JP3649222B2 - 液晶装置及び電子機器 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いに対向する一対の基板のそれぞれに形成した配線の間をそれらの基板間に介在させた導通材によって導通する構造の液晶装置に関する。また、本発明は、その液晶装置を用いて構成される電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯型コンピュータ、携帯電話機、ビデオカメラ等といった電子機器の表示部に液晶装置が広く用いられている。この液晶装置は、一般に、それぞれに電極が形成された一対の基板をそれらの電極が互いに対向するように環状のシール材によって貼り合わせ、一対の基板及びシール材によって囲まれる領域に液晶を封入することによって形成される。この液晶装置では、一対の基板間に封止した液晶の配向を画素毎に制御することにより、文字、数字、図形等といった像を表示する。
【0003】
この液晶装置には、アクティブ素子を用いない単純マトリクス方式の液晶装置や、アクティブ素子を用いる構造のアクティブマトリクス方式の液晶装置がある。また、そのようなアクティブ素子としては、2端子型の能動素子であるTFD(Thin Film Diode:薄膜ダイオード)素子や、3端子型の能動素子であるTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)素子等が知られている。
【0004】
従来、単純マトリクス方式の液晶装置として、例えば図12に示す装置が知られている。ここに示す液晶装置は、バックライト等といった照明装置や、制御基板や、その他必要に応じて付設される付帯機器を図示の液晶パネル101に付設することによって形成される。
【0005】
液晶パネル101は、ガラス等によって形成された一対の基板102a及び102bを環状のシール材103によって貼り合わせることによって形成される。シール材103の適所には液晶注入用開口103aが設けられ、さらに、シール材103の内部には多数の導通材106が混入されている。
【0006】
シール材103によって囲まれると共に基板102aと基板102bとによって挟まれる間隙が、いわゆるセルギャップであり、このセルギャップの中に液晶(図示せず)が液晶注入用開口103aを通して注入され、その後、液晶注入用開口103aが樹脂等によって封止される。一方の基板102aは他方の基板102bの外側へ張り出す張出し部102cを有し、その張出し部102cの表面(図12では紙面裏側の表面)に液晶駆動用IC104a及び104bが実装される。
【0007】
一方の基板102aの液晶側表面(すなわち、図12の紙面奥側表面)には、図13に示すように、複数の直線状の電極107aが全体としてストライプ状になるように互いに平行に配列されている。また、各電極107aの端部から基板張出し部102c上の液晶駆動用IC104a(図12参照)の実装領域に向けて配線108aが形成される。また、液晶駆動用IC104b(図12参照)の実装領域から延びる配線108bがシール材103の形成領域を通過して液晶封入領域内へ入っている。
【0008】
他方の基板102bの液晶側表面(すなわち、図12の紙面手前側表面)には、図14に示すように、複数の直線状の電極107bが全体としてストライプ状になるように互いに平行に配列されている。また、各電極107bの端部からシール材103の形成領域を少し越える位置まで、配線109が形成される。
【0009】
なお、図12、図13及び図14では、構造をわかり易く示すために、電極107a、電極107b、配線108a、108b,109等を実際よりも広い間隔で数本だけ模式的に示しているが、実際の液晶装置では、より多数本の電極107a等がより狭い間隔で配列される。
【0010】
図12に示す液晶パネル101を作製するにあたっては、図13の基板102a又は図14の基板102aのいずれかにシール材103を形成し、そのシール材103を挟んで基板102aと基板102bとを、電極107aと電極107bとが互いに直交するように、互いに貼り合わせ、さらにシール材103を硬化させる。さらに、基板102aの張出し部102cの表面に液晶駆動用IC104a及び104bを、それらの端子、すなわちバンプが配線108a及び108bに導電接続されるように実装する。
【0011】
こうして2つの基板102a及び102bを貼り合せたとき、図13の配線108bと図14の配線109とが導通領域111の所で導通材106を間に挟んで重なり合い、これにより、基板102a側の配線108bと基板102b側の配線109とが導電接続され、これにより、基板102a側の液晶駆動用IC104bと基板102b側の電極107bとが電気的につなげられる。
【0012】
以上のようにして形成された液晶パネル101に関しては、電極107aと電極107bとの交点及びその交点に挟持される液晶によって1画素が構成され、さらにこの画素が複数個、ドットマトリクス状に配列することによって表示領域、すなわち駆動領域Vが形成され、この表示領域V内に文字、数字等といった像が形成される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の液晶装置に関しては、シール材103の一辺に形成した導通領域111の所において、基板102a側の配線108bがシール材103を通過し、さらに、基板102b側の配線109もシール材103を通過する。これに対し、導通領域111に向かい合う部分のシール材103の部分領域112には配線108b等に相当するパターンは形成されていない。
【0014】
このため、導通領域111ではセルギャップが厚くなり、それと反対側の部分領域112ではセルギャップが狭くなり、そのため、液晶パネル101の全体のセルギャップが不均一になるという問題が発生した。こうなると、各画素に印加される電圧にばらつきが発生し、鮮明な像が得られなくなるという問題があった。
【0015】
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであって、液晶装置を構成する基板の表面に形成されるパターンを工夫することにより、基板間隔の不均一性を低減して、すなわち液晶パネルのセル厚ムラを低減して、液晶表示品質を向上することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に関わる液晶装置は、表示領域を備えた第1基板と第2基板と、前記表示領域を囲うように設けられ、導通材を含み、前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせるシール材と、を備えた液晶装置であって、前記第1基板において、前記シール材と表示領域との間に延設され、前記シール材中の複数の第1導通領域において前記導通材により前記第2基板上の複数の電極と電気的に接続される複数の第1引き回し配線と、前記シール材と表示領域との間に延設され、前記シール材中の複数の第2導通領域において前記導通材により前記第2基板上の複数の電極と電気的に接続される複数の第2引き回し配線と、前記表示領域を挟んで前記第1導通領域と対向する位置で前記シール材と重なるように設けられた複数の第1ダミーパターンと、前記表示領域を挟んで前記第2導通領域と対向する位置で前記シール材と重なるように設けられた複数の第2ダミーパターンと、を有し、前記第1導通領域と前記第2ダミーパターンとは、シール材の表示領域に対して同じ側において、交互に位置することを特徴とする。
【0017】
本発明の液晶装置は、第2基板に設けられた電極と電気的に接続された引き回し配線を有する。
【0018】
電極と引き回し配線との接続はシール材中の導通領域において行われる。
【0019】
このため、導通領域ではセルギャップが他の箇所に比べて厚くなるという不具合が生じる。
【0020】
そこで、本発明では、導通領域に対して表示領域を挟んで対向する位置において、シール材と重なるダミーパターンを設ける。
【0021】
この構成により、基板間隔、すなわちセルギャップを液晶パネルの全面にわたって均一に維持でき、これにより、液晶表示品質を高く維持できる。
【0022】
さらに、本発明ではシール材中で、導通領域とダミーパターンとが交互に配置されている。
【0023】
このため、引き回し配線は、表示領域の右端と左端とに対して、左右交互に振り分けられた状態でシール材と重なっている。
【0024】
従って引き回し配線はシール材の内側において、ある部分にまとまって位置するのではなく、全体に満遍なく広がって延設される。
【0025】
このように引き回し配線がシール材の内側において全体に広がっていれば、引き回し配線によるギャップのばらつきが生じることがない。
【0026】
よって本発明の構成によれば、シール材の内側において引き回し配線を設ける場合に、ギャップのばらつきを低減するのに効果的である。
【0027】
