JP2007032952A - 熱交換器用ヘッダタンクおよびこれを用いた熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ヘッダタンク内部に比較的高い圧力が加わった場合にも熱交換管の強度低下を防止しうる熱交換器用ヘッダタンクおよびこれを用いた熱交換器を提供する。
【解決手段】 ヘッダタンク2,3を、ヘッダ部形成用プレート7と、管接続用プレート8と、これら両プレート7,8間に介在させられた中間プレート9とを互いに積層してろう付することにより構成する。ヘッダ部形成用プレート7に、中間プレート9により開口が閉鎖されたドーム状外方膨出部11a,11bと、外方膨出部11a,11bの両側に連なりかつヘッダ部形成用プレート7の幅方向に伸びる補強リブ10とを形成する。管接続用プレート8に管挿入穴を形成する。中間プレート9に、各管挿入穴をヘッダ部形成用プレート7の外方膨出部11a,11b内に通じさせる連通穴22を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】 ヘッダタンク2,3を、ヘッダ部形成用プレート7と、管接続用プレート8と、これら両プレート7,8間に介在させられた中間プレート9とを互いに積層してろう付することにより構成する。ヘッダ部形成用プレート7に、中間プレート9により開口が閉鎖されたドーム状外方膨出部11a,11bと、外方膨出部11a,11bの両側に連なりかつヘッダ部形成用プレート7の幅方向に伸びる補強リブ10とを形成する。管接続用プレート8に管挿入穴を形成する。中間プレート9に、各管挿入穴をヘッダ部形成用プレート7の外方膨出部11a,11b内に通じさせる連通穴22を形成する。
【選択図】 図1
Description
この発明は、熱交換器用ヘッダタンクおよびこれを用いた熱交換器に関し、さらに詳しくは、たとえばCO2(二酸化炭素)などの超臨界冷媒が用いられる超臨界冷凍サイクルのガスクーラやエバポレータに好適に使用される熱交換器のヘッダタンクおよび熱交換器に関する。
この明細書および特許請求の範囲において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
超臨界冷凍サイクルに用いられる熱交換器として、互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に間隔をおいて並列状に配置されかつ両端部が両ヘッダタンクに接続された熱交換管と、隣接する熱交換管間の通風間隙に配置されかつ熱交換管にろう付されたフィンとよりなり、各ヘッダタンクが、ヘッダ部形成用プレートと、管接続用プレートと、これら両プレート間に介在させられた中間プレートとが互いに積層されてろう付されるとともに、これらのプレートの両端部にエンドキャップがろう付されることにより構成されており、ヘッダ部形成用プレートに、横断面U字状の流通部が全長にわたって形成されるとともに、流通部の両端開口がエンドキャップにより閉鎖され、管接続用プレートにおける外方膨出部と対応する部分に、複数の管挿入穴が管接続用プレートの長さ方向に間隔をおいて貫通状に形成され、中間プレートに、管接続用プレートの各管挿入穴をヘッダ部形成用プレートの外方膨出部内に通じさせる連通穴が貫通状に形成され、熱交換管の両端部が両ヘッダタンクの管接続用プレートの管挿入穴内に挿入されてヘッダタンクにろう付されている熱交換器が知られている(特許文献1、段落0067〜段落0072、図13および図14参照)。
しかしながら、特許文献1記載の熱交換器によれば、高い圧力がヘッダタンク内部に加わった場合、ヘッダ部形成用プレートが、長さ方向に伸びる軸線の両側が外方に曲がるように変形しようとし、その結果ヘッダタンク全体が、長さ方向に伸びる軸線の両側が外方に曲がるように変形する。したがって、熱交換管に比較的大きな引張力が作用することになり、熱交換管の強度が低下するという問題がある。
特開2003−314987号公報
この発明の目的は、上記問題を解決し、ヘッダタンク内部に比較的高い圧力が加わった場合にも熱交換管の強度低下を防止しうる熱交換器用ヘッダタンクおよびこれを用いた熱交換器を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
1)ヘッダ部形成用プレートと、管接続用プレートと、これら両プレート間に介在させられた中間プレートとが互いに積層されてろう付されることにより構成された熱交換器用ヘッダタンクであって、ヘッダ部形成用プレートに、ヘッダ部形成用プレートの長さ方向にのびかつ中間プレートにより開口が閉鎖された外方膨出部と、外方膨出部の両側に連なりかつヘッダ部形成用プレートの幅方向に伸びる補強リブとが形成され、管接続用プレートにおける外方膨出部と対応する部分に、複数の管挿入穴が管接続用プレートの長さ方向に間隔をおいて貫通状に形成され、中間プレートに、管接続用プレートの各管挿入穴をヘッダ部形成用プレートの外方膨出部内に通じさせる連通穴が貫通状に形成されている熱交換器用ヘッダタンク。
2)補強リブが、ヘッダ部形成用プレートを外方に膨出させることにより形成されており、補強リブの開口が中間プレートにより閉鎖され、外方膨出部の内部と補強リブの内部とが通じさせられている上記1)記載の熱交換器用ヘッダタンク。
3)外方膨出部の両側にそれぞれ複数の補強リブが形成され、外方膨出部の両側の補強リブが、ヘッダ部形成用プレートの長さ方向に関して同一位置に存在している上記2)記載の熱交換器用ヘッダタンク。
4)ヘッダ部形成用プレートの長さ方向に関して同一位置にある外方膨出部の両側の補強リブの対が、管接続用プレートの管挿入穴および中間プレートの連通穴と対応する位置に形成されている上記3)記載の熱交換器用ヘッダタンク。
5)補強リブの対が、すべての管挿入穴およびすべての連通穴のうち、一部分の管挿入穴および連通穴と対応する位置に形成されている上記4)記載の熱交換器用ヘッダタンク。
6)隣り合う補強リブの対間に、少なくとも1つの管挿入穴および連通穴が位置している上記5)記載の熱交換器用ヘッダタンク。
7)ヘッダ部形成用プレート、管接続用プレートおよび中間プレートが、それぞれ金属板にプレス加工を施すことにより形成されている上記1)〜6)のうちのいずれかに記載の熱交換器用ヘッダタンク。
