JP3651091B2 - 積層型熱交換器 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はチューブを金属薄板の積層構造により形成するとともに、チューブ内に伝熱促進用のインナーフィンを配設する積層型熱交換器において、インナーフィン組付の位置決め構造に関するもので、冷凍サイクルの冷媒を蒸発させる蒸発器として好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のインナーフィンを用いた積層型熱交換器としては、特開平6−74608号公報、特開平6−74677号公報、特開平6−123580号公報に記載されたものが知られている。
これらの公報記載の従来構造では、波形状のインナーフィンをチューブ内に配設するに際して、インナーフィン端部に相当するチューブ側の部位に、円形状に突出した突起を一体にプレス成形して、この突起によりインナーフィンのチューブ長手方向に対する位置決めを行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来構造では、チューブ内の流路空間が偏平状であり、その高さが低いため、チューブ側の円形状突起の大きさも必然的に小さなものとなってしまい、その結果、円形状突起が波形状のインナーフィンの山谷の凹所内に入り込み、インナーフィンの位置決めができない場合が生じる。また、円形状突起が波形状のインナーフィンの山谷の凹所内に入り込むことにより、インナーフィンの流体(冷媒等)流路が塞がれてしまい、チューブの圧力損失が増大する場合がある。
【0004】
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、チューブを金属薄板の積層構造により形成する積層型熱交換器において、チューブ内における伝熱促進用のインナーフィンの位置決めを確実に行うとともに、インナーフィン通路の圧力損失の増大を最小限に抑制することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。
すなわち、請求項1〜5記載の発明では、チューブ(2)を金属薄板(4)の積層構造により形成する積層型熱交換器において、
チューブ(2)内に、その内部を流れる流体の伝熱促進用のインナーフィン(12)を配設するとともに、前記金属薄板(4)の少なくとも一端部に、チューブ(2)の流体通路(2a、2b)への流体出入口部を構成するタンク部(4b、4c、4d、4e)を一体成形し、
このタンク部(4b、4c、4d、4e)と、前記チューブ(2)の流体通路(2b)との接続部位に、インナーフィン(12)の端面(12a)に沿って前記チューブ(2)の幅方向に延びる段差(14)を形成し、この段差(14)にて前記インナーフィン(12)の長手方向の位置決めを行うことを特徴としている。
【0006】
このように構成することより、インナーフィン(12)が波形状等に成形されていても、その波形状等の頂部又は底部が必ず段差(14)に当接するので、この段差(14)にてインナーフィン(12)の長手方向の位置決めを確実に行うことができる。
また、インナーフィン(12)の頂部、底部と段差(14)との当接により位置決めを行う構成であるから、従来構造のごとく、インナーフィン(12)の波形状の山谷部の凹所内に円形状の突起が入り込むといった不具合が発生せず、従って、内部流体の圧力損失を増大することなく、インナーフィン(12)の長手方向の位置決めを行うことができる。
【0007】
また、上記段差(14)が補強リブの役割を果して、チューブ(2)の耐圧強度を向上できる。さらに、上記段差(14)部分において、チューブ(2)内に流入する流体の流れに乱れを発生させて、流体とチューブ(2)との間の伝熱促進を図ることができ、伝熱性能を向上させることができる。
特に、請求項3記載の発明では、段差(14)の高さ(h)をインナーフィン(12)の板厚の1〜3倍の高さとすることにより、上記作用をより一層効果的に発揮できるとともに、段差(14)のプレス成形に伴う金属薄板(4)の部分的な薄肉化により耐食性低下が生じることも抑制できる。
【0008】
また、請求項5記載の発明のごとく、金属薄板(4)相互間および金属薄板(4)とインナーフィン(12)との間をろう付けにて一体に接合する積層型熱交換器では、段差(14)の高さ(h)をあまり高くすると、ろう付け時に溶融ろう材がインナーフィン(12)の端面(12a)部に集まって、インナーフィン(12)の通路を閉塞することが発生するが、段差(14)の高さ(h)をインナーフィン(12)の板厚の3倍以下とすることにより、このろう材によるインナーフィン(12)通路の閉塞も抑制できる。
