JP4786234B2 - 熱交換器 - Google Patents

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この発明は、たとえば自動車の冷凍サイクルであるカーエアコンのエバポレータとして好適に用いられる熱交換器に関する。
この明細書および特許請求の範囲において、隣接する熱交換管どうしの間の通風間隙を流れる空気の下流側(図1に矢印Xで示す方向、図3の右側)を前、これと反対側を後というものとする。また、後方から前方を見た際の上下、左右(図2の上下、左右)を上下、左右というものとする。
従来、カーエアコン用エバポレータとして、1対の皿状プレートを対向させて周縁部どうしをろう付してなる複数の偏平中空体が並列状に配置され、隣接する偏平中空体間にルーバ付きコルゲートフィンが配置されて偏平中空体にろう付された、所謂積層型エバポレータが広く用いられていた。ところが、近年、エバポレータのさらなる小型軽量化および高性能化が要求されるようになってきた。
そして、このような要求を満たすエバポレータとして、本出願人は、先に、間隔をおいて配置された複数の熱交換管からなる熱交換管群が前後方向に並んで2列配置されるとともに、ルーバ付きコルゲートフィンが隣接する熱交換管間に配置されることにより構成された熱交換コア部と、熱交換コア部の上端側に配置された冷媒入出用タンクと、熱交換コア部の下端側に配置された冷媒ターン用タンクとを備えており、冷媒入出用タンク内が仕切壁により前側に位置する冷媒入口ヘッダ部と後側に位置する冷媒出口ヘッダ部とに区画され、冷媒入口ヘッダ部の一端部に冷媒入口が形成されるとともに、冷媒出口ヘッダ部における冷媒入口と同一端部に冷媒出口が形成され、冷媒ターン用タンク内が仕切壁により前側に位置する冷媒流入ヘッダ部と後側に位置する冷媒流出ヘッダ部とに仕切られ、冷媒ターン用タンクの仕切壁に長さ方向に間隔をおいて複数の冷媒通過穴が形成され、前側の熱交換管群の熱交換管の上端部が冷媒入口ヘッダ部に、後側の熱交換管群の熱交換管の上端部が冷媒出口ヘッダ部にそれぞれ接続され、前側の熱交換管群の熱交換管の下端部が冷媒流入ヘッダ部に、後側の熱交換管群の熱交換管の下端部が冷媒流出ヘッダ部にそれぞれ接続され、冷媒入出用タンクの冷媒入口ヘッダ部に流入した冷媒が、前側の熱交換管群の熱交換管を通って冷媒ターン用タンクの冷媒流入ヘッダ部内に流入し、ついで仕切壁の冷媒通過穴を通って冷媒流出ヘッダ部内に流入し、さらに後側の熱交換管群の熱交換管を通って冷媒入出用タンクの冷媒出口ヘッダ部に流入するようになされているエバポレータを提案した(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1記載のエバポレータにおいては、小型軽量化および高性能化が図られているので、従来の積層型エバポレータに比較して、伝熱面積に対する凝縮水の発生量が増加する。
その結果、下タンクの頂面上に比較的多くの凝縮水が溜まり、凝縮水の氷結が発生しやすくなってエバポレータの性能が低下するおそれがある。
このような問題を解決したエバポレータとして、下タンクにおける隣り合う熱交換管どうしの間に、排水溝が形成されたものが提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献2記載のエバポレータにおいても、下タンク頂面からの凝縮水の排水性は十分ではない。
特開2003−75024号公報 特開2004−53132号公報
この発明の目的は、上記問題を解決し、エバポレータとして使用した場合に下タンク上からの排水性が向上した熱交換器を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の態様からなる。
1)前後方向に幅広の偏平状である複数の熱交換管を有する熱交換コア部と、熱交換コア部の下端側に配置された下タンクとを備えており、熱交換コア部が、左右方向に間隔をおいて配置された複数の熱交換管からなり、かつ前後方向に並んだ2列の熱交換管群を有し、下タンクの前側部分および後側部分に、それぞれ前後方向に長い複数の管挿通穴が左右方向に間隔をおいて形成され、熱交換管が、下タンクに形成された管挿通穴に挿通された状態で下タンクに接続されている熱交換器において、
下タンクに、前側の管挿通穴の前端部に連なって前方に伸び、かつ凝縮水を下タンク下方に排水する排水溝と、後側の管挿通穴に連なって後方に伸び、かつ凝縮水を下タンク下方に排水する排水溝とが形成されている熱交換器。
2)前側管挿通穴の前端部に連なって前方に伸びる排水溝の溝底が、管挿通穴から前方に遠ざかるにつれて徐々に下方に向かっており、後側管挿通穴の後端部に連なって後方に伸びる排水溝の溝底が、管挿通穴から前方に遠ざかるにつれて徐々に下方に向かっている上記1)記載の熱交換器。
3)下タンクが頂面および前後両側面を有しており、下タンクの頂面における前後方向外側部分に、前後方向外側に向かって徐々に低くなった低位部が形成されており、管挿通穴の前後方向外側端部が頂面の低位部に位置している上記1)または2)記載の熱交換器。
4)低位部が、水平面に対し、前後方向外側に向かって下方に傾斜している上記3)記載の熱交換器。
5)低位部の水平面に対する下向き傾斜角度が45度以上である上記4)記載の熱交換器。
6)下タンクの頂面における前後方向外側の低位部を除いた部分が、水平な平坦面となっている上記3)〜5)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
7)排水溝が、管挿通穴の前後方向外端部から下タンクの前後両側面まで伸びている上記3)〜6)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
