JP2010107147A - 熱交換器およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産効率を向上しうる熱交換器およびその製造方法を提供する。
【解決手段】エバポレータ1は、1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に設けられた熱交換コア4とを備えている。熱交換コア4は複数の扁平状熱交換管5と、隣り合う熱交換管5どうしの間に配置されたアウターフィン6とを有する。熱交換管5を、前側縁部において第1連結部18により互いに連結された2枚の管形成用金属板17どうしを積層状に接合することにより形成する。アウターフィン6を、2つのフィン構成部材27を積層状に接合することにより形成する。両フィン構成部材27どうしを前側縁部において第2連結部28により互いに連結する。熱交換管5の管形成用金属板17の後側縁部と、アウターフィン5のフィン構成部材27の後側縁部とを第3連結部29により連結する。第1連結部18、第2連結部28および第3連結部29は前側および後側に交互に位置している。
【選択図】図3

Description

この発明は熱交換器およびその製造方法に関する。
この明細書および特許請求の範囲において、隣接する熱交換管どうしの間の通風間隙を流れる空気の下流側(図2に矢印Xで示す方向)を前、これと反対側を後というものとする。
近年、小型軽量化および高性能化を図りうるカーエアコン用エバポレータに用いられる熱交換器として、本出願人は、先に、互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に設けられた熱交換コアとを備えており、熱交換コアが、幅方向を前後方向に向けるとともにヘッダタンクの長さ方向に間隔をおいて配置され、かつ両端が両ヘッダタンクに接続された複数の扁平状熱交換管と、隣り合う熱交換管どうしの間に配置されたアウターフィンとを有している熱交換器を提案した(特許文献1参照)。
特許文献1記載の熱交換器は、熱交換管およびアウターフィンを別々に形成した後、熱交換管とアウターフィンとを交互に積層状に配置し、他の部品の一括ろう付時に熱交換管とアウターフィンとをろう付して熱交換コアをつくることにより製造されている。近年では、生産技術力の向上により、特許文献1記載の熱交換器を製造する際の熱交換管とアウターフィンとを交互に積層状に配置する作業の自動化が図られて生産効率が上げられているものの、生産効率の向上も限界に近づきつつある。
特開2008−20098号公報
この発明の目的は、上記問題を解決し、特許文献1記載の熱交換器に比べて生産効率を向上しうる熱交換器およびその製造方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
1)互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に設けられた熱交換コアとを備えており、熱交換コアが、幅方向を前後方向に向けるとともにヘッダタンクの長さ方向に間隔をおいて配置され、かつ両端が両ヘッダタンクに接続された複数の扁平状熱交換管と、隣り合う熱交換管どうしの間に配置されたアウターフィンとを有する熱交換器であって、
熱交換管が、前側縁部または後側縁部において第1連結部により互いに連結された2枚の管形成用金属板どうしを積層状に接合することにより形成され、熱交換管を形成する両管形成用金属板のうちの少なくともいずれか一方が外方に膨出させられることによって、熱交換管に、上下方向にのびるとともに上下両端が開口した少なくとも1つの流体流通部が設けられ、アウターフィンが、複数のフィン構成部材を積層状に接合することにより形成され、複数のフィン構成部材の隣り合うものどうしが前側縁部または後側縁部において第2連結部により互いに連結され、熱交換管の管形成用金属板における第1連結部により連結された側と反対側の側縁部と、アウターフィンの重ね合わせ方向の端部のフィン構成部材における第2連結部により連結された側と反対側の側縁部とが第3連結部により連結され、管形成用金属板どうしを連結する第1連結部、隣り合うフィン構成部材どうしを連結する第2連結部、および管形成用金属板とフィン構成部材とを連結する第3連結部が、前側および後側に交互に位置している熱交換器。
2)管形成用金属板の厚みが0.2mm以下である上記1)記載の熱交換器。
