JP3651852B2 - マンガン乾電池 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はマンガン乾電池の負極活物質と負極缶を兼ねた亜鉛合金の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より亜鉛合金は、マンガン乾電池の負極活物質と金属容器とを兼ねる負極缶として、古くから用いられてきた。製缶加工の際に必要な延伸性や機械的強度を付与し、また、負極缶の内容物である電解液に対する耐食性を保持するために、マンガン乾電池の負極缶に用いる従来の亜鉛合金には、0.1〜0.8重量%の鉛と、0.02〜0.06重量%のカドミウムが含まれていた。
【0003】
この亜鉛合金に含まれる鉛とカドミウムは微量ではあるが、近年、電池の消費量が多くなるにつれ、廃棄される量も増加する傾向にあり、環境保護の立場から何らかの処置をとる必要がある。その対策としてマンガン乾電池の負極缶に、鉛及びカドミウムを含有しない亜鉛合金の使用が強く望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、マンガン乾電池の負極缶材料として評価した場合、従来から用いられている亜鉛合金から、単に鉛及びカドミウムを除いて調製した合金は、鉛及びカドミウム含有亜鉛合金と比較して、機械的強度がかなり低く、乾電池製造工程で傷や曲がり、へこみなどの変形を生じて、内部短絡などの原因となった。加えて電解液に対する耐食性も劣り、乾電池貯蔵中に自己消耗を起こし易くなった。
【0005】
すなわち、従来の無鉛、無カドミウム亜鉛合金は、軟く機械的強度が低いため製造工程で起こる問題点と、耐食性が鉛、カドミウム亜鉛合金よりも劣るため電解液中での自己消耗が早い問題点とがあった。
【0006】
本発明者は上記の問題点を解決すべく研究を重ねた結果、亜鉛にマグネシウムを特定量配合した亜鉛合金を用い、さらに亜鉛よりイオン化傾向の低い貴な金属を備えることにより、問題点を解決できることを見出し、本発明をなすに至った。さらに、電池内に有機系インヒビターを添加することにより耐食性、自己消耗が改善されることを見いだした。
【0007】
本発明は、亜鉛合金からなる負極缶(1)に、電解液を含浸したセパレータ(2)を介して二酸化マンガンを主とする正極合剤(3)を収納した発電要素(4)を有するマンガン乾電池において、該亜鉛合金が、マグネシウム0.0003〜0.005重量%及びこれに不可避不純物量以下の鉛とカドミウムを含有しており、さらにセパレータ(2)中に、亜鉛、カドミウムを除いて亜鉛よりイオン化傾向が低い貴な金属の化合物を添加し、さらに、該発電要素内に有機系インヒビターを含有させたことを特徴とするマンガン乾電池である。
【0009】
【作用】
本発明において亜鉛合金の成分であるマグネシウムは、該合金に延伸性、衝撃押出性を与えるものである。本発明におけるマグネシウムの含有量は、0.0003〜0.005重量%である。0.0003重量%未満では亜鉛合金は軟くなり、工程中で傷や変形を受け易くなる。また、0.005重量%を超えると脆くなり、圧延加工とインパクト加工が困難となる。つまり機械的強度が上昇しすぎる。機械的強度として必要なのは、各種の製缶加工及び乾電池製造工程に耐える程度であって、ビッカース硬度で表わすことができる。
【0010】
また、本発明におけるセパレータ中に亜鉛よりもイオン化傾向が低い貴な金属(鉛、カドミウムを除く)の化合物を添加したことを特徴とするマンガン乾電池は、電解液に対して耐食性を有し、乾電池貯蔵中の自己消耗を抑えるものである。また、有機系インヒビターを添加することにより、耐食性、自己消耗をさらに改善することができる。
【0011】
上記のように、環境を汚染する鉛及びカドミウムを含有することなく、従来の鉛及びカドミウム含有亜鉛合金以上の機械的強度及び優れた耐食性を有するマンガン乾電池を提供することができる。本発明のマンガン乾電池は環境保全上に有用なマンガン乾電池である。
