JP3661275B2 - 積層型蒸発器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は冷媒通路としてのチューブを金属薄板の積層構造により形成する積層型蒸発器に関するもので、自動車用空調装置の冷凍サイクルの冷媒蒸発器として好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、先に、特願平7−273221号の特許出願において、冷媒と空気とを熱交換させる熱交換部のチューブを金属薄板の積層構造により形成する積層型蒸発器において、熱交換部の冷媒通路の形態の改良により蒸発器吹出空気温度の均一化を図るものを提案している。
【0003】
この先願のものでは、金属薄板の積層構造により形成されるチューブ内に風上側の冷媒通路と、風下側の冷媒通路を、金属薄板長手方向に並列に構成するとともに、金属薄板の両端部に、複数のチューブ相互の間を連通させて複数のチューブの冷媒通路に対する冷媒の分配、集合を行う冷媒入口側タンク部と冷媒出口側タンク部とを形成している。
【0004】
そして、この冷媒入口側タンク部と冷媒出口側タンク部にて冷媒流れをUターンさせるようにしている。さらに、金属薄板積層方向の一端部または両端部にエンドプレートを配置して、このエンドプレートと、金属薄板との間に、前記タンク部に連通する連通路を構成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記先願のものでは、金属薄板をプレス成形するための成形型の数を節約するために、チューブ内の風上側の冷媒通路と風下側の冷媒通路とを左右対称の同一形状にしていた。従って、風上側冷媒通路に通じる出口側タンク部と風下側冷媒通路に通じる入口側タンク部は同一の大きさになっていた。
【0006】
このような構成による先願の蒸発器においては、本発明者らの試作検討により冷媒の流れ形態について精査したところ、冷房負荷の小さい条件下では、以下の理由から冷却能力の低下が発生することが判明した。
すなわち、上記のごとく出口側タンク部と入口側タンク部とを同一の大きさにした場合は、乾き度の大きい(比体積の大きい)冷媒が流れる出口側タンク部を冷媒出口側の圧力損失低減のために必要な大きさに設定すると、乾き度の小さい(比体積の小さい)冷媒が流れる入口側タンク部は必要以上の大きさになってしまう。そのため、冷房負荷の小さい条件下において、蒸発器への流入冷媒流量が減圧手段(温度式膨張弁)により絞られると、入口側タンク部では冷媒流速が大幅に低下する。
【0007】
この冷媒流速の低下に伴って冷媒の液とガスとが分離してしまい、その結果、複数の風下側冷媒通路への冷媒分配が不均一となり、複数の風下側冷媒通路における熱交換効率が低下し、冷却能力の低下が発生する。
そこで、本発明者らは、冷媒入口側タンク部と冷媒出口側タンク部における冷媒流れのUターン数を増加させて、各Uターンごとの冷媒分配チューブ数を減少させ、これにより、冷媒流速を高めて冷媒の液とガスとの混合状態を維持することを検討したが、この対策では、冷媒の全流量が流れる流路長さの合計が長くなり、圧力損失の増大により蒸発器の平均蒸発圧力が上昇して、蒸発温度が上昇するので、冷却能力を低下させる。
【0008】
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、熱交換部のチューブを金属薄板の積層構造により形成するとともに、このチューブ内に風上側の冷媒通路と、風下側の冷媒通路を、金属薄板長手方向に並列に構成する積層型蒸発器において、低負荷条件における冷却能力の低下を解消することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1、2記載の発明では、低負荷時に冷媒入口側タンク部(43、44、53、64、73、74)での冷媒流速が低下するという現象に注目して、冷媒入口側タンク部(43、44、53、64、73、74)における冷媒のUターン数を冷媒出口側タンク部(47、48、57、58、67、68、78)における冷媒のUターン数より多くするという技術的手段を採用して、上記目的を達成しようとするものである。
【0010】
このように、入口タンク側での冷媒Uターン数を出口タンク側での冷媒Uターン数より多くすることにより、入口タンク側では冷媒流れのUターン数の増加により、各Uターンごとの冷媒分配チューブ数を減少させる。これにより、入口タンク側では、冷媒流量が絞られる冷房低負荷時においても、冷媒流速を高めて冷媒の液とガスとの混合状態を維持することができる。従って、入口タンク側の冷媒通路における冷媒の均一な蒸発を達成して、入口タンク側の冷媒通路における熱交換効率を向上し、冷却能力を向上できる。