8)互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に並列状に配置されかつ両端部がそれぞれ両ヘッダタンクに接続された複数の熱交換管とを備えており、各ヘッダタンクが、ヘッダ部形成用プレートと、管接続用プレートと、これら両プレート間に介在させられた中間プレートとが互いに積層されてろう付されることにより構成された熱交換器であって、ヘッダ部形成用プレートに、ヘッダ部形成用プレートの長さ方向にのびかつ中間プレートにより開口が閉鎖された外方膨出部と、外方膨出部の両側に連なりかつヘッダ部形成用プレートの幅方向に伸びる補強リブとが形成され、管接続用プレートにおける外方膨出部と対応する部分に、複数の管挿入穴が管接続用プレートの長さ方向に間隔をおいて貫通状に形成され、中間プレートに、管接続用プレートの各管挿入穴をヘッダ部形成用プレートの外方膨出部内に通じさせる連通穴が貫通状に形成され、熱交換管の両端部が両ヘッダタンクの管接続用プレートの管挿入穴内に挿入されてヘッダタンクにろう付されている熱交換器。
9)補強リブが、ヘッダ部形成用プレートを外方に膨出させることにより形成されており、補強リブの開口が中間プレートにより閉鎖され、外方膨出部の内部と補強リブの内部とが通じさせられている上記8)記載の熱交換器。
10)外方膨出部の両側にそれぞれ複数の補強リブが形成され、外方膨出部の両側の補強リブが、ヘッダ部形成用プレートの長さ方向に関して同一位置に存在している上記9)記載の熱交換器。
11)ヘッダ部形成用プレートの長さ方向に関して同一位置にある外方膨出部の両側の補強リブの対が、熱交換管と対応する位置に形成されている上記10)記載の熱交換器。
12)補強リブの対が、すべての熱交換管のうち、一部分の熱交換管と対応する位置に形成されている上記11)記載の熱交換器。
13)隣り合う補強リブの対間に、少なくとも1つの熱交換管が位置している上記12)記載の熱交換器。
14)ヘッダ部形成用プレート、管接続用プレートおよび中間プレートが、それぞれ金属板にプレス加工を施すことにより形成されている上記8)〜13)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
15)1対のヘッダタンクのうち第1のヘッダタンクにおけるヘッダ部形成用プレートに、その長さ方向に並んだ複数の外方膨出部が相互に間隔をおいて形成され、同じく第2のヘッダタンクにおけるヘッダ部形成用プレートに、第1ヘッダタンクの外方膨出部の数よりも1つ少ない外方膨出部が、第1ヘッダタンクの隣り合う2つの外方膨出部にまたがるように形成され、
第1ヘッダタンクにおいて、各外方膨出部に通じる中間プレートのすべての連通穴が、中間プレートに形成された連通部により連通させられ、
第2ヘッダタンクにおいて、各外方膨出部に通じる中間プレートのすべての連通穴が、中間プレートに形成された連通部により連通させられ、
第1ヘッダタンクに、一端部の外方膨出部に通じる冷媒入口が形成されるとともに、他端部の外方膨出部に通じる冷媒出口が形成されている上記8)〜14)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
第1ヘッダタンクにおいて、各外方膨出部に通じる中間プレートのすべての連通穴が、中間プレートに形成された連通部により連通させられ、
第2ヘッダタンクにおいて、各外方膨出部に通じる中間プレートのすべての連通穴が、中間プレートに形成された連通部により連通させられ、
第1ヘッダタンクに、一端部の外方膨出部に通じる冷媒入口が形成されるとともに、他端部の外方膨出部に通じる冷媒出口が形成されている上記8)〜14)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
16)第1ヘッダタンクの外方膨出部の数が2であり、第2ヘッダタンクの外方膨出部の数が1である上記15)記載の熱交換器。
17)圧縮機、ガスクーラ、エバポレータ、減圧器およびガスクーラから出てきた冷媒とエバポレータから出てきた冷媒とを熱交換させる中間熱交換器を備えており、かつ超臨界冷媒を用いる超臨界冷凍サイクルであって、ガスクーラが上記8)〜16)のうちのいずれかに記載の熱交換器からなる超臨界冷凍サイクル。
18)圧縮機、ガスクーラ、エバポレータ、減圧器およびガスクーラから出てきた冷媒とエバポレータから出てきた冷媒とを熱交換させる中間熱交換器を備えており、かつ超臨界冷媒を用いる超臨界冷凍サイクルであって、エバポレータが上記8)〜14)のうちのいずれかに記載の熱交換器からなる超臨界冷凍サイクル。
19)超臨界冷媒が二酸化炭素である上記17)または18)記載の超臨界冷凍サイクル。
18)上記15)〜17)のうちのいずれかに記載の超臨界冷凍サイクルがカーエアコンとして搭載されている車両。
上記1)の熱交換器用ヘッダタンクによれば、ヘッダ部形成用プレートに、外方膨出部の両側に連なりかつヘッダ部形成用プレートの幅方向に伸びる補強リブが形成されているので、ヘッダ部形成用プレートの板厚方向の強度、すなわち長さ方向に伸びる軸線を中心とする曲げに対する強度が増大する。そして、このヘッダタンクを、熱交換管の両端部が両ヘッダタンクの管接続用プレートの管挿入穴内に挿入されてヘッダタンクに接合されている熱交換器に適用した場合、高い圧力がヘッダタンク内部に加わったとしても、ヘッダ部形成用プレートの変形が抑制され、その結果ヘッダタンク全体が、長さ方向に伸びる軸線の両側が外方に曲がるように変形することが抑制される。したがって、熱交換管には大きな引張力が作用することはなく、熱交換管の強度低下が防止される。
また、ヘッダ部形成用プレートに、その長さ方向にのびかつ中間プレートにより開口が閉鎖された外方膨出部が形成されているので、冷媒流通部を構成する外方膨出部の両端は閉鎖されることになり、特許文献1記載のヘッダタンクのような流通部の両端開口を閉鎖するエンドキャップが不要になる。したがって、部品点数が少なくなる。しかも、キャップを別個につくる作業も不要になる。
また、ヘッダ部形成用プレートに複数の外方膨出部を形成しておけば、このようなヘッダタンクを適当に組み合わせることによって、熱交換器における冷媒の流れ方向を熱交換性能を向上させる上で好適なものに設定することが可能になる。しかも、仕切などの別部材を必要としない。
上記2)の熱交換器用ヘッダタンクによれば、ヘッダ部形成用プレートを、たとえば金属板にプレス加工を施すことにより形成する場合、外方膨出部と補強リブを比較的簡単に同時に形成することができる。
