JPS5847755Y2 - 蓋開閉装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は蓋開閉装置に関し、簡単な構成で蓋を開いた状
態と閉じた状態の両方で固定できるようにし、機器の持
ち運び時等に、蓋が不用意に開閉するのを防止するよう
にしたものである。

第１図は従来から使用されている蓋開閉装置を示すもの
である。

第１図において、キャビネット１には互に対向する一対
の側壁２，３とその後端部を連結する内壁４等からなる
収納部５が形成され、その開口部には下方に軸６が設け
られ、上方に係合部７が設けられている。

一方、８は樹脂で一体に形成された蓋であり、キャビネ
ット１の軸６に対向する位置には複数のリブ９が突設さ
れ、またキャビネット１の係合部７に対向する位置には
係合爪１０ ａを有する弾性係止片１０が形成されてい
る。

したがって、蓋８の複数のリブ９を軸６に圧入し、複数
のリブ９，９間で軸６を挟持するようにすれば、蓋８は
収納部５の開口部に開閉自在に取り付けられる。

そして、蓋８を第１図矢印Ｃ方向に回動させ、弾性係止
片１０をキャビネット１の保合部７に圧入し、その係合
爪１０ ａを係合部７に係合すれば、蓋８を閉じた状態
で固定することができる。

また、この状態から、弾性係止片１０を指で第１図矢印
Ｃ方向に撓ませ、係合爪１０ ａと係合部７の係合を解
除した後、蓋８を第１図矢印Ｃ方向に回動させれば、蓋
８を開くことができる。

ところが、この場合には弾性係止片１０の作用によって
蓋８を閉じた状態に固定するものであるから、閉した状
態から開くためには、いちいち弾性係止片１０を押圧操
作しなければならず、このため蓋８を開く操作が煩わし
くなるという欠点がある。

また、蓋８を開いた状態では蓋８は何ら固定されないか
ら、収納部５内に電池やコード等の部品を収納するため
に、蓋８を開いたまま機器を横倒しにすると、自然に蓋
８が閉じてしまい、その結果、部品の収納等がしにくく
なるという欠点がある。

第１図に示したちの以外にも蓋の開閉装置としては種々
のものが使用されているが、それらはいずれも弾性係止
片や手動で操作されるロック部材を用いたものであり、
このロック部材によって蓋を閉じた状態に固定するだけ
であるから、開した状態から蓋を開く操作が煩わしく、
また開いておいた蓋が不用意に閉じてしまうという、第
１図Ｃものと同様の欠点を有している。

本考案はこのような従来の欠点を除去する蓋開閉装置を
提供するものである。

以下本考案の一実施例について第２図〜第５区とともに
説明する。

図において、１１は樹脂で一体に形成されたキャビネッ
トであり、このキャビネット１１には互に対向する一対
の側壁１２．１２とそれらの後端部を連結する内壁１３
等により収納部１４が形成されている。

そして側壁１２．１２の互に月向する面には一対の軸受
孔１５，１５が形成され、内壁の両端部には一対の弾性
片１６．１６が形成されている。

ただし、軸受孔１５と弾性片１６の一方は図示されてい
ない。

一方、１７は樹脂で一体に形成された蓋であり、この蓋
１７の裏面両端部には裏面から垂直に立ち上がる一対の
腕部１８，１８が形成され、各腕部１８，１８から外方
に向けて円柱状の軸１９．１９が突設され、これらの軸
１９．１９の外周の一部には軸方向に突起２０．２０が
形成されている。

また蓋の上端部中央には開閉時に指を差し込むための切
欠部２１が形成されている。

上記構成において、軸１９．１９をそれぞれキャビネッ
ト１１の軸受孔１５．１５に回動自在に挿入すれば、蓋
１７は収納部１４の開口部に開閉自在に取り付けられる
。

この状態での蓋１７の開閉動作について第３図〜第５図
とともに説明する。

蓋１７を閉じた場合は、第３図に示すように蓋１７の突
起２０がやや下方に位置しており、これが内壁１３の弾
性片１６に当接することにより、蓋１７か゛第３図矢印
り方向に倒れる（すなわち開く）のを防止している。

このため蓋１７は閉じた状態に固定されている。

この状態から、蓋１７の切欠部２１に指を差し込み、第
４図に示すように蓋１７を開くと、これに応じて突起２
０が弾性片１６に圧接され、弾性片１６が第４図矢印法
方向に撓む。

このため、蓋１７を開くときにはこの蓋１７が開かれる
のを阻止するような抵抗力が働くが、この抵抗力に抗し
てさらに蓋を開くと、やか゛て第５図に示すように突起
２０か゛やや上方に移動し、この状態で蓋１７は完全に
開くことになる。

そしてこの状態で蓋１７を第５図矢印Ｆ方向へ閉じよう
とすると、再び第４図に示すような状態になって、蓋１
７に開く方向の抵抗力が働く。

このため蓋１７は第５図に示す閉じた状態のまま固定さ
れることになり、機器を横倒しにしたときにも蓋１７が
自然に閉じるようなことはなくなる。

なお、蓋１７を閉じる場合には、第４図の状態で働く抵
抗力に抗して蓋１７を第５図矢印Ｆ方向へ回動すればよ
い。

また、蓋１７を開いたとき、蓋１７の下端縁がキャビネ
ット１１の収納部１４の周辺に形成した段部に当接する
ようにしておけば、蓋１７の下端縁と突起２０の位置関
係を予め適当に設定しておくことにより、蓋１７を開い
たとき、任意の位置で、がたつきなく固定することがで
きる。

また、突起２０は、第３図の状態で蓋１７の周辺が収納
部１４の周辺の段部内に密着するような位置に設けるこ
とが望ましい。

以上のように、本考案によれば、開いた状態と閉じた状
態の両方で蓋を確実に固定することができるから、蓋が
不用意に開いたりするのを防止することができる。

しかも従来のように弾性係止片や手動操作されるロック
部材を用いるのではなく、キャビネットの内壁に一体に
形成した弾性片の作用によって蓋の開閉動作を抑制する
ような力を働かせ、この力によって実質的に蓋を開、閉
側状態で固定するものであるから、蓋の開閉時にいちい
ちロック部材を解除するような必要もない。

また、キャビネットや蓋は弾性片や軸等を含めてそれぞ
れ樹脂で一体に形成することができるから、製造も容易
に行なえ、部品点数も少なくなり、組立ても容易に行な
えるという優れた効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の蓋開閉装置を示す分解斜視図、第２図は
本考案の一実施例を示す分解斜視図、第３図〜第５図は
その動作を説明するための側面図である。 １１・・・・・・キャビネツｌ−１１２・・・・・・側
壁、１３・・・・・・内壁、１４・・・・・・収納部、
１５・・・・・・軸受孔、１６・・・・・・弾性片、１
７・・・・・・蓋、１８・・・・・・腕部、１９・・・
・・・軸、２０・・・・・・突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 樹脂製のキャビネットの一部に、互に対向する面にそれ
   ぞれ軸受孔を設けた一対の側壁と、これらの側壁の後端
   部を連結する内壁と、この内壁の表面に設けられた弾性
   片とを一体に形威し、一方樹脂製の蓋に、この蓋の外方
   へ突出する一対の軸と、各軸の側面の一部に軸方向に設
   けられた突起とを一体に形成し、上記蓋の軸を上記キャ
   ビネットの軸受孔に回転自在に挿入し、上記蓋の開閉動
   作時に、上記突起を上記弾性片に圧接して上記弾性片を
   後方へ撓ませ、上記蓋にその開閉を阻止する方向の力を
   加えるようにした蓋開閉装置。