JP2007178017A - 熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱交換効率の低下を防止ししうる熱交換器を提供する。
【解決手段】ガスクーラ1は、1対のヘッダタンク2,3と、両ヘッダタンク2,3間に並列状に配置された複数の熱交換管4とを備えている。第1ヘッダタンク2に、入口ヘッダ部10Aと出口ヘッダ部10Bとを上下方向に並んで設ける。両ヘッダタンク2,3を外側プレート7と、内側プレート8と、中間プレート9とを積層してろう付することにより構成する。第1ヘッダタンク2の外側プレート7に上下2つの外方膨出部11A,11Bを形成し、各外方膨出部11A,11Bと対応する部分を各ヘッダ部10A,10Bとする。第1ヘッダタンク2の外側プレート7の両外方膨出部11A,11B間の平坦部分26、およびこの平坦部分26にろう付された中間プレート9の一部分により仕切部分27をする。仕切部分27において、外側プレート7と中間プレート9との間に潤滑油バイパス通路28を形成する。
【選択図】図2
【解決手段】ガスクーラ1は、1対のヘッダタンク2,3と、両ヘッダタンク2,3間に並列状に配置された複数の熱交換管4とを備えている。第1ヘッダタンク2に、入口ヘッダ部10Aと出口ヘッダ部10Bとを上下方向に並んで設ける。両ヘッダタンク2,3を外側プレート7と、内側プレート8と、中間プレート9とを積層してろう付することにより構成する。第1ヘッダタンク2の外側プレート7に上下2つの外方膨出部11A,11Bを形成し、各外方膨出部11A,11Bと対応する部分を各ヘッダ部10A,10Bとする。第1ヘッダタンク2の外側プレート7の両外方膨出部11A,11B間の平坦部分26、およびこの平坦部分26にろう付された中間プレート9の一部分により仕切部分27をする。仕切部分27において、外側プレート7と中間プレート9との間に潤滑油バイパス通路28を形成する。
【選択図】図2
Description
この発明は、熱交換器に関し、さらに詳しくは、たとえばCO2(二酸化炭素)などの超臨界冷媒が用いられる超臨界冷凍サイクルのガスクーラとして好適に使用される熱交換器に関する。
この明細書および特許請求の範囲において、「超臨界冷凍サイクル」とは、高圧側において、冷媒が臨界圧力を超えた超臨界状態となる冷凍サイクルを意味するものとし、「超臨界冷媒」とは、超臨界冷凍サイクルに用いられる冷媒を意味するものとする。また、この明細書および特許請求の範囲において、図1および図2の上下、左右を上下、左右というものとする。
圧縮機、ガスクーラ、エバポレータ、減圧器、およびガスクーラから出てきた冷媒とエバポレータから出てきた冷媒とを熱交換させる中間熱交換器を備えた超臨界冷凍サイクルのガスクーラに用いられる熱交換器として、互いに間隔をおいて配置された上下方向に伸びる1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に上下方向に間隔をおいて配置され、かつ両端部が両ヘッダタンクに接続された複数の扁平状熱交換管とを備えており、第1のヘッダタンクに、上下2つのヘッダ部が設けられ、第2のヘッダタンクに、第1ヘッダタンクの隣り合う2つのヘッダ部に跨るように1つのヘッダ部が設けられ、第1ヘッダタンクの上側ヘッダ部が冷媒入口を有する入口ヘッダ部になるとともに、下側ヘッダ部が冷媒出口を有する出口ヘッダ部となり、すべての熱交換管が、上下に連続して並んだ複数の熱交換管からなりかつ上下2つのパスに区分されている熱交換器が知られている(特許文献1参照)。
また、上述したガスクーラに用いられる熱交換器として、互いに間隔をおいて配置された上下方向に伸びる1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に上下方向に間隔をおいて配置され、かつ両端部が両ヘッダタンクに接続された複数の熱交換管とを備えており、各ヘッダタンクに、上下2つのヘッダ部が設けられ、第1ヘッダタンクの下側ヘッダ部に冷媒入口が設けられるとともに、第2ヘッダタンクの上側ヘッダ部に冷媒出口が設けられ、すべての熱交換管が、上下に連続して並んだ複数の熱交換管からなりかつ上下方向に並んだ3つのパスに区分されている熱交換器も知られている(特許文献2参照)。
ところで、超臨界冷凍サイクルの圧縮機においては、通常、摺動部の潤滑のために潤滑油が使用されており、そのため超臨界冷媒中に1〜5質量%程度の潤滑油が必然的に混入している。したがって、特許文献1および2記載の熱交換器においては、入口ヘッダ部内に流入した超臨界冷媒中に混入している潤滑油は、重力により入口ヘッダ部内の下端部に溜まりやすくなる。入口ヘッダ部内の下端部に一定量の潤滑油が溜まると、潤滑油は入口ヘッダ部の下端部側に接続されている熱交換管内に流入し、比較的多量の潤滑油が熱交換管内を流れる。その結果、多くの潤滑油が流れている熱交換管における冷媒流量が減少して熱交換性能が悪化し、ひいては熱交換器全体の熱交換効率が低下するおそれがある。
特開2003−279194号公報
特開2004−138306号公報
この発明の目的は、上記問題を解決し、熱交換効率の低下を防止ししうる熱交換器を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