【0011】
また、請求項1記載の発明では、冷媒入口側タンク部(43、44、53、64、73、74)の断面積を冷媒出口側タンク部(47、48、57、58、67、68、78)の断面積より大きくしたことを特徴としている。
この構成によれば、入口タンク側において、冷媒流れのUターン数の増加により、冷媒の全流量が流れる流路長さの合計が長くなっても、入口タンクの断面積拡大により入口タンク側における過度な圧力損失の上昇を防止する。
【0012】
一方、出口タンク側では、冷媒の乾き度が増加して冷媒の比体積が増加するので、冷媒流速が冷房低負荷時でも速く、冷媒の気液分離の問題が発生しにくい。そこで、出口タンク側では、冷媒流れのUターン数を減らして、各Uターンごとの冷媒分配チューブ数を増加させている。これにより、出口タンク側では、冷媒の全流量が流れる流路長さの合計が短くなるので、冷媒の比体積の増加による、圧力損失の増大を抑制できる。また、このことから、出口タンクの断面積を入口タンクよりも小さくしても、冷媒流路長さの短縮により圧力損失への影響は僅かとなる。
【0013】
以上の結果、蒸発器全体として、圧力損失の増加が少なくて、しかも各チューブへの冷媒分配の偏りが少なくなり、高性能な蒸発器が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。図1〜図7は本発明蒸発器を自動車用空調装置の冷凍サイクルにおける冷媒蒸発器に適用した場合を示している。
図1、図2は蒸発器1の全体構成を示しており、蒸発器1は図1(b)の上下方向を上下にして、図示しない自動車用空調装置の室内ユニットケース内に設置される。蒸発器1の左右方向の一端側(右端側)には配管ジョイント8が配設され、この配管ジョイント8の入口パイプ8aには、図示しない温度作動式膨張弁(減圧手段)で減圧され膨張した低温低圧の気液2相冷媒が流入するようになっている。
【0015】
この蒸発器1は、図1(b)に示すように多数のチューブ2を並列に形成し、このチューブ2内の冷媒通路を流れる冷媒とチューブ2の外部を流れる空調用送風空気とを熱交換させる熱交換部3を備えている。図中、矢印Aは送風空気の流れ方向を示す。
この熱交換部3は、図3〜図6に示す金属薄板4〜7の積層構造により形成されており、その具体的構造は基本的には、先願(特願平7−273221号)のものと同じでよいので、以下積層構造の概略を説明すると、熱交換部3では、金属薄板4〜7として、具体的にはアルミニュウム心材(A3000番系の材料)の両面にろう材(A4000番系の材料)をクラッドした両面クラッド材(板厚:0.6mm程度)を用い、この両面クラッド材を所定形状に成形して、これを2枚1組として多数組積層した上で、ろう付けにより接合することにより多数のチューブ2を並列に形成するものである。
【0016】
そして、金属薄板4〜7を2枚1組として最中合わせの状態に接合することにより形成されるチューブ2は、その内部に風上側の冷媒通路2aと風下側の冷媒通路2bとを、金属薄板長手方向に沿って平行に形成する。
図3に示す金属薄板4はチューブ2の大部分を構成する基本の薄板であり、その上下両端部には、上記冷媒通路2a、2b相互の間をそれぞれ連通させる連通穴41、42を持った入口タンク部43、44、および連通穴45、46を持った出口タンク部47、48が形成されている。このタンク部43、44、47、48は金属薄板4の外方側へ突出する楕円筒状の突出部にて形成されている。
【0017】
そして、入口タンク部43、44の断面積は、出口タンク部47、48の断面積より大きく設定してある。具体的設計例として、金属薄板4の幅(図3左右方向の幅)が58mmの場合、入口タンク部43、44の最小開口部の断面積は、172.4mm2 で、出口タンク部47、48の最小開口部の断面積は117.8mm2 である。従って、本例では、入口タンク部43、44の断面積は、出口タンク部47、48の断面積の約1.46倍の大きさにしてある。
【0018】
49は風上側の冷媒通路2aと風下側の冷媒通路2bとを仕切るセンターリブであり、本例では冷媒通路2aと冷媒通路2bとを同一幅寸法となるように仕切っている。
金属薄板5、6、7も金属薄板4と同様の構成になっており、金属薄板5の相違点は断面積の大きい入口タンク部53を一端側(上端側)に設けるのみで、他端側(下端側)では、入口タンク部の代わりに、入口タンク部の冷媒通路を遮断する仕切り部52を形成している。
【0019】
