JP3652146B2 - 半導体装置の樹脂封止金型 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置を樹脂封止する金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置を樹脂封止するパッケージが薄型化されるのに伴い、封入後にパッケージを金型から離型する際にパッケージに荷重されるストレスが問題となっている。
【0003】
前記ストレスの主たるものは、パッケージを金型のキャビティから離型させる際に生じるストレスであると考えられている。
【0004】
そこで、従来技術では、エジェクターピンでパッケージをキャビティから離型させており、エジェクトされたパッケージをアンローダハンドにてピックアップし、次工程に搬送するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、本発明者は、エジェクターピンでパッケージをキャビティから離型し、アンローダハンドにてピックアップして次工程に搬送する過程について、技術的な解析を行った結果、従来のものでは、キャビティからパッケージが完全に離型されているが、パッケージとエジェクターピンとは密着したままとなっているという現象を解明した。
【0006】
パッケージとエジェクターピンとは密着したままとなっている場合、パッケージをアンローダハンドにてピックアップする際に、パッケージに過負荷が加わり、クラック等の品質問題を発生させる原因となる。さらには、リードフレームのピックアップミスにより、樹脂封止装置のエラーになる等の不具合を発生させる原因となる。
【0007】
以上の結果、本発明者は、封入後にパッケージを金型から離型する際にパッケージに荷重されるストレスには、パッケージを金型のキャビティから離型させる際に生じるストレスと、パッケージからエジェクターピンを引き剥がす工程でのストレスとを考慮して対処する必要があるとの結論を得た。
【0008】
本発明の目的は、上述した2種類のストレスを排除して、パッケージを金型から離型する半導体装置の樹脂封止金型を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明に係る半導体装置の樹脂封止金型は、半導体装置を樹脂にて封止する半導体装置の樹脂封止金型であって、
半導体装置を金型のキャビティから離型するエジェクターピンを有し、
前記エジェクターピンを回転させて前記キャビティ内に進退させるものであり、 前記エジェクターピンの軸方向に押圧力を付加して、前記エジェクターピンを回転させることにより前記キャビティ内に進退させるものであり、
前記エジェクターピンは、下方に鍔部を有し、前記鍔部は、ねじが付され、前記エジェクタピン鍔部に付されたねじに対応するねじ溝がエジェクタープレートの対応する支持部に設けられたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図により説明する。
【0015】
(実施形態1)図1は、本発明の実施形態1に係る半導体装置の樹脂封止金型を示す図である。
【0016】
図において、本発明に係る半導体装置の樹脂封止金型は、半導体装置を樹脂にて封止する半導体装置の樹脂封止金型を対象とするものであり、基本的構成として、半導体装置を金型のキャビティ1から離型するエジェクターピン2を有しており、エジェクターピン2を回転させてキャビティ1内に進退させたものである。
【0017】
また、エジェクターピン1の軸方向に押圧力を付加して、エジェクターピン2を回転させるものであり、エジェクターピン2を回転させる機構は、ねじの自立条件(摩擦角>リード角)が成立しない荒いリードのねじ3aと、ねじ3aが螺入し、かつ、ねじの自立条件(摩擦角>リード角)が成立しない荒いリードをもつ回転用ねじ溝3bとの組み合わせからなり、エジェクターピン2の軸方向に押圧力を付加して、エジェクターピン2を回転させるようになっている。
【0018】
ねじ3aは、エジェクターピン2に付し、回転用ねじ溝3bは、エジェクターピン2を摺動可能に支持する部材に設ける、或いは、ねじ3aは、エジェクターピン2を摺動可能に支持する部材に設け、回転用ねじ溝3bは、エジェクターピン2に付するようにしてもよい。
【0019】
次に、本発明に係る半導体装置の樹脂封止金型の具体例を実施形態1として図1に基づいて説明する。
【0020】
図1(a)に示すように、半導体装置の樹脂封止金型は、下型の部分を示すものであり、ダイブロック4と、ダイブロック4に支持されたキャビティブロック1’と、上下2段のエジェクタープレート5,6と、エジェクターピン2を図中上方向に押し上げるエジェクターロッド7とを有している。9はゲートである。
【0021】