特に引き回し配線の上半分は表示領域の左端に対して振り分けられ、下半分は右端に対して振り分けられるパターンのように、引き回し配線の配置が偏ることがなく、本発明の構成では引き回し配線によるギャップのばらつきは大きく改善される。
【0028】
また、本発明の液晶装置の別の態様では、前記第1ダミーパターンが前記シール材と重なる面積は、前記第1引き回し配線が前記シール材と重なる面積とほぼ等しいことを特徴とする。
【0029】
こうすれば、シール材に対するダミーパターン側の面積状況と配線側の面積状況とが等しくなるので液晶パネルのセルギャップをより一層均一に維持できる。
【0030】
なお本発明の液晶装置において、ダミーパターンは、導通領域内に存在する複数の引き回し配線の個々に対応した位置に形成された直線状の複数のダミーパターン要素の集合によって形成しても良い。
【0031】
このように構成しても、シール材に対するダミーパターン側の面積状況と配線側の面積状況とが等しくすることができるので液晶パネルのセルギャップをより一層均一に維持できる。
【0032】
また、この場合、ダミーパターンは対向する配線とほぼ等しい幅を持つように形成しても良い。
【0033】
このように構成すれば、液晶パネルのセルギャップをより均一にできる。
【0034】
また、本発明においては、一対の基板のうち一方の基板にダミーパターンを設けているが、必要に応じて他方の基板の適切な位置にダミーパターンを設けても良い。
【0035】
このように構成しても液晶パネルのセルギャップをより均一にできる。
【0036】
次に、本発明に係る電子機器は、液晶装置と、該液晶装置を収容する筐体とを有する電子機器において、前記液晶装置は上記した構成の液晶装置によって構成されることを特徴とする。
【0037】
この電子機器によれば、内蔵する液晶装置において、液晶パネルの基板間隔、すなわちセルギャップを液晶パネルの全面にわたって均一に維持できる。
【0038】
これにより、液晶表示品質を高く維持できるので、電子機器に関する情報を常に鮮明に視認できる。
【0039】
【発明の実施の形態】
(液晶装置の第1実施形態)
図1は、TFD(Thin Film Diode)素子をスイッチング素子として用いるアクティブマトリクス型の液晶装置であって、基板上にICチップを直接に実装する構造の、いわゆるCOG(Chip On Glass)方式の液晶装置に本発明を適用した場合の実施形態を示している。
【0040】
ここに示す液晶装置1は、図1にその全体的な平面構造を示した液晶パネル2に、照明装置、制御基板、その他の付帯機器を付設することによって構成される。液晶パネル2は、図面の手前側に配置された第1基板3aと、図面の奥側に配置された第2基板3bとを環状のシール材4によって互いに接合、すなわち貼り合わせることによって形成される。シール材4の内部には、第1基板3aと第2基板3bとの間で電気的な導通をとるための導通材5が分散状態で含まれている。
【0041】
シール材4、第1基板3a及び第2基板3bによって囲まれる領域は高さが一定の間隙、いわゆるセルギャップを構成し、そのセルギャップは図2に示すように、いずれか一方の基板3a又は3bの表面に分散した多数のスペーサ10によって均一な寸法に維持される。スペーサ10は、例えば球形状に形成される。さらに、シール材4の一部には液晶注入用開口4aが形成される。上記のセルギャップ内には、上記液晶注入用開口4aを通して液晶が注入され、その注入の完了後、液晶注入用開口4aが樹脂等によって封止される。
【0042】
図2は、図1におけるA−A線に従って液晶装置1の断面構造を示している。図2に示すように、液晶パネル2の第2基板3bの裏側(すなわち、図2に示す構造の下側)には、発光源6及び導光体7を有する照明装置8がバックライトとして設けられている。
【0043】
図1において、第1基板3aは第2基板3bの外側へ張り出す、配線引出し領域としての基板張出し部3cを有し、その基板張出し部3c上に液晶駆動用IC9a及び9bが導電接着要素、例えばACF(Anisotropic Conductive Film)11によって実装されている。液晶駆動用IC9aと液晶駆動用IC9bは互いに特性が異なるものであり、このように特性の異なる2種類の液晶駆動用ICを用いるのは、第1基板3a側と第2基板3b側とで、換言すれば、走査線駆動系と信号線駆動系との間で使用する電圧値が異なっているため、それらを1つのICチップで賄うことができないからである。
【0044】
図2において、第1基板3aは基材12aを有し、その基材12aの内側表面、すなわち液晶層L側の表面に複数の画素電極13が形成される。また、図1に示すように、第1基板3aの内側表面には、複数の直線状のライン配線14が互いに平行に配列されて全体としてストライプ状に形成され、それらのライン配線14に沿って適宜の間隔でTFD素子16が形成され、それらのTFD素子16を介して複数の画素電極13が形成されている。複数の画素電極13は平面的にはドットマトリクス状に配列されている。
【0045】
図2において、画素電極13、TFD素子16及びライン配線14が形成された基材12aの表面上に、配向膜17aが形成される。また、基材12aの外側表面には位相差板18aが設けられ、さらにその上に偏光板19aが設けられる。
【0046】
図1及び図2において矢印Cで示す1個のTFD素子の近傍の構造を示すと、例えば図3の通りである。図3に示すのは、いわゆるBack-to-Back(バック・ツー・バック)構造のTFD素子を用いたものである。図3において、ライン配線14は、例えばTaW(タングステン・タンタル)によって形成された第1層14aと、例えば陽極酸化膜であるTa(酸化タンタル)によって形成された第2層14bと、例えばCrによって形成された第3層14cとから成る3層構造に形成されている。
【0047】
また、TFD素子16は、第1TFD要素16aと第2TFD要素16bとを直列に接続することによって構成されている。第1TFD要素16a及び第2TFD要素16bは、TaWによって形成された第1金属層21と、陽極酸化によって形成されたTaの絶縁層22と、ライン配線14の第3層14cと同一層であるCrの第2金属層23との3層積層構造によって構成されている。
【0048】
第1TFD要素16aをライン配線14側から見ると、第2金属層23/絶縁層22/第1金属層21の積層構造が構成され、他方、第2TFD要素16bをライン配線14側から見ると、第1金属層21/絶縁層22/第2金属層23の積層構造が形成される。このように一対のTFD要素16a及び16bを電気的に逆向きに直列接続してバック・ツー・バック構造のTFD素子を構成することにより、TFD素子のスイッチング特性の安定化が達成されている。画素電極13は、第2TFD要素16bの第2金属層23に接続するように、例えばITOによって形成される。
【0049】
図2において、第2基板3bは基材12bを有し、その基材12bの内側表面、すなわち液晶層L側の表面には半透過反射膜24が形成され、その上にカラーフィルタ膜26が形成され、その上にオーバーコート膜27が形成され、その上に対向電極28が形成され、さらにその上に配向膜17bが形成される。また、基材12bの外側表面には、位相差板18bが形成され、さらにその上に偏光板19bが形成される。
【0050】
対向電極28は、図1に示すように、多数の直線状の電極をライン配線14と交差するように互いに平行に並べることによりストライプ状に形成されている。なお、図1では、電極パターンをわかり易く示すために、対向電極28の間隔を大きく広げて模式的に描いてあるが、実際には、対向電極28の間隔は画素電極13のドットピッチに合せて非常に狭く形成されている。
【0051】
画素電極13と対向電極28との交差点はドットマトリクス状に配列しており、これらの交差点の個々が1つのドットを構成し、図2のカラーフィルタ膜26の個々の色パターンがその1ドットに対応する。カラーフィルタ膜26は、例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色が1つのユニットとなって1つの画素を構成している。ドットマトリクス状に配列された複数のドットによって区画される方形の領域Vがスイッチング素子の駆動によって像が表示される領域、すなわち、駆動領域又は表示領域である。
【0052】
基材12a、12bは、例えば、ガラス、プラスチック等によって形成される。また、半透過反射膜24は光反射性の材料、例えばAl(アルミニウム)によって形成される。但し、光反射性材料は半透過及び反射の機能を達成するために、その厚さが光を透過可能な程度に薄く形成したり、あるいは、半透過反射膜24の適所に光を通過させる開口を適宜の面積割合で形成したりする。
【0053】
カラーフィルタ膜26は、周知の色絵素形成手法、例えばインクジェット法、顔料分散法等を用いて顔料を、モザイク配列、ストライプ配列、デルタ配列等といった適宜のパターンに塗布することによって形成される。また、オーバーコート膜27は、適宜の透光性樹脂材料を、例えばスピンコート法、ロールコート法等によって均一に塗布することによって形成される。