3)1つのアウターフィンが、偶数のフィン構成部材からなる上記1)または2)記載の熱交換器。
4)1つのアウターフィンを構成するフィン構成部材の数が2または4である上記3)記載の熱交換器。
5)フィン構成部材の厚みが0.2mm以下である上記1)〜4)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
6)各ヘッダタンクに、ヘッダタンクの長さ方向にのびる少なくとも1つのヘッダ部が設けられるとともに、当該ヘッダ部に管挿通穴が形成され、熱交換管の両端部における流体流通部と対応する部分に、管挿通穴を通してヘッダタンクのヘッダ部内に挿入される挿入部が設けられている上記1)〜5)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
7)ヘッダタンクに、前後方向に並んだ複数のヘッダ部が設けられるとともに、熱交換管に、前後方向に間隔をおいて並んだヘッダ部と同数の流体流通部が設けられている上記6)記載のエバポレータ。
8)互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に設けられた熱交換コアとを備えており、熱交換コアが、幅方向を前後方向に向けるとともにヘッダタンクの長さ方向に間隔をおいて配置され、かつ両端が両ヘッダタンクに接続された複数の扁平状熱交換管と、隣り合う熱交換管どうしの間に配置されたアウターフィンとを有する熱交換器を製造する方法であって、
第1連結部により側縁部どうしが互いに連結され、かつ少なくともいずれか一方が外方に膨出させられた2枚の管形成用金属板からなる板状の管素材と、第2連結部により側縁部どうしが互いに形成された複数のフィン構成部材からなる板状のフィン素材とが、交互に並べられるとともに、管素材の管形成用金属板における第1連結部により連結された側と反対側の側縁部と、フィン素材の端部のフィン構成部材における第2連結部により連結された側と反対側の側縁部とが第3連結部により連結されている板状の熱交換コア形成部材を用意すること、
熱交換コア形成部材を、第1〜第3連結部において、隣り合う連結部の折り曲げ方向が互いに逆向きとなるように折り曲げ、これにより2枚の管形成用金属板からなる管用組み合わせ体と複数のフィン構成部材からなるフィン用組み合わせ体とを交互に並べること、
ならびに管用組み合わせ体の隣り合う管形成用金属板どうしをろう付して熱交換管をつくるとともに、フィン用組み合わせ体の隣り合うフィン構成部材どうしをろう付してアウターフィンをつくり、さらにアウターフィンの端部のフィン構成部材を熱交換管の管形成用金属板にろう付して熱交換コアをつくることを含む熱交換器の製造方法。
9)フィン素材を構成するフィン構成部材の数を偶数にする上記8)記載の熱交換器の製造方法。
10)熱交換コア形成部材を、金属板にプレス加工を施すことにより形成する上記8)または9)記載の熱交換器の製造方法。
11)熱交換コア形成部材をつくる金属板の厚みを0.2mm以下とする上記10)記載の熱交換器の製造方法。
上記1)の熱交換器によれば、上記8)の方法によって熱交換器を製造する際に、熱交換管およびアウターフィンをつくるのと同時に熱交換コアをつくることができるので、特許文献1記載の熱交換器を製造する際のように、熱交換管とフィンとを別々につくる作業、および別々につくられた熱交換管とフィンとを交互に配置する作業が不要になり、生産効率が向上する。
上記2)の熱交換器によれば熱交換管の軽量化、ひいては熱交換器全体の軽量化を図ることができる。
上記3)および4)の熱交換器によれば、上記8)の方法によって熱交換器を製造する際に、全第1連結部材の折り曲げ方向を同一にするとともに、全第2連結部材の折り曲げ方向を同一にし、さらに全第3連結部材の折り曲げ方向を同一にすることができるので、熱交換器形成部材を折り曲げる作業や、隣り合う管形成用金属板どうしの間へのインナーフィンの配置作業が容易になる。
上記5)の熱交換器によれば、アウターフィンの軽量化、ひいては熱交換器全体の軽量化を図ることができる。
上記8)の熱交換器の製造方法によれば、熱交換器を製造する際に、熱交換管およびアウターフィンをつくるのと同時に熱交換コアをつくることができるので、特許文献1記載の熱交換器を製造する際のように、熱交換管とフィンとを別々につくる作業、および別々につくられた熱交換管とフィンとを交互に配置する作業が不要になり、生産効率が向上する。
