JP3650614B2 - 食品解し供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、米飯等の粒状の食品を解しながら供給する食品解し供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
弁当や丼物或いは握り飯等を製造するため、弁当箱や椀、あるいは成形装置等へ米飯を自動的に供給することが行われている。この供給に際し、米飯が塊となったり団子状となると、商品価値が低下して好ましくないため、米飯を解しながら供給を行っている。
【0003】
従来より用いられている食品解し装置は、解し爪や解しピンが外周面に設けられた解しローラを用いる構造となっている。
【0004】
また、従来の米飯の定量供給装置は、解された米飯を上方から下方へ徐々に圧縮しながら移送する複数の送りローラと、圧縮状態で移送された米飯を定量分割するシャッターを用いて行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の食品解し装置では、供給路に供給されてきた米飯が解しローラの長さ方向の全体から一挙に解されて弁当箱や椀等の容器に投入される。従って、大量の米飯が一挙に容器に供給されることから、定量供給が難しいばかりでなく、米飯が密に固まった高密度で容器に盛り付けられて外観が低下する問題を有している。
【0006】
また、従来の米飯の定量供給装置では、正確な定量分割供給が難しく、バラつきが大きいところから、送りローラの回転速度やシャッターの開閉速度を微妙にコントロールする必要があり、その制御が複雑となる問題を有している。
【0007】
このようなことから、特許第3088719号公報には、目的重量より少ない重量となるように米飯を計量しカットされた米飯を供給する主計量部と、不足分の米飯を計量供給する補助計量部とを備えた米飯の定量供給装置が開示されている。しかしながら、この装置では、全体が大型化し、設置スペースを広く必要とするばかりでなく、コスト高となっている問題を有している。
【0008】
本発明は、このような従来の問題点を考慮してなされたものであり、米飯等の食品の定量供給を円滑に行うことが可能で、且つ構造が簡単で小型化及び低コスト化が可能な食品解し供給装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明の食品解し供給装置は、食品送り機構の送り方向と略直交した状態で解し供給ローラが配置され、この解し供給ローラが駆動手段によって回転駆動され、解し供給ローラから供給される食品を計量する計量手段が解し供給ローラの下方に配置されており、解し供給ローラの駆動手段と計量手段とが食品の計量コントローラ及び回転スピードコントローラからなる制御機構を介して接続されていることを特徴とする。
【0010】
計量コントローラには、計量手段からの計量信号が入力され、回転スピードコントローラは計量コントローラからの計量信号に基づいて駆動手段に制御信号を出力する。この発明では、解し供給ローラを回転駆動する駆動手段が計量コントローラ及び回転スピードコントローラからなる制御機構に接続されることにより、解し供給ローラの回転数を調整することができる。従って、食品の供給当初では、解し供給ローラを高速に回転駆動することにより、食品を短時間で大量に供給し、目的の供給重量に近づいたとき、解し供給ローラを低速で回転駆動して供給量を少なくする制御を行うことができる。そして、低速回転駆動においては、計量手段が食品を正確に計量することができるため、簡単な構造であっても、食品の定量供給を行うことができ、小型化及び低コスト化が可能となる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1記載の食品解し供給装置であって、前記食品送り機構が2個並列状に配置されており、それぞれの食品送り機構が内向きに回転するように相互に連結されていることを特徴とする。
【0012】
このように並列状の食品送り機構が内向きに回転することにより、食品を中央側へ寄せ集めながら供給することができ、食品の集中供給が可能となる。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1記載の食品解し供給装置であって、前記計量手段は電子式計量秤であることを特徴とする。
【0014】
計量手段として電子式計量秤を用いることにより、食品を高精度に計量することができ、正確な量の供給が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1〜図9は、本発明の一実施の形態の食品解し供給装置を示し、図1は平面図、図2は側面からの断面図、図3は正面からの断面図、図4は制御系を示す系統図、図5は解し供給ローラの制御の一例を示すタイミングチャート、図6は図5の制御によって供給される食品量のタイミングチャート、図7〜図9はそれぞれの食品の供給状態を示す断面図である。
【0016】
食品解し装置1は、図1〜図3に示すように食品としての米飯Bが投入されるホッパー2の下方に2個の食品送り機構3,3が水平な並列状に配置され、食品送り機構3、3の送り方向の先端側に、解し供給ローラ4が配置されることにより構成されている。ホッパー2の下部には、米飯Bの供給箱5が連続状に取り付けられており、食品送り機構3、3が供給箱5内の上流側に配置され、解し供給ローラ4が下流側に配置されている。
【0017】
それぞれの食品送り機構3、3は、図1に示すように、水平な平行状態で配置されたスクリューからなる送りコンベア6、6と、送りコンベア6、6を回転駆動する駆動源としての1個の送り用モータ7とを備えている。送り用モータ7と送りコンベア6、6は、送り用モータ7の出力軸7aと送りコンベア6、6の回転軸6a、6aとの間に配置されたギヤ列8によって連結されている。