また、ダイブロック4とキャビティブロック1’とは、定位置に固定されている。また、上下2段のエジェクタープレート5,6は、エジェクターピン2の鍔2aを挟持して、昇降可能に設置されており、上下2段のエジェクタープレート5,6の昇降動作により、エジェクターピン2がキャビティ1内に進退するようになっている。また、ダイブロック4と上段のエジェクタープレート5との間には、スプリング8が設置され、スプリング8のばね力によりエジェクタープレート5,6を降下させて、エジェクターピン2をキャビティ1から引き抜くようになっている。
【0022】
また、図示しない樹脂封止金型の上型は、下型のキャビティ1に対応するキャビティを有し、下型と型組され、上下型のキャビティ内にセットされた半導体装置を樹脂で封止するのに用いられるようになっている。
【0023】
エジェクターピン2は、キャビティブロック1’,ダイブロック4と、上下2段のエジェクタープレート5,6とに摺動可能に支持されている。ここに、キャビティブロック1’,ダイブロック4と,上下2段のエジェクタープレート5,6等により、エジェクターピン2を摺動可能に支持する部材が構成されている。
【0024】
エジェクターピン2を回転させてキャビティ1内に進退させる機構は、エジェクターピン2の軸方向(図1では上下方向)にエジェクターロッド7で押圧力を付加して、エジェクターピン2を回転させるものであり、そのエジェクターピン2を回転させる機構は、ねじの自立条件(摩擦角>リード角)が成立しない荒いリードのねじ3aと、ねじ3aが螺入し、かつ、ねじの自立条件(摩擦角>リード角)が成立しない荒いリードをもつ回転用ねじ溝3bとの組み合わせからなり、エジェクターピン2の軸方向に押圧力を付加して、エジェクターピン2を回転させるようになっている。
【0025】
図1に示す実施形態1において、ねじ3aは図1(b)に示すように、エジェクターピン2に付し、回転用ねじ溝3bは、ダイブロック4に設けているが、回転用ねじ溝3bは図1(c)に示すように、キャビティブロック1’に設けてもよい。また、ねじ3aは、ダイブロック4,キャビティブロック1’に設け、回転用ねじ溝3bは、エジェクターピン2に設けてもよい。
【0026】
次に、実施形態1において、樹脂封入後にパッケージを金型から離型する際の動作について説明する。
【0027】
半導体装置を樹脂封止した後、上下の型を型開きする際に、図示しないモーターによる駆動力若しくは油圧力によってエジェクターロッド7が上昇し、それに伴ってエジェクターピン2及び上下2段のエジェクタープレート5,6が上昇する。
【0028】
エジェクターピン2を回転させてキャビティ1内に進退させる機構は、ねじの自立条件(摩擦角>リード角)が成立しない荒いリードのねじ3aと、ねじ3aが螺入し、かつ、ねじの自立条件(摩擦角>リード角)が成立しない荒いリードをもつ回転用ねじ溝3bとの組み合わせからなっているため、エジェクターピン2の軸方向に押圧力を付加した場合、エジェクターピン2の軸方向への押圧力により、エジェクターピン2は、回転用ねじ溝3bに誘導されて回転してキャビティ1内に進入し、半導体装置の樹脂成形済製品をキャビティ1から離型する。
【0029】
エジェクト後、エジェクターピン2は、ダイブロック4とエジェクタープレート5との間に設置されたスプリング8により強制的に元の位置にまで戻る。離型された製品は、アンローダハンドによって次工程まで搬送される。
【0030】
ここで、上述したように、封入後にパッケージを金型から離型する際にパッケージに荷重されるストレスには、パッケージを金型のキャビティから離型させる際に生じる第1のストレスと、樹脂成形済製品(パッケージ)からエジェクターピンを引き剥がす工程での第2のストレスとが加わることとなる。
【0031】
本発明の実施形態1では、キャビティ1内のパッケージをエジェクターピン2で押し上げて離型させるため、第1のストレスを排除することができる。さらに、エジェクターピン2を回転用ねじ溝3bに誘導して回転させ、樹脂成形済製品をキャビティ1から離型するため、第2のストレスを排除することができ、パッケージが薄型化されても離型時のストレスから保護することができる。
【0032】
(実施形態2)図2は、本発明の実施形態2に係る半導体装置の樹脂封止金型を示す図である。
【0033】
図2に示す実施形態2においては、ねじ3aは図2(a)に示すように、エジェクターピン2に付し、回転用ねじ溝3bは、上段のエジェクタープレート5に設けている。また、ねじ3aは、エジェクタープレート5に設け、回転用ねじ溝3bは、エジェクターピン2に付するようにしてもよいものである。
【0034】
また、図2(b)に示すように、ねじ3aは図2(b)に示すように、エジェクターピン2の鍔2aに付し、回転用ねじ溝3bは、上段のエジェクタープレート5に設けてよく、この場合、ねじ3aは、エジェクタープレート5に設け、回転用ねじ溝3bは、エジェクターピン2の鍔2aに付するようにしてもよいものである。