8)排水溝における下タンク頂面の低位部に存在する部分の溝底が、水平面に対し、前後方向外側に向かって下方に傾斜している上記7)記載の熱交換器。
9)排水溝における下タンク頂面の低位部に存在する部分の溝底の水平面に対する下向き傾斜角度が45度以上である上記8)記載の熱交換器。
10)排水溝が、管挿通穴の前後方向外端部から下タンクの前後両側面における高さの中間部まで伸び、下タンクの前後両側面における排水溝の形成された部分が、段差部を介してこれよりも下方の部分に対して前後方向外側に位置しており、排水溝の下端が段差部に開口している上記7)〜9)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
11)下タンクが、熱交換管が接続された第1部材と、第1部材における熱交換管とは反対側の部分に接合された第2部材とよりなり、第1部材が下タンクの頂面および前後両側面の上側部分を形成し、第2部材が下タンクの底面および前後両側面の下側部分を形成し、管挿通穴および排水溝が第1部材に形成されている上記1)〜10)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
12)下タンクの第1部材と第2部材との接合部に段差部が設けられており、これにより第1部材の前後両側面が、段差部を介して第2部材の前後両側面に対して前後方向外側に位置し、排水溝の下端が段差部に開口している上記11)記載の熱交換器。
13)下タンクの頂面における管挿通穴の左右両側部分が、管挿通穴に向かって下方に傾斜している上記1)〜12)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
14)熱交換管の一端側における前側に配置され、かつ1列の熱交換管群が接続された冷媒入口ヘッダ部と、熱交換管の一端側において冷媒入口ヘッダ部の後側に配置され、かつ1列の熱交換管群が接続された冷媒出口ヘッダ部と、熱交換管の他端側に配置され、かつ冷媒入口ヘッダ部に接続されている熱交換管が接続された第1の中間ヘッダ部と、熱交換管の他端側において第1の中間ヘッダ部の後側に配置され、かつ冷媒出口ヘッダ部に接続されている熱交換管が接続された第2の中間ヘッダ部とを備えており、両中間ヘッダ部が下タンク内を仕切手段により前後に区画することにより形成されているとともに、両中間ヘッダ部が相互に連通させられている上記1)〜13)うちのいずれかに記載の熱交換器。
15)熱交換管が偏平状であって、その幅方向を前後方向に向けて配置されており、熱交換管の厚みである管高さが0.75〜1.5mmである上記1)〜14)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
16)隣り合う熱交換管間にフィンが配置されており、フィンが、波頂部、波底部および波頂部と波底部とを連結する平坦な連結部とよりなるコルゲート状であり、フィン高さである波頂部と波底部との直線距離が7.0mm〜10.0mm、同じくフィンピッチである連結部のピッチが1.3〜1.7mmである上記1)〜15)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
17)コルゲートフィンの波頂部および波底部が、平坦部分と、平坦部分の両側に設けられかつ連結部に連なったアール状部分とよりなり、アール状部分の曲率半径が0.7mm以下である上記16)記載の熱交換器。
18)圧縮機、コンデンサおよびエバポレータを備えており、エバポレータが、上記1)〜17)のうちのいずれかに記載の熱交換器からなる冷凍サイクル。
19)上記18)記載の冷凍サイクルが、エアコンとして搭載されている車両。
20)上記19)記載の冷凍サイクルが、エアコンとして搭載されている車両。
上記1)の熱交換器によれば、下タンクに、凝縮水を下タンク下方に排水する排水溝が、各管挿通穴の前後方向外端部に連なって形成されているので、下タンク上に流下した凝縮水は排水溝内を流れて下タンク下方に排水される。したがって、下タンク上からの凝縮水の排水性が向上し、下タンク上に多くの凝縮水が溜まることに起因する凝縮水の氷結が防止され、その結果エバポレータとして使用した場合の性能低下が防止される。すなわち、フィンや熱交換管の表面に発生した凝縮水は、熱交換管の前後方向外側端面を伝って流下することが多いが、排水溝が各管挿通穴の前後方向外端部に連なって形成されていると、熱交換管の前後方向外側端面を伝って流下した凝縮水は直接排水溝内に入り、その結果排水溝内を流れて下タンク下方に排水されやすくなって排水性が向上する。
上記2)の熱交換器によれば、排水溝の溝底が、管挿通穴から遠ざかるにつれて徐々に下方に向かっているので、排水溝内の凝縮水の流れがスムーズになり、排水性が向上する。
上記3)および4)の熱交換器によれば、熱交換管の前後方向外側端面に沿って流下した凝縮水に重力が大きく影響し、表面張力による下タンク上への滞留が起こりにくくなって、排水性が向上する。
上記5)の熱交換器によれば、上記3)および4)の効果が一層優れたものになる。
上記6)の熱交換器によれば、下タンクの頂面における低位部を除いた水平平坦面上の凝縮水は、隣り合う熱交換管どうしの間の通風間隙を流れる風によって、水平平坦面上に滞留しようとする表面張力に打ち勝って通風方向下流側、ここでは前側に流れ、排水溝内に入るとともに排水溝内を流れて下タンク下方へ排水されるか、あるいは低位部に沿って流れて下タンク下方へ排水される。したがって、下タンク上に多くの凝縮水が溜まることに起因する凝縮水の氷結が防止され、その結果エバポレータとして使用した場合の性能低下が防止される。
上記7)の熱交換器によれば、排水溝内を流れた凝縮水は、下タンクの前後両側面に存在する部分の下端部から下タンク下方へ落下することになり、排水効率が向上する。
