JP2001002003A - 定量充填装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】計量器を使用せずに容積取りだけで所定重量を
容器内に自動充填して、処理速度を上げようとした定量
充填装置を提供する。 【解決手段】ホッパー４内に投入された原料８を充填用
穴２から定量筒５内に掻き取り投入するための掻き取り
手段９を設け、回転盤３が間欠停止した状態において選
択された定量筒５の下方にあたるホッパーの底に排出穴
１１を開け、さらに排出穴の下に容器搬送ベルトコンベ
ア１４を配置し、容器１３が排出穴の下に搬送されてき
たことをセンサーで検知する動きと連動して容器を昇降
する容器昇降部を排出穴の下方に備え、容器の上昇と連
動して排出穴から排出される原料を容器に充填しながら
容器を下降させて容器搬送ベルトコンベアに載せて搬送
するように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、水産加工物や惣菜など
の原料を発泡スチロールやプラスティックス製の容器内
に定量を充填するための定量充填装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、手作業による場合は、作業者が原
料を容器内に適量を盛って計量器に載せて補正し、定量
を充填していた。

【０００３】あるいは、自動充填機を使用する場合は、
まず所定重量の大部分を計量せずに容器内に粗充填し、
この容器を計量器の上に搬送して不足量を少しずつ足し
増しして定量を充填していた。

【０００４】また、他の実施例では、コンピュータース
ケールを利用した計量充填方法によると、１０個程度の
カップを一列に並べ、それぞれのカップ内にあらかじめ
定めておいた誤差の範囲内の重量の原料を投入してそれ
ぞれの重量を検出し、次にコンピュータで計算処理した
カップ内の組み合わせの合計量を所定重量として容器に
充填していた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の充
填方法は、いずれも計量精度を上げて充填することを目
的としたものであり、その上で処理速度を上げるための
工夫をしている。

【０００６】しかしながら、市場には必ずしも計量しな
くても所要容積のカップ内に掻き取りした量を定量とし
てもよい場合がしばしばある。例えば、わらび餅のよう
に単価の安い原料では数粒の誤差が出ても問題にならな
い場合とか、水産加工物のいかそうめんのように単価は
高くても１容器当たりの充填量が５００ｇｒから１Ｋｇ
の大量の充填量で包装されている場合のように、少量
の、例えば１００ｇｒと同じ誤差であっても、５％の誤
差で前者は２５ｇｒから５０ｇｒの範囲で良く、後者は
５ｇｒの範囲で厳しくなるというように、計量器で計量
しないで定量カップですり切り投入した容積を目的の所
定重量としても、要求される上記誤差の範囲内に入る。

【０００７】本発明は、上記のような従来の問題点を解
決するためになされたもので、計量器を使用せずに容積
取りだけで所定重量を容器内に自動充填して、処理速度
を上げようとした定量充填装置を提供しようとするもの
である。

【０００８】

【課題を解決するための手段】まず、円周方向に少なく
とも１個以上の充填用穴を開けた回転盤を同径の円筒形
のホッパーに内装し、この充填用穴の下に上下が開放し
た定量筒の上端を取り付け、この下端を上記ホッパーの
底に接触しない程度の隙間を開けて回転盤を間欠回転可
能に回転軸で支持し、上記ホッパー内に投入された原料
を充填用穴から定量筒内に掻き取り投入するための掻き
取り手段を設け、上記回転盤が間欠停止した状態におい
て選択された定量筒の下方にあたるホッパーの底に排出
穴を開け、さらに上記排出穴の下に容器搬送ベルトコン
ベアを配置し、容器が排出穴の下に搬送されてきたこと
をセンサーで検知する動きと連動して容器を昇降する容
器昇降部を上記排出穴の下方に備え、容器の上昇と連動
して排出穴から排出される原料を容器に充填した後、容
器を下降させて容器搬送ベルトコンベアに載せて搬送す
るように構成する。

【０００９】また、ホッパーの底に開けた排出穴に開閉
シャッターを取り付け、掻き取り手段を回転盤の面上で
回転できるように構成し、定量筒を回転盤から取り外し
自在に構成する。

【００１０】また、定量筒とスライド自在に嵌合する補
助筒を取り付けるとともに回転盤を昇降自在に構成し
て、充填容積を自在に変更できるように構成する。

【００１１】さらに、充填用穴の上方に、定量筒内の原
料を押し出すための押出手段を備える。

【００１２】さらにまた、容器搬送ベルトコンベアの排
出側にベルトコンベアを独立して接続し、このベルトコ
ンベアを昇降自在にするための昇降手段を取り付け、こ
のベルトコンベアの中央下部に計量器を備えて定量筒に
よる容積計量に加えて計量器を使用した計量充填もでき
るように構成する。