1)互いに間隔をおいて配置されかつ上下方向にのびる1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に並列状に配置されかつ両端部がそれぞれ両ヘッダタンクに接続された複数の熱交換管とを備えており、第1ヘッダタンクに、上下方向に並んだ複数のヘッダ部が設けられるとともに、第1ヘッダタンクの上端部のヘッダ部が、冷媒入口を有する入口ヘッダ部となっており、第2ヘッダタンクに少なくとも1つのヘッダ部が設けられている熱交換器において、
第1ヘッダタンクにおける入口ヘッダ部内とこれに隣接するヘッダ部内とを仕切る仕切部分に、潤滑油バイパス通路が形成されている熱交換器。
第1ヘッダタンクにおける入口ヘッダ部内とこれに隣接するヘッダ部内とを仕切る仕切部分に、潤滑油バイパス通路が形成されている熱交換器。
2)潤滑油バイパス通路の相当直径が1〜2mmである上記1)記載の熱交換器。
3)両ヘッダタンクが、それぞれ外側プレートと、内側プレートと、これら両プレート間に介在させられた中間プレートとが互いに積層されてろう付されることにより構成され、第1ヘッダタンクの外側プレートに、上下方向にのびかつ中間プレートにより開口が閉鎖された複数の外方膨出部が形成されるとともに、第1ヘッダタンクの各外方膨出部と対応する部分がヘッダ部となっており、第2ヘッダタンクの外側プレートに、上下方向にのびかつ中間プレートにより開口が閉鎖された少なくとも1つの外方膨出部が形成されるとともに、第2ヘッダタンクの外方膨出部と対応する部分がヘッダ部となっており、両ヘッダタンクの内側プレートにおける外方膨出部と対応する部分に、複数の管挿入穴が長さ方向に間隔をおいて貫通状に形成され、両ヘッダタンクの中間プレートに、内側プレートの各管挿入穴を外側プレートの外方膨出部内に通じさせる連通穴が貫通状に形成されており、熱交換管の両端部が両ヘッダタンクの内側プレートの管挿入穴内に挿入されて内側プレートにろう付されることにより、熱交換管の両端部が両ヘッダタンクのヘッダ部内に通じさせられ、第1ヘッダタンクの外側プレートにおける上端の外方膨出部とこれに隣接する外方膨出部との間の平坦部分、およびこの平坦部分にろう付された中間プレートの一部分により仕切部分が形成されており、当該仕切部分において、外側プレートの平坦部分の左右方向内面と中間プレートの左右方向外面との間に潤滑油バイパス通路が形成されている上記1)または2)記載の熱交換器。
4)潤滑油バイパス通路が、外側プレートおよび中間プレートのうちのいずれか一方の形成された溝からなる上記3)記載の熱交換器。
5)潤滑油バイパス通路が、外側プレートおよび中間プレートにそれぞれ形成された溝からなる上記3)記載の熱交換器。
6)第1のヘッダタンクに、上下方向に並んだ複数のヘッダ部が設けられ、第2のヘッダタンクに、第1ヘッダタンクのヘッダ部の数よりも1つ少ないヘッダ部が、第1ヘッダタンクの隣り合う2つのヘッダ部に跨るように設けられ、第1ヘッダタンクの下端部のヘッダ部が冷媒出口を有する出口ヘッダ部となされ、すべての熱交換管が、上下方向に連続して並んだ複数の熱交換管からなりかつ第1ヘッダタンクのヘッダ数と同数のパスに区分されている上記1)〜5)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
7)第1ヘッダタンクのヘッダ部の数が2であり、第2ヘッダタンクのヘッダ部の数が1であり、パスの数が2である上記6)記載の熱交換器。
8)圧縮機、ガスクーラ、エバポレータ、減圧器、およびガスクーラから出てきた冷媒とエバポレータから出てきた冷媒とを熱交換させる中間熱交換器を備えており、かつ超臨界冷媒を用いる冷凍サイクルであって、ガスクーラが上記1)〜7)のうちのいずれかに記載の熱交換器からなる超臨界冷凍サイクル。
9)超臨界冷媒が二酸化炭素からなる上記8)記載の超臨界冷凍サイクル。
10)超臨界冷媒に混入している圧縮機潤滑油の量が1質量%以上である上記8)または9)記載の超臨界冷凍サイクル。
11)上記8)〜10)のうちのいずれかに記載の超臨界冷凍サイクルがカーエアコンとして搭載されている車両。
上記1)の熱交換器によれば、第1ヘッダタンクにおける入口ヘッダ部とこれに隣接するヘッダ部とを仕切る仕切部分に、潤滑油バイパス通路が形成されているので、入口ヘッダ部内に流入した冷媒に混入している圧縮機の潤滑油は、重力により入口ヘッダ部内の下端部に至り、潤滑油バイパス通路を通って入口ヘッダ部に隣接しているヘッダ部内に流れ込む。したがって、冷媒に混入している圧縮機の潤滑油が入口ヘッダ部内の下端部に溜まり、潤滑油が入口ヘッダ部の下端部側に接続されている熱交換管内に流入することが防止される。その結果、入口ヘッダ部の下端部側に接続されている熱交換管における冷媒流量の減少に伴う熱交換性能の悪化が防止され、熱交換器全体の熱交換効率の低下が防止される。
上記2)の熱交換器によれば、潤滑油バイパス通路の相当直径が1〜2mmであるから、潤滑油が、潤滑油バイパス通路を通って効率良く入口ヘッダ部に隣接しているヘッダ部内に流れ込み、熱交換器全体の熱交換効率の低下が効果的に防止される。しかも、多量の冷媒が潤滑油バイパス通路を通って入口ヘッダ部内からこれに隣接しているヘッダ部内に流れ込むことが防止され、熱交換効率の低下が防止される。
上記3)〜5)の熱交換器によれば、潤滑油バイパス通路を比較的簡単に形成することができる。
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。この実施形態は、この発明による熱交換器用ヘッダタンクを超臨界冷凍サイクルのガスクーラに適用したものである。
なお、以下の説明において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。また、以下の説明において、通風方向下流側(図1に矢印Xで示す方向)を前、これと反対側を後というものとする。
