JP3651528B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録用紙上にトナー画像を形成するプリンタ装置、複写機、あるいはファクシミリ装置等の画像形成装置に係り、特に、現像剤カートリッジを交換する際のトナーによる汚染を防止できるようにした画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真式のフルカラー画像形成装置には、三原色の現像剤がそれぞれ充填された3つの現像器、あるいは更に黒色の現像剤が充填された4つの現像器が搭載される。そして、これらを1つあるいは複数の感光体ドラムに対向配置し、静電潜像を複数色の現像剤で可視化して重畳することで画像形成が行われる。
【0003】
一般に、装置の小型化、低価格化を重視する場合、1つの感光体ドラムに対向して複数の現像器を順次配置する構成が採用される。このため、1つの感光体ドラムの近傍に4つの現像器を保持した回転体を配置し、この回転体を回転させることで各現像器を感光体ドラムと対向する位置まで順次移動させ、各現像剤で静電潜像を順次可視化する画像形成装置が提案されている。
【0004】
また、このような画像形成装置では、現像剤成分としてトナーとキャリアを含む2成分現像剤を使用しているが、2成分現像剤では、画像形成を繰り返すとキャリアが劣化して帯電性が低下するので新たな現像剤を補給する必要がある。このため、例えば特開平6−308829号公報では、現像器に交換可能な現像剤カートリッジを装填し、トナーの補給とキャリアの交換とを同時に行う現像装置が提案されている。この際、現像剤カートリッジから現像器への現像剤の供給は、現像剤カートリッジが現像器へ正規に装着されたときに相互に対向するように現像剤カートリッジおよび現像器のそれぞれに設けられた供給口および受け口を介して行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような現像剤カートリッジを用いると、その交換時に前記供給口あるいは受け口から飛散するトナーによって作業者が汚染される場合がある。このような問題点を解決するために、例えば特開昭60−121473号公報では、現像装置にトナー掻取部材を設け、カートリッジを現像装置から引き抜く際にカートリッジ表面に付着したトナーを掻取部材で掻きとってカートリッジ表面を清掃する方法が提案されている。しかしながら、この方法では掻きとられたトナーが装置本体内に堆積されるので装置内部が汚染されてしまうことになる。また、特公平5−710では、使用済みカートリッジをジャバラ状の袋で覆う方法も提案されているが、構成や操作が煩雑で実用化が難しい。
【0006】
一方、現像剤カートリッジ側の供給口あるいは現像器側の受け口からのトナー汚染を防止する他の方法として、現像剤カートリッジの供給口には、その交換時や搬送時等に内部の現像剤が飛び出さないようにするためのシャッター機構を設け、現像器の受け口にも、現像剤カートリッジが未装着の状態で回転体が回転しても現像器内部の現像剤が飛び出さないようにするためのシャッター機構を設ける構造が提案されている。
【0007】
この種のシャッター機構としては、構造が簡単でシール性に優れるなどの理由から、開口の形成された平面あるいは曲面に密着しながら表面を摺動して開口を塞ぐスライド式のシャッターが好ましい。ところが、各開口部の端面近傍には現像剤が飛散しているため、スライドシャッターを用いると、飛散した現像剤がシャッターの摺動方向に沿った先端部によって掻き集められ、シャッターが停止位置に達すると、その先端部には飛散したトナーが全て収集されることになる。そして、このようにして一か所に収集されてたトナー屑は、重力にしたがって当該位置から落下して装置内部を汚染してしまうという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、上記した従来技術の問題点を解決し、シャッター機構によって一か所に掻き集められたトナー屑を現像剤カートリッジごと外部へ持ち出せるようにしてトナーによる汚染を防止するようにした画像形成装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じた。