上記8)の熱交換器によれば、排水溝内の凝縮水に比較的大きな重力が作用し、排水溝内に滞留しようとする表面張力に打ち勝って凝縮水が排水される。
上記9)の熱交換器によれば、上記8)の効果が一層優れたものになる。
上記10)の熱交換器によれば、凝縮水が、排水溝における下タンクの前後両側面に存在する部分の下端部から下タンク下方へ落下しやすくなる。
上記11)の熱交換器によれば、たとえば金属素板にプレス加工を施すことにより、管挿通穴および排水溝を有する第1部材を形成することができ、その製造作業が比較的簡単になる。
上記12)の熱交換器によれば、排水溝内を流れた凝縮水が、排水溝の下端部から下タンク下方へ落下しやすくなる。しかも、下タンクの前後両側面における排水溝が形成された部分を、これよりも下方の部分よりも前後方向外側に位置させることおよび排水溝の下端を段差部下面に開口させることを、比較的簡単に行うことができる。
上記13)の熱交換器によれば、下タンクの頂面における管挿通穴の左右両側の傾斜部と、熱交換管の下端部との間に凹所が形成されることになり、下タンクの頂面に流下した凝縮水は、キャピラリ効果により凹所内に入り、凹所の前後方向外端部から排水溝内に入るとともに排水溝内を流れて下タンク下方へ排水される。したがって、下タンク上に多くの凝縮水が溜まることに起因する凝縮水の氷結が防止され、その結果エバポレータとして使用した場合の性能低下が防止される。
上記15)の熱交換器によれば、通気抵抗の増大を抑制しつつ熱交換性能を向上させ、両者のバランスを良好にすることができる。
上記16)の熱交換器によれば、通気抵抗の増大を抑制しつつ熱交換性能を向上させ、両者のバランスを良好にすることができる。
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。この実施形態は、この発明による熱交換器を、フロン系冷媒を用いたカーエアコン用エバポレータに適用したものである。
図1および図2はこの発明による熱交換器を適用したカーエアコン用エバポレータの全体構成を示し、図3〜図8は要部の構成を示す。また、図9はエバポレータにおける冷媒の流れ方を示す。
図1および図2において、フロン系冷媒を使用するカーエアコンに用いられるエバポレータ(1)は、上下方向に間隔をおいて配置されたアルミニウム製冷媒入出用タンク(2)およびアルミニウム製冷媒ターン用タンク(3)(下タンク)と、両タンク(2)(3)間に設けられた熱交換コア部(4)とを備えている。
冷媒入出用タンク(2)は、前側(通風方向下流側)に位置する冷媒入口ヘッダ部(5)と後側(通風方向上流側)に位置する冷媒出口ヘッダ部(6)とを備えている。冷媒入出用タンク(2)の冷媒入口ヘッダ部(5)にアルミニウム製冷媒入口管(7)が接続され、同じく冷媒出口ヘッダ部(6)にアルミニウム製冷媒出口管(8)が接続されている。冷媒ターン用タンク(3)は、前側に位置する中間ヘッダ部としての冷媒流入ヘッダ部(9)と、後側に位置する中間ヘッダ部としての冷媒流出ヘッダ部(11)とを備えている。
熱交換コア部(4)は、左右方向に間隔をおいて並列状に配置された複数の熱交換管(12)からなる熱交換管群(13)が、前後方向に並んで複数列、ここでは2列配置されることにより構成されている。各熱交換管群(13)の隣接する熱交換管(12)どうしの間の通風間隙、および各熱交換管群(13)の左右両端の熱交換管(12)の外側にはそれぞれコルゲートフィン(14)が配置されて熱交換管(12)にろう付されている。左右両端のコルゲートフィン(14)の外側にはそれぞれアルミニウム製サイドプレート(15)が配置されてコルゲートフィン(14)にろう付されている。前側熱交換管群(13)の熱交換管(12)の上下両端は冷媒入口ヘッダ部(5)および冷媒流入ヘッダ部(9)に接続され、後側熱交換管群(13)の熱交換管(12)の上下両端部は冷媒出口ヘッダ部(6)および冷媒流出ヘッダ部(11)に接続されている。そして、冷媒流入ヘッダ部(9)、冷媒流出ヘッダ部(11)およびすべての熱交換管(12)により、冷媒入口ヘッダ部(5)と冷媒出口ヘッダ部(6)とを通じさせる冷媒循環経路が構成されている。
図3および図4に示すように、冷媒入出用タンク(2)は、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートから形成されかつ熱交換管(12)が接続されたプレート状の第1部材(16)と、アルミニウム押出形材から形成されたベア材よりなりかつ第1部材(16)の上側を覆う第2部材(17)と、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートから形成されかつ両部材(16)(17)の両端に接合されて左右両端開口を閉鎖するアルミニウム製キャップ(18)(19)とよりなり、右側キャップ(19)の外面に、冷媒入口ヘッダ部(5)および冷媒出口ヘッダ部(6)に跨るように、前後方向に長いアルミニウム製のジョイントプレート(21)がろう付されている。ジョイントプレート(21)に、冷媒入口管(7)および冷媒出口管(8)が接続されている。
第1部材(16)は、その前後両側部分に、それぞれ中央部が下方に突出した曲率の小さい横断面円弧状の湾曲部(22)を有している。各湾曲部(22)に、前後方向に長い複数の管挿通穴(23)が、左右方向に間隔をおいて形成されている。前後両湾曲部(22)の管挿通穴(23)は、それぞれ左右方向に関して同一位置にある。前側湾曲部(22)の前縁および後側湾曲部(22)の後縁に、それぞれ立ち上がり壁(22a)が全長にわたって一体に形成されている。また、第1部材(16)の両湾曲部(22)間の平坦部(24)に、複数の貫通穴(25)が左右方向に間隔をおいて形成されている。