【0012】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例によって詳細に説明する。熱精錬した純度99.99重量%以上の亜鉛地金を用い、これにマグネシウムを配合して、表1に示すような本発明の組成による3種の合金試料(実施例1〜3)を調整した。また、比較のために、鉛及びカドミウムを配合した従来品を用意し(比較例11)、また同様に表2に示す本発明の組成範囲外の3種の試料(比較例12〜14)を調整した。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
これらについて、次のような(A),(B),(C)の試験によって評価を行なった。なお、nは各実施例及び比較例の組成ごとの試料数である。
(A)硬度(n=30)
厚さ0.42mm〜0.47mmのR20型マンガン乾電池用負極缶(1)を作成し、マイクロビッカース硬度計(MV)を用いて、その側面の硬度を測定した。この結果表1、表2のように、実施例1〜3は、鉛、カドミウムを含有した比較例11と同じ程度の硬度が得られた。マグネシウムが0.0001重量%以下の比較例12,13は硬度が低すぎ、0.01重量%の比較例14は硬すぎである。
【0016】
(B)工程中の外観不良率(n=1000)
亜鉛合金ペレットを衝撃押出法によって(A)と同様の負極缶(1)の大量試作を行い、セパレータ(2)を介して正極合剤(3)を収納した発電要素(4)を用いて、R20型マンガン乾電池を作製した。作製後、乾電池の金属外装部を取り外し、負極缶(1)を検査して、傷、曲がり、へこみなどの外観不良率を求めた。この結果は表1、表2に示したように、外観不良率では、本発明の実施例1〜3は鉛、カドミウムを含有した比較例11と同程度もしくはそれより少なく、マグネシウムが0.0001重量%以下の比較例12,13は外観不良率が高く、マグネシウム0.01重量%の比較例14はより高い。
【0017】
(C)腐食減量(n=30)
(A)と同じ負極缶(1)を使用した。負極缶(1)を秤量した後、通常の工程順序に従って乾電池を作製する。作製する電池は、セパレータ(3)中に亜鉛よりもイオン化傾向が低い貴な金属(鉛、カドミウムを除く)の化合物を添加した乾電池と、これにさらに有機系インヒビターを電池内部の発電要素に添加した乾電池、およびこれらを備えていない乾電池の、1合金組成に上記の3種類の乾電池を作製した。
【0018】
この乾電池を45℃1ヵ月貯蔵後、金属の外装部を外して負極缶(1)を取り出し、洗浄、乾燥後秤量する。この値から重量減少率を求め、腐食減量とした。この結果を表3に示した。表3よりイオン化傾向の低い金属を添加すると、より腐食減量が少なくなること、さらに、これに有機系インヒビターを発電要素に添加すると腐食減量がさらに少なくなることが判る。
【0019】
【表3】
【0020】
表1及び表2から明らかなように、硬度及び外観不良率については、マグネシウムの含有量が増加するほど良好になる。表3より腐食減量は、亜鉛よりイオン化傾向が低い貴な金属化合物のセパレータ中への添加により、およびさらに有機系インヒビターを発電要素に添加することにより低下する傾向がみられる。
【0021】
【発明の効果】
本発明は硬度、外観不良率及び耐食性を総合すると、マグネシウムを0.0003〜0.005重量%含有する亜鉛合金を用い、亜鉛よりイオン化傾向が低い貴な金属化合物をセパレータ中への添加すること、またさらにこれに有機系インヒビターを乾電池内の発電要素に添加することにより、鉛、カドミウム含有した従来のマンガン乾電池と同様な特性の鉛、カドミウムを含有しないマンガン乾電池が得られることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であるR20型マンガン乾電池の断面図である。
【符号の説明】
1…負極缶
2…セパレータ
3…正極合剤
4…発電要素
Claims (1)
- 亜鉛合金からなる負極缶に、電解液を含浸したセパレータを介して二酸化マンガンを主とする正極合剤を収納した発電要素を有するマンガン乾電池において、
該亜鉛合金が、マグネシウム0.0003〜0.005重量%、及び、鉛とカドミウムを不可避不純物量以下、含有し、かつ該セパレータ中に、鉛、カドミウムを除いて亜鉛よりイオン化傾向が低い貴な金属の化合物を添加しており、さらに、該発電要素内に、有機系インヒビターを含有していることを特徴とするマンガン乾電池。
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