【0009】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。図1〜図9は本発明熱交換器を自動車用空調装置の冷凍サイクルにおける冷媒蒸発器に適用した一実施形態を示しており、蒸発器1には、図示しない温度作動式膨張弁(減圧手段)で減圧され膨張した低温低圧の気液2相冷媒が流入するようになっている。
【0011】
この蒸発器1は、多数のチューブ(冷媒通路)2を並列に形成し、このチューブ2内を流れる冷媒(内部流体)とチューブ2の外部を流れる空調用送風空気(外部流体)とを熱交換させる熱交換部3を備えている。図3〜6の矢印Aはこの送風空気の流れ方向を示す。
この熱交換部3は図6に示す金属薄板4の積層構造により形成されており、この積層構造の概略を以下説明すると、熱交換部3では、金属薄板4を所定形状(冷媒通路部となる部分が凹状に凹んだ形状)に成形して、これを2枚1組として多数組積層した上で、ろう付けにより接合することにより多数のチューブ2を並列に形成するものである。ここで、金属薄板4の材料としては、熱伝導率、耐食性、ろう付け性等に優れ、軽量であるアルミニュウムを用いており、具体的にはアルミニュウム心材(例えばA3003のアルミニュウム合金材)の両面にろう材(例えばA4104のアルミニュウムろう材)をクラッドした両面クラッド材を用いている。ろう材のクラッド率は例えば板厚の15%程度であり、また金属薄板4の板厚は0.4〜0.6mm程度である。
【0012】
この多数のチューブ2内には、本例では、図5、6に示すように、金属薄板4の中央の突出壁4aにより仕切られた第1、第2の2つの通路2a、2bがチューブ長手方向に対して並列に形成してある。そして、隣接するチューブ2相互の通路2a、2bをチューブ2の両端部(図1、5、6の上下端部)でそれぞれ互いに連通させるため、金属薄板4の両端部にはタンク部4b、4c、4d、4eが一体形成されている。従って、タンク部4b、4c、4d、4eはチューブ2の冷媒通路2a、2bへの冷媒出入口部を構成することになる。
【0013】
これらのタンク部4b、4c、4d、4eはそれぞれ独立にチューブ2の外方側へ突出する円筒状突出部にて形成され、その突出部の頂部にそれぞれ連通穴4f、4g、4h、4iが開口している。
また、熱交換部3において、隣接するチューブ2の外面側相互の間隙にコルゲートフィン(フィン手段)5を接合して空気側の伝熱面積の増大を図っている。このコルゲートフィン5はA3003のような、ろう材をクラッドしてないアルミニュウムベア材にて波形状に成形されている。
【0014】
熱交換部3の金属薄板積層方向の一端部に位置する金属薄板40およびこれに接合されるエンドプレート41、さらに金属薄板積層方向の他端部に位置する金属薄板42およびこれに接合されるエンドプレート43(図1〜図4参照)も、上記金属薄板4と同様に両面クラッド材から成形されている。但し、これらの板材40〜43の板厚は強度確保のため、上記金属薄板4より厚肉、例えば1mm程度にしてある。
【0015】
そして、一端部のエンドプレート41には、図2(b)に示すように、金属薄板積層方向の外方側へ突出する上側および下側の張出部41a、41bが形成してある。この上側および下側の張出部41a、41bは、それぞれ補強のため上下方向に延びる複数の凹凸形状にて構成されている。この張出部41a、41bと、熱交換部3の金属薄板積層方向の一端部に位置する金属薄板40との間に形成される空間により、冷媒入口通路6および冷媒出口通路7(図5参照)を形成している。
【0016】
また、一端部のエンドプレート41の上下方向の中間部位には、外部冷媒回路との接続用配管ジョイント8を接合してある。この配管ジョイント8はA6000番系のアルミニュウムベア材にて成形されている。
この配管ジョイント8には冷媒入口パイプ8aと冷媒出口パイプ8bが一体成形されており、この両パイプ8a、8bの通路端部をエンドプレート41の穴部(図示せず)内に嵌入してろう付けする。これにより、冷媒入口パイプ8aは冷媒入口通路6と連通し、冷媒出口パイプ8bは冷媒出口通路7と連通している。この配管ジョイント8の冷媒入口パイプ8aには、図示しない膨張弁の出口側冷媒配管が連結され、また、冷媒出口パイプ8bには、蒸発器で蒸発したガス冷媒を圧縮機(図示せず)側へ吸入させる圧縮機吸入配管が連結される。
【0017】
一方、他端部のエンドプレート43には金属薄板積層方向の外方側へ突出する張出部43aが形成してある。この張出部43aも、補強のため上下方向に延びる複数の凹凸形状にて構成されている。この張出部43aと、熱交換部3の金属薄板積層方向の他端部に位置する金属薄板42との間に形成される空間により、タンク部4dとタンク部4eとを連通させる冷媒通路9(図5参照)、および図5の下方から上方へ冷媒を流す冷媒通路10を形成している。
【0018】
本例における熱交換部3では、タンク部4dの連通路の途中部位にこの連通路を遮断する仕切り板11(図5参照)を設けている。従って、熱交換部3における冷媒通路は、配管ジョイント8の冷媒入口パイプ8a→冷媒入口通路6→図5の範囲B内のタンク部4dに至り、ここからチューブ2の第1通路2a内を上昇する。