【0054】
画素電極13及び対向電極28は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)を周知の膜付け法、例えばスパッタ法、真空蒸着法を用いて膜付けし、さらにフォトエッチング法によって希望のパターンに形成される。配向膜17a及び17bは、例えば、ポリイミド溶液を塗布した後に焼成する方法や、オフセット印刷法等によって形成される。
【0055】
図4において、第1基板3aの液晶側表面(すなわち、図4の裏側表面)には、ライン配線14から基板張出し部3cの方向へそのまま延びる配線29aが形成される。また、第1基板3aの張出し部3cと交差する方向へ延びていて表示領域Vを挟んで互いに対向する一対のシール材辺4b及び4cのそれぞれの適所に導通領域31が設定されている。そして、これらの導通領域31と基板張出し部3c上のIC実装領域との間に配線29bが形成されている。このとき、配線29bはシール材4に関して導通領域31以外の第2領域32の所でこのシール材4を通過して張出し部3c上へ延び出ている。
【0056】
図5において、第2基板3bの液晶側表面(すなわち、図5の手前側表面)には、対向電極28と導通領域31との間、すなわち表示領域Vと導通領域31との間に配線33が形成されている。
【0057】
図4の第1基板3a又は図5の第2基板3bのいずれかの液晶側表面にシール材4を印刷等によって環状に形成し、そのシール材4を挟んでそれらの基板3a及び3bを貼り合わせることによって図1に示すような液晶パネル2が形成される。このとき、図20に示すように、導通領域31において、第1基板3a側の配線29bと第2基板3b側の配線33とが互いに重なり合い、さらにそれらの間がシール材4に含まれる導通材5によって導電接続される。
【0058】
以上により、第1基板3a上に形成された画素電極13は、TFD素子16及びライン配線14を介して、第1基板3a上の液晶駆動用IC9aに接続される。一方、第2基板3b上に形成された対向電極28は、導通領域31において導通材5によって導電接続された配線33及び配線29bを介して第1基板3a上の液晶駆動用IC9bに接続される。
【0059】
本実施形態の液晶装置1は以上のように構成されているので、図2において、太陽光、室内光等といった外部光が十分な場合には、その外部光が第1基板3a及び液晶層Lを透過して半透過反射膜24へ到達し、この半透過反射膜24で反射した後に液晶層Lへ供給される。一方、外部光が不十分の場合には、照明装置8の発光源6を点灯し、その発光源6からの点状又は線状の光を導光体7によって面状の光へ変換して液晶パネル2へ供給する。こうして液晶パネル2へ供給された光は半透過反射板24を透過して液晶層Lへ供給される。
【0060】
以上のようにして光が液晶層Lへ供給されるとき、図1において液晶駆動用IC9aが作動してライン配線14へ走査信号又はデータ信号の一方が供給され、さらに液晶駆動用IC9bが作動して対向電極28へ走査信号又はデータ信号の他方が供給される。これにより、表示領域Vを構成する複数の画素内の液晶の配向が画素毎に制御され、この液晶を通過する光が画素毎に変調され、こうして変調された光が図2の偏光板19aを選択的に通過することにより、外部に文字、数字等といった像が表示される。
【0061】
本実施形態の液晶装置1では、図1において、表示領域Vを挟んで2つの導通領域31の各々に向かい合う部分のシール材4の一部領域に第1ダミーパターン34が設けられている。この第1ダミーパターン34は、本実施形態の場合は、図4に示すように第1基板3aの表面上において導通領域31に向かい合う部分のシール材4を通過するように形成された複数の直線状の第1ダミーパターン要素34aと、図5に示すように第2基板3bの表面上において導通領域31に向かい合う部分のシール材4を通過するように形成された複数の直線状の第1ダミーパターン要素34bとによって構成されている。これらのダミーパターン34a及び34bは、図20に示すように、シール材4を間に挟んで互いに対向する。
【0062】
第1基板3a側の第1ダミーパターン要素34aは、基板3a上に配線29bを形成する工程において同じ材料、例えばTa、Cr、ITO等によって同時に同じ厚さに形成することができる。また、第2基板3b側の第1ダミーパターン要素34bは、基板3b上に対向電極28及び配線33を形成する工程において同じ材料、例えばITO等によって同時に同じ厚さに形成することができる。
【0063】
なお、ダミーパターン要素34bは、対向電極28に接続しても良いし、あるいは対向電極28を延長させて形成しても良い。このようにしてダミーパターン要素34bを対向電極28に電気的に導通させれば次のような効果が得られる。すなわち、対向する基板3a及び3bのそれぞれに形成されたダミーパターンが両方とも電気的に独立しているとすると、そこにコンデンサが形成されるので、一度そこに電荷が蓄積されるとその電荷が逃げられなくなって都合が悪い。これに対し、ダミーパターンの一方を電極又は配線と電気的に接続すれば、電荷を逃げられるようにできて好都合である。
【0064】
本実施形態では、1つの第1ダミーパターン要素34aと1つの第1ダミーパターン要素34bとがシール材4を挟んで位置的に重なりあって一つのユニットを構成し、そのユニットが適宜の間隔をおいて複数集まって第1ダミーパターン34を構成している。
【0065】
図4において、第1基板3a側の第1ダミーパターン要素34aは、導通領域31内に存在する複数の配線29bの個々に対応した位置に形成されている。また、個々の第1ダミーパターン要素34aの線幅は対応する個々の配線29bの線幅とほぼ等しく設定されている。
【0066】
また、図5において、第2基板3b側の第1ダミーパターン要素34bは、向かい合う導通領域31内に存在する複数の配線33の個々に対応した位置に形成されている。また、個々の第1ダミーパターン要素34bの線幅は対応する個々の配線33の線幅とほぼ等しく設定されている。
【0067】
また、第1基板3a側の第1ダミーパターン要素34aと第2基板3b側の第1ダミーパターン要素34bは、図1では少しずれた位置に配置されているように示されているが、これは構造をわかり易く示すための便宜上の措置であり、実際には、第1ダミーパターン要素34aと第1ダミーパターン要素34bとは、第1基板3aと第2基板3bとを貼り合せた状態であってそれらの基板を直角方向から見た場合に、第1ダミーパターン要素34aと第1ダミーパターン要素34bとが互いに重なり合ってほぼ1本の線になるように形成されている。
【0068】
以上により、第1基板3a側の第1ダミーパターン要素34aと第2基板3b側の第1ダミーパターン要素34bとによって構成される第1ダミーパターン34がシール材4を通過する面積は、その第1ダミーパターン34に向かい合う導通領域31において第1基板3a側の配線29b及び第2基板3b側の配線33がシール材4を通過する面積の合計とほぼ等しくなっている。
【0069】
導通領域31においては、導通をとるための必要性から、第1基板3a側の配線29b及び第2基板3b側の配線33がシール材4を通過しなければならない。この場合に、その導通領域31に向かい合う部分のシール部材4の領域に何等の措置も講じておかなければ、基板間の間隙寸法、すなわちセルギャップが不均一になって液晶の配向制御が表示領域Vの全面にわたって均一にできなくなるおそれがある。このことに関し、本実施形態では、導通領域31に向かい合う部分のシール部材4の領域に第1ダミーパターン34を設けたので、基板間隔、すなわちセルギャップを液晶パネルの全面にわたって均一に維持でき、これにより、液晶表示品質を高く維持できる。
【0070】
また、第1ダミーパターン34がシール材4を通過する面積を、第1基板3a側の配線29b及び第2基板3b側の配線33がシール材4を通過する面積の合計とほぼ同じに設定したので、セルギャップをより一層均一に維持できる。
【0071】
また、図4において、第1基板3a側の第1ダミーパターン要素34aは、導通領域31内に存在する複数の配線29bの個々に対応して配置されている。また、図5において、第2基板3b側の第1ダミーパターン要素34bは、導通領域31内に存在する複数の配線33の個々に対応して配置されている。この構成により、シール材4に対する第1ダミーパターン34側の面積状況と、シール材4に対する配線29b及び33側の面積状況とが等しくなるので液晶パネルのセルギャップをより一層均一に維持できる。
【0072】
次に、図4において、ライン配線14から延びる配線29aはシール材4の1辺4eを通過する。また、ライン配線14の反対側の端部であってシール材4の反対側の1辺4dを通過する部分はダミーパターン38として機能する。このダミーパターン38は、配線29aが通過する側のシール材辺4eの所の基板間厚さ、すなわちセルギャップと、その反対側のシール材辺4dの所のセルギャップとを等しい寸法に維持するように作用する。このダミーパターン38の作用により、図4のライン配線14に沿った図の縦方向における液晶パネルのセルギャップを一定に維持できる。