上記3)の熱交換器用ヘッダタンクによれば、外方膨出部の両側にそれぞれ複数の補強リブが形成され、外方膨出部の両側の補強リブが、ヘッダ部形成用プレートの長さ方向に関して同一位置に存在しているので、ヘッダ部形成用プレートの板厚方向の強度、すなわち長さ方向に伸びる軸線を中心とする曲げに対する強度が一層増大する。
上記4)の熱交換器用ヘッダタンクによれば、ヘッダ部形成用プレートの長さ方向に関して同一位置にある外方膨出部の両側の補強リブの対が、管接続用プレートの管挿入穴および中間プレートの連通穴と対応する位置に形成されているので、熱交換管の両端部が両ヘッダタンクの管接続用プレートの管挿入穴内に挿入されてヘッダタンクに接合されている熱交換器に適用した場合、熱交換管から流出した冷媒がヘッダタンクの外方膨出部内に流入する際には、補強リブが形成されている場所においては、直接外方膨出部内に流入すると同時に、一旦補強リブの内部に流入した後、外方膨出部内に流入する。一方、ヘッダタンクの外方膨出部内の冷媒が熱交換管に流入する際には、補強リブが形成されている場所においては、一旦補強リブの内部に流入した後、熱交換管に流入する。したがって、冷媒が熱交換管からヘッダタンクへ流入する際、および冷媒がヘッダタンクから熱交換管に流入する際の流通抵抗が低減され、冷媒の流れがスムーズになる。
上記5)および6)の熱交換器用ヘッダタンクによれば、補強リブの対が、すべての管挿入穴およびすべての連通穴のうち、一部分の管挿入穴および連通穴と対応するように形成されているので、補強リブがすべての管挿入穴および連通穴と対応するように形成されている場合に比較して、ヘッダ部形成用プレートと中間プレートとのろう付面積が大きくなり、両プレートのろう付強度が増大する。
上記7)の熱交換器用ヘッダタンクによれば、外方膨出部および補強リブを有するヘッダ部形成用プレート、管挿入穴を有する管接続用プレートおよび連通穴を有する中間プレートが、それぞれ金属板にプレス加工を施すことにより形成されているので、加工時間が短縮されるとともに、加工工数も少なくて済む。
上記8)の熱交換器によれば、ヘッダタンクのヘッダ部形成用プレートに、外方膨出部の両側に連なりかつヘッダ部形成用プレートの幅方向に伸びる補強リブが形成されているので、ヘッダ部形成用プレートの板厚方向の強度、すなわち長さ方向に伸びる軸線を中心とする曲げに対する強度が増大し、高い圧力がヘッダタンク内部に加わったとしても、ヘッダ部形成用プレートの変形が抑制され、その結果ヘッダタンク全体が、長さ方向に伸びる軸線の両側が外方に曲がるように変形することが抑制される。したがって、熱交換管には大きな引張力が作用することはなく、熱交換管の強度低下が防止される。
上記9)の熱交換器によれば、ヘッダ部形成用プレートを、たとえば金属板にプレス加工を施すことにより形成する場合、外方膨出部と補強リブを比較的簡単に同時に形成することができる。
上記10)の熱交換器によれば、外方膨出部の両側にそれぞれ複数の補強リブが形成され、外方膨出部の両側の補強リブが、ヘッダ部形成用プレートの長さ方向に関して同一位置に存在しているので、ヘッダ部形成用プレートの板厚方向の強度、すなわち長さ方向に伸びる軸線を中心とする曲げに対する強度が一層増大する。
上記11)の熱交換器によれば、ヘッダ部形成用プレートの長さ方向に関して同一位置にある外方膨出部の両側の補強リブの対が、熱交換管と対応する位置に形成されているので、熱交換管から流出した冷媒がヘッダタンクの外方膨出部内に流入する際には、補強リブが形成されている場所においては、直接外方膨出部内に流入すると同時に、一旦補強リブの内部に流入した後、外方膨出部内に流入する。一方、ヘッダタンクの外方膨出部内の冷媒が熱交換管に流入する際には、補強リブが形成されている場所においては、一旦補強リブの内部に流入した後、熱交換管に流入する。したがって、冷媒が熱交換管からヘッダタンクへ流入する際、および冷媒がヘッダタンクから熱交換管に流入する際の流通抵抗が低減され、冷媒の流れがスムーズになる。
上記12)および13)の熱交換器によれば、補強リブの対が、すべての熱交換管のうち、一部分の熱交換管と対応するように形成されているので、補強リブの対がすべての熱交換管と対応するように形成されている場合に比較して、ヘッダ部形成用プレートと中間プレートとのろう付面積が大きくなり、両プレートのろう付強度が増大する。
上記14)の熱交換器によれば、外方膨出部および補強リブを有するヘッダ部形成用プレート、管挿入穴を有する管接続用プレートおよび連通穴を有する中間プレートが、それぞれ金属板にプレス加工を施すことにより形成されているので、加工時間が短縮されるとともに、加工工数も少なくて済む。
上記15)および16)の熱交換器によれば、冷媒の流れを、熱交換性能を向上させるための好適なものにすることができ、たとえば超臨界冷凍サイクルのガスクーラとして用いた場合に熱交換性能を向上させることが可能になる。
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。この実施形態は、この発明による熱交換器用ヘッダタンクを備えた熱交換器を超臨界冷凍サイクルのガスクーラに適用したものである。
なお、以下の説明において、図1および図2の上下、左右をそれぞれ上下、左右という。また、隣接する熱交換管どうしの間の通風間隙を流れる空気の下流側(図1に矢印Xで示す方向)を前、これと反対側を後というものとする。
図1および図2はこの発明による熱交換器用ヘッダタンクを備えた熱交換器を適用したガスクーラの全体構成を示し、図3〜図8はその要部の構成を示す。また、図9は図1に示すガスクーラにおける冷媒の流れを示す。
図1において、超臨界冷媒、たとえばCO2を使用する超臨界冷凍サイクルのガスクーラ(1)は、左右方向に間隔をおいて配置されかつ上下方向にのびる2つのヘッダタンク(2)(3)と、両ヘッダタンク(2)(3)間に、上下方向に間隔をおいて並列状に配置された複数の偏平状熱交換管(4)と、隣接する熱交換管(4)どうしの間の通風間隙、および上下両端の熱交換管(4)の外側に配置されて熱交換管(4)にろう付されたコルゲートフィン(5)と、上下両端のコルゲートフィン(5)の外側にそれぞれ配置されてコルゲートフィン(5)にろう付されたアルミニウムベア材からなるサイドプレート(6)とを備えている。なお、この実施形態において、右側のヘッダタンク(2)を第1ヘッダタンク、左側のヘッダタンク(3)を第2ヘッダタンクというものとする。
