮でき、運転者がタイムラグと感じる部分を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる自動変速機の一例の構成図である。
【図2】図1の自動変速機のシフトパターン図である。
【図3】図1の自動変速機の変速機構を示すスケルトン図である。
【図4】図3に示す各係合要素およびソレノイドバルブの作動表である。
【図5】手動変速モードにおける2速から3速への変速時のフローチャート図である。
【図6】手動変速モードの2速から3速への変速時のタービン回転数、ソレノイド電流および係合油圧の時間変化図である。
【図7】自動変速モードの2速から3速への変速時のタービン回転数、ソレノイド電流および係合油圧の時間変化図である。
【符号の説明】
C3 クラッチ(係合側の係合要素)
B1 ブレーキ(解放側の係合要素)
SOL1 B1ブレーキ制御用ソレノイドバルブ
SOL3 C3クラッチ制御用ソレノイドバルブ
2 コントローラ
10 アップスイッチ(切替手段)

Claims (2)

  1. 複数の摩擦係合要素を持ち、これら摩擦係合要素を選択的に係合させることにより、複数の変速段を得るとともに、運転条件に応じて自動的に変速段を選択する自動変速モードと、切替手段を操作することにより変速段を選択する手動変速モードとを有する自動変速機において、
    上記自動変速モードでの変速時には、解放側の摩擦係合要素から油圧を一時的に排出してタービン回転数を吹き上がらせた後、係合側の摩擦係合要素に当該摩擦係合要素が係合を開始する係合初期圧を供給し、しかる後に解放側の摩擦係合要素から油圧を排出するように制御し、
    上記手動変速モードでの変速時には、解放側の摩擦係合要素から油圧を一時的に排出してタービン回転数を吹き上がらせる制御を行うことなく、係合側の摩擦係合要素に当該摩擦係合要素が係合を開始する係合初期圧を供給し、係合初期圧の供給と同時またはその後に解放側の摩擦係合要素から油圧を排出するように制御し、
    上記手動変速モードにおける上記切替手段を操作して変速指令が出た後、係合側の摩擦係合要素に係合初期圧の供給を開始するまでの時間を、自動変速モードにおける変速指令から係合側の摩擦係合要素に係合初期圧の供給を開始するまでの時間に比べて短くしたことを特徴とする自動変速機。
  2. 手動変速モードにおける係合初期圧を自動変速モードにおける係合初期圧より高くしたことを特徴とする請求項1に記載の自動変速機。
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