図1および図2はこの発明による熱交換器を適用したガスクーラの全体構成を示し、図3〜図8はその要部の構成を示す。また、図9および図10は熱交換管を示し、図11は熱交換管の製造方法を示す。
図1において、超臨界冷媒、たとえばCO2を使用する超臨界冷凍サイクルのガスクーラ(1)は、左右方向に間隔をおいて配置されかつ上下方向にのびる2つのヘッダタンク(2)(3)と、両ヘッダタンク(2)(3)間に、上下方向に間隔をおいて並列状に配置された複数の扁平状熱交換管(4)と、隣接する熱交換管(4)どうしの間の通風間隙、および上下両端の熱交換管(4)の外側に配置されて熱交換管(4)にろう付されたコルゲートフィン(5)と、上下両端のコルゲートフィン(5)の外側にそれぞれ配置されてコルゲートフィン(5)にろう付されたアルミニウム製サイドプレート(6)とを備えている。なお、この実施形態において、右側のヘッダタンク(2)を第1ヘッダタンク、左側のヘッダタンク(3)を第2ヘッダタンクというものとする。
図2〜図7に示すように、第1ヘッダタンク(2)は、両面にろう材層を有するブレージングシート、ここではアルミニウムブレージングシートから形成された外側プレート(7)と、両面にろう材層を有するブレージングシート、ここではアルミニウムブレージングシートから形成された内側プレート(8)と、金属ベア材、ここではアルミニウムベア材からなりかつ外側プレート(7)と内側プレート(8)との間に介在させられた中間プレート(9)とが、積層されて互いにろう付されることにより構成されており、入口ヘッダ部(10A)および出口ヘッダ部(10B)が上下に並んで設けられている。
外側プレート(7)に、上下方向にのび、かつ膨出高さ、長さおよび幅の等しい複数、ここでは2つのドーム状外方膨出部(11A)(11B)が上下方向に間隔をおいて形成されている。外側プレート(7)における各外方膨出部(11A)(11B)の左側を向いた開口の周縁部は中間プレート(9)にろう付され、各外方膨出部(11A)(11B)の左側を向いた開口は中間プレート(9)により塞がれている。その結果、各外方膨出部(11A)(11B)内は上下両端が閉鎖された冷媒流通部となっており、第1ヘッダタンク(2)の両外方膨出部(11A)(11B)と対応する部分が、入口ヘッダ部(10A)および出口ヘッダ部(10B)となっている。また、外側プレート(7)の左右方向内面における両外方膨出部(11A)(11B)間の平坦部分(26)は中間プレート(9)にろう付されており、平坦部分(26)およびこの平坦部分(26)にろう付された中間プレート(9)の一部分により、入口ヘッダ部(10A)内と出口ヘッダ部(10B)内とを仕切る仕切部分(27)が形成されている。
仕切部分(27)に、入口ヘッダ部(10A)内と出口ヘッダ部(10B)内とを通じさせる潤滑油バイパス通路(28)が形成されている。潤滑油バイパス通路(28)は、中間プレート(9)に形成された溝(29)からなる(図4参照)。なお、潤滑油バイパス通路(28)は、中間プレート(9)に形成された溝(29)の変わりに、外側プレート(7)の平坦部分(26)に形成された溝からなるものであってもよい。潤滑油バイパス通路(28)の相当径は、1〜2mmであることが好ましい。潤滑油バイパス通路(28)の相当径が1mm未満であると入口ヘッダ部(10A)内に流入した潤滑油が潤滑油バイパス通路(28)を通って出口ヘッダ部(10B)内に効率良く流れ込まなくなるおそれがあり、2mmを超えると入口ヘッダ部(10A)内に流入した超臨界冷媒が多量に潤滑油バイパス通路(28)を通って出口ヘッダ部(10B)内に流入し、ガスクーラ(1)の熱交換性能が低下するおそれがあるからである。ここで、相当径とは、潤滑油バイパス通路(28)の通路断面積と等しい面積を有する円の直径を意味する。
外側プレート(7)の入口ヘッダ部(10A)における外方膨出部(11A)の頂部の上端部に冷媒入口(12)が形成されており、外方膨出部(11A)外面に、冷媒入口(12)に通じる冷媒流入路(14)を有する金属製、ここではアルミニウムベア材製入口部材(13)が、外側プレート(7)の外面のろう材を利用してろう付されている。また、出口ヘッダ部(10B)における外方膨出部(11B)の頂部の下端部に冷媒出口(15)が形成されており、外方膨出部(11B)外面に、冷媒出口(15)に通じる冷媒流出路(17)を有する金属製、ここではアルミニウムベア材製出口部材(16)が、外側プレート(7)の外面のろう材を利用してろう付されている。外側プレート(7)は、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートにプレス加工を施することにより形成されている。
内側プレート(8)に、前後方向に長い複数の貫通状管挿入穴(18)が、上下方向に間隔をおいて形成されている。上半部の複数の管挿入穴(18)は、入口ヘッダ部(10A)における外側プレート(7)の外方膨出部(11A)の上下方向の範囲内に形成され、同じく下半部の複数の管挿入穴(18)は、出口ヘッダ部(10B)における外側プレート(7)の外方膨出部(11B)の上下方向の範囲内に形成されている。また、管挿入穴(18)の前後方向の長さは、各外方膨出部(11A)(11B)の前後方向の幅よりも若干長く、管挿入穴(18)の前後両端部は外方膨出部(11A)(11B)の前後両側縁よりも外方に突出している。また、内側プレート(8)の前後両側縁部に、それぞれ右方に突出して先端が外側プレート(7)の外面まで至り、かつ外側プレート(7)と中間プレート(9)との境界部分を全長にわたって覆う被覆壁(19)が一体に形成され、外側プレート(7)および中間プレート(9)の前後両側面にろう付されている。各被覆壁(19)の突出端に、外側プレート(7)の外面に係合する複数の係合部(21)が、上下方向に間隔をおいて一体に形成され、外側プレート(7)にろう付されている。内側プレート(8)は、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートにプレス加工を施すことにより形成されている。