【0019】
そして、上部のタンク部4bにて冷媒通路は図5の右側から左側へ進み、図5の範囲C内のタンク部4bからチューブ2の第1通路2a内を下降し、範囲C内のタンク部4dに至り、他端部のエンドプレート43と金属薄板42との間に形成される冷媒通路9によりタンク部4e側に連通する。そして、このタンク部4e側から冷媒通路は、冷媒通路10およびチューブ2の第2通路2b内を上昇し、タンク部4cに至り、さらに、冷媒出口通路7を経て配管ジョイント8の冷媒出口パイプ8bに至る。
【0020】
上記冷媒通路構成において、チューブ2の第1通路2a部分には、リブ4jが設けてある。このリブ4jは金属薄板4に一体に打ち出し成形されたもので、冷媒流れに対して斜めに形成されており、冷媒の流れを乱して冷媒側の熱伝達率を向上させるものである。
ところで、チューブ2の第2通路2b部分には、インナーフィン12が配設してある。このインナーフィン12はA3003のアルミニュウムベア材からなり、チューブ2の長手方向に平行な波形状に成形されている。そして、インナーフィン12の波形状の底部、頂部は、金属薄板4、4の内壁面に当接して一体ろう付けされている。インナーフィン12の板厚は具体的には0.08〜0.1mm程度が適当であり、金属薄板4の板厚(0.4〜0.6mm)と比較すると、金属薄板4の板厚の1/5〜1/6である。
【0021】
本実施形態では、このインナーフィン12の長手方向(チューブ長手方向)に対する位置決めを行うために、以下の構造を採用している。すなわち、図7、8に示すように、タンク部4c、4eとチューブ2の第2通路2bとの接続部位に、インナーフィン12の端面12aに沿ってチューブ2の幅方向(図6の左右方向)に延びる段差14を形成している。
【0022】
より具体的に述べると、チューブ2の第2通路2b側のタンク部4c、4eのうち、第2通路2b側から立ち上がる円弧状部13の立ち上がり端部に、インナーフィン12の端面12aに沿って延びる段差14を形成している。この段差14はインナーフィン12の長手方向の位置決めを行うためのものであり、この段差14の高さhはインナーフィン12の板厚の1〜3倍の高さとすることが好ましく、具体的には0.1〜0.3mm程度である。
【0023】
段差14の高さhの下限値は、インナーフィン12の長手方向の位置決めを確実に行うために、インナーフィン12の板厚と同等以上に設定することが好ましい。また、段差14の高さhを高くすれば、それだけインナーフィン12の位置決め効果は向上するが、その反面、段差14をプレス成形にて形成する際、段差14による材料の肉移動が発生して、金属薄板4に部分的に薄肉部分が形成される。そして、この薄肉化の程度が段差14の高さhの増加により大きくなると、金属薄板4の耐食性の低下を引き起こすことがある。
【0024】
そこで、段差14の高さhの上限値をインナーフィン12の板厚の3倍以下として、上記薄肉化による金属薄板4の耐食性の低下を抑制することが好ましい。なお、段差14の高さhを高くすると、蒸発器1のろう付け時に、溶融ろう材が毛細管現象によりインナーフィン12の端面12a部に集まって、インナーフィン12の通路を閉塞する程度が拡大されるので、この通路閉塞を抑制するためにも、段差14の高さhをインナーフィン12の板厚の3倍以下に設定することが好ましい。
【0025】
上記した冷媒蒸発器1はろう付けにて組付けられるものであって、蒸発器1は図1〜図4に示す状態に積層して仮組付した後、その仮組付状態を適宜の治具にて保持して、ろう付け炉内に仮組付体を搬入する。次に、このろう付け炉内にて、仮組付体をアルミニュウム両面クラッド材のろう材の融点まで加熱して、蒸発器1各部の接合箇所を一体ろう付けする。
【0026】
次に、上記構成において冷媒蒸発器1の作用を説明すると、冷媒蒸発器1内部において、冷媒は前述した経路(図5の矢印参照)にて流れ、この経路を流れる間に矢印A方向に送風される空調空気から冷媒は吸熱して蒸発する。これにより、空調空気は冷却、除湿される。
本発明の要部はインナーフィン12の位置決め構造にあるから、この部分の作用について詳述すると、チューブ2の第2通路2b側のタンク部4c、4eのうち、第2通路2b側から立ち上がる円弧状部13の立ち上がり端部に、インナーフィン12の端面12aに沿って延びる段差14を形成しているから、インナーフィン12が波形状であっても、その波形状の頂部、底部が必ず段差14に当接するので、この段差14にてインナーフィン12の長手方向の位置決めを確実に行うことができる。
【0027】
また、従来構造のごとく、インナーフィン12の波形状の凹所内に円形状の突起が入り込むといった不具合が発生せず、従って、第2通路2b側の冷媒圧力損失を増大することなく、インナーフィン12の長手方向を位置決めできる。