【0073】
なお、図2に示すように、ダミーパターン38に対向する位置の第2基板3bの表面には、別のダミーパターン63がダミーパターン38と重なるように形成されている。また、ダミーパターン38と反対側において配線29aがシール材辺4eを通過する部分に対向する位置の第2基板3bの表面にも、別のダミーパターン64が配線29aと重なるように形成されている。
【0074】
ダミーパターン63は、図4におけるダミーパターン38がシール材4を通過する部分の形状と同じ形状となるように図5に示すように形成される。また、ダミーパターン64は、図4における配線29aがシール材4を通過する部分の形状と同じ形状となるように図5に示すように形成される。なお、図2に示すように、ダミーパターン38とダミーパターン63はそれぞれ導通材5の上端及び下端に接触し、さらに、液晶層Lを挟んだ反対側では、配線29aとダミーパターン64とがそれぞれ導通材5の上端及び下端に接触している。さらに、図5に示すように、ダミーパターン63及びダミーパターン64は、対向電極28と電気的に接続されることなく、いずれも、電気的に独立している。これらのダミーパターン63及び64を設けることにより、セルギャップをより一層均一に維持することが可能となる。
【0075】
ところで、本実施形態では、図4に示すように、第1基板3aの表面に形成した配線29bが導通領域31以外の第2領域32でシール材4を通過して、基板張出し部3cすなわち配線引出し領域へ延び出ている。この場合に、その第2領域32に向かい合う部分のシール部材4の領域に何等の措置も講じておかなければ、基板間の間隙寸法、すなわちセルギャップが不均一になって液晶の配向制御が表示領域Vの全面にわたって均一にできなくなるおそれがある。このことに関し、本実施形態では、第2領域32に向かい合う部分のシール部材4の領域に第2ダミーパターン37を設けた。これにより、基板間隔、すなわちセルギャップを液晶パネルの全面にわたって均一に維持でき、これにより、液晶表示品質を高く維持できる。
【0076】
本実施形態では、第2ダミーパターン37は、第2領域32内に存在する複数の配線29bの個々に対応する位置に形成された複数の直線状のパターン39によって構成されている。また、各パターン39がシール材4を通過する面積の合計は、第2領域32において配線29bがシール材4を通過する面積の合計にほぼ等しくなっている。これにより、基板間隔、すなわちセルギャップを液晶パネルの全面にわたって均一に維持でき、これにより、液晶表示品質を高く維持できる。
【0077】
さらに、本実施形態では、図4の配線29bが形成された第1基板3aに対向する図5の第2基板3bに関して、図4の配線29bがシール材4を通過する位置に対向させてダミーパターン66を形成した。また、図4のダミーパターン39に対向する位置の図5の第2基板3bの表面にダミーパターン67を形成した。このように、配線29bを形成した第1基板3aに対向する第2基板3bにダミーパターン66及び67を設けることにより、ライン配線14の延在方向に沿ったセルギャップをより一層均一に維持できる。
【0078】
(変形例)
図1に示す実施形態では、導通領域31以外に配線29bが通過する領域である第2領域32に対応して第2ダミーパターン37を設けたが、第2領域32に対応する位置には、必ずしもダミーパターンを設けなくても良い。
【0079】
また、図1に示す実施形態では、第1ダミーパターン34を第1基板3a及び第2基板3bの両方に形成したが、場合によっては、いずれか一方の基板に形成するだけでも良い。
【0080】
また、図1に示す実施形態では、第1ダミーパターン34を複数の直線状のパターンの集合によって形成したが、これに代えて、適宜の面積を持った1つのパターンによって第1ダミーパターン34を構成することもできる。
【0081】
(液晶装置の第2実施形態)
図6は、アクティブ素子を用いない構造の単純マトリクス型の液晶装置であって、基板上にICチップを直接に実装する構造の、いわゆるCOG(Chip On Glass)方式の液晶装置に本発明を適用した場合の実施形態を示している。
【0082】
ここに示す液晶装置41は、図6にその全体的な平面構造を示した液晶パネル42に、照明装置、制御基板、その他の付帯機器を付設することによって構成される。液晶パネル42は、図面の手前側に配置された第1基板3aと、図面の奥側に配置された第2基板3bとを環状のシール材4によって互いに接合、すなわち貼り合わせることによって形成される。シール材4の内部には、第1基板3aと第2基板3bとの間で電気的な導通をとるための導通材5が分散状態で含まれている。
【0083】
シール材4、第1基板3a及び第2基板3bによって囲まれる領域は高さが一定の間隙、いわゆるセルギャップを構成する。さらに、シール材4の一部には液晶注入用開口4aが形成される。上記のセルギャップ内には、上記液晶注入用開口4aを通して液晶が注入され、その注入の完了後、液晶注入用開口4aが樹脂等によって封止される。
【0084】
図7は、図6におけるD−D線に従って液晶装置41の断面構造を示している。図7に示すように、液晶パネル42の第2基板3bの裏側(すなわち、図7に示す構造の下側)には、発光源6及び導光体7を有する照明装置8がバックライトとして設けられている。
【0085】
図6において、第1基板3aは第2基板3bの外側へ張り出す、配線引出し領域としての基板張出し部3cを有し、その基板張出し部3c上に液晶駆動用IC9a及び9bが導電接着要素、例えばACF(Anisotropic Conductive Film)11によって実装されている。液晶駆動用IC9aと液晶駆動用IC9bは互いに特性が異なるものであり、このように特性の異なる2種類の液晶駆動用ICを用いるのは、第1基板3a側と第2基板3b側とで、換言すれば、走査線駆動系と信号線駆動系との間で使用する電圧値が異なっているため、それらを1つのICチップで賄うことができないからである。
【0086】
図7において、第1基板3aは基材12aを有し、その基材12aの内側表面、すなわち液晶層L側の表面にはカラーフィルタ膜46が形成され、そのカラーフィルタ膜46の上に第1電極43が形成され、さらにその上に配向膜17aが形成される。第1電極43は、図6に示すように、複数本が互いに平行に配列されて全体としてストライプ状に形成されている。また、基材12aの外側表面には偏光板19aが設けられる。
【0087】
図7において、第2基板3bは基材12bを有し、その基材12bの内側表面、すなわち液晶層L側の表面には第2電極48が形成され、その上に配向膜17bが形成される。また、基材12bの外側表面には、偏光板19bが形成され、その上に半透過反射膜44が形成される。
【0088】
第2電極48は、図6に示すように、多数の直線状の電極48を第1電極43と交差するように互いに平行に並べることにより全体としてストライプ状に形成されている。なお、図6では、電極パターンをわかり易く示すために、第1電極43及び第2電極48を数本だけ間隔を大きく広げて模式的に示してあるが、実際には、第1電極43及び第2電極48は多数本が狭い間隔で形成されている。図6において、第1電極43と第2電極48との交差点はドットマトリクス状に配列しており、これらの交差点の個々が1つのドットを構成し、図7のカラーフィルタ膜46の個々の色パターンがその1ドットに対応する。カラーフィルタ膜46は、例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色が1つのユニットとなって1つの画素を構成している。ドットマトリクス状に配列された複数のドットによって区画される方形の領域Vが、電圧印加によって駆動される駆動領域、すなわち文字等といった像が表示される表示領域である。
【0089】
基材12a、12bは、例えば、ガラス、プラスチック等によって形成される。また、半透過反射膜44は光反射性の材料、例えばAl(アルミニウム)によって形成される。但し、光反射性材料は半透過及び反射の機能を達成するために、その厚さが光を透過可能な程度に薄く形成したり、あるいは、半透過反射膜24の適所に光を通過させる開口を適宜の面積割合で形成したりする。
【0090】
カラーフィルタ膜46は、周知の色絵素形成手法、例えばインクジェット法、顔料分散法等を用いて顔料を、モザイク配列、ストライプ配列、デルタ配列等といった適宜のパターンに塗布することによって形成される。
【0091】
第1電極43及び第2電極48は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)を周知の膜付け法、例えばスパッタ法、真空蒸着法を用いて膜付けし、さらにフォトエッチング法によって希望のパターンに形成される。配向膜17a及び17bは、例えば、ポリイミド溶液を塗布した後に焼成する方法や、オフセット印刷法等によって形成される。