中間プレート(9)に、内側プレート(8)の管挿入穴(18)を外側プレート(7)の外方膨出部(11A)(11B)内に通じさせる貫通状連通穴(22)が、管挿入穴(18)と同じ数だけ形成されている。各連通穴(22)は、内側プレート(8)の各管挿入穴(18)と対応する位置に形成されており、連通穴(22)の穴幅は管挿入穴(18)と同じになっている。中間プレート(9)の連通穴(22)の穴長さ方向両端部(前後両端部)において、その内周面における中間プレート(9)の板厚方向の中間部に、連通穴(22)の内方に突出しかつ熱交換管(4)の端面が当接する段部(25)が形成されている。中間プレート(9)の段部(25)における連通穴(22)内周面からの突出高さは、熱交換管(4)の後述する冷媒通路(4a)を塞がないような高さとされている。そして、内側プレート(8)の上半部の複数の管挿入穴(18)は、中間プレート(9)の上半部の複数の連通穴(22)を介して入口ヘッダ部(10A)の外方膨出部(11A)内に通じさせられ、同じく下半部の複数の管挿入穴(18)は、中間プレート(9)の下半部の複数の連通穴(22)を介して出口ヘッダ部(10B)の外方膨出部(11B)内に通じさせられている。入口ヘッダ部(10A)の外方膨出部(11A)内に通じるすべての連通穴(22)、および出口ヘッダ部(10B)の外方膨出部(11B)内に通じるすべての連通穴(22)は、それぞれ中間プレート(9)における隣り合う連通穴(22)間の部分を切除することにより形成された連通部(23)により連通させられており、これにより中間プレート(9)に、外方膨出部(11A)(11B)内の冷媒流通部に通じる冷媒流通部が形成されている。そして、各外方膨出部(11A)(11B)内の冷媒流通部と、この冷媒流通部に通じる中間プレート(9)の冷媒流通部とによって、入口ヘッダ部(10A)および出口ヘッダ部(10B)の内部空間が形成されている。
図2および図8に示すように、第2ヘッダタンク(3)は、第1ヘッダタンク(2)とほぼ同様な構成であり、同一物および同一部分に同一符号を付す。両ヘッダタンク(2)(3)は、内側プレート(8)どうしが対向するように配置されている。
第2ヘッダタンク(3)における第1ヘッダタンク(2)との主な相違点は、外側プレート(7)に、第1ヘッダタンク(2)の外方膨出部(11A)(11B)の数よりも1つ少ない数、ここでは1つのドーム状外方膨出部(24)が、第1ヘッダタンク(2)の両外方膨出部(11A)(11B)にまたがるように外側プレート(7)の上端部から下端部にかけて形成され、これにより第2ヘッダタンク(3)に、第1ヘッダタンク(2)の2つのヘッダ部(10A)(10B)よりも1つ少ない数、ここでは1つの中間ヘッダ部(20)が、第1ヘッダタンク(2)の両ヘッダ部(10A)(10B)に跨るように設けられている点、外方膨出部(24)に冷媒入口および冷媒出口が形成されていない点、内側プレート(8)のすべての管挿入穴(18)が中間プレート(9)のすべての連通穴(22)を介して中間ヘッダ部(20)の外方膨出部(24)内に通じている点、ならびに中間プレート(9)のすべての連通穴(22)が、隣り合う連通穴(22)間の部分を切除することにより形成された連通部(23)により連通させられている点である。外方膨出部(24)の膨出高さおよび幅は、第1ヘッダタンク(2)の外方膨出部(11A)(11B)の膨出高さおよび幅と等しくなっている。また、外側プレート(7)における外方膨出部(24)の右側を向いた開口の周縁部は中間プレート(9)にろう付され、外方膨出部(24)の右側を向いた開口は中間プレート(9)により塞がれている。その結果、外方膨出部(24)内は上下両端が閉鎖された冷媒流通部となっている。そして、外方膨出部(24)内の冷媒流通部と、この冷媒流通部に通じる中間プレート(9)の冷媒流通部とによって、中間ヘッダ部(20)の内部空間が形成されている。
両ヘッダタンク(2)(3)の製造方法を、図7および図8を参照して説明する。
まず、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートにプレス加工を施すことにより、外方膨出部(11A)(11B)(24)を有する外側プレート(7)を形成する。なお、第1ヘッダタンク(2)の外側プレート(7)には冷媒入口(12)および冷媒出口(15)を形成しておく。また、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートにプレス加工を施すことにより、管挿入穴(18)、被覆壁(19)および被覆壁(19)に真っ直ぐに連なった係合部形成用突片(21A)を有する内側プレート(8)を形成する。さらに、アルミニウムベア材にプレス加工を施すことにより、連通穴(22)、連通部(23)、段部(25)、および溝(29)を有する中間プレート(9)を形成する。