上記9)の熱交換器の製造方法によれば、上記8)の方法によって熱交換器を製造する際に、全第1連結部材の折り曲げ方向、全第2連結部材の折り曲げ方向、および全第3連結部材の折り曲げ方向をそれぞれ同一にすることができ、熱交換器形成部材を折り曲げる作業や、隣り合う管形成用金属板どうしの間へのインナーフィンの配置作業が容易になる。
上記10)の熱交換器の製造方法によれば、熱交換器形成部材を比較的簡単につくることができる。
上記11)の熱交換器の製造方法によれば、製造される熱交換器における熱交換管の軽量化、ひいては熱交換器全体の軽量化を図ることができる。
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。この実施形態は、この発明による熱交換器を、カーエアコンのエバポレータに適用したものである。
なお、以下の説明において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。また、以下の説明において、図1、の上下、左右を上下、左右というものとする。
図1はエバポレータの全体構成を示し、図2〜図3はエバポレータの要部の構成を示す。また、図4〜図7はエバポレータの製造方法を示す。
図1および図2に示すように、エバポレータ(1)(熱交換器)は、上下方向に間隔をおいて配置されかつ左右方向にのびるアルミニウム製第1ヘッダタンク(2)およびアルミニウム製第2ヘッダタンク(3)と、両ヘッダタンク(2)(3)間に設けられた熱交換コア(4)とを備えている。熱交換コア(4)は、幅方向を前後方向に向けるとともに左右方向(ヘッダタンク(2)(3)の長さ方向)に間隔をおいて配置され、かつ上下両端部が両ヘッダタンク(2)(3)に接続された複数のアルミニウム製扁平状熱交換管(5)と、隣接する熱交換管(5)どうしの間の通風間隙、および左右両端の熱交換管(5)の外側にそれぞれ配置されて熱交換管(5)にろう付されたアルミニウム製コルゲート状アウターフィン(6)とを有している。熱交換コア(4)の左右両端のアウターフィン(6)の外側には、それぞれアルミニウム製サイドプレート(7)が配置されてアウターフィン(6)にろう付されている。
第1ヘッダタンク(2)は、前側(通風方向下流側)に位置しかつ左右方向にのびる冷媒入口ヘッダ部(8)と、後側(通風方向上流側)に位置するとともに左右方向にのび、かつ冷媒入口ヘッダ部(8)に連結一体化された冷媒出口ヘッダ部(9)とを備えている。第1ヘッダタンク(2)の冷媒入口ヘッダ部(8)内と冷媒出口ヘッダ部(9)内とは仕切部材(11)により仕切られている。また、第1ヘッダタンク(2)の両ヘッダ部(8)(9)の左右両端は閉鎖されている。第1ヘッダタンク(2)の冷媒入口ヘッダ部(8)の左右いずれか一端部にアルミニウム製冷媒入口管(図示略)が接続され、同じく冷媒出口ヘッダ部(9)における冷媒入口ヘッダ部(8)の入口管が接続された側と同一端部にアルミニウム製冷媒出口管(図示略)が接続されている。第2ヘッダタンク(3)は、前側に位置しかつ左右方向にのびる第1中間ヘッダ部(12)と、後側に位置するとともに左右方向にのび、かつ第1中間ヘッダ部(12)と連結一体化された第2中間ヘッダ部(13)とを備えている。第2ヘッダタンク(3)の第1中間ヘッダ部(12)内と第2中間ヘッダ部(13)内とは連通穴(14)を介して相互に通じさせられている。また、第2ヘッダタンク(3)の両ヘッダ部(12)(13)の左右両端は閉鎖されている。第1ヘッダタンク(2)および第2ヘッダタンク(3)の周壁の外形の横断面形状は同一であり、互いに上下逆向きに配置されている。
第1ヘッダタンク(2)の冷媒入口ヘッダ部(8)および冷媒出口ヘッダ部(9)の下側部分に、それぞれ熱交換管(5)の上端部を挿入する前後方向に長い複数の管挿通穴(15)が形成されている。冷媒入口ヘッダ部(8)の管挿通穴(15)と冷媒出口ヘッダ部(9)の管挿通穴(15)とは左右方向に関して同一位置にある。第2ヘッダタンク(3)の第1中間ヘッダ部(8)および第2中間ヘッダ部(9)の上側部分に、それぞれ熱交換管(5)の下端部を挿入する前後方向に長い複数の管挿通穴(16)が形成されている。第1中間ヘッダ部(12)の管挿通穴(16)と第2中間ヘッダ部(13)の管挿通穴(16)とは左右方向に関して同一位置にある。