図2〜図6に示すように、第1ヘッダタンク(2)は、両面にろう材層を有するブレージングシート、ここではアルミニウムブレージングシートから形成されたヘッダ部形成用プレート(7)と、両面にろう材層を有するブレージングシート、ここではアルミニウムブレージングシートから形成された管接続用プレート(8)と、金属ベア材、ここではアルミニウムベア材からなりかつヘッダ部形成用プレート(7)と管接続用プレート(8)との間に介在させられた中間プレート(9)とが、積層されて互いにろう付されることにより構成されている。
ヘッダ部形成用プレート(7)に、上下方向にのび、かつ膨出高さ、長さおよび幅の等しい複数、ここでは2つのドーム状外方膨出部(11A)(11B)が上下方向に間隔をおいて形成されている。ヘッダ部形成用プレート(7)における各外方膨出部(11A)(11B)の左側を向いた開口の周縁部は中間プレート(9)にろう付され、各外方膨出部(11A)(11B)の左側を向いた開口は中間プレート(9)により塞がれている。その結果、各外方膨出部(11A)(11B)内は上下両端が閉鎖された冷媒流通部となっている。
ヘッダ部形成用プレート(7)に、各外方膨出部(11A)(11B)の前後両側に連なりかつヘッダ部形成用プレート(7)の幅方向(前後方向)に伸びる補強リブ(10)が、上下方向に間隔をおいて複数形成されている。補強リブ(10)は、ヘッダ部形成用プレート(7)を外方に膨出させることにより形成されており、各外方膨出部(11A)(11B)の内部とすべての補強リブ(10)の内部とは通じさせられている。なお、ヘッダ部形成用プレート(7)における補強リブ(10)の左側を向いた開口の周縁部は、各外方膨出部(11A)(11B)に連なる部分を除いて中間プレート(9)にろう付され、補強リブ(10)の左側を向いた開口は中間プレート(9)により塞がれている。その結果、各補強リブ(10)の前後方向外端も閉鎖されている。また、各外方膨出部(11A)(11B)の前後両側の補強リブ(10)は上下方向(ヘッダ部形成用プレートの長さ方向)に関して同一位置にあり、上下方向に関して同一位置にある各外方膨出部の(11A)(11B)の前後両側の補強リブ(10)の対は、すべての熱交換管(4)のうち、一部分の熱交換管(4)と対応するように形成されている。ここでは、補強リブ(10)の対は、上下に並んだ熱交換管に対して1つおきに形成されており、上下方向に隣り合う補強リブ(10)の対間に1つの熱交換管(4)が位置している。
ヘッダ部形成用プレート(7)は、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートにプレス加工を施することにより形成されている。ヘッダ部形成用プレート(7)の上側外方膨出部(11A)の頂部に冷媒入口(12)が形成されており、外方膨出部(11A)外面に、冷媒入口(12)に通じる冷媒流入路(14)を有する金属製、ここではアルミニウムベア材製入口部材(13)が、ヘッダ部形成用プレート(7)の外面のろう材を利用してろう付されている。また、下側外方膨出部(11B)の頂部に冷媒出口(15)が形成されており、外方膨出部(11B)外面に、冷媒出口(15)に通じる冷媒流出路(17)を有する金属製、ここではアルミニウムベア材製出口部材(16)が、ヘッダ部形成用プレート(7)の外面のろう材を利用してろう付されている。
管接続用プレート(8)に、前後方向に長い複数の貫通状管挿入穴(18)が、上下方向に間隔をおいて形成されている。上半部の複数の管挿入穴(18)は、ヘッダ部形成用プレート(7)の上側外方膨出部(11A)の上下方向の範囲内に形成され、同じく下半部の複数の管挿入穴(18)は、下側外方膨出部(11B)の上下方向の範囲内に形成されている。また、管挿入穴(18)の前後方向の長さは、各外方膨出部(11A)(11B)の前後方向の幅よりも若干長く、管挿入穴(18)の前後両端部は外方膨出部(11A)(11B)の前後両側縁よりも外方に突出している(図4および図5参照)。管接続用プレート(8)の前後両側縁部に、それぞれ右方に突出して先端がヘッダ部形成用プレート(7)の外面まで至り、かつヘッダ部形成用プレート(7)と中間プレート(9)との境界部分を全長にわたって覆う被覆壁(19)が一体に形成され、ヘッダ部形成用プレート(7)および中間プレート(9)の前後両側面にろう付されている。各被覆壁(19)の突出端に、ヘッダ部形成用プレート(7)の外面に係合する複数の係合部(21)が、上下方向に間隔をおいて一体に形成され、ヘッダ部形成用プレート(7)にろう付されている。管接続用プレート(8)は、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートにプレス加工を施すことにより形成されている。
中間プレート(9)に、管接続用プレート(8)の管挿入穴(18)をヘッダ部形成用プレート(7)の外方膨出部(11A)(11B)内に通じさせる貫通状連通穴(22)が、管挿入穴(18)と同じ数だけ形成されている。連通穴(22)は管挿入穴(18)よりも一回り大きくなっている(図5参照)。各連通穴(22)は、管接続用プレート(8)の各管挿入穴(18)と対応する位置に形成されている。そして、管接続用プレート(8)の上半部の複数の管挿入穴(18)は、中間プレート(9)の上半部の複数の連通穴(22)を介して上側外方膨出部(11A)内に通じさせられ、同じく下半部の複数の管挿入穴(18)は、中間プレート(9)の下半部の複数の連通穴(22)を介して下側外方膨出部(11B)内に通じさせられている。上側外方膨出部(11A)内に通じるすべての連通穴(22)、および下側外方膨出部(11B)内に通じるすべての連通穴(22)は、それぞれ中間プレート(9)における隣り合う連通穴(22)間の部分を切除することにより形成された連通部(23)により連通させられている。中間プレート(9)は、アルミニウムベア材にプレス加工を施すことにより形成されている。