金属薄板6の相違点は断面積の大きい入口タンク部64を一端側(下端側)に設けるのみで、他端側(上端側)では、入口タンク部の代わりに、入口タンク部の冷媒通路を遮断する仕切り部61を形成している。
金属薄板7の相違点は断面積の小さい出口タンク部78を一端側(下端側)に設けるのみで、他端側(上端側)では、出口タンク部の代わりに、出口タンク部の冷媒通路を遮断する仕切り部75を形成している。金属薄板5、6、7の他の点は金属薄板4と同じであるので、各符号ごとの説明は省略する。
【0020】
また、熱交換部3において、隣接するチューブ2の外面側相互の間隙にコルゲートフィン(フィン手段)16を接合して空気側の伝熱面積の増大を図っている。このコルゲートフィン16はA3003のような、ろう材をクラッドしてないアルミニュウムベア材にて波形状に成形されている。
熱交換部3の金属薄板積層方向の一端部(右端部)に位置する金属薄板9およびこれに接合されるエンドプレート10、さらに金属薄板積層方向の他端部(左端部)に位置する金属薄板11およびこれに接合されるエンドプレート12も、上記金属薄板4〜7と同様に両面クラッド材から成形されている。但し、これらの板材9、10、11、12は強度確保のため、上記金属薄板4〜7より厚肉、例えば1mm程度にしてある。
【0021】
図2(a)は左端部のエンドプレート12を示すもので、エンドプレート12は、その長手方向に沿って並列に形成され、外方側へ突出する複数の張出部12aを有し、この張出部12aと金属薄板11との間に形成される空間により、上下両端のタンク部間の冷媒通路を連通させる連通路13(図7参照)が形成される。複数の張出部12aの間に形成される接合部12bは、金属薄板11に当接し、金属薄板11に接合される。
【0022】
左端部の金属薄板11の上下の端部には、連通穴(図示せず)を有するタンク部11aと連通穴(図示せず)を有するタンク部11bが形成されている。ここで、タンク部11a、11bは図1に示すように、金属薄板11の幅方向に沿って延びる細長の椀状部から形成されている。
張出部12aで構成される連通路13の下端部は金属薄板11の下端部のタンク部11bの連通穴を介して、図3の金属薄板4の下端部の入口タンク44の連通穴42と連通する。そして、連通路13の上端部は金属薄板11の上端部のタンク部11aの連通穴を介して、図3の金属薄板4の上端部の出口タンク47の連通穴45と連通する。
【0023】
右端部の金属薄板9は上記左端部の金属薄板11と略同一形状であるので、詳細な説明は省略する。また、右端部のエンドプレート10は、図2(b)に示すように、配管ジョイント8の設置部位にて上下に2分割された張出部10a、10bを有し、この張出部10a、10bの内側と右端部の金属薄板9との間に形成される空間により連通路14、15(図7参照)を形成している。下側の張出部10bは複数個並列に形成されており、この複数の張出部10bの間に形成される接合部10cは、金属薄板9に当接し、金属薄板9に接合される。
【0024】
上側の張出部10aは1つの椀状の突出部からなり、この上側の張出部10aで構成される連通路14は、金属薄板9の出口タンク9a(図1(a)(b)参照)の連通穴(図示せず)を介して金属薄板4の上側出口タンク47の連通穴45と連通するとともに、配管ジョイント8の冷媒出口パイプ8bに連通する。 下側の張出部10bで構成される連通路15の上端部は、配管ジョイント8の冷媒入口パイプ8aに連通し、連通路15の下端部は、金属薄板9の入口タンク9bの連通穴(図示せず)を介して金属薄板4の下側入口タンク44の連通穴42に連通する。
【0025】
なお、配管ジョイント8はA6000番系のアルミニュウムベア材にて冷媒入口パイプ8aと冷媒出口パイプ8bを一体成形してあり、この両パイプ8a、8bの通路端部をエンドプレート10の穴部(図示せず)内に嵌入してろう付けしている。この配管ジョイント8の冷媒入口パイプ8aには、図示しない膨張弁の出口側冷媒配管が連結され、また、冷媒出口パイプ8bには、蒸発器で蒸発したガス冷媒を圧縮機(図示せず)側へ吸入させる圧縮機吸入配管が連結される。
【0026】
図7は蒸発器1内における冷媒通路の構成を示す概要図であり、金属薄板4、5、6、7の下側入口タンク44、64、74を3分割する途中位置に2箇所仕切り部52を設けてある。すなわち、この2箇所の仕切り位置に、仕切り部52を有する金属薄板5を配設している。これにより、金属薄板4、5、6、7の下側入口タンク44、64、74が第1入口タンク部aと第2入口タンク部bと第3入口タンク部cとに仕切られている。
【0027】
