JP3024924B2 - 錠装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、器体本体と蓋体
とを錠止することが可能な錠装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】器体本体とその蓋体とを錠止するための
機構を強固にするために、本体と蓋体各々に大きめの錠
装置部材を採用することがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、それら本体
や蓋体のサイズによっては、各々の部材を思うように大
きく、強固にできない場合がある。そこで、この発明
は、錠装置において、器体側の係止部を比較的小さくし
ても、本体と蓋体とを確実に錠止できるようにすること
を課題にしている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この発明は、容器本体２
に取り付けられる固定係止部材５と、蓋３に取り付けら
れる本体６とから構成され、前記固定係止部材５が、金
属板の折り曲げによって、取り付け部７と、第１係止部
８と、折り返し部９とを有し、前記本体６が、前記蓋３
に固定されるカバー部材１１と、基端部２１及び前記容
器本体２から離れる方向へ傾斜する自由端部２２を有
し、前記基端部２１の近傍において前記カバー部材１１
の支軸１２に旋回可能に支えられ、ばね１３によって前
記容器本体２の側へ付勢されたアーム部材１５とから構
成され、前記カバー部材１１が、前記アーム部材１５の
基端部２１から自由端部２２へ向かう前記アーム部材１
５の過半を覆う両側部１７及び頂部１６と、前記アーム
部材１５の自由端部２２の近傍に位置する前記両側部１
７の端部に錠杆３１のための案内孔１９と、前記案内孔
１９と対向し前記容器本体２の側へ離間して位置する衝
接部２０とを有し、前記アーム部材１５が、前記基端部
２１と前記自由端部２２との間に前記第１係止部８のた
めの案内孔２３及び前記自由端部２２の側に位置する該
案内孔の内側部が前記カバー部材１１の頂部１６の側へ
延出して前記第１係止部８と係脱する第２係止部２５
と、前記アーム部材１５の自由端部２２と前記第２係止
部２５との間に前記錠杆３１に対する受止部２２Ａとを
有し、前記第２係止部２５が前記第１係止部８に係合し
た状態において、前記受止部２２Ａが前記案内孔１９と
前記衝接部２０との間に位置することを特徴とする錠装
置にある。

【０００５】

【実施例】添付の図面を参照してこの発明に係る錠装置
の詳細を説明すると、以下のとおりである。

【０００６】図１に部分破断斜視図で示した錠装置１
は、容器本体２と容器本体２に対し時計方向Ｐへ旋回し
て開く蓋３とからなる容器に使用されている。図におい
て、蓋３は閉じた状態にあり、不用意に開くことがない
ように錠装置１を介して容器本体２に取り付けられてい
る。必要なら仮想線の南京錠３０で施錠することができ
る。錠装置１は、容器本体２に取り付けられた固定係止
部材５と、蓋３に取り付けられた本体６とで構成されて
いる。

【０００７】図２に示す図１のＩＩ−ＩＩ線矢視図から
明らかなように、固定係止部材５は金属板を折曲してな
るもので、垂直な取り付け部７と、上方へやや傾斜する
係止部８と、係止部８先端の折り返し部９とからなり、
取り付け部７は、容器本体２の所要部位にビスまたはろ
うづけで固定されている。

【０００８】本体６は、蓋３に対して固定されたカバー
部材１１と、カバー部材１１の支軸１２に旋回可能に支
えられ、ばね１３によって反時計方向へ付勢されたアー
ム部材１５とで構成され、カバー部材１１はその左右両
側にある側壁部１７（図１参照）内面から蓋３外面に沿
って延びる取り付け部位１４で蓋３の所要部位にビス
（図示せず）により固定されている。カバー部材１１
は、両側部１７と頂部１６がアーム部材１５の過半を覆
い、上端部は湾曲して支軸１２とばね１３とを覆ってい
る。頂部１６の下端部は、その幅方向の中央に隆起部１
８を有する。隆起部１８は、仮想線で示すようにアーム
部材１５の所要角度の旋回を可能にするために形成され
ている。側壁部１７の下端部には、南京錠３０の錠杆３
１を受止するための案内孔１９と、カバー部材１１内方
への折り返し部２０とが形成されている（図１参照）。

