JP3650518B2 - 蓋体の開閉装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、器具の操作部の操作ボタンや運転スイッチなどを覆う開閉自在に取り付けられた蓋体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来よりこの種のものに於いては、第11図及び第12図に示すように、例えば、石油燃焼器具や温水式温風暖房機などの器具101の正面に、中央が開口された口の字状の取付部102を設け、この取付部102の開口部分に操作部103を設けていた。
【0003】
この操作部103は、上方には運転スイッチ104や操作ボタン105等通常よく操作するスイッチやボタンが配設され、下方には通常頻繁には操作しないスイッチやボタン、例えば器具101のいろいろな設定条件や設定状態を設定、変更、解除する時に操作する設定ボタン106が配設されている。
【0004】
そして、操作部103の下方に配設された設定ボタン106は、操作しない時には取付部102に開閉自在に取り付けられた蓋体107により隠され、操作するときに蓋体107を開いて操作していた。
【0005】
この蓋体107には、開閉する時に手でつまむ取手部108が正面略中央の上端に形成され、左右の側面下端には回動軸109・110が各々突設され、左右の側面上端には係止片111・112が各々突設されている。
【0006】
また、この蓋体107が回動自在に取り付けられる取付部102の中央開口部分内面の左右の下端部分には、蓋体107の回動軸109・110が差し込まれる回動穴113・114が各々形成され、中央開口部分内面の左右の上方には、蓋体107の係止片111・112が係合する係止穴115・116が各々形成されている。
【0007】
そして、取付部102の回動穴113・114に蓋体107の回動軸109・110が差し込まれ、取付部102の係止穴115・116に蓋体107の係止片111・112が係合して蓋体107が閉じている状態から、取手部108をつまんで蓋体107を手前に引っ張ると、まず係止穴115・116内面に係止片111・112が接触し、更に蓋体107を手前に引っ張ると、蓋体107がたわんで係止穴115・116内から係止片111・112が逃げて蓋体107が開いた。
【0008】
逆に、蓋体107が開いている状態から蓋体107の取手部108を指でつまんで押すと、まず取付部102の開口部分の正面縁部に係止片111・112が接触し、更に蓋体107を押すと、蓋体107がたわんで取付部102の開口部分の正面縁部から係止片111・112が逃げ、そして係止穴115・116内に係止片111・112が差し込まれて蓋体107が閉じていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、蓋体107の開閉をスムーズにするため、係止穴115・116内に差し込んだときの係止片111・112の差込寸法を小さくすると、開くときの係止穴115・116内面と係止片111・112との接触及び閉じるときの取付部102の開口部分の正面縁部と係止片111・112との接触が弱くなって接触時の衝撃が小さくなり、開閉時の蓋体107のたわみが少なくなって、開閉がスムーズになる。
【0010】
しかし、係止穴115・116内に差し込んだときの係止片111・112の差込寸法を小さくしたため、蓋体107が閉じているときの取付部102の係止穴115・116と蓋体107の係止片111・112との係合が弱くなり、ちょっとした衝撃で係止穴115・116から係止片111・112が外れて蓋体107が開いてしまう欠点があった。
【0011】
また、逆にちょっとした衝撃で閉じている蓋体107が開いてしまわないように、係止穴115・116内に差し込んだときの係止片111・112の差込寸法を大きくすると、閉じている時の係止穴115・116内面と係止片111・112との接触が強くなって、ちょっとした衝撃で蓋体107が開いてしまわないようになる。
【0012】
しかし、係止穴115・116内に差し込んだ時の係止片111・112の差込寸法を大きくしたため、蓋体107を開く時の係止穴115・116内面と係止片111・112との接触及び閉じる時の取付部102の開口部分の正面縁部と係止片111・112との接触が強くなって接触時の衝撃が大きくなり、開閉時の蓋体107のたわみが多くなって、蓋体107の開閉がしづらくなる欠点があり、開閉のスムーズさと閉じているときの係止力の強さを両立させるのは大変難しい問題であった。
【0013】
【問題点を解決するための手段】