また、タンク部4c、4eのうち、第2通路2b側から立ち上がる円弧状部13の立ち上がり端部に段差14を形成しているので、この段差14が補強リブの役割を果して、チューブ2の耐圧強度を向上できる。さらに、図9に示すように、上記段差14部分において、チューブ2内に流入する冷媒の流れに乱れ(矢印E参照)を発生させて、冷媒とチューブ2との間の伝熱促進を図ることができ、伝熱性能を向上できる。
【0028】
また、段差14の高さhをインナーフィン12の板厚以上の高さとすることにより、上記位置決め作用をより確実に発揮でき、さらに、段差14の高さhをインナーフィン12の板厚の3倍以下とすることにより、段差14のプレス成形に伴う金属薄板4の部分的な薄肉化による耐食性低下を抑制できる。また、ろう付け時に、インナーフィン12の通路がろう材により閉塞することも抑制できる。
(他の実施形態)
なお、本発明の要部はインナーフィン12の位置決め構造にあるから、熱交換部3におけるチューブ構成等は種々変更してもよいことは勿論であり、例えば、上記実施形態では、チューブ2の第1通路2a側には、斜めリブ4jを形成し、インナーフィン12を配設していないが、斜めリブ4jを廃止して、その代わりに第1通路2a側にもインナーフィン12を配設してもよい。
【0029】
また、インナーフィン12として、波形状のものに限らず、例えば、矩形状の凹凸形状としたり、矩形状の凹凸形状をずらしたオフセットフィン等を使用することもできる。
また、上記実施形態では、金属薄板4の両端部に、それぞれ2個ずつのタンク部4b、4cとタンク部4d、4eとを設けているが、金属薄板4の両端部に、それぞれ1個ずつのタンク部を設ける構成であってもよい。また、金属薄板4の一端部に冷媒の入口側のタンク部と冷媒の出口側のタンク部とを設けて、金属薄板4の他端部で冷媒流れをUターンさせる構成であってもよい。この金属薄板4の他端部で冷媒流れをUターンさせる形式のものでは、このUターン流路部分にインナーフィン12の他端側の位置決めを行う段差を金属薄板4に一体成形すればよい。このように、冷媒通路構成は種々変更できる。
【0030】
また、上記実施形態では、タンク部4c、4eと、チューブ2の第2通路2bとの接続部位に、インナーフィン12の端面12aに沿ってチューブ2の幅方向の全長にわたって段差14を形成しているが、チューブ2の幅方向の一部に段差14を形成しない部分を設けてもよく、このように変形しても、段差14にてインナーフィン12の長手方向の位置決めを確実に行うことができる。
【0031】
また、本発明は冷媒蒸発器に限定されることなく、種々な流体の熱交換を行う熱交換器一般に広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す蒸発器の正面図である。
【図2】(a)は図1の蒸発器の左側面図で、(b)は図1の蒸発器の右側面図である。
【図3】図1の蒸発器の上面図である。
【図4】図1の蒸発器の底面図である。
【図5】図1の蒸発器の冷媒通路構成を示す概略分解斜視図である。
【図6】図1の蒸発器に用いられるチューブを構成する金属薄板の斜視図である。
【図7】図6の金属薄板のD−D断面図である。
【図8】図1の蒸発器におけるインナーフィン端部の組付状態を示す斜視図である。
【図9】図1の蒸発器におけるインナーフィン端部における冷媒の流れ状態を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1…蒸発器、2…チューブ、3…熱交換部、4、40、42…金属薄板、
4b、4c、4d、4e…タンク部、12…インナーフィン、13…円弧状部、14…段差。
【発明の属する技術分野】
本発明はチューブを金属薄板の積層構造により形成するとともに、チューブ内に伝熱促進用のインナーフィンを配設する積層型熱交換器において、インナーフィン組付の位置決め構造に関するもので、冷凍サイクルの冷媒を蒸発させる蒸発器として好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のインナーフィンを用いた積層型熱交換器としては、特開平6−74608号公報、特開平6−74677号公報、特開平6−123580号公報に記載されたものが知られている。
これらの公報記載の従来構造では、波形状のインナーフィンをチューブ内に配設するに際して、インナーフィン端部に相当するチューブ側の部位に、円形状に突出した突起を一体にプレス成形して、この突起によりインナーフィンのチューブ長手方向に対する位置決めを行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来構造では、チューブ内の流路空間が偏平状であり、その高さが低いため、チューブ側の円形状突起の大きさも必然的に小さなものとなってしまい、その結果、円形状突起が波形状のインナーフィンの山谷の凹所内に入り込み、インナーフィンの位置決めができない場合が生じる。また、円形状突起が波形状のインナーフィンの山谷の凹所内に入り込むことにより、インナーフィンの流体(冷媒等)流路が塞がれてしまい、チューブの圧力損失が増大する場合がある。