第2ヘッダタンク(3)は、第1ヘッダタンク(2)とほぼ同様な構成であり、同一物および同一部分に同一符号を付す(図2参照)。両ヘッダタンク(2)(3)は、管接続用プレート(8)どうしが対向するように配置されている。第2ヘッダタンク(3)における第1ヘッダタンク(2)との主な相違点は、ヘッダ部形成用プレート(7)に、第1ヘッダタンク(2)の外方膨出部(11A)(11B)の数よりも1つ少ない数、ここでは1つのドーム状外方膨出部(24)が、第1ヘッダタンク(2)の両外方膨出部(11A)(11B)にまたがるようにヘッダ部形成用プレート(7)の上端部から下端部にかけて形成されている点、外方膨出部(24)に冷媒入口および冷媒出口が形成されていない点、管接続用プレート(8)のすべての管挿入穴(18)が中間プレート(9)のすべての連通穴(22)を介して外方膨出部(24)内に通じている点、ならびに中間プレート(9)のすべての連通穴(22)が、隣り合う連通穴(22)間の部分を切除することにより形成された連通部(23)により連通させられている点である。外方膨出部(24)の膨出高さおよび幅は、第1ヘッダタンク(2)の外方膨出部(11A)(11B)の膨出高さおよび幅と等しくなっている。また、ヘッダ部形成用プレート(7)における外方膨出部(24)の右側を向いた開口の周縁部は中間プレート(9)にろう付され、外方膨出部(24)の右側を向いた開口は中間プレート(9)により塞がれている。その結果、外方膨出部(24)内は上下両端が閉鎖された冷媒流通部となっている。また、第2ヘッダタンク(3)のヘッダ部形成用プレート(7)の外方膨出部(24)の前後両側の補強リブ(10)の対の大部分は、第1ヘッダタンク(2)の場合と同様に、上下に並んだ熱交換管(4)に対して1つおきに形成されており、上下方向に隣り合う補強リブ(10)の対間に1つの熱交換管(4)が位置しているが、上下方向の中央部に位置する2つの補強リブ(10)の対間には、2つの熱交換管(4)が位置している。
両ヘッダタンク(2)(3)は、図7および図8に示すようにして製造されている。
まず、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートにプレス加工を施すことにより、外方膨出部(11A)(11B)(24)および補強リブ(10)を有するヘッダ部形成用プレート(7)を形成する。なお、第1ヘッダタンク(2)のヘッダ部形成用プレート(7)には冷媒入口(12)および冷媒出口(13)を形成しておく。また、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートにプレス加工を施すことにより、管挿入穴(18)、被覆壁(19)および被覆壁(19)に真っ直ぐに連なった係合部形成用突片(21A)を有する管接続用プレート(8)を形成する。さらに、アルミニウムベア材にプレス加工を施すことにより、連通穴(22)および連通部(23)を有する中間プレート(9)を形成する。
ついで、3つのプレート(7)(8)(9)を積層状に組み合わせた後、突片(21A)を曲げて係合部(21)を形成し、係合部(21)をヘッダ部形成用プレート(7)に係合させて仮止め体をつくる。その後、ヘッダ部形成用プレート(7)のろう材層および管接続用プレート(8)のろう材層を利用して3つのプレート(7)(8)(9)を相互にろう付するとともに、被覆壁(19)を中間プレート(9)およびヘッダ部形成用プレート(7)の前後両側面にろう付し、さらに係合部(21)をヘッダ部形成用プレート(7)にろう付する。こうして、両ヘッダタンク(2)(3)が製造されている。
熱交換管(4)は、金属、ここではアルミニウム製押出形材からなり、前後方向に幅広の偏平状で、その内部に長さ方向にのびる複数の冷媒通路(4a)が並列状に形成されている。熱交換管(4)の両端部は、それぞれ両ヘッダタンク(2)(3)の管挿入穴(18)に挿入された状態で、管接続用プレート(8)のろう材層を利用して管接続用プレート(8)にろう付されている。なお、熱交換管(4)の両端は中間プレート(9)の厚さ方向の中間部まで連通穴(22)内に入り込んでいる(図4および図6参照)。上半分の複数の熱交換管(4)の右端部は上側外方膨出部(11A)内に通じるように第1ヘッダタンク(2)に接続され、左端部は外方膨出部(24)内に通じるように第2ヘッダタンク(3)に接続されている。また、下半分の複数の熱交換管(4)の右端部は下側外方膨出部(11B)内に通じるように第1ヘッダタンク(2)に接続され、左端部は外方膨出部(24)内に通じるように第2ヘッダタンク(3)に接続されている。
コルゲートフィン(5)は両面にろう材層を有するブレージングシート、ここではアルミニウムブレージングシートを用いて波状に形成されたものである。
ガスクーラ(1)は、ヘッダタンク(2)(3)を製造する際の上述した2つの仮止め体と、複数の熱交換管(4)およびコルゲートフィン(5)とを用意すること、2つの仮止め体を、管接続用プレート(8)どうしが対向するように間隔をおいて配置すること、複数の熱交換管(4)とコルゲートフィン(5)とを交互に配置すること、熱交換管(4)の両端部をそれぞれ両仮止め体の管接続用プレート(8)の管挿入穴(18)内に挿入すること、両端のコルゲートフィン(5)の外側にサイドプレート(6)を配置すること、第1ヘッダタンク(2)を形成するヘッダ部形成用プレート(7)の外方膨出部(11A)(11B)に入口部材(13)および出口部材(16)を配置すること、ならびに仮止め体の3つのプレート(7)(8)(9)を相互にろう付してヘッダタンク(2)(3)を形成すると同時に、熱交換管(4)をヘッダタンク(2)(3)に、フィン(5)を熱交換管(4)に、サイドプレート(6)をフィン(5)に、入口部材(13)および出口部材(16)を外方膨出部(11A)(11B)にそれぞれろう付することによって製造される。
ガスクーラ(1)は、圧縮機、エバポレータ、減圧器およびガスクーラから出てきた冷媒とエバポレータから出てきた冷媒とを熱交換させる中間熱交換器とともに超臨界冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして車両、たとえば自動車に搭載される。
上述したガスクーラ(1)において、図9に示すように、圧縮機を通過したCO2 が、入口部材(13)の冷媒流入路(14)を通って冷媒入口(12)から第1ヘッダタンク(2)の上側外方膨出部(11A)内に入り、分流して上側外方膨出部(11A)内に通じているすべての熱交換管(4)の冷媒通路(4a)内に流入する。冷媒通路(4a)内に流入したCO2は、冷媒通路(4a)内を左方に流れて第2ヘッダタンク(3)の外方膨出部(24)内に流入する。外方膨出部(24)内に流入したCO2はその内部および中間プレート(9)の連通部(23)を通って下方に流れ、分流して下側外方膨出部(11B)に通じているすべての熱交換管(4)の冷媒通路(4a)内に流入し、流れ方向を変えて冷媒通路(4a)内を右方に流れて第1ヘッダタンク(2)の下側外方膨出部(11B)内に入る。その後、CO2は冷媒出口(15)および出口部材(16)の冷媒流出路(17)を通って流出する。そして、CO2が熱交換管(4)の冷媒通路(4a)内を流れる間に、通風間隙を図1および図9に矢印Xで示す方向に流れる空気と熱交換し、冷却される。