(1) 現像剤カートリッジの着脱操作に連動してトナー受け口(および/またはトナー排出口)が開閉されるように現像器表面で摺動されるスライドシャッターを具備した画像形成装置において、スライドシャッターは、現像剤カートリッジの取り出し操作に連動して閉動作し、閉動作の完了時にその摺動先端部が到達する現像器表面の予定位置は、当該現像剤カートリッジの下方からの投影領域内に収まるようにした。
【0010】
このような構成によれば、閉動作するスライドシャッターによって掻き集められたトナー屑は、現像剤カートリッジの下方からの投影領域内の現像器表面に収集される。このため、このトナー屑は現像剤カートリッジ上に落下し、現像剤カートリッジと共に回収することができるので装置内部が汚染されない。
(2) 現像器を複数保持して回転する回転体をさらに具備し、回転体の回転によって現像器が回転ドラムと順次対向して多色画像を形成するようにした。
【0011】
このような構成によれば、複数の現像器を備えた画像形成装置においても、装置内部のトナー汚染を防止できる。
(3) 各現像剤カートリッジは、前記現像器表面の予定位置が、それぞれの現像剤カートリッジの下方からの投影領域内に収まるように回転体が位置している場合のみ、その着脱を許可されるようにした。
【0012】
このような構成によれば、現像剤カートリッジは、掻き集められたトナー屑がその表面に落下する位置にある場合のみ着脱が許可されるので、着脱時のトナー屑は必ず現像剤カートリッジ上に落下して現像剤カートリッジと共に回収することができる。
(4) 現像剤カートリッジの表面であって、前記現像器に正規に装着された際に前記予定位置の直下となる領域には、当該予定位置から落下したトナー屑が滑り落ちないようにするための滑り止めを形成した。
【0013】
このような構成によれば、現像剤カートリッジの表面に落下したトナー屑の当該現像剤カートリッジからの落下が防止される。
(5) 前記現像剤カートリッジに、少なくとも前記直下領域を覆うスライドカバーを設けた。
【0014】
このような構成によれば、現像剤カートリッジの表面に落下したトナー屑がスライドカバーで覆われるので、現像剤カートリッジの着脱あるいは搬送中にトナー屑が他の部分に接触することがない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。図1は、本発明を適用した回転式現像装置の現像器12および現像剤カートリッジ10の分解斜視図である。図2は、回転式現像装置に現像器12および現像剤カートリッジ10が組付けられた状態を示した断面図である。図3は、現像器12に現像剤カートリッジ10を組付けた状態を示した断面図である。図4、5は、現像器12および現像剤カートリッジ10の拡大断面図である。図6は、現像器12の拡大斜視図である。図7は、現像器12の長蓋38の拡大斜視図である。図8、10は、現像剤カートリッジ10の拡大斜視図である。図9は、現像剤カートリッジ10の分解斜視図である。
【0016】
図2に示したように、回転式現像装置は感光体ドラム20を備えており、この感光体ドラム20の横には、略十字型の回転体34が配設されている。現像器12および現像剤カートリッジ10には、トナーとキャリアとがプレミックスされたC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、BK(ブラック)の現像剤成分(以下、単に現像剤と表現する)Lが収容されている。
【0017】
現像器12は、図1に示したように、上方が開口した長状のケース14を備えており、その内部には、トナーとキャリアをプレミックスした現像剤Lが充填されている。ケース14の横側壁16には、マグネットロール18が回転可能に軸支されており、軸部17に設けられたギア機構(図示せず)によって矢印A方向に回転するようになっている。マグネットロール18は、現像剤に含まれるキャリアを磁力により吸着して磁気ブラシを形成し、キャリアに吸着したトナーを感光体ドラム20に供給する。これにより、感光体ドラム20に形成されていた静電潜像が顕像化される。また、マグネットロール18と平行に2本のスパイラルオーガー22、24が横側壁16に軸支されている。このスパイラルオーガー22、24のシャフト26、28の端部にはギア機構(図示せず)が設けられており、マグネットロール18と同方向へ回転するようになっている。