【0035】
また、上段のエジェクタープレート5を定位置に設置し、上段のエジェクタープレート5とエジェクターピン2の鍔2aとの間にスプリング8が設置され、スプリング8のばね力によりエジェクタープレート6を降下させて、エジェクターピン2をキャビティ1から引き抜くようになっている。
【0036】
実施形態2において、エジェクターピン2を用いて離形を行う動作は、実施形態1と同様である。また、金型の構成は、図1(a)と同様になっている。
【0037】
(実施形態3)図3は、本発明の実施形態3に係る半導体装置の樹脂封止金型を示す図である。
【0038】
図3に示す実施形態3では、ねじ3aは、エジェクターピン2に付し、回転用ねじ溝3bは、キャビティブロック1’に設けている。また、ねじ3aは、キャビティブロック1’に設け、回転用ねじ溝3bは、エジェクターピン2に付するようにしてもよいものである。
【0039】
実施形態3において、エジェクターピン2を用いて離形を行う動作は、実施形態1と同様である。また、金型の構成は、図1(a)と同様になっている。
【0040】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、エジェクターピンを回転用ねじ溝に誘導して回転させて、キャビティ内に進入させ、半導体装置の樹脂成形済製品をキャビティから離型するため、半導体装置の樹脂成形済製品をキャビティから離型した後にエジェクーピンが樹脂成形済製品に密着することはなく、キャビティから樹脂成形済製品を無理なく剥離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の実施形態1に係る半導体装置の樹脂封止金型を示す断面図、(b),(c)は、本発明の実施形態1においてエジェクターピンを回転させる機構を示す断面図である。
【図2】(a),(b)は、本発明の実施形態2においてエジェクターピンを回転させる機構を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態3においてエジェクターピンを回転させる機構を示す断面図である。
【符号の説明】
1 キャビティ
1’ キャビティブロック
2 エジェクターピン
3a ねじ
3b 回転用ねじ溝
4 ダイブロック
5,6 エジェクタープレート
7 エジェクターロッド
Claims (1)
- 半導体装置を樹脂にて封止する半導体装置の樹脂封止金型であって、
キャビティを有する上下金型と、
下方に鍔を有し、半導体装置を前記下金型のキャビティから離型するエジェクターピンと、
定位置に設置され、エジェクタピンを摺動可能に支持する上段エジェクタープレートと、
エジェクターピンの軸方向に押圧力を付加する下段エジェクタープレートと、
を有し、
ねじが前記鍔または前記上段エジェクタープレートの一方に付され、前記ねじに対応する回転用ねじ溝が前記鍔または前記上段エジェクタープレートの他方に設けられ、
前記エジェクターピンは、その軸方向に押圧力を付加されることにより、回転し、前記キャビティ内に進入させられるものであることを特徴とする半導体装置の樹脂封止金型。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP32702398A JP3652146B2 (ja) | 1998-11-17 | 1998-11-17 | 半導体装置の樹脂封止金型 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP32702398A JP3652146B2 (ja) | 1998-11-17 | 1998-11-17 | 半導体装置の樹脂封止金型 |
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JP2000141431A JP2000141431A (ja) | 2000-05-23 |
JP3652146B2 true JP3652146B2 (ja) | 2005-05-25 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP32702398A Expired - Fee Related JP3652146B2 (ja) | 1998-11-17 | 1998-11-17 | 半導体装置の樹脂封止金型 |
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JP (1) | JP3652146B2 (ja) |
-
1998
- 1998-11-17 JP JP32702398A patent/JP3652146B2/ja not_active Expired - Fee Related
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