そして、冷媒が、第1ヘッダタンク(2)の上側外方膨出部(11A)内および第2ヘッダタンク(3)の外方膨出部(24)内から熱交換管(4)の冷媒通路(4a)内に流入する際には、補強リブ(10)が形成されている場所においては、一旦補強リブ(10)の内部に流入した後、熱交換管(4)の冷媒通路(4a)内に流入する。また、冷媒が、熱交換管(4)の冷媒通路(4a)内から第2ヘッダタンク(3)の外方膨出部(24)内および第1ヘッダタンク(2)の下側外方膨出部(11B)内に流入する際には、補強リブ(10)が形成されている場所においては、直接外方膨出部(24)(11B)内に流入すると同時に、一旦補強リブ(10)の内部に流入した後、外方膨出部(24)(11B)内に流入する。したがって、冷媒がヘッダタンク(2)(3)から熱交換管(4)に流入する際、および冷媒が熱交換管(4)からヘッダタンク(2)(3)へ流入する際の流通抵抗が低減され、冷媒の流れがスムーズになる。
また、高い圧力がヘッダタンク(2)(3)内に加わり、ヘッダ部形成用プレート(7)の左右方向外向きの大きな力が加わった場合、補強リブ(10)の働きにより、ヘッダ部形成用プレート(7)の変形が抑制され、その結果ヘッダタンク(2)(3)全体が、長さ方向に伸びる軸線の両側が外方に曲がるように変形することが抑制される。したがって、熱交換管(4)には大きな引張力が作用することはなく、熱交換管(4)の強度低下が防止される。
上記実施形態においては、この発明による熱交換器用ヘッダタンクを備えた熱交換器が超臨界冷凍サイクルのガスクーラに適用されているが、この発明による熱交換器用ヘッダタンクを備えた熱交換器は上述した超臨界冷凍サイクルのエバポレータに適用されることもある。このエバポレータは、圧縮機、ガスクーラ、減圧器およびガスクーラから出てきた冷媒とエバポレータから出てきた冷媒とを熱交換させる中間熱交換器とともにCO2などの超臨界冷媒を使用する超臨界冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして車両、たとえば自動車に搭載される。
また、上記実施形態においては、超臨界冷凍サイクルの超臨界冷媒として、CO2が使用されているが、これに限定されるものではなく、エチレン、エタン、酸化窒素などが使用可能である。
図10〜図16は、上述した実施形態のガスクーラ(1)に用いられる熱交換管の変形例を示す。なお、熱交換管の変形例に関する以下の説明においては、図10〜図16の上下、左右を上下、左右というものとする。
図10および図11に示す熱交換管(60)は、互いに対向する平らな上下壁(61)(62)(1対の平坦壁)と、上下壁(61)(62)の左右両側縁どうしにまたがる左右両側壁(63)(64)と、左右両側壁間(63)(64)において上下壁(61)(62)にまたがるとともに長さ方向に伸びかつ相互に所定間隔をおいて設けられた複数の補強壁(65)とよりなり、内部に幅方向に並んだ複数の冷媒通路(66)を有するものである。
左側壁(63)は2重構造であり、上壁(61)の左側縁より下方隆起状に一体成形されかつ熱交換管(60)の全高にわたる外側側壁用凸条(67)と、外側側壁用凸条(67)の内側において上壁(61)より下方隆起状に一体成形された内側側壁用凸条(68)と、下壁(62)の左側縁より上方隆起状に一体成形された内側側壁用凸条(69)とよりなる。外側側壁用凸条(67)は、下端部が下壁(62)の下面左側縁部に係合された状態で両内側側壁用凸条(68)(69)および下壁(62)にろう付されている。両内側側壁用凸条(68)(69)は、相互に突き合わされてろう付されている。右側壁(64)は、上下壁(61)(62)と一体に形成されている。下壁(62)の内側側壁用凸条(69)の先端面に、その長手方向に伸びる凸起(69a)が全長にわたって一体に形成され、上壁(61)の内側側壁用凸条(68)の先端面に、その長手方向に伸びかつ凸起(69a)が圧入される凹溝(68a)が全長にわたって形成されている。
補強壁(65)は、上壁(61)より下方隆起状に一体成形された補強壁用凸条(70)と、下壁(62)より上方隆起状に一体成形された補強壁用凸条(71)とが、相互に突き合わされてろう付されることにより形成されている。
熱交換管(60)は、図12(a)に示すような管製造用金属板(75)を用いて製造される。管製造用金属板(75)は両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートに圧延加工を施すことにより形成されており、平らな上壁形成部(76)(平坦壁形成部)および下壁形成部(77)(平坦壁形成部)と、上壁形成部(76)および下壁形成部(77)を連結しかつ右側壁(64)を形成する連結部(78)と、上壁形成部(76)および下壁形成部(77)における連結部(78)とは反対側の側縁より上方隆起状に一体成形されかつ左側壁(63)の内側部分を形成する内側側壁用凸条(68)(69)と、上壁形成部(76)における連結部(78)とは反対側の側縁(右側縁)を左右方向外方(右方)に延長することにより形成された外側側壁用凸条形成部(79)と、左右方向に所定間隔をおいて上壁形成部(76)および下壁形成部(77)よりそれぞれ上方隆起状に一体成形された複数の補強壁用凸条(70)(71)とを備えており、上壁形成部(76)の補強壁用凸条(70)と下壁形成部(77)の補強壁用凸条(71)とが連結部(78)の幅方向の中心線に対して左右対称となる位置にある。下壁形成部(77)の内側側壁用凸条(69)の先端面に凸起(69a)が、上壁形成部(76)の内側側壁用凸条(68)の先端面に凹溝(68a)がそれぞれ形成されている。両内側側壁用凸条(68)(69)およびすべての補強壁用凸条(70)(71)の高さはそれぞれ等しくなっている。連結部(78)の上下の高さは上下壁形成部(75)(76)の肉厚よりも大きく、かつ内側側壁用凸条(68)(69)および補強壁用凸条(70)(71)の突出高さに上下壁形成部(75)(76)の肉厚を加えた寸法とほぼ等しくなっている。