【0004】
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、チューブを金属薄板の積層構造により形成する積層型熱交換器において、チューブ内における伝熱促進用のインナーフィンの位置決めを確実に行うとともに、インナーフィン通路の圧力損失の増大を最小限に抑制することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。
すなわち、請求項1〜5記載の発明では、チューブ(2)を金属薄板(4)の積層構造により形成する積層型熱交換器において、
チューブ(2)内に、その内部を流れる流体の伝熱促進用のインナーフィン(12)を配設するとともに、前記金属薄板(4)の少なくとも一端部に、チューブ(2)の流体通路(2a、2b)への流体出入口部を構成するタンク部(4b、4c、4d、4e)を一体成形し、
このタンク部(4b、4c、4d、4e)と、前記チューブ(2)の流体通路(2b)との接続部位に、インナーフィン(12)の端面(12a)に沿って前記チューブ(2)の幅方向に延びる段差(14)を形成し、この段差(14)にて前記インナーフィン(12)の長手方向の位置決めを行うことを特徴としている。
【0006】
このように構成することより、インナーフィン(12)が波形状等に成形されていても、その波形状等の頂部又は底部が必ず段差(14)に当接するので、この段差(14)にてインナーフィン(12)の長手方向の位置決めを確実に行うことができる。
また、インナーフィン(12)の頂部、底部と段差(14)との当接により位置決めを行う構成であるから、従来構造のごとく、インナーフィン(12)の波形状の山谷部の凹所内に円形状の突起が入り込むといった不具合が発生せず、従って、内部流体の圧力損失を増大することなく、インナーフィン(12)の長手方向の位置決めを行うことができる。
【0007】
また、上記段差(14)が補強リブの役割を果して、チューブ(2)の耐圧強度を向上できる。さらに、上記段差(14)部分において、チューブ(2)内に流入する流体の流れに乱れを発生させて、流体とチューブ(2)との間の伝熱促進を図ることができ、伝熱性能を向上させることができる。
特に、請求項3記載の発明では、段差(14)の高さ(h)をインナーフィン(12)の板厚の1〜3倍の高さとすることにより、上記作用をより一層効果的に発揮できるとともに、段差(14)のプレス成形に伴う金属薄板(4)の部分的な薄肉化により耐食性低下が生じることも抑制できる。
【0008】
また、請求項5記載の発明のごとく、金属薄板(4)相互間および金属薄板(4)とインナーフィン(12)との間をろう付けにて一体に接合する積層型熱交換器では、段差(14)の高さ(h)をあまり高くすると、ろう付け時に溶融ろう材がインナーフィン(12)の端面(12a)部に集まって、インナーフィン(12)の通路を閉塞することが発生するが、段差(14)の高さ(h)をインナーフィン(12)の板厚の3倍以下とすることにより、このろう材によるインナーフィン(12)通路の閉塞も抑制できる。
【0009】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。図1〜図9は本発明熱交換器を自動車用空調装置の冷凍サイクルにおける冷媒蒸発器に適用した一実施形態を示しており、蒸発器1には、図示しない温度作動式膨張弁(減圧手段)で減圧され膨張した低温低圧の気液2相冷媒が流入するようになっている。
【0011】
この蒸発器1は、多数のチューブ(冷媒通路)2を並列に形成し、このチューブ2内を流れる冷媒(内部流体)とチューブ2の外部を流れる空調用送風空気(外部流体)とを熱交換させる熱交換部3を備えている。図3〜6の矢印Aはこの送風空気の流れ方向を示す。
この熱交換部3は図6に示す金属薄板4の積層構造により形成されており、この積層構造の概略を以下説明すると、熱交換部3では、金属薄板4を所定形状(冷媒通路部となる部分が凹状に凹んだ形状)に成形して、これを2枚1組として多数組積層した上で、ろう付けにより接合することにより多数のチューブ2を並列に形成するものである。ここで、金属薄板4の材料としては、熱伝導率、耐食性、ろう付け性等に優れ、軽量であるアルミニュウムを用いており、具体的にはアルミニュウム心材(例えばA3003のアルミニュウム合金材)の両面にろう材(例えばA4104のアルミニュウムろう材)をクラッドした両面クラッド材を用いている。ろう材のクラッド率は例えば板厚の15%程度であり、また金属薄板4の板厚は0.4〜0.6mm程度である。