【0092】
図8において、第1基板3aの液晶側表面(すなわち、図8の裏側表面)には、第1電極43から基板張出し部3cの方向へそのまま延びる配線29aが形成される。また、第1基板3aの張出し部3cと平行に延びるシール材辺4eの両端部に導通領域31が設定されている。そして、これらの導通領域31と基板張出し部3c上のIC実装領域との間に配線29bが形成されている。
【0093】
また、図9において、第2基板3bの液晶側表面(すなわち、図9の手前側表面)には、第2電極48の端部と導通領域31との間、すなわち表示領域Vと導通領域31との間に配線33が形成されている。
【0094】
図8の第1基板3a又は図9の第2基板3bのいずれかの液晶側表面にシール材4を印刷等によって環状に形成し、そのシール材4を挟んでそれらの基板3a及び3bを貼り合わせることによって図6に示すような液晶パネル42が形成される。このとき、導通領域31において、図22に示すように、第1基板3a側の配線29bと第2基板3b側の配線33とが互いに重なり合い、さらにそれらの間がシール材4に含まれる導通材5によって導電接続される。
【0095】
以上により、図6において、第1基板3a上に形成された第1電極43は、配線29aを介して、第1基板3a上の液晶駆動用IC9aに接続される。一方、第2基板3b上に形成された第2電極48は、導通領域31において導通材5によって導電接続された配線33及び配線29bを介して第1基板3a上の液晶駆動用IC9bに接続される。
【0096】
本実施形態の液晶装置41は以上のように構成されているので、図7において、太陽光、室内光等といった外部光が十分な場合には、その外部光が第1基板3a及び液晶層Lを透過して半透過反射膜44へ到達し、この半透過反射膜44で反射した後に液晶層Lへ供給される。一方、外部光が不十分の場合には、照明装置8の発光源6を点灯し、その発光源6からの点状又は線状の光を導光体7によって面状の光へ変換して液晶パネル42へ供給する。こうして液晶パネル42へ供給された光は半透過反射板44を透過して液晶層Lへ供給される。
【0097】
以上のようにして光が液晶層Lへ供給されるとき、図6において液晶駆動用IC9aが作動して第1電極43へ走査信号又はデータ信号の一方が供給され、さらに液晶駆動用IC9bが作動して第2電極48へ走査信号又はデータ信号の他方が供給される。これにより、表示領域Vを構成する複数の画素内の液晶の配向が画素毎に制御され、この液晶を通過する光が画素毎に変調され、こうして変調された光が図7の偏光板19aを選択的に通過することにより、外部に文字、数字等といった像が表示される。
【0098】
本実施形態の液晶装置41では、図6において、2つの導通領域31の各々に向かい合う部分のシール材4の一部領域に第1ダミーパターン34が設けられている。この第1ダミーパターン34は、本実施形態の場合は、図8に示すように第1基板3aの表面上において導通領域31に向かい合う部分のシール材4を通過するように形成された複数の直線状の第1ダミーパターン要素34aと、図9に示すように第2基板3bの表面上において導通領域31に向かい合う部分のシール材4を通過するように形成された複数の直線状の第1ダミーパターン要素34bとによって構成されている。
【0099】
図8において、第1基板3a側の第1ダミーパターン要素34aは、基板3a上に配線29bを形成する工程において同じ材料、例えばITO等によって同時に同じ厚さに形成することができる。また、図9において、第2基板3b側の第1ダミーパターン要素34bは、基板3b上に配線33を形成する工程において同じ材料、例えばITO等によって同時に同じ厚さに形成することができる。
【0100】
本実施形態では、1つの第1ダミーパターン要素34aと1つの第1ダミーパターン要素34bとが、図22に示すように、シール材4を挟んで位置的に重なりあって一つのユニットを構成し、そのユニットが図6において適宜の間隔をおいて複数集まって第1ダミーパターン34を構成している。
【0101】
図8において、第1基板3a側の第1ダミーパターン要素34aは、導通領域31内に存在する複数の配線29bの個々に対応した位置に形成されている。また、個々の第1ダミーパターン要素34aの線幅は対応する個々の配線29bの線幅とほぼ等しく設定されている。
【0102】
また、図9において、第2基板3b側の第1ダミーパターン要素34bは、導通領域31内に存在する複数の配線33の個々に対応した位置に形成されている。また、個々の第1ダミーパターン要素34bの線幅は対応する個々の配線33の線幅とほぼ等しく設定されている。
【0103】
また、第1基板3a側の第1ダミーパターン要素34aと第2基板3b側の第1ダミーパターン要素34bは、図6では少しずれた位置に配置されているように示されているが、これは構造をわかり易く示すための便宜上の措置であり、実際には、第1ダミーパターン要素34aと第1ダミーパターン要素34bとは、第1基板3aと第2基板3bとを貼り合せた状態であってそれらの基板を直角方向から見た場合に、第1ダミーパターン要素34aと第1ダミーパターン要素34bとが互いに重なり合ってほぼ1本の線になるように形成されている。
【0104】
以上により、第1基板3a側の第1ダミーパターン要素34aと第2基板3b側の第1ダミーパターン要素34bとによって構成される第1ダミーパターン34がシール材4を通過する面積は、その第1ダミーパターン34に向かい合う導通領域31において第1基板3a側の配線29b及び第2基板3b側の配線33がシール材4を通過する面積の合計とほぼ等しくなっている。
【0105】
導通領域31においては、導通をとるための必要性から、第1基板3a側の配線29b及び第2基板3b側の配線33がシール材4を通過しなければならない。この場合に、その導通領域31に向かい合う部分のシール部材4の領域に何等の措置も講じておかなければ、基板間の間隙寸法、すなわちセルギャップが不均一になって液晶の配向制御が表示領域Vの全面にわたって均一にできなくなるおそれがある。このことに関し、本実施形態では、導通領域31に向かい合う部分のシール部材4の領域に第1ダミーパターン34を設けたので、基板間隔、すなわちセルギャップを液晶パネルの全面にわたって均一に維持でき、これにより、液晶表示品質を高く維持できる。
【0106】
また、第1ダミーパターン34がシール材4を通過する面積を、第1基板3a側の配線29b及び第2基板3b側の配線33がシール材4を通過する面積の合計とほぼ同じに設定したので、セルギャップをより一層均一に維持できる。
【0107】
また、図8において、第1基板3a側の第1ダミーパターン要素34aは、導通領域31内に存在する複数の配線29bの個々に対応して配置されている。また、図9において、第2基板3b側の第1ダミーパターン要素34bは、導通領域31内に存在する複数の配線33の個々に対応して配置されている。この構成により、シール材4に対する第1ダミーパターン34側の面積状況と、シール材4に対する配線29b及び33側の面積状況とが等しくなるので液晶パネルのセルギャップをより一層均一に維持できる。
【0108】
次に、図8において、第1電極43から延びる配線29aはシール材4の1辺4eを通過する。また、第1電極43の反対側の端部であってシール材4の反対側の1辺4dを通過する部分はダミーパターン38として機能する。このダミーパターン38は、配線29aが通過する側のシール材辺4eの所の基板間厚さ、すなわちセルギャップと、その反対側のシール材辺4dの所のセルギャップとを等しい寸法に維持するように作用する。このダミーパターン38の作用により、図8の第1電極43に沿った図の縦方向における液晶パネルのセルギャップを一定に維持できる。
【0109】
なお、図7に示すように、ダミーパターン38に対向する位置の第2基板3bの表面には、別のダミーパターン63がダミーパターン38と重なるように形成されている。また、ダミーパターン38と反対側において配線29aがシール材辺4eを通過する部分に対向する位置の第2基板3bの表面にも、別のダミーパターン64が配線29aと重なるように形成されている。ダミーパターン63は、図8におけるダミーパターン38がシール材4を通過する部分の形状と同じ形状となるように図9に示すように形成される。また、ダミーパターン64は、図8における配線29aがシール材4を通過する部分の形状と同じ形状となるように図9に示すように形成される。
【0110】
なお、図7に示すように、ダミーパターン38とダミーパターン63はそれぞれ導通材5の上端及び下端に接触し、さらに、液晶層Lを挟んだ反対側では、配線29aとダミーパターン64とがそれぞれ導通材5の上端及び下端に接触している。さらに、図9に示すように、ダミーパターン63及びダミーパターン64は、第2電極48と電気的に接続されることなく、いずれも、電気的に独立している。これらのダミーパターン63及び64を設けることにより、セルギャップをより一層均一に維持することが可能となる。