また、金属薄板4、5、6、7の上側入口タンク43、53、73を2等分する途中位置に仕切り部61を設けてある。すなわち、この2等分の仕切り位置に、仕切り部61を有する金属薄板6を配設している。これにより、金属薄板4、5、6、7の上側入口タンク43、53、73が第1入口タンク部dと第2入口タンク部eとに仕切られている。
【0028】
また、金属薄板4、5、6、7の上側出口タンク47、57、67を2等分する途中位置に仕切り部75を設けてある。すなわち、この2等分の仕切り位置に、仕切り部75を有する金属薄板7を配設している。これにより、金属薄板4、5、6、7の上側出口タンク47、57、67が第1出口タンク部fと第2出口タンク部gとに仕切られている。
【0029】
以上により、蒸発器1内を冷媒が次の経路により流れる。すなわち、冷媒は、冷媒入口パイプ8a→連通路15→下側入口タンク44、64、74の第1入口タンク部a→チューブ2の冷媒通路2b→上側入口タンク43、53、73の第1入口タンク部d→チューブ2の冷媒通路2b→下側入口タンク44、64、74の第2入口タンク部b→チューブ2の冷媒通路2b→上側入口タンク43、53、73の第2入口タンク部e→チューブ2の冷媒通路2b→下側入口タンク44、64、74の第3入口タンク部c→→連通路13→上側出口タンク47、57、67の第1出口タンク部f→チューブ2の冷媒通路2a→下側出口タンク46、56、66、76→チューブ2の冷媒通路2a→上側出口タンク47、57、67の第2出口タンク部g→連通路14→冷媒出口パイプ8bの経路で流れる。
【0030】
ところで、上記のごとく風上側の上下の出口タンク47、57、67、48、58、68、78および風下側の上下の入口タンク43、53、73、44、64、74の双方において、冷媒流れをUターンさせているが、本実施形態においては、風上側の上下の出口タンク側には1つの仕切り部75のみを配置し、一方、風下側の上下の入口タンクには3つの仕切り部52、52、61を配置している。
【0031】
このため、入口タンク43、53、73、44、64、74における冷媒のUターン数が出口タンク47、57、67、48、58、68、78における冷媒のUターン数より多くなっている。具体的は、本例では、入口タンク側での冷媒Uターン数は3回であり、出口タンク側での冷媒Uターン数は1回である。
このように、入口タンク側での冷媒Uターン数を出口タンク側での冷媒Uターン数より多くすることにより、入口タンク側では冷媒流れのUターン数の増加により、各Uターンごとの冷媒分配チューブ数を減少させる。これにより、入口タンク側では、冷媒流量が絞られる冷房低負荷時においても、冷媒流速を高めて冷媒の液とガスとの混合状態を維持することができる。従って、入口タンク側の冷媒通路2bにおける冷媒の均一な蒸発を達成して、入口タンク側の冷媒通路2bにおける熱交換効率を向上できる。
【0032】
但し、入口タンク側では冷媒流れのUターン数の増加により、冷媒の全流量が流れる流路長さの合計が長くなるので、チューブ内圧力損失が過度に上昇する恐れがある。そこで、風下側の上下の入口タンク43、53、73、44、64、74の断面積を、風上側の上下の出口タンク47、57、67、48、58、68、78の断面積よりも大きくして(例えば、1.46倍の大きさにして)、上記の過度な圧力損失の上昇を防止する。
【0033】
一方、出口タンク側では、冷媒の乾き度が増加して冷媒の比体積が増加するので、冷媒流速が冷房低負荷時でも速く、冷媒の気液分離の問題が発生しにくい。そこで、出口タンク側では、冷媒流れのUターン数を減らして、各Uターンごとの冷媒分配チューブ数を増加させている。これにより、出口タンク側では、冷媒の全流量が流れる流路長さの合計が短くなるので、冷媒の比体積の増加による、圧力損失の増大を抑制できる。また、このことから、出口タンクの断面積を入口タンクよりも小さくしても、冷媒流路長さの短縮により圧力損失への影響は僅かとなる。
【0034】
以上の結果、蒸発器1全体として、圧力損失の増加が少なくて、しかも各チューブへの冷媒分配の偏りが少なくなり、高性能な蒸発器1が得られる。
次に、本実施形態の冷媒蒸発器の製造方法を簡単に説明すると、蒸発器1は図1、2に示す状態に積層して仮組付した後、その仮組付状態を適宜の治具にて保持して、ろう付け炉内に仮組付体を搬入する。次に、このろう付け炉内にて、仮組付体をアルミニュウム両面クラッド材のろう材の融点まで加熱して、蒸発器1各部の接合箇所を一体ろう付けする。
(他の実施形態)
なお、本発明の要部は入口タンク部と出口タンク部における冷媒流れのUターン数の設定にあるから、熱交換部3における冷媒通路構成は図7に示す例に限定されることなく、種々変更してもよいことは勿論である。
【0035】