ついで、3つのプレート(7)(8)(9)を積層状に組み合わせる。ついで、突片(21A)を曲げて係合部(21)を形成し、係合部(21)を外側プレート(7)に係合させて仮止め体をつくる。その後、仮止め体を所定温度に加熱し、外側プレート(7)のろう材層および内側プレート(8)のろう材層を利用して3つのプレート(7)(8)(9)を相互にろう付するとともに、被覆壁(19)と中間プレート(9)および外側プレート(7)の前後両側面、ならびに係合部(21)と外側プレート(7)とをそれぞれろう付する。こうして、両ヘッダタンク(2)(3)が製造されている。
すべての熱交換管(4)は、右端部が第1ヘッダタンク(2)の入口ヘッダ部(10A)内に通じるとともに左端部が第2ヘッダタンク(3)の中間ヘッダ部(20)内の上部に通じる複数の熱交換管(4)からなる熱交換管群と、右端部が第1ヘッダタンク(2)の出口ヘッダ部(10B)内に通じるとともに左端部が第2ヘッダタンク(3)の中間ヘッダ部(20)内の下部に通じる複数の熱交換管(4)からなる熱交換管群とに分けられることにより、第1および第2の2つのパス(P1)(P2)に区分されており、各パス(P1)(P2)を構成する全ての熱交換管(4)における冷媒の流れ方向が同一となっているとともに、2つのパス(P1)(P2)の熱交換管(4)における冷媒の流れ方向が異なっている。
各パス(P1)(P2)を構成する熱交換管(4)の数を全熱交換管(4)の数で除した値を「管比」と定義した場合、各パス(P1)(P2)の管比は0.45〜0.55となっていることが好ましい。なお、第1パス(P1)の管比と第2パス(P2)の管比の合計は1となる。上記管比が0.45未満であるか、あるいは0.55を超えた場合、このガスクーラ(1)のいずれか一方のパス(P1)(P2)における熱交換管(4)内で発生する圧力損失が増大するおそれがある。各パス(P1)(P2)の管比は、0.48〜0.52であることが好ましい。この場合も、第1パス(P1)の管比と第2パス(P2)の管比の合計は1となる。
熱交換管(4)は、図9および図10に示すように、互いに対向する平らな上下壁(31)(32)(1対の平坦壁)と、上下壁(31)(32)の前後両側縁どうしにまたがる前後両側壁(33)(34)と、前後両側壁間(33)(34)において上下壁(31)(32)にまたがるとともに長さ方向に伸びかつ相互に所定間隔をおいて設けられた複数の補強壁(35)とよりなり、内部に幅方向に並んだ複数の冷媒通路(4a)を有するものである。
前側壁(33)は2重構造であり、上壁(31)の前側縁より下方隆起状に一体成形されかつ熱交換管(4)の全高にわたる外側側壁用凸条(36)と、外側側壁用凸条(36)の内側において上壁(31)より下方隆起状に一体成形された内側側壁用凸条(37)と、下壁(32)の前側縁より上方隆起状に一体成形された内側側壁用凸条(38)とよりなる。外側側壁用凸条(36)は、下端部が下壁(32)の下面前側縁部に係合された状態で両内側側壁用凸条(37)(38)および下壁(32)にろう付されている。両内側側壁用凸条(37)(38)は、相互に突き合わされてろう付されている。後側壁(34)は、上下壁(31)(32)と一体に形成されている。下壁(32)の内側側壁用凸条(38)の先端面に、その長手方向に伸びる凸起(38a)が全長にわたって一体に形成され、上壁(31)の内側側壁用凸条(37)の先端面に、その長手方向に伸びかつ凸起(38a)が圧入される凹溝(37a)が全長にわたって形成されている。
補強壁(35)は、上壁(31)より下方隆起状に一体成形された補強壁用凸条(40)(41)と、下壁(32)より上方隆起状に一体成形された補強壁用凸条(42)(43)とが、相互に突き合わされてろう付されることにより形成されている。上壁(31)および下壁(32)には、それぞれ突出高さの異なる高低2種の補強壁用凸条(40)(41)(42)(43)が前後方向に交互に形成されており、上壁(31)における突出高さの高い補強壁用凸条(40)と下壁(32)における突出高さの低い補強壁用凸条(43)とがろう付され、上壁(31)における突出高さの低い補強壁用凸条(41)と下壁(32)における突出高さの高い補強壁用凸条(42)とがろう付されている。以下、上下両壁(31)(32)の突出高さの高い補強壁用凸条(40)(42)をそれぞれ第1補強壁用凸条といい、同じく低い補強壁用凸条(41)(43)をそれぞれ第2補強壁用凸条というものとする。上下両壁(31)(32)の第2補強壁用凸条(41)(43)の先端面に、その長手方向に伸びかつ他方の壁(32)(31)の第1補強壁用凸条(42)(40)の先端部が嵌る凹溝(44)(45)が全長にわたって形成されており、上下両壁(31)(32)の第1補強壁用凸条(40)(42)の先端部が凹溝(45)(44)内に嵌め入れられた状態で、両補強壁用凸条(40)(43)および(41)(42)がろう付されている。