第2部材(17)は下方に開口した横断面略m字状であり、左右方向に伸びる前後両壁(26)と、前後両壁(26)間の中央部に設けられかつ左右方向に伸びるとともに冷媒入出用タンク(2)内を前後2つの空間に仕切る仕切壁(27)と、前後両壁(26)および仕切壁(27)の上端どうしをそれぞれ一体に連結する上方に突出した2つの略円弧状連結壁(28)とを備えている。第2部材(17)の後壁(26)の下端部と仕切壁(27)の下端部とは、分流用抵抗板(29)により全長にわたって一体に連結されている。分流用抵抗板(29)の後側部分における左右両端部を除いた部分には、左右方向に長い複数の冷媒通過穴(31A)(31B)が左右方向に間隔をおいて貫通状に形成されている。仕切壁(27)の下端は前後両壁(26)の下端よりも下方に突出しており、その下縁に、下方に突出しかつ第1部材(16)の貫通穴(25)に嵌め入れられる複数の突起(27a)が左右方向に間隔をおいて一体に形成されている。突起(27a)は、仕切壁(27)の所定部分を切除することにより形成されている。
右側キャップ(19)の前側には、冷媒入口ヘッダ部(5)内に嵌め入れられる左方突出部(32)が一体に形成され、同じく後側には、冷媒出口ヘッダ部(6)の分流用抵抗板(29)よりも上側の空間(6a)内に嵌め入れられる上側左方突出部(33)と、分流用抵抗板(29)よりも下側の空間(6b)内に嵌め入れられる下側左方突出部(34)とが上下に間隔をおいて一体に形成されている。また、右側キャップ(19)の前後両側縁と上縁との間の円弧状部に、それぞれ左方に突出した係合爪(35)が一体に形成されている。さらに、右側キャップ(19)の下縁の前側部分および後側部分に、それぞれ左方に突出した係合爪(36)が一体に形成されている。右側キャップ(19)の前側の左方突出部(32)の底壁に冷媒入口(37)が形成され、同じく後側の上側左方突出部(33)の底壁に冷媒出口(38)が形成されている。左側キャップ(18)は右側キャップ(19)と左右対称形であり、冷媒入口ヘッダ部(5)内に嵌め入れられる右方突出部(39)、冷媒出口ヘッダ部(6)の分流用抵抗板(29)よりも上側の空間(6a)内に嵌め入れられる上側右方突出部(41)、分流用抵抗板(29)よりも下側の空間(6b)内に嵌め入れられる下側右方突出部(42)、および右方に突出した上下の係合爪(43)(44)が一体に形成されている。右方突出部(39)および上側右方突出部(41)の底壁には開口は形成されていない。両キャップ(18)(19)の上縁は、それぞれ冷媒入出用タンク(2)の第2部材(17)上面の両端と合致するように、2つの略円弧状部が前後方向の中央部において一体に連なったような形状となっている。また、両キャップ(18)(19)の下縁は、冷媒入出用タンク(2)の第1部材(16)下面の両端と合致するように、2つの略円弧状部が前後方向の中央部において平坦部を介して一体に連なったような形状となっている。
ジョイントプレート(21)は、右側キャップ(19)の冷媒入口(37)に通じる短円筒状冷媒流入口(45)と、同じく冷媒出口(38)に通じる短円筒状冷媒流出口(46)とを備えている。ジョイントプレート(21)の上下両縁部における冷媒流入口(45)と冷媒流出口(46)との間の部分には、それぞれ左方に突出した屈曲部(47)が形成されている。上側の屈曲部(47)は、右側キャップ(19)の上縁における2つの略円弧状部の間、および第2部材(17)の2つの連結壁(28)間に係合している。下側の屈曲部(47)は、右側キャップ(19)の下縁における2つの略円弧状部の間に形成された上記平坦部、および第1部材(16)の平坦部(24)に係合している。さらに、ジョイントプレート(21)の下縁の前後両端部には、それぞれ左方に突出した係合爪(48)が一体に形成されている。係合爪(48)は、右側キャップ(19)の下縁に係合している。ジョイントプレート(21)の冷媒流入口(45)に、冷媒入口管(7)の一端部に形成された縮径部が差し込まれてろう付され、同じく冷媒流出口(46)に、冷媒出口管(8)の一端部に形成された縮径部が差し込まれてろう付されている。図示は省略したが、冷媒入口管(7)および冷媒出口管(8)の他端部には、両管(7)(8)に跨るように膨張弁取付部材が接合されている。
冷媒入出用タンク(2)の第1および第2部材(16)(17)と、両キャップ(18)(19)と、ジョイントプレート(21)とは次のようにしてろう付されている。すなわち、第1および第2部材(16)(17)は、第2部材(17)の突起(27a)が第1部材(16)の貫通穴(25)に挿通されてかしめられることにより、第1部材(16)の前後の立ち上がり壁(22a)の上端部が第2部材(17)の前後両壁(26)の下端部に係合させられた状態で、第1部材(16)のろう材層を利用して相互にろう付されている。両キャップ(18)(19)は、前側の突出部(39)(32)が両部材(16)(17)における仕切壁(27)よりも前側の空間内に、後側の上突出部(41)(33)が両部材(16)(17)における仕切壁(27)よりも後側でかつ分流用抵抗板(29)よりも上側の空間内に、および後側の下突出部(42)(34)が仕切壁(27)よりも後側でかつ分流用抵抗板(29)よりも下側の空間内にそれぞれ嵌め入れられ、上側の係合爪(43)(35)が第2部材(17)の連結壁(28)に係合させられ、下側の係合爪(44)(36)が第1部材(16)の湾曲部(22)に係合させられた状態で、両キャップ(18)(19)のろう材層を利用して第1および第2部材(16)(17)にろう付されている。ジョイントプレート(21)は、屈曲部(47)が右側キャップ(19)および第2部材(17)に係合させられ、係合爪(48)が右側キャップ(19)に係合させられた状態で、右側キャップ(19)のろう材層を利用して右側キャップ(19)にろう付されている。