【0018】
すなわち、送り用モータ7と送りコンベア6、6との連結は、送り用モータ 7の出力軸7aにギヤ8aを取り付け、このギヤ8aに2個のギヤ8b、8cを横並び状に噛合させ、これらのギヤ8b、8cにそれぞれの送りコンベア6、6の回転軸6a、6aを連結することによりなされている。このような連結により、送りコンベア6、6は、図1の矢印Kで示すように、相互に内向きに回転することができる。そして、このように送りコンベア6、6が内向きに回転することにより、ホッパー2に投入された米飯Bは送りコンベア6、6の長手方向に沿って徐々に中央側に寄せられながら下流側に移送される。これにより、米飯Bは解し供給ローラ4における中央側に寄せ集められるため、解し供給ローラ4によって解された米飯Bは、後述する成形装置の成形穴等へ集中して供給することができる。
【0019】
食品送り機構3,3の下流側には、下方向に傾斜した上部ガイド板9が設けられており、上部ガイド板9の終端部分に解し供給ローラ4が所定の間隔を有して配置されている。この上部ガイド板9の傾斜及び解し供給ローラ4との間隔を変更することにより、米飯Bの送り量を調整することができる。
【0020】
解し供給ローラ4は、その中心部分に回転軸4aが挿入されることにより回転軸4aを中心にして回転する。回転軸4aは食品送り機構3、3における送りコンベア6、6回転軸6a、6aと略直交するように配置されており、従って、解し供給ローラ4は食品送り機構3、3による米飯Bの送り方向と略直交した状態で回転駆動する。この実施の形態において、解し供給ローラ4は、2個の食品送り機構3、3に対して1個が配置されるものである。
【0021】
解し供給ローラ4の回転軸4aは、ギヤ列12を介して駆動手段としての解し用モータ13に連結されている。また、解し供給ローラ4の外面には、複数の解し爪11が螺旋配列によって設けられており、解し供給ローラ4が回転すると、外面の解し爪11が米飯Bに接触して米飯Bを解すように作用する。駆動手段としての解し用モータ13は、制御機構23を介して計量手段20と電気的に接続されるものである(後述する図3及び図4参照)。
【0022】
図2に示すように、供給箱5には、解し供給ローラ4に臨んだ供給斜面14が形成されており、解し供給ローラ4が回転することにより、米飯Bは解し供給ローラ4と供給斜面14との間を移動しながら解し爪11によって解される。すなわち、炊飯した直後の暖かい米飯はもとより、真空冷却した硬目の米飯に対しても解し爪11が打ちつけるため、バラバラに解した状態で下方に落下させることができる。
【0023】
供給斜面14の下方には、米飯Bを一時的に貯留する貯留空間15を有する貯留部17が供給箱5と分離して設けられている。この貯留部17は、その上面開口部17aが供給箱5の下面に連通状態で独立して配置されている。また、貯留部17の内部には、米飯Bが中央に集中するように外側から内側へ傾斜するテーパ部17bが形成され、このテーパ部17bの下端に狭口の開口部17cが連通している。
【0024】
図3に示すように、貯留部17の外側面にはアーム18の一端が取り付けられ、このアーム18の他端には支柱19を介して支持台21に連結されている。これにより貯留部17等は支持台21に支持されているが、この支持台21自体が計量機構20としての電子式計量秤(ロードセル)20aに支持されている。この電子式計量秤20aは、貯留部17、アーム18、支柱19、支持台21等を計量した後に、この計量値から米飯B以外の重量を減算することによって米飯Bの重量を計測するようになっている。
【0025】
電子式計量秤20aは制御機構23を介して上述した解し用モータ13に接続されている。従って、解し用モータ13は電子式計量秤20aからの信号を受けた制御機構23により、その回転が制御される。
【0026】
制御機構23は図4に示すように、計量コントローラ24及び回転スピードコントローラ25を備えている。計量コントローラ24は電子式計量秤20aに電気的に接続されており、回転スピードコントローラ25は解し供給ローラ4の解し用モータ13に接続されている。そして、計量コントローラ24は電子式計量秤20aからの信号が入力され、その計量信号を回転スピードコントローラ25に出力する。回転スピードコントローラ25は解し用モータ13に接続されており、計量コントローラ24からの計量信号に基づいて解し用モータ13の回転速度を制御する。これにより、解し供給ローラ4の回転速度Vbが制御されるため、米飯Bの供給量を調整することができる。
【0027】
貯留部17の下側開口部17cには、水平方向に開閉駆動される2枚一対のシャッター26が配置されている。それぞれのシャッター26は図示を省略した駆動装置に連結され、所定のタイミングで間欠的に開閉駆動されることにより貯留部17の貯留空間15内の米飯Bが下方の成形装置27に供給される。
【0028】
成形装置27は、上面外周側に複数個の成形穴28aが適宜間隔で形成された回転テーブル28によって形成されており、成形穴28aに落下した米飯Bを所定形状に成形する。なお、成形装置27としては、回転テーブル28の他に、上面に成形穴が所定間隔で形成されたコンベア装置を用いることもできる。
【0029】
このような実施の形態において、食品送り機構3、3が一定の速度Vaで回転駆動することにより、米飯Bは中央側に集められながら解し供給ローラ4に供給される。解し供給ローラ4の解し用モータ13は、回転スピードコントローラ25に接続されてその回転速度Vbが制御されている。この制御は、回転スピードコントローラ25に入力される計量コントローラ24からの計量信号に基づいて行われる。