本発明はこの点に着目し上記欠点を解決する為、特にその構成を、器具本体の垂直面に設けられ中央に開口部を有し該開口部内周の対向する面の端に各々回動穴を形成した取付部と、外周に突設した一対の回動軸を前記回動穴に挿入して開閉自在に軸支された蓋体とからなり、該蓋体の正面に取手部を立設した蓋体の開閉装置に於いて、開口部内周に係止穴を形成し、かつ蓋体の回動軸を突設した一方の面に係止穴と係合する係止片を設け、前記係止穴及び該係止穴と同一面に設けた回動穴とを長穴に形成すると共に取手部を係止片側に設けたものである。
【0014】
【作用】
蓋体12を開閉するため、蓋体12の取手部13を指でつまむと、軸が挿入されてもがたつかないように形成された回動穴7側の回動軸14はほとんど動かないが、係止穴6と回動穴8は長穴状に形成されているので、係止片16及び回動軸15は取手部13が指に押されることにより移動し、蓋体12が回動軸14を中心にしてわずかに回動して蓋体12が傾いた状態となる。
【0015】
そのため、係合片16は蓋体12が傾いていない状態の時よりも取付部4の係止穴6と係合しない方向に移動し、取手部13を指でつまんで蓋体12を回転させて、閉じるときは取付部4の開口部5の正面縁部に当接しないか当接してもわずかでほとんど衝撃がない状態で蓋体12を閉じることができ、開くときは係合片16は取付部4の係止穴6内と当接しないか当接してもわずかで、ほとんど衝撃がない状態で蓋体12を開くことができるものである。
【0016】
そして、その状態で取手部13をつまんだ指を離すと、閉じる時は蓋体12が回動軸14を中心にして反対方向にわずかに回動して元のまっすぐな状態となり、係合片16が係止穴6内に位置して完全に係合して蓋体12は係止された状態で閉じ、開く時も蓋体12が回動軸14を中心にして反対方向にわずかに回動して元のまっすぐな状態となり、蓋体12は開いた状態となるものである。
【0017】
【実施例】
次にこの発明に係る蓋体の開閉装置を図面に示す一実施例で説明する。
1は温水式温風暖房機の器具本体で、前面パネル2の下部に形成した吹き出し口3より温風を吹き出して暖房を行うものである。
【0018】
4は口の字状の取付部で、中央に開口部5を形成して前面パネル2の右上に配置されており、開口部5内周の右側中ほどの位置に係止穴6が形成され、左側下端及び右側下端には回動穴7,8が形成されている。
【0019】
9は操作部で、取付部4の開口部5内に位置するように器具本体1に取り付けられ、上方には運転スイッチ10や操作ボタン11など通常頻繁に操作するスイッチやボタンが配設され、下方には頻繁には操作しないスイッチやボタン、例えばいろいろな機能や条件の設定、変更、解除などを行うための設定ボタン(図示せず)などが配設されている。
【0020】
12は蓋体で、取付部4の開口部5より小さく、正面右上端に取手部13を設け、左右側面の下端部分には回動軸14・15か突設され、右側面上方には係合片16が突設されている。
【0021】
次に、この蓋体の開閉装置の開閉動作について説明する。
まず、取付部4の回動穴7に蓋体12の回動軸14を差し込み、次にもう一方の回動穴8に蓋体12の回動軸15を差し込んで軸支し、取付部4に対して蓋体12を回動自在に取り付け、この状態で蓋体12が開いている状態となる。
【0022】
この時、回動穴7は差し込んだ回動軸14がスムーズに回動すると共に、差し込んだ回動軸14ががたつかないくらいの大きさに形成され、もう一方の回動穴8は差し込んだ回動軸15が上下に移動できるよう長穴状に形成されている。
【0023】
次に、この蓋体12が開いている状態から閉じるには、蓋体12の取手部13を指でつまんで回動軸14・15を軸にして上向きに回転させる。
この時、正面向かって左側の回動軸14はほとんど動かないが、正面向かって右側の回動軸15が挿入される回動穴8及び係止穴6が長穴状に形成されているため、係止穴6及び回動穴8内に遊挿されている係合片16及び回動軸15が上方向に移動し、それにより蓋体12が回動軸14を中心にして反時計回りにわずかに回動して、右側の回動軸15より左側の回動軸14が上に位置した傾いた状態で蓋体12が回動する。
【0024】
そのため、係合片16は蓋体12が傾いていない状態の時よりも取付4の係止穴6と係合しない方向に移動し、蓋体12を上向きに回転させたとき、図4のように取付4の開口部5の正面縁部に当接しないか当接してもわずかでほとんど衝撃がない状態で蓋体12を閉じることができるものである。
【0025】
そして、その状態で取手部13をつまんだ指を離すと、蓋体12が回動軸14を中心にして時計回りにわずかに回動し、右側の回動軸15と左側の回動軸14とが同じ高さになって図3のように元のまっすぐな状態になる。
それにより係合片16が係止穴6内に移動して完全に係合し、蓋体12は係止された状態で閉じるものである。
【0026】
次に、図3のように係止された状態で閉じている蓋体12を開くときは、まず蓋体12の取手部13を指でつまむ。