なお、両面にろう材がクラッドされたアルミニウムブレージングシートに圧延加工を施してその片面に側壁用凸条(68)(69)および補強壁用凸条(70)(71)が一体成形されていることにより、側壁用凸条(68)(69)および補強壁用凸条(70)(71)の両側面および先端面と、上下壁形成部(75)(76)および外側側壁用凸条形成部(79)の上下両面とにろう材層(図示略)が形成される。
そして、管製造用金属板(75)を、ロールフォーミング法により、連結部(78)の左右両側縁で順次折り曲げていき(図12(b)参照)、最後にヘアピン状に折り曲げて内側側壁用凸条(68)(69)どうしおよび補強壁用凸条(70)(71)どうしをそれぞれ突き合わせるとともに、凸起(69a)を凹溝(68a)内に圧入する。
ついで、外側側壁用凸条形成部(79)を折り曲げていき、両内側側壁用凸条(68)(69)の外面に沿わせるとともに、その先端部を変形させて下壁形成部(77)に係合させて折り曲げ体(80)を得る(図12(c)参照)。
その後、折り曲げ体(80)を所定温度に加熱し、内側側壁用凸条(68)(69)の先端部どうしおよび補強壁用凸条(70)(71)の先端部どうしをそれぞれろう付するとともに、外側側壁用凸条形成部(79)と両内側側壁用凸条(68)(69)および下壁形成部(77)とをろう付することにより、熱交換管(60)が製造される。なお、熱交換管(60)の製造は、ガスクーラ(1)の製造と同時に行われる。
図13に示す熱交換管(85)の場合、上壁(61)のすべての補強壁用凸条(70)の先端面に、全長にわたる凸起(86)と全長にわたる凹溝(87)とが交互に形成されている。また、下壁(62)のすべての補強壁用凸条(71)の先端面に、これと突き合わされる上壁(61)の補強壁用凸条(70)の凸起(86)が嵌る凹溝(88)と、上壁(61)の補強壁用凸条(70)の凹溝(87)内に嵌る凸起(89)とが、交互に全長にわたって形成されている。その他の構成は、図10および図11に示す熱交換管(60)と同じであり、図10および図11に示す熱交換管(60)と同様な方法で製造される。
図14および図15に示す熱交換管(90)は、上壁(61)より下方隆起状に一体成形された補強壁用凸条(91)が下壁(62)にろう付されてなる補強壁(65)と、同じく下壁(62)より上方隆起状に一体成形された補強壁用凸条(92)が上壁(61)にろう付されてなる補強壁(65)とが左右方向に交互に設けられたものであり、上下壁(61)(62)における他方の壁の補強壁用凸条(92)(91)が当接する部分に、それぞれ全長にわたる突起(93)が一体に形成され、突起(93)の先端面に補強壁用凸条(91)(92)の先端部が嵌る凹溝(94)が形成され、補強壁用凸条(91)(92)の先端部が突起(93)の凹溝(94)内に嵌められて突起(93)にろう付されている。突起(93)の左右方向の肉厚は、補強壁用凸条(91)(92)の左右方向の肉厚よりも若干大きくなっている。その他の構成は図10および図11に示す熱交換熱交換管(60)と同じである。
熱交換管(90)は、図16(a)に示すような管製造用金属板(95)を用いて製造される。管製造用金属板板(95)は両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートに圧延加工を施すことにより形成されており、左右方向に所定間隔をおいて上壁形成部(76)および下壁形成部(77)よりそれぞれ上方隆起状に一体成形された複数の補強壁用凸条(91)(92)を備えており、上壁形成部(76)の補強壁用凸条(91)と下壁形成部(77)の補強壁用凸条(92)とが連結部(78)の幅方向の中心線に対して左右非対称となる位置にある。両補強壁用凸条(91)(92)の高さは相互に等しく、かつ側壁用凸条(68)(69)の高さの2倍程度となっている。また、上壁形成部(76)および下壁形成部(77)における下壁形成部(77)および上壁形成部(76)の補強壁用凸条(92)(91)が当接する部分に、全長にわたる突起(93)が一体に形成され、突起(93)の先端面に補強壁用凸条(92)(61)の先端部が嵌る凹溝(94)が形成されている。管製造用金属板(95)のその他の構成は、図12に示す管製造用金属板(75)と同じである。
そして、管製造用金属板(95)を、ロールフォーミング法により、連結部(78)の左右両側縁で順次折り曲げていき(図16(b)参照)、最後にヘアピン状に折り曲げて内側側壁用凸条(68)(69)どうしを突き合わせて凸起(69a)を凹溝(68a)内に圧入するとともに、上壁形成部(76)の補強壁用凸条(91)の先端部を下壁形成部(77)の突起(93)の凹溝(94)内に、下壁形成部(77)の補強壁用凸条(92)の先端部を上壁形成部(76)の突起(93)の凹溝(94)内にそれぞれ嵌め入れる。
ついで、外側側壁用凸条形成部(79)を折り曲げていき、両内側側壁用凸条(68)(69)の外面に沿わせるとともに、その先端部を変形させて下壁形成部(77)に係合させて折り曲げ体(96)を得る(図16(c)参照)。
その後、折り曲げ体(96)を所定温度に加熱し、内側側壁用凸条(68)(69)の先端部どうしをろう付するとともに、補強壁用凸条(91)(92)の先端部を突起(93)にろう付し、さらに外側側壁用凸条形成部(79)と両内側側壁用凸条(68)(69)および下壁形成部(77)とをろう付することにより、熱交換熱交換管(90)が製造される。なお、熱交換管(90)の製造は、ガスクーラ(1)の製造と同時に行われる。
(1):ガスクーラ(熱交換器)
(2)(3):ヘッダタンク
(4)(60)(85)(90):熱交換管
(7):ヘッダ部形成用プレート
(8):管接続用プレート
(9):中間プレート
(10):補強リブ
(11A)(11B):外方膨出部
(22):連通穴
(23):連通部
(24):外方膨出部
(2)(3):ヘッダタンク
(4)(60)(85)(90):熱交換管
(7):ヘッダ部形成用プレート
(8):管接続用プレート
(9):中間プレート
(10):補強リブ
(11A)(11B):外方膨出部
(22):連通穴
(23):連通部
(24):外方膨出部
Claims (20)