図2および図3に示すように、熱交換管(5)は、プレス加工が施されたアルミニウムブレージングシート製の2枚の長方形状管形成用金属板(17)が積層されるとともに前側縁部において第1連結部(18)により全長にわたって一体に連結され、さらに両管形成用金属板(17)の前側縁部の帯状部(17a)どうし、後側縁部の帯状部(17b)どうしおよび前後方向中央部の帯状部(17c)どうしが全長にわたってろう付されることにより形成されたものである。すなわち、熱交換管(5)は、第1連結部(18)により一体に連結された2枚の管形成用金属板(17)からなる素板を第1連結部(18)において折り曲げ、帯状部(17a)(17b)(17c)どうしをろう付することにより形成されている。熱交換管(5)には、上下方向にのびるとともに上下両端が開口した流体流通部(19)が、前後方向に間隔をおいて2つ、すなわち第1ヘッダタンク(2)および第2ヘッダタンク(3)のヘッダ部(8)(9)(12)(13)の数と同数だけ設けられている。熱交換管(5)を形成する両管形成用金属板(17)の板厚は0.2mm以下であることが好ましい。
熱交換管(5)の流体流通部(19)は、両管形成用金属板(17)の前側縁部の帯状部(17a)と前後方向中央部の帯状部(17c)との間の部分、および両管形成用金属板(17)の後側縁部の帯状部(17b)と前後方向中央部の帯状部(17c)との間の部分において、それぞれ両管形成用金属板(17)に全長にわたる外方膨出部(21)が形成されることにより設けられている。熱交換管(5)の流体流通部(19)の左右方向の高さ、すなわち熱交換管(5)の管高さは、1.5mm以下であることが好ましい。この場合、空気の通過面積を大きくすることができるので、通気抵抗の上昇を抑制することができる。また、熱交換管(5)の両流体流通部(19)内に跨るように、アルミニウム製コルゲート状インナーフィン(22)が配置されており、両管形成用金属板(17)にろう付されている。インナーフィン(22)の肉厚は0.1mm以下であることが好ましい。
熱交換管(5)における両管形成用金属板(17)の前後両側縁部の帯状部(17a)(17b)の上下両端部は、前後方向外側縁から上下両端面にかけて切除されている。当該切除部を(23)で示す。また、熱交換管(5)における両管形成用金属板(17)の前後方向中央部の帯状部(17c)の上下両端部は、他の部分よりも前後方向の幅が広くなっており、当該幅広部に上下方向外端部から切り欠き(24)が形成されている。なお、熱交換管(5)における前後方向中央部の帯状部(17c)に幅広部が設けられることにより、流体流通部(19)の上下両端部は、他の部分よりも前後方向の幅が狭くなっている。そして、熱交換管(5)の両管形成用金属板(17)における前後両側縁部の帯状部(17a)(17b)の切除部(23)と、前後方向中央部の帯状部(17c)の切り欠き(24)との間の部分は、流体流通部(19)と対応しているとともに、他の部分よりも上下方向外方に突出しており、この部分に、第1ヘッダタンク(2)および第2ヘッダタンク(3)の管挿通穴(15)(16)内に挿入される挿入部(25)が設けられている。熱交換管(5)の挿入部(25)が第1ヘッダタンク(2)および第2ヘッダタンク(3)の管挿通穴(15)(16)内に挿入された際に、熱交換管(5)の両管形成用金属板(17)の前後方向中央部の帯状部(17c)における切り欠き(24)の底辺部分が第1ヘッダタンク(2)および第2ヘッダタンク(3)の外面に当接し、当該底辺部分が熱交換管(5)の端部の位置決めを行う位置決め部(26)となっている。なお、熱交換管(5)の挿入部(25)が第1ヘッダタンク(2)および第2ヘッダタンク(3)の管挿通穴(15)(16)内に挿入された際に、熱交換管(5)の前後両側縁部の帯状部(17a)(17b)における切除部(23)に臨むとともに上下方向外方を向いた辺部は、第1ヘッダタンク(2)および第2ヘッダタンク(3)の外面に当接していてもよいし、あるいは当接していなくてもよい。
アウターフィン(6)は、プレス加工が施されたアルミニウムブレージングシートからなる複数、ここでは2つの長方形状フィン構成部材(27)が積層されるとともに相互にろう付されることにより形成されたものであり、熱交換管(5)の前後両流体流通部(19)に共有されるとともに、その前後方向の幅は熱交換管(5)の幅とほぼ等しくなっている。各アウターフィン(6)の両フィン構成部材(27)は、それぞれ波頂部(27a)および波底部(27b)を有するとともに、波頂部(27a)どうしおよび波底部(27b)どうしが上下方向に位置ずれしているオフセットフィンからなる(図6参照)。両フィン構成部材(27)は熱交換管(5)の管形成用金属板(17)にろう付されるとともに、両フィン構成部材(27)の波頂部(27a)と波底部(27b)とが相互にろう付されている。アウターフィン(6)のフィン高さは1.6〜8mmであることが好ましい。この場合、アウターフィン(6)の成形性を確保するとともに、性能を向上することができる。