普通、このように水平方向を軸とした蓋体12の取手部13をつまむ動作として、つまむ物の下に人差し指を位置させ、上に親指を位置させて物をつまむもので、人差し指の動作として下から上へとつまむ物を押し上げる動作となる。
【0027】
したがって、閉じている蓋体12の取手部13を指でつまむときも、人差し指が取手部13を下から上へと押し上げてつまむため、蓋体12が回動軸14を中心にして反時計回りにわずかに回動し、それにより右側の回動軸15より左側の回動軸14が上に位置して図4のように蓋体12が傾いた状態となる。
【0028】
そのため、係合片16は蓋体12が傾いていない状態の時よりも取付部4の係止穴6と係合しない方向に移動し、その状態から蓋体12を下向きに回転させたとき、係合片16は取付部4の係止穴6内と当接しないか当接してもわずかで、ほとんど衝撃がない状態で蓋体12を開くことができるものである。
【0029】
そして、その状態で取手部13をつまんだ指を離すと、蓋体12が回動軸14を中心にして時計回りにわずかに回動し、右側の回動軸15と左側の回動軸14とが同じ高さになって元のまっすぐな状態となり、蓋体12は開いた状態となるものである。
【0030】
更に、蓋体12の取手部13を指でつまんだとき、人差し指が取手部13を下から上へとより押し上げてつまめるようにするため、図5及び図6のように取手部13の蓋体12の軸支側の面、つまり下面を傾斜させて傾斜面17を形成し、取手部13の先端に行くほど厚さが薄くなるようにしたので、取手部13の下面に人差し指が当接したときに、その傾斜面17により取手部13をより押し上げることとなり、よりスムーズに蓋体12の開閉ができるものである。
【0031】
なお、本実施例では、中央に開口部5を形成した取付部4を前面パネル2に配置したがこれに限定されず、前面パネル2に開口部5を直接形成して、該開口部5の開口部分の周りを内側に折り曲げて立設することにより開口部5の内周面を形成し、この内周面に係止穴6や回動穴7、8を形成してもよい。
【0032】
また、図7及び図8のように取手部13の蓋体12の軸支側の面、つまり下面の係止片16寄りに突起部18を形成し、取手部13をつまもうとして取手部13の下面に人差し指が当接したときに、突起部18が最初に人差し指に当接し、蓋体12をより押し上げて傾けることとなり、さらにスムーズに蓋体12の開閉ができるものである。
【0033】
また、本実施例は回動軸を水平方向として蓋体12を上下に回動させるものだがこれに限定されず、図9及び図10のように回動軸を垂直方向にして蓋体12を左右に回動させるものでもよく、この場合、蓋体12には、正面からみて上面右端に回動軸14を突設し、底面右端に回動軸15を突設し、底面左端に係止片16を突設すると共に、蓋体12の正面向かって左下に取手部13を立設しているものである。
【0034】
また、取付部4の中央に形成された開口部5内周の正面向かって上面右端に回動穴7を形成し、下面右端にも回動穴8を形成すると共に、下面中ほどの位置に係止穴6を形成しているものである。
【0035】
この場合、図9のように蓋体12が係止されて閉じた状態から開く場合、開くため取手部13を指でつまもうとして、取手部13の右側面に人差し指が当たると、取手部13を右から左へと押すようにしてつまむため、回動穴8及び係止穴6内に遊動可能に位置する回動軸15及び係止片16が、回動穴8及び係止穴6内を横方向に移動して、蓋体12は上面右端に突設した回動軸14を中心にしてわずかに時計回りの方向に回動し、蓋体12が傾いた状態となる。
【0036】
それにより図10のように、係止穴6と係止片16との係合が解除されて、蓋体12は回動軸14及び回動軸15を軸にして回動自在な状態となり、その状態で蓋体12を手前に引くとスムーズに開くものである。
【0037】
蓋体12が開いている状態から閉じるときも、蓋体12の取手部13を指でつまむと蓋体12は傾いた状態となり、係止片16が取付部4の開口部5の正面縁部に当接せずに蓋体12を閉じる位置までスムーズに回動させることができるものである。
【0038】
そして、蓋体12を閉じる位置まで回動した後指を離すと、蓋体12は回動軸14を中心にしてわずかに反時計回りの方向に回動し、係止片16が係止穴6内に移動して係合し、蓋体12は係止されて閉じた状態となる。
【0039】