例えば、上記実施形態では、冷媒の入口、出口パイプ8a、8bを有する配管ジョイント8を蒸発器右側端部の上下中間部位に設置しているため、連通路14、15を必要としているが、金属薄板9のタンク部9a、9bの部位に、冷媒の入口、出口パイプ8a、8bを直接、設置することも可能であり、この場合は連通路14、15を形成するエンドプレート10が不要になる。
【0036】
また、図3〜図6の金属薄板4〜7では、センターリブ49、59、69、79をそれぞれ金属薄板幅方向の中央に設定して、冷媒通路2a、2bの幅を同一に設定することにより、この冷媒通路2a、2b内に上記センターリブに対して左右対称となるインナーフィン(図示せず)を配設可能としているが、上記センターリブを金属薄板幅方向の中央から左右にずれた位置に設定してもよい。
【0037】
また、冷媒通路2a、2b内にインナーフィンを設ける代わりに、金属薄板4〜7に適宜の形状からなるリブ、あるいはディンプルを冷媒流れ方向に沿って形成し、冷媒側の伝熱効率を高めるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施形態を示す蒸発器の上面図、(b)は同蒸発器の正面図、(c)は同蒸発器の下面図である。
【図2】(a)は図1の蒸発器の左側面図、(b)は同蒸発器の右側面図である。
【図3】図1の蒸発器に用いられるチューブ用の金属薄板の正面図である。
【図4】図1の蒸発器に用いられるチューブ用の別の金属薄板の正面図である。
【図5】図1の蒸発器に用いられるチューブ用のさらに別の金属薄板の正面図である。
【図6】図1の蒸発器に用いられるチューブ用のさらに別の金属薄板の正面図である。
【図7】本発明の一実施形態における蒸発器の冷媒通路構成を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1…蒸発器、2…チューブ、2a…風上側の冷媒通路、
2b…風下側の冷媒通路、3…熱交換部、
4、5、6、7、9、11…金属薄板、
43、44、53、64、73、74…冷媒入口側タンク部、
47、48、57、58、67、68、78…冷媒出口側タンク部、
52、61、75…仕切り部。
Claims (2)
- チューブ(2)内を流れる冷媒と前記チューブ(2)の外部を流れる空気とを熱交換させて、冷媒を蒸発させる熱交換部(3)を有し、
この熱交換部(3)のチューブ(2)を金属薄板(4、5、6、7)の積層構造により多数個並列形成し、
前記チューブ(2)内には、前記金属薄板(4、5、6、7)の長手方向と平行に風上側の冷媒通路(2a)と風下側の冷媒通路(2b)とを並列に形成し、
前記金属薄板(4、5、6、7)の長手方向の両端部に、前記チューブ(2)相互の冷媒通路(2a、2b)を連通させる冷媒入口側タンク部(43、44、53、64、73、74)と、冷媒出口側タンク部(47、48、57、58、67、68、78)とをそれぞれ形成し、
前記冷媒入口側タンク部(43、44、53、64、73、74)は、前記両冷媒通路(2a)、(2b)のいずれか一方に連通し、前記冷媒出口側タンク部(47、48、57、58、67、68、78)は、前記両冷媒通路(2a)、(2b)の他方に連通しており、
かつ、前記冷媒入口側タンク部(43、44、53、64、73、74)および前記冷媒出口側タンク部(47、48、57、58、67、68、78)においてそれぞれ冷媒がUターンして流れるようになっており、
前記冷媒入口側タンク部(43、44、53、64、73、74)における冷媒のUターン数を前記冷媒出口側タンク部(47、48、57、58、67、68、78)における冷媒のUターン数より多くし、
前記冷媒入口側タンク部(43、44、53、64、73、74)の断面積を前記冷媒出口側タンク部(47、48、57、58、67、68、78)の断面積より大きくしたたことを特徴とする積層型蒸発器。 - 前記冷媒入口側タンク部(43、44、53、64、73、74)は、前記金属薄板(4、5、6、7)の風下側に配置されて前記風下側の冷媒通路(2b)に連通し、
前記冷媒出口側タンク部(47、48、57、58、67、68、78)は、前記金属薄板(4、5、6、7)の風上側に配置されて前記風上側の冷媒通路(2a)に連通していることを特徴とする請求項1に記載の積層型蒸発器。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP13545796A JP3661275B2 (ja) | 1996-05-29 | 1996-05-29 | 積層型蒸発器 |
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