【0111】
ところで、本実施形態では、図9に示すように、第2基板3bの表面に形成した配線33が導通領域31以外の第2領域32でシール材4を通過している。この場合に、その第2領域32に向かい合う部分のシール部材4の領域Aに何等の措置も講じておかなければ、基板間の間隙寸法、すなわちセルギャップが不均一になって液晶の配向制御が表示領域Vの全面にわたって均一にできなくなるおそれがある。このことに関し、本実施形態では、第2領域32に向かい合う部分のシール部材4の領域Aに第2ダミーパターン37を設けた。これにより、基板間隔、すなわちセルギャップを液晶パネルの全面にわたって均一に維持でき、これにより、液晶表示品質を高く維持できる。
【0112】
本実施形態において、第2ダミーパターン37に関しては、それを構成する複数の直線状のパターン39がシール材4を通過する面積の合計は、領域Aに対応する長さの第2領域32において配線33がシール材4を通過する面積にほぼ等しくなっている。これにより、基板間隔、すなわちセルギャップを液晶パネルの全面にわたって均一に維持でき、これにより、液晶表示品質を高く維持できる。なお、パターン39は、対向電極48に接続しても良いし、あるいは第2電極48を延長させて形成しても良い。このようにしてパターン39を第2電極48に電気的に導通させれば次のような効果が得られる。すなわち、対向する基板3a及び3bのそれぞれに形成されたダミーパターンが両方とも電気的に独立しているとすると、そこにコンデンサが形成されるので、一度そこに電荷が蓄積されるとその電荷が逃げられなくなって都合が悪い。これに対し、ダミーパターンの一方を電極又は配線と電気的に接続すれば、電荷を逃げられるようにできて好都合である。
【0113】
図6のE−E線に従った断面図である図21に示すように、シール材4の断面幅は複数の導通材5を含むことができる幅となっており、図21ではその断面内に複数(図では3個)の導通材5が含まれている様子を示している。なお、図では導通材5を楕円形状に示してあるが、これは、図面を分かりやすく示すための措置であって、実際には、導通材5はスペーサ10と略同じか、あるいはわずかに大きい球形又は円筒形に形成されている。
【0114】
図21に示す通り、1つのダミーパターン39のE−E断面における長さは、液晶層Lを挟んでその反対側にある配線33であってシール材4の内部領域に在るもののE−E断面における長さよりも長くなっている。しかしながら、図9におけるA領域を考えれば、そのA領域内におけるパターン39の面積の合計は、A領域内における配線33の面積の合計と等しくなるように設定されている。この結果、A領域内においてパターン39の上に載る導通材5の数と、同じくA領域内において配線33の上に載る導通材5の数とは、互いに等しくなるように設定できる。こうすることにより、セルギャップをより一層均一に維持できる。
【0115】
(変形例)
図6に示す実施形態では、導通領域31以外に配線33が通過する領域である第2領域32に対応して第2ダミーパターン37を設けたが、第2領域32に対応する位置には、必ずしもダミーパターンを設けなくても良い。
【0116】
また、図6に示す実施形態では、第1ダミーパターン34を第1基板3a及び第2基板3bの両方に形成したが、場合によってはいずれか一方の基板に形成するだけでも良い。
【0117】
また、図6に示す実施形態では、第1ダミーパターン34を複数の直線状のパターンの集合によって形成したが、これに代えて、適宜の面積を持った1つのパターンによって第1ダミーパターン34を構成することもできる。
【0118】
(液晶装置の第3実施形態)
図15は、本発明を単純マトリクス方式の半透過反射型カラー液晶装置に適用した場合の実施形態を示している。ここに示す液晶装置120は、図15にその全体的な平面構造を示した液晶パネル121に、照明装置、制御基板、その他の付帯機器を付設することによって構成される。
【0119】
この液晶パネル121は、平面視長方形状の下基板122と上基板123とがシール材124を介して対向配置されている。シール材124の一部は各基板122,123の一辺(図15における上辺)側で開口して液晶注入口125となっており、双方の基板122,123とシール材124とに囲まれた空間内に液晶が封入され、さらに液晶注入口125が封止材126によって封止されている。ただし、矩形環状のシール材124のうち、各基板122,123の右辺及び左辺に沿う部分124aは異方性導電粒子等といった導通材5が混入され、液晶封止の他に導通部としても機能する。一方、各基板122,123の上辺及び下辺に沿う部分124bは導通材5を含んでおらず、液晶封止のための非導通シール材として機能する。
【0120】
本実施の形態では、上基板123よりも下基板122の外形寸法の方が大きく、上基板123と下基板122の3辺(すなわち、図1における上辺、右辺、左辺)では基板の縁、すなわち基板の端面が揃っているが、上基板123の残りの1辺(すなわち、図1における下辺)からは下基板122の周縁部が張り出すように配置され、張出領域129を形成している。そして、この張出領域129に、上基板123、下基板122の双方の電極を駆動するための駆動用半導体素子127が実装されている。なお、符号128は有効表示領域の周囲を遮光するための矩形環状の遮光層(すなわち、周辺見切り)であり、この遮光層128の内縁よりも内側の領域が実際の画像表示に寄与する有効表示領域となる。
【0121】
下基板122上には、図16に示すように、縦方向に延在する複数のセグメント電極130がストライプ状に形成されている。一方、上基板123上には、セグメント電極130と直交するように図中横方向に延在する複数のコモン電極131がストライプ状に形成されている。
【0122】
カラーフィルター133のR、G、Bの各色素層133r,133g,133bは、各セグメント電極130の延在方向に同色が並び、それと直角の方向にR、G、Bが交互に並ぶように配列されており、図16に示す横方向に並んだR、G、Bの3個の画素で画面上の1個のドットが構成されている。
【0123】
セグメント電極130は、W2の幅で形成されたAPC膜138と、これを覆うW1の幅で形成された透明導電膜139との積層構造を有する。APC膜138は、銀、パラジウム、銅を所定の割合で含有した合金からなる膜である。また、透明導電膜139は、例えば、ITO膜によって形成される。
【0124】
APC膜138が半透過反射膜として機能するように、本実施形態ではAPC膜138が各画素毎に2個ずつの光透過用の窓部132を光透過領域として有している。窓部132は、カラーフィルター133の各色素層133r,133g,133bを複数の画素にわたって縦方向に見たときに千鳥状に配置されている。なお、ここで言う「画素」とは、図16に示すように、セグメント電極130とコモン電極131とが平面的に見て重なり合った各領域のことである。
【0125】
図15に示すように、各コモン電極131はその両端が導通シール材124aに接し、さらに導通シール材124aの外側にまで貫通して延在している。複数のコモン電極131(図15では10本のみ図示する)のうち、図15の上側半分(図15では5本)のコモン電極131については、コモン電極131の右端が、導通シール材124a中に混入させた異方性導電粒子等といった導通材5を介して下基板122上のコモン電極用引回し配線14に電気的に接続されている。そして、下基板122上の引回し配線14が導通シール材124aから基板中央部に向けて延びた後、屈曲して下基板122の右辺に沿って縦方向に延び、非導通シール材124bの部分を横断して張出領域129に実装された駆動用半導体素子127の出力端子(図示省略)に接続されている。
【0126】
同様に、複数のコモン電極131のうち図15の下側半分(図15では5本)のコモン電極131については、コモン電極131の左端が、導通シール材124a中に混入させた異方性導電粒子等といった導通材5を介して下基板122上の引回し配線134に電気的に接続されている。そして、下基板122上の引回し配線134が導通シール材124aから基板中央部に向けて延びた後、屈曲して下基板122の左辺に沿って縦方向に延び、非導通シール材124bの部分を横断して張出領域129に実装された駆動用半導体素子127の出力端子に接続されている。
【0127】
すなわち、全ての引回し配線134が導通シール材124aより内側の領域でかつ遮光層128の形成幅の内縁よりも外側の範囲内に配置されている。つまり、引回し配線134は、形成された導通シール材124aと遮光層128との間の領域(形成幅を含む)を延在して形成され、基板の短辺側に配置された非導通シール材124bを通過して張出領域129に張り出し、張出領域129に実装された駆動用半導体素子127の出力端子に接続されている。