【０００９】アーム部材１５は、容器本体２の固定係止
部材５よりも幅が広く、上下端部２１，２２の中間には
案内孔２３と、案内孔の２３下縁部を折り返してなる内
側壁２５とを有する。下端部２２は、その先端部分が摘
持し易いように容器本体２から離間する方向へ適宜の角
度で折曲してある。図２の状態にあるアーム部材１５の
下端部２２の近傍の部位２２Ａは、側壁１７の折り返し
部２０に衝接し、かつ折り返し部２０と案内孔１９との
間に位置している。内側壁２５は、固定係止部材５の係
止部８に軽く接した状態にある。ただし、内側壁２５と
係止部８とは、アーム部材１５の円滑な旋回に支障を来
すことがないように、それら両者間の角度とクリアラン
スとが調整してある。左右の側壁１７の案内孔１９に南
京錠３０の錠杆３１を挿通すると、アーム部材１５はそ
の錠杆３１と側壁１７の折り返し部２０との間に位置す
ることになる。

【００１０】図２において蓋３を開けようとすると、固
定係止部材５の係止部８にアーム部材１５の内側壁２５
が衝接する。したがって、蓋３はＰ方向への旋回が阻止
された状態にある。アーム部材１５を仮想線の位置まで
時計方向へ旋回して、係止部８と内側壁２５とが衝接し
ないようにすると、蓋３を開けることができる。また、
南京錠３０の錠杆３１を案内孔１９に挿通すると、時計
方向へ旋回するアーム部材１５はその錠杆３１に衝接
し、仮想線の位置までの旋回が阻まれる。かかる錠杆３
１の挿通によって、錠装置１は施錠状態になる。

【００１１】

【発明の効果】このように構成した錠装置では、施錠状
態にあるときに、それを無理に開けようとしてアーム部
材に大きな力がかかると、その力をカバー部材の側壁で
支持した南京錠の錠杆で受け止めることになり、容器本
体の固定係止部材には殆ど力が及ばない。したがって、
この固定係止部材は、寸法の大きい堅固なものである必
要がない。

【図面の簡単な説明】

【図１】錠装置の使用状態を示す部分破断斜視図。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線矢視図。

【符号の説明】 １ 錠装置２ 容器本体 ５ 固定係止部材 ８ 第１係止部１１ カバー部材 １５ アーム部材 １９ 案内孔 ２０ 衝接部（折り返し部） ２１ 基端部（上端部） ２２ 自由端部（下端部）２２Ａ 受止部 ２５ 第２係止部（内側壁） ３１ 錠杆

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】容器本体２に取り付けられる固定係止部材
   ５と、蓋３に取り付けられる本体６とから構成され、 前記固定係止部材５が、金属板の折り曲げによって、取
   り付け部７と、第１係止部８と、折り返し部９とを有
   し、 前記本体６が、前記蓋３に固定されるカバー部材１１
   と、基端部２１及び前記容器本体２から離れる方向へ傾
   斜する自由端部２２を有し、前記基端部２１の近傍にお
   いて前記カバー部材１１の支軸１２に旋回可能に支えら
   れ、ばね１３によって前記容器本体２の側へ付勢された
   アーム部材１５とから構成され、 前記カバー部材１１が、前記アーム部材１５の基端部２
   １から自由端部２２へ向かう前記アーム部材１５の過半
   を覆う両側部１７及び頂部１６と、前記アーム部材１５
   の自由端部２２の近傍に位置する前記両側部１７の端部
   に錠杆３１のための案内孔１９と、前記案内孔１９と対
   向し前記容器本体２の側へ離間して位置する衝接部２０
   とを有し、 前記アーム部材１５が、前記基端部２１と前記自由端部
   ２２との間に前記第１係止部８のための案内孔２３及び
   前記自由端部２２の側に位置する該案内孔の内側部が前
   記カバー部材１１の頂部１６の側へ延出して前記第１係
   止部８と係脱する第２係止部２５と、前記アーム部材１
   ５の自由端部２２と前記第２係止部２５との間に前記錠
   杆３１に対する受止部２２Ａとを有し、前記第２係止部
   ２５が前記第１係止部８に係合した状態において、前記
   受止部２２Ａが前記案内孔１９と前記衝接部２０との間
   に位置することを特徴とする錠装置。