【００１３】また、上記掻き取り手段は単なる矩形板を
使用したり、あるいは充填用穴の上に近接してその大き
さに見合う筒を取り付けたりする。しかしながら、傷が
付く恐れのある原料の場合には、それらの下端部にゴム
板などを取り付けてクッションを持たせたりしておくの
が好ましい。

【００１４】また、惣菜のきんぴらごぼうやきざみ昆布
などのように互いに絡み合う原料では定量筒内に掻き取
り投入してもホッパー内の原料と絡み合って定量筒から
引きずり出し、粗充填量の重量のばらつきが激しくて安
定性に欠けるので、上記掻き取り手段を回転盤の面上で
掻き取り回転できるように構成することもできる。

【００１５】また、上記定量筒は回転盤から取り外して
容積の異なる定量筒に取り替えることができるようにし
たり、あるいは定量筒の外径とスライド自在に嵌合する
補助筒を取り付けて、回転盤を上下に昇降自在に構成す
ることにより定量筒の容積を変えて充填量を加減出来る
ように構成することもできる。

【００１６】また、排出穴の下に間欠移送された容器を
排出穴から原料を排出する動きと連動して昇降できるよ
うに構成しておけば、原料の排出時には容器を排出穴に
近づけ、充填されると同時に容器を下降させると原料が
容器から外に飛び出ない。

【００１７】

【作用】上記構成にもとづいてその作用を説明すると、
ホッパー内に惣菜その他の原料をあらかじめ投入する。
スイッチを入れると回転盤が充填用穴のピッチごとに間
欠回転と停止をする。ホッパー内の原料は掻き取り手段
で掻き取られて充填用穴から定量筒内に投入される。原
料が投入された定量筒は順次、ホッパーの底に開けた排
出穴に到るたびに、その下に移送されてきた容器に投入
される。この場合、排出穴に開閉シャッターを取り付け
て間欠的に開閉して排出させることもできる。

【００１８】容器搬送ベルトコンベアで搬送されてきた
容器が排出穴の下近くに来ると同時に回転盤を間欠回転
させる。容器が排出穴の下にくると、容器昇降部で容器
を上昇させ、原料が容器内に落下する前後のタイミング
で容器が下降する。同時に容器は容器搬送ベルトコンベ
アで排出される。

【００１９】補正充填する場合には、容器搬送ベルトコ
ンベアの排出側に独立して接続したベルトコンベアに載
ると同時に、停止する。続いて、このベルトコンベアが
昇降部で下降する。すると、この搬送面は計量器の計量
台の下に待避して容器は計量台上に載る。その計量重量
にもとづいて所定重量よりも不足していれば、補正充填
器が作動して容器内に原料を補正充填する。所定重量の
誤差の範囲内に入れば、補正充填器が停止する。次い
で、ベルトコンベアが昇降部で上昇させる。ベルトコン
ベアの搬送面が再び計量台面よりも上の位置に戻ると、
容器はベルトコンベアに載って排出される。

【００２０】

【実施例】本発明の実施例を例示図にもとづいて説明す
る。図１ないし図４に示すように、円周方向に少なくと
も１個以上（本実施例では円周方向に等分割にして８個
所）の充填用穴２を開けた回転盤３を同径の円筒形のホ
ッパー４に内装する。そして、この充填用穴２の下に上
下が開放した定量筒５の上端を取り付け、この下端を上
記ホッパー４の底に接触しない程度の隙間を開けて回転
盤３を回転軸６で支持する。この回転軸６をインデック
スモータ７に連結して間欠回転可能に構成する。

【００２１】また、上記ホッパー４内に投入された原料
８を充填用穴２内に掻き取り投入するための掻き取り手
段９をホッパー４の側壁に固定する。この掻き取り手段
９は回転盤３の回転方向と反対方向に回転する回転軸３
１に差し込むパイプ３２の周りに複数個の掻き取り用羽
根３３を取り付けてなり、回転軸３１をモータ３４に連
結して回転できるように構成されている。パイプ３２を
固定ネジで回転軸３１に固定し、使用後はこのネジをゆ
るめるて掻き取り用羽根３３を回転軸３１から取り外し
て洗浄できる。

【００２２】また、図４および図５に示すように、上記
回転盤３が間欠停止したときの任意の定量筒５の下方に
あたるホッパー４の底に定量筒５と同径以上の排出穴１
１を開ける。そして、この排出穴１１の下に開閉シャッ
ター１２を取り付る。この開閉シャッター１２は原料８
の種類によってはなくても良いが、取り付ける場合には
開閉自在の動きと、常に開放のままの固定とを切り替え
ることができるように構成しておくのが好ましい。