【0128】
一方、セグメント電極130については、セグメント電極用引回し配線135がセグメント電極130の下端から非導通シール材124bに向けて引き出され、そのまま駆動用半導体素子127の出力端子に接続されている。多数の引回し配線134,135が各基板122,123の下辺側の非導通シール材124bを横断するが、非導通シール材124bは導電性を持たないため、狭ピッチで配置された引回し配線134,135が非導通シール材124bを横断しても短絡の恐れはない。
【0129】
本実施形態の場合、これらの引回し配線134,135もセグメント電極130と同様、APC膜とITO膜との積層膜で構成されている。また、駆動用半導体素子127に各種信号を供給するための入力用配線(すなわち、外部入力端子)136が下基板122の下辺から駆動用半導体素子127の入力端子(図示省略)に向けて設けられている。
【0130】
図16のG−G線に従って画素部分の断面構造を見ると、図17に示すように、ガラス、プラスチック等といった透明基板からなる下基板122上に、APC膜138上にITO膜139が積層された2層構造のセグメント電極130が紙面を貫通する方向にストライプ状に形成されている。また、その上に例えば表面にラビング処理が施されたポリイミド等からなる配向膜140が形成されている。本実施の形態の場合、セグメント電極130の構成は、APC膜138の上面のみにITO膜139が積層されただけではなく、ITO膜139がAPC膜138の側面も覆うようにAPC膜138の幅(W2)よりもITO膜の幅(W1)の方が大きく設定されている。
【0131】
一方、ガラス、プラスチック等といった透明基板からなる上基板123上に、R、G、Bの各色素層133r,133g,133bからなるカラーフィルタ133が形成され、そのカラーフィルタ133上には各色素層間の段差を平坦化すると同時に各色素層の表面を保護するためのオーバーコート膜141が形成されている。このオーバーコート膜141はアクリル、ポリイミド等から成る樹脂膜でもよいし、シリコン酸化膜等といった無機膜でもよい。
【0132】
さらに、オーバーコート膜141上にITOの単層膜からなるコモン電極131が紙面に平行な方向にストライプ状に形成されており、その上に例えば表面にラビング処理が施されたポリイミド等から成る配向膜142が形成されている。上基板123と下基板122との間にはSTN(Super Twisted Nematic)液晶等から成る液Lが挟持されている。また、バックライト(図示略)が下基板122の下面側に配置されている。
【0133】
また、上基板123の上にブラックストライプ145が形成されている。ブラックストライプ145は、例えば、樹脂ブラックや比較的反射率の低いクロム等といった金属等からなり、R、G、Bの各色素層133r,133g,133bの間、すなわち境界を区画するように設けられている。本実施形態の場合、ブラックストライプ145の幅Wは、隣接する画素のITO膜139の間隔P1、すなわちセグメント電極間の間隔より大きく、そしてAPC膜138の間隔P2に一致している。
【0134】
このことを図16で見ると、セグメント電極130の輪郭を示す外側の線がITO膜139の縁を示し、さらに、その内側の線がAPC膜138の縁を示しているが、ブラックストライプ145の輪郭を示す線はAPC膜138の縁を示す線に重なっている。つまり、半透過反射型カラー液晶装置の構成として、色素層の境界に設けられたブラックストライプ145の幅Wが、セグメント電極130のITO膜139の間隔P1より広く、APCパターン18の間隔P2とほぼ同じになるように形成されて配置されている。
【0135】
図15に符号Dで示す領域を拡大して示すと図18に示す通りである。また、図18のH−H線に従って断面構造を示すと図19に示す通りである。図18に示す上側3本のコモン電極131は、その右端で引回し配線134と電気的に接続する。一方、下側2本のコモン電極131は、図15に示すように、その左端で引回し配線134と電気的に接続する。
【0136】
図18において、上基板123のコモン電極131の端部は導通シール材124aの形成領域よりも外側にはみ出しており、下基板122の引回し配線134の端部は導通シール材124aの形成領域内に位置している。導通シール材124aの中には例えば直径が10μm程度の導電粒子150が混入されており、これらの導電粒子150が図19に示すように基板122と基板123と間で接触することにより、上基板123のコモン電極131と下基板122の引回し配線134とが電気的に接続される。
【0137】
図19において、引回し配線134は、セグメント電極130(図17参照)と同様に、APC膜138上にITO膜139が積層された2層構造となっており、APC膜138の側面もITO膜139で覆われている。引回し配線134と左端で接続されたコモン電極131(例えば、図18の下側2本のコモン電極131)に関しては、その右端部が導通シール材124aを通過するが、そのコモン電極131の右端部に対向する基板上にはダミーパターン151が形成されている。このダミーパターン151も、引回し配線134と同様に、APC膜18上にITO膜19が積層された2層構造となっている。
【0138】
また、引回し配線134と右端で接続されたコモン電極131(例えば、図18の上側3本のコモン電極131)に関しては、その左端部が図15に示すように導通シール材124aを通過するが、そのコモン電極131の左端部に対向する基板上にもダミーパターン151が形成される。なお、図18において、実際には引回し配線134及びダミーパターン151を構成するAPC膜の周囲にはITO膜の輪郭が見えるはずであるが、ここでは図面を見やすくするため、図示を省略した。
【0139】
本実施形態において、引回し配線134は、図19に示すように、APC膜138とITO膜139との積層構造であり、引回し配線134の全体の層厚(すなわち、APC膜138とITO膜139との合計の膜厚)が例えば0.3μm程度であるとする。すると通常であれば、シール材124の中で引回し配線134のある場所とない場所とで0.3μmの段差ができ、セルギャップがばらついて表示不良となる恐れがある。
【0140】
これに対して本実施形態では、引回し配線134が存在しないコモン電極131の端部に引回し配線134と同じ形状及び同じ層厚のダミーパターン151を配置したので、液晶パネル全体のセルギャップが場所によらず一定になり、それ故、表示不良を防止することができる。また、引回し配線134とダミーパターン151は同じレイヤーで形成されているので、そのダミーパターンを形成する際にはマスクパターンの追加のみで済み、製造プロセスが複雑になることはない。
【0141】
また、本実施形態の場合、図17に示すように、隣接するセグメント電極130のAPC膜138同士の間隙を完全に覆うように、上基板123上にブラックストライプ145を設けたため、光漏れがなくなり、混色を防止することができる。その結果、反射率に優れたAPC膜138を用いたことで反射モードでの表示の明るさが向上するのと同時に、透過モードでの色の彩度が従来より向上し、カラーの各色を鮮やかに視認し得る液晶装置を実現することができる。
【0142】
なお、本実施形態では、シール材124が導通シール材124aと非導通シール材124bとで構成されているが、シール材124は導通シール材124aのみによって構成されていても構わない。
【0143】
また、本実施形態では、図15に示すように、張出領域129に駆動用半導体素子127を搭載した構成を示したが、これに代えて、駆動用半導体素子127を張出領域129に搭載させることなく、液晶装置120の外部に例えばFPC(Flexible Printed Circuit)等を介して配置しておき、駆動用半導体素子127の端子をFPC等を介して外部入力端子136に接続し、その外部接続端子136から直接に引回し配線134及び引回し配線135へ信号を供給する構成とすることもできる。
【0144】
(液晶装置の第4実施形態)
図23は、本発明に係る液晶装置の他の実施形態を示している。ここに示す液晶パネル161を用いて構成される液晶装置160の基本構成は図15に示した液晶装置120と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0145】
図15に示した実施形態では、複数のコモン電極131のうち、上半分のコモン電極131については、コモン電極131の右端から引回し配線134が引き回され、下半分のコモン電極131については、コモン電極131の左端から引回し配線134が引き廻されていた。これに対して、本実施形態の場合は、図23における最上位のコモン電極131は右端から引回し配線134が引き回され、上から2番目のコモン電極131は左端から引回し配線134が引き回されるというように、引回し配線134が1本毎に右、左、右、左、…と交互に振り分けられている。その他の構成は図15の実施形態の場合と全く同じである。