【0012】
この多数のチューブ2内には、本例では、図5、6に示すように、金属薄板4の中央の突出壁4aにより仕切られた第1、第2の2つの通路2a、2bがチューブ長手方向に対して並列に形成してある。そして、隣接するチューブ2相互の通路2a、2bをチューブ2の両端部(図1、5、6の上下端部)でそれぞれ互いに連通させるため、金属薄板4の両端部にはタンク部4b、4c、4d、4eが一体形成されている。従って、タンク部4b、4c、4d、4eはチューブ2の冷媒通路2a、2bへの冷媒出入口部を構成することになる。
【0013】
これらのタンク部4b、4c、4d、4eはそれぞれ独立にチューブ2の外方側へ突出する円筒状突出部にて形成され、その突出部の頂部にそれぞれ連通穴4f、4g、4h、4iが開口している。
また、熱交換部3において、隣接するチューブ2の外面側相互の間隙にコルゲートフィン(フィン手段)5を接合して空気側の伝熱面積の増大を図っている。このコルゲートフィン5はA3003のような、ろう材をクラッドしてないアルミニュウムベア材にて波形状に成形されている。
【0014】
熱交換部3の金属薄板積層方向の一端部に位置する金属薄板40およびこれに接合されるエンドプレート41、さらに金属薄板積層方向の他端部に位置する金属薄板42およびこれに接合されるエンドプレート43(図1〜図4参照)も、上記金属薄板4と同様に両面クラッド材から成形されている。但し、これらの板材40〜43の板厚は強度確保のため、上記金属薄板4より厚肉、例えば1mm程度にしてある。
【0015】
そして、一端部のエンドプレート41には、図2(b)に示すように、金属薄板積層方向の外方側へ突出する上側および下側の張出部41a、41bが形成してある。この上側および下側の張出部41a、41bは、それぞれ補強のため上下方向に延びる複数の凹凸形状にて構成されている。この張出部41a、41bと、熱交換部3の金属薄板積層方向の一端部に位置する金属薄板40との間に形成される空間により、冷媒入口通路6および冷媒出口通路7(図5参照)を形成している。
【0016】
また、一端部のエンドプレート41の上下方向の中間部位には、外部冷媒回路との接続用配管ジョイント8を接合してある。この配管ジョイント8はA6000番系のアルミニュウムベア材にて成形されている。
この配管ジョイント8には冷媒入口パイプ8aと冷媒出口パイプ8bが一体成形されており、この両パイプ8a、8bの通路端部をエンドプレート41の穴部(図示せず)内に嵌入してろう付けする。これにより、冷媒入口パイプ8aは冷媒入口通路6と連通し、冷媒出口パイプ8bは冷媒出口通路7と連通している。この配管ジョイント8の冷媒入口パイプ8aには、図示しない膨張弁の出口側冷媒配管が連結され、また、冷媒出口パイプ8bには、蒸発器で蒸発したガス冷媒を圧縮機(図示せず)側へ吸入させる圧縮機吸入配管が連結される。
【0017】
一方、他端部のエンドプレート43には金属薄板積層方向の外方側へ突出する張出部43aが形成してある。この張出部43aも、補強のため上下方向に延びる複数の凹凸形状にて構成されている。この張出部43aと、熱交換部3の金属薄板積層方向の他端部に位置する金属薄板42との間に形成される空間により、タンク部4dとタンク部4eとを連通させる冷媒通路9(図5参照)、および図5の下方から上方へ冷媒を流す冷媒通路10を形成している。
【0018】
本例における熱交換部3では、タンク部4dの連通路の途中部位にこの連通路を遮断する仕切り板11(図5参照)を設けている。従って、熱交換部3における冷媒通路は、配管ジョイント8の冷媒入口パイプ8a→冷媒入口通路6→図5の範囲B内のタンク部4dに至り、ここからチューブ2の第1通路2a内を上昇する。
【0019】
そして、上部のタンク部4bにて冷媒通路は図5の右側から左側へ進み、図5の範囲C内のタンク部4bからチューブ2の第1通路2a内を下降し、範囲C内のタンク部4dに至り、他端部のエンドプレート43と金属薄板42との間に形成される冷媒通路9によりタンク部4e側に連通する。そして、このタンク部4e側から冷媒通路は、冷媒通路10およびチューブ2の第2通路2b内を上昇し、タンク部4cに至り、さらに、冷媒出口通路7を経て配管ジョイント8の冷媒出口パイプ8bに至る。
【0020】
上記冷媒通路構成において、チューブ2の第1通路2a部分には、リブ4jが設けてある。このリブ4jは金属薄板4に一体に打ち出し成形されたもので、冷媒流れに対して斜めに形成されており、冷媒の流れを乱して冷媒側の熱伝達率を向上させるものである。
ところで、チューブ2の第2通路2b部分には、インナーフィン12が配設してある。このインナーフィン12はA3003のアルミニュウムベア材からなり、チューブ2の長手方向に平行な波形状に成形されている。そして、インナーフィン12の波形状の底部、頂部は、金属薄板4、4の内壁面に当接して一体ろう付けされている。インナーフィン12の板厚は具体的には0.08〜0.1mm程度が適当であり、金属薄板4の板厚(0.4〜0.6mm)と比較すると、金属薄板4の板厚の1/5〜1/6である。