熱交換管(4)は、図11(a)に示すような管製造用金属板(50)を用いて製造される。管製造用金属板(50)は両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートに圧延加工を施すことにより形成されており、平らな上壁形成部(51)(平坦壁形成部)および下壁形成部(52)(平坦壁形成部)と、上壁形成部(51)および下壁形成部(52)を連結しかつ後側壁(34)を形成する連結部(53)と、上壁形成部(51)および下壁形成部(52)における連結部(53)とは反対側の側縁より上方隆起状に一体成形されかつ前側壁(33)の内側部分を形成する内側側壁用凸条(37)(38)と、上壁形成部(51)における連結部(53)とは反対側の側縁を外側方に延長することにより形成された外側側壁用凸条形成部(54)と、管製造用金属板(50)の幅方向に所定間隔をおいて上壁形成部(51)および下壁形成部(52)よりそれぞれ上方隆起状に一体成形された複数の補強壁用凸条(40)(41)(42)(43)とを備えており、上壁形成部(51)の第1補強壁用凸条(40)と下壁形成部(52)の第2補強壁用凸条(43)、および上壁形成部(51)の第2補強壁用凸条(41)と下壁形成部(52)の第1補強壁用凸条(42)とが、それぞれ連結部(53)の幅方向の中心線に対して対称となる位置にある。下壁形成部(52)の内側側壁用凸条(38)の先端面に凸起(38a)が、上壁形成部(51)の内側側壁用凸条(37)の先端面に凹溝(37a)がそれぞれ形成されている。また、上壁形成部(51)および下壁形成部(52)の第2補強壁用凸条(41)(43)の先端面には、他方の壁形成部(52)(51)の第1補強壁用凸条(42)(40)の先端部が嵌る凹溝(44)(45)が形成されている。
なお、両面にろう材がクラッドされたアルミニウムブレージングシートに圧延加工を施してその片面に側壁用凸条(37)(38)および補強壁用凸条(40)(41)(42)(43)が一体成形されていることにより、側壁用凸条(37)(38)および補強壁用凸条(40)(41)(42)(43)の両側面および先端面と、第2補強壁用凸条(41)(43)の凹溝(44)(45)の内周面と、上下壁形成部(50)(51)および外側側壁用凸条形成部(54)の上下両面とにろう材層(図示略)が形成される。
そして、管製造用金属板(50)を、ロールフォーミング法により、連結部(53)の両側縁で順次折り曲げていき(図11(b)参照)、最後にヘアピン状に折り曲げて内側側壁用凸条(37)(38)どうしを突き合わせるとともに、第1補強壁用凸条(40)(42)の先端部を第2補強壁用凸条(43)(41)の凹溝(45)(44)内に嵌め入れ、さらに凸起(38a)を凹溝(37a)内に圧入する。
ついで、外側側壁用凸条形成部(54)を折り曲げていき、両内側側壁用凸条(37)(38)の外面に沿わせるとともに、その先端部を変形させて下壁形成部(52)に係合させて折り曲げ体(55)を得る(図11(c)参照)。
その後、折り曲げ体(55)を所定温度に加熱し、内側側壁用凸条(37)(38)の先端部どうし、ならびに第1補強壁用凸条(40)(42)および第2補強壁用凸条(43)(41)の先端部どうしをそれぞれろう付するとともに、外側側壁用凸条形成部(54)と両内側側壁用凸条(37)(38)および下壁形成部(52)とをろう付することにより、熱交換管(4)が製造される。
熱交換管(4)の両端部は、それぞれ両ヘッダタンク(2)(3)の内側プレート(8)の管挿入穴(18)および中間プレート(9)の連通穴(22)内に挿入されるとともに、その端面が中間プレート(9)の段部(25)に当接した状態で、内側プレート(8)のろう材層および上述した管製造用金属板(50)のろう材層を利用して、内側プレート(8)の管挿入穴(18)および中間プレート(9)の連通穴(22)の内周面にろう付されている。
したがって、上半分の複数の熱交換管(4)の右端部は入口ヘッダ部(10A)内に通じるように第1ヘッダタンク(2)に接続され、左端部は中間ヘッダ部(20)内に通じるように第2ヘッダタンク(3)に接続されている。また、下半分の複数の熱交換管(4)の右端部は出口ヘッダ部(10B)内に通じるように第1ヘッダタンク(2)に接続され、左端部は中間ヘッダ部(20)内に通じるように第2ヘッダタンク(3)に接続されている。
コルゲートフィン(5)は両面にろう材層を有するブレージングシート、ここではアルミニウムブレージングシートを用いて波状に形成されたものである。
ガスクーラ(1)は、ヘッダタンク(2)(3)を製造する際の上述した2つの仮止め体と、複数の上述した折り曲げ体(55)と、複数のコルゲートフィン(5)とを用意すること、2つの仮止め体を、内側プレート(8)どうしが対向するように間隔をおいて配置すること、複数の折り曲げ体(55)とコルゲートフィン(5)とを交互に配置すること、折り曲げ体(55)の両端部をそれぞれ両仮止め体の内側プレート(8)の管挿入穴(18)および中間プレート(9)の連通穴(22)に挿入するとともに、その端面を中間プレート(9)の段部(25)に当接させること、両端のコルゲートフィン(5)の外側にサイドプレート(6)を配置すること、第1ヘッダタンク(2)を形成する外側プレート(7)の外方膨出部(11A)(11B)に入口部材(13)および出口部材(16)を配置すること、ならびに仮止め体の必要部分を上述したようにろう付してヘッダタンク(2)(3)を形成すると同時に、折り曲げ体(55)の必要部分を上述したようにろう付して熱交換管(4)を形成し、さらに熱交換管(4)をヘッダタンク(2)(3)に、フィン(5)を熱交換管(4)に、サイドプレート(6)をフィン(5)に、入口部材(13)および出口部材(16)を外方膨出部(11A)(11B)にそれぞれろう付することによって製造される。
ガスクーラ(1)は、圧縮機、エバポレータ、減圧器およびガスクーラから出てきた冷媒とエバポレータから出てきた冷媒とを熱交換させる中間熱交換器とともに超臨界冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして車両、たとえば自動車に搭載される。