こうして、冷媒入出用タンク(2)が形成されており、第2部材(17)の仕切壁(27)よりも前側が冷媒入口ヘッダ部(5)、同じく仕切壁(27)よりも後側が冷媒出口ヘッダ部(6)となっている。また、冷媒出口ヘッダ部(6)は分流用抵抗板(29)により上下両空間(6a)(6b)に区画されており、これらの空間(6a)(6b)は冷媒通過穴(31A)(31B)により連通させられている。右側キャップ(19)の冷媒出口(38)は冷媒出口ヘッダ部(6)の上部空間(6a)内に通じている。さらに、ジョイントプレート(21)の冷媒流入口(45)が冷媒入口(37)に、冷媒流出口(46)が冷媒出口(38)にそれぞれ連通させられている。
図3および図5〜図8に示すように、冷媒ターン用タンク(3)は、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートから形成されかつ熱交換管(12)が接続されたプレート状の第1部材(50)と、アルミニウム押出形材から形成されたベア材よりなりかつ第1部材(50)の下側を覆う第2部材(51)と、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートから形成されかつ左右両端開口を閉鎖するアルミニウム製キャップ(52)とよりなり、頂面、前後両側面および底面を有している。冷媒ターン用タンク(3)の頂面は前後方向外側部分を除いて水平な平坦面(3a)となっており、頂面の前後方向外側部分には、水平面に対し、前後方向外側に向かって下方に直線状に傾斜した傾斜面からなる低位部(3b)が形成されている。低位部(3b)の水平面に対する下向き傾斜角度は45度以上であることが好ましい。冷媒ターン用タンク(3)の前後両側面は頂面の低位部(3b)に連なっている。
第1部材(50)は水平平坦壁(50a)と、水平平坦壁(50a)の前後両側縁に全長にわたって一体に形成されかつ前後方向外側に向かって下方に傾斜した傾斜壁(50b)と、傾斜壁(50b)の前後方向外側縁に全長にわたって一体に形成された垂下壁(50c)とよりなる。垂下壁(50c)の下端面は前後方向内方に向かって下方に傾斜しており、この下端面の外側部分により後述する段差部(60)が形成されるようになっている。そして、第1部材(50)の水平平坦壁(50a)の上面が冷媒ターン用タンク(3)の頂面の水平平坦面(3a)を形成し、同じく傾斜壁(50b)の外面が低位部(3b)を形成し、同じく垂下壁(50c)の外面が前後両側面の上側部分を形成している。
第1部材(50)の前後両側部分に、それぞれ前後方向に長い複数の管挿通穴(53)が左右方向に間隔をおいて形成されている。前後の管挿通穴(53)は左右方向に関して同一位置にある。管挿通穴(53)の前後方向外端部は傾斜壁(50b)に位置しており、これにより管挿通穴(53)の前後方向外端部は冷媒ターン用タンク(3)の頂面の低位部(3b)に位置している。また、第1部材(50)の平坦壁(50a)および傾斜壁(50b)における管挿通穴(53)の左右両側部分は、管挿通穴(53)に向かって下方に傾斜した傾斜部(54)となっており、各管挿通穴(53)の左右両側の傾斜部(54)により凹所(55)が形成されている(図8参照)。第1部材(50)の傾斜壁(50b)および垂下壁(50c)の外面に、凝縮水を冷媒ターン用タンク(3)下方に排水する排水溝(56)が、管挿通穴(53)の前後方向外端部に連なって形成されている。排水溝(56)の溝底は、管挿通穴(53)から遠ざかるにつれて徐々に下方に向かっている。排水溝(56)における傾斜壁(50b)、すなわち低位部(3b)に存在する部分の溝底は、水平面に対し、前後方向外側に向かって下方に直線状に傾斜している。排水溝(56)における低位部(3b)に存在する部分の溝底の水平面に対する傾斜角度は45度以上であることが好ましい。排水溝(56)における垂下壁(50c)に存在する部分の下端は、垂下壁(50c)の下端面に開口している(図6参照)。第1部材(50)の前後方向中央部に、複数の貫通穴(57)が左右方向に間隔をおいて形成されている。第1部材(50)は、アルミニウムブレージングシートにプレス加工を施すことによって、水平平坦壁(50a)、傾斜壁(50b)、垂下壁(50c)、管挿通穴(53)、傾斜部(54)、排水溝(56)および貫通穴(57)を同時に形成することによりつくられる。
第2部材(51)は上方に開口した横断面略w字状であり、前後方向外側に向かって上方に湾曲した左右方向に伸びる前後両壁(58)と、前後両壁(58)間の中央部に設けられかつ左右方向に伸びるとともに冷媒ターン用タンク(3)内を前後2つの空間に仕切る仕切手段としての垂直状仕切壁(59)と、前後両壁(58)および仕切壁(59)の下端どうしをそれぞれ一体に連結する2つの連結壁(61)とを備えている。前後両壁(58)の外面が冷媒ターン用タンク(3)の前後両側面の下側部分を形成し、同じく連結壁(61)の下面が底面を形成している。前後両壁(58)の上縁部外面は、第1部材(50)の垂下壁(50c)外面よりも前後方向内側に位置しており、これにより冷媒ターン用タンク(3)の第1部材(50)の垂下壁(50c)と、第2部材(51)の前後両壁(58)との接合部に段差部(60)が設けられるとともに、垂下壁(50c)の外面が段差部(60)を介して前後両壁(58)の外面に対して前後方向外側に位置し、排水溝(56)の下端全体が段差部(60)に開口している(図6参照)。また、前後両壁(58)の上縁部外面は、排水溝(56)における垂下壁(50c)に存在する部分の底面と面一となっている。仕切壁(59)の上端は前後両壁(58)の上端よりも上方に突出しており、その上縁に、上方に突出しかつ第1部材(50)の貫通穴(57)に嵌め入れられる複数の突起(59a)が左右方向に間隔をおいて一体に形成されている。また、仕切壁(59)における隣り合う突起(59a)間には、それぞれその上縁から冷媒通過用切り欠き(59b)が形成されている。突起(59a)および切り欠き(59b)は、仕切壁(59)の所定部分を切除することにより形成されている。