【0146】
本実施形態の液晶装置160においても、配線134と電極131とが交互に左右で導通されるとき、それらの導通領域31に関して表示領域を挟んで向かい合う部分のシール材4の部分には、該シール材4を通過するダミーパターン34が設けられる。これにより、セグメント電極131に沿った方向の液晶パネル161のセルギャップを均一に維持している。
【0147】
(電子機器の実施形態)
図10は、本発明に係る電子機器の一実施形態である携帯電話機を示している。ここに示した携帯電話機50は、アンテナ51、スピーカ52、キースイッチ53、マイクロホン54等といった各種構成要素を、外装ケース56に格納することによって構成される。外装ケース56の内部には、表示装置として作用する液晶装置60及び制御回路基板57が収納される。
【0148】
液晶装置60は図の上部面が表示面となっており、その表示面に対向する部分の外装ケース56には、液晶装置60を保護すると共に表示面の視界を確保するための透明なカバー58が設けられる。液晶装置60は、例えば図1に示す液晶装置1や図6に示す液晶装置41によって構成できる。
【0149】
図10に示す携帯電話機60では、キースイッチ53及びマイクロホン54を通して入力される信号や、アンテナ51によって受信した受信データ等が制御回路基板57の制御回路に入力される。そしてその制御回路は、入力した各種のデータに基づいて液晶装置60の表示面内に数字、文字、図形等といった像を表示し、さらにアンテナ51から送信データを送信する。
【0150】
図11は、図10に示す携帯電話機、あるいはその他の電子機器に用いられる電気制御系の一実施形態を示している。ここに示した電気制御系は、表示情報出力源90、表示情報処理回路91、電源回路92、タイミングジェネレータ93、そして表示装置としての液晶装置94を有する。また、液晶装置94は液晶パネル95及び駆動回路96を有する。液晶装置94は、例えば図1に示した液晶装置1や図6に示す液晶装置41によって構成できる。
【0151】
表示情報出力源90は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等といったメモリ、各種ディスク等といったストレージユニット、デジタル画像信号を同調出力する同調回路等を備え、タイミングジェネレータ93によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等といった表示情報を表示情報処理回路91に供給する。
【0152】
表示情報処理回路91は、シリアル−パラレル変換回路や、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等といった周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像信号をクロック信号CLKと共に駆動回路86へ供給する。駆動回路96は走査線駆動回路、データ線駆動回路、検査回路等を含んで構成される。また、電源回路92は各構成要素に所定の電圧を供給する。
【0153】
(その他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
【0154】
例えば、以上の説明では、単純マトリクス型の液晶装置やTFD素子をスイッチング素子として用いたアクティブマトリクス方式の液晶装置を例示したが、本発明は、TFT(Thin Film Transistor)等といった3端子型スイッチング素子をアクティブ素子として用いる構造のアクティブマトリクス方式の液晶装置にも適用できる。
【0155】
また、本発明に係る電子機器は、図8に示した携帯電話機に限られず、その他の任意の電子機器、例えば携帯情報端末機、デジタルカメラ等とすることもできる。
【0156】
【発明の効果】
本発明に係るによれば、導通領域において配線がシール材を横切り、その導通領域に向かい合う部分のシール材を第1ダミーパターンが横切る。この構成により、配線がシール材の導通領域だけを横切る構造の従来の液晶装置の場合に比べて、基板間隔、すなわちセルギャップを液晶パネルの全面にわたって均一に維持でき、これにより、液晶表示品質を高く維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶装置の一実施形態を一部破断して示す平面図である。
【図2】図1のA−A線に従って液晶装置の断面構造を示す断面図である。
【図3】図1の液晶装置で用いられるTFD素子の一例を示す斜視図である。
【図4】図1の液晶装置を構成する一方の基板を示す平面図である。
【図5】図1の液晶装置を構成する他方の基板を示す平面図である。
【図6】本発明に係る液晶装置の他の実施形態を一部破断して示す平面図である。
【図7】図6のD−D線に従って液晶装置の断面構造を示す断面図である。
【図8】図6の液晶装置を構成する一方の基板を示す平面図である。
【図9】図6の液晶装置を構成する他方の基板を示す平面図である。
【図10】本発明に係る電子機器の一例である携帯電話機の一実施形態を示す斜視図である。
【図11】本発明に係る電子機器の他の実施形態を示すブロック図である。
【図12】従来の液晶装置の一例を一部破断して示す平面図である。
【図13】図12に示す従来の液晶装置を構成する一方の基板を示す平面図である。
【図14】図12に示す従来の液晶装置を構成する他方の基板を示す平面図である。
【図15】本発明に係る液晶装置のさらに他の実施形態を一部破断して示す平面図である。
【図16】図15の要部を示す平面図である。
【図17】図17のG−G線に従った断面図である。
【図18】図15の矢印Dで示す部分を拡大して示す図である。
【図19】図18のH−H線に従った断面図である。
【図20】図1のB−B線に従った断面図である。
【図21】図6のE−E線に従った断面図である。
【図22】図6のF−F線に従った断面図である。
【図23】本発明に係る液晶装置のさらに他の実施形態を一部破断して示す平面図である。
【符号の説明】
1 液晶装置
2 液晶パネル
3a,3b 基板
3c 基板張出し部(配線引出し領域)
4 シール材
4b,4c,4d,4e シール材辺
5 導通材
8 照明装置
9a,9b 液晶駆動用IC
11 ACF
12a,12b 基材
13 画素電極
14 ライン配線
16 TFD素子
17a,17b 配向膜
18a,18b 位相差板
19a,19b 偏光板
24 半透過反射板
26 カラーフィルタ膜
27 オーバーコート膜
28 対向電極
29a,29b 配線
31 導通領域
32 第2領域
33 配線
34 第1ダミーパターン
34a,34b 第1ダミーパターン要素
37 第2ダミーパターン
38 ダミーパターン
39 パターン
41 液晶装置
42 液晶パネル
43 第1電極
44 半透過反射膜
46 カラーフィルタ膜
48 第2電極
50 携帯電話機(電子機器)
60,120,160 液晶装置
63,64,66,67 ダミーパターン
121,161 液晶パネル
134,135 引回し配線
151 ダミーパターン
L 液晶層
V 表示領域

Claims (3)

  1. 表示領域を備えた第1基板と第2基板と、前記表示領域を囲うように設けられ、導通材を含み、前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせるシール材と、を備えた液晶装置であって、
    前記第1基板において、
    前記シール材と表示領域との間に延設され、前記シール材中の複数の第1導通領域において前記導通材により前記第2基板上の複数の電極と電気的に接続される複数の第1引き回し配線と、
    前記シール材と表示領域との間に延設され、前記シール材中の複数の第2導通領域において前記導通材により前記第2基板上の複数の電極と電気的に接続される複数の第2引き回し配線と、
    前記表示領域を挟んで前記第1導通領域と対向する位置で前記シール材と重なるように設けられた複数の第1ダミーパターンと、
    前記表示領域を挟んで前記第2導通領域と対向する位置で前記シール材と重なるように設けられた複数の第2ダミーパターンと、
    を有し、
    前記第1導通領域と前記第2ダミーパターンとは、シール材の表示領域に対して同じ側において、交互に位置すること
    を特徴とする液晶装置。
  2. 前記第1ダミーパターンが前記シール材と重なる面積は、前記第1引き回し配線が前記シール材と重なる面積とほぼ等しいことを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
  3. 液晶装置と、該液晶装置を収容する筐体とを有する電子機器において、前記液晶装置は請求項1または2に記載した液晶装置によって構成されることを特徴とする電子機器。
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