上述したガスクーラ(1)において、圧縮機を通過したCO2 が、入口部材(13)の冷媒流入路(14)を通って冷媒入口(12)から第1ヘッダタンク(2)の入口ヘッダ部(10A)内に入り、分流して第1パス(P1)のすべての熱交換管(4)の冷媒通路(4a)内に流入する。冷媒通路(4a)内に流入したCO2は、冷媒通路(4a)内を左方に流れて第2ヘッダタンク(3)の中間ヘッダ部(20)内に流入する。中間ヘッダ部(20)内に流入したCO2はその内部を通って下方に流れ、分流して第2パス(P2)のすべての熱交換管(4)の冷媒通路(4a)内に流入し、流れ方向を変えて冷媒通路(4a)内を右方に流れて第1ヘッダタンク(2)の出口ヘッダ部(10B)内に入る。その後、CO2は冷媒出口(15)および出口部材(16)の冷媒流出路(17)を通って流出する。そして、CO2が熱交換管(4)の冷媒通路(4a)内を流れる間に、通風間隙を図1に矢印Xで示す方向に流れる空気と熱交換し、冷却される。
上記超臨界冷凍サイクルの圧縮機においては、通常、摺動部の潤滑のために潤滑油が使用されており、そのため超臨界冷媒中に1〜5質量%程度の潤滑油が必然的に混入している。そして、入口ヘッダ部(10A)内に流入した超臨界冷媒中に混入している潤滑油は、重力により入口ヘッダ部(10A)内の下端部に至り、潤滑油バイパス通路(28)を通って出口ヘッダ部(10B)内に流れ込む。そして、冷媒出口(15)および出口部材(16)の冷媒流出路(17)を通ってCO2とともに流出する。したがって、冷媒に混入している圧縮機の潤滑油が入口ヘッダ部(10A)内の下端部に溜まり、潤滑油が第1パス(P1)の下端部側に位置する熱交換管(4)内に流入することが防止される。その結果、第1パス(P1)の下端部側に位置する熱交換管(4)における冷媒流量の減少に伴う熱交換性能の悪化が防止され、ガスクーラ(1)全体の熱交換効率の低下が防止される。
図12は潤滑油バイパス通路の変形例を示す。
図12において、仕切部分(27)に形成された潤滑油バイパス通路(60)は、外側プレート(7)の平坦部分(26)および中間プレート(9)にそれぞれ形成された溝(61)(62)からなる。図12に示す潤滑油バイパス通路(60)の場合にも、相当径は1〜2mmであることが好ましい。
次に、上述した実施形態のガスクーラ(1)を用いて行った実験例を示す。
熱交換管(4)およびコルゲートフィン(5)からなる熱交換コア部の高さHc:380mm、熱交換コア部の幅Wc:660mm、熱交換管(4)の幅:16mm、熱交換管(4)の総数:51本 とし、第1パス(P1)の熱交換管(4)の数:26本(チューブ比0.51)、第2パス(P2)の熱交換管(4)の数:25本(チューブ比0.49)であるガスクーラ(1)を使用し、潤滑油バイパス通路(28)の相当径を種々変化させて、入口空気温度(熱交換コア部に流入する空気の温度):35〜40℃、前面風速(熱交換コア部に流入する空気の流速):1.5〜2.5m/Sという条件で放熱量を求めた。
潤滑油バイパス通路(28)の相当径と放熱量との関係を図13に示す。図13に示す結果から、潤滑油バイパス通路(28)の相当径が1〜2mmの範囲内にあるときに、ガスクーラの放熱性能が優れていることが分かる。
上記実施形態においては、この発明による熱交換器が適用されたガスクーラ(1)における第1ヘッダタンク(2)のヘッダ部(10A)(10B)の数が2であり、第2ヘッダタンク(3)のヘッダ部(20)の数が1であり、パス(P1)(P2)の数が2であるが、これに限定されるものではなく、第1ヘッダタンク(2)のヘッダ部の数が3以上であり、第2ヘッダタンク(3)のヘッダ部の数が第1ヘッダタンク(2)のヘッダ部の数よりも1つ少なく、パスの数が第1ヘッダタンク(2)のヘッダ部の数と同一であってもよい。また、この発明による熱交換器は、第1ヘッダタンクに、その長さ方向に並んだ複数のヘッダ部が設けられ、第2ヘッダタンクに、第1ヘッダタンクのヘッダ部と同数のヘッダ部がその長さ方向に並んで設けられ、第1ヘッダタンクの長さ方向の一端部のヘッダ部に冷媒入口が設けられるとともに、第2ヘッダタンクにおける冷媒入口とは反対側の端部のヘッダ部に冷媒出口が設けられ、すべての熱交換管が、ヘッダタンクの長さ方向に連続して並んだ複数の熱交換管からなりかつ両ヘッダタンクのヘッダ数よりも1つ多い数のパスに区分されているガスクーラに適用される場合もある。
また、上記の実施形態においては、超臨界冷凍サイクルの超臨界冷媒として、CO2が使用されているが、これに限定されるものではなく、エチレン、エタン、酸化窒素などが使用可能である。
さらに、上記の実施形態においては、熱交換管(4)は、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートからなる管製造用金属板を曲げた折り曲げ体(55)からなるが、これに限定されるものではなく、たとえば外周面にろう材層を有するアルミニウム押出形材からなるものであってもよい。
(1):ガスクーラ(熱交換器)
(2):第1ヘッダタンク
(3):第2ヘッダタンク
(4):熱交換管
(7):外側プレート
(8):内側プレート
(9):中間プレート
(10A):入口ヘッダ部
(10B):出口ヘッダ部
(11A)(11B):外方膨出部
(12):冷媒入口
(15):冷媒出口
(18):管挿入穴
(20):中間ヘッダ部
(22):連通穴
(23):連通部
(24):外方膨出部
(26):平坦部分
(27):仕切部分
(28)(60):潤滑油バイパス通路
(29)(61)(62):溝
(2):第1ヘッダタンク
(3):第2ヘッダタンク
(4):熱交換管
(7):外側プレート
(8):内側プレート
(9):中間プレート
(10A):入口ヘッダ部