アウターフィン(6)の両フィン構成部材(27)の前側縁部の上下両端部どうしは、平坦な第2連結部(28)により互いに一体に連結され、両フィン構成部材(27)の後側縁部の上下両端部は平坦な第3連結部(29)により管形成用金属板(17)の後側縁部の上下両端部に一体に連結されている。そして、上下の第2連結部(28)間および上下の第3連結部(29)間は、それぞれ通風間隙となっている。なお、左右両端に配置されたアウターフィン(6)の左右方向外側のフィン構成部材(27)は管形成用金属板(17)には連結されていない。ここで、管形成用金属板(17)どうしを連結する第1連結部(18)、隣り合うフィン構成部材(27)どうしを連結する第2連結部(28)、および両フィン構成部材(27)と管形成用金属板(17)とを連結する第3連結部(29)は、前側および後側に交互に位置している。
次に、エバポレータ(1)の製造方法について説明する。なお、エバポレータの製造方法に関する説明において、図4および図5の上下、左右を上下、左右というものとする。
まず、図4〜図6に示すように、3つの帯状部(17a)(17b)(17c)、2つの外方膨出部(21)、切除部(23)および切り欠き(24)を有する2枚の管形成用金属板(17)からなりかつ両管形成用金属板(17)の左右方向内側の帯状部(17a)(17b)どうしが全長にわたって第1連結部(18)で一体に連結されている板状の管素材(32)と、2つのフィン構成部材(27)からなりかつ両フィン構成部材(27)の左右方向内側の側縁部どうしが平坦な第2連結部(28)で一体に連結されているフィン素材(33)とが交互に並べられるとともに、フィン素材(33)の両フィン構成部材(27)の左右方向外側の側縁部と、管素材(32)の管形成用金属板(17)の左右方向外側の側縁部とが第3連結部(29)により一体に連結されている熱交換コア形成部材(31)を用意する。なお、熱交換コア形成部材(31)の両端にはフィン素材(33)が配置されている。熱交換コア形成部材(31)は、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートにプレス加工を施すことにより形成される。アルミニウムブレージングシートの厚みは0.2mm以下であることが好ましい。
ついで、図7に示すように、熱交換コア形成部材(31)を、第1〜第3連結部(18)(28)(29)において、隣り合う連結部(18)(28)(29)の折り曲げ方向が互いに逆向きとなるように、アコーディオンドア状に折り曲げていき、これにより2枚の管形成用金属板(17)からなる管用組み合わせ体と2つのフィン構成部材(27)からなるフィン用組み合わせ体とを交互に並べて熱交換コア用組み合わせ体を得る。この折り曲げ時に、各管素材(32)の管形成用金属板(17)どうしの間にはインナーフィン(22)を配置する。
ついで、第1および第2ヘッダタンク(2)(3)の管挿通穴(15)(16)内に、管形成用金属板(17)からなる管用組み合わせ体の両端の挿入部(25)を挿入するとともに、両端のフィン構成部材(27)からなるフィン用組み合わせ体の外側にサイドプレート(7)を配置する。
その後、隣り合う管形成用金属板(17)どうしをろう付して熱交換管(5)をつくるとともに、熱交換管(5)を第1および第2ヘッダタンク(2)(3)にろう付する。これと同時に、隣り合うフィン構成部材(27)どうしをろう付してアウターフィン(6)をつくるとともに、隣り合う熱交換管(5)どうしの間のアウターフィン(6)の両端のフィン構成部材(27)と管形成用金属板(17)とをろう付し、さらに両端のアウターフィン(6)の外側のフィン構成部材(27)にサイドプレート(7)をろう付する。こうして、エバポレータ(1)が製造される。
エバポレータ(1)は、コンプレッサおよび冷媒冷却器としてのコンデンサとともに、フロン系冷媒を使用する冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして車両、たとえば自動車に搭載される。