【0018】
図3および図6に示すように、シャフト26の外周に設けられたスパイラル部30は、矢印B方向に傾いた螺旋形状となっており、また、シャフト28の外周に設けられたスパイラル部32は、矢印Bと反対方向に傾いた螺旋形状となっている。これにより、マグネットロール18が回転すると、スパイラルオーガー22は現像剤Lを矢印B方向に搬送しながら撹拌し、また、スパイラルオーガー24は、矢印Bと反対方向に現像剤Lを搬送しながら撹拌するので、マグネットロール18に現像剤Lが供給されることになる。このスパイラル部30、32は、スパイラルオーガー22、24が停止しているとき、後述する回転体34の回転によって、現像剤Lがスパイラルオーガー22からスパイラルオーガー24へ循環する方向へ傾いている。
【0019】
また、ケース14内には、スパイラルオーガー22、24を長手方向に仕切るように仕切板36が設けられている。この仕切板36の長手方向の両端部は横側壁16まで達しておらず、その右端部付近では、スパイラルオーガー22で撹拌搬送された現像剤Lがスパイラルオーガー24側へ搬送され、左端部付近では、スパイラルオーガー24で撹拌搬送された現像剤Lがスパイラルオーガー22側へ搬送されるようになっている。また、スパイラルオーガー22には、仕切板36の右端部付近でスパイラル部30とは逆巻のスパイラル部が設けられ、さらに、スパイラルオーガー24には、仕切板36の左端部付近で、スパイラル部32とは逆巻のスパイラル部が設けられている。これによって、仕切板36を境に現像剤Lがスパイラルオーガー22とスパイラルオーガー24との間をスムーズに循環することができる。
【0020】
一方、ケース14の開口縁部にはパッキン37が貼着されており、長蓋38で密閉されるようになっている。この長蓋38には鍔40が突設されており、ケース14に形成された鍔42との間にマグネットロール18の外周部を一部露出させた状態で保持する。また、長蓋38には、図示しない爪が突設されており、ケース14に形成された凹部44に係止され、長蓋38をケース14に仮止めするようになっている。
【0021】
長蓋38の中央部から左寄りには、矩形状の補給口41(図3参照)が貫通している。補給口41の表側には取付板52が立設されている。取付板52の側面は円弧状に湾曲しており、この円弧面に略円筒状のケーシング54が装着されるようになっている。このケーシング54の外周面には、図3および図4に示したように、補給口41と連通した開口部56が形成されている。また、補給口41の周縁には、後述する回転体34の回転位置(重力の作用方向の変化)によって補給口41を開閉するフラップ(図示せず)が設けられている。また、ケーシング54中にはスパイラルオーガー60が配設されている。このスパイラルオーガー60のスパイラル部62は、ケース14内に配設されたスパイラルオーガー22のスパイラル部30と同じ形状となっており、矢印B方向へ現像剤Lを搬送するように機能する。さらに、ケーシング54の左側の外周面には、両側にガイド溝67が形成され、半円を描くように湾曲した受け板66が取付けられている。この受け板66には受け口64が開口されている。また、受け板66の延長線上には、円弧状に湾曲した受け板76が設けられており、この受け板76を排出管70が貫通している。
【0022】
排出管70は「く字」状に捻って折り曲げられており、ケース14内に位置する回収口72が、補給口41より上流側(スパイラルオーガー22で現像剤が搬送されてくる方向)を向いている。さらに、この回収口72は、マグネットロール18が感光体ドラム20と対向しているとき、現像剤の剤面と平行となるように設定されており、かつ、その開口面積は、最大プリント用紙の100%像密度1枚で消費される現像剤に含まれるキャリアを回転体34の一回の回転で回収できる大きさとされている。
【0023】
一方、受け板66のガイド溝67には、円形状を描くように湾曲したスライドシャッター68がスライド可能に係合されている。このスライドシャッター68の上端には止め壁69(図7参照)が形成されている。受け板66の端部が止め壁69に当たると、スライドシャッター68は受け口64および排出口74を遮蔽した位置で止まることになる。また、止め壁69の幅方向には、現像剤カートリッジ10の装着時に、図9に示した回収ケース120から突設された係合片122と係合する係合溝78が切り込まれている。