(10B):出口ヘッダ部
(11A)(11B):外方膨出部
(12):冷媒入口
(15):冷媒出口
(18):管挿入穴
(20):中間ヘッダ部
(22):連通穴
(23):連通部
(24):外方膨出部
(26):平坦部分
(27):仕切部分
(28)(60):潤滑油バイパス通路
(29)(61)(62):溝
Claims (11)
- 互いに間隔をおいて配置されかつ上下方向にのびる1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に並列状に配置されかつ両端部がそれぞれ両ヘッダタンクに接続された複数の熱交換管とを備えており、第1ヘッダタンクに、上下方向に並んだ複数のヘッダ部が設けられるとともに、第1ヘッダタンクの上端部のヘッダ部が、冷媒入口を有する入口ヘッダ部となっており、第2ヘッダタンクに少なくとも1つのヘッダ部が設けられている熱交換器において、
第1ヘッダタンクにおける入口ヘッダ部内とこれに隣接するヘッダ部内とを仕切る仕切部分に、両ヘッダ部内どうしを通じさせる潤滑油バイパス通路が形成されている熱交換器。 - 潤滑油バイパス通路の相当直径が1〜2mmである請求項1記載の熱交換器。
- 両ヘッダタンクが、それぞれ外側プレートと、内側プレートと、これら両プレート間に介在させられた中間プレートとが互いに積層されてろう付されることにより構成され、第1ヘッダタンクの外側プレートに、上下方向にのびかつ中間プレートにより開口が閉鎖された複数の外方膨出部が形成されるとともに、第1ヘッダタンクの各外方膨出部と対応する部分がヘッダ部となっており、第2ヘッダタンクの外側プレートに、上下方向にのびかつ中間プレートにより開口が閉鎖された少なくとも1つの外方膨出部が形成されるとともに、第2ヘッダタンクの外方膨出部と対応する部分がヘッダ部となっており、両ヘッダタンクの内側プレートにおける外方膨出部と対応する部分に、複数の管挿入穴が長さ方向に間隔をおいて貫通状に形成され、両ヘッダタンクの中間プレートに、内側プレートの各管挿入穴を外側プレートの外方膨出部内に通じさせる連通穴が貫通状に形成されており、熱交換管の両端部が両ヘッダタンクの内側プレートの管挿入穴内に挿入されて内側プレートにろう付されることにより、熱交換管の両端部が両ヘッダタンクのヘッダ部内に通じさせられ、第1ヘッダタンクの外側プレートにおける上端の外方膨出部とこれに隣接する外方膨出部との間の平坦部分、およびこの平坦部分にろう付された中間プレートの一部分により仕切部分が形成されており、当該仕切部分において、外側プレートの平坦部分の左右方向内面と中間プレートの左右方向外面との間に潤滑油バイパス通路が形成されている請求項1または2記載の熱交換器。
- 潤滑油バイパス通路が、外側プレートおよび中間プレートのうちのいずれか一方の形成された溝からなる請求項3記載の熱交換器。
- 潤滑油バイパス通路が、外側プレートおよび中間プレートにそれぞれ形成された溝からなる請求項5記載の熱交換器。
- 第1のヘッダタンクに、上下方向に並んだ複数のヘッダ部が設けられ、第2のヘッダタンクに、第1ヘッダタンクのヘッダ部の数よりも1つ少ないヘッダ部が、第1ヘッダタンクの隣り合う2つのヘッダ部に跨るように設けられ、第1ヘッダタンクの下端部のヘッダ部が冷媒出口を有する出口ヘッダ部となされ、すべての熱交換管が、上下方向に連続して並んだ複数の熱交換管からなりかつ第1ヘッダタンクのヘッダ数と同数のパスに区分されている請求項1〜5のうちのいずれかに記載の熱交換器。
- 第1ヘッダタンクのヘッダ部の数が2であり、第2ヘッダタンクのヘッダ部の数が1であり、パスの数が2である請求項6記載の熱交換器。
- 圧縮機、ガスクーラ、エバポレータ、減圧器、およびガスクーラから出てきた冷媒とエバポレータから出てきた冷媒とを熱交換させる中間熱交換器を備えており、かつ超臨界冷媒を用いる冷凍サイクルであって、ガスクーラが請求項1〜7のうちのいずれかに記載の熱交換器からなる超臨界冷凍サイクル。
- 超臨界冷媒が二酸化炭素からなる請求項8記載の超臨界冷凍サイクル。
- 超臨界冷媒に混入している圧縮機潤滑油の量が1質量%以上である請求項8または9記載の超臨界冷凍サイクル。
- 請求項8〜10のうちのいずれかに記載の超臨界冷凍サイクルがカーエアコンとして搭載されている車両。
Priority Applications (1)
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JP2005374240A JP2007178017A (ja) | 2005-12-27 | 2005-12-27 | 熱交換器 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011064379A (ja) * | 2009-09-16 | 2011-03-31 | Showa Denko Kk | 熱交換器 |
CN111895845A (zh) * | 2019-05-05 | 2020-11-06 | 浙江三花智能控制股份有限公司 | 集管组件及换热器 |
CN113412408A (zh) * | 2018-12-19 | 2021-09-17 | 法雷奥热系统公司 | 带有钎焊端部凸缘的热交换器 |
-
2005
- 2005-12-27 JP JP2005374240A patent/JP2007178017A/ja not_active Abandoned
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