- ヘッダ部形成用プレートと、管接続用プレートと、これら両プレート間に介在させられた中間プレートとが互いに積層されてろう付されることにより構成された熱交換器用ヘッダタンクであって、ヘッダ部形成用プレートに、ヘッダ部形成用プレートの長さ方向にのびかつ中間プレートにより開口が閉鎖された外方膨出部と、外方膨出部の両側に連なりかつヘッダ部形成用プレートの幅方向に伸びる補強リブとが形成され、管接続用プレートにおける外方膨出部と対応する部分に、複数の管挿入穴が管接続用プレートの長さ方向に間隔をおいて貫通状に形成され、中間プレートに、管接続用プレートの各管挿入穴をヘッダ部形成用プレートの外方膨出部内に通じさせる連通穴が貫通状に形成されている熱交換器用ヘッダタンク。
- 補強リブが、ヘッダ部形成用プレートを外方に膨出させることにより形成されており、補強リブの開口が中間プレートにより閉鎖され、外方膨出部の内部と補強リブの内部とが通じさせられている請求項1記載の熱交換器用ヘッダタンク。
- 外方膨出部の両側にそれぞれ複数の補強リブが形成され、外方膨出部の両側の補強リブが、ヘッダ部形成用プレートの長さ方向に関して同一位置に存在している請求項2記載の熱交換器用ヘッダタンク。
- ヘッダ部形成用プレートの長さ方向に関して同一位置にある外方膨出部の両側の補強リブの対が、管接続用プレートの管挿入穴および中間プレートの連通穴と対応する位置に形成されている請求項3記載の熱交換器用ヘッダタンク。
- 補強リブの対が、すべての管挿入穴およびすべての連通穴のうち、一部分の管挿入穴および連通穴と対応する位置に形成されている請求項4記載の熱交換器用ヘッダタンク。
- 隣り合う補強リブの対間に、少なくとも1つの管挿入穴および連通穴が位置している請求項5記載の熱交換器用ヘッダタンク。
- ヘッダ部形成用プレート、管接続用プレートおよび中間プレートが、それぞれ金属板にプレス加工を施すことにより形成されている請求項1〜6のうちのいずれかに記載の熱交換器用ヘッダタンク。
- 互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に並列状に配置されかつ両端部がそれぞれ両ヘッダタンクに接続された複数の熱交換管とを備えており、各ヘッダタンクが、ヘッダ部形成用プレートと、管接続用プレートと、これら両プレート間に介在させられた中間プレートとが互いに積層されてろう付されることにより構成された熱交換器であって、ヘッダ部形成用プレートに、ヘッダ部形成用プレートの長さ方向にのびかつ中間プレートにより開口が閉鎖された外方膨出部と、外方膨出部の両側に連なりかつヘッダ部形成用プレートの幅方向に伸びる補強リブとが形成され、管接続用プレートにおける外方膨出部と対応する部分に、複数の管挿入穴が管接続用プレートの長さ方向に間隔をおいて貫通状に形成され、中間プレートに、管接続用プレートの各管挿入穴をヘッダ部形成用プレートの外方膨出部内に通じさせる連通穴が貫通状に形成され、熱交換管の両端部が両ヘッダタンクの管接続用プレートの管挿入穴内に挿入されてヘッダタンクにろう付されている熱交換器。
- 補強リブが、ヘッダ部形成用プレートを外方に膨出させることにより形成されており、補強リブの開口が中間プレートにより閉鎖され、外方膨出部の内部と補強リブの内部とが通じさせられている請求項8記載の熱交換器。
- 外方膨出部の両側にそれぞれ複数の補強リブが形成され、外方膨出部の両側の補強リブが、ヘッダ部形成用プレートの長さ方向に関して同一位置に存在している請求項9記載の熱交換器。
- ヘッダ部形成用プレートの長さ方向に関して同一位置にある外方膨出部の両側の補強リブの対が、熱交換管と対応する位置に形成されている請求項10記載の熱交換器。
- 補強リブの対が、すべての熱交換管のうち、一部分の熱交換管と対応する位置に形成されている請求項11記載の熱交換器。
- 隣り合う補強リブの対間に、少なくとも1つの熱交換管が位置している請求項12記載の熱交換器。
- ヘッダ部形成用プレート、管接続用プレートおよび中間プレートが、それぞれ金属板にプレス加工を施すことにより形成されている請求項8〜13のうちのいずれかに記載の熱交換器。
- 1対のヘッダタンクのうち第1のヘッダタンクにおけるヘッダ部形成用プレートに、その長さ方向に並んだ複数の外方膨出部が相互に間隔をおいて形成され、同じく第2のヘッダタンクにおけるヘッダ部形成用プレートに、第1ヘッダタンクの外方膨出部の数よりも1つ少ない外方膨出部が、第1ヘッダタンクの隣り合う2つの外方膨出部にまたがるように形成され、
第1ヘッダタンクにおいて、各外方膨出部に通じる中間プレートのすべての連通穴が、中間プレートに形成された連通部により連通させられ、
第2ヘッダタンクにおいて、各外方膨出部に通じる中間プレートのすべての連通穴が、中間プレートに形成された連通部により連通させられ、
第1ヘッダタンクに、一端部の外方膨出部に通じる冷媒入口が形成されるとともに、他端部の外方膨出部に通じる冷媒出口が形成されている請求項8〜14のうちのいずれかに記載の熱交換器。 - 第1ヘッダタンクの外方膨出部の数が2であり、第2ヘッダタンクの外方膨出部の数が1である請求項15記載の熱交換器。
- 圧縮機、ガスクーラ、エバポレータ、減圧器およびガスクーラから出てきた冷媒とエバポレータから出てきた冷媒とを熱交換させる中間熱交換器を備えており、かつ超臨界冷媒を用いる超臨界冷凍サイクルであって、ガスクーラが請求項8〜16のうちのいずれかに記載の熱交換器からなる超臨界冷凍サイクル。
- 圧縮機、ガスクーラ、エバポレータ、減圧器およびガスクーラから出てきた冷媒とエバポレータから出てきた冷媒とを熱交換させる中間熱交換器を備えており、かつ超臨界冷媒を用いる超臨界冷凍サイクルであって、エバポレータが請求項8〜14のうちのいずれかに記載の熱交換器からなる超臨界冷凍サイクル。
- 超臨界冷媒が二酸化炭素である請求項17または18記載の超臨界冷凍サイクル。
- 請求項17〜19のうちのいずれかに記載の超臨界冷凍サイクルがカーエアコンとして搭載されている車両。
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-
2005
- 2005-07-28 JP JP2005218210A patent/JP2007032952A/ja not_active Abandoned
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