【0024】
さらに、長蓋38の上面には、両端が開口した筒状のホルダー124が固定されている。このホルダー124の内周壁には、長手方向に沿ってガイド溝126が延設されている。このガイド溝126に、現像剤カートリッジ10のキャップ128から突設されガイド突起130が係合され、ホルダー124へ現像剤カートリッジ10が装填されるようになっている。現像剤カートリッジ10は、筒状の収容部86と、この収容部86の開口に嵌め込まれる筒状の回収ケース120とを備えている。この回収ケース120の外周面には、受け口64と対応する位置に供給口80が、また排出口74と対応する位置に取込口82が、それぞれ形成されている。
【0025】
回収ケース120には、キャップ131が圧人される筒状の回収ボックス132が嵌め込まれるようになっている。この回収ボックス132は、回収ケース120へ嵌め込まれたとき、その底壁が仕切壁84(図3参照)となって供給口80と取込口82を仕切る。これによって、収容部86に収納された現像剤Lが回収ボックス132へ流れ込まないようになっている。この仕切壁84の一部は、長手方向へ張り出して張出片134を形成している(図9参照)。この張出片134に穿設された開口136は、回収ケース120に回収ボックス132が嵌め込まれたとき、取込口82と連通するようになっている。これによって、回収ボックス132へ排出口74、取込口82、及び開口136を通じてキャリアが回収される。なお、収容部86には、図3に示すように、アジテータ88が配設されており、収納された現像剤Lが供給口80へ撹拌搬送される。
【0026】
また、回収ケース120と回収ボックス132との接合部は、図示は省略するがテーピングされており、必要に応じて回収ボックス132だけを取り外すことができるようになっている。これにより、回収ボックス132に溜まったキャリアの処理が容易になる。さらに、回収ボックス132の容積は、現像剤カートリッジ10に収納された現像剤に含まれるキャリアを全て回収できる大きさに設定されている。また、回収ボックス132には、図4に示すように、開口136から周回する回収通路90が形成されている。この回収通路90によって、キャリアCが排出口74側へ逆流しないようになっている。
【0027】
ー方、供給口80と取込口82の周辺は周方向に沿って切下げられており、図示しないガイド溝が形成されている。このガイド溝には、現像剤カートリッジ10に沿って円弧状に湾曲したシャッター98が周方向へスライド可能に取付けられている。このシャッター98の上面には、幅方向に長溝138が形成されている。この長溝138は、受け板76の下端から突設された突起140と係合し、キャップ131に設けられた長板状のハンドル100を指で摘んで回すと、現像剤カートリッジ10が旋回して供給口80および取込口82が開閉される。
【0028】
また、回収ケース120を取り囲むように、筒状のスライドカバー102がスライド可能に装着されている。このスライドカバー102は、スプリング104でシャッター98を覆う方向へ付勢されている。このため、現像剤カートリッジ10が装着されていないときは、スプリング104の付勢力でシャッター98を覆い、また、回転体34に装着されると、スライドカバー102の傾斜した開放端が装置側の図示しないストッパーに当たり、現像剤カートリッジ10の挿入操作によってシャッター98を露出させる。
【0029】
次いで、現像剤カートリッジ10を交換する場合の動作を説明する。感光体ドラム20には、図示しない濃度センサが配置されており、インターバルをおいて、トナーによって感光体ドラム20上で顕像化された画像の濃度を検出するようになっている。濃度が薄くなるとマイコンヘ信号を送信し、マイコンが回転体34を時計方向へ回転させる。次に、リミットスイッチが差動して回転体が停止し、現像剤カートリッジ10が取り出し位置(図2でFの位置)に移動する。なお、回転式現像装置の扉を開けるとリミットスイッチが作動して回転体を駆動し、現像剤カートリッジ10を交換位置に移動させるようにしてもよい。
【0030】