上述したエバポレータ(1)においては、コンプレッサのオン時には、コンプレッサ、コンデンサおよび膨張弁を通過した気液混相の2相冷媒が、冷媒入口管から第1ヘッダタンク(2)の冷媒入口ヘッダ部(8)内に入り、分流して熱交換管(5)の前側流体流通部(19)内に流入する。熱交換管(5)の前側流体流通部(19)内に流入した冷媒は、流体流通部(19)内を下方に流れて第2ヘッダタンク(3)の第1中間ヘッダ部(12)内に入る。第1中間ヘッダ部(12)内に入った冷媒は、連通穴(14)を通って第2中間ヘッダ部(13)内に入る。
第2中間ヘッダ部(13)内に入った冷媒は、分流して熱交換管(5)の後側流体流通部(19)内に流入し、上方に流れて冷媒出口ヘッダ部(9)内に入り、冷媒出口管を通って流出する。
そして、冷媒が熱交換管(5)の前後両流体流通部(19)内を流れる間に、隣り合う熱交換管(5)どうしの間の通風間隙を通過する空気と熱交換をし、冷媒は気相となって流出する。
図8〜図10はエバポレータ(1)のアウターフィン(6)に用いられるフィン構成部材の変形例を示す。
図8〜図10に示すように、フィン構成部材(40)は、基板(41)に、左右方向外側(図9の紙面裏側)に突出した複数の突起(42)が千鳥配置状に形成されたものである。各アウターフィン(6)を構成する一方のフィン構成部材(40)の突起(42)と、他方のフィン構成部材(40)の突起(42)とはずれた位置にある。そして、熱交換コア形成部材(31)をアコーディオンドア状に折り曲げた際に、各フィン素材(33)の隣り合うフィン構成部材(40)の基板(41)どうしが面接触するとともに、各フィン素材(33)のフィン構成部材(40)の突起(42)が管素材(32)の管形成用金属板(17)に当接するようになっている。
その他の構成は上記実施形態のエバポレータ(1)のフィン構成部材(27)と同様である。
上記実施形態において、エバポレータの熱交換コア(4)は、1つの熱交換コア形成部材(31)からなるものであってもよいし、あるいは複数の熱交換コア形成部材(31)からなるものであってもよい。
また、上記実施形態において、1つのアウターフィン(6)は2つのフィン構成部材(27)(40)からなるが、これに限定されるものではなく、フィン構成部材(27)(40)の数は複数であれば適宜変更可能である。しかしながら、熱交換コア形成部材(31)をアコーディオンドア状に折り曲げる場合に、隣り合う管形成用金属板(17)どうしの間にインナーフィンを配置する際の作業性を考慮すると、1つのアウターフィン(6)を構成するフィン構成部材(27)(40)の数は偶数であることが好ましい。
さらに、上記実施形態においては、この発明による熱交換器がエバポレータに適用されているが、これに限定されるものではなく、コンデンサ、ヒータコアなどの他の機能を有する熱交換器にも適用可能である。
この発明による熱交換器を適用したエバポレータの実施形態の全体構成を示す背面図である。 一部を省略した図1のA−A線拡大断面図である。 図2のB−B線拡大断面図である。 図1のエバポレータの熱交換コアをつくる熱交換コア形成部材を示す正面図である。 図4の部分拡大図である。 図5のC−C線拡大断面図である。 図1のエバポレータを製造するにあたって熱交換コア形成部材を折り曲げる状態を示す平面図である。 図1のエバポレータのアウターフィンを形成するフィン構成部材の変形例を示す図3相当の図である。 図1のエバポレータのアウターフィンを形成するフィン構成部材の変形例を示す図5相当の図である。 図9のD−D線拡大断面図である。
符号の説明
(1):エバポレータ(熱交換器)
(2)(3):ヘッダタンク
(4):熱交換コア
(5):熱交換管
(6):アウターフィン
(8):冷媒入口ヘッダ部
(9):冷媒出口ヘッダ部
(12)(13):中間ヘッダ部
(15)(16):管挿通穴
(17):管形成用金属板
(18):第1連結部
(19):流体流通部
(21):外方膨出部
(25):挿入部
(27)(40):フィン構成部材
(28):第2連結部
(29):第3連結部
(31):熱交換コア形成部材
(32):管素材
(33):フィン素材

Claims (11)

  1. 互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に設けられた熱交換コアとを備えており、熱交換コアが、幅方向を前後方向に向けるとともにヘッダタンクの長さ方向に間隔をおいて配置され、かつ両端が両ヘッダタンクに接続された複数の扁平状熱交換管と、隣り合う熱交換管どうしの間に配置されたアウターフィンとを有する熱交換器であって、