【0021】
本実施形態では、このインナーフィン12の長手方向(チューブ長手方向)に対する位置決めを行うために、以下の構造を採用している。すなわち、図7、8に示すように、タンク部4c、4eとチューブ2の第2通路2bとの接続部位に、インナーフィン12の端面12aに沿ってチューブ2の幅方向(図6の左右方向)に延びる段差14を形成している。
【0022】
より具体的に述べると、チューブ2の第2通路2b側のタンク部4c、4eのうち、第2通路2b側から立ち上がる円弧状部13の立ち上がり端部に、インナーフィン12の端面12aに沿って延びる段差14を形成している。この段差14はインナーフィン12の長手方向の位置決めを行うためのものであり、この段差14の高さhはインナーフィン12の板厚の1〜3倍の高さとすることが好ましく、具体的には0.1〜0.3mm程度である。
【0023】
段差14の高さhの下限値は、インナーフィン12の長手方向の位置決めを確実に行うために、インナーフィン12の板厚と同等以上に設定することが好ましい。また、段差14の高さhを高くすれば、それだけインナーフィン12の位置決め効果は向上するが、その反面、段差14をプレス成形にて形成する際、段差14による材料の肉移動が発生して、金属薄板4に部分的に薄肉部分が形成される。そして、この薄肉化の程度が段差14の高さhの増加により大きくなると、金属薄板4の耐食性の低下を引き起こすことがある。
【0024】
そこで、段差14の高さhの上限値をインナーフィン12の板厚の3倍以下として、上記薄肉化による金属薄板4の耐食性の低下を抑制することが好ましい。なお、段差14の高さhを高くすると、蒸発器1のろう付け時に、溶融ろう材が毛細管現象によりインナーフィン12の端面12a部に集まって、インナーフィン12の通路を閉塞する程度が拡大されるので、この通路閉塞を抑制するためにも、段差14の高さhをインナーフィン12の板厚の3倍以下に設定することが好ましい。
【0025】
上記した冷媒蒸発器1はろう付けにて組付けられるものであって、蒸発器1は図1〜図4に示す状態に積層して仮組付した後、その仮組付状態を適宜の治具にて保持して、ろう付け炉内に仮組付体を搬入する。次に、このろう付け炉内にて、仮組付体をアルミニュウム両面クラッド材のろう材の融点まで加熱して、蒸発器1各部の接合箇所を一体ろう付けする。
【0026】
次に、上記構成において冷媒蒸発器1の作用を説明すると、冷媒蒸発器1内部において、冷媒は前述した経路(図5の矢印参照)にて流れ、この経路を流れる間に矢印A方向に送風される空調空気から冷媒は吸熱して蒸発する。これにより、空調空気は冷却、除湿される。
本発明の要部はインナーフィン12の位置決め構造にあるから、この部分の作用について詳述すると、チューブ2の第2通路2b側のタンク部4c、4eのうち、第2通路2b側から立ち上がる円弧状部13の立ち上がり端部に、インナーフィン12の端面12aに沿って延びる段差14を形成しているから、インナーフィン12が波形状であっても、その波形状の頂部、底部が必ず段差14に当接するので、この段差14にてインナーフィン12の長手方向の位置決めを確実に行うことができる。
【0027】
また、従来構造のごとく、インナーフィン12の波形状の凹所内に円形状の突起が入り込むといった不具合が発生せず、従って、第2通路2b側の冷媒圧力損失を増大することなく、インナーフィン12の長手方向を位置決めできる。
また、タンク部4c、4eのうち、第2通路2b側から立ち上がる円弧状部13の立ち上がり端部に段差14を形成しているので、この段差14が補強リブの役割を果して、チューブ2の耐圧強度を向上できる。さらに、図9に示すように、上記段差14部分において、チューブ2内に流入する冷媒の流れに乱れ(矢印E参照)を発生させて、冷媒とチューブ2との間の伝熱促進を図ることができ、伝熱性能を向上できる。
【0028】
また、段差14の高さhをインナーフィン12の板厚以上の高さとすることにより、上記位置決め作用をより確実に発揮でき、さらに、段差14の高さhをインナーフィン12の板厚の3倍以下とすることにより、段差14のプレス成形に伴う金属薄板4の部分的な薄肉化による耐食性低下を抑制できる。また、ろう付け時に、インナーフィン12の通路がろう材により閉塞することも抑制できる。
(他の実施形態)
なお、本発明の要部はインナーフィン12の位置決め構造にあるから、熱交換部3におけるチューブ構成等は種々変更してもよいことは勿論であり、例えば、上記実施形態では、チューブ2の第1通路2a側には、斜めリブ4jを形成し、インナーフィン12を配設していないが、斜めリブ4jを廃止して、その代わりに第1通路2a側にもインナーフィン12を配設してもよい。