第2部材(51)は、前後両壁(58)、仕切壁(59)および連結壁(61)を一体に押出成形した後、仕切壁(59)を切除して突起(59a)および切り欠き(59b)を形成することにより製造される。
各キャップ(52)の前側には、冷媒流入ヘッダ部(9)内に嵌め入れられる左右方向内方への突出部(62)が一体に形成され、同じく後側には、冷媒流出ヘッダ部(11)内に嵌め入れられる左右方向内方への突出部(63)が一体に形成されている。また、各キャップ(52)の上縁に左右方向内方に突出した複数の係合爪(64)が前後方向に間隔をおいて一体に形成され、同じく前後両側縁と下縁との間の円弧状部に、それぞれ左右方向内方に突出した係合爪(65)が一体に形成されている。
冷媒ターン用タンク(3)の第1および第2部材(50)(51)と、両キャップ(52)とは次のようにしてろう付されている。第1および第2部材(50)(51)が、第2部材(51)の突起(59a)が貫通穴(57)に挿通されてかしめられることにより、第1部材(50)の前後の垂下壁(50c)の下端部が第2部材(51)の前後両壁(58)の上端部に係合させられた状態で、第1部材(50)のろう材層を利用して相互にろう付されている。両キャップ(52)は、前側の突出部(62)が両部材(50)(51)における仕切壁(59)よりも前側の空間内に、後側の突出部(63)が両部材(50)(51)における仕切壁(59)よりも後側の空間内にそれぞれ嵌め入れられ、上側の係合爪(64)が第1部材(50)に係合させられ、下側の係合爪(65)が第2部材(51)の前後両壁(58)に係合させられた状態で、各キャップ(52)のろう材層を利用して第1および第2部材(50)(51)にろう付されている。こうして、冷媒ターン用タンク(3)が形成されており、第2部材(51)の仕切壁(59)よりも前側が冷媒流入ヘッダ部(9)、同じく仕切壁(59)よりも後側が冷媒流出ヘッダ部(11)となっている。第2部材(51)の仕切壁(59)の切り欠き(59b)の上端開口は第1部材(50)によって閉じられ、これにより冷媒通過穴(66)が形成されている。
前後の熱交換管群(13)を構成する熱交換管(12)はアルミニウム押出形材からなり、前後方向に幅広の偏平状で、その内部に長さ方向に伸びる複数の冷媒通路(12a)が並列状に形成されている(図6および図7参照)。熱交換管(12)の上端部は冷媒入出用タンク(2)の第1部材(16)の管挿通穴(23)に挿通された状態で、第1部材(16)のろう材層を利用して第1部材(16)にろう付され、同じく下端部は冷媒ターン用タンク(3)の第1部材(50)の管挿通穴(53)に挿通された状態で、第1部材(50)のろう材層を利用して第1部材(50)にろう付されている。
ここで、熱交換管(12)の左右方向の厚みである管高さ(h)は0.75〜1.5mm(図8参照)、前後方向の幅である管幅は12〜18mm、周壁の肉厚は0.175〜0.275mm、冷媒通路どうしを仕切る仕切壁の厚さは0.175〜0.275mm、仕切壁のピッチは0.5〜3.0mm、前後両端壁の外面の曲率半径は0.35〜0.75mmであることが好ましい。
なお、熱交換管(12)としては、アルミニウム押出形材製のものに代えて、アルミニウム製電縫管の内部にインナーフィンを挿入することにより複数の冷媒通路を形成したものを用いてもよい。また、片面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートのろう材層側に圧延加工を施すことにより形成され、かつ連結部を介して連なった2つの平坦壁形成部と、各平坦壁形成部における連結部とは反対側の側縁より隆起状に一体成形された側壁形成部と、平坦壁形成部の幅方向に所定間隔をおいて両平坦壁形成部よりそれぞれ隆起状に一体成形された複数の仕切壁形成部とを備えた板を、連結部においてヘアピン状に曲げて側壁形成部どうしを突き合わせて相互にろう付し、仕切壁形成部により仕切壁を形成したものを用いてもよい。
図8に示すように、コルゲートフィン(14)は両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートを用いて波状に形成されたものであり、波頂部(14a)、波底部(14b)および波頂部(14a)と波底部(14b)とを連結する平坦な水平状連結部(14c)よりなり、連結部(14c)に複数のルーバが前後方向に並んで形成されている。コルゲートフィン(14)は前後両熱交換管群(13)に共有されており、その前後方向の幅は前側熱交換管群(13)の熱交換管(12)の前側縁と後側熱交換管群(13)の熱交換管(12)の後側縁との間隔をほぼ等しくなっている。また、コルゲートフィン(14)の前端部は前側熱交換管群(13)の熱交換管(12)の前側縁よりも前方に突出している(図3参照)。そして、コルゲートフィン(14)の波頂部(14a)および波底部(14b)は、熱交換管(12)にろう付されている。なお、1つのコルゲートフィンが前後両熱交換管群(13)に共有される代わりに、両熱交換管群(13)の隣り合う熱交換管(12)どうしの間にそれぞれコルゲートフィンが配置されていてもよい。
ここで、コルゲートフィン(14)のフィン高さ(H)である波頂部(14a)と波底部(14b)との直線距離は7.0mm〜10.0mm、同じくフィンピッチ(P)である連結部(14c)のピッチは1.3〜1.7mmであることが好ましい。また、コルゲートフィン(14)の波頂部(14a)および波底部(14b)は、熱交換管(12)に密接状にろう付された平坦部分と、平坦部分の両側に設けられかつ連結部(14c)に連なったアール状部分とよりなるが、アール状部分の曲率半径(R)は0.7mm以下であることが好ましい。