【００２３】また、必ずしも必要ではないが、粘着質の
原料８では定量筒の側壁に付着して自然落下しにくい場
合がある。これに対処するために、充填用穴２の上方に
軸の先端に円盤を取り付けた押出部材をシリンダーまた
はクランク機構などで充填用穴から定量筒の内部に差し
込み、定量筒内の原料を強制的に排出させるための押出
手段２７を取り付ける。

【００２４】他方、上記粗充填部１の排出穴１１の下に
容器１３を搬送するための容器搬送ベルトコンベア１４
を配置する。この容器搬送ベルトコンベア１４は、前後
に取り付けたローラに丸ベルトを左右に掛けてなる。そ
して、上記ホッパー４の排出穴１１の下に容器１３が搬
送されてきたことをセンサー１５が検知すると、回転盤
３が１／８回転して、排出穴１１の上に到る。上記セン
サーの検知にもとづいて開閉シャッター１２が開くと、
定量筒５内の原料８が自重で、あるいは図５に示すよう
に、強制的に押出手段３１の押出部材が定量筒内に押し
出されて原料が容器１３内に落下する。このとき、原料
が落下する衝撃で容器１３の外に飛び出さないように、
また盛り付けが山型にならないようにするために回転盤
が回転停止するタイミング、または開閉シャッター１２
が開く前後のタイミングに合わせて容器１３を上昇さ
せ、原料８が容器１３内に落下する前後のタイミングで
容器１３を下降させる容器昇降部１６を排出穴１１の下
方で容器搬送ベルトコンベア１４の搬送面よりも下に位
置して配置する。この容器昇降部１６は容器１３を上昇
させるベース１７と、これを昇降させるためのクランク
機構１８とからなる。

【００２５】以上は、計量器を使用しないで定量筒５に
掻き取りして容積計量する場合の構成について説明した
が、原料８の種類によっては計量して精度を上げたい場
合もある。そのような場合には、容器搬送ベルトコンベ
ア１４の排出側に計量器１０を配置して、充填後の容器
１３を計量し、所定重量の誤差の下限値よりも少なけれ
ば不足分を足し増しできる補正充填器２０を接続する。
この場合、上記の定量筒５による容積充填では、上限値
を越えない所定重量を少し下回る重量を充填するように
設定しておくのが好ましい。

【００２６】この一実施例について説明すると、容器搬
送ベルトコンベア１４の排出側に複数本の丸ベルトを掛
けたベルトコンベア２１を独立して接続し、このベルト
コンベア２１の架台２６を昇降手段２７に取り付けて昇
降自在に構成する。そして、このベルトコンベア２１の
中央下部に計量器１０を備え、この計量台１９に複数枚
のくし状の矩形板を平行に並べて計量台１９とし、上記
ベルトコンベア２１の丸ベルトの間に一体的に取り付け
る。容器１３がこの上に搬送されてくると、上記昇降手
段２７でベルトコンベア２１を下降させる。すると、ベ
ルトコンベア２１の搬送面が上記計量台１９の上面より
も下に待避して容器１３が計量台１９の矩形板の上に載
り計量器１０で計量される。あらかじめ設定しておいた
上限値と下限値の間の所定重量範囲に入っていれば、た
だちに昇降手段２７が上昇してベルトコンベア２１が上
昇し、容器１３を載せて排出する。もし、上記の範囲か
ら外れて下限値以下の重量であれば、その上方に取り付
けた補正充填器２０が作動して容器１３内に原料８を補
充する。範囲内にはいると補正充填器２０は停止し、同
時にベルトコンベア２１が上昇して容器１３を載せて排
出する。もしも逆に、上限値以上の重量であれば、作業
者が容器１３から原料８の一部を取り出して量目調整を
すればよい。

【００２７】上記補正充填器２０は、例えばスクリュー
式押出機とかプランジャー式押出機、あるいは制動式の
ベルトコンベアなどを利用したものがある。本実施例で
は、スクリュー式押出機を利用した例を示す。図８に示
すように、スクリュー式押出機２０は原料ホッパー２９
の下にスクリュー３０を取り付けてなり、計量器１０か
らの信号にもとづいてスクリュー３０が回転して原料８
を微量ずつ容器１３内に排出する。容器１３の重量が所
定重量に達すれば、スクリュー３０の回転が停止して補
充が止まる。

【００２８】なお、原料８の種類が変わると同じ容積で
も重量が変わる。原料８の種類が変わっても同じ量目を
充填したい場合には図６に示すように、その重量に見合
う容積の定量筒５を準備しておき、この上端にフランジ
２２を取り付けてこれを充填穴２の上端部のくぼみには
め込んで交換する。あるいは図７に示すように定量筒５
と互いに嵌合して上下にスライドできるように構成した
補助筒２３を準備して、これを定量筒５にはめておく。
容積を変える場合には、回転盤３の回転軸６に取り付け
たハンドル２４を回して回転盤３を昇降自在に構成し、
そして回転盤３を上昇させると補助筒２３が定量筒５上
をスライドして内容積が増え、逆に下降させると内容積
が減り所定重量に見合う容積に微調整できる。