【0029】
また、インナーフィン12として、波形状のものに限らず、例えば、矩形状の凹凸形状としたり、矩形状の凹凸形状をずらしたオフセットフィン等を使用することもできる。
また、上記実施形態では、金属薄板4の両端部に、それぞれ2個ずつのタンク部4b、4cとタンク部4d、4eとを設けているが、金属薄板4の両端部に、それぞれ1個ずつのタンク部を設ける構成であってもよい。また、金属薄板4の一端部に冷媒の入口側のタンク部と冷媒の出口側のタンク部とを設けて、金属薄板4の他端部で冷媒流れをUターンさせる構成であってもよい。この金属薄板4の他端部で冷媒流れをUターンさせる形式のものでは、このUターン流路部分にインナーフィン12の他端側の位置決めを行う段差を金属薄板4に一体成形すればよい。このように、冷媒通路構成は種々変更できる。
【0030】
また、上記実施形態では、タンク部4c、4eと、チューブ2の第2通路2bとの接続部位に、インナーフィン12の端面12aに沿ってチューブ2の幅方向の全長にわたって段差14を形成しているが、チューブ2の幅方向の一部に段差14を形成しない部分を設けてもよく、このように変形しても、段差14にてインナーフィン12の長手方向の位置決めを確実に行うことができる。
【0031】
また、本発明は冷媒蒸発器に限定されることなく、種々な流体の熱交換を行う熱交換器一般に広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す蒸発器の正面図である。
【図2】(a)は図1の蒸発器の左側面図で、(b)は図1の蒸発器の右側面図である。
【図3】図1の蒸発器の上面図である。
【図4】図1の蒸発器の底面図である。
【図5】図1の蒸発器の冷媒通路構成を示す概略分解斜視図である。
【図6】図1の蒸発器に用いられるチューブを構成する金属薄板の斜視図である。
【図7】図6の金属薄板のD−D断面図である。
【図8】図1の蒸発器におけるインナーフィン端部の組付状態を示す斜視図である。
【図9】図1の蒸発器におけるインナーフィン端部における冷媒の流れ状態を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1…蒸発器、2…チューブ、3…熱交換部、4、40、42…金属薄板、
4b、4c、4d、4e…タンク部、12…インナーフィン、13…円弧状部、14…段差。
Claims (6)
- チューブ(2)内を流れる内部流体と前記チューブ(2)の外部を流れる外部流体とを熱交換させる熱交換部(3)を有し、
この熱交換部(3)のチューブ(2)を金属薄板(4)の積層構造により形成し、
前記チューブ(2)内に、前記内部流体と前記チューブ(2)との間の伝熱を促進するインナーフィン(12)を配設し、
前記金属薄板(4)の少なくとも一端部に、前記チューブ(2)の流体通路(2a、2b)への流体出入口部を構成するタンク部(4b、4c、4d、4e)を一体成形し、
このタンク部(4b、4c、4d、4e)と、前記チューブ(2)の流体通路(2b)との接続部位に、インナーフィン(12)の端面(12a)に沿って前記チューブ(2)の幅方向に延びる段差(14)を形成し、この段差(14)にて前記インナーフィン(12)の長手方向の位置決めを行うことを特徴とする積層型熱交換器。 - 前記段差(14)は、前記タンク部(4b、4c、4d、4e)のうち、前記チューブ(2)の流体通路(2b)側から立ち上がる円弧状部(13)の立ち上がり端部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の積層型熱交換器。
- 前記段差(14)の高さ(h)は、前記インナーフィン(12)の板厚の1〜3倍であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層型熱交換器。
- 前記インナーフィン(12)の板厚は前記金属薄板(4)の板厚の1/5以下であることを特徴とする請求項3に記載の積層型熱交換器。
- 前記金属薄板(4)はろう材をクラッドしたアルミニュウムクラッド材からなり、前記インナーフィン(12)はろう材をクラッドしてないアルミニュウムベア材からなり、
前記金属薄板(4)相互間および前記金属薄板(4)と前記インナーフィン(12)との間がろう付けにて一体に接合されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の積層型熱交換器。 - 請求項1ないし5のいずれか1つに記載の積層型熱交換器において、前記内部流体は冷凍サイクルの冷媒であり、この冷媒と外部流体とを熱交換させて、冷媒を蒸発させるようにしたことを特徴とする冷媒蒸発器。
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