エバポレータ(1)は、冷媒入口管(7)および冷媒出口管(8)を除く各構成部材を組み合わせて仮止めし、すべての構成部材を一括してろう付することにより製造される。
エバポレータ(1)は、圧縮機およびコンデンサとともにフロン系冷媒を使用する冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして車両、たとえば自動車に搭載される。
上述したエバポレータ(1)において、図9に示すように、圧縮機、コンデンサおよび膨張弁を通過した気液混相の2層冷媒が、冷媒入口管(7)からジョイントプレート(21)の冷媒流入口(45)および右側キャップ(19)の冷媒入口(37)を通って冷媒入出用タンク(2)の冷媒入口ヘッダ部(5)内に入り、分流して前側熱交換管群(13)のすべての熱交換管(12)の冷媒通路(12a)内に流入する。
すべての熱交換管(12)の冷媒通路(12a)内に流入した冷媒は、冷媒通路(12a)内を下方に流れて冷媒ターン用タンク(3)の冷媒流入ヘッダ部(9)内に入る。冷媒流入ヘッダ部(9)内に入った冷媒は、仕切壁(59)の冷媒通過穴(66)を通って冷媒流出ヘッダ部(11)内に入る。
冷媒流出ヘッダ部(11)内に入った冷媒は、分流して後側熱交換管群(13)のすべての熱交換管(12)の冷媒通路(12a)内に流入し、流れ方向を変えて冷媒通路(12a)内を上方に流れて冷媒出口ヘッダ部(6)の下空間(6b)内に入る。ここで、分流用抵抗板(29)によって冷媒の流れに抵抗が付与されるので、冷媒流出ヘッダ部(11)から後側熱交換管群(13)のすべての熱交換管(12)への分流が均一化されるとともに、冷媒入口ヘッダ部(5)から前側熱交換管群(13)のすべての熱交換管(12)への分流も一層均一化される。その結果、両熱交換管群(13)のすべての熱交換管(12)の冷媒流通量が均一化される。
ついで、冷媒は分流用抵抗板(29)の冷媒通過穴(31A)(31B)を通って冷媒出口ヘッダ部(6)の上部空間(6a)内に入り、右側キャップ(19)の冷媒出口(38)およびジョイントプレート(21)の冷媒流出口(46)を通り、冷媒出口管(8)に流出する。そして、冷媒が前側熱交換管群(13)の熱交換管(12)の冷媒通路(12a)、および後側熱交換管群(13)の熱交換管(12)の冷媒通路(12a)を流れる間に、通風間隙を図1および図9に矢印Xで示す方向に流れる空気と熱交換をし、気相となって流出する。
このとき、コルゲートフィン(14)の表面に凝縮水が発生し、この凝縮水が冷媒ターン用タンク(3)の頂面(3a)に流下する。前側熱交換管群(13)の熱交換管(12)の前端面および後側熱交換管群(13)の熱交換管(12)の後端面を伝って流下した凝縮水は、直接排水溝(56)内に入り、排水溝(56)内を流れてその下端開口から冷媒ターン用タンク(3)の下方へ落下する。また、冷媒ターン用タンク(3)の頂面(3a)に流下した凝縮水は、キャピラリ効果により管挿通穴(53)の左右両側の傾斜部(54)により形成された凹所(55)内に入り、凹所(55)の前後方向外端部から排水溝(56)内に流入し、排水溝(56)内を流れてその下端開口から冷媒ターン用タンク(3)の下方へ落下する。さらに、凹所(56)内に入らなかった凝縮水は、隣り合う熱交換管どうしの間の通風間隙を流れる風により、水平平坦面(3a)上に滞留しようとする表面張力に打ち勝って通風方向下流側、ここでは前側に流れ、低位部(3b)に沿って流れて冷媒ターン用タンク(3)の下方へ落下する。このとき、第1部材(50)の垂下壁(50c)の外面が、第2部材(51)の前後両壁(58)の外面よりも前後方向外側に位置しており、両者間に形成された段差部(60)が水切りの働きをするので、効果的に冷媒ターン用タンク(3)の下方へ落下する。こうして、冷媒ターン用タンク(3)の頂面(3a)とコルゲートフィン(14)の下端との間に多くの凝縮水が滞留することに起因する凝縮水の氷結が防止され、その結果エバポレータ(1)の性能低下が防止される。
上記実施形態においては、両タンク(2)(3)の冷媒入口ヘッダ部(5)と冷媒流入ヘッダ部(9)との間、および冷媒出口ヘッダ部(6)と冷媒流出ヘッダ部(11)との間にそれぞれ1つの熱交換管群(13)が設けられているが、これに限るものではなく、両タンク(2)(3)の冷媒入口ヘッダ部(5)と冷媒流入ヘッダ部(9)との間、および冷媒出口ヘッダ部(6)と冷媒流出ヘッダ部(11)との間にそれぞれ1または2以上の熱交換管群(13)が設けられていてもよい。
さらに、上記実施形態においては、この発明による熱交換器が、フロン系冷媒を使用するカーエアコンのエバポレータに適用されているが、これに限定されるものではなく、圧縮機、ガスクーラ、エバポレータ、減圧器としての膨張弁、気液分離器としてのアキュムレータおよびガスクーラから出てきた冷媒とエバポレータから出て気液分離器を通過してきた冷媒とを熱交換させる中間熱交換器とを備えており、かつCOのような超臨界冷媒を用いる超臨界冷凍サイクルのエバポレータにも使用される。このような超臨界冷凍サイクルは、車両、たとえば自動車において、カーエアコンとして用いられる。
この発明による熱交換器を適用したエバポレータの全体構成を示す一部切り欠き斜視図である。 図1に示すエバポレータを後方から見た際の中間部を省略した垂直断面図である。 一部を省略した図2のA−A線拡大断面図である。 図1に示すエバポレータの冷媒入出用タンクの部分の分解斜視図である。 図1に示すエバポレータの冷媒ターン用タンクの部分の分解斜視図である。 一部を省略した図2のB−B線断面図である。 図3のC−C線断面図である。 図7のD−D線断面図である。 図1に示すエバポレータにおける冷媒の流れ方を示す図である。
符号の説明
(1):エバポレータ(熱交換器)
(2):冷媒入出用タンク