【００２９】また、図３および図７に示すように、上記
回転盤３をその回転軸６のキー溝２５にはめ込んでお
き、使用後にはハンドル２４を持って上に引き上げる
と、回転盤３を取り外すことが出来るように構成してお
けば、ホッパー４とともに洗浄したり消毒したりできて
好ましい。

【００３０】なお、３４はホッパー４に原料８を供給す
るための原料供給コンベアであり、その他バケットリフ
トを使用したりする。

【００３１】

【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、以下に記載されるような効果を奏する。

【００３２】本発明は、計量器で計量せずに充填したい
原料に見合う所定容積の定量筒を使用する容積計量を採
用したから、従来の計量器を使用する充填に比べて処理
速度がはるかに速くなった。

【００３３】また、計量器で計量したい要望にも、定量
筒で容積充填した後、続く工程でこの容器に補正充填す
ることができるから、処理速度を落とすことなく計量充
填が可能となった。

【００３４】また、装置の機構も簡単でコンパクトであ
るから設備費が安くて済むなど産業上有用な装置である
といえる。

【００３５】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の全体平面図である。

【図２】図１の正面図である。

【図３】粗充填部を示す一部正断面図である。

【図４】容器内に粗充填している状態を示す要部正面図
である。

【図５】図４の別の実施例を示す要部正面図である。

【図６】図４の別の実施例を示す要部正断面図である。

【図７】図４の別の実施例を示す要部正断面図である。

【図８】補正充填部の一実施例を示す要部側面である。

【図９】図８の正面図である。

【符号の説明】 ２ 充填用穴 ３ 回転盤 ４ ホッパー ５ 定量筒 ６ 回転軸 ８ 原料 ９ 掻き取り手段 １０ 計量器 １１ 排出穴 １９ 計量台 １２ 開閉シャッター １３ 容器 １４ 容器搬送ベルトコンベア ２１ ベルトコンベア ２３ 補助筒 ２７ 昇降手段

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 円周方向に少なくとも１個以上の充填用
   穴２を開けた回転盤３を同径の円筒形のホッパー４に内
   装し、この充填用穴２の下に上下が開放した定量筒５の
   上端を取り付け、この下端を上記ホッパー４の底に接触
   しない程度の隙間を開けて回転盤３を間欠回転可能に回
   転軸６で支持し、上記ホッパー４内に投入された原料８
   を充填用穴２から定量筒５内に掻き取り投入するための
   掻き取り手段９を設け、上記回転盤３が間欠停止した状
   態において選択された定量筒５の下方にあたるホッパー
   ４の底に排出穴１１を開け、さらに上記排出穴１１の下
   に容器搬送ベルトコンベア１４を配置し、容器１３が排
   出穴１１の下に搬送されてきたことをセンサーで検知す
   る動きと連動して容器１３を昇降する容器昇降部を上記
   排出穴の下方に備え、容器１３の上昇と連動して排出穴
   １１から排出される原料８を容器１３に充填しながら容
   器１３を下降させて容器搬送ベルトコンベア１４に載せ
   て搬送するように構成したことを特徴とする定量充填装
   置。
2. 【請求項２】 ホッパー４の底に開けた排出穴１１に開
   閉シャッター１２を取り付けたことを特徴とする請求項
   １に記載の定量充填装置。
3. 【請求項３】 掻き取り手段９を回転盤３の面上で回転
   できるように構成したことを特徴とする請求項１および
   ２に記載の定量充填装置。
4. 【請求項４】 定量筒５を回転盤３から取り外し自在に
   構成したことを特徴とする請求項１、２または３に記載
   の定量充填装置
5. 【請求項５】 定量筒５とスライド自在に嵌合する補助
   筒２３を取り付けるとともに回転盤３を昇降自在に構成
   したことを特徴とする請求項１、２、３または４に記載
   の定量充填装置。
6. 【請求項６】 充填用穴２の上方に定量筒５内の原料８
   を押し出すための押出手段２８を備えたことを特徴とす
   る請求項１、２、３、４または５に記載の定量充填装
   置。
7. 【請求項７】 容器搬送ベルトコンベア１４の排出側に
   ベルトコンベア２１を独立して接続し、このベルトコン
   ベア２１の中央下部に計量器１０を備え、上記ベルトコ
   ンベア２１の搬送面を計量器１０の計量台１９の上面の
   上下に昇降させる昇降手段２７を上記ベルトコンベア２
   １に取り付けたことを特徴とする請求項１、２、３、
   ４、５または６に記載の定量充填装置。