    熱交換管が、前側縁部または後側縁部において第1連結部により互いに連結された2枚の管形成用金属板どうしを積層状に接合することにより形成され、熱交換管を形成する両管形成用金属板のうちの少なくともいずれか一方が外方に膨出させられることによって、熱交換管に、上下方向にのびるとともに上下両端が開口した少なくとも1つの流体流通部が設けられ、アウターフィンが、複数のフィン構成部材を積層状に接合することにより形成され、複数のフィン構成部材の隣り合うものどうしが前側縁部または後側縁部において第2連結部により互いに連結され、熱交換管の管形成用金属板における第1連結部により連結された側と反対側の側縁部と、アウターフィンの重ね合わせ方向の端部のフィン構成部材における第2連結部により連結された側と反対側の側縁部とが第3連結部により連結され、管形成用金属板どうしを連結する第1連結部、隣り合うフィン構成部材どうしを連結する第2連結部、および管形成用金属板とフィン構成部材とを連結する第3連結部が、前側および後側に交互に位置している熱交換器。
  2. 管形成用金属板の厚みが0.2mm以下である請求項1記載の熱交換器。
  3. 1つのアウターフィンが、偶数のフィン構成部材からなる請求項1または2記載の熱交換器。
  4. 1つのアウターフィンを構成するフィン構成部材の数が2または4である請求項3記載の熱交換器。
  5. フィン構成部材の厚みが0.2mm以下である請求項1〜4のうちのいずれかに記載の熱交換器。
  6. 各ヘッダタンクに、ヘッダタンクの長さ方向にのびる少なくとも1つのヘッダ部が設けられるとともに、当該ヘッダ部に管挿通穴が形成され、熱交換管の両端部における流体流通部と対応する部分に、管挿通穴を通してヘッダタンクのヘッダ部内に挿入される挿入部が設けられている請求項1〜5のうちのいずれかに記載の熱交換器。
  7. ヘッダタンクに、前後方向に並んだ複数のヘッダ部が設けられるとともに、熱交換管に、前後方向に間隔をおいて並んだヘッダ部と同数の流体流通部が設けられている請求項6記載のエバポレータ。
  8. 互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に設けられた熱交換コアとを備えており、熱交換コアが、幅方向を前後方向に向けるとともにヘッダタンクの長さ方向に間隔をおいて配置され、かつ両端が両ヘッダタンクに接続された複数の扁平状熱交換管と、隣り合う熱交換管どうしの間に配置されたアウターフィンとを有する熱交換器を製造する方法であって、
    第1連結部により側縁部どうしが互いに連結され、かつ少なくともいずれか一方が外方に膨出させられた2枚の管形成用金属板からなる板状の管素材と、第2連結部により側縁部どうしが互いに形成された複数のフィン構成部材からなる板状のフィン素材とが、交互に並べられるとともに、管素材の管形成用金属板における第1連結部により連結された側と反対側の側縁部と、フィン素材の端部のフィン構成部材における第2連結部により連結された側と反対側の側縁部とが第3連結部により連結されている板状の熱交換コア形成部材を用意すること、
    熱交換コア形成部材を、第1〜第3連結部において、隣り合う連結部の折り曲げ方向が互いに逆向きとなるように折り曲げ、これにより2枚の管形成用金属板からなる管用組み合わせ体と複数のフィン構成部材からなるフィン用組み合わせ体とを交互に並べること、
    ならびに管用組み合わせ体の隣り合う管形成用金属板どうしをろう付して熱交換管をつくるとともに、フィン用組み合わせ体の隣り合うフィン構成部材どうしをろう付してアウターフィンをつくり、さらにアウターフィンの端部のフィン構成部材を熱交換管の管形成用金属板にろう付して熱交換コアをつくることを含む熱交換器の製造方法。
  9. フィン素材を構成するフィン構成部材の数を偶数にする請求項8記載の熱交換器の製造方法。
  10. 熱交換コア形成部材を、金属板にプレス加工を施すことにより形成する請求項8または9記載の熱交換器の製造方法。
  11. 熱交換コア形成部材をつくる金属板の厚みを0.2mm以下とする請求項10記載の熱交換器の製造方法。
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