(3):冷媒ターン用タンク(下タンク)
(3a):水平平坦面
(3b):低位部
(5):冷媒入口ヘッダ部
(6):冷媒出口ヘッダ部
(9):冷媒流入ヘッダ部(中間ヘッダ部)
(11):冷媒流出ヘッダ部(中間ヘッダ部)
(12):熱交換管
(13):熱交換管群
(50):第1部材
(51);第2部材
(53):管挿通穴
(54):傾斜部
(56):排水溝
(59):仕切壁
(60):段差部

Claims (19)

  1. 前後方向に幅広の偏平状である複数の熱交換管を有する熱交換コア部と、熱交換コア部の下端側に配置された下タンクとを備えており、熱交換コア部が、左右方向に間隔をおいて配置された複数の熱交換管からなり、かつ前後方向に並んだ2列の熱交換管群を有し、下タンクの前側部分および後側部分に、それぞれ前後方向に長い複数の管挿通穴が左右方向に間隔をおいて形成され、熱交換管が、下タンクに形成された管挿通穴に挿通された状態で下タンクに接続されている熱交換器において、
    下タンクに、前側の管挿通穴の前端部に連なって前方に伸び、かつ凝縮水を下タンク下方に排水する排水溝と、後側の管挿通穴に連なって後方に伸び、かつ凝縮水を下タンク下方に排水する排水溝とが形成されている熱交換器。
  2. 前側管挿通穴の前端部に連なって前方に伸びる排水溝の溝底が、管挿通穴から前方に遠ざかるにつれて徐々に下方に向かっており、後側管挿通穴の後端部に連なって後方に伸びる排水溝の溝底が、管挿通穴から前方に遠ざかるにつれて徐々に下方に向かっている請求項1記載の熱交換器。
  3. 下タンクが頂面および前後両側面を有しており、下タンクの頂面における前後方向外側部分に、前後方向外側に向かって徐々に低くなった低位部が形成されており、管挿通穴の前後方向外側端部が頂面の低位部に位置している請求項1または2記載の熱交換器。
  4. 低位部が、水平面に対し、前後方向外側に向かって下方に傾斜している請求項3記載の熱交換器。
  5. 低位部の水平面に対する下向き傾斜角度が45度以上である請求項4記載の熱交換器。
  6. 下タンクの頂面における前後方向外側の低位部を除いた部分が、水平な平坦面となっている請求項3〜5のうちのいずれかに記載の熱交換器。
  7. 排水溝が、管挿通穴の前後方向外端部から下タンクの前後両側面まで伸びている請求項3〜6のうちのいずれかに記載の熱交換器。
  8. 排水溝における下タンク頂面の低位部に存在する部分の溝底が、水平面に対し、前後方向外側に向かって下方に傾斜している請求項7記載の熱交換器。
  9. 排水溝における下タンク頂面の低位部に存在する部分の溝底の水平面に対する下向き傾斜角度が45度以上である請求項8記載の熱交換器。
  10. 排水溝が、管挿通穴の前後方向外端部から下タンクの前後両側面における高さの中間部まで伸び、下タンクの前後両側面における排水溝の形成された部分が、段差部を介してこれよりも下方の部分に対して前後方向外側に位置しており、排水溝の下端が段差部に開口している請求項7〜9のうちのいずれかに記載の熱交換器。
  11. 下タンクが、熱交換管が接続された第1部材と、第1部材における熱交換管とは反対側の部分に接合された第2部材とよりなり、第1部材が下タンクの頂面および前後両側面の上側部分を形成し、第2部材が下タンクの底面および前後両側面の下側部分を形成し、管挿通穴および排水溝が第1部材に形成されている請求項1〜10のうちのいずれかに記載の熱交換器。
  12. 下タンクの第1部材と第2部材との接合部に段差部が設けられており、これにより第1部材の前後両側面が、段差部を介して第2部材の前後両側面に対して前後方向外側に位置し、排水溝の下端が段差部に開口している請求項11記載の熱交換器。
  13. 下タンクの頂面における管挿通穴の左右両側部分が、管挿通穴に向かって下方に傾斜している請求項1〜12のうちのいずれかに記載の熱交換器。
  14. 熱交換管の一端側における前側に配置され、かつ1列の熱交換管群が接続された冷媒入口ヘッダ部と、熱交換管の一端側において冷媒入口ヘッダ部の後側に配置され、かつ1列の熱交換管群が接続された冷媒出口ヘッダ部と、熱交換管の他端側に配置され、かつ冷媒入口ヘッダ部に接続されている熱交換管が接続された第1の中間ヘッダ部と、熱交換管の他端側において第1の中間ヘッダ部の後側に配置され、かつ冷媒出口ヘッダ部に接続されている熱交換管が接続された第2の中間ヘッダ部とを備えており、両中間ヘッダ部が下タンク内を仕切手段により前後に区画することにより形成されているとともに、両中間ヘッダ部が相互に連通させられている請求項1〜13うちのいずれかに記載の熱交換器。
  15. 熱交換管が偏平状であって、その幅方向を前後方向に向けて配置されており、熱交換管の厚みである管高さが0.75〜1.5mmである請求項1〜14のうちのいずれかに記載の熱交換器。
  16. 隣り合う熱交換管間にフィンが配置されており、フィンが、波頂部、波底部および波頂部と波底部とを連結する平坦な連結部とよりなるコルゲート状であり、フィン高さである波頂部と波底部との直線距離が7.0mm〜10.0mm、同じくフィンピッチである連結部のピッチが1.3〜1.7mmである請求項1〜15のうちのいずれかに記載の熱交換器。
  17. コルゲートフィンの波頂部および波底部が、平坦部分と、平坦部分の両側に設けられかつ連結部に連なったアール状部分とよりなり、アール状部分の曲率半径が0.7mm以下である請求項16記載の熱交換器。
  18. 圧縮機、コンデンサおよびエバポレータを備えており、エバポレータが、請求項1〜17のうちのいずれかに記載の熱交換器からなる冷凍サイクル
  19. 請求項18記載の冷凍サイクルが、エアコンとして搭載されている車両
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