図4は、前記Fの位置における現像剤カートリッジ10と現像器12の相対的な位置関係を示した図であり、現像剤カートリッジ10の交換は、現像器12が現像剤カートリッジ10の上方に位置する姿勢でのみ行うことができ、これ以外の姿勢では現像剤カートリッジ10を引き出せないように、適宜の手段によって現像剤カートリッジ10の引き出しが禁止される。
【0031】
現像剤カートリッジ10は、その供給口80および取込口82がそれぞれ現像器12の受け口64および排出口74と対向するように装着されている。したがって、回転体34が回転して現像剤カートリッジ10および現像器12の上下関係が入れ替わるごとに、現像剤カートリッジ10内の現像剤は供給口80、受け口64を介して現像器12内へ供給され、現像器内12内の過剰な現像剤は排出口74、取込口82を介して現像剤カートリッジ10の回収ケース120内に回収される。
【0032】
現像剤カートリッジ10を交換する場合、初めに現像剤カートリッジ10を図中矢印の方向へ約90度回転させる。これにより、図5に示したように、前記係合片122と係合溝78で係合された現像器12の前記スライドシャッター68も同様に回転し、スライドシャッター68の止め壁69が受け板66の端部に当たると、スライドシャッター68は受け口64および排出口74を遮蔽した位置で止まることになる。また、現像剤カートリッジ10の供給口80および取込口82の位置も90度回転し、前記シャッター98で遮蔽されることになる。このため、現像剤カートリッジ10を引き出しても、現像器12および現像剤カートリッジ10のいずれからもトナーが漏れることはない。
【0033】
また、スライドシャッター68が現像器12の受け口64および排出口74の端面を摺動するため、その開口部の周囲に付着していたトナーがシャッター68の摺動方向の先端部68aで掻き集められる。掻き集められたトナー屑は、スライドシャッター68が停止した際にその先端部68aが到達する予定位置Tで堆積されることになる。
【0034】
このようにして掻き集められたトナー屑は、従来であれば装置内に落下していたが、本実施形態では、受け口64及び排出口74を遮蔽して止まったスライドシャッター68の先端部68aが、現像剤カートリッジ10の下方から見た投影領域内の現像器表面に位置し、当該予定位置Tにトナー屑が収集されるので、トナー屑は現像剤カートリッジ10上に落下し、装置内部には落下しない。
【0035】
図10は、現像器から引き抜かれた現像剤カートリッジ10の斜視図であり、現像器12から落下したトナー屑300は、同図(a) に示したように現像剤カートリッジ10と共に外部に排出される。また、本実施形態では、その近傍の円周上にシャッター98が取り付けられ、その頂上側の一端が、表面からのトナー屑300の滑り落ちを防止している。なお、トナー屑300の滑り落ちを防止するために、当該領域に窪みを設けても良い。
【0036】
さらに、本実施形態では現像剤カートリッジ10を引き抜くと、同図(b) に示したように、スライドカバー102が前記スプリング104の付勢力で移動してシャッター98およびトナー屑300を覆う。このため、現像剤カートリッジ10の交換時に、その表面に落下したトナー屑300によって装置内部や作業者が汚染されることがない。
【0037】
なお、上記した実施形態では本発明を回転式のフルカラー現像装置を例にして説明したが、本発明はこれのみに限定されず、一つの現像器のみを備えた単色の現像装置にも同様に適用することができる。
【0038】
また、上記した実施形態では2成分現像剤を用いた画像形成装置に適用して本発明を説明し、現像剤カートリッジ10内にはトナーおよびキャリアが充填されているものとした、本発明はこれのみに限定されず、トナーのみ、あるいはキャリアのみが充填されたカートリッジを利用する画像形成装置にも同様に適用することができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば以下のような効果が達成される。
(1) 請求項1、2の発明によれば、閉動作するスライドシャッターによって掻き集められたトナー屑は、現像剤カートリッジの下方からの投影領域内の現像器表面に収集される。このため、このトナー屑は現像剤カートリッジ上に落下し、現像剤カートリッジと共に回収することができるので装置内部が汚染されない。
(2) 請求項3の発明によれば、複数の現像器を備えた画像形成装置においても、装置内部のトナー汚染を防止できる。