このように本発明では、取手部13を指でつまむと、つまむときに当たる指により押されて蓋体12が回動軸14を中心にしてわずかに回動して傾き、それにより係止片16は閉じるときは取付部4の開口部5の正面縁部に当接しないか当接してもわずかでほとんど衝撃がなく、開くときは取付部4の係止穴6内と当接しないか当接してもわずかでほとんど衝撃がない位置に移動するのでスムーズに開閉することができ、取手部13をつまんだ指を離すと、傾いていた蓋体12が元のまっすぐな状態となって、閉じる場合は係止片16が取付部4の係止穴6内に移動して蓋体12が閉じた状態で係止され、多少の衝撃が加わっても蓋体12が開いてしまうことがないものである。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、この発明は、器具本体の垂直面に設けられ中央に開口部を有し該開口部内周の対向する面の端に各々回動穴を形成した取付部と、外周に突設した一対の回動軸を前記回動穴に挿入して開閉自在に軸支された蓋体とからなり、該蓋体の正面に取手部を立設した蓋体の開閉装置に於いて、開口部内周に係止穴を形成し、かつ蓋体の回動軸を突設した一方の面に係止穴と係合する係止片を設け、前記係止穴及び該係止穴と同一面に設けた回動穴とを長穴に形成すると共に取手部を係止片側に設けたものであるから、取手部を指でつまむと、つまむときに当たる指により押されて蓋体が回動軸を中心にしてわずかに回動して傾き、それにより係止片は、閉じるときは取付部の開口部の正面縁部に当接しないか当接してもわずかでほとんど衝撃がなく、開くときは取付部の係止穴内と当接しないか当接してもわずかでほとんど衝撃がない位置に移動するのでスムーズに開閉することができ、取手部をつまんだ指を離すと、傾いていた蓋体が元のまっすぐな状態となり、閉じる場合はそれにより係止片が取付部の係止穴内に移動して蓋体が閉じた状態で係止され、多少の衝撃が加わっても蓋体が開いてしまうのを防止できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を付した器具本体を示す斜視図。
【図2】同蓋体を示す斜視図。
【図3】同蓋体を閉じている時の要部断面図。
【図4】同取手部をつまんだ時の要部断面図。
【図5】同取手部に傾斜面を形成した蓋体の正面図。
【図6】同要部断面図。
【図7】同取手部に突起部を形成した蓋体の正面図。
【図8】同要部断面図。
【図9】同この発明の他の実施例を示す正面図。
【図10】同取手部をつまんだ時の要部断面図。
【図11】同従来例を示す要部斜視図。
【図12】同要部断面図。
【符号の説明】
1 器具本体
4 取付部
5 開口部
6 係止穴
7,8 回動穴
12 蓋体
13 取手部
14,15 回動軸
16 係止片
Claims (3)
- 器具本体の垂直面に設けられ中央に開口部を有し該開口部内周の対向する面の端に各々回動穴を形成した取付部と、外周に突設した一対の回動軸を前記回動穴に挿入して開閉自在に軸支された蓋体とからなり、該蓋体の正面に取手部を立設した蓋体の開閉装置に於いて、開口部内周に係止穴を形成し、かつ蓋体の回動軸を突設した一方の面に係止穴と係合する係止片を設け、前記係止穴及び該係止穴と同一面に設けた回動穴とを長穴に形成すると共に取手部を係止片側に設けたことを特徴とする蓋体の開閉装置。
- 前記取手部は蓋体の軸支側の面を傾斜面に形成して取手部が先端に向かって薄くなるように設けたことを特徴とする請求項1記載の蓋体の開閉装置。
- 前記取手部は蓋体の軸支側の面に突起部を形成したことを特徴とする請求項1記載の蓋体の開閉装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34389997A JP3650518B2 (ja) | 1997-11-27 | 1997-11-27 | 蓋体の開閉装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34389997A JP3650518B2 (ja) | 1997-11-27 | 1997-11-27 | 蓋体の開閉装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11159887A JPH11159887A (ja) | 1999-06-15 |
JP3650518B2 true JP3650518B2 (ja) | 2005-05-18 |
Family
ID=18365107
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34389997A Expired - Lifetime JP3650518B2 (ja) | 1997-11-27 | 1997-11-27 | 蓋体の開閉装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3650518B2 (ja) |
-
1997
- 1997-11-27 JP JP34389997A patent/JP3650518B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH11159887A (ja) | 1999-06-15 |
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