【0030】
図5は解し用モータ13の制御の一例を、図6はこの制御による貯留部17への米飯Bの供給量を示し、図7〜図9は、この制御における米飯Bの供給状態を示している。この実施の形態では、解し用モータ13を高速、中速、低速の3段階で制御するものである。
【0031】
米飯Bの供給当初において、回転スピードコントローラ25は解し用モータ13が速度V1の高速で駆動するように制御する。高速制御では、解し供給ローラ4が高速で回転駆動されるため、図7に示すように、大量の米飯Bが解されながら貯留部17に落下する。電子式計量秤20aは貯留部17に供給された米飯Bの重量を計量しており、設定した重量W1に達したとき、計量コントローラ24はその計量信号を回転スピードコントローラ25に出力する。これと同時に、シャッター26が開作動して、米飯Bが貯留部17から回転テーブル28の成形穴28aに落とし込まれる。
【0032】
次に、計量コントローラ24からの計量信号により、回転スピードコントローラ25はV1よりも幾分小さな速度V2の中速で駆動するように解し用モータ13を制御する。中速制御では、図8に示すように、幾分多めの米飯Bが貯留部17に供給され、中速制御の際に設定した供給重量W2となったとき、計量コントローラ24はその計量信号を回転スピードコントローラ25に出力すると同時に、シャッター26が開作動して、米飯Bが貯留部17から回転テーブル28の成形穴28aに落とし込まれる。
【0033】
さらに、計量コントローラ24からの計量信号により、回転スピードコントローラ25は中速制御から低速制御(速度V3)に切り替えて解し用モータ13を制御する。低速制御では、図9に示すように、米飯Bがパラパラと落下しながら少量が貯留部17に供給される。電子式計量秤20aはこの低速制御で供給される米飯Bを計量しており、成形穴28aに供給する設定重量W3となったとき、計量コントローラ24は回転スピードコントローラ25に供給終了の計量信号を出力する。これにより、回転スピードコントローラ25は、解し用モータ13の駆動を停止する。これと同時に、シャッター26が開作動して、貯留部17から成形穴28aに最終段階を米飯Bが落下する。
【0034】
なお、以上の制御では、解し用モータ13を高速、中速、低速の3段階で制御しているが、高速、低速の2段階で制御しても良く、4段階以上で制御しても良い。
【0035】
このような実施の形態では、米飯Bの供給当初では解し供給ローラ4が高速回転するように制御して大量の米飯Bを供給する一方、供給の終了段階で解し供給ローラ4が低速回転するように制御して米飯Bの供給量を調整するため、米飯Bの定量供給を正確に行うことができる。従って、主計量部及び補助計量部を設けた複雑な構造とすることなく、単一の解し供給ローラ4を設けるだけで良いため、構造が簡単で小型化及び低コスト化を行うことができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、解し供給ローラを回転駆動する駆動手段が計量コントローラ及び回転スピードコントローラからなる制御機構に接続されることにより、解し供給ローラの回転数を制御調整することができるため、簡単な構造であっても、食品の定量供給を行うことができ、小型化及び低コスト化が可能となる。しかも、炊飯した直後の暖かい米飯はもとより、真空冷却した硬目の米飯に対しても解し供給ローラ外周に設けられた解し爪が打ちつけるため、バラバラに解した状態で下方に落下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における全体の平面図である。
【図2】一実施の形態の側面からの断面図である。
【図3】一実施の形態の正面からの断面図である。
【図4】解し供給ローラの制御系を示す系統図である。
【図5】解し用モータの制御を示すタイミングチャートである。
【図6】貯留部に供給される米飯の供給量のタイミングチャートである。
【図7】 高速度制御における米飯の供給状態を示す断面図である。
【図8】 中速度制御における米飯の供給状態を示す断面図である。
【図9】 低速度制御における米飯の供給状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 食品解し供給装置
3 食品送り機構
4 解し供給ローラ
13 解し用モータ
20 計量手段
23 制御機構
24 計量コントローラ
25 回転スピードコントローラ
26 シャッター
Claims (3)
- 食品送り機構の下流側に、外面に複数の解し爪を有する解し供給ローラが配置され、この解し供給ローラが駆動手段によって回転駆動され、解し供給ローラから供給される食品を計量する計量手段が解し供給ローラの下方に配置されており、解し供給ローラの駆動手段と計量手段とが食品の計量コントローラ及び回転スピードコントローラからなる制御機構を介して接続されていることを特徴とする食品解し供給装置。
- 前記食品送り機構が2個並列状に配置されており、それぞれの食品送り機構が内向きに回転するように相互に連結されていることを特徴とする請求項1記載の食品解し供給装置。
- 前記計量手段は電子式計量秤であることを特徴とする請求項1記載の食品解し供給装置。
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- 2002-09-09 JP JP2002262992A patent/JP3650614B2/ja not_active Expired - Lifetime
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