(3) 請求項4の発明によれば、現像剤カートリッジは、掻き集められたトナー屑がその表面に落下する位置にある場合のみ着脱が許可されるので、着脱時のトナー屑は必ず現像剤カートリッジ上に落下して現像剤カートリッジと共に回収することができる。
(4) 請求項5、6、7の発明によれば、現像剤カートリッジの表面に落下したトナー屑の当該現像剤カートリッジからの落下が防止される。
(5) 請求項8の発明によれば、現像剤カートリッジの表面に落下したトナー屑がスライドカバーで覆われるので、現像剤カートリッジの着脱あるいは搬送中にトナー屑が他の部分に接触することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した回転式現像装置の現像器および現像剤カートリッジの分解斜視図である。
【図2】 回転式現像装置へ現像器および現像剤カートリッジが組付けられた状態を示した断面図である。
【図3】 現像器に現像剤カートリッジを組付けた状態を示した断面図である。
【図4】 現像器および現像剤カートリッジの拡大断面図である。
【図5】 現像器および現像剤カートリッジの拡大断面図である。
【図6】 現像器の拡大斜視図である。
【図7】 現像器の長蓋の拡大斜視図である。
【図8】 現像剤カートリッジの拡大斜視図である。
【図9】 現像剤カートリッジの分解斜視図である。
【図10】 現像剤カートリッジの斜視図である。
【符号の説明】
10…現像剤カートリッジ、12…現像器、66…受け板、68…スライドシャッター、69…止め壁、78…係合溝、98…シャッター、102…スライドカバー、120…回収ケース、122…係合片、300…トナー屑

Claims (6)

  1. トナーおよびキャリアの少なくとも一方を含む現像剤成分が収容され、この現像剤成分を外部へ供給する供給口を備えた現像剤カートリッジと、
    前記現像剤カートリッジが着脱自在に装着され、正規に装着された現像剤カートリッジの前記供給口と対向する位置に現像剤成分の受け口が開口された現像器と、
    前記現像器を複数保持して回転する回転体と、
    現像剤カートリッジの着脱操作に連動して前記受け口が開閉されるように現像器表面で摺動されるスライドシャッターとを具備し、前記回転体の回転によって前記現像器が回転ドラムと順次対向して多色画像を形成する画像形成装置において、
    前記スライドシャッターは、現像剤カートリッジの取り出し操作に連動して閉動作し、閉動作の完了時にその摺動先端部が到達する現像器表面の予定位置が、当該現像剤カートリッジの下方からの投影領域内にあることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記各現像剤カートリッジは、前記現像器表面の予定位置が、それぞれの現像剤カートリッジの下方からの投影領域内に収まるように前記回転体が位置している場合のみ、その着脱を許可されることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  3. 前記現像剤カートリッジの表面であって、前記現像器に正規に装着された際に前記予定位置の直下となる領域には、当該予定位置から落下したトナー屑が滑り落ちないようにするための滑り止めが形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記滑り止めは、現像剤カートリッジ表面の前記直下領域を含む領域に形成された窪みであることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  5. 前記滑り止めは、現像剤カートリッジ表面の前記直下領域近傍に形成された突起であることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  6. 前記現像剤カートリッジは、前記現像器に正規に装着された際に前記予定位置の直下となる領域を覆うスライドカバーを具備したことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の画像形成装置。
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